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JP2007077004A - ガラス熔融用耐熱材、ガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法 - Google Patents

ガラス熔融用耐熱材、ガラス物品製造装置及びガラス物品の製造方法 Download PDF

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JP2007077004A JP2006218442A JP2006218442A JP2007077004A JP 2007077004 A JP2007077004 A JP 2007077004A JP 2006218442 A JP2006218442 A JP 2006218442A JP 2006218442 A JP2006218442 A JP 2006218442A JP 2007077004 A JP2007077004 A JP 2007077004A
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Yukihisa Kada
恭久 加田
Tatsuya Takatani
辰弥 高谷
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Abstract

【課題】熔融ガラス中でその均質性を阻害する微細な酸素含有気泡を抑止することができ、熔融設備の耐久性をも向上できるガラス熔融用耐熱材とその耐熱材を使用したガラス物品製造装置、さらにガラス物品製造装置により実現できるガラス物品製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のガラス熔融用耐熱材は、多成分系酸化物ガラスの加熱製造装置10に搭載される白金含有材Fよりなるガラス熔融用耐熱材で、熔融ガラスと接触する面の白金含有材Fの厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にある。また本発明のガラス物品製造装置10は、上記のガラス熔融用耐熱材を熔融ガラスGの流動する槽の炉床面、側壁面及び槽間を連結する構造物内表面からなる群の何れかに配設されたものである。また本発明のガラス物品の製造方法は、上記のガラス物品製造装置10を使用してガラス物品を製造するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス物品を製造するための装置及びその装置を構成する耐熱材並びにその装置を使用するガラス物品の製造方法に関する。
各種ガラス物品を製造する技術は、多くの困難な課題を克服することによって発展してきた。例えば発展の著しいフラットパネルディスプレイなどの各種情報機器を支える基礎的な部材の一つとして、画像表示面に使用される薄板ガラスや液晶バックライトとして利用される細管ガラスに代表される各種のガラス物品の製造技術は、高い成形寸法精度を実現し、さらに高い均質性を実現するという課題に取り組むことでその技術が一層向上するものとなってきている。
ガラス物品の均質度を阻害するものとしては、熔融ガラス中の未熔解物や結晶析出物、脈理(threads、strings、streaks、cord)、すじ(scratch)、ノット(knot)、コード(cord)、ストリエ(striae)、キャットスクラッチ(catscratch)、リーム(ream)等種々あるが、熔融ガラス中の泡(seed、buble、blister)も一般的によく知られた欠陥の1つである。熔融ガラス中の泡欠陥の数の増加は、ガラス物品の品位を低下させるばかりか、ガラス物品の製造効率を低下させるという点からも好ましくない。
このような観点から、熔融ガラス中の泡数を低減するための発明はこれまでにも多数行われてきた。特に近年注目されているものとして、熔融ガラス中に存在し、ガラス物品の欠陥となる微細寸法を有する酸素泡の問題がある。それは、白金を含むガラス製造装置と熔融ガラスの界面に発生する酸素泡に注目するもので、その対策として特許文献1は、熔融ガラス中に生じる酸素含有泡の発生原因について、熔融ガラス中に存在する水の分解により生成した水素ガスがガラス熔融装置を構成する白金を透過して系外に散逸することによって熔融ガラス中に残留する酸素が泡を形成するという考えから、その対策としてガラス中のβ−OHを低減することが記載されている。また特許文献2には、白金表面に水素、酸素不透過の被膜を形成することで、泡の発生を抑止することができるとする発明も行われている。さらに特許文献3には、熔融容器外部の水素分圧を制御するという発明が提示されている。特許文献4には、熔融容器を二重構造とすることで、内側の容器内では泡の発生を最小とすることができるという発明も行われている。
特表2001−500098号公報 特表2004−523449号公報 特表2001−503008号公報 特開2003−95663号公報
しかし、これまでに行われた発明だけでは、熔融ガラス中に生じる微細な酸素気泡を減ずるためには十分ではない。例えば、特許文献1のようにガラス中のβ−OHを低減するための手段としてガラス組成中に塩素を含有させると、ガラス物品の再加熱処理中に塩素が発生しやすくなる場合もあり、チップオングラスのような精密配線構造を利用するガラス基板などの用途では、発生する塩素のために高い性能を実現し難いという問題が生じる。また特許文献2のように白金の表面に被膜を形成する場合には、ガラス製造条件による熱衝撃や機械的な衝撃によって被膜が破損しやすく、わずかな破損箇所が被膜に生じても熔融ガラスには致命的な欠陥を生じさせる危険を有するものとなるという問題がある。また特許文献3にあるように水素分圧制御のために水蒸気分圧を調整するのは、各工程での温度差を伴う高温環境下での分圧制御となるため長時間に亘り工程間のバランスを取りつつ安定化させるのが制御困難となる場合があり、安定した生産を長期間続けて行うには無理がある。また特許文献4のような二重構造の構成にするのは、熔融装置の限られた部分では可能であっても泡の発生する可能性のある全ての箇所に対して同じ構成を採用するには構造上からの制約もあり、対応することはできない場合もある。
