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JP2006345807A - 反応チップ - Google Patents

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JP2006345807A JP2005178295A JP2005178295A JP2006345807A JP 2006345807 A JP2006345807 A JP 2006345807A JP 2005178295 A JP2005178295 A JP 2005178295A JP 2005178295 A JP2005178295 A JP 2005178295A JP 2006345807 A JP2006345807 A JP 2006345807A
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Hiroyuki Kuroki
広幸 黒木
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】 ウェル状反応検出部内で様々な反応を行うための反応チップにおいて、ウェル状反応検出部内での反応液のズレがなく、試薬との安定した反応を行うことができる反応チップを提供すること。
【解決手段】 基板2に、ウェル状反応検出部3を有する反応チップ1において、ウェル状反応検出部3は、平面形状を成す底部と、この底部から開口部4へと向かう側部7とで構成され、底部には、その底面の中央部に表面粗さが周囲よりも高い保持部が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、様々な反応を行うための反応チップに関するものである。
近年、化学反応やDNA反応、たんぱく質反応など、様々な反応がチップ上にて行われており、このようなチップ上には、通常、ウェルと呼ばれる微小な穴やくぼみが複数形成されて反応場として用いられ、検出が行われていた。
例えば、表面に複数の凹部を有する検出用器具の凹部の内壁に、検出対象物を、好適には、特定の保持物質と共存させて付着させ、この検出対象物に対する反応物質を含有する反応溶液を、前記の検出対象物を付着させた検出用器具の凹部の内壁に接触させ、この接触により発生するシグナルを検出して、検出対象物の評価を行うための検出用器具が開示されている。(特許文献1参照)。
特開2005−17073号公報
従来のような技術では、凹部つまりウェル内に注入された反応液の位置が安定せず、基板の傾きやその他の要因で反応液が移動してしまい、予めウェル内に保持されている試薬との安定した反応を行うことができないという問題がある。また、ウェルの内面の親水性が高すぎると反応液がウェルの底面から側面へと広がってしまい、逆に撥水性が高すぎると反応液が球体状になるので反応液が移動しやすくなってしまう。さらに、このような反応チップでは、反応の有無を蛍光などの発光検出などにより検出を行うことが多く、チップの裏面からの発光検出する際、上記したように、反応液が底面上で球体状になったり、底面から側面に広がった状態の場合、照射する際の焦点を反応液に合わせづらく、また、検出範囲が低下するなどして精度の高い検出が困難である等の問題があった。これらは、注入される反応液の粘性にもよるが、特に粘性の低い反応液を用いる場合に適正な保持状態を得ることのできる反応チップが求められている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ウェル状反応検出部内で様々な反応を行うための反応チップにおいて、ウェル状反応検出部内での反応液のズレがなく、試薬との安定した反応を行うことができる反応チップを提供することを目的とする。
そこで、本発明において上記目的を達成するために、まず請求項1に係る発明は、基板に、ウェル状反応検出部を有する反応チップにおいて、ウェル状反応検出部は、平面形状を成す底部と、この底部から開口部へと向かう側部とで構成され、底部には、その底面の中央部に表面粗さが周囲よりも高い保持部が設けられていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に係る発明において、保持部の表面粗さが0.1〜100μmの範囲内であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に係る発明において、ウェル状反応検出部の開口部の直径が5mm以下、深さが5mm以下であるあることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、基板が、樹脂であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、基板上にPCR反応部を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明において、基板上に試薬を収容する試薬収容部を有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ウェル状反応検出部の底部には、その底面の中央部に表面粗さが周よりも高く試料や試薬或いは反応液等を良好に保持できる保持部が設けられているので、反応チップの傾きや、その他の要因でこれら反応液等が移動してしまうことなく、反応液等を底面の中央部に保持させることができる。これにより、ウェル状反応検出部内での反応液等の位置が安定するので、検出のための試料や試薬との安定した反応を行うことができる。また、反応液等を発光検出する際にも光の焦点を反応液等に合わせやすく、簡便かつ高感度な検出が可能になる。
