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JP2006225630A - エポキシ樹脂組成物、その潜伏化手法および半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その潜伏化手法および半導体装置 Download PDF

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JP2006225630A
JP2006225630A JP2005237793A JP2005237793A JP2006225630A JP 2006225630 A JP2006225630 A JP 2006225630A JP 2005237793 A JP2005237793 A JP 2005237793A JP 2005237793 A JP2005237793 A JP 2005237793A JP 2006225630 A JP2006225630 A JP 2006225630A
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epoxy resin
resin composition
curing
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JP2005237793A
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Masahito Akiyama
仁人 秋山
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】 硬化性、流動性および保存性が良好なエポキシ樹脂組成物、その潜伏化手法ならびに半導体装置を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂とフェノール性水酸基を2個以上有する化合物とカチオン部位を有する硬化促進剤とを含むエポキシ樹脂組成物において、(A)成分〜(C)成分の1種又は2種以上のエポキシ樹脂の硬化遅延成分を含むエポキシ樹脂組成物。
(A)一般式(1)で表されるアニオン成分。
【化1】
Figure 2006225630

[式中X1及びX2は有機基、Z1は芳香環又は複素環を有する有機基或いは脂肪族基]
(B)一般式(1)で表されるアニオン成分及び一般式(2)で表される化合物。
【化2】
Figure 2006225630

[式中X3は有機基。]
(C)一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表されるシラン化合物。
【化3】
Figure 2006225630

[式中R1〜R3は脂肪族基、Z2は芳香環又は複素環を有する有機基或いは脂肪族基。]

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、その潜伏化手法および半導体装置に関するものである。
IC、LSI等の半導体素子を封止して半導体装置を得る方法としては、エポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が、低コストで、大量生産に適しているという点で広く用いられている。また、エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂や、硬化剤であるフェノール樹脂などによる改良により、半導体装置としての特性や、信頼性の向上が図られている。
しかしながら、昨今の小型化、軽量化および高性能化されている電子機器の市場動向においては、半導体の高集積化も年々進んでおり、半導体装置の表面実装化も促進されている。これに伴い、半導体素子の封止に用いられるエポキシ樹脂組成物への要求特性は、益々厳しいものとなってきている。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では、解決できない(対応できない)問題も生じている。
近年、半導体素子の封止に用いられる材料には、これを用いた成形における生産効率の向上を目的とした速硬化性の向上と、半導体を封止した際の、半導体装置の耐熱性や信頼性の向上のため、樹脂による改良だけでなく、無機質の充填材を高充填しても損なわれることのない高流動性が求められるようになってきている。
電気・電子材料分野向けのエポキシ樹脂組成物には、硬化時における樹脂の硬化反応を促進する目的で、速硬化性に優れる第三ホスフィンとキノン類との付加反応物が、硬化促進剤として添加される(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、かかる硬化促進剤は、硬化促進効果を示す温度領域が比較的低温にまで及ぶため、硬化反応の初期において、エポキシ樹脂の硬化反応がわずかずつであるが促進してしまい、この反応が原因となって、樹脂組成物が高分子量化する。かかる高分子量化は、樹脂粘度の向上を引き起こし、結果として、信頼性向上のために充填材を高充填した樹脂組成物においては、流動性の不足により成形不良などの問題を引き起こす。
また、流動性を向上させるべく、硬化性を抑制する成分を用いて、反応性の基質を保護する試みも、さまざまなものが取り組まれてきた。このような手段は潜伏化と呼ばれており、例えば、ホスホニウムイオンを強いアニオン性の化合物との塩とし、硬化促進剤の活性点をイオン対により保護することで、潜伏化された硬化促進剤が知られている(例えば、特許文献2〜3参照。)。しかし、このような塩類では、硬化反応の初期から終期まで、常に抑制成分が存在するために、硬化性と流動性は同時に向上することは難しく、満足のいくものではなかった。
特開平10−25335号公報(第2頁) 特開2001−98053号公報(第5頁) 米国特許第4171420号明細書(第2−4頁)
本発明の目的は、硬化性、流動性および保存性が良好なエポキシ樹脂組成物、その潜伏化手法ならびに半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、前述したような問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤のカチオン部を、特定のキレート構造を有するアニオンで保護することにより、硬化反応の進行に従ってアニオンのキレート構造が分解し、良好な硬化性と潜伏化を両立することが可能であることを見出した。
加えて、本発明者らは、前述のキレート構造を有するアニオンに加え、キレート構造が分解した場合に、再度キレートが形成しうるような化合物を用いることにより、潜伏性の度合いを調整可能であることを見出した。