以上のような観点から、本発明者らは熔融ガラス中でその均質性を阻害する酸素含有気泡を抑止することが可能であって、熔融設備の耐久性をも向上することが可能となるガラス熔融用耐熱材とその耐熱材を使用したガラス物品製造装置、さらにそのガラス物品製造装置により実現することのできるガラス物品製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明のガラス熔融用耐熱材は、多成分系酸化物ガラスの加熱製造装置に使用される白金含有材よりなるガラス熔融用耐熱材であって、熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にあることを特徴とする。
ここで、多成分系酸化物ガラスの加熱製造装置に使用される白金含有材よりなるガラス熔融用耐熱材であって、熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にあるとは、複数の酸化物成分を含有するものとして表すことのできるガラス組成物を熔融ガラス状態とするための加熱製造装置に使用される白金含有材について、熔融ガラスと直接接触して界面を形成する面をなす白金含有材の面に垂直な厚み寸法が1.1mm以上で、かつ50mm以下であることを表している。
ここで白金含有材とは、成分としてプラチナ(Pt)を含有するもの、すなわち白金合金や白金等の金属材、さらに白金を分散したセラミックス材を意味するものであり、白金の含有率を限定するものではない。ただし白金をppmオーダーの不純物として含有するものは、本発明には該当しない。
熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にあるとするのは、熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さが1.1mm未満であると酸素気泡が容易に形成される場合があるため好ましくない。また白金含有材の厚さが1.1mm未満では、構造的な強度にも支障があるので好ましくない。このような観点から熔融ガラスと接触する面の白金含有材の厚さは、厚い方が好ましく、より好ましくは1.2mm以上、さらに好ましくは1.3mm以上、一層好ましくは1.4mm以上、さらに一層好ましくは1.5mm以上、さらにより一層好ましくは1.6mm以上、最も好ましくは2.2mm以上とすることである。一方、熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さが厚いだけ製造設備の構築に要する費用は嵩むことになる。このような観点から熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さはなるべく薄い方が好ましく、より好ましくは40mm以下とすることであり、さらに好ましくは30mm以下、一層好ましくは20mm以下、なお一層好ましくは10mm以下とすることである。
熔融ガラスと接触する面は、液相状態の熔融ガラスに濡れる箇所つまり直接的に接触する箇所という意味であって、熔融ガラスが何らかの部材に染み込む等することによって間接的に接触する箇所は、本発明でいうところの接触する箇所には該当しない。また、熔融ガラス中の構成成分が蒸発あるいは揮発することによって、白金含有材の表面が濡れたような性状を呈する様になっているものも接触する箇所には該当しない。すなわち本発明でいうところの熔融ガラスと接触する面は、熔融ガラスの液相に浸漬されて接触し、熔融ガラスと液固界面を形成しているということを表している。
そして、より具体的に熔融ガラスと直接接触する白金含有材の使用箇所について例示するならば、熔融ガラスを収容する耐熱材料製の容器として、坩堝の内壁表面や底面部等、あるいはタンク(tank)、溶融槽(室)、清澄槽(室)、撹拌槽(室)、作業槽(室)、坩堝、ポット(Pot)、スロート(throat)、ライザー(riser)、フィーダー(feeder)、フォアハース(forehearth)、フォアベイ(fore bay)、ドレン(dorain)そしてドッグハウス(dog house)等やそれらの特定箇所、すなわち炉床(又はペービング)、炉壁(あるいはサイドウォール(sidewall))、堰(またはダムウォール(damwall))、敷居、パイプ(pipe)そして樋(gutter)等の耐火材、あるいは耐熱金属材料製のガラス物品製造装置を構成するガラス溶融炉の主要な白金含有材、あるいは熔融ガラスを均質化するために使用されるスターラー(stirrer)、ツイール(またはトウィール(tweel))、ニードル(needle)、ゲート(gate)、ダンパー、ブレンダー(blender)、ローター(rotar)、チューブ(tube)そしてパドラー(paddler)等の耐熱金属材料によって構成され、熔融ガラスに浸漬される中空構造を有する白金含有材、さらにロール(roll)、スリット(slott:スロット)、リップタイル(riptile)、スキーマー(skimmer)、ウエットバックタイル(wetbacktile)、ドローバー(draw bar)、スパウト(spout)、カップ(cup)、オリフィス(orifice)、フュージョンパイプ(fusion pipe)、ブッシング(bushing)そしてノズル(nozzle、spinning hole)等といった熔融ガラスを精密成形するに欠かせない成形部品を構成する耐火材や耐熱材料であって、直接熔融ガラスが接触する白金含有材が該当するものである。
