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JP2006287015A - 荷電粒子線露光装置 - Google Patents

荷電粒子線露光装置 Download PDF

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JP2006287015A JP2005105830A JP2005105830A JP2006287015A JP 2006287015 A JP2006287015 A JP 2006287015A JP 2005105830 A JP2005105830 A JP 2005105830A JP 2005105830 A JP2005105830 A JP 2005105830A JP 2006287015 A JP2006287015 A JP 2006287015A
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Abstract

【課題】 磁場直流成分の分布に起因する磁場変動を低減し、荷電粒子線の描画位置精度を向上させる。
【解決手段】 電子線光路近傍の磁場を検出する磁場センサ27と、電子線光路に対して直交方向平面内を動く基板ステージ21と、前記基板ステージが所定量動いたときの電子線光路近傍の磁場を磁場センサ27にて検出した磁場検出結果と基板ステージ21の位置との関係から基板ステージ21のストローク領域に分布する磁場直流成分の量を算出するコントローラ28と、その磁場直流成分量算出結果に基いて基板ステージ21の位置に依存する電子線の描画位置を補正するアクティブ磁気シールド25とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、露光装置及びデバイス製造方法に係り、基板等の試料にパターンを描画または転写する荷電粒子線露光装置、及び、それを利用したデバイス製造方法に関する。
半導体装置の製造においては、マスク上に形成された各種パターンを光でウエハなどの基板上に縮小転写するリソグラフィ技術が利用されている。このリソグラフィ技術で用いるマスクのパターンには極めて高い精度が要求され、これを作成するのに電子線露光装置が使用されている。また、マスクを用いることなしにウエハ上に直接パターンを描画する場合も電子線露光装置等の荷電粒子線露光装置が使用されている。
電子線露光装置には、ビームをスポット状にして使用するポイントビーム型、サイズ可変の矩形断面にして使用する可変矩形ビーム型等の装置があるが、どの構成も一般的には電子線を発生させる電子銃部と、そこより発せられた電子線を試料上に導くための電子光学系と、電子線に対して全面にわたって試料を走査するためのステージ系、及び電子線を試料面上に高精度に位置決めしていくための対物偏向器を有している。
電子線の位置決め応答性は極めて高いため、ステージの機械的制御的特性を高めるよりも、ステージの姿勢や位置ずれ量を計測し、電子線を走査させる偏向器により電子線の位置決めにフィードバックしたシステム構成をとることが一般的であった。さらに、ステージは、真空チャンバ内に設置され、かつ電子線の位置決めに影響を与える磁場変動を引き起こしてはいけないという拘束があったため、従来ステージは平面方向に動きさえすればよく、例えば、転がりガイドやボールネジアクチュエータといった接触型で、概ね非磁性材料からなる、限られた機構要素で構成されていた。
接触型ステージでは潤滑の問題や、発塵などの問題も生じる。その対応技術として、特開平11−160471号公報で公開されているように、電磁石アクチュエータと、その周辺に磁気シールドを用いた非接触型6自由度ステージ構成が提案されている。この構成を図7に示す。図7において、Tは浮上体、Aはアクチュエータ、1は水平方向(x)電磁石、2は水平方向(y)電磁石、3は鉛直方向(z)電磁石、4は水平方向(x)電磁石ターゲット、5は水平方向(y)電磁石ターゲット、7は固定側永久磁石列、8は浮上側永久磁石列、9,11は固定部、13はテーブル側板、14は変位センサである。本方式によれば、漏れ磁場変動が少なく、高い清浄度環境を確保し、真空環境にも対応可能であり、かつ高い精度の位置決め動作が可能である。
そのほかに、特開2001−126651号公報に記載されているように、真空内用エアベアリングガイドと、リニアモータと、リニアモータ周辺に磁気シールドを用いた非接触ステージ構成が提案されており、この方式においても高い清浄度環境を確保し真空環境にも対応可能であり、かつ高い精度の位置決め動作が可能である。
