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JP2006272099A - バイモーダル構造を有する触媒膜及びその利用 - Google Patents

バイモーダル構造を有する触媒膜及びその利用 Download PDF

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JP2006272099A JP2005093237A JP2005093237A JP2006272099A JP 2006272099 A JP2006272099 A JP 2006272099A JP 2005093237 A JP2005093237 A JP 2005093237A JP 2005093237 A JP2005093237 A JP 2005093237A JP 2006272099 A JP2006272099 A JP 2006272099A
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bimodal
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Toshiaki Tsuru
稔了 都留
Hiroaki Shintani
博昭 新谷
Tomohisa Yoshioka
朋久 吉岡
Masaji Asae
正司 淺枝
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Hiroshima University NUC
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Abstract

【課題】 バイモーダル構造を有し、触媒活性が優れた触媒膜及びその利用を提供する。
【解決手段】 マクロポーラス構造を有する第1の担体10と、メソポーラス構造を有する第2の担体11と、を備える膜状の触媒膜1であり、少なくとも、上記メソポーラス構造の細孔内に触媒12が保持されている触媒膜1によれば、バイモーダル構造を有し、触媒活性が優れている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイモーダル(二元性)構造を有する触媒膜及びその利用に関し、特に、マクロポーラス構造とメソポーラス構造とからなるバイモーダル構造を有する触媒膜及びその利用に関するものである。
従来、種々の化学反応と、この化学反応によって生成される物質の分離とを同時に行うことが可能な膜型反応器が開発されている。かかる膜型反応器は、触媒膜と分離膜とを基本構造として有し、触媒膜において生成した生成物を分離膜を介して、反応系から除去するというものである。このように、反応と分離とを同時に行うことができる膜型反応器はその有用性の高さから、近年非常に注目を集めている。
本発明者らは、上述の膜型反応器の一例として、メタンの水蒸気改質による水素製造過程に用いられる膜型反応器を開発し、その性能について報告している(非特許文献1,2参照)。具体的には、例えば、メタンの水蒸気改質は、次式の平衡反応式で示される。
・CH+HO=CO+3H
・CO+HO=CO+H
ここで、反応と分離を同時に行うことができる膜型反応器を用いて生成物の水素を引抜くことにより、平衡はシフトし反応率を上昇させることができる。そこで、本発明者らは、マクロなポーラス(細孔径が1μm程度)を有するα−Al担体にNi触媒を分散させた触媒膜と、水素のみを選択的に透過する水素分離膜とを備えた膜型反応器を作製した。
これら非特許文献1,2に開示の膜型反応器は、α−Al担体中に分散させたNi触媒により、メタンの水蒸気改質を行い、水素を生成させた後、水素分離膜を介して、生成した水素を反応系から除去するという仕組みである。
T. Tsuru., et al, SEPARATION SCIENCE AND TECHNOLOGY, 36(16), p3721-3736 (2001) T. Tsuru., et al, AICE J, 50, p2794-2805 (2004)
しかしながら、上記従来の膜型反応器における触媒膜の構成では、触媒をマクロポーラス構造のα−Al担体(膜支持体)に担持しただけの構成であり、触媒層の比表面積が少なくなってしまう。このため、従来の膜型反応器における触媒膜では、十分な触媒活性を発現できないという欠点があった。
それゆえ、膜型反応器に使用される触媒膜における触媒活性を高める技術の開発が強く望まれていた。また、触媒膜は、メタンの水蒸気改質用の膜型反応器だけでなく他にも様々な利用が考えられるため、触媒活性を高めることができれば、触媒膜の幅広い応用展開も可能となり、非常に有用性が高い。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイモーダル構造を有し、触媒活性が優れた触媒膜及びその利用を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、マクロポーラス構造を有する膜支持体の細孔内にメソポーラス材料を担持した後に、触媒を担持したバイモーダル構造を有する触媒膜を作製し、その機能を評価したところ、従来のユニモーダル(一元性)構造の触媒膜に比べて、著しく触媒活性が高まるという新事実を見出し、本願発明を完成させるに至った。本発明は、かかる新規知見に基づいて完成されたものであり、以下の発明を包含する。
