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JP2006299001A - 無機有機複合熱可塑性材料の作製方法及び光学素子用樹脂組成物 - Google Patents

無機有機複合熱可塑性材料の作製方法及び光学素子用樹脂組成物 Download PDF

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JP2006299001A JP2005119561A JP2005119561A JP2006299001A JP 2006299001 A JP2006299001 A JP 2006299001A JP 2005119561 A JP2005119561 A JP 2005119561A JP 2005119561 A JP2005119561 A JP 2005119561A JP 2006299001 A JP2006299001 A JP 2006299001A
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Akizumi Kimura
晃純 木村
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Konica Minolta Opto Inc
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Abstract

【課題】無機微粒子を光学樹脂中に均一に分散させることのできる無機有機複合熱可塑性材料の作製方法を提供する。
【解決手段】 一次粒子径が1〜30nmの無機微粒子に対して表面処理を施す表面処理工程と、非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中で分散剤を用いて前記無機微粒子を分散させてスラリーを調整する分散工程と、前記スラリーと樹脂とを混合させる混合工程と、を順番に行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、無機有機複合熱可塑性材料の作製方法及び光学素子用樹脂組成物に係り、特に、光学樹脂と無機微粒子とを含有する無機有機複合熱可塑性材料の作製方法及び光学素子用樹脂組成物に関する。
従来より、光ピックアップ装置などの光学機器には、光源から発した所定波長の光を媒体に照射し、反射した光を受光素子で受光する光学素子ユニットが備えられている。そして、この光学素子ユニットは、これらの光を媒体の反射層や受光素子で集光させるためのレンズなどの光学素子を有している。このような光学素子は、射出成形などの手段によって安価に製造できるなどの観点から、光学樹脂を材料とすることが好ましい。
光学樹脂を材料として適用した光学素子においては、ガラスレンズのような光学的安定性を有する物質であることが求められている。そこで、光学樹脂に無機微粒子を混合させて、得られる樹脂材料の熱膨張率や光学屈折率の温度変化を抑える方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、前記樹脂材料を光学素子用として用いるために、特許文献2には、酸化チタンや酸化亜鉛などの酸化物微粒子を微細な状態のまま光学樹脂に混合させて、得られる樹脂材料の屈折率や耐熱性を向上させる方法が示されている。しかしながら、このようにして得られた樹脂材料の透明性は光学素子の材料として用いるには不十分であり、かつ市販の微粒子を凝集した状態のまま光学樹脂に混合させると透明性が著しく低下してしまうという問題があった。
さらに、特許文献3又は特許文献4には、シリカ微粒子を混合させて樹脂材料の透明性や剛性を向上させる方法が示されている。特許文献3によれば、シリカ微粒子の一部のシラノール基(−Si−OH)にシランカップリング剤などを用いて疎水化処理を施すことによりSi−O−Si結合を形成させ、母材樹脂との親和性を向上させることが可能である。また、特許文献4によれば、シリカ微粒子が分散された溶液と透明樹脂が分散された溶液とを混合させて、凝固用溶剤で沈降させることによりシリカ微粒子を凝集させずに透明樹脂に分散させることが可能である。
特開2002−241592号公報 特開2003−73563号公報 特開2003−201114号公報 特開平11−343349号公報
しかしながら、特許文献3又は特許文献4に記載の方法では、シリカ微粒子を分散させた樹脂材料とすることができるものの、シリカ微粒子の屈折率は一般的な光学樹脂の屈折率に比べて低いため、得られる樹脂材料の屈折率が低下してしまい光学素子の用途に用いることが難しいという問題があった。そこで、酸化アルミニウムなどの屈折率が高い微粒子を用いて、樹脂材料の屈折率及び透明性を向上させることが望まれている。
ここで、一般に、酸化アルミニウムなどの酸化物微粒子を用いた場合、これらはシリカ微粒子に比べて疎水性が低いため母材樹脂中での分散が難しいという問題があった。これは、疎水化処理にシランカップリング剤を用いると、微粒子表面の一部の−OH基と反応してSi−O−M結合(Mは酸化物微粒子の金属を示す)を形成するのだが、このSi−O−M結合はシリカ微粒子に疎水化処理を施した場合に形成されるSi−O−Si結合に比べて不安定なため疎水性を高めるのが難しいためである。また、シリカ微粒子以外の酸化物微粒子は表面に存在している−OH基の数が多いうえに、立体障害のためシランカップリング剤と反応しない−OH基の数が多いため、疎水性を高めることが難しいためでもある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中で無機微粒子を分散させることにより、樹脂中に無機微粒子が均一に分散した無機有機複合熱可塑性材料を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、無機有機複合熱可塑性材料の作製方法において、
一次粒子径が1〜30nmの無機微粒子に対して表面処理を施す表面処理工程と、
非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中で分散剤を用いて前記無機微粒子を分散させてスラリーを調整する分散工程と、
前記スラリーと樹脂とを混合させる混合工程と、
を順番に行うことを特徴とする。