さらに、本発明者らは、前述のキレート構造を有するアニオンは、キレート構造を形成しうる原料化合物の組み合わせで添加した場合も、エポキシ樹脂の硬化反応の進行に従って、反応系内でキレート構造を有するアニオンを形成可能であり、潜伏性を発揮できることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記手法により得られたエポキシ樹脂組成物が、無機充填材を高充填した場合でも、高い流動性と良好な硬化性を発揮できるものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) エポキシ樹脂と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物と、分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤と、を含むエポキシ樹脂組成物において、下記(A)成分〜(C)成分のいずれか1種または2種以上の、エポキシ樹脂の硬化遅延成分を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(A) 下記一般式(1)で表されるアニオン成分。
Figure 2006225630
[式中、X1およびX2は、有機基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Z1は置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を表す。]
(B) 上記一般式(1)で表されるアニオン成分および下記一般式(2)で表される化合物。
Figure 2006225630
[式中、X3は有機基を表す。]
(C) 上記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表されるシラン化合物。
Figure 2006225630
[式中、R1、R2、およびR3は、炭素数1〜3の脂肪族基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Z2は置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を表す。]
(2) 前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤と前記エポキシ樹脂の硬化遅延成分とは、予め混合されたものである、第(1)項に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3) 前記エポキシ樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである、第(1)項または第(2)項に記載のエポキシ樹脂組成物。
(4) 第(1)項〜第(3)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止してなる半導体装置。
(5) 第(1)項〜第(3)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物において、前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤に対して、前記硬化遅延成分の量を調整することにより、エポキシ樹脂組成物の硬化を遅延させることによる、エポキシ樹脂組成物の潜伏化手法。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた硬化性、流動性および保存性を両立したものであり、無機充填材を用いた場合でも良好な流動性を発揮することができる。
また、本発明の潜伏化手法は、エポキシ樹脂の硬化性を損なうことなく反応性を潜伏化することができる。
また、本発明の半導体装置は、耐半田クラック性および耐湿信頼性などの特性において信頼性に優れたものを得ることができる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物および潜伏化手法の好適実施形態について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物と、分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤と、を含むエポキシ樹脂組成物において、さらに前記エポキシ樹脂の硬化遅延成分を1種または2種以上用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化に潜伏性を付与することができ、これにより、エポキシ樹脂組成物は、硬化性を損なうことなく、優れた流動性や保存性を発現することができるものである。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物における潜伏化手法としては、前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤に対して、前記硬化遅延成分の量を調整することにより、エポキシ樹脂組成物の硬化を遅延させることによるものであり、これにより、硬化遅延の度合い、即ち硬化促進剤の潜伏性を調節できるものである。
本発明に用いるエポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば、何ら制限はない。
前記エポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂および臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;、多官能のフェノール化合物の水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ化合物、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するものであれば制限がなく、前記エポキシ樹脂の硬化剤として機能するものであればよい。
前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリスフェノール樹脂、キシリレン変性ノボラック樹脂、テルペン変性ノボラック樹脂およびジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤としては、分子内にエポキシ樹脂の硬化反応を促進する機能を有するカチオンを有するものであり、そのカチオンの形態や種類には何ら制限はなく、具体的には、ハロゲン塩および有機塩基塩などの分子外塩、ベタインなどの分子内塩、分子化合物などの錯塩などの、形態・種類から選択できる。
