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JP2007003438A - 二次電池の充電率推定装置 - Google Patents

二次電池の充電率推定装置 Download PDF

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JP2007003438A JP2005186149A JP2005186149A JP2007003438A JP 2007003438 A JP2007003438 A JP 2007003438A JP 2005186149 A JP2005186149 A JP 2005186149A JP 2005186149 A JP2005186149 A JP 2005186149A JP 2007003438 A JP2007003438 A JP 2007003438A
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大次郎 湯本
Hiroyuki Ashizawa
裕之 芦沢
Hisaaki Asai
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Abstract

【課題】二次電池の大電流放電時に正負極間で電子の受け渡しが追い着かなくなることに起因して内部抵抗が増大するという現象によって実際の内部抵抗が増大した場合に、内部抵抗推定値の遅れを小さく出来る二次電池の充電率推定装置を提供する。
【解決手段】計測した電流値(例えば充電方向を正、放電方向を負とした場合、その絶対値)が、二次電池の内部抵抗値が所定値よりも増大する領域(図6のa以上)にある場合には、パラメータ推定演算手段4における推定速度を調整する調整ゲインλを大きくするように補正する調整手段と、ローパスフィルタ処理部とバンドパスフィルタ処理部における応答性を速くするように補正する調整手段との少なくとも一方を備えるように構成した二次電池の充電率推定装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の充電率(SOC)を推定する装置に関する。
二次電池の充電率SOC(充電状態とも言う)は開路電圧V(通電遮断時の電池端子電圧であり、起電力、開放電圧とも言う)と相関があるので、開路電圧Vを求めれば充電率を推定することが出来る。しかし、二次電池の端子電圧は、通電を遮断(充放電を終了)した後も安定するまでに時間を要するので、正確な開路電圧Vを求めるには、充放電を終了してから所定の時間が必要である。したがって充放電中や充放電直後では、正確な開路電圧Vを求めることが出来ないので、上記の方法で充電率SOCを求めることが出来ない。そのため、従来は、例えば下記特許文献1に記載のように、通電中の二次電池(鉛電池やリチウムイオン電池等の充放電可能な電池)の電流と端子電圧の検出値に、適応デジタルフィルタ(適応フィルタとも言う)を用いて電池モデルのパラメータを推定(同定)し、推定パラメータを用いて開路電圧を推定し、この値を基に充電率SOCを算出するように構成している。
この特許文献1においては、開放電圧推定の追従性を向上させるため、内部抵抗推定値の大きさから適応デジタルフィルタ内にある推定速度の調整ゲインを増大補正するように構成している。推定速度の調整ゲインは、演算アルゴリズムにおいて、前回演算時のパラメータ推定値を現時点のパラメータ実際値に近づけるための前回推定値からの変化幅を決定する。調整ゲインが大きい場合は、パラメータ推定値が実際値に追従する速度は速くなるが、観測ノイズから影響を受けて行き過ぎ量が大きくなるため、パラメータ推定値が変動的になる。逆に調整ゲインが小さい場合は、パラメータ推定値が実際値に追従する速度は遅くなるが、観測ノイズから影響を受けても行き過ぎ量が小さいため、パラメータ推定値が安定的になる。従って、ある観測ノイズの環境下で推定精度と速度を良好に保つには、調整ゲインには最適値がある。そのため、調整ゲインを予め大きく設定しておくのは、観測ノイズの影響を受けて推定精度が悪化するため得策でない。
特開2004−14231号公報
