JP2006282880A - 感光性樹脂組成物及び物品 - Google Patents
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Abstract
Description
さらには、解像性に優れ、低コストで、ポリイミド前駆体の構造上適用可能な選択肢の範囲が広い感光性樹脂組成物に関し、特に、電磁波によるパターニング工程を経て形成される製品又は部材の材料(例えば、光学製品、光学部品の成形材料、層形成材料又は接着剤など)として好適に利用することが出来るポリイミド前駆体樹脂組成物、及び、当該樹脂組成物を用いて作製した物品に関するものである。
また、近年、ポリイミドの有する課題を解決する為に、類似の加工工程を有し、低吸水性で低誘電率を示すポリベンゾオキサゾールや、基板との密着性に優れるポリベンゾイミダゾール等も精力的に研究されている。
前者は、溶媒溶解性に優れる前駆体を用いることで加工特性に優れ、後者は、高温の熱処理等が必要とされるイミド化のプロセスをパターン形成後に行う必要が無いという利点があり、それぞれの用途に応じて使い分けられている。
前駆体を利用するタイプのポリイミドのパターニングをする手段としても、種々の手法が提案されている。その代表的な手法は、以下の2つに大別される。
(1) ポリイミド前駆体自身にはパターニング能力がなく、感光性樹脂層をその表面に形成し、その感光性樹脂のパターンによってポリイミド前駆体がパターニングされる手法。
(2) ポリイミド前駆体自身に感光性部位を結合や配位させて導入し、その作用によりパターン形成する手法、または、ポリイミド前駆体に感光性成分を混合し樹脂組成物とし、その感光性成分の作用でパターン形成する手法。さらには、感光性部位の導入と感光性成分の混合の両方を組み合わせた手法。
(a) ポリイミドの前駆体のポリアミック酸に、電磁波の露光前は溶解抑止剤として作用し、露光後は、カルボン酸を生成し溶解促進剤となる、ナフトキノンジアジド誘導体を混合し、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;
(b) ポリイミドの前駆体のポリアミック酸に、電磁波の露光によりイミド化の触媒作用を示す塩基性物質となるジフェニミン誘導体等の化合物を混合し、露光後に、適度な温度で加熱することにより、露光部に発生した塩基性物質の作用で露光部は部分的にイミド化されるため、現像液に対する溶解性が低下し、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、完全にイミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;
(d) ポリイミド前駆体のポリアミック酸と塩基性部位を有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する骨格を混合することで、両者をイオン結合させ、そこに光ラジカル発生剤を混合することで露光部に架橋構造を形成して現像液に対する溶解性を低下させ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;
及び、
(e) ポリイミドの前駆体のポリアミック酸に、光酸(または光塩基)発生剤と架橋剤を混合し、露光後、加熱することで露光によって発生した酸(または塩基)の作用によって架橋を進行させ、現像液に対する溶解性が低下させることで、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくしパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法、などの手法が提案されている。
一方、(2)のグループに属する手法では、ポリイミド前駆体(または、ポリイミド前駆体樹脂組成物)自身がパターン形成能を有するため、(1)のグループで用いたようなレジスト層が必要なく、プロセスが大幅に簡便になるという特徴があるが、ポリイミド前駆体自身が露光波長を十分に透過しないと、感光性成分に電磁波が届かず感度の低下や、パターンが形成できない等の問題が発生するため、露光波長に対し透過率の高い骨格を選ぶ必要がある。
露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストが大きければ大きいほど現像後の残膜率が大きく、更に形状も良好なパターンを得ることができる為、従来、現像液の濃度や光酸(又は塩基)発生剤の量を調整したり、溶解促進剤の添加が必要であった。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、その目的はポリイミド前駆体の種類を問わず大きな溶解性コントラストを得られ、結果的に、十分なプロセスマージンを保ちつつ、形状が良好なパターンを得ることができる感光性樹脂組成物を提供することにある。
またさらに、本発明に係る感光性樹脂組成物は、高分子前駆体として、種々の用途へ応用展開されているポリイミド前駆体を適用することで、より幅広い用途に適用可能な感光性ポリイミド樹脂組成物として利用できる。
