JP2007065024A - ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)酸で分解し得る基を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(C)ガラス転移温度(Tg)が110℃以上であり、酸で分解し得る基を有さず、且つフッ素原子又はシリコン原子を有するアルカリ可溶性樹脂及び(D)溶剤を含有するポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】なし
Description
(解像力)=k1・(λ/NA)
(焦点深度)=±k2・λ/NA2
ここでλは露光光源の波長、NAは投影レンズの開口数、k1及びk2はプロセスに関係する係数である。
この「液浸の効果」はλ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸媒体の屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、前述の解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。
これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
特許文献3(特開平10−303114号公報)には、液浸媒体の屈折率変化が露光機の波面収差による投影像の劣化を引き起こすため液浸媒体の屈折率制御が重要であることが指摘され、液浸媒体の屈折率の温度係数をある範囲に制御することや、好適な液浸媒体として、表面張力を下げる、または、界面活性度を増加させるような添加剤を添加した水が開示されている。しかしながら、添加剤の開示や液浸露光技術に適するレジストに関してはやはり論じてはいない。
とする場合は、取り扱い安全性と193nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(193nmでにおける屈折率1.44)が液浸媒体として最も有望であると考えられている。
F2エキシマレーザーを光源とする場合は、157nmにおける透過率と屈折率のバランスからフッ素を含有する溶液が検討されているが、環境安全性の観点や屈折率の点で十分な物は未だ見出されていない。液浸の効果の度合いとレジストの完成度から液浸露光技術はArF露光機に最も早く搭載されると考えられている。
従来の化学増幅型レジスト組成物は、露光後のベークに於いて加熱温度が変化することによってレジストパーターンの線幅が変動することを小さくすることが求められている。
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(C)ガラス転移温度(Tg)が110℃以上であり、酸で分解し得る基を有さず、且つフッ素原子又はシリコン原子を有するアルカリ可溶性樹脂及び
(D)溶剤
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
(5) (C)成分の樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば
、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸で分解し得る基を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(「(A)成分の樹脂」又は「酸分解性樹脂(A)」ともいう)を含有する。
(A)成分の樹脂に於ける、酸で分解し得る基(以下、「酸分解性基」ともいう)とは、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基である。(A)成分の樹脂は、酸分解性基を有することによって、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する。
アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、カルボキシル基、水酸基の水素原子を酸の作用により脱離する基で置換した基である。
酸の作用により脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
R1〜R3は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基を表す。R1〜R3の内の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R1〜R3のシクロアルキル基の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロ
デカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基である。尚、シクロアルキル基中の炭化水素の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。アルキレン基は、置換基を有していてもよい。
R1〜R3は、一般式(I)におけるR1〜R3と同義である。
酸分解性樹脂(A)が有していてもよい他の酸分解性基としては、例えば、−O−C(R36)(R37)(R38)、−O−C(R36)(R37)(OR39)、−O−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−O−C(R01)(R02)(OR39)、−O−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37、R36とR39とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
尚、−C(R36)(R37)(R38)は、炭素原子にR36〜R38で表される各々の基が単結合で結合している基を意味する。以下、同様とする。
酸分解性樹脂(A)が有する単環又は多環の脂環炭化水素構造は、特に限定されないが、上述の一般式(I)におけるR1〜R3としてのシクロアルキル基、後述の繰り返し単位が有する脂環式炭化水素構造を挙げることができる。
酸分解性樹脂(A)に於ける、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II-AB)で示される繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることがより好ましい。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化
水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
また、上記各アルキル基が有してもよい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
Rxは、水素原子またはメチル基を表す。
Ryは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。Ryの炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、無置換のものであっても良いし、更に置換基を有していてもよい。有してもよい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
般式(II−B)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基又は環状炭化水素基を表す。Rl3'〜R16'の内の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R5は、アルキル基、環状炭化水素基又は下記の−Y基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は、単結合又は2価の連結基を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又は下記の−Y基を表す。
