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JP2007091029A - 車両用減衰力制御装置、車両用減衰力制御方法 - Google Patents

車両用減衰力制御装置、車両用減衰力制御方法 Download PDF

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JP2007091029A JP2005282707A JP2005282707A JP2007091029A JP 2007091029 A JP2007091029 A JP 2007091029A JP 2005282707 A JP2005282707 A JP 2005282707A JP 2005282707 A JP2005282707 A JP 2005282707A JP 2007091029 A JP2007091029 A JP 2007091029A
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Shinobu Kamata
忍 釜田
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Abstract

【課題】 急制動を必要とする時の車両安定性を向上させて乗り心地を向上できる車両用減衰力制御装置等を提供する。
【解決手段】 車両に加わる振動を減衰させるショックアブソーバ3で発生する減衰力を調整するアクチュエータ2を制御するために、障害物認識装置9の認識結果によってブレーキ操作がなされる可能性を予測する機能と、ブレーキ操作がなされないことが予測された場合には、所定の減衰力を発生させるようにアクチュエータ2を制御する一方で、ブレーキ操作がなされる可能性が高いことが予測された場合には、当該ブレーキ操作がなされる前に、所定の減衰力よりも高い減衰力を発生させるようにアクチュエータ2の制御を開始する機能とをECU1に実装する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に加わる上下振動を抑制するショックアブソーバにより発生する減衰力を制御する車両用減衰力制御装置、車両用減衰力制御方法に関する。
従来より、車両の乗り心地を確保するために車両の上下振動を抑制するショックアブソーバを備え、当該ショックアブソーバの減衰力をアクチュエータ制御によって調整する技術が下記の特許文献1などにて知られている。
この特許文献1に記載された技術は、車両状況として、道路情報、現在地、車速、他車両との車間距離等を検出して、当該車両状況によって減速の必要性を判断し、且つ減速操作を開始したことを検出した場合に、ショックアブソーバの減衰力を調整している。
特開平11−115545号公報(請求項1,2,5,段落番号0071,0081参照)
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、運転者による減速操作を検出した時に減衰力の調整を開始しているため、例えば急減速を行うような場合にはショックアブソーバによる減衰力が発生する前に車両が減速し、その後にショックアブソーバによる大きな減衰力が発生するといった問題がある。すなわち、急減速時にショックアブソーバによる減衰力が遅れて発生すると、ブレーキ力によって車両が急減速することによって車両が前傾姿勢となるといったノーズダイブが発生してしまう。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、急制動を必要とする時の車両安定性を向上させて乗り心地を向上できる車両用減衰力制御装置、車両用減衰力制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、車両に加わる振動を減衰させるショックアブソーバで発生する減衰力を調整するアクチュエータを制御するために、ブレーキ操作がなされる可能性を予測するブレーキ操作予測手段と、ブレーキ操作予測手段によりブレーキ操作がなされないことが予測された場合には、減衰力制御手段により、所定の減衰力を発生させるようにアクチュエータを制御する一方で、上述の課題を解決するために、ブレーキ操作予測手段によりブレーキ操作がなされる可能性が高いことが予測された場合には、減衰力制御手段により、当該ブレーキ操作がなされる前に、所定の減衰力よりも高い減衰力を発生させるようにアクチュエータの制御を開始する。