本発明によれば、従来、露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストを取りにくかったポリイミド前駆体についても、溶解阻害剤、溶解抑制剤の適用なしで良好なパターン形状を得ることができる。
また、前記式(1)で表されるN−芳香族グリシン誘導体に属する化合物は比較的安価に入手できることから、コストパフォーマンスにも優れる。
特に、本発明に係る感光性樹脂組成物は、主にパターン形成材料(レジスト)用いられ、それによって形成されたパターンは、永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能し、例えば、カラーフィルター、電子部品、半導体素子、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材又は電子部材を形成するのに適している。
加えて、上記高分子前駆体樹脂組成物の1形態である感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物は、広範な構造のポリイミド前駆体を選択できる為、それによって得られるポリイミドは、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等のポリイミドが特徴的に有する機能を付与することが可能であることから、ポリイミドが適用されている公知の全ての部材用のフィルムや塗膜として好適である。
光塩基発生剤としての機能
溶解促進剤としての機能
溶解阻害剤としての機能
という、感光性高分子を形成する上で求められる3つの機能を1分子で併せ持つことが可能である。
この為、式(1)で表されるN−芳香族グリシン誘導体が、それのみで複数の機能を発揮することによって、これまで溶解性のコントラストが取りにくかった、現像液に対する溶解性の大きな高分子前駆体に対しても大きな溶解性コントラストを得ることできる。
さらに、溶解促進剤や溶解阻害剤を新たに加えなくても感光性高分子前駆体として機能させることもできる。
本発明は、それら3種の機能を1つの化合物が発揮することで、より簡便に感光性樹脂組成物を調製することができ、適用できる高分子前駆体の選択範囲が広く、しかも安価な感光性化合物を見出し、その感光性高分子前駆体樹脂組成物とその環化物の特性を生かすことが出来る分野での好適な応用、特にその代表例である感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物とそのイミド化物の特性を生かすことが出来る分野での好適な応用を示す。
R1〜R5は互いに同一であっても異なっていても良い。R1〜R5のうちの2つ又は3つ以上の基は、互いに結合して環状構造を形成していても良い。
かかる観点から、アミノ基の窒素原子上に導入し得る1価の有機基としては、例えば、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、又は、フェニル、ナフチル等の芳香族基、アリル基等の炭化水素骨格を有する基が挙げられる。
R6の位置に水素原子を有する場合には、脱炭酸反応による塩基の発生が容易となるので、露光時の照射感度が上げることができる。一方、R6の位置に炭化水素骨格を有する基、特に、炭素数が1〜20程度、好ましくは炭素数が1〜8程度の基を有する場合には、強い塩基が発生するのでイミド化反応の進行を促進することができる。
これら、エチレン性不飽和結合含有基は、特開平2−238002に開示されているように、N−フェニルグリシン誘導体に含まれる窒素原子が2級の窒素(2級のアミノ基)の場合に、グリシジルメタクリレートのようなグリシジル基とエチレン性不飽和結合を両方有する化合物を反応させる方法で導入することができる。
さらに、溶解阻害効果を付与する為に、R7及び/又はR8の位置には、R1〜R5として例示したような、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を1つ以上構造内に有する1価のエチレン性不飽和結合含有基等を導入してもよい。
R9の位置に導入し得る1価の有機基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アセチル基、アセトキシ基、スルホン基、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、又は、フェニル、ナフチル等の芳香族基、アリル基等が挙げられる。
さらに、溶解阻害効果を付与する為に、R9の位置には、R1〜R5として例示したような、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を1つ以上構造内に有する1価のエチレン性不飽和結合含有基等を導入してもよい。
また、N−フェニルグリシン誘導体の分子内に置換基R1〜R9のうちの1つ以上を導入することにより、吸収する光の波長を調整することが可能であり、置換基を導入することで所望の波長を吸収させるようにすることもできる。
特に、その芳香族環上の置換基R1〜R5は、光塩基発生剤としての性能に影響を与える可能性が少ない位置なので、吸収波長を調整する観点から比較的自由に置換基の種類を選択することが可能である。