R6は、アルキル基又は環状炭化水素基を表す。
nは、0又は1を表す。
a及びbは、1又は2を表す。
状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
式中、R0 としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、3−オキソアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリルエステル基、3−オキソシクロヘキシルエステル基、2−メチル−2−アダマンチル基、メバロニックラクトン残基等を挙げることができる。X1は、上記Xと同義である。
ましくは20〜50モル%である。
Ra1、Rb1、Rc1、Rd1及びRe1は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
m、nは、各々独立に、0〜3の整数を表し、m+nは、2以上6以下である。
R1b〜R5bは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニルイミノ基又はアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環を形成してもよい。
トン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(II−A)又は(II−B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも1つが一般式(Lc)又は一般式(III−1)〜(III−5)で表される基を有するもの(例えば−COOR5のR5が一般式(Lc)又は一般式(III−1)〜(III−5)で表される基を表す)、又は下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を挙げることができ、ラクトン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましい。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、前記一般式(III−1)〜(III−5)におけるR1bとしてのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は水素原子が好ましい。
A’は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
B2は、一般式(Lc)又は一般式(III−1)〜(III−5)のうちのいずれかで示される基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。
は(II−B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも1つが上記一般式(IV)で表される基を有するもの(例えば−COOR5のR5が一般式(IV)で表される基を表す)、又は下記一般式(AII)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
R1cは、水素原子又はメチル基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。R2c〜R4cのうちの二つが水酸基であるものが好ましい。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す
。R41、R42のアルキル基、シクロアルキル基、樟脳残基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
上記一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し構造単位と上記一般式(II-AB)で表される繰り返し単位の合計した総モル数に対して、
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の含有量は、好ましくは1〜70モル%、より好ましくは10〜70モル%であり、
一般式(IV)で表される基を有する繰り返し単位の含有量は、好ましくは1〜70モル%、より好ましくは1〜50モル%である。
例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は通常20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
酸分解性樹脂(A)中の残存モノマー量は0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%がさらに好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物に用いられる、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」と呼ぶ場合がある。)について以下に説明する。
本発明において使用される酸発生剤としては、一般に酸発生剤として使用される化合物の中から選択することができる。
即ち、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている遠紫外線、X線などの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表す。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチ
レン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
アニオンにおける脂肪族基、芳香族基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
化合物(ZI−2)は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
ペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Ar3は、各々独立に、アリール基を表す。
一般式(ZV)及び(ZVI)において、
R208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、前記一般式(ZII)〜(ZIII)におけるR204〜R207としてのアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基と同様である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤のポジ型レジスト組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、ガラス転移温度(Tg)が110℃以上であり、酸で分解し得る基を有さず、且つフッ素原子又はシリコン原子を有するアルカリ可溶性樹脂(「(C)成分の樹脂」又は「アルカリ可溶性樹脂(C)」ともいう)を含有する。
アルカリ可溶性樹脂(C)のポジ型レジスト組成物への導入は、特に液浸露光に於いて、レジスト膜と液浸媒体との親和性の時間変化を低減することが期待できることから、リソ特性が向上する、と考えられる。
このため、アルカリ可溶性樹脂(C)は、アルカリ可溶性基及び/又はアルカリ現像液により加水分解して可溶化する基を有する。