本発明者等の研究によれば、熔融ガラス中の酸素泡に関する問題は、白金の板厚寸法を薄くすることで注目されることになった。すなわちガラス製造装置に白金または白金合金を使用する場合、設備費用の増大を招くということがあり、時に液晶表示装置に搭載される基板用板ガラスの製造では大量の白金が必要とされるので、費用高騰の対策として白金装置の肉薄化が行われた。このような設備費用の削減対策が行われたところ、ガラス物品の泡欠陥が大幅に増加する現象が認められた。そしてガラス製造装置の停止後に白金装置を調査した結果、白金装置と熔融ガラスの接触界面あるいはその近傍に多数の酸素泡の存在が認められた。本発明者らは、この点に注目して研究を重ねて本発明に到ったのである。よって、上述した熔融ガラスと界面をなす各白金含有材の中でも、液晶表示装置に搭載される基板用板ガラスを製造するに要する製造装置に使用される白金含有材に、本発明を適用するのは、特に好ましいものである。
本発明に係る加熱製造装置は、どのような熱源によってガラス原料を加熱するものであってもよい。例えばLPGや酸素等のガス燃料、固体化石原料を微粉末状態としたもの、さらに液化燃料などを使用することができる。また電極などを使用して電気加熱することも可能であり、これらの複数の方法を必要に応じて併用することもできる。
また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、上述に加え熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚み寸法Lが、熔融ガラス温度Tが1458.5℃未満では数1の式に従い、また熔融ガラス温度Tが1458.5℃以上では数2の式に従い、いずれであっても下記のいずれか一方の数式により得られる厚み寸法Lであることを特徴とする。
(数1)
L≧1.1 (T<1458.5℃)
(数2)

L≧0.012T−16.4 (T≧1458.5℃)
本発明者らは、これまでに行われた酸素気泡を防止するために行われた発明とはまったく異なる視点から、熔融ガラス中の欠陥となる酸素気泡の挙動に関する詳細な研究を行い、熔融ガラス中に含まれる異物等を熔解することで熔融ガラスの均質性を実現するために必要となる熔融ガラス温度Tを特定することによって、その特定された温度Tでの白金含有材料と熔融ガラス界面における発泡を効果的に抑止することのできる白金含有材の厚み寸法Lを実現することができる条件を見いだした。そして特定の熔融ガラス温度Tを実現する必要のあるガラス物品製造装置の上述したような特定部位に使用されるガラス熔融用耐熱材の厚み寸法を熔融ガラスの温度Tが1458.5℃未満では、数1で表される所定厚み寸法Lとなるようにし、熔融ガラスの温度Tが1458.5℃以上では、数2で表される所定厚み寸法Lとなるように設計、構成することで、所望の効果を実現することができることを確認した。
数1、あるいは数2で表される熔融ガラス温度Tと白金含有材の厚み寸法Lについて、具体的に例示すれば、熔融ガラス温度Tが1300℃であれば、構成部材の厚み寸法Lは1.1mm、1.6mm、2.2mm、熔融ガラス温度が1400℃であれば、白金含有材の厚み寸法Lは、1.6mm、2.2mm、熔融ガラス温度Tが1500℃であれば、白金含有材の厚み寸法Lは1.6mm、2.2mm、2.8mm、熔融ガラス温度Tが1600℃であれば2.8mm、4.0mmといった構成等が好ましいものである。
数1、あるいは数2の式では、白金が100質量%の板材を評価することによって得られたものであって、白金含有材の白金の含有率が少なくなった場合については、例えば白金と合金化した材料であれば、白金以外の材料が白金よりも熔融ガラスとの接触界面の発泡性が低い材料を選定する必要がある。また、熔融ガラスとの反応性や耐蝕性などの性能についても十分な吟味が必要である。
また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、上述に加え白金含有材の白金含有率が少なくとも10質量%であるならば、高温状態でも充分な熔融ガラスに対する耐蝕性を有するので好ましい。
ここで、白金含有材の白金含有率が少なくとも10質量%であるとは、充分な耐熱性を有する加熱装置を構成する白金含有材として、その白金含有材中の白金の含有割合が質量百分率表示することによって10%以上含有することを表している。
白金含有材については、要求される強度や耐熱性に応じて、10%以上であればどのような白金含有量であってもよいが、使用部位や必要な経費や耐久性等の性能、ガラスとの反応性を低くするといった観点から、なるべく高い含有率とすることが好ましい。このような観点から白金含有材の白金含有率は、より好ましくは40%以上とすることであり、さらに好ましくは50%以上、一層好ましくは60%以上、さらに一層好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上とすることである。