前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤としては、具体的には、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムヨーダイド、トリメチルアンモニウムブロマイドおよびジフェニルスルホニウムブロマイドなどのオニウムハロゲン塩類;、2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラートおよびトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート、3−(トリフェニルホスホニオ)フェノラートなどのホスホニウムベタイン類;、1−カルボキシル−N,N,N−トリメチルメタナミニウム分子内塩などのアンモニウムベタイン類;テトラフェニルホスホニウムとビスフェノールAなどのビスフェノール類とからなる分子化合物およびテトラブチルホスホニウムと2,3−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナフタレン類とからなる分子化合物などの分子化合物類;、トリフェニルホスフィンとフェノール化合物とから形成される4級ホスホニウム塩類などが挙げられる。
これらの内、特に、テトラフェニルホスホニウムとビスフェノール類との分子化合物およびテトラフェニルホスホニウムとジヒドロキシナフタレン類との分子化合物などの分子化合物類、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物および2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラートなどのホスホニウムベタイン類を使用した場合、エポキシ樹脂組成物は、極めて良好な硬化性と潜伏性を両立できるため、好ましい。
本発明に用いるエポキシ樹脂の硬化遅延成分としては、下記(A)〜(B)の成分が挙げられ、これらの3成分のうちの、いずれか1種または2種以上を用いることができる。
(A) 前記一般式(1)で表されるアニオン成分。
(B) 前記一般式(1)で表されるアニオン成分および前記一般式(2)で表される化合物。
(C) 前記一般式(2)で表される化合物および前記一般式(3)で表されるシラン化合物。
前記(A)成分は、アニオン性のキレート構造を有するものであり、前記式(1)におけるX1およびX2として、有機基を有するものであり、これらは互いに同一でも異なっていてもよい。また、Z1として、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を有するものである。
前記X1およびX2としての有機基としては、具体的には、エチレン基およびメチルエチレン基などの置換もしくは無置換の脂肪族基、フェニレン基およびナフタレン基などの置換もしくは無置換の芳香族基などが挙げられ、これらの中でも、特に、1,2−フェニレン基および2,3−ナフタレン基などの芳香族基が、(A)成分のキレート構造の安定性が高くなり、潜伏性に優れることとなるため、特に好ましい。また、X1とX2は、お互いに同一である場合、キレート構造の安定性がより向上するため好ましい。なお、前記脂肪族基および芳香族基における置換基としては、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基、メトキシ基、エトキシ基および水酸基などが挙げられる。
また、Z1としての置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基としては、具体的には、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基およびナフタレン基などの置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基、ピリジニル基などの置換もしくは無置換の複素環を有する有機基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基およびヘキシル基などの置換もしくは無置換の脂肪族基、などが挙げられるが、これらの中でも、フェニル基およびヘキシル基などの炭素数4〜8の置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基または置換もしくは無置換の脂肪族基が、キレート構造の安定性が高いため好ましい。なお、前記芳香環を有する有機基、複素環を有する有機基および脂肪族基における置換基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、水酸基、アミノ基、チオール基およびグリシジルエーテル基などが挙げられる。
本発明において、上記(A)成分は、前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤のエポキシ樹脂に対する硬化促進作用を抑制するための硬化阻害成分として働くが、前記一般式(1)で表されるアニオン成分におけるキレート環を構成する成分が、エポキシ樹脂と反応性を有するがために、硬化反応の進行に従い、キレート環が崩壊し、硬化阻害作用を徐々に失っていく。そのため、硬化反応を、反応の初期から終期まで、一貫して阻害し続け、十分な硬化性が得られないような従来の硬化阻害成分に比べ、硬化反応の終盤で阻害作用が弱くなることから、硬化の初期における反応を潜伏化するだけにとどまり、硬化物は十分な硬化度を迅速に得ることができる。
前記(B)成分は、前記一般式(1)で表されるアニオン成分および前記一般式(2)で表される化合物の混合物であり、前記一般式(2)で表される化合物は、珪素原子とキレートの環を形成し得る化合物である。前記一般式(2)で表される化合物は、一般式(2)におけるX3として有機基を有するものであり、前記一般式(1)におけるX1およびX2と同様の有機基を用いることができる。
本発明において、(B)成分は、前記一般式(1)で表されるアニオン成分が、前述の硬化反応の進行に従い、硬化阻害作用を失っていくプロセスにおいて、崩壊したキレート環を、前記一般式(2)で表される化合物により、再生する機能を有するものである。すなわち、上記(A)成分の一般式(1)で表されるアニオン成分のみで、エポキシ樹脂の硬化を抑制した場合に比べ、珪素原子とキレート環を形成しうる化合物を余分に添加した分だけ、前記一般式(1)で表されるアニオン成分による硬化促進剤の潜伏化効果が長時間にわたり発揮される。