二次電池の大電流放電時には、正負極間で電子の受け渡しが追い着かなくなることに起因して、内部抵抗が増大するという電池固有の現象で現れる。しかし、前記の従来例においては、内部抵抗推定値の大きさから適応デジタルフィルタの調整ゲインを決定する構成になっている。そのため上記のように大電流放電時に電池固有の現象によって実際の内部抵抗が増大した場合には、実際の内部抵抗の増大に対して内部抵抗推定値の追従が遅くなると調整ゲインの増大補正が遅れるため、内部抵抗推定値と実際値の追従が更に遅れ、結果として充電率推定に遅れが生じる、という問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、大電流放電時に電池固有の現象によって実際の内部抵抗が増大した場合に、内部抵抗推定値の遅れを小さくすることの出来る二次電池の充電率推定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては、計測した電流値(例えば充電方向を正、放電方向を負とした場合、その絶対値)が、二次電池の内部抵抗値が所定値よりも増大する領域にある場合には、パラメータ推定演算手段における推定速度を調整する調整ゲインを大きくするように補正する調整手段と、ローパスフィルタ処理部とバンドパスフィルタ処理部における応答性を速くするように補正する調整手段との少なくとも一方を備えるように構成している。すなわち、計測した電流値から、内部抵抗が増大する領域に電流値があることを検出し、その領域では調整ゲインを大きくするか、フィルタの応答性を速くするように調整する。
内部抵抗が増大する領域に電流値がある場合には、調整ゲインを大きくまたはフィルタの応答性を速くするように補正する構成であるため、大電流放電時に実際の内部抵抗が増大する現象に対して内部抵抗推定値の遅れを小さくできる。そのため充電率推定の遅れを低減することが出来る、という効果がある。
図1は、本発明の一実施例を機能ブロックで表した図である。図1において、1は二次電池(以下、単に電池と記載)の電流を検出する電流I(k)検出手段、2は電池の端子電圧を検出する端子電圧V(k)検出手段、3は前処理フィルタ演算手段、4はパラメータθ(k)推定演算手段、5は開路電圧演算手段〔V(k)を演算〕、6は開路電圧から充電率SOCを演算する充電率推定手段、7は調整手段である。前処理フィルタ演算手段3は後記のローパスフィルタやバンドパスフィルタからなる。また、調整手段7は電流I(k)検出手段で求めた電流値に応じて調整ゲインλ(k)やフィルタの応答性p(k)を調整する機能(詳細後述)を有する。なお、前処理フィルタ演算手段3とパラメータθ(k)推定演算手段4を合わせた部分が適応デジタルフィルタ演算手段を構成する。
図2は、実施例の具体的な構成を示すブロック図である。この実施例は、二次電池でモータ等の負荷を駆動したり、モータの回生電力で二次電池を充電するシステムに、二次電池の充電率推定装置を設けた例を示す。
図2において、10は二次電池(単に電池ともいう)、20はモータ等の負荷、30は電池の充電状態を推定する電子制御ユニットで、プログラムを演算するCPUやプログラムを記憶したROMや演算結果を記憶するRAMから成るマイクロコンピュータと電子回路等で構成される。40は電池から充放電される電流を検出する電流計、50は電池の端子電圧を検出する電圧計、60は電池の温度を検出する温度計であり、それぞれ電子制御ユニット30に接続される。上記の電子制御ユニット30は前記図1の前処理フィルタ演算手段3、パラメータθ(k)推定演算手段4、開路電圧演算手段5、充電率推定手段6および調整手段7の部分に相当する。また、電流計40は電流I(k)検出手段1に、電圧計50は端子電圧V(k)検出手段2に、それぞれ相当する。
本発明は、通電中の二次電池の端子電圧Vと電流Iの計測データに、適応デジタルフィルタを用いて開路電圧Vを推定し、公知の開路電圧Vと充電率SOCの関係から充電率を推定する装置であり、二次電池の電池モデルを前記(数1)式に示すように定義している。
上記の内容を具体的に説明すると次のようになる。
まず、本実施例で用いる「電池モデル」を説明する。図3は、二次電池の等価回路モデルを示す図であり、二次電池の電池モデルは下記(数2)式で示される。
Figure 2007003438