請求項2記載の発明によれば、保持部の表面粗さを0.1〜100μmの範囲内に設定しておくことにより反応液等を保持部に確実に保持することができ、例えば、粘性の低い反応液等であっても底面に広がることなく、底面から所定の高さを有して保持されるようになる。そのため、反応液を発光検出する際にも光の焦点を反応液に合わせやすい。さらに、反応液の高さが検出器の焦点範囲に一致する、または包含される高さになることによって検出範囲が低下してしまうことがなくなり、発光分析を感度よく行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、ウェル状反応検出部の開口部の直径が5mm以下で深さが5mm以下の範囲内であるので、検出に必要な試料、試薬及び反応液等が少量で済むことになり、コストの削減が図れるとともに貴重な試料、試薬及び反応液等を無駄なく使用することができる。
請求項4記載の発明によれば、基板が樹脂でできているため、耐熱性、耐薬品性、成形加工性などに優れているだけでなく、特性の異なる樹脂を組み合わせて基板を作成することができる。
請求項5記載の発明によれば、基板上にPCR反応部が設けられているので、PCRによるDNA等の検体物質の調整を行うことができる。このようにして予めPCR反応液を得ることができるので、後は各ウェル状反応検出部へと充填させるだけで良く、各検出を迅速に行うことができる。またその際、各ウェル状反応検出部へ充填するPCR反応液の量を適宜調節する事が可能となる。
請求項6記載の発明によれば、基板上に試薬を収容する試薬収容部が設けられているので、予め試薬を基板上に用意しておくことができ、検出までの作業を一連化することができる。よって、作業効率がよい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明における第1実施形態を示す図であって、本発明を適用した反応チップ1を示す。本発明を適用した反応チップ1は、略長方形状の基板2に、試料及び試薬を反応させるためのウェル状反応検出部3が複数形成されている。
この基板2は、プラスチック等を用いて作成され、全体的に略長方形状を呈しており、その縦横寸法はウェル状反応検出部3を所定個数配置可能なものとし、さらに使用中に容易に折れ曲がることのない厚みをもたせて形成される。ここで、基板2を形成するためのプラスチックとしては、例えば、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、シクロオレフィン系ポリマー、フッ素ポリマー、シリコン樹脂などを用いることができる。このような合成樹脂を用いて基板2を作成すれば、耐熱性、耐薬品性、成形加工性などに優れているため好ましい。さらに、2種類以上の樹脂を接合して用いてもよい。この場合、それぞれの樹脂の特徴を活かして基板2を作成することにより、試薬及び試料等の特性に応じた多様な基板2とすることが可能となり、用途ごとに使い分けることができる。例えば、基板2の上半分と下半分とで材料を分けたりすることも可能となる。なお、基板2の素材としてガラスを用いてもよい。
ここで、基板2がPP(ポリプロピレン)などの軟質な材料で構成されている場合には、図1及び図2に示すように、基板2の平坦な上面2aからその厚さ方向に沿ってウェル状反応検出部3を所定の数有する形状に、射出成形法或いはシート成形法を用いて形成する。このようにして形成されるウェル状反応検出部3は、上面2aに開口する開口部4から下方にいくにつれ、その側面8が曲面を描くように形成されている。開口部4は、その直径が5mm以下に設定されており、特に0.01mm〜5mmの範囲内が好ましい。また、深さは5mm以下、特に0.01mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。このようなウェル状反応検出部3の底部9の底面9Aは平面形状に形成され、基板2の上面2aに対して平行になっており、反応チップ1の使用時に底面9Aが水平を成すように形成される。このウェル状反応検出部3の側部7の側面8は、上述したように、曲面状に形成されていることが好ましく、底部9に向かって縮小する形状を成している。