(1)マクロポーラス構造を有する第1の担体と、メソポーラス構造を有する第2の担体と、を備える膜状の触媒膜であり、少なくとも、上記メソポーラス構造の細孔内に触媒が保持されている触媒膜。
(2)上記第1の担体のマクロポーラス構造の細孔内部に、上記第2の担体が担持されている(1)に記載の触媒膜。
(3)上記第1の担体は、α−アルミナ、コージェライト,ムライト,ステンレスなどからなる群より選択される多孔質材料である(1)又は(2)に記載の触媒膜。
(4)上記第2の担体は、γ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカなどのメソポアを有する多孔質材料のいずれかである(1)〜(3)のいずれかに記載の触媒膜。
(5)上記マクロポーラスな第1の担体は,球状,ペレット状,ハニカム状,円筒状,モノリス状のいずれかからなる多孔質材料である(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒膜。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の触媒膜を備える膜状反応装置。
(7)さらに、分離膜を備える膜状反応装置。
(8)上記触媒膜は、メタンの水蒸気改質反応を触媒するための触媒膜であり、上記分離膜は、メタンの水蒸気改質反応によって生成した水素を選択的に除去する気体分離膜である(7)に記載の膜状反応装置。
(9)上記(6)〜(8)のいずれかに記載の膜状反応装置を用いて、化学反応を行う工程を含む膜状反応装置の利用方法。
本発明に係る触媒膜によれば、従来のユニモーダルな触媒膜に比べて、著しく触媒活性を高めることができるという効果を奏する。それゆえ、例えば、触媒膜を用いたメタンの水蒸気改質反応等において、水素の生成効率を高めることができる。また、これまで開発されていない触媒開発に資する等、触媒膜のあらたな利用の幅を広げることができる点で有用性が高い。
以下、本発明の一実施形態について説明するが、本発明はこれに限られるものではないことを念のため付言しておく。
<1.触媒膜>
本発明に係る触媒膜は、マクロポーラス構造を有する第1の担体と、メソポーラス構造を有する第2の担体と、を備える膜状の触媒膜であり、少なくとも、上記メソポーラス構造の細孔内に触媒が保持されている触媒膜であればよく、担体の材質、形状、大きさ、触媒の種類、量等の他の具体的な構成については特に限定されるものではない。
本明細書において「マクロポーラス構造」とは、数百nm〜数十μm程度の細孔径の多孔構造のことをいい、より好適には、細孔の大きさは数μm程度であることが好ましい。なお、後述する実施例では、細孔径が1μmの多孔質材料を用いている。
また、「メソポーラス構造」とは、数nm〜数十nm程度の細孔径の多孔構造のことをいい、上記マクロポーラス構造の細孔径よりも小さい細孔を有する多孔構造のことをいう。後述する実施例では、2nm〜50nmの細孔径を有する多孔質材料を用いている。
図1に本発明に係る触媒膜の構成を模式的に表した図を示す。図1(a)は従来の触媒膜の構成を示すものであり、図1(b)は本発明に係る触媒膜の構成を示すものである。
図1(a)に示すように、従来の触媒膜100は、例えば、α-Alのように、マクロポーラス構造を有する多孔質材料からなる担体101に金属触媒等の触媒粒子102を吸着・分散させたユニモーダル(一元的)な構成の触媒膜である。この従来の触媒膜100では、担体101のマクロポーラス構造の細孔の表面に触媒粒子102を吸着・分散させているが、それだけでは触媒層の比表面積が十分大きくできず、触媒活性が不十分であった。
一方、図1(b)に示すように、本発明に係る触媒膜1は、マクロポーラス構造を有する第1の担体10に加えて、さらに小さい細孔径のメソポーラス構造を有する第2の担体11を備えており、この第2の担体11のメソポーラス構造の細孔内に触媒粒子12が吸着・分散しているバイモーダル(二元的)な構成の触媒膜である。このため、従来の触媒膜100に比べて、触媒粒子12の分散性を向上させることができ、触媒層の比表面積を格段に大きくすることができる。さらに、上記のようにメソポーラス構造の細孔内に触媒を保持させることにより、触媒活性も維持させることが可能である。それゆえ、本発明に係る触媒膜は、従来のユニモーダルの触媒膜に比べて、触媒活性を著しく上昇させることができる。また、触媒は、メソポーラス構造の細孔内部に保持されることにより、触媒のシンタリング性を低減させることができるという効果もある。
また、本発明に係る触媒膜においては、図1(b)に示すように、第1の担体10のマクロポーラス構造の細孔13内部に、第2の担体11が担持されていることが好ましい。これは、マクロポーラス構造の細孔内にメソポーラス構造を形成し、さらにそのメソポーラス構造の細孔内に触媒を分散させることにより、一段と触媒活性を高めることができるためである。
上記第1の担体を構成する材料としては、マクロポーラス構造を有するものであれば、その具体的な材質等は特に限定されるものではなく、従来公知の多孔質材料を好適に用いることができる。例えば、α−アルミナ(α−Al)、コージェライト,ムライト、ステンレス等の多孔質材料を挙げることができる。
