図1は、本発明の第1の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この図において、放電灯点灯装置10aは、一対の予熱電極(フィラメント)F1、F2を有する放電灯12に供給される印加電圧を調整することにより調光可能にすると共に、放電灯12の予熱期間(先行予熱期間)が終了した後に点灯状態への移行が容易になるように高い始動電圧を印加する始動期間を経て点灯状態に移行させるようにしたものであり、交流電圧を直流電圧に変換する直流電源14と、直流電源14の出力端に接続されたインバータ回路16と、インバータ回路16の出力端に接続され、一対の予熱電極F1、F2を予熱する予熱回路18と、インバータ回路16の出力端に接続され、放電灯12に供給する電力を調整する共振回路20とを備えている。
また、放電灯点灯装置10aは、放電灯12に流れるランプ電流を検出するランプ電流検出回路22と、放電灯12を調光する調光器24と、調光器24の出力端に接続された直流変換回路(Duty−DC変換回路)26と、ランプ電流検出回路22から出力される検出信号と直流変換回路26から出力される指令信号とから調光制御信号を得るフィードバック回路28と、直流変換回路26から出力される指令信号を調光器24により設定された値よりも低い値から当該設定された値にスイープさせる信号昇圧回路30と、フィードバック回路28から出力される調光制御信号に基づいてインバータ回路16の動作を制御する点灯制御回路(インバータ制御回路)32とを備えている。
直流電源14は、昇圧チョッパからなるものであり、交流電源VSから出力される交流電圧を全波整流することで直流電圧を得るダイオードブリッジDB1と、一端がダイオードブリッジDB1の出力端に接続されたインダクタL1と、インダクタL1の他端とグランド電位との間に接続され、インダクタL1に所定周期で電流を流すMOSFETからなるスイッチング素子Q1と、インダクタL1の他端にアノードが接続されたダイオードD1と、ダイオードD1のカソードとグランド電位との間に接続され、インダクタL1に蓄積された磁気エネルギをダイオードD1を介して蓄積するコンデンサC1と、スイッチング素子Q1の導通状態を制御する導通制御回路CCとから構成されたものである。
インバータ回路16は、直流電源14から出力される直流電圧を高周波電圧に変換し、その変換した高周波電圧を放電灯12に供給するものであり、ダイオードD1のカソードとグランド電位との間において互いに直列接続されたMOSFETからなる2つのスイッチング素子Q2、Q3と、この2つのスイッチング素子Q2、Q3の中点に一端が接続された直流カットコンデンサC2とを含んで構成されたものである。
予熱回路18は、2つの二次巻線を有する予熱トランスPTを用いた巻線予熱方式を採用したもので、一次巻線LM1がインバータ回路16の直流カットコンデンサC2の他端とグランド電位との間に接続されると共に、一方の二次巻線LM2が放電灯12の一方の予熱電極F1の両端に接続され、他方の二次巻線LM3が放電灯12の他方の予熱電極F2の両端に接続されて構成されたものである。
共振回路20は、一端がインバータ回路16の直流カットコンデンサC2の他端に接続されると共に、他端が放電灯12の一方の予熱電極F1に接続されたインダクタL2と、インダクタL2の他端とグランド電位との間に接続されたコンデンサC3とで構成されたものである。
ランプ電流検出回路22は、放電灯12の一対の予熱電極F1、F2間に流れるランプ電流を直流電圧に変換して検出するものであり、インバータ回路16の放電灯12に対する電力供給回路に一次巻線LM1が介挿されてなるカレントトランスCTと、カレントトランスCTの二次巻線LM2に接続され、二次巻線LM2に誘起される高周波電圧を全波整流することで直流電圧を得るダイオードブリッジDB2と、ダイオードブリッジDB2に接続された検出端を構成する抵抗素子R1とから構成されたものである。