装置外部から装置内部へ侵入してくる外乱磁場に対する対応技術として、装置周辺に高透磁率材料からなる磁気シールドを配置するという技術がある。露光装置全体を磁気シールドルームの内部に設置する構成や、真空チャンバそのものを高透磁率材料で作製して磁気シールドを兼ね備える構成、真空チャンバ壁面に高透磁率材料を配置して磁気シールドとする構成が提案されている。これらの方式によって、装置外部の外乱磁場を装置内部では低減した空間を実現していた。このとき外乱磁場とは、地磁気による磁場直流成分と、装置外部の電化製品などから放出される磁場交流成分を示している。
特開平11−160471号公報 特開2001−126651号公報
しかしながら、今後のさらなる高精度化と、高速化が求められるリソグラフィにおいて、電子線の描画位置精度を向上させるためには、上記従来例の磁気シールドを搭載したステージ構成や装置周辺の磁気シールド構成において、更に磁場環境を改善する必要がある。
上記従来例の非接触型6自由度ステージの場合、ステージ駆動用のアクチュエータとして電磁石アクチュエータを使用し、その周辺に磁気シールドを搭載している。このとき、ステージの可動部に磁気シールドが搭載されていることに注目する。
一方、装置周辺の磁気シールド構成においては、磁気シールドは装置外部の地磁気による磁場直流成分が装置内部へ侵入するのを防いでいる。このとき、磁気シールドの透磁率は無限大でないことから、装置内部にはいくらかの磁場直流成分が侵入し、分布していることに注目する。
このような環境で、磁気シールドを可動部に搭載したステージが移動すると、磁場直流成分が分布している空間内で高透磁率材料が移動することになり、ステージの位置に同期して装置内部の磁場直流成分の分布が変化する。そして、この分布の変化が連続的に発生すると磁場変動となり、結果としてこの磁場変動は、電子線光路内にも発生し、電子線の位置ずれの要因となる。この磁場変動は、ステージそのものが磁気シールドに覆われ、ステージ自身から外乱磁場をほとんど放出しない状態であっても、生じる磁場変動である。
このような磁場直流成分の分布に起因する磁場変動を低減するためには、第一に装置内部の磁場直流成分の絶対量を測定し、第二にその測定量に対応した磁場直流成分低減手段か、もしくは補正手段が有効である。それによって更なる電子線の描画位置精度向上を達成することが可能である。
本発明の目的は、磁場センサと、高透磁率材料からなる磁気シールドを可動部に備えるステージを用いて、簡易的で高精度に磁場直流成分の絶対量を測定し、その測定値に基いた補正を実施することで、荷電粒子線の描画位置精度を向上させることである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面は、荷電粒子線光路近傍の磁場を検出する磁場センサと、荷電粒子線光路に対して直交方向平面内を所定量動く基板ステージと、
前記基板ステージが所定量動いたときの荷電粒子線光路近傍の磁場を前記磁場センサにて検出した磁場検出結果と前記基板ステージ位置との関係から前記基板ステージのストローク領域に分布する磁場直流成分の量を算出する制御部と、その磁場直流成分量算出結果に基いて前記基板ステージ位置に依存する荷電粒子線の描画位置を補正する補正機構とを備えることを特徴とする荷電粒子線露光装置である。前記磁場検出結果と前記基板ステージ位置との関係は前記制御部内または外部のメモリに事前に保存しておくことが好ましい。
また、本発明の第2の側面は、荷電粒子線光路外から荷電粒子線光路内の間を往復移動可能な磁場センサと、荷電粒子線光路に対して直交方向平面内を所定量動く基板ステージと、前記基板ステージが所定量動いたときの荷電粒子線光路内の磁場を前記磁場センサにて検出した磁場検出結果と前記基板ステージ位置との関係から前記基板ステージのストローク領域に分布する磁場直流成分の量を算出する制御部と、その磁場直流成分量算出結果に基いて前記基板ステージ位置に依存する荷電粒子線の描画位置を補正する補正機構とを備えることを特徴とする荷電粒子線露光装置である。前記磁場検出結果と前記基板ステージ位置との関係は前記制御部内または外部のメモリに事前に保存しておくことが好ましい。
本発明の好適な実施の形態によれば、基板ステージは可動部に外乱磁場を放出しない高透磁率材料からなる磁気シールドを備えていることを特徴とする。
また、本発明の好適な実施の形態によれば、前記補正機構とは荷電粒子光学系であって、前記荷電粒子光学系は前記磁場直流成分量算出結果に基いて前記基板ステージ位置に同期した荷電粒子線の描画位置やフォーカスを補正することを特徴とする。
また、本発明の好適な実施の形態によれば、前記補正機構とはアクティブ磁気シールドであって、前記アクティブ磁気シールドは磁場キャンセルコイルと電源と制御部を備えて構成され、前記磁場直流成分量算出結果に基いて基板ステージのストローク領域に分布する磁場直流成分を打ち消すことを特徴とする。