また、上記第2の担体を構成する材料としては、メソポーラス構造を有するものであれば、その具体的な材質等は特に限定されるものではなく、従来公知の多孔質材料を好適に用いることができる。例えば、γ−アルミナ(γ−Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、シリカアルミナなどの複合酸化物等の多孔質材料を挙げることができる。
また、上記触媒としては、従来公知の触媒を好適に用いることができ、その具体的な種類、量、形状等については、特に限定されるものではない。例えば、従来公知の金属触媒を好適に用いることができる。具体的には、Ni触媒、Pt触媒、Ru触媒等を挙げることができる。また、金属触媒以外にも、例えば、ヘテロポリ酸なども好適に用いることができる。
また、上記第1の担体は、球状,ペレット状,ハニカム状,円筒状,モノリス状のいずれかの形状であることが好ましい。第1の担体が上記形状であれば、触媒膜を安定に形成することができるためである。
また、本発明に係る触媒膜において、上記触媒は、少なくとも第2の担体のメソポーラス構造の細孔内に保持されていればよく、それ以外の部分に吸着・分散していてもよいことはいうまでもない。例えば、上記触媒は、第1の担体のマクロポーラス構造の細孔内部、第1の担体の表面(細孔内部以外の部分)、第2の担体の表面(細孔内部以外の部分)に保持されていてもよい。
また、本発明の触媒膜の製造方法としては、従来公知の触媒膜の形成方法を好適に利用することができ、その具体的な方法については特に限定されるものではない。以下、本発明に係る触媒膜の製造方法の一例について述べる。
まず、マクロポーラス構造を有する第1の担体を準備する。この第1の担体は、従来公知の手法により調製することができ、その具体的な手法については限定されない。例えば、第1の担体としてα−アルミナを用いる場合、上記非特許文献1,2に開示の方法により取得することができる。
次に、上記第1の担体に対して、第2の担体(例えば、シリカ,γ−アルミナ,ジルコニア等)のコロイド溶液を、含浸法によって担持させる。これにより、第1の担体のマクロポーラスな細孔内にメソポーラス材料を担持することができる。
次いで、この第2の担体材料のコロイド溶液を含浸担持させた第1の担体を焼成する。この焼成工程の温度、時間等の具体的な条件については、用いる材料や大きさ、形状等に応じて、適宜設定可能である。この焼成工程によって、バイモーダルな細孔構造を有する触媒支持体を作製できる。
最後に、上述の方法にて調製したバイモーダルな細孔構造を有する触媒支持体を、金属塩水溶液に含浸法により、あるいはincipient-wetness法により触媒金属を担持する。
な、上記製造工程において、もちろん,第2の担体と触媒となる金属塩の混合物をあらかじめ調製し,第1の担体に含浸担持した後に焼成してもよい。
このような方法により、本発明に係る触媒膜を簡便に得ることができる。
<2.触媒膜の利用>
本発明に係る触媒膜は、上述したように、膜状であることが特徴である。それゆえ、本発明に係る触媒膜を用いることにより、例えば、膜状反応装置(membrane reactor)を形成することができる。
すなわち、本発明に係る膜状反応装置は、上記<1>欄で説明した触媒膜を備えるものであればよく、他の部材、材質、形状、大きさ等の他の具体的な構成については、特に限定されるものではない。
また、本発明に係る膜状反応装置において、さらに、分離膜を備えることが好ましい。ここで「分離膜」とは、膜状反応装置を用いて化学反応を行った結果、得られた生成物や副生成物等の化学物質を反応系から分離・除去するための膜の意である。かかる分離膜としては、従来公知の分離膜を好適に用いることができ、その具体的な種類については特に限定されるものではない。
なお、図2(a)に示すように、分離膜2は触媒膜1と接して設けられていてもよいし、また図2(b)に示すように、分離膜2は触媒膜1との間に何らかの中間層3を設けて備えられていてもよい。この「中間層」とは、分離膜2及び/又は触媒膜1の機能を阻害するものでなければ、どのような材料であってもよく、特に限定されるものではない。例えば、α−アルミナ微粒子やγ−アルミナのような材料を中間層として用いることができる。
例えば、本発明に係る膜状反応装置において、上記触媒膜は、メタンの水蒸気改質反応を触媒するための触媒膜であり、上記分離膜は、メタンの水蒸気改質反応によって生成した水素を選択的に除去する気体分離膜である構成とすることができる。
上記膜状反応装置の構成によれば、メタンの水蒸気改質反応により、水素を効率的に製造することができる。具体的には、現在、水素の製造過程では、天然ガスと水蒸気とを高温環境下(例えば、800℃程度)で反応させて製造している。この水素製造の反応は可逆反応であるため、生成した水素を反応系にとどめおくと、反応が平衡状態となり、水素の生成効率が低下する。そこで、生成した水素を反応系から選択的に分離して除去することが必要となるが、この際、上記膜状反応装置を使用することができる。
つまり、上記膜状反応装置によれば、触媒膜によりメタンと水蒸気とを反応させ、水素を生成させる。生成した水素を上記気体分離膜により、選択的に反応系から除去することができる。このため、メタンと水蒸気とを混合・反応させる水素生成反応系において、上記膜状反応装置を用いて、生成した水素を反応系から順次分離して除去することにより、水素生成の効率を高めることができる。
