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JP2006270057A - 露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高解像度で高品位な露光を実現することができる露光装置を提供する。
【解決手段】レチクルのパターンを被処理体に投影する投影光学系を備え、前記被処理体と前記投影光学系の最終光学素子との間に液体を満たし、前記投影光学系及び前記液体を介して前記被処理体を露光する露光装置であって、前記被処理体の周囲に配置され、前記被処理体の表面と同じ高さの表面を持ち、前記液体を保持する液体保持部を有し、前記液体保持部の表面は、前記液体と前記被処理体の表面との第1の接触角が前記液体と前記液体保持部の表面との第2の接触角以下になるように、処理されていることを特徴とする露光装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、露光装置に係り、特に、投影光学系の最終光学素子と被処理体との間を液体で満たし、投影光学系及び液体を介して被処理体を露光する、所謂、液浸露光装置に関する。
レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によってウェハ等に投影して回路パターンを転写する投影露光装置は従来から使用されており、近年では、高解像度で高品位な露光の要請がますます激化している。
高解像度の要請に応えるための一手段として液浸露光が注目されている(例えば、特許文献1参照)。液浸露光は、投影光学系のウェハ側の媒質を液体にすることによって投影光学系の開口数(NA)の増加を更に進めるものである。投影光学系のNAは、媒質の屈折率をnとすると、NA=n・sinθであるので、空気の屈折率よりも高い屈折率(n>1)の媒質を満たすことでNAをnまで大きくすることができる。この結果、プロセス定数kと光源の波長λによって表される露光装置の解像度R(R=k(λ/NA))を小さくすることができる。
液浸露光では、投影光学系の最終面とウェハの表面との間に局所的に液体を充填するローカルフィル方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ローカルフィル方式で投影光学系に対してウェハを移動させながら露光すると、投影光学系に液体が残って気泡や乱流が発生する場合がある。気泡は、露光光の進行を妨げる。乱流は、投影光学系の最終面に圧力を加えてしまうため、微少変形による収差をもたらしてしまう。そこで、転写性能の劣化を防止するために、投影光学系の液体と接触する部分に、液体との親和性を調整する表面処理を施した露光装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、ローカルフィル方式でウェハ端部のショットを露光する際に、液体がこぼれないように、ウェハの周囲にウェハと略同一な高さを有する液体保持部を配置した露光装置も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
米国特許第512126号 国際公開第WO99/49504号パンフレット 特開2004−205698号公報 特開2004−289128号公報
しかしながら、ローカルフィル方式において、ウェハをウェハの周囲に配置された液体保持部と共に移動させながら露光すると、かかる液体保持部に液体が残留し、ウェハ端部のショットを露光する際に気泡や乱流が発生してしまう。この結果、転写性能が劣化し、高品位な露光を提供できなくなるという問題が発生しうる。
そこで、本発明は、高解像度で高品位な露光を実現することができる露光装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、レチクルのパターンを被処理体に投影する投影光学系を備え、前記被処理体と前記投影光学系の最終光学素子との間に液体を満たし、前記投影光学系及び前記液体を介して前記被処理体を露光する露光装置であって、前記被処理体の周囲に配置され、前記被処理体の表面と同じ高さの表面を持ち、前記液体を保持する液体保持部を有し、前記液体保持部の表面は、前記液体と前記被処理体の表面との第1の接触角が前記液体と前記液体保持部の表面との第2の接触角以下になるように、処理されていることを特徴とする。
本発明の別の側面としての露光装置は、レチクルのパターンを被処理体に投影する投影光学系を備え、前記被処理体の表面と前記投影光学系の最終光学素子との間に液体を満たし、前記投影光学系及び前記液体を介して前記被処理体を露光する露光装置であって、前記被処理体の周囲に配置され、前記被処理体の表面と同じ高さの表面を持ち、前記液体を保持する液体保持部を有し、前記液体保持部の表面は、前記液体と前記被処理体の表面との第1の後退接触角が前記液体と前記液体保持部の表面との第2の後退接触角以下になるように、処理されていることを特徴とする。