白金含有材について、白金以外の含有元素は、長期に亘る耐熱性を実現することのできるものであるならば、特に限定されることはない。ただ、白金含有材の表面からの溶出等の結果、ガラス物品を不要に着色したりすることのないものが好ましく、例えばIr(イリジウム)、Os(オスミウム)、Rh(ロジウム)、Zr(ジルコニウム)、Ru(ルテニウム)、Pd(パラジウム)、Si(珪素)、Y(イットリウム)、Ce(セリウム)、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、Al(アルミニウム)、Sc(スカンジウム)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)あるいはBa(バリウム)を使用することができる。
また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、上述に加え白金含有材が、熔融ガラスを連続熔融する加熱製造装置に適用されるものであるならば、泡の発生数が長期に亘り抑止された安定した品位のガラス物品を大量生産することができる。
ここで、白金含有材が、熔融ガラスを連続溶融する加熱製造装置に適用されるものとは、断続的な生産しかできないバッチ式の加熱製造装置ではなく、タンク炉等のガラス熔融設備を利用することによって連続的にガラス物品を製造する際に使用させるガラス熔融設備の加熱製造装置に使用されるものであることを表している。
ガラス熔融設備については、どのような構成であっても700℃以上に加熱することのできる加熱装置を備え、均質な熔融ガラスを連続的に生成することのできるものであるならば採用可能である。そして連続的に熔融ガラスを生成する速度についても特に限定されるものではない。
また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、上述に加え白金含有材が、1リットル以上の熔融ガラス流動部を有する加熱製造装置に適用されるものであるならば、泡以外の均質性を阻害する原因となるブツや脈理、ノット等をも加熱熔融するに足る熔融ガラスの収容容積を有し、熔融ガラスを一層均質な状態にすることができるので好ましい。
ここで、白金含有材が、1リットル以上の熔融ガラス滞留部を有する加熱装置に適用されるものとは、本発明に係る白金含有材の使用される適正な熱源を有する加熱製造装置が、熔融ガラスを流動させる機能を具現できるような略容器状の構造を有し、熔融ガラスを流動させるその構造部の内容積の大きさが1×10cm以上であることを表している。
熔融ガラス流動部が1リットルを越えるものである場合には、熔融ガラスの流速は、微細な寸法の泡が熔融ガラス中に形成されるまでの充分な時間だけ、熔融ガラスが同じ装置内に留まる程度の相対的な低速度となる箇所が熔融ガラス流動部の流れの一部に形成される危険性がある。この事は、熔融ガラス中の泡の形成速度と熔融ガラスの流速との相対的な速度比に依存して泡が形成されやすくなることを意味している。すなわち1リットルを越えると熔融ガラス中の異物やノットなどを熔融ガラス中に完全に熔解するには充分なものであるが、その一方で熔融ガラス中の泡の発生を効率よく抑止するという目的を実現すためには好ましくない場合がある。そこで、このような条件に見合う構造を有する加熱製造装置について、本発明を適用することによって、泡についても泡の発生が抑止された均質な品位となるので好ましいものである。
また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、上述に加え白金含有材が、熔融ガラスと接触する面の裏面側の少なくとも一部表面をガラス、セラミックス、結晶化ガラス、コンクリート、モルタル及び耐熱金属からなる群より選ばれた1種以上の材料により支持されてなるならば、白金含有材の外部から加えられる種々の物理化学的な負荷に対して白金含有材を保護することで白金含有材が高温状態にある熔融ガラスを長期に亘り支持し続けることを可能とするため好ましい。
ここで、白金含有材が、熔融ガラスと接触する面の裏面側の少なくとも一部表面をガラス、セラミックス、結晶化ガラス、コンクリート、モルタル、及び耐熱金属からなる群より選ばれた1種以上の材料により支持されてなるとは、高温状態にある熔融ガラスと直接接触している表面に対して、その反対側に相当する白金含有材の裏面について、その全面積の一部が他の部材によって当接支持された状態であって、しかもこの他の部材が、ガラス、セラミックス、結晶化ガラス、コンクリート、モルタル、及び耐熱金属の内の少なくともいずれか1種の材料であることを意味している。
当接支持する各部材は、必ずしも固体状である必要はないが、白金含有材の経時的な変形を高温状態で抑止するような働きを有している必要がある。また当接支持する部材は単独である必要はなく複数の部材が組み合わされたものでもよい。また好ましくは白金含有材との高温状態での反応性に乏しい材料であることが好ましい。
また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、溶融ガラス中に酸化還元反応によって酸素を吸収する砒素(As)等の清澄剤が含まれる場合であっても、それなりの酸素含有気泡の生成を抑止する効果を有するが、特に大きな効果を実現することのできるのは、清澄剤を添加しない状態あるいは清澄剤の添加量が著しく少ない状態で、溶融ガラスを製造する際に適用した場合である。
本発明のガラス物品製造装置は、上記に記載のガラス熔融用耐熱材が加熱製造装置の炉床面、側壁面及び槽間を連結する構造物内表面からなる群より選ばれた1種以上の面に配設されたことを特徴とする。
ここで上記に記載のガラス熔融用耐熱材が加熱製造装置の炉床面、側壁面及び槽間を連結する構造物内表面からなる群より選ばれた1種以上の面に配設されたとは、熔融ガラスと接触する面を有し且つ白金を含有する白金含有材の厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にあるガラス熔融用耐熱材を熔融ガラスが流動する加熱装置、具体的には槽の底面部、あるいは側面部、さらに複数ある槽と槽との間の管や樋など、熔融ガラスを槽から槽へと移動、すなわち流動させるために設けられた連結構造部の内表面部のうち、少なくとも何れか1箇所に配設した構造とするということを表している。