ここで、「スラリー」とは、非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中に、表面処理された無機微粒子が分散剤により均一に分散された状態の溶液をいうものとする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無機有機複合熱可塑性材料の作製方法において、
前記無機微粒子は両性粒子であることを特徴とする。
ここで、「両性粒子」とは、一分子の表面に酸性基と塩基性基とを両方備える粒子のことをいうものとする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の無機有機複合熱可塑性材料の作製方法において、
前記混合工程では、前記スラリーと前記透明性樹脂を前記非極性溶媒中に溶解させた溶液とを混合させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、光学素子用樹脂組成物において、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の作製方法により得られることを特徴とする。
本発明によれば、表面処理を施された無機微粒子を、非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中に任意に選択した分散剤を用いて均一に分散させて、スラリーを調整する。当該スラリーには樹脂を容易に混合させることが可能であり、無機微粒子が樹脂中に均一に分散された無機有機複合熱可塑性材料とすることができる。
また、両性粒子である無機微粒子を用いることにより、分散剤及び表面処理剤は無機微粒子表面の酸性基又は塩基性基のいずれか一方と反応するので、用いる分散剤と表面処理剤との組み合わせを酸と反応するものと塩基と反応するものとの組み合わせとすることが可能であり、無機微粒子の凝集を防止して樹脂と均一に分散させることが可能である。
さらに、スラリーと樹脂とを混合させる工程において、調整したスラリーから溶媒を除去させてからそこに樹脂を投入して溶融混練することにより混合させることも可能であるが、当該樹脂を予め溶媒中に溶解させ、この溶液とスラリーとを混合させてから溶媒を除去して溶融混練することにより無機有機複合熱可塑性材料を作製すると、無機微粒子の凝集を防止して樹脂中により均一に分散させた無機有機複合熱可塑性材料とすることができる。
またさらに、前記の方法で作製した樹脂組成物の屈折率及び透明性を向上させることができるので、光学素子用の樹脂組成物とすることが可能である。
以下に、本発明に係る無機有機複合熱可塑性材料及び光学素子用樹脂組成物の一実施形態について説明する。ただし、発明の範囲を限定するものではない。
本実施形態における無機有機複合熱可塑性材料は、無機微粒子に表面処理を施してから、分散剤を用いて当該無機微粒子を溶媒中に分散させてスラリーを調整し、当該スラリーと樹脂とを混合させて作製されたものである。
以下、各成分について順次説明する。
本実施形態において用いられる無機微粒子は、任意の無機微粒子とすることができるが、一粒子の表面に酸性基と塩基性基とを両方備える両性粒子が好ましい。このような両性粒子としては、例えば、酸化物微粒子、複酸化物微粒子、オキソ酸塩微粒子などが挙げられる。より具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム又はタンタル酸リチウムなど、これら酸化物との組み合わせで形成されるリン酸塩又は硫酸塩など、が挙げられる。さらに、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウムを例として挙げることができ、これらに限定されるものではない。
また、本発明に係る無機微粒子は、公知のいずれの方法作製した粒子も用いることができる。例えば、ハロゲン化金属やアルコキシ金属を原料に用い、水を含有する反応系において加水分解することにより、所望の酸化物微粒子を得ることができる。この際、微粒子の安定化のために有機酸や有機アミンなどを併用する方法も用いられる。より具体的には、例えば、二酸化チタン微粒子の場合、ジャーナル・オブ・ケミカルエンジニアリング・オブ・ジャパン第31巻1号21−28頁(1998年)や、硫化亜鉛の場合は、ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリー第100巻468−471頁(1996年)に記載された公知の方法を用いることができる。例えば、これらの方法に従えば、体積平均粒子径が5nmの酸化チタンは、チタニウムテトライソプロポキサイドや四塩化チタンを原料として、適当な溶媒中で加水分解させる際に適当な表面処理剤を添加することにより容易に製造することができる。
これらの無機微粒子は、一種類の無機微粒子を用いてもよく、複数種類の無機微粒子を混合して用いてもよい。また、本発明に係る無機有機複合熱可塑性材料の作製方法は、両性粒子でない無機微粒子を用いた場合にも適用可能である。
無機微粒子の一次粒子径は光学素子としての透明性を得るためには1〜30nmであることが好ましく、より望ましくは1〜10nmである。一次粒子径が1nm未満の場合、無機微粒子の分散が困難になり所望の性能が得られないおそれがあり、一次粒子径が30nmを超える場合、得られる無機有機複合熱可塑性材料が濁り透明性が低下するおそれがある。
また、無機微粒子の粒子径分布に関しても特に制限されるものではないが、本発明の効果をより効率よく発現させるためには、広範な分布を有するものよりも、比較的狭い分布を持つものが好適に用いられる。具体的には、変動係数(測定値のばらつきの指標として標準偏差を平均で割った値、無次元数)±30以下が好ましく、±10以下がより好ましい。
さらに、無機微粒子の屈折率としては、1.3〜2.3の範囲であることが好ましく、1.5〜1.8の範囲であることがより好ましい。
次に、本実施形態における表面処理剤について説明する。
本実施形態の無機微粒子表面の−OH基は、表面処理剤と反応して疎水化されるようになっている。このような表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤又はアルミニウムカップリング剤などを用いることが可能である。