本発明において、高分子前駆体は、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体であれば、そのメカニズムからどのようなポリイミド前駆体であってもよく、2種以上の別々に合成した高分子前駆体の混合物でも良い。
ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体としてアルカリ溶液に可溶性のものを用い、N−芳香族グリシン誘導体として、その分子末端にカルボキシル基を有するものを組み合わせて用い、アルカリ現像を行う場合には、非露光部ではカルボキシル基の作用により溶解性が高いが、露光部では脱炭酸反応によりカルボキシル基による溶解促進作用が失われ、露光部と非露光部の間の溶解性のコントラストを向上させることができる。ここで、アルカリ可溶性のポリイミド前駆体としては、ポリアミック酸が好適に用いられ、ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、ポリアミドアルコールが好適に用いられる。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接又は置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(4)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、最終的に得られるポリイミドを光導波路、光回路部品として用いる場合には、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると1μm以上の波長の電磁波に対しての透過率を向上させることができる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いても良い。
N−フェニルグリシン誘導体は、N−フェニルグリシンとグリシジルメタクリレートを反応させることにより合成できる。N−フェニルグリシンのナトリウム塩と重合禁止剤のハイドロキノンを蒸留水―メタノール混合溶媒に溶かし、液温を40℃〜50℃に保ちながら撹拌し、グリシジルメタクリレートをゆっくり滴下する。2〜7時間撹拌後、蒸留水を加え、1規定塩酸で酸性化し、生じた沈殿物を濾過、乾燥し目的物を得ることができる。
また、N−フェニルグリシン誘導体は、4−ビニルアニリンとブロモ酢酸エチルとを反応させて得ることもできる。4−ビニルアニリンと、炭酸カリウムと、ジメチルホルムアミドを室温で撹拌する。そこへ、4−ビニルアニリンと等モルのブロモ酢酸エチルを徐々に添加し、室温で5時間から48時間撹拌した後、氷水に反応溶液を投入し析出した沈殿物を濾過、乾燥する。その沈殿物を水酸化アルカリ等で加水分解し、目的物を得ることができる。
このようにして合成されるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドに耐熱性及び寸法安定性を求める場合には、芳香族酸成分及び/又は芳香族アミン成分の共重合割合ができるだけ大きいことが好ましい。具体的には、イミド構造の繰り返し単位を構成する酸成分に占める芳香族酸成分の割合が50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましく、イミド構造の繰り返し単位を構成するアミン成分に占める芳香族アミン成分の割合が40モル%以上、特に60モル%以上であることが好ましく、全芳香族ポリイミドであることが特に好ましい。
露光波長に対してポリイミド前駆体の透過率が高いということは、それだけ、光のロスが少ないということであり、高感度の感光性樹脂組成物を得ることができる。
また、一般的な露光光源である高圧水銀灯を用いて露光を行う場合には、少なくとも436nm、405nm、365nm、の波長の電磁波のうち1つの波長の電磁波に対する透過率が、厚み1μmのフィルムに成膜した時で好ましくは5%以上、さらに好ましくは15%、さらに好ましくは50%以上である。
波長が248nmであるKrFレーザーで露光する場合には、248nmにおける透過率が、厚み1μmのフィルムに成膜した時で好ましくは5%以上、さらに好ましくは15%、さらに好ましくは50%以上である。
ここで用いている分子量とは、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいい、ポリイミド前駆体そのものの分子量でも良いし、無水酢酸等で化学的イミド化処理を行った後のものでも良い。
感光性樹脂組成物を溶解、分散又は希釈する溶剤としては各種の汎用溶剤を用いることが出来る。また、前駆体としてポリアミド酸を用いる場合には、ポリアミド酸の合成反応により得られた溶液をそのまま用い、そこに必要に応じて他の成分を混合しても良い。
光によって酸を発生させる化合物としては、1,2-ベンゾキノンジアジドあるいは1,2-ナフトキノンジアジド構造を有する感光性ジアゾキノン化合物があり、米国特許明細書第2,772,972号、第2,797,213号、第3,669,658号に提案されている。