本発明によれば、ブレーキ操作がなされる可能性が高いことが予測された場合には、当該ブレーキ操作がなされる前に、所定の減衰力よりも高い減衰力を発生させるようにアクチュエータの制御を開始するので、実際にブレーキ操作をした時の前輪荷重と後輪荷重との差を小さくし、且つサスペンションの前輪ストローク量と後輪ストローク量との差を小さくして、急制動を必要とする時の車両安定性を向上させて乗り心地を向上できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図1に示すように構成された車両制御装置に適用される。
この車両制御装置は、ECU(Electric Control Unit)1に、制御対象となるアクチュエータ2及びショックアブソーバ3と、車両状況を検出するためのバネ上上下Gセンサ4,バネ下上下Gセンサ5と舵角センサ6と車速センサ7とストップランプスイッチ8と障害物認識装置9とが接続されている。
ECU1は、バネ上上下Gセンサ4、バネ下上下Gセンサ5、舵角センサ6、車速センサ7からのセンサ信号、障害物認識装置9からの障害物認識結果に基づいて、車両においてブレーキ操作がなされる可能性を判断し、当該可能性が高い場合に前もってショックアブソーバ3による減衰力を高くしておくものである。
アクチュエータ2及びショックアブソーバ3は、図2に車両の輪荷重と最大ダイヤ力(タイヤによるブレーキ力)との関係を示すように、車両の急制動が予測されない場合には、輪荷重を所定値且つ最大タイヤ力を所定値とし、車両の急制動が予測される場合には、輪荷重を所定値よりも低い値且つ最大タイヤ力を所定値よりも高い値にするように動作するものである。
アクチュエータ2は、ショックアブソーバ3内において流体(オイル)が通過する口径を弁体の位置制御によって調整することにより、当該流体が口径を通るときの流動抵抗を調整するように動作する。アクチュエータ2は、ショックアブソーバ3における流体の流動抵抗を上昇させることにより車両が路面から受ける振動に対する減衰力を高くし、逆に、ショックアブソーバ3におえる流動抵抗を下降させることにより車両が路面から受ける振動に対する減衰力を低くする。
このアクチュエータ2及びショックアブソーバ3は、車両の右前輪における振動の減衰力を抑制するアクチュエータ2RF及びショックアブソーバ3RFと、車両の左前輪における振動の減衰力を抑制するアクチュエータ2LF及びショックアブソーバ3LFと、車両の右後輪における振動の減衰力を抑制するアクチュエータ2RB及びショックアブソーバ3RBと、車両の左後輪における振動の減衰力を抑制するアクチュエータ2LB及びショックアブソーバ3LBとからなる。
このような車両制御装置において、図3(A)に示すように、車両Mと走行接地面との間にサスペンション(バネ)が挿入されており、走行接地面からサスペンションに与えられるバネ下振動力Xをバネ下上下Gセンサ5によって検出できるようになっている。走行接地面からサスペンションを介して車両Mに与えられる上下振動力は、バネ下上下Gセンサ5によって上下方向のバネ下振動力Xが検出される場合には、バネ上振動力Xとして現れる。これに対して、ショックアブソーバ3は、車両Mの上部に取り付けられるとした場合、当該車両Mに加わるバネ上振動力Xを打ち消すように逆方向の減衰力(反力)Fを与える。車両Mに加わるバネ上振動力Xとショックアブソーバ3の減衰力Fとの関係は、
F=C1X
となる。ここで、C1は、減衰係数であって、車両Mに加わる振動を略0にするようなショックアブソーバ3の理想的な動作として実験や計算によって決定できるものである。このようなバネ上振動力Xを、ショックアブソーバ3で減衰させる手法は、所謂スカイフック理論を呼ばれている。
本発明を適用した車両制御装置は、図3(B)に示すように、車両Mの走行接地面からの振動を検出するバネ下上下Gセンサ5に加えて、車両Mの振動を検出するバネ上上下Gセンサ4を車両Mに取り付け、サスペンションと並列した位置であって車両Mと走行接地面との間にショックアブソーバ3を配設し、当該ショックアブソーバ3の減衰力Fを減衰力制御装置11で制御する。
減衰力制御装置11は、バネ上上下Gセンサ4からのセンサ信号によって車両Mに下方向の振動が加わっているような場合(X(X−X)>0)、ショックアブソーバ3に、
Fc=Cx(X−X)=C1X
で算出される減衰力Fcを発生させるように減衰係数Cxを決定する。すなわち、バネ上振動力Xが下方向となる場合には、当該下方向への振動を減衰させる減衰力Fcを発生させるようにショックアブソーバ3を動作させる。