また、本発明の好適な実施の形態によれば、前記アクティブ磁気シールドのターゲット空間は基板ステージのストローク全域であり、前記磁場キャンセルコイルは前記基板ステージのストローク全域を囲むように構成されることを特徴とする。
また、本発明の好適な実施の形態によれば、前記磁場センサは、荷電粒子光学系の下端から基板高さまでの間に配置されることを特徴とする。
また、本発明は、上記いずれかの荷電粒子線露光装置を用いて露光対象に露光を行う工程と、露光された前記露光対象を現像する工程と、を具備することを特徴とするデバイス製造方法にも適用される。
本発明によれば、磁場直流成分の分布に起因する磁場変動を低減することが可能であり、荷電粒子線の描画位置精度を確実に向上させることができる。
本発明は、荷電粒子線露光装置に関し、例えば、真空または所定圧力雰囲気内で電子線を用いて露光を行う電子線露光装置に適用可能である。本発明を実施するための好ましい形態によれば、例えば、露光の対象物である試料が載置されるステージと磁場センサを用いて、簡易的に露光環境内の磁場直流成分絶対量を測定し、その測定値に基いて補正することで、電子線の描画位置精度を向上させることができる。
図1は、本発明の実施例1に係る電子線露光装置の概略構成を示す図である。この露光装置は、電子線を基板30へ導く電子光学系20、基板30を走査する基板ステージ21、基板周辺を真空に維持するための試料室22、外部から基板30や基板ステージ21周辺へ侵入してくる磁場直流成分と磁場交流成分を減衰させるパッシブ磁気シールド23、基板30と基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分を電流による磁場で打ち消すアクティブ磁気シールド25、及び電子線光路内の磁場を測定するための可動式磁場センサ27を備えて成っている。
基板ステージ21は、図2に示すように、電子線光路 (Z軸)と直交するXY方向に移動可能なXYステージである。基板ステージ21は、天板31、底板32及び側板33を備えて構成されている。天板31は、上面に、例えば不図示の、ウエハを保持する基板ホルダ、位置計測するためのX反射ミラー、及びY反射ミラーを搭載している。基板ステージ21のXY位置は、例えば、試料室22に保持された図示していないレーザ干渉計によりチャンバ内壁基準に計測している。
底板32の下面には軸受がステージベース35の上面に対向して構成され、また側板33の内側には同様の軸受がX可動ガイド36及びY可動ガイド37を挟み込むように構成されている。X可動ガイド36と、Y可動ガイド37は田の字のように構成されており、基板ステージ21をX方向に動かす場合は、X可動ガイド36をX方向に動かすことにより、Y可動ガイド37の側面及びステージベース35の上面に沿って滑らかに動くことができる。また、基板ステージ21をY方向に動かす場合は、Y可動ガイド37をY方向に動かすことにより、X可動ガイド36の側面及びステージベース35の上面に沿って滑らかに動くことができる。X可動ガイド36、及びY可動ガイド37の両側にはそれぞれリニアモータ40が配置され、X可動ガイド36、及びY可動ガイド37にはリニアモータ40の可動子41が取付けられ、ステージベース35にはリニアモータ40の固定子42が固定されている。可動子41と固定子42は常に非接触で保持されており、固定子42の内部には複数のコイルが設けられ、可動子41の内部には界磁用の複数の磁石が設置され、コイルに電流を流すことで、可動子41と固定子42の間でローレンツ力を発生させ、推力を固定子42から可動子41へ非接触で伝達できる。可動子41の外側には、前記磁石を取り囲むようにパーマロイなどの高透磁率材料からなる磁気シールド43が構成され、磁石から電子線光路へ及ぶ磁場を減衰させている。基板ステージ21を構成する部材は概ね非磁性材料から構成され、磁石など磁場を発生させるものは磁気シールド43で覆っているため、基板ステージ21全体から電子線光路へ向けて外乱磁場をほとんど放出しない構成になっている。ここで言う外乱磁場を放出しない基板ステージ21とは、超低磁場環境を実現している磁気シールドルーム内で駆動しても、電子線描画位置での磁場は変動しない(例えば磁場変動量ΔB=1mG以下)ステージとする。
試料室22は、図1に示すように、真空隔壁によって基板30と基板ステージ21を内部に含むように構成され、不図示の試料室用真空ポンプにより内部は真空排気され、内部の雰囲気は、高真空(例えば10−4Pa台)に保たれる。