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とする。デバイス製造方法の請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にもその効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、LISやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、従来よりも、高解像度で高品位な露光を実現することができる露光装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての露光装置について説明する。ここで、図1は、露光装置100の構成を示す概略ブロック図である。
露光装置100は、図1に示すように、照明光学系110と、レチクル(マスク)120を載置するレチクルステージと、投影光学系130と、ウェハ140を載置するウェハステージ142と、液体供給回収機構150とを有する。
露光装置100は、投影光学系130のウェハ140に最も近いレンズ(最終光学素子)132の最終面が部分的に又は全体的に液体Lに浸漬し、液体Lを介してレチクル120に形成されたパターンをウェハ140に露光する液浸露光装置である。本実施形態の露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置であるが、本発明はステップ・アンド・リピート方式その他の露光方式にも適用することができる。
照明光学系110は、図示しない光源部からの露光光を利用してレチクル120を照明する光学系である。光源部は、本実施形態では、レーザーと、ビーム整形系とを含む。レーザーは、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約157nmのFレーザーなどのパルスレーザーを使用することができる。ビーム整形系は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダ等を使用することができる。
照明光学系は、例えば、集光光学系と、オプティカルインテグレーターと、開口絞りと、集光レンズと、マスキングブレードと、結像レンズとを含む。照明光学系は、従来の照明、輪帯照明、四重極照明などのような様々な照明モードも実現できる。
レチクル120は、その上に転写されるべきパターンが形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル120から発せられた回折光は投影光学系130を通りウェハ140上に投影される。ウェハ140は、被処理体であり、レジストがウェハ140上に塗布されている。レチクル120とウェハ140とは光学的に共役の関係に配置される。露光装置100はステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、レチクル120とウェハ140とを走査することによりレチクル120のパターンをウェハ140上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(即ち、ステッパー)であれば、レチクル120とウェハ140とを静止させた状態で露光を行う。
レチクルステージは、レチクル120を支持し、図示しない移動機構に接続されている。移動機構はリニアモータなどで構成され、XY方向にレチクルステージを駆動することでレチクル120を移動することができる。
投影光学系130は、レチクル120に形成されたパターンを経た回折光をウェハ140上に結像する機能を有する。本実施形態では、投影光学系130は、ウェハ140に最も近い位置に配置されたレンズ132として、パワーを有する平凸レンズを有する。但し、本発明は、投影光学系130の最終光学素子を平凸レンズに限定するものではなく、メニスカスレンズ等の他のレンズでもよい。平凸レンズ132は、下側の面132aが平坦であるために、走査時に液体Lの乱流とそれによる気泡の混入を防止することができる。平凸レンズ132の最終面132aには、液体Lからの影響を保護するために、コーティングを施す。
ウェハ140は、別の実施形態では、液晶基板、その他の被処理体に置換される。ウェハ140の表面には、フォトレジストが塗布されている。ウェハ140は、ウェハチャックを介してウェハステージ142に支持される。ウェハステージ142は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができ、6軸同軸を有することが好ましい。例えば、ウェハステージ142は、リニアモータを利用して、XYZ方向にウェハ140を移動する。