また、減衰力制御装置11は、バネ上上下Gセンサ4からのセンサ信号によって車両Mに上方向の振動が加わっているような場合(X(X−X)≦0)、ショックアブソーバ3に発生させる減衰力Fcを略0(Fc≒0)とする。
なお、このショックアブソーバ3の減衰力特性は、流体に流動抵抗を与える弁体位置によって決定される口径面積によって設定されることになり、上述の減衰係数Cxに従ってアクチュエータ2に駆動量を制御することによって調整される。
このようにショックアブソーバ3の減衰力を変化させる車両制御装置は、図4に示すような減衰力制御装置11がECU1に内蔵されている。この減衰力制御装置11は、フィードバック(FB)制御部21と、積分器22,23と、障害物認識装置9に接続された急制動予測装置24とを備える。この減衰力制御装置11は、バネ上上下Gセンサ4のセンサ信号を積分器22で検出して積分値としてのバネ上振動力Xと、バネ下上下Gセンサ5のセンサ信号を積分器23で検出した積分値としてのバネ下振動力Xとをフィードバック制御部21に供給する。
また、障害物認識装置9は、車両と障害物のとの距離等の障害物情報を急制動予測装置24に供給する。急制動予測装置24は、障害物認識装置9からの障害物情報から、車両にブレーキ操作による急制動が行われる可能性が高いかを予測して、減衰係数Cxの補正値をフィードバック制御部21に供給する。
フィードバック制御部21は、図3で示したように、積分器22,23からのバネ上振動力X,バネ下振動力Xと急制動予測装置24からの補正値とから、車両Mのバネ上振動力Xがショックアブソーバ3で吸収できるようなショックアブソーバ3の減衰係数Cxを求める。この減衰係数Cxを求めるために、フィードバック制御部21は、図5に示すように、予め急減速を必要としない通常時の上下振動特性に応じて上述の減衰係数Cに相当する減衰係数C1を記憶しておき、当該減衰係数C1と補正値とを加算器31によって加算する。
ここで、減衰係数C1は、通常時の車両の上下振動特性を決定する値であるので、急激な上下変化を抑制するよりも、走行接地面の凹凸を走破する場合の車体振動を抑制できる値を実験的に求めて設定することが好ましく、更には、車両の性格(サスペンション特性、車両重量等)を考慮して設定することが好ましい。具体的には、車両の運動性能を向上させたい場合は減衰係数C1を高く設定しておき、運動性能よりも乗り心地を優先する場合は減衰係数C1を低く設定しておく。
次いで、フィードバック制御部21は、減衰力演算部32により、減衰係数C1に補正値を加算した加算値Cと、バネ上振動力Xとバネ下振動力Xとを用いて、減衰係数Cxを求める。
このとき、減衰力演算部32は、車両に下方向の振動力が加わる場合には、
Cx=C[X/(X−X)]
なる演算式で減衰係数Cxを求める。また、車両に上方向の振動が加わる場合には、加算値Cをそのまま減衰係数Cxとする。
これにより、急制動予測装置24によって補正値が与えられた場合には、通常の振動を抑制する減衰係数C1よりも高い値の減衰係数Cxとすることができ、車両の減衰力を高くできる。
つぎに、上述の本発明を適用した車両制御装置において、車両走行中に必要に応じてショックアブソーバ3の減衰力を変化させる時の動作について図6乃至図8のフローチャート等を参照して説明する。なお、図6乃至図8に示す処理は、例えば10msecといった一定時間毎に開始される。
図6によれば、先ず、ステップS1において、障害物認識装置9を構成するカメラ装置によって車両前方における所定距離範囲(数メートル〜数十メートル)内におけるカメラ画像を撮像して取り込み、ステップS2において、障害物認識装置9によりカメラ画像に含まれる車両進行方向の障害物を検出する。
このとき、障害物認識装置9は、図7に示すように、先ずカメラ画像を2値化して(ステップS11)、カメラ画像に含まれる移動物体を抽出する(ステップS12)。ここで、例えばカメラ画像がRGB画像である場合には、車両の進行方向に対して異なった動きをする部分を移動物体として認識する。また、移動物体を検出する構成として遠赤外線カメラを備える場合には、当該遠赤外線カメラで撮像した赤外画像の輝度値が人物の体温程度である場合には、人物を移動物体として抽出できる。