前記一般式(2)で表される化合物としては、1,2−ジヒドロキシベンゼン(o−カテコール)、4−メチル−o−カテコール、4−エチル−o−カテコール、4−ブロモ−o−カテコール、5−クロロ−o−カテコール、4−ニトロ−o−カテコール、4−ターシャリーブチル−o−カテコール、4−アミノメチル−o−カテコールおよび4−ヒドロキシメチル−o−カテコールなどのカテコール類、2,3−ジヒドロキシナフタレン、7−メチル−2,3−ジヒドロキシナフタレンおよび6−メチル−2,3−ジヒドロキシナフタレンなどのナフタレン化合物、ピロガロール、没食子酸および没食子酸メチルなどのピロガロール化合物などの、隣接水酸基を有する置換又は無置換の芳香族類が、キレート環の再形成のしやすさに優れるために好ましい。中でも、2,3−ジヒドロキシナフタレンを用いた場合、キレート環の形成が起こりやすく、アニオン成分の潜伏化効果がより長くなるために好ましい。
前記(B)成分における、前記一般式(1)で表されるアニオン成分および前記一般式(2)で表される化合物の混合比は、所望する硬化の遅延程度に応じ、調整することができるが、具体的には前記一般式(1)で表されるアニオン成分1モルに対し、前記一般式(2)で表される化合物0.05−5モルが好ましく、0.5−2モルがより好ましい。前記混合比の範囲であると、硬化性と潜伏化作用のバランスに、より優れるものとなるが、前記一般式(2)で表される化合物が大過剰である場合、硬化遅延が大きすぎ、硬化性が十分に発現しないことがあり、少なすぎる場合、潜伏性が十分に発現しないことがある。
前記(C)成分は、前記一般式(3)で表されるシラン化合物と、前記一般式(2)で表される化合物の両方を含むものである。前記シラン化合物は、一般式(3)におけるR1、R2、およびR3として、炭素数1〜3の脂肪族基を有するものであり、これらは互いに同一でも異なっていてもよく、また、Z2として、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を有するものである。前記炭素数1〜3の脂肪族基としては、メチル基、エチル基およびプロピル基などが挙げられ、前記置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基としては、式(1)におけるZ1と同様のものを挙げることができる。
本発明において、(C)成分である、前記一般式(3)で表されるシラン化合物と、前記一般式(2)で表される化合物とは、エポキシ樹脂の硬化反応の進行に従い、前記一般式(1)で表されるアニオン成分を形成することができ、結果として、添加の方法は異なるが上記同様の潜伏化作用を得ることができる。
前記一般式(3)で表されるシラン化合物としては、具体的には、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリプロポキシフェニルシランおよびジメトキシエトキシフェニルシランなどの芳香族置換基を有するシラン類、トリメトキシヘキシルシランおよびジエトキシメトキシオクチルシランなどの脂肪族置換基を有するシラン類などが挙げられる。これらの中でも、前記一般式(3)におけるR1、R2およびR3がメチル基であり、Z3がフェニル基などの芳香族基であるものが、潜伏化能力に優れるために好ましい。
前記(C)成分に含まれる、前記一般式(2)で表される化合物としては、前記(B)成分における記載と同一の化合物を用いることができ、好適なものも、それと同様である。また、前記(C)成分において、前記一般式(3)で表されるシラン化合物に対する前記一般式(2)で表される化合物の量を調節することにより、硬化促進剤の潜伏化効果が発揮される時間を調節することも、同様に可能である。
前記(C)成分における、前記一般式(2)で表される化合物および前記一般式(3)で表されるシラン化合物の混合比は、所望する硬化の遅延程度に応じ、調整することができるが、具体的には前記一般式(3)で表されるシラン化合物1モルに対し、前記一般式(2)で表される化合物1−5モルが好ましく、1−2モルがより好ましい。前記混合比率の範囲であると、硬化性と潜伏化作用のバランスに、より優れるものとなるが、前記一般式(2)で表される化合物が大過剰である場合、硬化遅延が大きすぎ硬化性が十分に発現しないことがあり、少なすぎる場合、十分な量の珪素原子とのキレート環が形成せず潜伏性が十分に発現しないことがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、これらの硬化遅延成分の含有量(添加量)は、所望の潜伏化度合いに応じて、その添加量を調節することができる。具体的には、前記硬化促進剤成分1モルに対し、硬化遅延成分を、前記一般式(1)で表されるアニオン成分のアニオン換算で0.1〜5モルの範囲で添加することが好ましく、0.5〜2モルの範囲で添加することがより好ましい。前記含有量(添加量)の範囲であると、硬化性と潜伏化作用のバランスに、より優れたものとなる。
ここで、本発明に用いる硬化遅延成分の合成方法について説明する。
本発明に用いる硬化遅延成分は、前記一般式(1)で表されるアニオン成分またはこれを形成することができるものであれば良く、例えば、前記一般式(2)で表される化合物と、前記一般式(3)で表される化合物を、混合加熱することで、容易に得ることができる。具体的には、アルコール類などの溶媒中に、前記一般式(2)および(3)で表される化合物を均一に溶解し、これを80−120℃の温度で加熱混合して、縮合反応させることで硬化遅延成分を得ることができる。
また、この縮合反応は、前記の2成分を、各々別々に、エポキシ樹脂組成物に配合し、硬化反応時の加熱により、この2成分を縮合反応させて、樹脂組成物中で、前記一般式(1)で表されるアニオン成分を形成する方法でも良い。
また、エポキシ樹脂組成物中で硬化遅延成分を形成する方法でない場合は、予め、前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤と前記エポキシ樹脂の硬化遅延成分とを混合して、硬化促進剤成分と硬化遅延成分を反応させ、塩、もしくは分子化合物等の錯塩として、添加することもできる。特に後者の手法をとる場合、硬化遅延成分であるアニオンが、確実に硬化促進剤に付加されるため、その硬化が十分に発揮されるので好ましい。
前記硬化促進剤成分と硬化遅延成分との塩の合成方法としては、例えば、前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤としてのオニウムハロゲン塩類と、前記(C)成分としての一般式(3)で表されるシラン化合物および一般式(2)で表される化合物との3成分を、溶媒中で水酸化ナトリウム等のアルカリ水酸化物で、混合し、中和して得る方法を挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、物理強度の向上や、耐熱性の向上などを目的として、無機充填材を添加することができる。