可動式磁場センサ27は、図1に示すように、試料室22の内部に設置され、電子線光路外と電子線光路内を往復移動可能になっている。可動式磁場センサ27は、その測定部分に、X方向、Y方向、及びZ方向磁場を計測可能なプローブを備えており、同時に3軸方向の磁場を測定可能である。それぞれXYZ方向に、X方向磁場測定用プローブ、Y方向磁場測定用プローブ、及びZ方向磁場測定用プローブが装備されていても良い。プローブは、電子光学系20の下端とウエハ(基板)30の上面とに挟まれる高さの中で、電子線光路外から電子線光路内を往復できる移動機構の上に設置されている。磁場を測定するときは、プローブが電子光学系20の下端とウエハ上面との間の電子線光路内へ移動して磁場を測定し、測定結果をアクティブ磁気シールド25のコントローラ28へ出力する。電子線を描画するときは、プローブが電子線光路外へ移動して待機している。可動式磁場センサ27全体は、脱ガスの少ない非磁性材料(例えばアルミニウム、リン青銅、ステンレス鋼、樹脂、セラミックス)で覆われており、試料室22内を高真空に維持している。
アクティブ磁気シールド25は、図1に示すように、磁場キャンセルコイルであるXYZの各方向用コイルX1,X2,Y1,Y2,Z1,Z2と、XYZの各方向用電源29X,29Y,29Z、及びコントローラ28を備えて構成される。これらのコイルと、電源、及びコントローラは試料室22の外側に配置される。コイルは、試料室22を囲むように設置され、軸方向がX方向になる2個のX方向用コイルX1,X2、軸方向がY方向になる2個のY方向用コイルY1,Y2、及び軸方向がZ方向になる2個のZ方向用コイルZ1,Z2から構成される。コイルは、XYZ方向それぞれにおいて、2個のコイルに挟まれる中間の位置に、基板ステージ21のストローク中心が位置するように配置する。このコイル配置によって、コイルに電流を流したときに発生する磁場は、基板ステージ21のストローク全域に一様に分布させることができる。
アクティブ磁気シールド25は、例えば、X方向の場合、2個のX方向用コイルX1,X2にそれぞれ同方向の磁場を発生するように電源29Xから電流を供給すると、2個のX方向用コイルX1,X2からX方向において同方向の磁場を発生させる(図3(a))。結果的に2個のX方向用コイルX1,X2がそれぞれつくる磁場の重ね合わせによって、基板ステージ21のストローク全域に概ね一様なX方向磁場を発生させることができる(図3(b))。アクティブ磁気シールド25は、前記可動式磁場センサ27の出力値に基いて、2個のX方向用コイルX1,X2に、ある一定の直流電流を流すと、電流を流す以前に基板ステージ21のストローク全域に分布していたX方向磁場直流成分を打ち消すことができる。アクティブ磁気シールド25は、Y方向、及びZ方向においても同様であり、それぞれの方向に配置された2個のコイルに直流電流を供給することで、基板ステージ21のストローク全域に概ね一様な磁場を発生させることができる。そして、アクティブ磁気シールド25は、前記可動式磁場センサ27の出力値に基いて、ある一定の直流電流を流すと、電流を流す以前に基板ステージ21のストローク全域に分布していたY、及びZ方向磁場直流成分を打ち消すことができる。
コントローラ28は、可動式磁場センサ27の出力値を受けて、X方向用コイルX1,X2、Y方向用コイルY1,Y2、及びZ方向用コイルZ1,Z2にそれぞれ供給すべき電流値を決定する。そして、コントローラ28は、X方向用コイルX1,X2、Y方向用コイルY1,Y2、及びZ方向用コイルZ1,Z2にそれぞれ接続されたX方向用電源29X、Y方向用電源29Y、及びZ方向用電源29Zへ指令を出す。このとき、X方向用コイルX1,X2、Y方向用コイルY1,Y2、及びZ方向用コイルZ1,Z2に供給する電流は、それぞれ独立した電流を流す。これによってXYZ方向のそれぞれの磁場を独立に打ち消すことができる。
パッシブ磁気シールド23は、例えばパーマロイ、軟鉄、ケイ素鋼板などの高透磁率材料から構成され、基板ステージ21のストローク全域を囲むように設置されている(図1)。本実施例では、パッシブ磁気シールド23は、薄い高透磁率材料の平板を磁気シールドとして試料室22の真空隔壁に隙間のないように取り付けることで構成している。更にパッシブ磁気シールド23の磁気シールド性能を強化したい場合は、パッシブ磁気シールド23は、2重から、3重へと多重構成にしたり、磁気シールドの厚さを厚くしたり、真空隔壁そのものを高透磁率材料で構成したりすることで可能である。このようなパッシブ磁気シールド23は、外部から内部へ侵入してくる地磁気などの磁場直流成分や外部の電化製品から放出される磁場交流成分を低減することができる。前記アクティブ磁気シールド25のX方向用コイルX1,X2、Y方向用コイルY1,Y2、Z方向用コイルZ1,Z2より外側に配置することで、アクティブ磁気シールド25が打ち消さなければならない磁場直流成分の絶対量がパッシブ磁気シールド23によって軽減される。つまりアクティブ磁気シールド25のコイルに流すべき直流電流の量を少なくすることが可能であり、露光装置全体に与える熱的外乱のひとつであるコイル発熱量を軽減することが可能である。