一方、基板2がPC(ポリカーボネート)などのような硬質の樹脂で構成されている場合には、樹脂切削法を用いることが好ましい。その場合、図1及び図3に示すように、基板2の平坦な上面2aからその厚さ方向に沿って、ウェル状反応検出部3’を、樹脂切削によって所定の数形成する。このウェル状反応検出部3’は、上面2aに開口する開口部4から下方にいくにつれて径が徐々に小さくなるように形成されている。ウェル状反応検出部3’の底部9の底面9Aは平面形状に形成され、基板2の上面2aに対して平行となるよう形成されている。このウェル状反応検出部3の側部10の側面11は、底面9Aに対して、例えば、100度〜140度の範囲内の角度で傾斜していることが好ましく、開口部4に向かって拡大する形状を成すよう形成する。この開口部4は、開口部4は、その直径が5mm以下に設定されており、特に0.01mm〜5mmの範囲内が好ましい。また、深さは5mm以下、特に0.01mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。
このようなウェル状反応検出部3,3’の底部9には、その底面9Aの中央部に保持部5が形成されている。この保持部5は、例えば直径1mmの底面9Aに対して、直径0.1mm〜1mm程度の大きさの円形状となっており、表面粗さが周囲よりも高くなるよう設定されている。詳しくは、保持部5は、その表面粗さRaが0.1〜100μmの範囲内となるように形成されている。その周囲で平滑を成す円環状の平滑部6は、表面粗さRaが0.1μm未満に設定されている。つまり、平滑な底面9Aに凹凸等を付けることによって部分的に表面粗さを高くする。
例えば図4に示すように、保持部5の表面形状として、多数の微小突起17を連設して形成しても良い。この場合、微小突起17を均等な密度で形成する。また、微小突起17は、その先端が細くなっている。その他に、図5に示すような多数の突条18であっても良い。この場合、突条18を均等な間隔で平行に形成する。図6に示すような、2方向或いはそれ以上の多数の突条18が交差する形状であっても良い。この場合、例えば突条18を一方向に均等な間隔で平行に配設するとともに、これらに対して直交する方向にも突条18を均等な間隔で配設する。なお、上記した突条18にかえて、溝を形成しても良い。また、図7に示すような多数の凹状の窪み19にすることも可能である。この場合、窪み19を均等な密度で形成する。
このような様々な表面形状は、上記ウェル状反応検出部3を射出成形法やシート成形法にて形成する場合、金型の形状により上述した表面形状を形成する。例えば、微小突起を複数形成するには、金型の当該箇所をブラスト加工することによって得ることができる。また、金型表面をレーザー加工或いは放電加工法で加工してもよい。
さらに、ウェル状反応検出部3,3’を樹脂切削法によって形成した場合には、底面9Aの中央部をレーザーエングレービング等のレーザー加工或いは放電加工法、その他切削加工法を施すことによって保持部5の表面形状を形成する。また、保持部5を射出成形やシート成形で同時に形成せずに別途形成する場合には、上記レーザーエングレービング等のレーザー加工あるいは放電加工法、その他切削加工法を施すことによって形成することができる。レーザーは例えば炭酸ガスやYAGレーザーなどが好ましい。
このように構成される反応チップ1は、様々な試薬及び試料の反応及び検出を行うことが可能である。
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
第2実施形態の反応チップ12は、例えば、PCR反応によるDNA等の検出に用いられるものである。
この反応チップ12は、図8に示すように、略長方形の板状の基板13に、試薬を収容する試薬収容部14と、試薬及び血液等から抽出したDNA等の検体物質のPCR反応を行うPCR反応部15と、検体検出を行う上記したウェル状反応検出部3とを有して構成され、これら試薬収容部14、PCR反応部15及びウェル状反応検出部3は、各々所定の数で形成されている。この基板13は、上記したような合成樹脂を用いて構成され、試薬収容部14、PCR反応部15及びウェル状反応検出部3は、射出成形法、シート成形法及び切削加工法のいずれかの手法によって形成される。
図8に示すように、基板の長手方向一側には、基板13上で最も大径を成す試薬収容部14が複数形成されており、これらは直径0.1〜10mm、深さ0.1〜10mmの範囲内で形成するのが好ましい。この試薬収容部14は、後述するPCR反応に用いる検体試薬やその他の試薬、その後の検出反応に用いる試薬、バッファー、希釈液などを収容しておくことができるところである。この試薬収容部14は、PCR反応に用いる試薬の数に応じて形成されている。
そして、基板2の長手方向中央部には、PCR反応を行うためのPCR反応部15が設けられており、このPCR反応部15は、直径0.1〜10mm、深さ0.1〜10mmの範囲内が好ましい。