上記水素を選択的に除去する気体分離膜としては、例えば、シリカ以外の金属成分(金属酸化物)をシリカに配合した気体分離膜(例えば、Niドープシリカを焼成して得られる膜)等の従来公知の気体分離膜を好適に用いることができ、特に限定されるものではない。また、上記気体分離膜としては、後述する実施例に記載のものの他にも、例えば、Vasilis N. Burganos, Richard D. Noble, Masashi Asaeda, Andre Ayral,Johann D. LeRoux編、「Membranes-Preparation, Properties and Applications」Material Research Society、Materials Research Society Symposium Proceedings Volume752、213-218頁 (2003年1月発行)、又は、M. Kanezashi and M. Asaeda, 「Thirteenth Symposium on Separation Science and Technology for Energy Applications, Program and Abstracts 21頁、Helium and Hydrogen Separation from Organic Gas Mixtures」(2003年10月27-30日)等の文献に開示のものを好適に用いることができる。
また、本発明には、上述の膜状反応装置を用いて、化学反応を行う工程を含む膜状反応装置の利用方法についても含まれる。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例では、本実施の一形態に係るバイモーダル構造を有する触媒膜の調製及びその性質について検討し、さらに、メタン改質反応において、本実施の一形態に係る触媒膜の有効性を明らかにすべく検討を行った。
(1)バイモーダル触媒の調製
α−アルミナ多孔質体(平均細孔径1μm)をマクロポーラスな担体として用いた。Α−アルミナ多孔質体の細孔の中に形成するメソポーラスな多孔質材料として、γ−アルミナ、チタニア、ジルコニアを選定した。バイモーダル支持体の作製の概略を図3(a)に示す。同図に示すように、まず、α−アルミナ多孔質体を、ベーマイトゾル、チタニアゾル、あるいはジルコニアゾル溶液に含浸し、12時間乾燥した。その後500℃で焼成することにより、γ−アルミナ/α−アルミナ、チタニア/α−アルミナ、又はジルコニア/α−アルミナの構造を持つバイモーダル支持体とした。続いて、上記バイモーダル支持体を硝酸ニッケル水溶液に含浸し、乾燥・500℃焼成することにより、ニッケル担持バイモーダル触媒膜を調製した。また、α−アルミナ多孔質体へのγアルミナ,チタニア,ジルコニア,およびニッケル担持量の測定は、重量法によった。
上述したバイモーダル触媒の中でも、以下では、特に、γ−Al及びNiを担持したバイモーダル構造のNi/γ−Al/α−Al(Ni/Bimodal)について具体的に説明する。なお、比較例として、触媒膜の触媒層として膜支持体にNiを担持したNi/α−Alについても作製し、評価した。なお、触媒は硝酸ニッケル六水和物(シグマアルドリッチ;Ni(NO・6HO)の飽和溶液を使用した。
Ni/α−Al触媒層は、飽和硝酸水溶液を試験管に入れ、その中に膜支持体を1時間程度浸す、含浸法により担持した。担持後、管内側についている水溶液をキムワイプで拭き取り、乾燥器内(110℃)で6時間程度おき、完全乾燥させた。次に、マッフル炉にて300℃でNOが発生しなくなるまで約1時間焼成後、さらに500℃で15分間焼成した。このとき、マッフル炉内はNOが充満しているため、エスメディカチューブを用いて室外まで導き大気開放した。焼成後、ベンコットに水を含ませ表面の余分な触媒を拭き取り、触媒を担持した支持体とした。
一方、Ni/Bimodal触媒層は、ベーマイト(γ−AlOOH)ゾル(日産化学(株):アルミナゾル520)を上記の触媒と同様の方法で担持、乾燥した後、500℃で約15分間焼成した。これによって担持される担体は、ベーマイトゾルの濃度により9〜130mg程度であった。その後、触媒を上記と同様の方法で担持、焼成した。これにより含浸されるNiはNi/α−Al、Ni/Bimodal触媒層ともに酸化ニッケルの状態で、約0.17g前後であった。また、触媒量を変化させる場合は,Ni濃度,含浸時間やα−アルミナ管の肉厚などにより制御した。作製したニッケル担持触媒は、反応活性評価に際しては水素雰囲気で500℃還元を行った。
図3(b)はα−アルミナ(α−Al)支持体の断面のSEM画像を示す図であり、図3(c)は上述の方法で調製したバイモーダル構造(Ni/Bimodal)のうち、α−アルミナ/γ−アルミナのバイモーダル構造を有する触媒膜の断面のSEM画像を示す図である。同図に示すように、Ni/Bimodal触媒膜では、α−アルミナのマクロポーラス構造内(粒界)にγ−アルミナのメソポーラス構造が担持されており、Niはα−アルミナおよびγ−アルミナ上に担持されていることが明らかとなった。特に、γ−アルミナのメソポーラス構造の細孔内にNiが担持されていることがわかった。
また、図4(a)にα−Alのユニモーダル触媒膜について水銀圧入法により細孔径分布を調べた結果を示し、図4(b)にはNi/Bimodal触媒膜について水銀圧入法により細孔径分布を調べた結果を示す。また、図4(c)には、α−Al、Ni/Bimodal、及びγ−Alのそれぞれについて、水銀圧入法と窒素吸着(BET吸着)とを用いて細孔構造の評価を行った結果を示す。