次に障害物認識装置9は、ステップS13において、予めデータベースに記憶しておいた人物等の移動物体のテンプレートデータ(2値化データ)と、ステップS12で抽出した移動物体とをマッチングさせて、マッチング率を計算する。ここで、テンプレートは、記憶容量の低減を図るために人物や他車両、石等のあらゆる障害物の特徴を表す特徴点データから構成され、データベースに複数格納されてなる。例えば、人物のテンプレートは、縦横比が人物相当に設定されたデータであって、当該縦横比とステップS12で抽出した移動物体の縦横比とが略一致している場合には高いマッチング率となる。
次に障害物認識装置9は、ステップS14において、ステップS13で計算したマッチング率が、予め設定したマッチング閾値以下か否かを判定して、そうである場合には、ステップS17において、データベースから新たなテンプレートを検索してステップS13及びステップS14の処理を繰り返す。そして、データベースに新たに検索するテンプレートが無くなった場合には、ステップS17からステップS18に処理を進めて、車両にブレーキ操作が要求される可能性が高いと予測されたか否かを示す障害物発見フラグの値を「OFF」に設定して、図6のステップS3に処理を進める。このとき、障害物認識装置9は、ステップS13においてマッチング計算を行った回数をカウントするカウンタを備えておき、当該カウンタの値がデータベースに記憶しておいたテンプレート数と一致した場合には、ステップS17からステップS18に処理を進める。
一方、障害物認識装置9は、ステップS14において、ステップS13で計算したマッチング率が、マッチング閾値以下ではないと判定した場合には、ステップS15において、障害物発見フラグの値を「ON」に設定し、ステップS16において、ステップS14において高いマッチング率が計算された移動物体との相対距離を計測して障害物情報を作成し、図6のステップS3に処理を進める。この移動物体との相対距離を計測する処理は、レーザレーダやパルス光を使用した光出射時刻と光入射時刻との差を利用する手法でもよく、図9に示すように、カメラ画像内の移動物体の占有面積が大きいほど車両との相対距離が近いと計測しても良く、カメラ画像内の移動物体の垂直方向位置から相対距離を求めても良く、車両右端と左端に設置した2台のカメラから視差を利用して相対距離を検出しても良い。このような、図6におけるステップS2の処理(図7のステップS11〜ステップS16)を行う機能により、ブレーキ操作予測手段を構成する。
次に図6のステップS3において、ECU1は、ステップS2での処理で設定された障害物発見フラグの値が「ON」となっているか否かを判定する。そして、障害物発見フラグの値が「ON」となっている場合には、ステップS4において、減衰係数C1を減衰係数Cxに変更する急制動予測制御を行って、ステップS6でショックアブソーバ3の減衰力を変更させる。このステップS6でショックアブソーバ3の減衰力を変更した後は、当該ショックアブソーバ3の減衰力の変更が、バネ上上下Gセンサ4及びバネ下上下Gセンサ5で検出されるバネ上振動力及びバネ下振動力にフィードバックして現れて、ステップS1〜ステップS6を繰り返すことにより、連続的にショックアブソーバ3の減衰力を更新できることになる。
一方、障害物発見フラグの値が「ON」となっていない場合には、ステップS5において、予め設定されている減衰係数C1となるようにショックアブソーバ3を制御する通常減衰力制御を行って処理を終了する。
ステップS4における急制動予測制御は、図8に示すように、ステップS21において、ECU1の急制動予測装置24により、車速センサ7からのセンサ信号から現在の車両速度を検出すると共に、ステップS22において、図7のステップS16で計測した障害物との相対距離を取得する。ここで、ステップS21における車速計算は、車速センサ7によって取り込んだ画像データから算出しても良く、ABS(Anti-lock Brake System)等のシャシー制御系からの速度パルスデータから算出しても良い。
次のステップS23及びステップS24においては、車速、障害物との相対距離、輪荷重に基づいて、減衰係数C1を補正する補正値を決定する処理を行う。このステップS23及びステップS24は、図10に示すような急制動予測装置24により、図11の減衰力補正マップを参照して車速及び障害物との相対距離とに基づく補正値を演算し、当該補正値を図12の輪荷重補正テーブルを参照して当該補正値を補正する。この急制動予測装置24は、図10に示すように、減衰力補正マップを用いて補正値を演算する減衰力補正マップ演算部41と、輪荷重補正テーブルを用いて補正値を補正するための値を演算する輪荷重補正テーブル演算部42と、輪荷重によって補正値の補正を行う輪郭補正部43とを備えている。