一方、基板13の長手方向他側には、基板13上で最も小径を成すウェル状反応検出部3が複数形成されている。このウェル状反応検出部3の大きさも試薬の量に応じて決められるが、一般的にDNAの分析に用いる試薬の量は微量であるため、開孔径5mm以下、特に0.01mm〜5mm、深さ5mm以下、特に0.01mm〜5mm範囲内であることが好ましい。ウェル状反応検出部3は、PCR反応部15で調整した検体をプローブ核酸やその他の試薬と反応させることにより、DNAの配列を分析するところである。ウェル状反応検出部3の数は、分析するDNAの数に応じて設定される。1つの反応チップ12上でできるだけ多くの検出を行うことを可能にするため、多数のウェル状反応検出部3が形成される。
これら試薬収容部14、PCR反応部15及びウェル状反応検出部3の穴深さは、適宜設定されるが、各々が収容する溶液を十分に収容可能な大きさとなっていればその穴深さや形状は問わない。すなわち、円錐台形、角錐台形、円錐、角錐や先端部が半球状であるものなど、加工成形性、溶液の注入性などにより様々な形状を取ることができる。
なお、このような基板13上に、各試薬収容部14、PCR反応部15及びウェル状反応検出部3を接続すべく、基板13の上面13aに開口する流路を形成してもよい。つまり、試薬収容部14とPCR反応部15、PCR反応部15とウェル状反応検出部3とを連結することによって、試薬収容部14に収容されている試薬をPCR反応部15へと送液でき、次いでPCR反応部15内でPCR反応によって得られるPCR反応液を、試薬を保持したウェル状反応検出部3へと送液させることができる。これにより、シリンジやピペット等の充填用具を用いることなく速やかに送液させることができ、連続した反応を行わせることが可能となる。したがって、作業を一連化させることができ、さらに、検査時間の短縮を図ることができるとともに、微量な試薬及び試料で各種の分析を行うことができ、コストの削減を実現することができる。このような流路は、射出成形法或いは切削加工法により形成される。
また、基板2,13上に、その上面2a,13aを被覆する被覆フィルムを設け、PCR反応部15、試薬収容部14、ウェル状反応検出部3をそれぞれ被覆しても良い。こうすることで、各試薬収容部14、PCR反応部15、ウェル状反応検出部3内に収容される溶液の蒸発を防ぐことができ、また埃など外部からの汚染を防ぐことができる。
被覆フィルムとしては、フィルム材単体で構成しても良いし、フィルム材をベースにして塗工またはラミネーションでシール材を一体化することで実現してもよい。ベースとなるフィルム材は、樹脂とアルミ箔との多層構成としたものや、アルミ単層、樹脂単層のものなど用いることができる。多層構成とする樹脂は、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、TPXフィルム(三井化学株式会社製)などのメチルペンテン系フィルム、ゼオノア(日本ゼオン株式会社製)などのシクロオレフィン系フィルム、シリコン樹脂フィルム、フッ素系ポリマーフィルムなどが挙げられる。多層構成用の樹脂は、1〜20μm程度の厚みにすることで、強靭性、柔軟性を持たせることができる。また、アルミ単層の場合、軟質アルミで厚み5μm〜80μm、硬質アルミで厚み5μm〜50μm程度のものを用いる。樹脂単層の場合、厚み10μm〜100μm程度のものを用いる。シール材は、ポリアミド系合成繊維等の樹脂フィルム状(シーラント)のもの、またはマレイン酸変性PP等を用いる。樹脂フィルム状のものはラミネーションで一体化し、マレイン酸変性PP等は塗工することで、基板13へ貼り合わせ可能な被覆フィルムとする。
被覆フィルムの貼着方法としては、フィルム材とシール材とが一体化されてなる被覆フィルムの場合には、基板2,13上に載置させてその上からヒートシールすることにより、基板2の上面2aまたは基板13の上面13aへとそれぞれ貼着させることができる。そのとき、基板2の場合には、ウェル状反応検出部3の外枠のみに熱をかけてもよいし、基板13の場合には、各試薬収容部14、PCR反応部15及びウェル状反応検出部3及び流路の外枠のみに熱をかけてもよい。あるいは、基板2の上面2aや基板13の上面13a全体に熱をかけてもよい。
シート材単体からなる被覆フィルムの接着方法としては、被覆フィルムの裏面に接着剤を塗布して基板2,13に接着させてもよいし、基板2,13上に接着剤を塗布して被覆フィルムを接着させてもよい。接着剤としては、反応系に悪影響を与えないものであれば良く、ポリ酢酸ビニル系、ポリアミド系などの熱可塑性樹脂接着剤を用いることができる。なお、ポリエチレン(PE)フィルムなどのフィルムはヒートシール性であるため、接着剤を用いずに基板13と貼り合わせることができる。
さらに、別の方法としては、予め、温めておいた基板13の上面13aに被覆フィルムを載置させ、その上から圧力をかけることで接着してもよい。
上述した反応チップ1,12は、様々な生化学系の反応に用いることが可能であるが、ここでは特にPCR反応(増幅工程)によるDNA配列の検出や抗原抗体反応に用いる場合について述べる。