(数2)式において、モデル入力は電流I[A](正値は充電、負値は放電)、モデル出力は端子電圧V[V]、R〔Ω]は電荷移動抵抗、R[Ω]は純抵抗、C[F]は電気二重層容量、V[V]は開路電圧である。なお、sはラプラス演算子である。本モデルは、正極、負極を特に分離していないリダクションモデル(一次)であるが、実際の電池の充放電特性を比較的正確に示すことが可能である。このように本実施例においては、電池モデルの次数を1次にした構成を例として説明する。なお、前記(数1)式は電池モデルの一般式である。
上記(数2)式の電池モデルから適応デジタルフィルタまでの導出を最初に説明する。
(数2)式を変形すると(数3)式になる。
Figure 2007003438
上記のように、電池パラメータK=R+Rであって、これは電池モデルの内部抵抗推定値に相当する。
開路電圧Vは、電流Iに可変な効率dを乗じたものを、ある初期状態から積分したものと考えれば、(数4)式で書ける。
Figure 2007003438
(数4)式を(数3)式に代入すれば(数5)式になり、整理すれば(数6)式になる。
Figure 2007003438
Figure 2007003438
安定なローパスフィルタGlp(s)を(数6)式の両辺に乗じて、整理すれば(数7)式になる。
Figure 2007003438
実際に計測可能な電流Iや端子電圧Vに、ローパスフィルタやバンドパスフィルタを処理した値を、下記(数8)式のように定義する。
Figure 2007003438
なお、Glp(s)はローパスフィルタ、s・Glp(s)やs・Glp(s)はバンドパスフィルタである。
上記変数を用いて(数7)式を書き直せば(数9)式になる。
Figure 2007003438
更に変形すれば(数10)式になる。
Figure 2007003438
(数10)式は、計測可能な値と未知パラメータの積和式になっているので、一般的な適応デジタルフィルタの標準形(数11)式と一致する。
Figure 2007003438
ただし、y=V、 ω=[V,I,I,I
θ=[−T,K・T,K,d]
従って、電流Iと端子電圧Vにフィルタ処理した信号を、適応デジタルフィルタ演算に用いることで、未知パラメータベクトルθを推定する。本実施例では、単純な「最小二乗法による適応デジタルフィルタ」の論理的な欠点(一度推定値が収束すると、その後パラメータが変化しても再度正確な推定ができないこと)を改善した「両限トレースゲイン方式」を用いる。
(数11)式を前提に未知パラメータベクトルθを推定するためのパラメータ推定アルゴリズムは下記(数12)式となる。ただし、k時点のパラメータ推定値をθ(k)とする。
Figure 2007003438
ただし、λ、λ(k)、γ、γは初期設定値で、0<λ<1、0<λ(k)<∞とする。P(0)は十分大きな値、θ(0)は非ゼロな十分小さな値を初期値とする。trace{P}は行列Pのトレースを意味する。
本発明では、電流値に応じて調整ゲインλ(k)を補正する。なお、或る観測ノイズの環境下で推定精度を良好に保つには、適応デジタルフィルタの推定感度を調節する定数であるλ(k)(調整ゲイン)には上限がある。そのため、調整ゲインを予め大きく設定しておくのは、上限までのマージンが小さくなるので、観測ノイズの影響を受けて推定精度が悪化するため得策でない。
また、ローパスフィルタGlp(s)の設定に関しては、(数12)式のパラメータ推定アルゴリズムの推定精度を良くするために、観測ノイズを低減するようローパスフィルタの応答性(カットオフ周波数特性)を適切に設定するけれども、電池の応答特性よりは速くする。以上が、電池モデルから適応デジタルフィルタまでの導出である。
なお、上記の説明では、電池モデルの次数を1次にした場合を例として説明したので、内部抵抗推定値K=R+Rとしたが、(数1)式で示した一般式の場合には、内部抵抗推定値はb/aとなる。すなわち、前記(数1)式において、a、bは多項式A(s)、B(s)の定常状態時の値を示す。定常状態ではラブラス演算子s=0と考えられるので、前記(数1)式は、下式のように変形することが出来る。
V=(b/a)I+V/a
また、電池モデルの次数を1次にした場合に、一般式の(数1)式に相当する(数2)式は、s=0とすれば下式のようになる。
V=(R+R)・I+V=K・I+V