アルカリ可溶性基としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、(スルホニル)(カルボニル)メチレン基、活性メチレン基を有する基等が挙げられる。活性メチレン基を有する基の具体例としては、−C(=O)−CH2−C(=O)−、−C(=O)−CHR−C(=O)−(Rはアルキル基)、−C(=O)−CH(C(=O))2−、−SO2−CH2−C(=O)−等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボン酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基、スルホンアミド基が挙げられる。
Xcは、水素原子又はアルキル基を表す。
Rc1は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Rf1及びRf2は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。但し、Rf1及びRf2の少なくとも一方は、フッ素置換アルキル基である。Rf1及びRf2は、パーフルオロメチル基であることが好ましい。
Qは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qcは、単結合又はnc+1価の連結基を表す。
ncは、正の整数を表す。ncは、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜2である。
連結基としては特に限定されないが、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、ウレア基のいずれか、またはこれらの2つ以上の基の組み合わせが好ましい。これらのうち、アルキレン基、シクロアルキレン基、エステル基のいずれか、またはこれらの2つ以上の基の組み合わせが特に好ましい。
R1a〜R4aは、各々独立に、水素原子又はヘキサフルオロイソパノール基若しくはヘキサフルオロイソパノール基を有する基(好ましくはヘキサフルオロイソパノール基で置換された炭素数1〜3のアルキル基)を表し、R1a〜R4aの内の少なくとも1つは、ヘキサフルオロイソパノール基若しくはヘキサフルオロイソパノール基を有する基を表す。
naは、0又は1を表す。
アルカリ可溶性樹脂(C)は、フッ素原子又はシリコン原子を有する繰り返し単位として、前記一般式(Cc)で表される繰り返し単位、一般式(Ce)で表される繰り返し単位、下記一般式(Cg)で表される繰り返し単位、一般式(Ch)で表される繰り返し単位、一般式(Ci)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種類の繰り返し単位を有することが好ましく、これらの内で(メタ)アクリル酸エステル系繰り返し単位がより好ましい。
Xdは、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Rdは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシル基、水酸基又はラクトン基を表す。
但し、Xd及びRdの内の少なくとも片方は、フッ素原子又はフッ素原子若しくはシリコン原子で置換されたアルキル基を表す。
Qは、単結合又は2価の連結基を表す。
連結基としては特に限定されないが、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、ウレア基のいずれか、またはこれらの2つ以上の基の組み合わせが好ましい。これらのうち、アルキレン基、シクロアルキレン基、エステル基のいずれか、またはこれらの2つ以上の基の組み合わせが特に好ましい。
Fa、Fb、Fc及びFdは、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。但し、Fa、Fb、Fc及びFdの内の少なくとも1つは、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
Fe、Ff、Fg、Fh及びFiは、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。但し、Fe、Ff、Fg、Fh及びFiの内の少なくとも1つは、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
アルカリ可溶性樹脂(C)のTgは、走査カロリメトリー(Differential Scanning Calorimeter)により測定することができる。
Tgの制御は、繰り返し単位を有する樹脂の場合、繰り返し単位の選定(例えばアクリル系繰り返し単位或いはメタクリル系繰り返し単位の選択、脂環構造の種類、脂環構造のポリマー主鎖からの距離等)及びその共重合比、さらに樹脂の分子量の大小により可能である。(メタ)アクリル系樹脂において、Tgを上げる方法としては、メタクリル系繰り返し単位を選択し、脂環構造として一般に橋かけ構造を有する脂環基を選択し、脂環構造のポリマー主鎖からの距離を小さくし、更にそのような構造の繰り返し単位の共重合比を上げ、分子量を上げるという方法がある。
アルカリ可溶性樹脂(C)に於いて、フッ素原子又はシリコン原子を有する繰り返し単位の含量は、全繰り返し単位中に、1〜90モル%であることが好ましく、5〜50モル
%であることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(C)の残存モノマー量は、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%がさらに好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(C)の分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3である。
アルカリ可溶性樹脂(C)の含有量は、酸分解性樹脂(A)の質量の0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(C)は、単独でも、複数を混合して使用しても良い。
本発明のポジ型レジスト組成物は、各成分を所定の溶剤に溶解して用いる。
使用し得る溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メトキシブタノール、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を挙げることができる。
水酸基を有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが好ましい。
水酸基を有さない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンがより好ましい。
水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との混合比(質量)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは10/90〜90/10、更により好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を有さない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
このような溶剤を用いて、固形分濃度として、通常3〜25質量%、好ましくは5〜22質量%、より好ましくは7〜20質量%、更に好ましくは5〜15質量%のレジスト組成物を調製する。
本発明の組成物には、活性光線又は放射線の照射後、加熱処理までの経時による性能変動(パターンのT−top形状形成、感度変動、パターン線幅変動等)や塗布後の経時による性能変動、更には活性光線又は放射線の照射後、加熱処理時の酸の過剰な拡散(解像度の劣化)を防止する目的で、塩基性化合物を使用することができる。塩基性化合物としては、例えば塩基性窒素を有する有機塩基性化合物であり、共役酸のpKa値で4以上の化合物が好ましく使用される。
具体的には下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