本発明のガラス物品製造装置は、単一のガラス熔融用耐熱材を施したものであっても、複数のガラス熔融用耐熱材を併用することによってその効果を高めたものであってもよい。また、他の手段との併用によってガラス熔融用耐熱材の使用時の強度を向上するようなものであってもよい。
また本発明のガラス物品製造装置は、上述に加え装置内の熔融ガラスの温度が700℃〜2200℃にあるならば、溶融ガラスの粘性を十分に低い粘性状態とすることで泡以外の異物、ノットや脈理のような欠陥も均質化することが可能となる粘度から、所定の形状へと精密成形してガラス物品とするに適した粘度までの範囲に対して対応することが可能であり、このような粘度域において、微細寸法の泡の発生、形成を熔融ガラス中で確実に抑止することができる。
装置内の熔融ガラスの温度が700℃〜2200℃にあることは、熔融ガラスの温度を熱電対や光学的な方法等で計測することによって特定される。熔融ガラスの温度が2200℃を越える状態とするのは、熔融ガラスの粘度を低下させるには効果的ではあるものの、熔融ガラスを加熱する装置の付帯設備等の耐用期間を短くするなどの弊害が生じ易くなるので好ましくない。また熔融ガラスの温度を700℃よりも低温にすると、熔融ガラスを成形する際に適正な形状にし難い等のガラス物品を成形する上での支障が発生する場合もあるので好ましくない。
また、本発明のガラス物品製造装置は、上述に加えてガラス熔融用耐熱材が物理的な攪拌操作を行う設備装置の搭載された槽から成形装置に至る工程、いわゆる川下工程に配設されてなるものであれば、装置壁に微細な寸法の酸素含有気泡を形成することがなく、成形されたガラス物品中に微細気泡が混入する虞が少なくなるので好ましい。
また上記の微細な寸法の酸素含有気泡とは、具体的に例示すれば1500℃の溶融ガラス中で2.5cm/時間よりも浮上速度の小さくなる寸法を有する気泡を表している。
また本発明のガラス物品製造装置は、上述に加え板ガラスを製造するものであるならば、各種用途で使用される高品位な板ガラスの品位を一層向上することが可能となるため好ましい。
ここで、板ガラスを製造するものであるとは、熔融ガラス加熱装置で加熱されて熔融ガラスとし、さらに均質化した状態で各種の成形装置を駆使することで種々の寸法を有する板ガラスを成形することを意味している。成形装置としては、例えばフロート成形装置、オーバーフローダウンドロー成形装置、スロットダウンドロー成形装置、ロールアウト成形装置、リードロー成形装置といった各種の成形装置を使用することができる。
また本発明のガラス物品製造装置は、上述に加えフラットパネルディスプレイ用板ガラスを製造する装置であれば、高い画像品位を有するフラットパネルディスプレイを製造することのできる板ガラスとすることができるので好ましい。
ここで、フラットパネルディスプレイについては、どのような表示方式を採用したものであってもよい。すなわち例えば液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、無機または有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED:Field emmission display:電界放射ディスプレイともいう)、あるいはSED(Surface Conduction Emitter Display)、蛍光表示管ディスプレイ(VFD:Vacuum Fluoresscent Display)、エレクトロルミネセントディスプレイ(ELD:Elctro Luminescent Display)、発光ダイオードディスプレイ(LED Display(Light Emitting Diode Display))、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD:Elctro Cromic Display)、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electrophoretic Display)といったものであってもよい。
また本発明のガラス物品製造装置は、上述に加え液晶表示装置搭載用板ガラスを製造するものであれば、小型の表示装置から第6世代を越える大型表示装置に到る各種寸法の液晶表示装置に搭載される高い均質度を有する品質の板ガラスを製造できるので好ましい。
液晶表示装置であれば、液晶素子の違いや画像表示方式の違い等には関係なく本発明を採用できる。例えば、液晶としてネマティック液晶、スメクティック液晶、あるいはコレステリック液晶等の種別には関係せずに使用できるものであり、画像表示方式についてもSTNやTFT等の各種の方式の違いによらず採用することができる。
液晶表示装置に搭載される板ガラスとしては、無アルカリガラスあるいは低アルカリ含有率のガラス組成物が好ましい。例えばガラス組成物として、その成分を酸化物換算の質量百分率表示で表せば、SiO 40〜85%、Al 1〜28%、RO 2〜45%(RO=MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO)といったガラス組成物が好適である。
また、液晶表示装置搭載用板ガラスを製造するガラス物品製造装置としては、泡以外にも溶融ガラス中における白金粒子の生成を抑制することに留意することが大切である。すなわち白金含有材からの白金粒子の剥離、再結晶等で生じる溶融ガラス中の白金粒子の数をなるべく減少させることが肝要であり、そのような設備構成を採用していることが、さらに好ましい。例えば、ガラス物品製造装置の白金粒子の生成し易い部位には、白金を被覆する機能を有する適切なセラミックスなどの保護材が施してあれば好ましい。