シランカップリング剤としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−メチルフェニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルフェノキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。また、市販のものを用いることが可能であり、SZ6187(東レ・ダウシリコーン製)、AY43−004(東レ・ダウシリコーン製)、AY43−043(東レ・ダウシリコーン製)などの商品名のものが挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート及びビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどが挙げられる。また、市販のKRTTS(味の素ファインテクノ製)、KR46B(味の素ファインテクノ製)、KR55(味の素ファインテクノ製)、KR41B(味の素ファインテクノ製)、KR38S(味の素ファインテクノ製)、KR138S(味の素ファインテクノ製)、KR238S(味の素ファインテクノ製)、338X(味の素ファインテクノ製)、KR44(味の素ファインテクノ製)、KR9SA(味の素ファインテクノ製)、KRET(味の素ファインテクノ製)なども使用可能であり、なかでもKRTTS(味の素ファインテクノ製)が好ましい。
アルミニウムカップリング剤としては、市販のアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどを用いることができる。
本実施形態において用いる表面処理剤は特に限定されないが、後述する樹脂に相溶するものが好ましい。ここで、「樹脂に相溶する」とは、樹脂と混合させることが可能であり、かつ混合させた際に失透しないことを示すものとする。
また、前記表面処理剤は、反応速度などの特性が異なり、表面処理の条件などに適した表面処理剤を用いることができる。ここで、表面処理には一種類の表面処理剤のみを用いても、複数種類の表面処理剤を用いてもよい。
さらに、本実施形態においては、これらの表面処理剤による表面処理の方法としては、湿式加熱法、湿式濾過法、乾式攪拌法、造粒法などが挙げられ、いずれの方法でもよい。この際、表面処理剤は無機微粒子の重量に対して1〜20w%加える事が好ましく、より好ましくは1〜10w%である。
次に、本実施形態においては、表面処理後の無機微粒子の特性を把握するために、指示電極としてガラス電極、参照電極として銀−塩化銀電極を用いた非水溶媒中での電位差滴定法により酸塩基滴定を行うようになっている。
本実施形態においては、無機微粒子表面の酸性基及び塩基性基は、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」)溶液中で過塩素酸とテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(以下、「TBAH」)とを用いた逆滴定により把握した。以下、詳しく説明する。
まず、表面処理を施された無機微粒子2.0gと0.01Nの過塩素酸MIBK溶液30mlとを三角フラスコ中で混合させてから密栓し、超音波洗浄器(BRANSONIC321、BRANSON社製)を用いて一時間超音波を照射し続けた。このようにすることにより、無機微粒子を分散させ、かつ無機微粒子表面の塩基性基と過塩素酸との中和反応を進行させる。その後、混合溶液から無機微粒子のみを遠心分離により除去し、残った溶液の上澄み10mlをMIBK50mlで希釈した。そして、0.01NのTBAH溶液を用いて滴定することにより、無機微粒子表面の塩基性基により中和された過塩素酸の酸価を計算した。この算出された値から無機微粒子表面に残存している塩基性基量を把握した。
同様にして、表面処理を施された無機微粒子表面の酸性基をTBAH溶液により中和してから、過塩素酸MIBK溶液により残ったTBAH溶液の塩基価を計算して、無機微粒子表面に残存している酸性基量を把握した。
このようにして把握された無機微粒子表面に残存している酸性基及び塩基性基の値に基づいて、用いる分散剤の量を計算する。加える分散剤の量は、無機微粒子表面に残存している酸性基(又は塩基性基)を完全に中和できる量を最大値として、それ以下の量であることが望ましい。
ここで、本実施形態において用いられる分散剤としては、市販、及び任意に合成した分散剤が用いられる。中でも、無機微粒子を溶媒中でより小さな体積平均粒子径で安定に分散させるためには、高分子分散剤が望ましい。
高分子分散剤としては、用いる樹脂の酸変性物、用いる樹脂と同じ組成でより分子量が小さい樹脂の酸変性物若しくは用いる樹脂と類似構造の樹脂の酸変性物又はこれらの塩基性変性物が好ましい。中でも、用いる樹脂に相溶する酸変性物又は塩基性変性物が望ましい。具体的に、酸変性物としてはマレイン酸変性物やアクリル酸変性物など、塩基性変性物としてはアミド変性物などが挙げられる。
このような高分子分散剤は、樹脂など他の成分に応じて適宜変更可能である。市販の高分子分散剤としては、ポリエチレン系樹脂変性物のサンワックスシリーズ(三洋化成工業製)、ポリプロピレン系樹脂変性物のビスコールシリーズ(三洋化成工業製)などが挙げられる。また、光学樹脂のTOPAS5017(TiCoNa社製)のマレイン酸変性物としてはTOPAS TMG MAH 2050(TiCoNa社製)などが挙げられる。TOPAS TMG MAH 2050(TiCoNa社製)は、他の光学樹脂(例えば、APEL(三井化学株式会社製)など)にも相溶する。
次に、このような無機微粒子と分散剤とを溶解させる溶媒について説明する。
本実施形態において用いられる溶媒は、非極性溶媒又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒である。
非極性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、キシレン、シクロへキサン、ジクロロメタン、クロロメタン、エーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらは、無機微粒子の分散性及び安定性や、表面処理剤の特性に応じて、単独あるいは二種類以上混合して用いることが可能である。