また、トリアジンやその誘導体、スルホン酸オキシムエステル化合物、スルホン酸ヨードニウム塩、スルホン酸スルフォニウム塩等、公知の光酸発生剤を用いることができる。
光によって塩基を発生させる化合物としては、例えば2,6-ジメチル-3,5-ジシアノ-4-(2’-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン、2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2’-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン、2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2’,4’-ジニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジンなどが例示できる。これらは、活性光線に曝されると分子構造が分子内転移を経てピリジン骨格を有する構造に変化して塩基性を呈するようになり、その後の130℃以上での加熱処理によって、ポリイミド前駆体のイミド化が進行し、溶解性が低下し、良好なネガ型パターン形成ができる。
また、その他の任意成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜95重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、95重量%を超えると、特性が最終生成物に反映されにくい。なお、感光性樹脂組成物の固形分とは溶剤以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
本発明に係る感光性樹脂組成物を何らかの支持体上に塗布し、電磁波等の光を用いて所定のパターン状に露光すると、露光部においてN−芳香族グリシン誘導体が脱炭酸反応を起こして2級アミンまたは3級アミンが生成する。従って、N−芳香族グリシン誘導体が光塩基発生剤として機能し、露光部のポリイミド前駆体をイミド化させる。
また、前記式(1)におけるReが水酸基である場合には、N−芳香族グリシン誘導体の末端にカルボキシル基が存在するため、非露光部ではカルボキシル基の存在によりアルカリ現像液に対する溶解性を促進するが、露光部では脱炭酸反応によりカルボキシル基が分解し、アルカリ現像液に対する溶解性を促進する作用が弱くなるか又は完全に失われる。
その結果、式(1)におけるReが水酸基であるN−芳香族グリシン誘導体を用い、アルカリ現像を行う場合には、N−芳香族グリシン誘導体が非露光部に対する溶解促進剤として機能し、露光部と非露光部の溶解性コントラストを大きくすることができる。
また、前記式(1)におけるRa、Rb、Rc、Rd又はReのうちの少なくとも1つがエチレン性不飽和結合を有する基である場合には、露光部ではN−芳香族グリシン誘導体の脱炭酸反応により生成したラジカルの作用で、N−芳香族グリシン誘導体のエチレン性不飽和結合がラジカル重合反応する。
その結果、N−芳香族グリシン誘導体の置換基がエチレン性不飽和結合を有する基である場合には、N−芳香族グリシン誘導体が露光部に対する溶解阻害剤として機能し、露光部と非露光部の溶解性コントラストを大きくすることができる。
従って、本発明に係る感光性樹脂組成物は、露光部が硬化するネガ型の感光性樹脂組成物として用いることができる。
また、現像の後で、熱処理を行ってもよい。この段階での熱処理の温度は、通常150℃〜400℃程度とする。
この熱処理は、公知の方法であればどの方法でもよく、具体的に例示すると、空気、又は窒素雰囲気下の循環オーブン、ホットプレートによる加熱などが挙げられるが特に限定されない。
例えば、本発明の感光性樹脂組成物から得られるポリイミド及びポリベンゾオキサゾールの窒素中で測定した5%重量減少温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がさらに好ましい。特に、はんだリフローの工程を通るような電子部品等の用途に用いる場合は、5%重量減少温度が300℃以下であると、はんだリフローの工程で発生した分解ガスにより気泡等の不具合が発生する恐れがある。ここで、5%重量減少温度とは、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から5%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の95%となった時点)の温度である。同様に10%重量減少温度とはサンプル重量が初期重量から10%減少した時点の温度である。
本発明の感光性樹脂組成物から得られるポリイミド及びポリベンゾオキサゾールの寸法安定性の観点から、線熱膨張係数は60ppm以下が好ましく、40ppm以下がさらに好ましい。半導体素子等の製造プロセスにおいてシリコンウェハ上に膜を形成する場合には、密着性、基板のそりの観点から20ppm以下がさらに好ましい。