また本発明のガラス物品製造装置は、上述に加え固体撮像素子用板ガラスを製造する装置であるならば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)といった種々の機能を有する各種固体撮像素子に対応することのできるので好ましい。
固体撮像装置用板ガラスを製造するためには、本発明のガラス物品製造装置であって、さらにα線の発生原因となるウラン、トリウム、あるいはラジウムなどの微量放射性元素がppb(parts per billion)のオーダーであっても溶出し難い構成となっていることが好ましい。
本発明のガラス物品製造装置は、上述した板ガラス以外にも、高温加熱を要する構造材の配設が不可欠な各種ガラス物品の製造装置に適用することができる。例えばガラス繊維を製造する溶融炉、液晶バックライトやキセノンフラッシュランプ等の光源用高精度筒状ガラス管、光部品のレンズ等として利用され、屈折率や分散、透過率の管理を行う必要のある各種光学ガラス、建材用途や家電用途などに多用される結晶化ガラス材等のガラス物品を製造するためのガラス物品製造装置として採用することができる。
本発明のガラス物品の製造方法は、上記に記載のガラス物品製造装置を使用してガラス物品を製造することを特徴とする。
ここで、上記に記載のガラス物品製造装置を使用してガラス物品を製造するとは、前述したように多成分系酸化物ガラスの加熱製造装置に搭載される白金含有材であって、熔融ガラスと接触する面の白金含有材の厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にあるガラス熔融用耐熱材が、熔融ガラスの流動する加熱装置の炉床面、側壁面及び槽間を連結する構造物内表面からなる群より選ばれた1種以上の面に配設されたガラス物品製造装置を使用することでガラス物品を製造することを表している。
本発明のガラス物品製造装置は、溶融ガラスを均質化するための他の手段、異なる方法あるいは装置との併用を妨げるものではない。本発明と他の方法とを適宜組み合わせることによって、より好ましいものとすることは有意義なことである。例えば、種々の溶融ガラスの撹拌装置、溶融ガラスの減圧装置、溶融ガラスのバブリング装置等と組み合わせて使用することも可能である。
(1)以上のように、本発明のガラス熔融用耐熱材は、多成分系酸化物ガラスの加熱製造装置に使用される白金含有材よりなるガラス熔融用耐熱材であって、熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にあるものであるため、ガラス中の酸素含有率の高い気泡の発生を抑止することができるものである。
(2)さらに、本発明のガラス熔融用耐熱材は、熔融ガラスの温度Tが1458.5℃未満である場合の白金含有材の厚さの下限値が、1.1mmであり、且つ、熔融ガラスの温度Tが1458.5℃以上である場合の白金含有材の厚さの下限値が、(0.012T−16.4)mmに設定されるものであるため、白金含有材の厚さが、溶融ガラスの温度との関係において適切な寸法となる。
(3)また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、白金含有材の白金含有率が少なくとも10質量%であっても、界面での酸素含有率の高い気泡の発生を抑止するとともに高い高温耐久性を実現することによって長時間に亘る安定した生産に寄与するものである。
(4)また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、白金含有材が、熔融ガラスを連続溶融する加熱製造装置に適用されるものであることを特徴とするものであるならば、大量の溶融ガラスを連続的に加熱する装置であっても、微細寸法を有する酸素含有率の高い気泡の生成を排除することが可能となるので、このような装置を使用することによって高速な生産速度でガラス物品が生産される場合でも安定した製造が実現できるので好ましい。
(5)また、本発明のガラス熔融用耐熱材は、白金含有材が、熔融ガラスと接触する面に対する裏面側の少なくとも一部表面をガラス、セラミックス、結晶化ガラス、コンクリート、モルタル及び耐熱金属からなる群より選ばれた材料により支持されてなるならば、白金含有材が使用される温度や雰囲気に応じて最適な材料により支持されるものとなるので高い耐久性を実現することができる。
(6)本発明のガラス物品製造装置は、上記の何れかに記載のガラス熔融用耐熱材が熔融ガラスの滞留する槽の炉床面、側壁面及び槽間を連結する構造物内表面からなる群の何れかに配設されたものであるため、溶融ガラス中で微細な酸素含有率の高い気泡が形成されやすい白金含有材の所定箇所で効果的に気泡の形成を防ぐことが可能である。
(7)また、本発明のガラス物品製造装置は、装置内の熔融ガラスの温度が700℃〜2200℃にあるならば、泡が形成されやすい温度範囲に適用されることによって、酸素含有率の高い泡の形成される割合を低減することができ、均質な状態の溶融ガラスを実現しやすいものとすることが可能となる。
(8)また、本発明のガラス物品製造装置は、板ガラスを製造するものであるならば、種々の用途で利用される板ガラスを酸素含有率の高い気泡の混入しにくい環境で製造することが容易となるので好ましい。
(9)また、本発明のガラス物品製造装置は、フラットパネルディスプレイ用板ガラスを製造する装置であるならば、種々の寸法を有する板ガラスが必要となる用途で利用されるものであっても、板ガラス寸法によらずに高い均質性を有する板ガラスを大量に安定生産することができる。