ステップS23において、急制動予測装置24の減衰力補正マップ演算部41は、ステップS21で検出した車速とステップS22で取得した障害物までの相対距離とから、図11の減衰力補正マップを参照して減衰力補正値を決定する。
この減衰力補正マップは、例えば、距離が近くなるほど減衰力の補正値を高くする構成となっており、車速がV1の高い場合に最も補正値を高く設定でき、車速がV2,V3と低くなるほど補正値をV1の時よりも低く設定するようになっている。このような補正値は、車速が高く、且つ障害物との相対距離が近いほど高く設定されることから、車両の運転者によるブレーキ操作がなされる可能性を予測した値と同義である。すなわち、車速が高く且つ障害物との相対距離が近いほどブレーキ操作がなされる可能性が高く設定され、補正値が高くされる。これにより、所定の減衰係数C1よりも高い値である減衰係数Cxを設定できる。
次のステップS24において、急制動予測装置24の輪荷重補正テーブル演算部42は、車速及び障害物との相対距離に基づいて求めた補正値を、前輪荷重に基づいて補正するための輪荷重補正値を演算する。このとき、輪荷重補正テーブル演算部42は、舵角センサ6からのセンサ信号を検出して、現在の舵角及び速度が大きいほど、前輪荷重が定常値よりも増加するとして前輪荷重増加量を求めて、図12に示す輪荷重補正テーブルから輪荷重補正値を求める。この輪荷重補正テーブルは、前輪荷重増加量が大きくなるほど、輪荷重補正値を高く設定するように設定されている。
図13に示すように、前輪荷重増加量が大きくなるほど、車両の前方への重心移動量が大きくなり、当該重心移動量が大きくなる。すなわち、輪荷重補正値は、図2に示したように、輪荷重が大きくなりすぎると最大タイヤ力が低下することを抑制するために、最大タイヤ力をできるだけ高くするための値となる。
そして、輪郭補正部43は、ステップS23において減衰力補正マップ演算部41で演算した減衰力補正値と輪荷重補正値とを乗算して、急制動予測装置24からフィードバック制御部21の加算器31に供給する補正値を算出する。その後、車両制御装置は、処理を図6のステップS6に進めて、加算器31により補正値と減衰係数C1とを加算した減衰係数Cを求め、当該減衰係数Cを用いて減衰力演算部32によって減衰係数Cxを求めて、アクチュエータ2に供給する。これにより、アクチュエータ2によってショックアブソーバ3の減衰力の増加を開始させて、当該ブレーキ操作がなされる前にショックアブソーバ3の減衰力を増加させる。このような、図6のステップS3〜ステップS6及びステップS21〜ステップS24により、減衰力制御手段を構成する。
このような処理を行う車両制御装置では、例えば図14中の実線に示すように、時刻t1において車両の進行方向に人物などの障害物を検出すると、運転者がブレーキ操作を開始してブレーキ油圧が上昇する時刻t2の前に(図14(a))、前輪のショックアブソーバ3の減衰力の上昇を開始させるようにアクチュエータ2を制御する。これによって、図14(e)に示すように、減衰係数Cxを上昇させることによって時刻t1以降から次第にショックアブソーバ3による減衰力Fcを上昇させて、実際にブレーキ操作がなされた時刻t2には、既に減衰力Fcが高くなっている状態とすることができる。ここで、減衰係数Cxを高くして減衰力Fcを高くする対象となるショックアブソーバ3は、前輪左右のショックアブソーバ3RF,3LFの何れかでよい。
実際にブレーキ操作がなされると、当該ブレーキ操作をストップランプスイッチ8からの信号によってECU1で検知して、更にショックアブソーバ3の減衰力を上昇させる。すると、図14(b)に示すように、前輪の荷重が高くなり、逆に後輪の荷重が高くなる。このように前輪荷重が高くなり後輪荷重が低くなると、図14(c)に示すように、前輪の制動力が後輪の制動力よりも高いという力関係で、前輪の制動力及び後輪の制動力が上昇する。また、図14(d)に示すように前輪荷重が増加することによりサスペンションのストローク量が縮む方向に変化し、逆に、後輪荷重が減少することによりサスペンションのストローク量が伸びる方向に変化する。
そして、時刻t2からブレーキ操作を行い、制動限界となる最大ブレーキ油圧が発生する時刻t4においては(図14(a))、図14(c)に示すように前輪制動力が最大値(図2に示した最大タイヤ力)とすることができ、図14(d)に示すようにショックアブソーバの前輪減衰力を高くすることができる。