これら図4(a)〜図4(c)に示すように、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜は、α−Alユニモーダル触媒膜とほぼ同サイズのマクロ細孔1μmを有しているだけでなく、γ−Alによるメソポーラス構造の細孔(水銀圧入法7.5nm、BET4.0nm)を有していることがわかり、バイモーダル構造を構成していることが明らかとなった(図4(b)の矢印部分参照)。
次に、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜について、水素吸着量、窒素吸着による比表面積、及びNi担持量のγ−Al担持量依存性を検討した。その結果を図5に示す。なお、窒素吸着により比表面積を測定することができ、水素吸着による水素吸着量の測定は、Ni表面積に相当する。
その結果、図5に示すように、γ−Al担持量とともに比表面積は直線的に増加し、水素吸着量も同様に増加したことから、γ−Alの量が増加してもγ−Al担細孔内にNiはほぼ均一に担持され、かつ、γ−Al細孔はガス(気体)が拡散できる程度の細孔径を有すると考えられた。また、図5から、γ−Al担持量が0、すなわちNi/α−Al触媒の水素吸着量は、約0.45μmol/gと非常に少ないが、例えば、γ−Alを10mg担持すると、約15倍の水素吸着量を示すことがわかった。このような触媒活性向上の要因としては、比表面積の増加による触媒担持面積の増加、もしくはγ−Al細孔に担持されたNi粒子がα−Al粒子表面に担持されたNi粒子より小さいことによる触媒分散性の向上が考えられた。特に、γ−Alを10mg担持した触媒膜の比表面積は約2.4倍しか増加しなかったことから、触媒活性の向上の主な要因はメソポーラス構造の細孔内に担持されることで高分散に存在しているNiによるものと考えられた。
換言すると、図5より、Ni担持量は略一定であるが、水素吸着量は増加している。このため、Niがγ−Alの細孔によって高分散に担持されていると考えられる。なお、Ni/γ−Alの比表面積は195m/gであり、H吸着量は69.0μmol/gであった。
また、データは示さないが、作製した試料のγ−Al担持量は、γ−AlOOH濃度(ベーマイトゾル)を増加させるにつれて増加した。このことから、γ−Al担持量は、γ−AlOOH濃度によって制御できることがわかった。また、単位触媒膜重量あたりの金属触媒量は含浸時間、硝酸ニッケル濃度で制御可能であり、本実施例では約30mg/g−α−Alとした。
(2)膜型反応装置の作製とガス透過性の評価
上記(1)欄で調製した触媒膜に気体分離膜を設けて、膜型反応装置を作製した。図6(a)に示すように、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜をシリカ−ニッケルコロイド溶液に含浸させ、その後焼成して、膜型反応装置を作製した。その後、水蒸気処理を行い、メタン改質反応実験を行った。
Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜に気体分離膜を設けて膜型反応装置を作製する具体的な方法は、以下のように行った。
ゾル−ゲル法による薄膜の作製においては、様々なコーティング法が開発されているが、最も一般的な方法はディップコーティング法である。しかし、この方法によるとゾルは毛管吸引力によって細孔深くまで浸透し、透過量の減少、クラックの発生などの弊害を招く。そこで開発されたのが、ホットコーティング法である。この方法は、予め基材を高温に加熱し、ベンコット等の不織布にコロイドゾルを染み込ませ塗布するものであり、コロイドゾルは基材に触れた瞬間にゲル化するため、薄膜化が可能となる。この方法を用いてコロイドゾルの担持を行い、透過性に優れたセラミック薄膜を水素選択性の気体分離膜として作製した。
具体的には、まず、シリカに異種金属としてNiを添加したシリカ−ニッケルコロイドゾルを調製した。シリカ−ニッケルコロイドゾルは、珪酸エチル(TEOS)に硝酸ニッケル六水和物を混合し、加水分解・縮重合反応を経て調製する。
詳細に説明すると、まず、所定濃度の珪酸エチル(特級 シグマアルドリッチ)を溶媒としたエタノール(特級 シグマアルドリッチ)と混合し(A液)、それとは別に硝酸ニッケル六水和物(特級 シグマアルドリッチ)も同様にエタノールに溶解させる(B液)。また、加水分解用のイオン交換水、触媒の硝酸(特級 シグマアルドリッチ)およびエタノールを混合する(C液)。調整したA、B液を十分に混合し、攪拌しながら、C液を加え、加水分解・縮重合反応(12hr)させ、シリカ−ニッケルポリマーを得る。その後、全量で500ccとなるように水と硝酸を注ぎ、煮沸攪拌を行って(12hr)コロイド粒子を成長させ、シリカ−ニッケルコロイドゾルとする。ゾル−ゲル法を応用した製膜工程には粒径の異なる数種類のコロイドゾルが必要である。金属添加シリカコロイドゾルの粒径は出発溶液のアルコキシド(珪酸エチル)および金属硝酸塩濃度を変化させることで制御可能であることが確認されており、本実施例においてもこの方法を採用した。出発溶液の調剤を下記表1に示す。
アルコキシド濃度の高いものより順にSol-A,-B,-C,-D,-Eとした。また、本実施例では、触媒層の活性向上とその評価を主な目的としているため、メタン改質反応において触媒活性を示すNiをできるだけ少なくする必要がある。このため、コロイドゾルのSi:Ni比を9:1とした。