まず、抗原抗体反応による抗原検出の場合、予め各ウェル状反応検出部3内に抗原を含む試料を入れておき、後から抗体を含む試薬を添加し、抗原または抗体に標識物質を付けておくことで、反応の有無を検出できる。標識物質としては、蛍光などの発光物質が一般的に用いられる。
DNAの検出の場合、例えば、予めウェル状反応検出部3内にプローブ核酸を用意しておく。次に検体DNAをウェル状反応検出部3に供給し、プローブ核酸と検体DNAとのハイブリダイゼーション反応により、DNAの検出を行うことができる。その際、検体DNAに標識物質を付けておけば、その標識物質の有無を検出することにより検出が可能となる。また、検体DNAとして、血液等から抽出したDNAをPCR法、LAMP法などにより調整しておいたものを用いることができる。また、配列の異なるプローブ核酸を複数用意することで検体DNAがどのような配列であるかを検出することができる。
また、一塩基遺伝子多型(SNP)の解析にも用いることができる。なお、その場合、プローブ核酸やその他検出に用いる試薬は複数あってもよく、それらの試薬のひとつが標識されていればよい。
また、標識物質は、結合したプローブ核酸と検体DNAに特異的に作用するものを、反応後に加えることもできる。このようなものとしては、インターカレーターなどがある。また、ここでいう標識物質とは間接的なものも含む。すなわち、蛍光物質などに結合する物質を標識物質としてプローブ核酸または検体DNAに結合させておき、後から蛍光物質を加えても良い。
また、多段階反応を行ってSNPまたはDNAを検出してもよい。
例えば、インベーダー・アッセイ法(サードウェイブテクノロジーズ,Inc(米国ウィスコンシン州マディソン市)を用いても良い。これによりSNP解析の具現化を図ることが可能となる。
この場合、検体DNAの検出に用いるプローブ核酸などの試薬が複数種でもよく、予めウェル状反応検出部3内に、プローブ核酸など少なくとも1種の試薬を入れておき、その後、検体DNAと他の試薬を同時または順次注入し、反応をおこなっても良い。
また、ウェル状反応検出部3、PCR反応部15には、試薬等の乾燥を防ぐ目的でミネラルオイルなどの試薬等より比重の軽い溶液を加えても良い。
また、検体DNA又は抗原などはウェル状反応検出部3内に固定してもよいし、固定させずに保持させておくだけでもよい。
つまり、図4〜図7に示すように、上述したような表面形状を成す保持部5と、その周囲で平滑を成す平滑部6とでは濡れ性の差が生じている。すなわち、PCR反応液をウェル状反応検出部3内に充填させた場合、平滑部6上では濡れ性が低く、撥水性が高すぎるためPCR反応液が球体状になってしまう。そのため反応チップ1,12の傾きやその他の要因によってPCR反応液が移動しやすく、PCR反応液の位置を安定させることができない。しかし、底面9Aの表面を荒らして形成した保持部5を設けることによって濡れ性が向上するので、底面9Aとの接触角が大きくなりPCR反応液は移動しにくくなる。濡れ性が向上すればよいというものではなく、保持部5の表面の親水性が高すぎるとPCR反応液が保持部5に保持されなくなってしまう。そのため、上記したように、表面粗さを0.1〜100μmの範囲内に設定することが重要となる。このようにして、PCR反応液を保持部5上に確実に保持させることができる。
なお、より好ましくは、表面粗さは10〜100μmの範囲内にすることが好ましい。より反応液の保持性がよくなるからである。
また、底面9Aに対するPCR反応液の高さが検出器の焦点範囲をカバーすることになるため照射における焦点合わせを行い易くなり、高精度の検出が可能となる。さらに、底面9Aの全体ではなく、その中央部に保持部5を設けたのは、PCR反応液がウェル状反応検出部3の中央に位置していた方が検出器による検出を行いやすいからである。
そして、保持部5の周囲に平滑部6があることによって、側面11をつたって充填されたPCR反応液が平滑部6上を滑り、保持部5上へと案内されることになる。
これらは、注入されるPCR反応液の粘性にもよるが、上述してきた底面9Aの構成により、特に粘性の低いPCR反応液を用いる場合にも適正な保持状態を得ることができる。このようにして、底部9の底面9Aの中央部にPCR反応液を保持することが可能となる。さらに、基板13上に、試薬収容部14,PCR反応部15及びウェル状反応検出部3を設けたことにより、PCRによる検体の調整からDNAの分析まで同一チップ状で連続して行うことができる。
基板13をPC(ポリカーボネート)を用いて形成し、ウェル状反応検出部3を射出成形によって形成した。このウェル状反応検出部3は、直径3mmの開口部4と、直径1mmの底部9とを有し、全体的に円錐形状を成している。底部9には、その中央部の直径0.5mmの範囲内に、高さ50μm程度、幅50μm程度のスジを連続形成して畝状の保持部5を形成した。この保持部5の表面粗さRaは、10〜20μmとなっている。