これによって、前輪のサスペンションが大幅に縮むことによって車両が前傾姿勢となるノーズダイブ状態とすることを抑制して、ブレーキ操作をした際の乗り心地を維持できる。
これに対し、本発明を適用した車両制御装置に対する比較例として、ブレーキ操作が実際に行われた時刻t2からショックアブソーバによる減衰力を高め始めた場合の各特性を、図14中の点線で示す。この比較例によると、時刻t2からショックアブソーバによる減衰力を増加させ始めた場合には、実線と比較して低いショックアブソーバの減衰力となっているために、最大ブレーキ油圧が発生する時刻t4における前輪荷重と後輪荷重との差が実線と比較して大きくなってしまい、且つ前輪ストローク量と後輪ストローク量との差が実線と比較して大きくなるために、車両がノーズダイブ状態となってしまう。また、この比較例では、前輪荷重が大きくなりすぎると共に後輪荷重が小さくなりすぎるために、図2に示した最大タイヤ力が発生できる輪荷重とは大きく離れるために、前輪制動力が時刻t3で制動限界となっているものの、最大ブレーキ油圧が発生した時刻t4では前輪制動力及び後輪制動力の合計制動力(車両制動力)が実線のその合計制動力よりも低くなってしまう。
このように、本発明を適用した車両制御装置によれば、ブレーキ操作を開始する前にショックアブソーバ3の減衰力を高くする制御を開始することにより、実際にブレーキ操作がなされた後の前輪荷重と後輪荷重との差を小さくでき、図14(c)のように制動性能を高くすることができ、且つ、前輪ストローク量及び後輪ストローク量の変化を小さくして車両安定性を維持できる。これにより、最大ブレーキ油圧が発生した時にステアリング操作がなされた場合でも、ステアリング操作をタイヤに伝達して車両の緊急回避性能を向上させることができる。
以上詳細に説明したように、本発明を適用した車両制御装置によれば、ブレーキ操作がなされる可能性を予測して、ブレーキ操作がなされる可能性が高いことが予測された場合には、当該ブレーキ操作がなされる前に、通常の減衰係数C1よりも高い減衰係数Cxを設定して高い減衰力Fcを発生させるようにアクチュエータ2の制御を開始できるので、急制動時の減衰力の遅れを短くして、急制動を必要とする時の車両安定性を向上させて乗り心地を向上でき、更には、車両の制動性能及び緊急回避性能を向上できる。すなわち、車両の振動に対する乗り心地と緊急時の車両応答性とを両立できる。
また、この車両制御装置によれば、ブレーキ操作を予測するに際して、障害物との相対距離を検出して、当該相対距離が短いほど高い減衰力を発生させるので、車両が進行方向の人物や他車両等を回避するために急制動をした場合であっても高い運転性能を提供できる。
更に、この車両制御装置によれば、ブレーキ操作を予測するに際して、車両速度を検出して、当該速度が高いほど高い減衰力を発生させるので、車両速度が高くノーズダイブの程度が高くなるような場合であっても、当該ノーズダイブの程度を抑制できる。
更にまた、この車両制御装置によれば、減衰係数C1を減衰係数Cxに変更するに際して、輪荷重が高いほど高い減衰力を発生させるように減衰係数Cxを求めるための補正値を補正でき、前輪荷重と後輪荷重との差が大きくなってノーズダイブの程度が大きくなることや、制動性能が低下することを抑制できる。
更にまた、この車両制御装置によれば、車両のショックアブソーバ3による減衰力を決定する減衰係数Cxを、右側前輪又は左側前輪の少なくとも一方について上昇させて、当該ショックアブソーバ3の減衰力を上昇させるので、前輪荷重の上昇及び前輪ストローク量を抑制して、高い車両安定性及び制動性能を発揮できる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した車両制御装置の構成を示すブロック図である。 輪荷重と最大タイヤ力との関係を示す図である。 (A)はスカイフック理論を説明するための図であり、(B)はショックアブソーバの減衰力を制御することを説明するための図である。 本発明を適用した車両制御装置において、ショックアブソーバの減衰力を高くするために減衰係数を求める構成を示すブロック図である。 本発明を適用した車両制御装置において、通常の減衰係数を補正して、ショックアブソーバの減衰力を高くするための減衰係数を求めるための構成を示すブロック図である。 本発明を適用した車両制御装置により、ショックアブソーバの減衰力を変更する処理手順を示すフローチャートである。 障害物認識制御処理の処理手順を示すフローチャートである。 急制動予測制御の処理手順を示すフローチャートである。 