図2は、ウェハ140及び液体保持板144の概略平面図である。図2に示すように、ウェハステージ142に載置されたウェハ140の周囲には、液体保持部(又は液体保持板)144が設けられている。液体保持板144は、ウェハ140の表面と略同じ高さの表面を有し、液体Lを保持することが可能である。露光が終了し、ウェハ140を交換する際に、レンズ132とウェハ140との間に保持されている液体Lは、ウェハステージ142の移動に伴って、ウェハ140上から液体保持板144上に移動する。液体保持板144には、液体Lの回収口(スリット又は多孔)145が配置されている。回収口145を液体保持板144の下面から吸引することで、移動してきた液体Lを回収口145から排出することができる。
液体供給回収機構150は、液体Lを投影光学系130のレンズ132とウェハ140との間に供給及び回収する機能を有する。
図6は、投影光学系130のレンズ132の近傍の拡大断面図である。図6は、液体Lがウェハ140上に供給され、ウェハステージ142が停止している状態を示している。供給ノズル152と回収ノズル154は、レンズ132の外周を取り囲むように円周上に配置されている。給水ノズル152は、回収ノズル154の内側に配置される。給水ノズル152や回収ノズル154のノズル口は、単なる開口でもよい。但し、給水ノズル152や回収ノズル154のノズル口は、液体Lの給水量や排水量の場所によるムラを少なくして液ダレを防止するために微小孔を複数有する多孔板や繊維状や粉状の金属材料又は無機材料を焼結した多孔質体が好適である。これらに使用される材料には液体Lへの溶出を考慮してステンレス、ニッケル、アルミナ、石英ガラスを使用することができる。更に、給水ノズル152や回収ノズル154のノズル口の下面(例えば、多孔質体の接液面)は、そのノズル口を保持するための保持部材の接液面と段差がないように構成するのが望ましい。そのように構成することで、段差により生じる液体Lへの気泡の巻き込みを低減することができる。
このように、液体供給回収機構150は、投影光学系130とウェハ140との間の空間のみを液体Lで満たしており、ローカルフィル方式を採用している。液体Lの周囲は、図示しないエアカーテンによって保持されている。
液体Lは、露光光の波長に対する透過率がよく、更に、石英や蛍石などの硝材とほぼ同程度の屈折率を有することが望まれる。また、液体Lは、投影光学系130に汚れを付着させず、レジストプロセスとのマッチングがよい物質を選択する。液体Lは、例えば、純水、機能水、フッ化液(例えば、フルオロカーボン)、高屈折材であり、ウェハ140に塗布されたレジストや露光光の波長に応じて選定することができる。なお、高屈折材は、例えば、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類酸化物、HPOなどの無機酸、塩を添加した水、グリセロールなどのアルコール誘導体、炭化水素系有機液体などを含む。
液体Lは、予め脱気装置を用いて溶存ガスを十分に取り除かれたものであることが好ましい。かかる液体Lは、気泡の発生を抑制し、また、気泡が発生しても即座に液体中に吸収できるからである。例えば、環境気体中に多く含まれる窒素、酸素を対象とし、液体Lに溶存可能なガス量の80%以上を除去すれば、十分に気泡の発生を抑制することができる。図示しない脱気装置を露光装置に備えて、常に、液体Lの溶存ガスを取り除きながら液体Lを供給してもよい。脱気装置としては、例えば、ガス透過性の膜を隔てて、一方に液体を流し、他方を真空にして液体Lの溶存ガスを、かかる膜を介して真空中に追い出す真空脱気装置が好ましい。
液体供給回収機構150は、液体Lの液面に接触する供給ノズル152と回収ノズル154を含む。供給ノズル152は、図示しない液体Lを貯めるタンク、液体Lを送り出す圧送装置、液体Lの供給流量の制御を行う流量制御装置を含む液体供給系の一部を構成する。回収ノズル154は、回収した液体Lを一時的に貯めるタンク、液体Lを吸い取る吸引装置、液体の回収流量を制御するための流量制御装置を含む液体回収系の一部を構成する。なお、本実施例では液体供給回収機構150は、投影光学系130の鏡筒に設けられているが、投影光学系130とは別体として設けられていてもよい。
ステージ142を移動させることにより、ウェハ140は移動し、液体Lは変形する。図1において、本実施例の液体Lには純水を、ウェハ140にはシリコンウェハ基板を用いた。液体保持板144の材質には、ステンレス、アルミ、鋳物に無電解メッキを施したものと、表面にポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE)コートを施したものを用意した。それぞれの水に対する接触角は、ステンレスで55°、アルミで55°、無電解KNメッキで50°、PTFEコートで108°であった。
シリコンウェハ基板の水に対する接触角は清浄なほど小さく、RCA洗浄やUV/O洗浄を施した直後の状態は10°未満である。しかし、実際露光を行う際にはレジスト塗布工程を通っており、レジスト面の水に対する接触角はプロセス及びレジスト材料で変わる。本実施例においては、プロセス工程において水に対する接触角が70°乃至80°の範囲内にあるレジスト材料を用いた。