この無機充填材としては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレーおよびガラス繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、前記硬化促進剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物からなる樹脂成分に対して、0.01〜10重量%程度であるのが好ましく、0.1〜5重量%程度であるのが、より好ましい。
また、前記エポキシ樹脂と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物との配合比率も、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対し、前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物のフェノール性水酸基が0.5〜2モル程度となるように用いるのが好ましく、0.7〜1.5モル程度となるように用いるのが、より好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物が、十分な強度を得る事ができる。
また、無機充填材の含有量(配合量)は、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物からなる樹脂成分100重量部に対して、200〜2400重量部程度であるのが好ましく、400〜1400重量部程度であるのが、より好ましい。無機充填材の含有量が前記下限値未満の場合、無機充填材による補強効果が充分に発現しないおそれがあり、一方、無機充填材の含有量が前記上限値を超えた場合、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下し、エポキシ樹脂組成物の成形時に、充填不良等が生じるおそれがある。本発明において、硬化促進剤と硬化遅延成分とにより流動性を優れたものに調整することにより、無機充填材の含有量を多くすることができ、その場合、無機充填材より得られる効果により、耐半田クラック性および耐湿信頼性などの特性の信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
また、無機充填材の含有量(配合量)は、前記エポキシ樹脂、前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物や無機充填材自体の比重を、それぞれ考慮し、重量部を体積%に換算して取り扱うようにしてもよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、上記の他に、必要に応じて、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂および酸化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、シリコーンオイルおよびシリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類およびパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合するようにしてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物、分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤およびエポキシ樹脂の硬化遅延成分、任意に無機充填材、および、必要に応じて、その他の添加剤等を、ミキサーを用いて混合して得られ、さらには、常温で混合したものを、熱ロールおよび加熱ニーダー等の混練機を用いて、加熱混練した後、冷却、粉砕することによっても得ることができる。
上記で得られたエポキシ樹脂組成物をモールド樹脂として用いて、トランスファーモールド、コンプレッションモールドおよびインジェクションモールド等の成形方法で硬化成形することにより、半導体素子等の電子部品を封止する。これにより、本発明の半導体装置が得られる。
本発明の半導体装置の形態としては、特に限定されないが、例えば、SIP(Single Inline Package)、HSIP(SIP with Heatsink)、ZIP(Zig-zag Inline Package)、DIP(Dual Inline Package)、SDIP(Shrink Dual Inline Package)、SOP(Small Outline Package)、SSOP(Shrink Small Outline Package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-leaded Package)、QFP(Quad Flat Package)、QFP(FP)(QFP Fine Pitch)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、QFJ(PLCC)(Quad Flat J-leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)等が挙げられる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、耐半田クラック性および耐湿信頼性に優れる。
本発明において硬化遅延成分、中でも上記一般式(1)で表されるアニオン成分および下記一般式(2)で表される化合物で構成されるものは、より熱的に安定であり、また、アニオン成分が嵩高い構造のため、硬化反応時に解離した硬化遅延成分由来の遊離イオンのイオン移動度が低くなることより、耐半田クラック性および耐湿信頼性に、より優れたものとなる。
以上、本発明のエポキシ樹脂組成物および半導体装置の好適実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
まず、硬化促進剤として使用する化合物C1〜C4、本発明の硬化遅延成分との塩である潜伏化された硬化促進剤C5〜C6を用意した。
(化合物C1の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、トリフェニルホスフィン13.10g(0.050mol)および下記式(4)で表されるフェノールアラルキル樹脂102.42g(0.150mol)を仕込み、オイルバスを用いて100℃に加熱しながら攪拌し、均一に溶解させた。完全に溶解してから、30分攪拌を継続したのち、得られた樹脂状物質を、冷却・粉砕し、粉末状の硬化促進剤C1を106.3g得た。得られたC1を1H−NMRにて分析したところ、下記式(5)で表される、目的のトリフェニルホスフィンとフェノール性水酸基の付加したものであることが確認された。得られたC1の収率は92%であった。