R253 、R254、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
具体的には、アンモニウムヒドロキシド、アンモニウムトリフレート、アンモニウムペンタフレート、アンモニウムヘプタフレート、アンモニウムノナフレート、アンモニウムウンデカフレート、アンモニウムトリデカフレート、アンモニウムペンタデカフレート、アンモニウムメチルカルボキシレート、アンモニウムエチルカルボキシレート、アンモニウムプロピルカルボキシレート、アンモニウムブチルカルボキシレート、アンモニウムヘプチルカルボキシレート、アンモニウムヘキシルカルボキシレート、アンモニウムオクチルカルボキシレート、アンモニウムノニルカルボキシレート、アンモニウムデシルカルボキシレート、アンモニウムウンデシルカルボキシレート、アンモニウムドデカデシルカルボキシレート、アンモニウムトリデシルカルボキシレート、アンモニウムテトラデシルカルボキシレート、アンモニウムペンタデシルカルボキシレート、アンモニウムヘキサデシルカルボキシレート、アンモニウムヘプタデシルカルボキシレート、アンモニウムオクタデシルカルボキシレート等が挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、ポジ型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)を含有することができる。
溶解阻止化合物としては、220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環式化合物又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、酸分解性樹脂(A)について説明したものと同様のものが挙げられる。
溶解阻止化合物の分子量は、好ましくは3000以下であり、より好ましくは300〜3000、更に好ましくは500〜2500である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に(G)界面活性剤を含有することができる。界面活性剤として、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号
公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
Rwは、水素原子又はアルキル基を表す。
mは、1〜30の整数を表す。
nは、0〜3の整数を表す。
pは、0〜5の整数を表す。
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、アルカリ現像液に可溶な樹脂を含有することができ、これにより感度が向上する。
本発明においては、分子量1000〜20000程度のノボラック樹脂類、分子量3000〜50000程度のポリヒドロキシスチレン誘導体をこのような樹脂として用いることができるが、これらは250nm以下の光に対して吸収が大きいため、一部水素添加して用いるか、又は全樹脂量の30質量%以下の量で使用するのが好ましい。
また、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として有する樹脂も用いることができる。カルボキシル基を有する樹脂中にはドライエッチング耐性向上のために単環、又は多環の脂環炭化水素基を有していることが好ましい。具体的には酸分解性を示さない脂環式炭化水素構造を有するメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体あるいは末端にカルボキシル基を有する脂環炭化水素基の(メタ)アクリル酸エステルの樹脂などを挙げることができる。
このようなアルカリ可溶性樹脂の添加量は、酸分解性樹脂(A)を含めた樹脂の総量に対して、通常30質量%以下である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。
本発明におけるカルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、カルボン酸オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい。更に、本発明のカルボン酸オニウム塩は、カルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環または多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部または全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
すなわち、ポジ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により、任意の厚み(通常50〜500nm)で塗布する。
塗布後、スピンまたはベークによりレジストを乾燥し、レジスト膜を形成後、パターン形成のためマスクなどを通し、露光する。露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、好ましくは、スピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、パターンを得る。露光後ベークを行うことが好ましく、ベーク温度は、通常30〜300℃である。前述したPEDの点から、露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げられる。
尚、レジスト膜に露光する際に、液浸媒体を介して露光(液浸露光)を行ってもよい。レジストを液浸露光に適用したときに見られる性能上の変化は、レジスト表面が液浸媒体に接触することに由来しているものと考えられる。
液浸媒体は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
て含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
また、液浸媒体の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジストへの浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジストの現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、レジストとの非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸媒体との間には屈折率の差がない方が解像力が向上する。露光光源が、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合においては、液浸媒体として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