極性溶媒としては、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK、アセトン、THF、メタノール、エタノールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なかでも、非プロトン性の極性溶媒であるMEK、MIBK、アセトン、THFなどが高分子分散剤の溶解性の点から望ましい。これらの極性溶媒は非極性溶媒100w%に対して40w%以下であることが好ましく、より好ましくは20w%以下である。このように非極性溶媒が主成分の溶媒とすることにより、無機微粒子表面の−OH基に分散剤の極性部が結合し、無機微粒子表面の−OH基に極性溶媒が溶媒和することを抑えて、無機微粒子の凝集を防ぐとともに樹脂との相溶性を向上させる。
次に、本実施形態において、表面処理された無機微粒子、溶媒および分散剤を用いてスラリーを調整する際に用いる分散装置について説明する。ここで、「スラリー」とは、非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中に、表面処理された無機微粒子が分散剤により均一に分散された状態の溶液をいうものとする。
分散装置としては、超音波分散機、サンドミルやビーズミルなどの媒体攪拌ミルが適用可能であり、ビーズミルを用いることが好ましい。
ビーズミルとは、容器内に媒体としてビーズを充填させ、ビーズを攪拌させながら表面処理された無機微粒子と溶媒とを流し込み、これらを容器内でさらに攪拌させることにより無機微粒子の凝集粒子をビーズにより粉砕させて、溶媒中に分散させる装置である。ビーズミルとしては、具体的に、スターミルZRS(アシザワファインテック株式会社製)、ウルトラアペックスミル(寿工業株式会社製)などが挙げられる。このような装置は、溶媒中に無機微粒子を十分分散させてから、ビーズのみを遠心分離させることによりスラリーを得ることができるようになっている。遠心分離によってビーズのみを分離させるので、より細かいビーズの使用が可能であり、無機微粒子をより一次粒子に近い体積平均粒子径まで粉砕させるようになっている。ここで、ビーズとしては、ガラス、アルミナ、スチール、ダイヤモンド、フリント石などを用いることができ、ジルコニア粉末(例えば、TZシリーズ(東ソー株式会社製)など)が好ましい。また、ビーズの粒子径としては0.03〜0.3mm程度のものが好ましい。
次に、このようにして調整したスラリーと混合させる樹脂について説明する。
本実施形態においては、樹脂は光学用途に用いる事が可能な熱可塑性の透明性樹脂であり、ポリカーボネート、メタクリルスチレン、ポリサルフォン、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレートなどを挙げることができ、中でもシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。前記透明性樹脂として、市販のものでは、アクリペット、デルペット、パンライト、エスチレンMS、TXポリマー、ユーザルポリサルホンなどが挙げられる。
シクロオレフィンポリマーとしては、モノマーとしてノルボルネンを用いるゼオネックス(日本ゼオン株式会社製)、APEL(三井化学株式会社製)などが上げられる。これらは、一般的な汎用ポレオレフィンと比較して水分透過率が低く、ガラス転移温度が高いことから熱安定性に優れていることが知られている。
次に、前記各成分を用いた無機有機複合熱可塑性材料の作製方法について説明する。
はじめに、スーパーミキサーなどの装置により、表面処理剤を用いて無機微粒子の表面処理を行う。そして、表面処理を施した無機微粒子を溶媒中に入れ、分散剤を用いて分散しスラリーを調整する。ここで、無機微粒子は表面処理を施されているので、非極性溶媒が主成分の溶媒中で、親水性の無機微粒子が凝集してゲル化することを防止する。また、用いる分散剤の量は、表面処理を施した後の無機微粒子の酸塩基滴定結果に基づく値である。
ここで、本実施形態において、スラリーを調整する際に、溶媒中に分散させる無機微粒子の濃度は特に制限されるものではないが、1〜40w%が好ましく、5〜30w%がより好ましい。濃度が40w%以上の場合、無機微粒子が凝集してしまい体積平均粒子径の大きな凝集粒子となってしまうという問題がある。一方、濃度が1w%以下の場合、溶媒の揮発量が増加しかつ溶媒を大量に必要とするため生産性が低下してしまうという問題がある。
続いて、調整したスラリーと樹脂とを混合させる。ここで、混合の方法としては、調整したスラリーと樹脂を溶解させた溶液とを混合させてから溶媒を除去させて溶融混練させる方法(I)と、調整したスラリーから溶媒を除去させてからそこに樹脂を投入して溶融混練させる方法(II)と、が適用可能である。ここで、溶媒を除去させる際には若干無機微粒子の凝集が起こってしまうが、前記(I)の方法で混合させてから溶媒を除去させると無機微粒子の凝集が抑えられるので好ましい。中でも、樹脂を溶解させた溶液における樹脂濃度は5〜40w%が好ましく、無機微粒子の凝集防止及び生産性の観点から10〜30%がより好ましい。また、いずれの方法にしても、スラリーに適宜極性溶媒を添加することにより、分散剤の溶解性を向上させることとしてもよい。
ここで、樹脂中に分散させる無機微粒子の割合は特に制限されるものではないが、無機微粒子の割合が低すぎる場合、得られる無機有機複合熱可塑性材料の光学屈折率の温度変化を十分に抑えることができない。また、無機微粒子の割合が高すぎる場合、得られる無機有機複合熱可塑性材料の混練性や成形性が低下するおそれがある。これらの点を考慮すると、使用する無機微粒子の膨張係数などにもよるが、無機微粒子の割合は光学樹脂に対して5〜70vol%、好ましくは10〜50vol%である。
このようにして、本実施形態における無機有機複合熱可塑性材料を作製する。本実施形態においては、スラリーには分散剤が投入されており、これらの分散剤は樹脂に相溶し、かつ無機微粒子の表面に残存している酸性基又は塩基性基と結合して無機微粒子を均一に分散させている。従って、無機微粒子を樹脂と容易にかつ均一に混合させた無機有機複合熱可塑性材料とすることが可能である。
なお、このような無機有機複合熱可塑性材料の作製における各工程においては、各種添加剤(配合剤ともいう)を添加させることとしてもよい。添加剤についての制限は特に無く、一例として、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤が挙げられる。他にも、滑剤や可塑剤などの樹脂改質剤、軟質重合体やアルコール性化合物などの白濁防止剤、染料や顔料などの着色剤、帯電防止剤、難燃剤、フィラーなどが挙げられる。これらの添加剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