Figure 2006225630
<式(4)で表される化合物の物性>
軟化点 :77℃
水酸基当量 :172
150℃のICI溶融粘度:3.6poise
Figure 2006225630
(化合物C2の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、ベンゾキノン6.49g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)およびアセトン40mLを仕込み、攪拌下室温で反応した。析出した結晶をアセトンで洗浄後、濾過・乾燥し、褐色結晶20.0gを得た。
この化合物をC2とした。化合物C2を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(6)で表される目的のホスホベタインであることが確認された。得られた化合物C2の収率は、84%であった。
Figure 2006225630
(化合物C3の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、2−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)およびエチレングリコール40mL仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した粉末をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
次に、得られた粉末をメタノール100mlに溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60mlと、純水500mlを順次投入した。得られた結晶をろ過、洗浄し、淡黄色結晶12.7gを得た。
この化合物をC3とした。化合物C3を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(7)で表される目的のホスホベタインであることが確認された。得られた化合物C3の収率は、83%であった。
Figure 2006225630
(化合物C4の合成)
撹拌装置付きのビーカー(容量:1000mL)に、テトラフェニルホスホニウムブロマイド25.2g(0.060mol)、ビスフェノールA 27.4g(0.120mol)、およびメタノール200mLを仕込み、攪拌しながらよく溶解させた後、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60ml、および純水600mLを順次添加した。析出した粉末を純水で洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
この化合物をC4とした。化合物C4を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(8)で表される目的のホスホニウム分子化合物であることが確認された。得られた化合物C4の収率は、83%であった。
Figure 2006225630
(化合物C5の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、3−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)およびエチレングリコール40mLを仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した結晶をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、トリフェニル(3−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミドを得た。
次に、冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン7.92g(0.040mol)、カテコール4.40g(0.040mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.04mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。上記で得たトリフェニル(3−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミド17.4g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し淡赤白色結晶20.3gを得た。
この化合物をC5とした。化合物C5を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(9)で表される目的のホスホニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C5の収率は、75%であった。
Figure 2006225630
(化合物C6の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン7.92g(0.040mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン6.40g(0.040mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.04mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。この溶液に、テトラフェニルホスホニウムブロミド16.8g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し白色結晶20.4gを得た。
この化合物をC6とした。化合物C6を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(10)で表される目的のホスホニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C6の収率は、92%であった。
Figure 2006225630
[エポキシ樹脂組成物の調製]
以下のようにして、上記で得た化合物C1〜C6を含むエポキシ樹脂組成物を調製した。
(実施例1〜12、比較例1)
ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX−4000HK)、フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製XLC−LL)、硬化促進剤として化合物C1、無機充填材として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、さらに、表1に示される本発明の硬化抑止剤を用意した。