これより以下に、本発明における磁場直流成分の絶対量の測定方法の例について説明し、いかにして装置内部の磁場直流成分を低減することで磁場変動を減少させ、電子線の描画位置精度向上を達成しているかについて述べる。
基板ステージ21のストローク全域は、パッシブ磁気シールド23に囲まれており、そこには地磁気よりも小さいいくらかの磁場直流成分が分布している。この磁場分布の中で、磁気シールド43を可動子41に搭載した基板ステージ21が移動すると、基板ステージ21の位置に同期して磁場直流成分の分布が変化する。図4(a)に示すように、基板ステージ21がX正方向の位置に停止しているとき、パッシブ磁気シールド23内の磁場直流成分は、基板ステージ21の磁気シールド43に引き付けられて、X正方向に片寄った分布になる。同様に図4(b)に示すように、基板ステージ21がX負方向の位置に停止しているとき、パッシブ磁気シールド23内の磁場直流成分は、基板ステージ21の磁気シールド43に引き付けられ、X負方向に片寄った分布になる。そして、基板ステージ21が連続的に移動すると、上記の磁場直流成分の分布が連続的に変化することになり、パッシブ磁気シールド23内に基板ステージ21の位置に同期した磁場変動が発生する。この磁場変動は、ウエハ上の電子光路内でも発生し、電子線描画位置の位置ずれの要因となる。この磁場変動は、基板ステージ21が外乱磁場をほとんど放出しない構成であっても、磁気シールド43を可動子41に備えていることに起因して発生する磁場変動である。この磁場変動を防ぐためには、第一に磁場直流成分の絶対量を高精度に測定し、第二に磁場直流成分をアクティブ磁気シールド25で打ち消すことが有効である。
磁場直流成分の絶対量の測定方法について述べる。可動式磁場センサ27は、プローブを電子光路内へ移動させる。そして、基板ステージ21をある所定の方向に所定量だけゆっくり移動させたときの磁場変動量を測定し、アクティブ磁気シールド25のコントローラ28へ出力する。磁場測定と同時に基板ステージ21の位置も記録しておき、コントローラ28へ出力する。コントローラ28は、こうして得られた磁場−基板ステージ位置曲線を元にして、基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分の絶対量を算出する。
例として、基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分のうち、X方向磁場とZ方向磁場の絶対量を算出する場合について述べる。基板ステージ21をX方向へある位置からある位置へゆっくり移動させる。このときの電子線光路内のX方向の磁場を測定すると、磁場−基板ステージ位置曲線は、図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示すようになる。基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分がX方向磁場のみのとき図5(a)に示すような曲線が得られる。磁場直流成分がY方向磁場のみのとき、図5(b)に示すように、ほとんど磁場は検出されない。磁場直流成分がZ方向磁場のみのとき、図5(c)に示すような曲線が得られる。そして、基板ステージ21のストローク全域に、ある比率でX方向磁場とY方向磁場とZ方向磁場の磁場直流成分が混在するとき、図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示す曲線を先の比率で重ね合わせた曲線が得られる。このため、今回の測定で得られた磁場−基板ステージ位置曲線を図5(a)に示すような左右対称の曲線と、図5(c)に示すような左上がりの曲線に分解することができる。図5(a)及び図5(c)に示す曲線のMAX値とMIN値の差分は、分布する磁場直流成分のX方向磁場とZ方向磁場の絶対量にそれぞれ比例するので、事前にその比例定数を調べてコントローラ28に入力しておくと、磁場直流成分のX方向磁場とZ方向磁場の絶対量を算出することができる。
基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分のうち、Y方向磁場とZ方向磁場の絶対量を算出する場合についても同様である。基板ステージ21をY方向へある位置からある位置へゆっくり移動させる。このときの電子線光路内のY方向の磁場を測定すると、磁場−基板ステージ位置曲線は、図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示すようになる。基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分がX方向磁場のみのとき、図6(a)に示すようにほとんど磁場は検出されない。磁場直流成分がY方向磁場のみのとき、図6(b)に示すような曲線が得られる。