上記Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜に、上述の調製したコロイドゾルを前述のホットコーティング法により担持した。あらかじめ、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜を180℃程度に加熱し、ベンコットに染み込ませたコロイドゾルを塗布し、500℃で約10分焼成した。この操作をSol-A,-B,-C,…と順に数回ずつ繰り返すことで、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜上に水素分離薄膜層を作製し、膜型反応装置を得た。また、高温水蒸気耐性を上げるため、膜型反応装置作製後、高湿度雰囲気(40℃、RH60%)に12時間程度放置し、その後500℃で10分間焼成する水蒸気処理(高湿度前処理法)を行った。
高温水蒸気処理は、高温水蒸気下での膜の安定性を得るために行う処理である。この処理は、水素,窒素および水蒸気の3成分系で行い、500℃での各ガスの透過係数の変化を出口流量およびガスクロマトグラフィーにより経時的に測定した。膜内側は大気圧で、水蒸気分圧が50kPaとなるように供給し、膜外側は主に減圧もしくは窒素を流すスイープ式(スイープ窒素流量は水素の約2倍)とした。減圧系では系外からの空気の漏れ込みにより窒素透過係数がうまく測定できないため、経時変化を測定する場合にはスイープ式により測定した。処理はガスの透過係数が比較的安定するまで行うようにした。この時の水蒸気透過係数を用いて、水素/水蒸気透過係数比を算出した。その後、メタン改質反応実験を行った。
メタン改質反応実験を行う前に、作製した膜型反応装置の断面のSEMにより観察した。その結果を図6(b)に示す。同図に示すように、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜(図中、“Catalytic layer”)上に水素分離薄膜層(図中、“Separation layer”)が形成されていることがわかる。
また、メタン改質反応実験を行う前に、作製した気体分離膜の性能評価(ガス透過性の評価)を行った。その結果を図6(c)に示す。図中、点線は製膜直後の結果であり、実線は水蒸気処理後の結果である。同図に示すように、本実施例において作製した気体分離膜は、ヘリウムと水素に対して高い選択的透過性を示すことがわかった。
(3)膜型反応装置によるメタン改質反応実験
本実施例におけるメタン改質反応実験は、図7(a)に示す装置を用いて行った。本実施例では水蒸気を用いるため、点線で囲んだ部分は約140℃の恒温器内で保温した。水素,窒素,メタン,ヘリウム等の各ガスはガスボンベにより供給した。原料水蒸気は低流量の場合はシリンジポンプ,高流量の場合は液体クロマトグラフ用送液ユニット(島津製作所製LC10ADVP)を用いて一定流量で供給できるようにし、恒温器内で気化させた後供給ガスと混合させた。蒸発面は、突沸を抑えるために内径の小さい1/16in管を用い、供給ガスにより予熱ができるようにした。供給ガスはマスフローコントローラーにより流量を調整し、反応器の膜内側及び内側の圧力はNeedle Valveを用いて制御した。膜外側を減圧にする場合には、ダイアフラム式の真空ポンプ(KNF Japan製PM15298-86)を用いて減圧し、Needle Valveにより圧力を制御した(15〜100kPa)。このとき、真空ポンプへの水の流入を防ぐため、ポンプの前にコールドトラップを設置した。圧力計は耐熱性の観点から常温で測定に用いるが、恒温器から圧力計までの配管で水蒸気が凝縮し、圧力応答が遅くなることが考えられる。そのため、この部分の配管を充分に長くして、意図的に水分を凝縮させるようにした。また、圧力計は膜内側、外側でそれぞれ2台ずつ使用し、減圧にする場合には減圧測定が可能な圧力計を使用し、加圧の場合には加圧専用の圧力計を使用した。膜外側、膜内側、およびバイパスラインのガス流量は約4℃にしたトラップで水蒸気をほとんど取り除いた後にソープフィルムメーターを用いて流量を測定し、4℃における飽和蒸気圧分だけ水蒸気を含んでいるものとして求める流量を得た。トラップは体積を小さくするためY字型のものを作製し、トラップ水の量には注意を払った。反応器はマントルヒーターを用いて、膜内側が500℃になるように反応器外側を固定熱電対により制御し、膜内側の温度分布を測定できるように内側の熱電対を可動式とした。膜内側温度は触媒層入口を500℃とし、触媒層における温度分布は500±5℃とした。配管及び継手部分には主にSwage Lock社の1/8inchのステンレスチューブ及び1/8inch用の継手を用いた。反応器は500℃と高温であるため、ネジ部が壊れやすい。また、減圧とした場合のシール性を高めるために、反応器継手部にはVCRの面シール継手を用いた。
膜外側および内側の混合ガスの成分分析には精度を上げるためにサンプラー管によりオンラインでつないだガスクロマトグラフィーを2台用いた。室温雰囲気のサンプラー管(G.C.2用)には水の流入がないようにトラップ後に設置した。反応系外にでてくるガスはエスメディカチューブを用いて室外まで導き,大気解放した。