上記両式を比較すると、K=b/aとなる。前記(数3)式でも説明したように、電池パラメータK=R+Rであって、これは電池モデルの内部抵抗推定値に相当するので、一般式の場合における内部抵抗推定値はb/aとなることが判る。
次に、図4は、電子制御ユニット30のマイコンが行う処理のフローチャートである。この実施例は電池モデルの次数を1次にしたものである。なお、図4のルーチンは一定周期T毎に実施される。例えば、I(k)は今回の演算値、I(k−1)は1回前の演算値を意味する。
まず、ステップS10では、電流I(k)、端子電圧V(k)を計測する。
ステップS20では、二次電池の遮断リレーの判断する。電子制御ユニット30は二次電池の遮断リレーの制御も行っており、リレー遮断時(電流I=0)はステップS30へ進む。リレー締結時はステップS40へ進む。
ステップS30では、端子電圧V(k)を端子電圧初期値V_iniとして記憶する。
ステップS40では、端子電圧差分値△V(k)を算出する。
ただし、△V(k)=V(k)−V_ini
これは、適応デジタルフィルタ内の推定パラメータの初期値を約0としているので、推定演算開始時に推定パラメータが発散しないように、入力を全て0とするためである。リレー遮断時はステップS30を通るので、I=0かつ△V(k)=0なので、推定パラメータは初期状態のままである。
ステップS50では、電流I(k)と端子電圧差分値ΔV(k)に、前記(数8)式に基づきローパススフィルタGlp(s)、バンドパスフィルタs・Glp(s)およびs・Glp(s)のフィルタ処理を施し、下記(数13)式に示すようにI、I、I、V、Vを算出する。前記(数12)式のパラメータ推定アルゴリズムの推定精度を良くするために、観測ノイズを低減するようローパスフィルタGlp(s)の応答性を遅く設定する。但し、電池の応答特性よりは速くする。(数13)式のpは、Glp(s)の応答性を決める定数(時定数)である。
Figure 2007003438
ステップS60では、図6に示す内部抵坑値Kが増大する領域に電流値があるか否かで、(数12)式のパラメータ推定アルゴリズムの調整ゲインλ(k)を補正するか否かを判定する。つまり電流値Iの絶対値(例えば充電方向を正、放電方向を負とする)が所定値aより小の領域1は補正が不要な通常領域であり、電流値Iが所定値a以上の領域2は内部抵坑値Kが増大する領域であって補正が必要と判断する。
|I(k)|<aなる場合、補正が不要と判断してステップS80へ進む。
|I(k)|≧aなる場合、補正が必要と判断してステップS70へ進む。
ステップS70では、内部抵抗値Kが増大する領域に電流値があるので、通常の調整ゲインでは推定速度が遅いため、調整ゲインλ(k)を初期値から50%増大した値に補正する。この際、補正の値は上記のように一つの値でも良いか、図7に示すように、電流値(絶対値)に応じて増大する内部抵抗値Kに対応して、調整ゲインλ(k)の値をゲインスケジューリングしてマップ化しておき、そのときの電流値に応じてマップから読み出した値に補正すれば、より木目の細かい補正を行うことが出来る。
また、調整ゲインλ(k)を補正する時間を、内部抵坑値Kが増大する領域に電流値が入った時点から所定時間、あるいは電流値が通常領域に戻った時点から所定時間だけに限るように構成すれば、パラメータ推定値が実際値へ追従した後に、調整ゲインが大きいことによるパラメータ推定値の変動を防止できる。
ステップS80では、内部抵抗値が増大する領域に電流値がないので、通常の調整ゲインであるλ(k)の初期値を用いる。
ステップS90では、ステップS50で算出したI(k)、I(k)、I(k)、V(k)、V(k)を前記(数12)式に代入する。そしてパラメータ推定アルゴリズム(適応デジタルフィルタ演算)である(数12)式を行い、パラメータ推定値θ(k)を算出する。
但し、y=V、ω=[V、I、I、I]、θ=[−T、K・T、K、d]である。
ステップS100では、ステップS90で算出したパラメータ推定値θ(k)の中からT、K・T、Kを用いて、前記(数3)式と等価な(数14)式に基づきGlp(s)・Vを算出し、これを開路電圧Vの代用とする。開路電庄Vは変化が緩やかなので、Glp(s)・Vで代用できる。但し、ここで求まるのは推定演算開始時からの開路電圧推定値の変化分△V(k)である。
Figure 2007003438