図6に示すように、投影光学系130は、液体供給回収機構150の一部(ウェハ140の表面と略平行な面)とレンズ(最終光学素子)132とで構成される接液部で、液体Lに接する。液体供給回収機構150のウェハ140と平行な面には、供給ノズル152と回収ノズル154のノズル口の表面、及びそれらのノズル口を保持する保持部材の表面が含まれる。ノズル口の材質には、ステンレス、アルミ、鋳物に無電解メッキを施したものを用いた。また、レンズ132の材質には石英材料を用いた。これらの水に対する接触角は清浄なほど小さく、RCA洗浄やUV/O洗浄等、適した洗浄を施した直後は10°未満である。本実施例における露光工程中、これら接液部材の接触角は60°未満に保たれた。
図7及び図8は、図6にAで示す回収ノズル154のノズル口の周辺部分の拡大断面図である。図7(a)及び図8(a)は、ウェハステージ142を左方向に移動させたときの液体Lの形状変化を示している。図7(b)及び図8(b)は、ウェハステージ142を右方向に移動させたときの液体Lの形状変化を示している。なお、図7は、液体Lの液体供給回収機構150の一部やレンズ132に対する接触角(第3の接触角)が、液体Lのウェハ140に対する接触角(第1の接触角)より小さい場合の液体Lの形状変化を示した図である。図8は、第3の接触角が第1の接触角より大きい場合の液体Lの形状変化を示した図である。
一般に、液体とその液体とが接する部材の付着力と接触角との関係は、接触角が小さい方が付着力は大きい。
第3の接触角が第1の接触角より小さい場合には、液体Lの形状は、ウェハステージ142を左方向に移動させた後、右方向に移動させることで、図7(a)から図7(b)に変化する。ウェハ140に対して、液体供給回収機構150の一部とレンズ132の液体Lの付着力が大きいため、液体Lはウェハ140の移動に伴う移動量が小さい。従って、ウェハステージ142が反転した際にも液体Lの界面の変動が小さく、界面が安定している。
一方、第3の接触角が第1の接触角より大きい場合には、液体Lの形状は、ウェハステージ142を左方向に移動させた後、右方向に移動させることで、図8(a)から図8(b)に変化する。ウェハ140に対して、液体供給回収機構150の一部とレンズ132の液体Lの付着力が小さいため、液体Lはウェハ140の移動に伴う移動量が大きくなる。従って、ウェハステージ142が反転した際に液体Lの界面が大きく変動し、液体L中に気泡を巻き込む。
このように、投影光学系130の接液部分の接触角をウェハ140の接液部分の接触角以下にすることで、液体Lの界面の変動を抑え、液体L中に気泡が巻き込まれることを抑制することが可能である。
また、ウェハ140よりも液体供給回収機構150の一部とレンズ132への液体Lの付着力が大きくなるため、液体Lはウェハ140の移動に伴う移動量が小さくなる。従って、投影光学系130がウェハ140上のあるショットを露光しようとする間に液体Lがちぎれず、別のショットに液体Lがちぎれて残ってしまうことを抑制することができる。
また、一般に液体とその液体とが接する部材の付着力と接触角の関係は接触角が小さいほうが、付着力は大きい。そのため、前述したように前記液体と前記投影光学系130の接液部分の接触角を60度未満と親液性にすることで、液体Lがちぎれて残ってしまうことを抑制することができる。
また、図1に示すウェハ又は液体保持板144の表面に対して傾斜している液体供給回収機構150の外周部である側面160(図6に示す液体供給回収機構の接液部の周辺部160)と前記液体Lとの第4の接触角は、第3の接触角よりも高いことが好ましい。液体供給回収機構150の側面へ液体Lが接触することを抑制すると共に、液体供給回収機構150の側面に接触した液体Lがそのまま側面に残らないようにするからである。
また、一般に液体とその液体とが接する部材の付着力と接触角の関係は、接触角が大きいほうが付着力は小さい。そのため、前述したように前記液体Lと前記液体供給回収機構150の側面160との第4の接触角を90度以上にすることで、より液体Lが前記側面に残りにくくすることができる。換言すれば、速やかに液体供給回収機構150に形成される回収ノズル154で残った液体Lを回収するためである。
図9は、図6にAで示す回収ノズル154のノズル口の周辺部分の拡大断面図である。図9は、液体Lがウェハ140と液体保持板144の間に供給された状態から、右側にウェハステージ142を移動させた際の液体Lの形状変化を示した図である。液体Lのウェハ140に対する接触角を第1の接触角、液体Lの液体保持板144に対する接触角を第2の接触角とした際に、図9(a)は、第1の接触角が第2の接触角より小さい場合の液体Lの形状変化を示す図である。図9(b)は、第1の接触角が第2の接触角より大きい場合の液体Lの形状変化を示す図である。
図9(a)では、液体Lの付着力が、ウェハ140よりも液体保持板144の方が小さく、液体保持板144の上面に液体Lが残りにくい。一方、図9(b)では、液体Lの付着力がウェハ140よりも液体保持板144の方が大きく、液体保持板144の上面に液体Lがちぎれて残ってしまう。