N−フェニルグリシン 1.57g(10mmol)と400mgの水酸化ナトリウムを溶解させた蒸留水 5mlを50mL(ミリリットル)のなすフラスコへ入れ、室温で撹拌する。そこへ、ハイドロキノン10mgとメタノール5mlを加え完全に溶解させた後、グリシジルメタクリレート 1.42g(10mmol)を徐々に滴下する。滴下終了後から2時間撹拌した後、1規定塩酸を加え中和すると、白色沈殿が析出した。その沈殿を減圧乾燥し、2.9gの感光性化合物1を得た。感光性化合物1の構造を以下に示す。
4−ビニルアニリン 1.19g(1mmol)と、炭酸カリウム 1.52g(1.1mmol)と、脱水されたジメチルホルムアミド 20mlを100mlのなすフラスコへ入れ、撹拌する。反応容器を氷浴で冷却しながらブロモ酢酸エチル 1.84g(1.1mmol)を徐々に滴下し、滴下終了後、室温へ戻す。24時間後、氷水1Lの中へ投入し、析出した沈殿を減圧乾燥し、N−フェニルグリシンエチルエステルの4−ビニル化物を1.65g得た。その化合物 1gを、3mlのメタノールに溶かし、薄層クロマトグラフィーで、反応の経過を追跡しながら、水酸化リチウム飽和メタノール溶液を滴下し、原料のスポットが消失した時点で滴下を終了し、その反応液を1規定塩酸で中和した後、蒸留水へ投入し、析出した沈殿を集め減圧乾燥し、420mgの感光性化合物2を得た。感光性化合物2の構造を以下に示す。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 1.20g(6mmol)を50mlの3つ口フラスコに投入し、5mlの脱水されたN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつピロメリット酸二無水物 1.31g(6mmol)を添加し、添加終了後、氷浴中で5時間撹拌し、その溶液を、脱水されたジエチルエーテルによって再沈殿し、その沈殿物を室温で減圧下、17時間乾燥し、白色固体を2.11g(ポリイミド前駆体1)を得た。
ポリイミド前駆体1 400mgと、感光性化合物として感光性化合物1および2、N-フェニルグリシンをそれぞれ200mgずつをNMP 3mlに溶解させ、3種の感光性樹脂組成物を得た(感光性樹脂組成物1〜3)。
各感光性樹脂組成物を、ガラス上に最終膜厚2μmになるようにスピンコートし、80℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)でh線換算で、2J紫外線照射を行い、その後、160℃のホットプレート上で30分加熱したのち、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液に浸漬した。その結果、感光性樹脂組成物3からなるものはパターンの膜減りが大きかったものの、感光性樹脂組成物1〜3の全てでパターンを得ることができた。
さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。これらの結果より、本発明の感光性樹脂組成物は、良好なパターンを形成することできることが明らかとなった。
Claims (11)
- 前記高分子前駆体は、塩基の作用によって最終生成物に変化する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表されるN−芳香族グリシン誘導体のReが水酸基である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表されるN−芳香族グリシン誘導体のRa、Rb、Rc、Rd又はReのうち少なくとも一つがエチレン性不飽和結合を有する有機基である請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表されるN−芳香族グリシン誘導体が、436nm、405nm、365nm、248nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長に吸収を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体がアルカリ溶液に可溶である請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体がポリイミド前駆体である請求項1乃至7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリイミド前駆体がポリアミック酸である請求項1乃至8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料の形成材料として用いられる請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記請求項1〜10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又はそのイミド化物により少なくとも一部分が形成されている、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料いずれかの物品。
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