そして、本発明に係る光学素子用樹脂組成物とは、無機有機複合熱可塑性材料の中でも、本実施形態の無機有機複合熱可塑性材料のように、特に屈折率及び透明性が向上した樹脂組成物をいうこととする。
次いで、本発明に係る光学素子用樹脂組成物を用いた光学用樹脂レンズの作製方法について説明する。
本発明の光学素子用樹脂組成物の成型工程は、格別制限されないが、低複屈折性、機械強度、寸法精度等の特性に優れた成型物を得る為には溶融成型が好ましい。溶融成型法としては、例えば、市販のプレス成型、市販の押し出し成型、市販の射出成型等が挙げられるが、射出成型が成型性、生産性の観点から好ましい。
成型条件は使用目的、または成型方法により適宜選択されるが、例えば、射出成型における光学素子用樹脂組成物の温度は、成型時に適度な流動性を樹脂に付与して成型品のヒケやひずみを防止し、樹脂の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、更に、成型物の黄変を効果的に防止する観点から150〜400℃の範囲が好ましく、更に好ましくは200〜350℃の範囲であり、特に好ましくは200〜330℃の範囲である。
本発明に係る成型物は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、チューブ状、繊維状、フィルムまたはシート形状など種々の形態で使用することができ、また、低複屈折性、透明性、機械強度、耐熱性、低吸水性に優れるため、光学素子の一つである光学用樹脂レンズとして用いられるが、その他の光学部品としても好適である。
このようにして光学用樹脂レンズが得られるが、光学部品への具体的な適用例を以下に示す。
例えば、光学レンズや光学プリズムとしては、カメラの撮像系レンズ;顕微鏡、内視鏡、望遠鏡レンズなどのレンズ;眼鏡レンズなどの全光線透過型レンズ;CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などの光ディスクのピックアップレンズ;レーザビームプリンターのfθレンズ、センサー用レンズなどのレーザ走査系レンズ;カメラのファインダー系のプリズムレンズなどが挙げられる。
光ディスク用途としては、CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などが挙げられる。その他の光学用途としては、液晶ディスプレイなどの導光板;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルムなどの光学フィルム;光拡散板;光カード;液晶表示素子基板などが挙げられる。
これらの中でも、低複屈折性が要求されるピックアップレンズやレーザ走査系レンズとして好適であり、ピックアップレンズに最も好適に用いられる。
そこで、光学用樹脂レンズの用途の一例として、光ディスク用のピックアップ装置に用いる対物レンズとして用いられる例を図1を用いて説明する。
本実施形態では、使用波長が405nmのいわゆる青紫色レーザ光源を用いた「高密度な光ディスク」をターゲットとしている。この光ディスクの保護基板厚は0.1mmであり、記憶容量は約30GBである。
図1は、本発明の光学素子用樹脂組成物を用いた光学素子(光学用樹脂レンズ)を対物レンズとして適用した光ディスク用のピックアップ装置の概略構成を示す図である。
光ピックアップ装置1において、レーザダイオード(LD)2は、光源であり、波長λが405nmの青紫色レーザが用いられるが、波長が390nm〜420nmである範囲のものを適宜採用することができる。
ビームスプリッタ(BS)3はレーザダイオード(LD)2から出射された光束を対物レンズ(OBL)4の方向へ透過させるが、光ディスク(光情報記録媒体)5からの反射光(戻り光)について、センサーレンズ(SL)6を経て受光センサー(PD)7に集光させる機能を有する。
レーザダイオード(LD)2から出射された光束は、コリメータ(COL)8に入射し、これによって無限平行光にコリメートされたのち、ビームスプリッタ(BS)3を介して対物レンズ(OBL)4に入射する。そして光ディスク(光情報記録媒体)5の保護基板5aを介して情報記録面5b上に集光スポットを形成する。続いて情報記録面5b上で反射したのち、同じ経路をたどって、1/4波長板(Q)9によって偏光方向を変えられ、ビームスプリッタ(BS)3によって進路を曲げられ、センサーレンズ(SL)6を経てセンサー(PD)7に集光する。そして、センサー(PD)7によって光電変換されて、電気的な信号となる。
ここで、対物レンズ(OBL)4は、樹脂によって射出成型された単玉の光学用樹脂レンズである。そしてその入射面側に絞り(AP)10が設けられており、光束径が定められる。ここでは入射光束は3mm径に絞られる。そして、アクチュエータ(AC)11によって、フォーカシングやトラッキングが行われる。
なお、光ディスク(光情報記録媒体)5の保護基板厚、更にピットの大きさにより、対物レンズ(OBL)4に要求される開口数も異なる。ここでは、高密度な光ディスク(光情報記録媒体)5を用いるため、対物レンズ(OBL)4の開口数は0.85としている。
以上のように、本実施形態の無機有機複合熱可塑性材料の作製方法によれば、無機微粒子を表面処理させてから、分散剤を用いて非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中に分散させてスラリーを調整することが可能である。従って、無機微粒子が微細な状態のまま均一に分散されている無機有機複合熱可塑性材料及び光学素子用樹脂組成物を得ることができる。また、光学素子用樹脂組成物を用いて光学素子を作製することにより、得られる光学素子の屈折率の温度依存性(dN/dT)を低下させつつ、その屈折率及び透明性を向上させることが可能である。従って、得られる光学素子を高密度な光ディスクを用いる光ピックアップ装置などにも用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<無機有機複合熱可塑性材料の作製及び評価>
まず、以下に示す方法で、実施例1〜3、比較例1〜6としてそれぞれ無機有機複合熱可塑性材料を作製し、その耐性について評価した。