このため、液体保持板144が、接触角の比較的小さいステンレス、アルミ、無電解KNメッキの材質の場合、露光中の液体Lが液体保持板144に残ったり、発泡したりして、ウェハ140の端部で露光不良となる。
一方、本実施形態では、ステンレス、アルミ、無電解KNメッキを材料とする液体保持板144の表面に、接触角を調整するためのPTFEコートを施している。これにより、液体保持板144の液体Lに対する接触角が、ウェハ140の液体Lに対する接触角よりも大きくなる(即ち、液体保持板144がウェハ140よりも撥液性が高くなる)。この結果、液体Lは、液体保持板144に残らずにウェハ140と共に移動するようになる。
なお、本実施形態では、液体保持板144の液体Lと接する面に対してPTFEコートを施した。しかし、その他にもPTFEとポリパーフルオロアルコキシエチレン、及びその共重合体(PFA)及びその誘導体を代表とするフッ素系樹脂やポリパラキシリレン樹脂(パリレン)の改質層を施してもよい。代表的PFA材料の接触角は100°程度であるが、その重合比の調整及びその誘導体、官能基の導入等を行うことで本発明の範囲内において改質を行うことができる。また、ポリパラキシリレン樹脂(パリレン)についても、同様にその誘導体、官能基の導入等を行うことで本発明の範囲内において改質を行うことができる。また、パーフルオロアルキル基含有シランを代表とするシランカップリング剤で表面処理をしたりしてもよい。
更に、フッ素樹脂コート等を施した液体保持板144の表面に、凹凸又は針状の微細構造を設け、表面粗さを調整してもよい。これにより、表面に微細構造(凹凸)を設けると、濡れ易い素材をますます濡れやすく、濡れにくい素材をますます濡れにくくすることができる。従って、微細構造(凹凸)を設けることで、液体保持板144の接触角を見かけ上より大きくすることができ、また、液体Lの液体供給回収機構150を形成する部材の接触角を見かけ上より小さくすることが可能である。
また、ノズル口の材質として、SiO(接触角10°)、SiC(接触角57°)、SiCを熱処理し、その表面のみをSiOにしたものを用いてもよい。但し、ウェハ140の周辺を露光する際、ウェハステージ142の移動速度が速い場合や、ウェハ140の交換時に数百mm以上の長距離を移動すると共に、ウェハステージ142の移動速度が速い場合は、液体保持板144上に液体Lがちぎれて残りやすくなる。
このような場合、前記液体と前記液体保持部との第2の接触角は90°以上であることが好ましい。一般に、液体とその液体とが接する部材の付着力と接触角との関係は、接触角が大きい方が付着力は小さく、撥液性にすることで、液体保持板144上に液体Lがちぎれて残りにくくすることができる。
また、液体保持板144上に液体Lがちぎれて残った場合でも、液体保持板144に残った液体Lは、ウェハステージ142の移動に伴って、液体保持板144の外側に飛び出す可能性がある。このような場合でも、回収口145を用いることにより、液体保持板144の外周部まで移動してきた液体Lを回収し、液体Lがウェハステージ142近傍にまき散ることを低減することが可能である。
実施例1では、液体Lに対するウェハ140と液体保持板144の接触角の違いによる効果について説明した。しかし、同じ値の接触角でも付着力が異なることで、液体Lの形状変化が異なる。図10は、ウェハ140が移動した際の液体Lの形状変化を示す概略断面図である。
図10において、液体Lは、ウェハステージ142の移動方向と逆方向に変形する。従って、ウェハステージ142の移動方向Dと逆の方向の動的接触角が前進接触角CA、ウェハステージ142の移動方向100と同じ方向の接触角が後退接触角CAとなる。かかる動的接触角は、ウェハステージ142の移動速度によっても変化する。
図11及び図12は、図6にAで示す液体回収ノズル154のノズル口の周辺部分の拡大断面図である。図11及び図12は、液体Lがウェハ140と液体保持板144の間に供給された状態から、右側にウェハステージ142を移動させた場合の液体Lの形状変化を示した図である。
図11と図12とは、ウェハ140の材料が同じである。但し、液体保持板144の後退接触角が、図11に対して図12の方が小さくなるようにしている。
図11(a)は、ウェハ140と液体保持板144との隙間が液体Lの下に存在する状態を、図11(b)は、ウェハ140と液体保持板144との隙間が液体Lの下から通過した状態を示す。また、図12(a)は、ウェハ140と液体保持板144との隙間が液体Lの下に存在する状態を、図12(b)は、ウェハ140と液体保持板144との隙間が液体Lの下から通過した状態を示す。
図11では、液体Lの付着力が、ウェハ140よりも液体保持板144の方が小さい。従って、液体保持板144の上面に液体Lが残りにくい。一方、図12では、液体Lの付着力が、ウェハ140よりも液体保持板144の方が大きい。従って、液体保持板144の上面に液体Lがちぎれて残ってしまう。
このように、ウェハ140の後退接触角を液体保持板144の後退接触角以下にすることで、液体保持板144の上面に液体Lが残りにくくすることができる。