磁場直流成分がZ方向磁場のみのとき、図6(c)に示すような曲線が得られる。そして、基板ステージ21のストローク全域に、ある比率でX方向磁場とY方向磁場とZ方向磁場の磁場直流成分が混在するとき、図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示す曲線を先の比率で重ね合わせた曲線が得られる。このため、今回の測定で得られた磁場−基板ステージ位置曲線を図6(b)に示すような左右対称の曲線と、図6(c)に示すような左上がりの曲線に分解することができる。図6(b)及び図6(c)に示す曲線のMAX値とMIN値の差分は、分布する磁場直流成分のY方向磁場及びZ方向磁場の絶対量にそれぞれ比例するので、事前にその比例定数を調べてコントローラ28に入力しておくと、磁場直流成分のY方向磁場及びZ方向磁場の絶対量を算出することができる。
このようにして得られた基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分の絶対量を元にして、コントローラ28は磁場直流成分のXYZ方向磁場を打ち消すようにアクティブ磁気シールド25のX方向用コイルX1,X2、Y方向用コイルY1,Y2、及びZ方向用コイルZ1,Z2に流すべき電流値を決定する。そして、決定した電流値をそれぞれX方向用コイルX1,X2、Y方向用コイルY1,Y2、及びZ方向用コイルZ1,Z2に流すことで、コイルの磁場によって基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分を打ち消すことができる。基板ステージ21のストローク全域ではほとんど磁場直流成分が軽減されるので、基板ステージ21が移動したときの磁場直流成分の分布に起因する電子光路内の磁場変動は、概ね低減される。露光するときは、アクティブ磁気シールド25のコイルに所定の直流電流を流し続けておき、可動式磁場センサ27は露光の邪魔にならないように電子光路外へ待機する。こうして、磁場直流成分の分布に起因する電子線描画位置の位置ずれを低減することができ、描画位置精度を向上させることができる。
また、前述のような測定方法で得られた基板ステージ21のストローク全域に分布する磁場直流成分の絶対量を不図示の電子光学系制御部へフィードバックし、電子光学系20で、磁場直流成分の分布に起因する電子線描画位置のずれを補正することも有効である。磁場測定からZ方向磁場−基板ステージ位置の関係を得ると、フォーカスの補正も可能である。
可動式磁場センサ27に使用する磁場センサの種類には、SQUID方式、フラックスゲート方式、磁気抵抗素子方式、ホール素子方式、及びコイルの誘起電圧から測定するサーチコイル方式などが挙げられる。しかし、いずれの磁場センサにおいても磁場交流成分の測定は比較的容易に実施できるが、磁場直流成分の絶対量を高精度に測定するのは容易ではない。それは、磁場センサの出力値において、磁場ゼロの出力値を高精度に校正するためには、高い磁気シールド性能を持つゼロチャンバ(ゼロチャンバ内は磁場ゼロを概ね達成しているもの)を必要とするからである。本発明における磁場直流成分絶対量の測定方法は、基板ステージ21が動くときの磁場変動量(磁場交流成分)測定値を磁場直流成分絶対量に換算するものである。そのため、比較的容易に、かつ高精度に磁場直流成分絶対量を測定することができる。
本実施例では、磁場センサは可動式磁場センサ27であり、電子線光路内の磁場変動量を測定していた。電子線光路内の磁場を直接測定することが最も望ましいが、磁場センサは、露光の邪魔にならないような電子線光路近傍の位置に設置し、固定して、電子線光路近傍の磁場変動を測定しても良い。
本実施例で述べていた高透磁率材料とは、パーマロイ、軟鉄、ケイ素鋼などの比透磁率が1より大きい材料を示している。
以上説明したように、本実施例により、磁場センサと、高透磁率材料からなる磁気シールド43を可動部に備えるステージを用いて、簡易的で高精度に磁場直流成分の絶対量を測定し、その測定値に基いた補正を実施することで、磁場直流成分の分布に起因する磁場変動を低減することが可能であり、結果的に電子線の描画位置精度を向上させることができる。
次に、本発明の実施例2として、上記実施例1に係る露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図8は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(EBデータ変換)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記露光制御データが入力された露光装置とウエハを用い、リソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに焼付け露光する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