ステップS110では、ステップS100で算出した△V(k)はアルゴリズム開始時からの開路電圧の変化分であるから、開路電圧初期値すなわち端子電圧初期値V_iniを加算して開路電圧推定値V(k)を(数15)式で算出する。
(k)=△V(k)+V_ini …(数15)
ステップS120では、図5に示す開路電圧と充電率の相関マップを用いて、ステップS110で算出したV(k)から充電率SOC(k)を算出する。
なお、図5のVLはSOC=0%に、VHはSOC=100%に相当する開路電圧である。
ステップS130では、次回演算に必要な数値を保存して、今回演算を終了する。
図6、図7は、電流値Iと内部抵抗値Kとの関係を示す特性図であり、図6は電流値に対応した領域を通常領域1と内部抵抗値が増大する領域2との二つに分けた場合、図7は内部抵抗値が増大する領域を領域2、3、4の三つに分けた場合を示す。
図6の場合には、電流値に応じて通常領域1と内部抵抗値が増大する領域2との二つに分け、通常領域1では補正なし、領域2では通常ゲインに対して+50%増大補正を行っている。
図7の場合には、図示したマップ領域と調整ゲインの補正例に示すように、内部抵抗の増大が無い通常領域1では通常のゲインに対して補正無し、内部抵坑の増大が始まる領域2では通常ゲインに対して+10%増大補正、内部抵抗の増大が大きくなる領域3では通常ゲインに対して+25%増大補正、内部抵抗の増大が更に大きくなる領域4では通常ゲインに対して+50%増大補正というように、調整ゲインをマップ領域に応じて木目細かく補正している。そのため、増大度合が大きい領域では調整ゲインを充分大きくして内部抵抗推定値を速やかに追従させ、増大度合いが小さい領域では調整ゲインを少しだけ大きくすることで内部抵抗推定値の不要な変動を抑えながら追従遅れを小さくすることが出来る。
図8および図9は、本発明の演算における電流、内部抵抗、調整ゲインの値を示すタイムチャートであり、図8は図6に示したように調整ゲインを一段階で補正する場合、図9は図7に示したように調整ゲインを多段階で補正する場合を示す。
図8において、従来例においては、電流値が実際の内部抵抗の増大が始まる所定値aより大きい領域(図中A)にある場合でも、内部抵抗推定値から判断する調整ゲインの増大補正ができないため(図中C)、内部抵抗推定値は実際値への追従遅れが大きい(図中B)という問題がある。しかし、1番目実施例(図6に示した特性)では、電流値が実際の内部抵抗の増大が始まる所定値aより大きい領域(図中A)にある場合、電流値から判断して調整ゲインの増大補正が行われるため(図中C)、内部抵抗推定値は実際値への追従遅れが非常に小さくなる(図中B)という効果がある。
図9において、1番目実施例(図6に示した特性)では、実際の内部抵抗の増大度合いが大きく強まる電流値bより大きい領域(図中D)では、電流値から判断する調整ゲインの増大補正は度合いを反映できず充分な大きさを得られず(図中F)、内部抵抗推定値は実際値への追従遅れがやや大きい(図中E)。しかし、2番目実施例(図7に示した特性)では、実際の内部抵抗の増大度合いが大きく強まる電流値bより大きい領域(図中D)では、電流値から判断する調整ゲインの増大補正は度合いを反映して充分な大きさが得られ(図中F)、内部抵抗推定値は実際値への追従遅れが非常に小さくなる(図中E)。
また、図8、図9に示したように、実際の内部抵抗値が増大する領域に電流値が入った時点tから所定時間τの間だけ調整ゲインを大きく補正するように構成した場合には、パラメータ推定値が実際値に追従後、観測ノイズの影響によるパラメータ推定値の変動を抑えることが出来る、という効果がある。また、内部抵抗が増大した領域から通常領域に戻る場合にも、戻った時点tから所定時間τの間だけ調整ゲインを大きく補正するように構成した場合には、実際の内部抵抗が増大した状態から通常状態に戻る時に、内部抵抗推定値の追従遅れを防止することが出来る、という効果がある。なお、τとτの値は、τ=τでもτ≠τでもよく、二次電池の特性と推定装置の構成に応じて設定すればよい。