図3に、投影光学系130のレンズ132とウェハ140の間に平行平板(最終光学素子)134を挿入した露光装置100の変形例を示す。平行平板134は、レンズ132の面132aを汚染から保護する機能を有し、例えば、円板形状を有する。平行平板134がない場合、ウェハ140に塗布されたレジストからPAG剤や酸などの汚染物質が液体Lに溶出して面132aに付着し、投影光学系130の透過率低下などの光学性能の劣化を引き起こすおそれがある。投影光学系130のレンズ132を交換する代わりに、汚染した平行平板134を交換すればよいので保守が容易となり、経済的である。なお、平行平板134は、パワーを有しない光学素子であれば、これに限定されるものではない。平行平板134は、例えば、平行平面形状を有する光学素子(例えば、フィルター)などでもよい。平行平板134は、投影光学系130の鏡筒に結合されていてもよいし、結合されていなくてもよい。換言すれば、平行平板134は、投影光学系130の一部であってもよいし、別個の部材であってもよい。本実施形態の平行平板134は、露光中に停止している。
本実施形態では、液体Lは、レンズ132と平行平板134との間に充填される液体L1と、平行平板134とウェハ140との間に充填される液体L2とを含む。液体L1と液体L2とは、同じであってもよいし、異なってもよい。液体L1及びL2の周囲は、図示しないエアカーテンによって保持されている。
液体供給回収機構150Aは、液体L1用の液体供給回収機構と、液体L2用の液体供給回収機構とを有する。液体L1用の液体供給回収機構は、カバー151と、一対の供給ノズル152aと、一対の回収ノズル154aとを有する。液体L2用の液体供給回収機構は、カバー151と、一対の供給ノズル152bと、一対の回収ノズル154bとを有する。カバー151は、投影光学系130の鏡筒に結合されていてもよいし、結合されていなくてもよい。換言すれば、カバー151は、投影光学系130の一部であってもよいし、別個の部材であってもよい。なお、実施例1と同様に、供給ノズル152a及び152bは、液体供給系の一部を構成し、回収ノズル154a及び154bは、液体回収系の一部を構成する。
本実施形態では、平行平板134の接触角がウェハ140の接触角以下であり、ウェハ140の接触角は液体保持部144の接触角以下であるように、液体保持部144は表面処理されている。表面処理の材質は、実施例1と同様ものを適用することができる。これにより、本実施形態でも露光不良を防止することができる。
露光において、光源部から発せられた光束は照明光学系110に入射し、照明光学系110はレチクル120を均一に照明する。レチクル120を通過した光束は、投影光学系130によって、ウェハ140上に所定倍率で投影される。露光装置100は、スキャナーであるので投影光学系130を固定して、レチクル120とウェハ140を同期走査してショット全体を露光する。更に、ウェハステージ142をステップして、次のショットに移り、新しいスキャンがなされる。このスキャンとステップを繰り返し、ウェハ140上に多数のショットを露光転写する。
投影光学系130のウェハ140側の最終面は、空気よりも屈折率の高い液体Lに浸漬されているので、投影光学系130のNAは高くなり、ウェハ140に形成される解像度も微細になる。液体Lは、投影光学系130とウェハ140との間に存在し、ウェハ140の移動と共に移動する。その際、液体保持部144やウェハ140の他のショットに液体Lが残ったり、引きずられたりすることはない。従って、露光装置100は、投影光学系130とウェハ140との間の液体Lが不足して気泡が混入したり、乱流が発生したりすることを防止することができる。これにより、露光装置100はレジストへのパターン転写を高精度に行って高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
次に、図4及び図5を参照して、露光装置100を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図4は、半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、あるいは液晶パネルやCCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ステップ1(回路設計)では、半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル製作)では、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。