次に、前記ビフェニル型エポキシ樹脂:52重量部、前記フェノールアラルキル樹脂:48重量部、化合物C1:8.8重量部、溶融球状シリカ:730重量部、さらに硬化遅延成分を、表1中に記載の分量、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて95℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
Figure 2006225630
(実施例13〜24、比較例2)
硬化促進剤として、化合物C2:1重量部、および硬化遅延成分を表2中に記載の分量用いた以外は、実施例1〜12および比較例1と同様の手法により、エポキシ樹脂組成物を得た。
Figure 2006225630
(実施例25〜36、比較例3)
まず、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製NC−3000P)、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製MEH−7851SS)、硬化促進剤として化合物C3、無機充填材として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、さらに、表3に示される本発明の硬化抑止剤を用意した。
次に、前記ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:57重量部、前記ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂:43重量部、化合物C3:1重量部、溶融球状シリカ:650重量部、さらに本発明の硬化遅延成分を、表3中に記載の分量、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて105℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
Figure 2006225630
(実施例37〜48、比較例4)
硬化促進剤として、化合物C4:1重量部、および硬化遅延成分を、表4中に記載の分量用いた以外は、実施例25〜36および比較例3と同様の手法により、エポキシ樹脂組成物を得た。
Figure 2006225630
(実施例49〜56、比較例5)
硬化促進剤と硬化遅延成分を別々に添加する代わりに、硬化促進剤および硬化遅延成分の塩として、化合物C5もしくは化合物C6:3重量部、従来の潜伏化硬化促進剤として、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート:3重量部および硬化遅延成分を、表5中に記載の分量用いた以外は、実施例37〜48および比較例4と同様の手法により、エポキシ樹脂組成物を得た。
Figure 2006225630
[特性評価]
各実施例および各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物の特性評価(1)〜(4)を、それぞれ、以下のようにして行った。
(1):スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定した。
このスパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい程、流動性が良好であることを示す。
(2):硬化トルク
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIV PS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。
この硬化トルクは、数値が大きい程、硬化性が良好であることを示す。
(3):フロー残存率
得られたエポキシ樹脂組成物を、大気中30℃で1週間保存した後、前記(1)と同様にしてスパイラルフローを測定し、調製直後のスパイラルフローに対する百分率(%)を求めた。
このフロー残存率は、数値が大きい程、保存性が良好であることを示す。
(4):ゲルタイム
得られたエポキシ樹脂組成物を、180℃の熱盤上で溶融させ、へらでこれを混ぜながら、溶融樹脂が流動性を失うまでの時間(ゲル化時間、単位:秒)を測定した。
表1〜表4に示すように、比較例で示される、硬化促進剤のみを利用した従来公知の使用法による樹脂組成物に対し、実施例で得られたエポキシ樹脂組成物(本発明のエポキシ樹脂組成物)は、いずれも、硬化トルクを大きく損なうことなく、向上した流動性および保存性を発揮している。
また、硬化遅延成分の分量を調整することにより、実用に十分たる硬化性を維持しつつも、流動性や保存性を調整することに成功している。
また、表5に示すように、硬化促進剤と硬化遅延成分の塩として添加された場合には、その他の硬化遅延成分の使用なしに、良好な硬化性と流動性、保存性を発揮することができる。これに対し、従来の潜伏化された硬化促進剤を用いた比較例5では、流動性や保存性は向上するものの、その硬化挙動はきわめて緩慢で、十分に硬化トルクが飽和しない問題がある。
また、硬化遅延成分をさらに加えて添加することにより、実用に十分たる硬化性を維持しつつも、その流動性や保存性を調整することができる。
(実施例58〜61、比較例6〜7)
[半導体封止材料の調製]
以下のようにして、上記で得た化合物C1を含むエポキシ樹脂組成物を調製した。
ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX−4000HK)52重量部、前記式(12)で表されるフェノールアラルキル樹脂(ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。三井化学(株)製XLC−LL)48重量部、化合物C1:8.8重量部、および溶融球状シリカ、硬化遅延成分を表6記載の分量を、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて95℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、実施例58〜61および比較例5,6のエポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
次に、このエポキシ樹脂組成物をモールド樹脂として用い、100ピンTQFPのパッケージ(半導体装置)を8個、および、16ピンDIPのパッケージ(半導体装置)を15個、それぞれ製造した。