[実施例1]
実施例1においては、無機微粒子としては両性粒子のTM−300(大明化学製、遷移アルミナ、一次粒子径7nm)を、表面処理剤としてはシランカップリング剤であるSZ6187(東レ・ダウシリコーン製)を、分散剤としては光学樹脂のマレイン酸変性物であるTOPAS TMG MAH2050(TiCoNa社製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
まず、減圧下150℃で3時間かけてTM−300を乾燥させた。次に、TM−300に対して10w%のSZ6187を表面処理剤として入れ、ロッキングミキサー(愛知電気製)に加熱装置を据え付けた装置を用いて150℃で1時間攪拌させて、表面処理を施した。
その後、逆滴定により、表面処理後のTM−300の表面に残存している塩基性基を確認した。
表面処理後のTM−300を2.0gと、0.01Nの過塩素酸MIBK溶液30mlとを三角フラスコ中で混合させてから密栓し、超音波洗浄器(BRANSONIC321、BRANSON社製)を用いて一時間超音波を照射し続けた。このようにすることにより、TM−300を分散させ、かつTM−300表面の塩基性基と過塩素酸との中和反応を進行させる。その後、混合溶液からTM−300のみを遠心分離により除去し、残った溶液の上澄み10mlをMIBK50mlで希釈した。そして、0.01NTBAH溶液を用いて滴定することにより、TM−300表面の塩基性基により中和された過塩素酸の酸価を計算した。
このようにして、得られた値から表面処理後のTM−300表面の塩基性基量を算出したところ、1.0gのTM−300の中和に要するTOPAS TMG MAH2050の計算値は1.27gであることがわかった。そこで、試験的に、1.0gの表面処理後のTM−300と、1.0gのTOPAS TMG MAH2050とを用いてキシレン中で混合させたところ、TM−300が均一に分散することが確認された。
そして、キシレン100g中に2.0gのTOPAS TMG MAH2050を溶解させたものに、表面処理を施したTM−300を2.0g投入し、ウルトラアペックス(寿技研)で0.05mmビーズを用いて周速6m/secで30分攪拌させて透明なスラリーとした。
ここで、得られたスラリー中のTM−300の体積平均粒子径をマルバーン(シスメックス製)により測定したところ、体積平均粒子径50nmで分散されていることがわかった。
次に、前記の方法で、表面処理後のTM−300を10gと、TOPAS TMG MAH2050を10gと、キシレン500gと、を用いてスラリーを準備した。これを溶液Aとする。
一方、キシレン108gに樹脂としてのAPEL12gを溶解させ、溶液Bを準備した。そして、溶液Aと溶液Bとを混合させてから、溶媒としてのキシレンを除去し、さらにポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて本実施例に係る無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料は32gであり、TM−300は10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[実施例2]
実施例2においては、無機微粒子としては両性粒子のTM−300(大明化学製、遷移アルミナ、一次粒子径7nm)を、表面処理剤としてはシランカップリング剤であるSZ6187(東レ・ダウシリコーン製)を、分散剤としては光学樹脂のマレイン酸変性物であるTOPAS TMG MAH2050(TiCoNa社製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用し、実施例1と同様にしてスラリーを調整した。つまり、表面処理後のTM−300を10g、TOPAS TMG MAH2050を10g及びキシレン500gを用いてスラリーを調整した後の、樹脂との混合方法が実施例1と異なる。
その後、前記スラリーからキシレンを除去したものと、樹脂としてのAPEL12gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて本実施例に係る無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料は32gであり、TM−300は10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[実施例3]
実施例3においては、無機微粒子としては酸性粒子のアルミナC(日本アエロジル社製、一次粒子径14nm)を、表面処理剤としてはシランカップリング剤であるSZ6187(東レ・ダウシリコーン製)を、分散剤としては光学樹脂のマレイン酸変性物であるTOPAS TMG MAH2050(TiCoNa社製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
つまり、実施例3においては、無機微粒子としてアルミナCを用いた点が実施例2と異なる。
具体的には、まず、減圧下150℃で3時間かけてアルミナCを乾燥させた。次に、アルミナCに対して10w%のSZ6187を表面処理剤として入れ、ロッキングミキサー(愛知電気製)に加熱装置を据え付けた装置を用いて150℃で1時間攪拌させて、表面処理を施した。
その後、逆滴定により、表面処理後のアルミナCの表面に残存している酸性基を確認した。
表面処理後のアルミナCを2.0gと、0.01NのTBAH溶液30mlとを三角フラスコ中で混合させてから密栓し、超音波洗浄器(BRANSONIC321、BRANSON社製)を用いて一時間超音波を照射し続けた。このようにすることにより、アルミナCを分散させ、かつアルミナC表面の酸性基とTBAHとの中和反応を進行させる。その後、混合溶液からアルミナCのみを遠心分離により除去し、残った溶液の上澄み10mlをMIBK50mlで希釈した。そして、0.01Nの過塩素酸MIBK溶液を用いて滴定することにより、アルミナC表面の酸性基により中和されたTBAHの塩基価を計算した。
このようにして、得られた値から表面処理後のアルミナC表面の酸性基量を算出したところ、1.0gのアルミナCの中和に要するTOPAS TMG MAH2050の計算値は0.79gであることがわかった。そこで、試験的に、キシレン100g中に1.58gのTOPAS TMG MAH2050を溶解させたものに、表面処理を施したアルミナCを2.0g投入し、ウルトラアペックス(寿技研)で0.05mmビーズを用いて周速6m/secで30分攪拌させたところ、アルミナCが均一に分散したスラリーとなることが確認された。