反応条件は、温度:500℃、圧力、100kPa(一次側)、HO/CH:3で行った。また、反応形式は図7(b)に示すように、(i)全透過実験と、(ii)膜型反応実験とを実施した。(i)全透過実験は、図7(b)に示すように、反応性評価のためのものであり、水素分離のための気体分離膜を用いず、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜のみからなる膜型反応装置による実験であり、透過側大気を開放している。また、(ii)膜型反応実験は、水素引き抜き反応を評価するためのものであり、気体分離膜とNi/Bimodalのバイモーダル触媒膜とを備える膜型反応装置による実験であり、透過側に20kPaの圧力を加えている。
まず、全透過実験による触媒膜の活性評価を行った(水素分離のための気体分離膜なし実験)。具体的には、反応温度500℃、水蒸気メタン比(S/C)を3、大気圧下で、空間速度依存性及び経時的安定性について検討した。ガス組成の分析には、2台のガスクロマトグラフィーを用い、まず、Gaschropack 54を充填したGC−1で水及び二酸化炭素の分析を行い、Molecular-Sievesを充填したGC−2で水素,酸素,窒素,メタン,及び一酸化炭素の分析を行った。
図8(a)にNi/α−Al触媒におけるメタン流量と反応率の触媒担持量依存性を示す。図中の破線は圧力補正をした500℃における平衡反応率の計算線である。触媒量は硝酸ニッケル水溶液の含浸時間を変えることで変化させ、酸化ニッケル状態でそれぞれ0.11g,0.21gとした。0.11g担持したNi/α−Al触媒に比べ、0.21g担持したNi/α−Al触媒は高い反応率を示し、0.11g担持した触媒は測定流量範囲においては平衡反応率に達しなかったが、0.21g担持した触媒は10μmol/s以下の流量において平衡反応率を示した。しかし、両者とも流量が増加するにつれ反応率が低下した。
一方、図8(b)にγ−Alを担持したNi/Bimodal触媒におけるメタン流量と反応率を示す。γ−AlOOHゾル濃度によってγ−Al担持量を9mgと38mgとし、Ni担持量はほぼ同程度としたNi/Bimodal触媒を調製した。酸化ニッケル0.11g担持したNi/α−Al触媒と比べると、Ni/Bimodal触媒は両者ともメタン高流量においても平衡反応率に近い反応率を示した。以上から、γ−Alを担持したことでNi/α−Alよりも触媒分散性が向上し、高い空間速度においても、平衡反応率に近いメタン反応率が得られたものと考えられる。
次に、膜型反応における水素引き抜き効果について検討した。具体的には、Ni/Bimodal触媒膜に上述の気体分離膜を設けた膜型反応装置を用いて、水蒸気改質反応における反応率、乾燥ガス基準の透過側と非透過側の水素組成および水素収率の経時変化を調べた。反応は500℃、スチーム比(HO/CH)3、供給メタン流量2.1cc/min、一次側圧力100kPaで行った。使用した気体分離膜の高温水蒸気処理後の性能は、水素透過係数1.4×10−6/m・kPa・s、水素・窒素透過係数比45、水素・水透過係数比13であった。反応開始後約150分後に二次側を100kPaから20kPaに減圧した。
その結果を図9に示す。図中、“引き抜きなし”で示す部分は、二次側の減圧前の水素の引き抜きを行っていない場合の結果を示し、“引き抜きあり”で示す部分は、二次側の減圧を行い、水素の引き抜きを行った場合の結果を示す。また、図中の破線は反応速度無限大としたときのシミュレーションによる計算線である。
なお、計算は、以下の条件のもとで行った。
・CH4 Conversion=(CO+ CO2)/(CH4+ CO+ CO2
・H2 yield=Perm. H2 / Feed CH4
供給メタン1mol から得られる
透過側水素モル数
また、膜型反応モデルは、
・理想流れ
・反応器内温度は均一
・反応速度無限大
として計算した。
その結果、水素引き抜き後、反応率は約0.6を示し、また、透過側の乾燥ガス基準の水素組成も約0.95を示した。これはLe Chatelierの原理より、水素が引き抜かれたため平衡が生成物側へ移動し、反応が促進されたためである。また、比較的値も一定値を示し、シミュレーションの計算線ともほぼ一致したことから、メタン改質反応における膜型反応の有用性が明らかとなった。
すなわち、透過側(二次側)を減圧した場合、メタン反応率が上昇することがわかった。これは、モデル計算と略一致していることがわかった。したがって、本実施例における膜型反応装置を用いて、メタン改質反応系から水素を引き抜くことにより、水素の生成率が高まることが明らかとなった。
続いて、膜型反応の供給メタン流量依存性を検討した。具体的には、Ni/Bimodal触媒膜に上述の気体分離膜を設けた膜型反応装置を用いて、供給メタン流量を変化させた時の反応率および水素収率を検討した。反応条件は、温度:500℃、HO/CH:3で行った。その結果を図10に示す。図中の破線はシミュレーションによる計算線である。ここで、横軸には、PH2:水素透過係数 [m/m・kPa・S]、Am:膜面積 [m]、p:非透過側圧力(膜間差圧) [kPa]、FCH4:Feedメタン流量 [m/s]を用いて、供給メタン流量に対する透過側の水素流量を意味する無次元数θを用いた。
なお、
θ=(PH2・Am・p)/FCH4
供給メタンに対して
透過可能な水素量
である。
また、図中“○(白丸)”は水素の引き抜きなしの結果を示し、“●(黒丸)”は水素の引き抜きありの結果を示す。