本発明の実施例1に係る露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施例1に係る基板ステージの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施例1に係る磁場キャンセルコイルと発生磁場の関係を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る基板ステージと磁場直流成分の分布の関係を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る磁場測定結果を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る磁場測定結果を説明するための図である。 従来例のステージの構成を例示する図である。 半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。
符号の説明
20:電子光学系、21:基板ステージ、22:試料室、23:パッシブ磁気シールド、25:アクティブ磁気シールド、27:可動式磁場センサ、28:コントローラ、29X:X方向用電源、29Y:Y方向用電源、29Z:Z方向用電源、30:基板、31:天板、32:底板、33:側板、35:ステージベース、36:X可動ガイド、37:Y可動ガイド、40:リニアモータ、41:可動子、42:固定子、43:磁気シールド。

Claims (8)

  1. 荷電粒子線光路近傍の磁場を検出する磁場センサと、
    荷電粒子線光路に対して直交方向平面内を所定量動く基板ステージと、
    前記基板ステージが所定量動いたときの荷電粒子線光路近傍の磁場を前記磁場センサにて検出した磁場検出結果と前記基板ステージ位置との関係から前記基板ステージのストローク領域に分布する磁場直流成分の量を算出する制御部と、
    その磁場直流成分量算出結果に基いて前記基板ステージ位置に依存する荷電粒子線の描画位置を補正する補正機構とを備えることを特徴とする荷電粒子線露光装置。
  2. 荷電粒子線光路外から荷電粒子線光路内の間を往復移動可能な磁場センサと、
    荷電粒子線光路に対して直交方向平面内を所定量動く基板ステージと、
    前記基板ステージが所定量動いたときの荷電粒子線光路内の磁場を前記磁場センサにて検出した磁場検出結果と前記基板ステージ位置との関係から前記基板ステージのストローク領域に分布する磁場直流成分の量を算出する制御部と、
    その磁場直流成分量算出結果に基いて前記基板ステージ位置に依存する荷電粒子線の描画位置を補正する補正機構とを備えることを特徴とする荷電粒子線露光装置。
  3. 前記基板ステージは可動部に外乱磁場を放出しない高透磁率材料からなる磁気シールドを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の荷電粒子線露光装置。
  4. 前記補正機構とは荷電粒子光学系であって、
    前記荷電粒子光学系は前記磁場直流成分量算出結果に基いて前記基板ステージ位置に同期した荷電粒子線の描画位置やフォーカスを補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置。
  5. 前記補正機構とはアクティブ磁気シールドであって、
    前記アクティブ磁気シールドは磁場キャンセルコイルと電源と制御部とを備えて構成され、
    前記磁場直流成分量算出結果に基いて前記基板ステージのストローク領域に分布する磁場直流成分を打ち消すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置。
  6. 前記アクティブ磁気シールドのターゲット空間は前記基板ステージのストローク全域であり、前記磁場キャンセルコイルは前記基板ステージのストローク全域を囲むように構成されることを特徴とする請求項5に記載の荷電粒子線露光装置。
  7. 前記磁場センサは、前記荷電粒子光学系の下端から基板高さまでの間に配置されることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子線露光装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置を用いて露光対象に露光を行う工程と、露光された前記露光対象を現像する工程と、を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
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