カメラ画像内の移動物体の面積と、障害物との相対距離との関係を示す図である。 車速及び障害物との相対距離に基づく補正値を、輪荷重によって補正する構成を示すブロック図である。 車速と障害物との相対距離によって補正値を決定する減衰力補正マップを示す図である。 前輪荷重増加量から輪荷重補正値を決定する輪荷重補正テーブルを示す図である。 前輪荷重増加量と重心移動量との関係を示す図である。 本発明を適用した車両制御装置を備えた車両の動作と、比較例とを説明するための図であり、(a)はブレーキ油圧、(b)は前輪荷重及び後輪荷重、(c)は前輪制動力及び後輪制動力、(d)は前輪ストローク量及び後輪ストローク量、(e)はショックアブソーバの減衰力である。
符号の説明
1 ECU
2 アクチュエータ
3 ショックアブソーバ
4 上下Gセンサ
5 上下Gセンサ
6 舵角センサ
7 車速センサ
8 ストップランプスイッチ
9 障害物認識装置
11 減衰力制御装置
21 フィードバック制御部
21 制御部
22,23 積分器
24 急制動予測装置
31 加算器
32 減衰力演算部
41 減衰力補正マップ演算部
42 輪荷重補正テーブル演算部
43 輪郭補正部

Claims (6)

  1. 車両に加わる振動を減衰させるショックアブソーバで発生する減衰力を調整するアクチュエータを制御する車両用減衰力制御装置において、
    ブレーキ操作がなされる可能性を予測するブレーキ操作予測手段と、
    前記ブレーキ操作予測手段によりブレーキ操作がなされないことが予測された場合には、所定の減衰力を発生させるように前記アクチュエータを制御し、前記ブレーキ操作予測手段によりブレーキ操作がなされる可能性が高いことが予測された場合には、当該ブレーキ操作がなされる前に、前記所定の減衰力よりも高い減衰力を発生させるように前記アクチュエータの制御を開始する減衰力制御手段と
    を備えることを特徴とする車両用減衰力制御装置。
  2. 前記ブレーキ操作予測手段は、前記車両の進行方向に存在する障害物との距離を検出する距離検出手段を備え、当該距離検出手段で検出した前記車両と前記障害物との距離が短いほど前記ブレーキ操作がなされる可能性が高いことを予測し、
    前記減衰力制御手段は、前記距離検出手段で検出した前記車両と前記障害物との距離が短い場合に、前記所定の減衰力よりも高い減衰力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の車両用減衰力制御装置。
  3. 前記ブレーキ操作予測手段は、前記車両の速度を検出する速度検出手段を備え、当該速度検出手段で検出した速度が高いほど前記ブレーキ操作がなされる可能性が高いことを予測し、
    前記減衰力制御手段は、前記速度検出手段で検出した速度が高い場合に、前記所定の減衰力よりも高い減衰力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の車両用減衰力制御装置。
  4. 前記減衰力制御手段は、前記車両の輪荷重を検出する輪荷重検出手段を備え、当該輪荷重検出手段で検出した輪荷重が高いほど、前記所定の減衰力よりも高い減衰力を更に高くするように補正することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の車両用減衰力制御装置。
  5. 前記減衰力制御手段は、前記ショックアブソーバによる減衰力を決定する減衰係数を、右側前輪又は左側前輪の少なくとも一方について上昇させて、前記ショックアブソーバの減衰力を上昇させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の車両用減衰力制御装置。
  6. 車両に加わる振動を減衰させるショックアブソーバで発生する減衰力を調整するアクチュエータを制御する車両用減衰力制御方法において、
    ブレーキ操作がなされる可能性を予測し、
    前記ブレーキ操作予測手段によりブレーキ操作がなされないことが予測された場合には、所定の減衰力を発生させるように前記アクチュエータを制御し、
    前記ブレーキ操作予測手段によりブレーキ操作がなされる可能性が高いことが予測された場合には、当該ブレーキ操作がなされる前に、前記所定の減衰力よりも高い減衰力を発生させるように前記アクチュエータの制御を開始すること
    を特徴とする車両用減衰力制御方法。
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