一方、ステップ3(ウェハ製造)では、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、上記用意したレチクルとウェハを用いて、リソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図5は、図4のステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着等によって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光材を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置100によってレチクルパターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高解像度のデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を経済性及び生産性よく製造することができる。また、このように、露光装置100を使用するデバイス製造方法、並びに結果物(中間、最終生成物)としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略ブロック図である。 図1に示す露光装置のウェハ及び液体保持板の概略平面図である。 図1に示す露光装置の変形例の部分拡大断面図である。 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。 図4に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。 図1に示す投影光学系のレンズ(最終光学素子)の近傍の拡大断面図である。 図6にAで示す回収ノズルのノズル口の周辺部分の拡大断面図である。 図6にAで示す回収ノズルのノズル口の周辺部分の拡大断面図である。 図6にAで示す回収ノズルのノズル口の周辺部分の拡大断面図である。 ウェハが移動した際の液体の形状変化を示す概略断面図である。 図6にAで示す液体回収ノズルのノズル口の周辺部分の拡大断面図である。 図6にAで示す液体回収ノズルのノズル口の周辺部分の拡大断面図である。
符号の説明
100 露光装置
130 投影光学系
132 レンズ(最終光学素子)
134 平行平板
140 ウェハ
144 液体保持板
150 液体供給回収機構
152 供給ノズル
154 回収ノズル
160 液体供給回収機構の側面
L 液体

Claims (9)

  1. レチクルのパターンを被処理体に投影する投影光学系を備え、前記被処理体と前記投影光学系の最終光学素子との間に液体を満たし、前記投影光学系及び前記液体を介して前記被処理体を露光する露光装置であって、
    前記被処理体の周囲に配置され、前記被処理体の表面と同じ高さの表面を持ち、前記液体を保持する液体保持部を有し、
    前記液体保持部の表面は、前記液体と前記被処理体の表面との第1の接触角が前記液体と前記液体保持部の表面との第2の接触角以下になるように、処理されていることを特徴とする露光装置。
  2. 前記液体と前記投影光学系の最終光学素子の表面との第3の接触角は、前記第1の接触角以下であることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. レチクルのパターンを被処理体に投影する投影光学系を備え、前記被処理体の表面と前記投影光学系の最終光学素子との間に液体を満たし、前記投影光学系及び前記液体を介して前記被処理体を露光する露光装置であって、
    前記被処理体の周囲に配置され、前記被処理体の表面と同じ高さの表面を持ち、前記液体を保持する液体保持部を有し、
    前記液体保持部の表面は、前記液体と前記被処理体の表面との第1の後退接触角が前記液体と前記液体保持部の表面との第2の後退接触角以下になるように、処理されていることを特徴とする露光装置。
  4. 前記第2の接触角は、90°以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光装置。
  5. 前記第3の接触角は、60°未満であることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  6. 前記液体を供給回収する液体供給回収機構を有し、前記液体と前記液体供給回収機構の接液部分の周辺部との第4の接触角が、前記第3の接触角以上であることを特徴とする請求項2又は5記載の露光装置。
  7. 前記液体を供給回収する液体供給回収機構を有し、前記液体と前記液体供給回収機構の前記被処理体又は前記液体保持部に対して傾いた外周部との第4の接触角が、前記第3の接触角以上であることを特徴とする請求項2又は5記載の露光装置。
  8. 前記第4の接触角が90°以上であることを特徴とする請求項6又は7記載の露光装置。
  9. 請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、
    露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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