ここで、得られたスラリー中のアルミナCの体積平均粒子径をマルバーン(シスメックス製)により測定したところ、体積平均粒子径120nmで分散されていることがわかった。
次に、前記の方法で、表面処理後のアルミナCを10gと、TOPAS TMG MAH2050を7.9gと、キシレン500gと、を用いてスラリーを調整した。
その後、前記スラリーからキシレンを除去したものと、樹脂としてのAPEL14gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて本実施例に係る無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料においてアルミナCは10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[比較例1]
比較例1においては、無機微粒子としては両性粒子のTM−300(大明化学製、遷移アルミナ、一次粒子径7nm)を、表面処理剤としてはシランカップリング剤であるSZ6187(東レ・ダウシリコーン製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
比較例1においては、無機微粒子に表面処理を施してから、分散剤を用いずに樹脂と混合させた点が実施例2と異なっている。
具体的には、実施例2と同様にして、SZ6187により表面処理を施したTM−300を10gと、樹脂としてのAPEL22gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて比較例1の無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料においてTM−300は10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[比較例2]
比較例2においては、無機微粒子としては両性粒子のTM−300(大明化学製、遷移アルミナ、一次粒子径7nm)を、分散剤としては光学樹脂のマレイン酸変性物であるTOPAS TMG MAH2050(TiCoNa社製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
比較例2においては、無機微粒子に表面処理を施さずにスラリーを調整して、樹脂と混合させた点が実施例2と異なっている。
具体的には、キシレン500g中に10gのTOPAS TMG MAH2050を溶解させたものに、TM−300を10g投入し、ウルトラアペックス(寿技研)で0.05mmビーズを用いて周速6m/secで30分攪拌させて透明なスラリーとした。
その後、前記スラリーからキシレンを除去したものと、樹脂としてのAPEL12gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて比較例2の無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料においてTM−300は10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[比較例3]
比較例3においては、無機微粒子としてはA300(日本アエロジル社製、シリカ、一次粒子径7nm)を、表面処理剤としてはシランカップリング剤であるHDMS3(信越化学製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
比較例3においては、無機微粒子としてシリカを用い、その表面処理を施してから、分散工程を行わずに樹脂と混合させた点が実施例2と異なっている。
具体的には、まず、減圧下150℃で3時間かけてA300を乾燥させた。次に、A300に対して10w%のHDMS3を表面処理剤として入れ、ロッキングミキサー(愛知電気製)に加熱装置を据え付けた装置を用いて150℃で1時間攪拌させて、表面処理を施した。
その後、HDMS3により表面処理を施したA300を5gと、樹脂としてのAPEL12gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて比較例3の無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料においてA300は10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[比較例4]
比較例4においては、無機微粒子としてOX50(日本アエロジル社製、シリカ、一次粒子径40nm)を、表面処理剤としてはシランカップリング剤であるHDMS3(信越化学製)を、分散剤としては光学樹脂のマレイン酸変性物であるTOPAS TMG MAH2050(TiCoNa社製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
比較例4においては、一次粒子径が30nmよりも大きい無機微粒子を用いた点が実施例2と異なっている。
まず、減圧下150℃で3時間かけてOX50を乾燥させた。次に、OX50に対して10w%のHDMS3を表面処理剤として入れ、ロッキングミキサー(愛知電気製)に加熱装置を据え付けた装置を用いて150℃で1時間攪拌させて、表面処理を施した。
そして、キシレン125g中に2.5gのTOPAS TMG MAH2050を溶解させたものに、表面処理を施したOX50を5.0g投入し、ウルトラアペックス(寿技研)で0.05mmビーズを用いて周速6m/secで30分攪拌させて透明なスラリーとした。
その後、前記スラリーからキシレンを除去したものと、樹脂としてのAPEL9.5gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて比較例4の無機有機複合熱可塑性樹脂とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料においてOX50は10vol%含まれていた。
得られた樹脂組成物を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[比較例5]