その結果、θが小さくなる、すなわち供給メタン流量が多くなるにつれ、水素引き抜き後の反応率は低下し、また、水素収率も低下した。これは、メタン流量が多くなると、触媒層での水素生成量が多くなりすぎ、分離層での水素の引き抜きが追いつかなくなるためである。反応率,水素収率は計算線とほぼ一致した。つまり、水素の引き抜きなしの場合、平衡反応率を示すことがわかり、水素引き抜きありの場合、θが増加していることから、反応率が上昇していることがわかった。
以上の結果をまとめると、触媒膜支持体については、γ−Alをα−Alに担持することにより、バイモーダル構造の触媒膜支持体が作製することができ、水素吸着量、比表面積はγ−Al担持量に比例して増加する傾向を示すことがわかった。また、反応特性については、全透過実験の結果より、Ni/Bimodal触媒膜は高空間速度においてもほぼ平衡反応率を示すこと、またNi/Bimodal触媒膜に気体分離膜を設けた膜型反応装置によるHの引き抜きにより、メタン改質反応における反応率が上昇すること、さらに無次元数θの増加とともにCH反応率、H収率が増加すること、がわかった。
以上のように、本発明に係る触媒膜は、優れた触媒活性を示すため、種々の化学反応用の触媒膜や膜状反応装置等としての利用が可能である。例えば、天然ガス(メタン)の水蒸気改質反応による水素製造過程において用いることができる。したがって、化学工業等の非常に広範な産業上の利用可能性を有する本発明は、非常に有用性が高いといえる。
(a)は従来の触媒膜の構成を模式的に示す図であり、(b)は本発明に係る触媒膜の構成を模式的に示す図である。 (a)は本発明に係る膜型反応装置の一例の模式的な構成を示す図であり、(b)は本発明に係る膜型反応装置の他の例の模式的な構成を示す図である。 (a)は本実施例におけるバイモーダル触媒膜の作製の概略を示す図であり、(b)はα−Al支持体の断面のSEM画像を示す図であり、(c)はNi/Bimodal触媒膜の断面のSEM画像を示す図である。 (a)は本実施においてα−Alのユニモーダル触媒膜について水銀圧入法により細孔径分布を調べた結果を示す図であり、(b)はNi/Bimodal触媒膜について水銀圧入法により細孔径分布を調べた結果を示す図であり、(c)はα−Al、Ni/Bimodal、及びγ−Alのそれぞれについて、水銀圧入法と窒素吸着(BET吸着)とを用いて細孔構造の評価を行った結果を示す図である。 本実施例における、Ni/Bimodalのバイモーダル触媒膜について、水素吸着量、窒素吸着による比表面積、及びNi担持量のγ−Al担持量依存性を検討した結果を示す図である。 (a)は本実施低において、Ni/Bimodal触媒膜を用いて膜型反応装置を作製する方法の概略を示す図であり、(b)はNi/Bimodalと気体分離膜とを備える膜型反応装置の断面のSEM画像を示す図であり、(c)は気体分離膜の気体透過性を評価した図である。 (a)は本実施例においてメタン改質反応実験に用いた装置の概略構成を示す図であり、(b)は本実施例におけるメタン改質反応実験の反応形式を模式的に示す図である。 (a)は本実施例において、Ni/α−Al触媒におけるメタン流量と反応率の触媒担持量依存性を示す図であり、(b)はγ−Alを担持したNi/Bimodal触媒におけるメタン流量と反応率を示す図である。 本実施例において、膜型反応における水素引き抜き効果について検討した結果を示す図である。 本実施例において、膜型反応の供給メタン流量依存性を検討した結果を示す図である。
符号の説明
1 触媒膜
2 気体分離膜(分離膜)
5 膜型反応装置
5’ 膜型反応装置
10 第1の担体
11 第2の担体
12 触媒粒子(触媒)
13 マクロポーラス構造の細孔

Claims (9)

  1. マクロポーラス構造を有する第1の担体と、メソポーラス構造を有する第2の担体と、を備える膜状の触媒膜であり、
    少なくとも、上記メソポーラス構造の細孔内に触媒が保持されていることを特徴とする触媒膜。
  2. 上記第1の担体のマクロポーラス構造の細孔内部に、上記第2の担体が担持されていることを特徴とする請求項1に記載の触媒膜。
  3. 上記第1の担体は、α−アルミナ、コージェライト,ムライト,ステンレスからなる群より選択される多孔質材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒膜。
  4. 上記第2の担体は、γ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカからなる群より選択される多孔質材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒膜。
  5. 上記第1の担体は、球状,ペレット状,ハニカム状,円筒状,又はモノリス状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒膜を備えることを特徴とする膜状反応装置。
  7. さらに、分離膜を備えることを特徴とする膜状反応装置。
  8. 上記触媒膜は、メタンの水蒸気改質反応を触媒するための触媒膜であり、
    上記分離膜は、メタンの水蒸気改質反応によって生成した水素を選択的に除去する気体分離膜であることを特徴とする請求項7に記載の膜状反応装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の膜状反応装置を用いて、化学反応を行う工程を含むことを特徴する膜状反応装置の利用方法。

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