(10)さらに、本発明のガラス物品製造装置は、液晶表示装置搭載用板ガラスを製造するものであるならば、酸素含有率の高い微細な気泡の存在しない大面積を有する薄板ガラスを連続成形することができるので、大画面ディスプレイに搭載されることから要求される大面積の寸法を有する板ガラスを顧客の満足できる均質度を有する状態で製造することが可能となる。
(11)また、本発明のガラス物品製造装置は、固体撮像素子用板ガラスを製造する装置であるならば、高い画素を有するイメージセンサを構成するに不可欠な高い均質性を有する板ガラスを製造することができるものである。
(12)本発明のガラス物品の製造方法は、上記に記載のガラス物品製造装置を使用してガラス物品を製造するものであるため、溶融工程で発生する酸素含有率の高い気泡の数を最小限に抑制することが可能となるものである。
以下に本発明のガラス熔融用耐熱材とその耐熱材を使用したガラス物品製造装置、さらにガラス物品製造装置によるガラス物品の製造方法について、実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、本発明に際して発明者らが行った試験段階レベルの評価について、以下にその内容を説明する。
ガラス中のβ−OH量が518ppmの無アルカリガラス(酸化物換算の質量百分率表示で表されるガラス組成が、SiO 59質量%、Al 17質量%、B 10質量%、MO(M=Ca、Mg、Ba、Sr、Zn) 14質量%であるガラス)を予め溶融することによって均質化し、厚み0.7mmの透光面に相当する両面が鏡面状態の薄板ガラス状に成形した。このガラスは、液晶表示装置に搭載されるため薄板ガラスとして成形されるものであるが、このガラスを50×50×0.7mmの矩形薄片状に切断して純水で洗浄し、間接乾燥炉内で150℃、10時間の条件で乾燥したものを準備した。そしてこの板ガラス試料22枚を予め準備した所定の各肉厚を有する白金100質量%の組成を有する白金坩堝(底面直径 40mm、上縁端直径 55mm、高さ 20mm)の上縁端に積層し、その状態で箱型加熱電気抵抗炉内に静置した。加熱電気抵抗炉による加熱スケジュールは、1200℃まで10℃/分で昇温した後に、所定の試験温度にある別の箱形試験炉内に投入して30分間静置し、その後白金坩堝を試験炉から取り出して室温まで冷却して観察用試料とした。このように流動していない溶融ガラスについての一定時間保持した状態で観察を行うことによって過酷な状況での評価が行える。次いでこの観察用試料について、坩堝底部のガラスと白金との界面部に生成した酸素含有気泡の存在有無とその状態を観察、調査した。調査には、肉眼及び20倍の実体顕微鏡を使用した。また板ガラスの軟化変形時の残留巻き込み泡等、本件とは無関係の原因により生成したことが明確な寸法、形状、および発生部位を有する泡については、容易に調査の対象外とすることができたため、再現性のある評価が行えた。
以上の手順で種々の白金坩堝の肉厚、加熱保持温度について調査した結果を表1にまとめる。表1で○と表示したのは、ガラスと白金との界面部に発泡が観察されなかったもので、×と表示したのは界面部に発泡が観察されたものである。ただし、試験の性格上、積層されたガラス板間に生じる巻き込み泡については、観察対象から除外している。巻き込み泡は、泡寸法が白金界面で発生する泡寸法と異なるので、泡の外観観察により高い精度で除外することができる。
Figure 2007077004
表1から明らかなように、保持温度が1300℃、1400℃の場合、白金の厚みが0.4mm以上であれば、すなわち1.1mm、1.6mm、2.2mmであれば酸素含有泡の発泡現象は観察されなかった。一方、例えば1600℃で0.4mmの厚みについて調査した界面部には、酸素を含有する気泡が多数発生していることを確認することができた。しかしながら1500℃では1.6mm以上、すなわち1.6mm、2.2mmの厚み寸法であれば発泡は発生しなかった。また1300℃、1400℃で使用した0.4mmの厚みの白金では、構造材として脆弱であるため実使用では強度が弱く使用上の困難が予想されるものであった。
以上のような一連の調査から、本発明者らは白金含有材と溶融ガラス温度について数1及び数2に示したような関係の存在することを確認し、この関係に従ってガラス物品製造装置の所定温度を要する箇所を所定厚みの構造材で構成することで、酸素気泡の混入することのないガラス物品の得られることを見いだした。
次いで、本発明のガラス熔融用耐熱材である白金含有材について、ガラス物品製造装置に適用する事例を以下で示す。
図1は、本発明を適用したガラス物品製造装置の説明図である。図1(A)は長尺方向の断面図で、図1(B)は図1(A)のX−X断面の断面図を表している。この大型ガラス溶融装置は、さらに成形部に連結され、溶融ガラスは成形部で成形される構成となっているが、ここでは本発明を説明するための要部のみを部分的に例示している。
このガラス物品製造装置10は、ガラス溶融槽20とガラス清澄槽30とがスロート50を介して連結した構造である。そしてガラス清澄槽30はフィーダー40へと連結した構造となっている。このフィーダー40は、白金含有材Fとして質量百分率表示で白金90%−ロジウム10%の組成を有する白金含有の耐熱合金材Fの表面が溶融ガラスGと直接接触するように配した構造である。この白金含有材Fの厚み寸法は側壁面が1.1mm、炉床面が1.3mmとなっている(図1(B)参照)。そしてこの白金を含有する耐熱合金製の白金含有材Fの外側には断熱機能と十分な構造強度を実現するためにセラミックスブロック材Rが配設され、セラミックスブロック材Rの支柱によって白金含有材Fを支持している。