ノルボルネンカルボン酸t−Buエステル、ノルボルネンカルボン酸、ノルボルネンカルボン酸2−ヒドロキシエチルエステル及び無水マレイン酸のモル比(30:10:10:50)の混合物をテトラヒドロフランに溶解し、固形分50質量%の溶液を調製した。これを3つ口フラスコに仕込み、窒素気流下60℃で加熱した。反応温度が安定したところで和光純薬社製ラジカル開始剤V−60を5mol%加え反応を開始させた。6時間加熱した後、反応混合物をテトラヒドロフランで2倍に希釈した後、反応液の5倍量のヘキサンに投入し白色粉体を析出させた。これを再度THFに溶解し、溶液5倍量のヘキサンに投入し白色粉体を析出させた。析出した粉体を濾過取り出し、乾燥、目的物であるの下記構造の酸分解性樹脂(21)を得た。得られた酸分解性樹脂(21)のGPCによる分子量分析(RI分析)を試みたところ、ポリスチレン換算で7900(重量平均)であった。分子量分散度は、1.91であった。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル)プロパン−2−イルメタクリレオート20g、2−メチル−アクリル酸2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチルエステル2.9gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70mLに溶解した。この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−601を3mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液10mLに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間攪拌し、反応液(D−1)を得た。反応終了後、反応液(D−1)を室温まで冷却し、4.5倍量のヘキサンに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物であるアルカリ可溶性樹脂(D−1)を回収した。
GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8700、分子量分散度は1.89であった。
<レジスト調製>
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度10質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果を表2に示した。
〔塩基性化合物〕
N−1;N,N−ジブチルアニリン
N−2;N,N−ジプロピルアニリン
N−3;N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
N−4:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
N−5;2,6−ジイソプロピルアニリン
N−6;ヒドロキシアンチピリン
〔界面活性剤〕
W−1;メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)W−2;メガW−2;ファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3;ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)W−4;トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
SL−1:シクロペンタノン
SL−2:シクロヘキサノン
SL−3:2−メチルシクロヘキサノン
SL−4;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SL−5:乳酸エチル
SL−6:プロピレングリコールモノメチルエーテル
SL−7:2−ヘプタノン
SL−8:γ−ブチロラクトン
SL−9:プロピレンカーボネート
尚、表2に於いて成分を複数使用した場合の比は、質量比である。
スピンコーターにてシリコンウエハ上にブリューワーサイエンス社製ARC29Aを78nm均一に塗布し、205℃で60秒間加熱乾燥を行い、反射防止膜を形成させた。その後、調製直後の各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布120℃の温度で90秒間乾燥(PB)を行い300nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 PAS5500/1100 NA=0.75(2/3輪帯照明))で露光し、露光後直ちに120℃で加熱を行った後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。レジストパターンにつき走査型電子顕微鏡(日立製S−9220)で線幅を観察し、90nmラインアンドスペースパターンがライン/スペース比1:1に仕上がる露光量(Eo)を確認した。
次に、上記と同様に、スピンコーターにてシリコンウエハ上にブリューワーサイエンス社製ARC29Aを78nm均一に塗布し、205℃で60秒間加熱乾燥を行い、反射防止膜を形成させた。その後、調製直後の各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布120℃の温度で90秒間乾燥(PB)を行い300nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 PAS5500/1100 NA=0.75(2/3輪帯照明))で露光量(Eo)のエネルギーで照射し、118℃、122℃の2つの温度にて60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。レジストパターンにつき走査型電子顕微鏡(日立製S−9220)で線幅を観察し、118℃と122℃の加熱温度に対する線幅(L1及びL2)を計測し、下記の式から、PEB温度依存性を算出した。
PEB温度依存性(nm/℃)=|L1−L2|/4
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト溶液を塗布し、115℃で、60秒間ベークを行い200nmのレジスト膜を形成した。こうして得られたウエハーを液浸液としては水を使用し、図1の装置で2光束干渉露光を行った。レーザーの波長は、193nmを用い、90nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズムを使用した。その後、120℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。得られたパターンに対し、エッジラフネスの測定を行った。エッジラフネスの測定は、測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、測定モニタ内で、ラインパターンエッジを複数の位置で検出し、その検出位置のバラツキの分散(3σ)をエッジラフネスの指標とした。エッジラフネスの数値が、5nm以下のものを○、5〜10nmのものを△、10nmを越えるものを×とした。
尚、図1に示す装置に於いて、1はレーザー、2は絞り、3はシャッター、4、5、6
は夫々反射ミラー、7は集光レンズ、8はプリズム、9は液浸媒体、10は反射防止膜、レジスト膜を設けたウエハー、11はウエハーステージを示す。
2 絞り
3 シャッター
4、5、6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 プリズム
9 液浸媒体
10 反射防止膜、レジスト膜を設けたウエハー
11 ウエハーステージ
Claims (4)
- (A)酸で分解し得る基を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(C)ガラス転移温度(Tg)が110℃以上であり、酸で分解し得る基を有さず、且つフッ素原子又はシリコン原子を有するアルカリ可溶性樹脂及び
(D)溶剤
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。 - 浸漬露光する工程を含むレジストパターン形成方法に用いられることを特徴とする、請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1に記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
- 液浸媒体を介してレジスト膜に露光することを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。
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