以上に述べた本実施形態によれば、ウェル状反応検出部3,3’の底部9には、その底面9Aの中央部に反応液等を保持する保持部5が設けられているので、反応チップ1,12の傾きや、その他の要因で反応液等が移動してしまうことなく、反応液等を底面9Aの中央部に保持させることができる。これにより、ウェル状反応検出部3内での反応液等の位置が安定するので、試料又は試薬との安定した反応を行うことができる。また、反応液等を発光検出する際にも光の焦点を反応液に合わせやすく、簡便かつ高感度な検出が可能になる。
そして、保持部5の表面粗さを0.1〜100μmの範囲内に設定しておくことにより反応液等を保持部5に確実に保持することができ、例えば、粘性の低い反応液であっても底面9Aに広がることなく、底面9Aから所定の高さを有して保持されるようになる。そのため、反応液等の高さが検出器の焦点範囲に一致する、または包含される高さになることによって検出範囲が低下してしまうことがなくなり、発光分析を感度よく行うことができる。
ウェル状反応検出部3は、その開口部4の直径が5mm以下で深さが5mm以下の範囲内であるので、検出に必要な試薬、試料及び反応液等が少量で済むのでコストの削減が図れるとともに貴重な試薬、試料及び反応液等を無駄なく使用することができる。
また、基板13が樹脂でできているため、耐熱性、耐薬品性、成形加工性などに優れているだけでなく、特性の異なる樹脂を組み合わせて基板13を作成することができる。
このような基板13上にPCR反応部15が設けられているので、PCRによるDNA等の検体物質の調整を行うことができる。このようにして予めPCR反応液を得ることができるので、後は各ウェル状反応検出部3へと充填させるだけで良く、各検出を迅速に行うことができる。またその際、各ウェル状反応検出部3へ充填するPCR反応液の量を適宜調節する事が可能となる。
また、PCR反応部15を流路形状にし、流路内で反応させ、流路内又は流路に接続されているウェル状反応検出部3で検出してもかまわない。
さらに、基板13上には試薬を収容する試薬収容部14が設けられているので、予め試薬を基板13上に用意しておくことができ、検出までの作業を一連化することができる。よって、作業効率を向上させることができる。
したがって、このような反応チップ1,12は、保持部5によってウェル状反応検出部3,3’内での反応液等のズレがなく、試薬及び試料との安定した反応を行うことができる。また、ウェル状反応検出部3,3’内において、上述した反応以外の様々な反応を行うことが可能である。
なお、ウェル状反応検出部3,3’の保持部5は、上述した以外の様々な試薬及び試料等を保持可能なものである。
本発明における第1実施形態の反応チップを示す斜視図である。 本発明における第1実施形態の反応チップのウェル状反応検出部を示す斜視図である。 本発明における第1実施形態の反応チップのウェル状反応検出部の他の形状を示す斜視図である。 本発明における第1実施形態の保持部の表面形状を示す斜視図である。 本発明における第1実施形態の保持部の表面形状の他の形態を示す斜視図である。 本発明における第1実施形態の保持部の表面形状の他の形態を示す斜視図である。 本発明における第1実施形態の保持部の表面形状の他の形態を示す斜視図である。 本発明における第2実施形態の反応チップを示す斜視図である。
符号の説明
1,12 反応チップ
2,13 基板
3,3’ ウェル状反応検出部
4 開口部
5 保持部
7,10 側部
9 底部
9A 底面
14 試薬収容部
15 PCR反応部

Claims (6)

  1. 基板に、ウェル状反応検出部を有する反応チップにおいて、
    前記ウェル状反応検出部は、平面形状を成す底部と、該底部から開口部へと向かう側部とで構成され、
    前記底部には、その底面の中央部に表面粗さが周囲よりも高い保持部が設けられていることを特徴とする反応チップ。
  2. 前記保持部の表面粗さが0.1〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の反応チップ。
  3. 前記ウェル状反応検出部の前記開口部の直径が5mm以下、深さが5mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反応チップ。
  4. 前記基板が、樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の反応チップ。
  5. 前記基板上にPCR反応部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の反応チップ。
  6. 前記基板上に試薬を収容する試薬収容部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の反応チップ。
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