なお、上記の説明においては、電流値が実際の内部抵抗の増大が始まる所定値より大きい領域にある場合に、パラメータ推定演算の推定速度を調整する調整ゲインλを大きくするように補正する構成について説明したが、その代わりに、ローパスフィルタとバンドパスフィルタの応答性を速くする(前記数13式のpを小さくする)ように補正してもよい。あるいは、調整ゲインを大きく、かつ、ローパスフィルタとバンドパスフィルタの応答性を速くするように、両方を補正してもよい。このように、フィルタの応答性を速くすることにより、フィルタ処理による応答遅れが小さくなり、実際の内部抵抗が増大する現象に対して内部抵坑推定値の遅れを小さくことができる、という効果がある。
本発明の一実施例を機能ブロックで表した図。 実施例の具体的な構成を示すブロック図。 二次電池の等価回路モデルを示す図。 実施例における処理のフローチャート。 開路電圧と充電率の関係を示す特性図。 電流値と内部抵抗の関係を示す特性図。 電流値と内部抵抗の関係を示す特性図およびマップ領域と調整ゲインの特性を示す図表。 電流値と内部抵抗値と調整ゲインの関係を示すタイムチャート1。 電流値と内部抵抗値と調整ゲインの関係を示すタイムチャート2。
符号の説明
1…電流I(k)検出手段 2…端子電圧V(k)検出手段
3…前処理フィルタ演算手段 4…パラメータθ(k)推定演算手段
5…開路電圧演算手段 6…充電率推定手段
7…調整手段
10…二次電池 20…負荷
30…電子制御ユニット 40…電流計
50…電圧計 60…温度計

Claims (4)

  1. 二次電池の電流と端子電圧とをそれぞれ計測する計測手段と、
    ローパスフィルタ処理部とバンドパスフィルタ処理部から成り、前記計測手段で計測した電流と端子電圧とにローパスフィルタ処理とバンドパスフィルタ処理を施す前処理フィルタ演算手段と、
    (数1)式に示す電池モデルを用いた適応デジタルフィルタに、前記フィルタ処理を施した電流および端子電圧を入力し、前記(数1)式中のパラメータを一括推定するパラメータ推定演算手段と、
    前記パラメータ推定演算手段の推定値から開路電圧を推定する開路電圧演算手段と、
    予め求めた開路電圧と充電率との関係に基づいて、前記推定した開路電圧から充電率を推定する充電率推定手段と、を備え、
    さらに、前記計測した電流値の絶対値が、二次電池の内部抵抗値が所定値よりも増大する領域にある場合には、前記パラメータ推定演算手段における推定速度を調整する調整ゲインを大きくするように補正する調整手段と、前記ローパスフィルタ処理部とバンドパスフィルタ処理部における応答性を速くするように補正する調整手段との少なくとも一方を備えたことを特徴とする二次電池の充電率推定装置。
    Figure 2007003438
    ただし、sはラプラス演算子、A(s)、B(s)、C(s)はsの多項式関数で次数はn
  2. 前記調整手段は、電流値に対して二次電池の内部抵抗値が増大する度合いに応じて前記調整ゲインを大きくする程度を定めたマップまたは前記応答性を速くする程度を定めたマップを有し、内部抵坑値が所定値よりも増大する領域では前記マップにより電流値に応じて調整ゲインを大きくかまたは応答性を速くするように補正することを特徴とする請求項1に記載の二次電池の充電率推定装置。
  3. 前記調整手段は、電流値が、二次電池の内部抵抗値が所定値よりも増大する領域に入った時点から所定時間の間、調整ゲインを大きくするか、または応答性を速くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二次電池の充電率推定装置。
  4. 前記調整手段は、電流値が、二次電池の内部抵抗値が所定値よりも増大する領域から通常の領域に戻った時点から所定時間の間、調整ゲインを大きくするか、または応答性を速くすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の二次電池の充電率推定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013032966A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Toyota Motor Corp 二次電池の監視装置
JP2015184217A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 富士通株式会社 推定プログラム、推定方法および推定装置

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