比較例5においては、無機微粒子としては酸性粒子のアルミナC(日本アエロジル社製、一次粒子径14nm)を、表面処理剤としてはシランカップリング剤であるSZ6187(東レ・ダウシリコーン製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
比較例5においては、無機微粒子に表面処理を施してから、分散剤を用いずに樹脂と混合させた点が実施例3と異なっている。
具体的には、実施例3と同様にして、SZ6187により表面処理を施したアルミナCを10gと、樹脂としてのAPEL22gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて比較例5の無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料においてアルミナCは10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
[比較例6]
比較例6においては、無機微粒子としては酸性粒子のアルミナC(日本アエロジル社製、一次粒子径14nm)を、分散剤としては光学樹脂のマレイン酸変性物であるTOPAS TMG MAH2050(TiCoNa社製)を、樹脂としては光学樹脂のAPEL(三井化学株式会社製)を、使用した。
比較例6においては、無機微粒子に表面処理を施さずにスラリーを調整して、樹脂と混合させた点が実施例3と異なっている。
具体的には、キシレン500g中に7.9gのTOPAS TMG MAH2050を溶解させたものに、アルミナCを10g投入し、ウルトラアペックス(寿技研)で0.05mmビーズを用いて周速6m/secで30分攪拌させて透明なスラリーとした。
その後、前記スラリーからキシレンを除去したものと、樹脂としてのAPEL14gとを、ポリラボシステム(HAAKE社製)を用いて溶融混練させて比較例6の無機有機複合熱可塑性材料とした。得られた無機有機複合熱可塑性材料においてアルミナCは10vol%含まれていた。
得られた無機有機複合熱可塑性材料を、250℃で2時間保存したところ、質量減少率は2w%以下であり、残留した溶媒や未反応のシランカップリング剤などの影響による物性の劣化はみられなかった。
<光学素子サンプルの物性測定>
前記のようにして得られた無機有機複合熱可塑性材料を射出成形することによって、測定用の光学素子サンプル(厚さ3mm)を成形した。この光学素子サンプルの屈折率、温度変化率(dn/dt(×10−6/℃))、及び分光光度計UV−3150(島津製作所製)を用いて587.5nmにおける光線透過率(%)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006299001
表1中、「APEL」とは、樹脂としてのAPEL(三井化学株式会社製)のみを用いて光学素子サンプルを成形したものである。また、混合方法の「I」は、調整したスラリーと樹脂を溶解させた溶液とを混合させてから溶媒を除去させて溶融混練させる方法を示し、「II」は、調整したスラリーから溶媒を除去させてからそこに樹脂を投入して溶融混練させる方法を示す。
表1の結果より、実施例1〜3及び比較例1,2,5,6に示すように、表面処理を施された無機微粒子を、非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中に均一に分散させてスラリーを調整し、当該スラリーに樹脂を混合させることにより、無機微粒子が樹脂中に均一に分散された無機有機複合熱可塑性材料とすることができ、得られる光学素子の光線透過率を低下させずに屈折率の向上と温度変化率の低下が可能であることがわかる。
また、実施例1及び実施例2に示すように、スラリーと樹脂とを混合させる工程において、当該樹脂を予め溶媒中に溶解させた溶液とスラリーとを混合させてから溶媒を除去して無機有機複合熱可塑性材料を作製する混合方法(I)により、溶媒を除去する際の無機微粒子の凝集を防止して光学樹脂中により均一に分散させたることが可能であり、得られる光学素子の光線透過率の低下をより確実に防止することができることがわかる。
さらに、実施例2及び実施例3に示すように、両性粒子である無機微粒子(TM−300)を用いることにより、分散剤及び表面処理剤が無機微粒子表面の塩基性基と反応するので、無機微粒子の凝集を防止して樹脂と均一に分散させることが可能であり、得られる光学素子の光線透過率の低下をより確実に防止することができることがわかる。
またさらに、比較例3からは、無機微粒子としてA300を使用して分散工程を行わない場合、光線透過率の低下は防止できるものの、屈折率の低下が著しいことがわかる。比較例4からは、無機微粒子としてOX50を使用する場合、無機微粒子が均一に分散せず、光線透過率が低下してしまうことがわかる。
本発明の光学素子用樹脂組成物を用いた光学素子を適用した光ピックアップ装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 光ピックアップ装置
4 対物レンズ(OBL)
5 光ディスク(光情報記録媒体)
6 センサーレンズ(SL)
7 センサー(PD)

Claims (4)

  1. 一次粒子径が1〜30nmの無機微粒子に対して表面処理を施す表面処理工程と、
    非極性溶媒中又は非極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中で分散剤を用いて前記無機微粒子を分散させてスラリーを調整する分散工程と、
    前記スラリーと樹脂とを混合させる混合工程と、
    を順番に行うことを特徴とする無機有機複合熱可塑性材料の作製方法。
  2. 前記無機微粒子は両性粒子であることを特徴とする請求項1に記載の無機有機複合熱可塑性材料の作製方法。
  3. 前記混合工程では、前記スラリーと前記透明性樹脂を前記非極性溶媒中に溶解させた溶液とを混合させることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機有機複合熱可塑性材料の作製方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の作製方法により得られることを特徴とする光学素子用樹脂組成物。
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