100ピンTQFPは、金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この100ピンTQFPのパッケージサイズは、14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
また、16ピンDIPは、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この16ピンDIPのパッケージサイズは、6.4×19.8mm、厚み3.5mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、3.5×3.5mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
[半導体装置の特性評価]
実施例58〜61および比較例6,7で得られた半導体装置の特性評価(5)〜(7)を、それぞれ、以下のようにして行った。
(5):スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定した。
このスパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい程、流動性が良好であることを示す。
(6):硬化トルク
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIV PS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。
この硬化トルクは、数値が大きい程、硬化性が良好であることを示す。
(7):耐半田クラック性
100ピンTQFPを85℃、相対湿度85%の環境下で168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。
その後、顕微鏡下に、外部クラックの発生の有無を観察し、クラック発生率=(クラックが発生したパッケージ数)/(全パッケージ数)×100として、百分率(%)で表示した。
また、シリコンチップとエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率=(剥離面積)/(シリコンチップの面積)×100として、8個のパッケージの平均値を求め、百分率(%)で表示した。
これらのクラック発生率および剥離率は、それぞれ、数値が小さい程、耐半田クラック性が良好であることを示す。
(8):耐湿信頼性
16ピンDIPに、125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を印加し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうち8個以上に不良が出るまでの時間を不良時間とした。
なお、測定時間は、最長で500時間とし、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったものは、不良時間を500時間超(>500)と示す。
この不良時間は、数値が大きい程、耐湿信頼性に優れることを示す。
各特性評価(5)〜(8)の結果を、表6に示す。
Figure 2006225630
表6に示すように、実施例58〜61で得られたエポキシ樹脂組成物は、いずれも、流動性に優れるために無機充填剤の充填量を増やすことが可能であり、その結果、半導体素子を封止した際のパッケージ信頼性である、耐半田クラック性、耐湿信頼性が良好なものであった。
これに対し、比較例6は、流動性を十分に確保するために、無機充填剤の添加量を削減したために、十分なパッケージ信頼性が得られなかった。比較例7では、無機充填剤の添加量を増加させることで、パッケージの信頼性に向上が見られるが、流動性が極めて低く、成形樹脂として実用に耐えない。
本発明によれば、かかる硬化遅延成分は、従来公知のカチオン部位を有する硬化促進剤を利用したエポキシ樹脂組成物に有用であり、硬化性、流動性および保存性が良好なエポキシ樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の硬化遅延成分は、硬化性を損なうことなく流動性、保存性を向上できるが、その量を調整することにより、所望する特性を伸ばすように調整をすることが非常に容易である。したがって、半導体装置のみならず、他のエポキシ樹脂組成物を用いる用途にも利用できる。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物と、分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤と、を含むエポキシ樹脂組成物において、下記(A)成分〜(C)成分のいずれか1種または2種以上の、エポキシ樹脂の硬化遅延成分を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    (A) 下記一般式(1)で表されるアニオン成分。
    Figure 2006225630
    [式中、X1およびX2は、有機基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Z1は置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を表す。]
    (B) 上記一般式(1)で表されるアニオン成分および下記一般式(2)で表される化合物。
    Figure 2006225630
    [式中、X3は有機基を表す。]
    (C) 上記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表されるシラン化合物。
    Figure 2006225630
    [式中、R1、R2、およびR3は、炭素数1〜3の脂肪族基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Z2は置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を表す。]
  2. 前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤と前記エポキシ樹脂の硬化遅延成分とは、予め混合されたものである、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止してなる半導体装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物において、前記分子内にカチオン部位を有する硬化促進剤に対して、前記硬化遅延成分の量を調整することにより、エポキシ樹脂組成物の硬化を遅延させることによる、エポキシ樹脂組成物の潜伏化手法。
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