次にこのガラス物品製造装置10を使用し、ガラス組成が酸化物換算の質量百分率表示でSiO 59質量%、Al 16質量%、B 9質量%、MO(M=Ca、Mg、Ba、Sr、Zn) 16質量%の無アルカリガラス物品(液晶表示装置搭載の画像表示部板ガラス用途や固体撮像装置のカバーガラス等として利用される薄板ガラス)を製造する手順について説明する。
予め複数のガラス原料を秤量しさらにガラスカレットを10質量%相当だけ配合し、混合して調整したガラス原料Mをガラス溶融槽20に配設したシューター21から原料チャージャー(スクリュー投入機)22でガラス溶融槽20内に連続投入する。投入されたガラス原料Mは、ガラス溶融槽20内にてバーナー23や電極24を熱源とする加熱によって高温化学反応をおこし、炭酸ガスや酸素ガス、水蒸気等の各種ガスを発生させながら溶融状態となり、反応がさらに進行して溶融ガラス状態へと移行していく。こうして生成した溶融ガラスGは、バブリングBによる均質化操作を行われた後にスロート50を経てガラス清澄槽30へと流入する。溶融ガラスGは、約30リットルの内容積を有するガラス清澄槽30内にて微細な残留気泡が清澄されて均質な状態となった後、均質化された溶融ガラスGは、本発明のガラス熔融用耐熱材として白金含有材Fを側壁、炉床にそれぞれ配設したフィーダー40へと流入する。溶融ガラスGの温度が、1300℃〜1400℃となるフィーダー40に本発明のガラス熔融用耐熱材を配設していない場合には、溶融ガラスGと白金含有材Fとの界面に生成した微細な酸素を含有する気泡が、フィーダー40の先端側にある成形部(図示省略)へと流れ込むことによって泡不良となることもあるが、本発明を適用することによってこのような溶融ガラスGと白金含有材Fとの界面に生成する微細な酸素を含有する気泡の発生を抑止することができるようになる。
そして、白金含有材Fの厚さは、熔融ガラスの温度Tが上述のように1458.5℃未満であることにより1.1mmを下限値としてそれ以上とされており、これにより上記の気泡の発生抑制効果は確実なものとなる。また、上述の場合とは異なり、熔融ガラスの温度Tが1458.5℃以上の箇所(例えば清澄槽30の側壁面部)に白金含有材Fを使用する場合には、白金含有材Fの厚さを(0.012T−16.4)mm以上に設定することにより、上記の気泡の発生抑制効果を確実化させることができる。
以上のように本発明のガラス熔融用耐熱材を適用したガラス物品製造装置を使用することによって、ガラス物品中に問題となる微細な寸法の酸素含有気泡を混入させることもなく、均質なガラス物品を得ることができるものとなるのは明瞭である。
本発明のガラス物品製造装置の部分断面図であって、(A)は長手方向断面図で(B)は(A)のX−X断面を表す要部断面図。
符号の説明
10 ガラス物品製造装置
20 ガラス溶融槽
21 シューター
22 原料チャージャー
23 バーナー
24 電極
30 ガラス清澄槽
40 フィーダー
50 スロート
B バブリング
M ガラス原料
G 溶融ガラス
R 耐火物
F 白金含有材

Claims (12)

  1. 多成分系酸化物ガラスの加熱製造装置に使用される白金含有材よりなるガラス熔融用耐熱材であって、
    熔融ガラスと接触する面を有する白金含有材の厚さが1.1mm〜50mmの範囲内にあることを特徴とするガラス熔融用耐熱材。
  2. 熔融ガラスの温度Tが1458.5℃未満である場合の白金含有材の厚さの下限値が、1.1mmであり、且つ、熔融ガラスの温度Tが1458.5℃以上である場合の白金含有材の厚さの下限値が、(0.012T−16.4)mmに設定されていることを特徴とする請求項1に記載のガラス熔融用耐熱材。
  3. 白金含有材の白金含有率が少なくとも10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス熔融用耐熱材。
  4. 白金含有材が、熔融ガラスを連続溶融する加熱製造装置に適用されるものであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のガラス熔融用耐熱材。
  5. 白金含有材が、熔融ガラスと接触する面の裏面側の少なくとも一部表面をガラス、セラミックス、結晶化ガラス、コンクリート、モルタル及び耐熱金属からなる群より選ばれた1種以上の材料により支持されてなることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のガラス熔融用耐熱材。
  6. 請求項1から5の何れかに記載のガラス熔融用耐熱材が加熱製造装置の炉床面、側壁面及び槽間を連結する構造物内表面からなる群より選ばれた1種以上の面に配設されたことを特徴とするガラス物品製造装置。
  7. 装置内の熔融ガラスの温度が700℃〜2200℃にあることを特徴とする請求項6に記載のガラス物品製造装置。
  8. 板ガラスを製造することを特徴とする請求項6または7に記載のガラス物品製造装置。
  9. フラットパネルディスプレイ用板ガラスを製造する装置であることを特徴とする請求項6から8の何れかに記載のガラス物品製造装置。
  10. 液晶表示装置搭載用板ガラスを製造することを特徴とする請求項6から9の何れかに記載のガラス物品製造装置。
  11. 固体撮像素子用板ガラスを製造する装置であることを特徴とする請求項6から8の何れかに記載のガラス物品製造装置。
  12. 請求項6から11の何れかに記載のガラス物品製造装置を使用してガラス物品を製造することを特徴とするガラス物品の製造方法。
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