このように構成されたランプ電流検出回路22では、放電灯12の予熱期間における一対の予熱電極F1、F2間にはアーク放電によるランプ電流が流れないので、抵抗素子R1の両端に電圧が出力されることはないが、放電灯12の予熱期間が終了して始動期間に達することで点灯が開始されると、一次巻線LM1にランプ電流が流れ始めることで二次巻線LM2に電圧が誘起され、この二次巻線LM2に誘起された電圧がダイオードブリッジDB2で整流されて抵抗素子R1の両端に出力される。すなわち、ランプ電流検出回路22は、放電灯12の予熱期間にはローレベルの信号を出力し、始動期間に達するとハイレベルの信号を出力する。
調光器24は、調光信号としてパルス幅変調により生成されるパルス信号を出力するものであり、デューティ比が大きくなるほど放電灯12の光出力が高光束となるようにし、デューティ比が小さくなるほど放電灯12の光出力が低光束となるようにするものである。直流変換回路26は、調光器24から出力された調光信号をデューティ比に対応したレベルの直流信号に変換するものである。すなわち、直流変換回路26は、調光器24から出力される調光信号のデューティ比が大きくなるほどハイレベルの直流信号を出力し、デューティ比が小さくなるほどローレベルの直流信号を出力する。この直流変換回路26から出力される直流信号は、調光動作を制御する指令信号としてフィードバック回路28に供給される。
フィードバック回路28は、ランプ電流検出回路22から出力される検出信号と直流変換回路26から出力される指令信号との誤差を増幅して調光制御信号として出力する誤差増幅回路を構成するオペアンプOP1を含んで構成されたもので、ランプ電流検出回路22から出力される検出信号が反転入力端子(−端子)に抵抗素子R−を介して入力され、直流変換回路26から出力される指令信号が非反転入力端子(+端子)に抵抗素子R+を介して入力される。
このよう構成されたフィードバック回路28は、ランプ電流検出回路22から出力される検出信号が放電灯12の予熱期間であることでローレベルにある場合には、オペアンプOP1から出力される調光制御信号は最大値に設定された状態で固定され、オペアンプOP1の動作がマスクされた状態となる。そして、放電灯12の始動期間に達すると点灯が開始されてランプ電流検出回路22から出力される検出信号がハイレベルとなり、マスクが解除されてオペアンプOP1が動作することでフィードバック回路28が機能し、出力される調光制御信号に基づいて点灯制御回路32が動作する。なお、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子との間には、カットオフ周波数を決定する抵抗素子RpとコンデンサCpとの並列回路が接続されており、低周波のリップルが低減されるようになっている。
信号昇圧回路30は、放電灯12の予熱期間及び始動期間に直流変換回路26から出力される指令信号を調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベル(下限値よりも低い値を含む。以下同じ。)に設定する電圧変更回路34と、放電灯12の予熱期間及び始動期間終了後に電圧変更回路34の動作が解除されることで直流変換回路26から出力される指令信号を調光器24で設定されたレベルにまでスイープ(徐々に復帰)させる時定数回路36と、直流変換回路26から出力される指令信号が所定のレベル以下にならないようにするリミッタ回路38とから構成されている。
ここで、電圧変更回路34は、直流変換回路26の出力ラインに一端が接続された抵抗素子R2と、この抵抗素子R2の他端とグランド電位との間に接続されたスイッチ素子であるNPN型トランジスタTr1とで構成されている。このトランジスタTr1は、放電灯12の予熱期間及び始動期間に点灯制御回路32から制御端子であるベースにハイ信号が供給されることでオンし、直流変換回路26から出力される指令信号を調光器24により設定される調光可能範囲の下限値近傍レベルに設定する。
また、時定数回路36は、抵抗素子R3とコンデンサC4との直列回路により構成され、直流変換回路26の出力ラインとグランド電位との間に接続されたものである。また、リミッタ回路38は、オペアンプOP2を含んで構成されたもので、降圧した交流電圧を整流して得た電源電圧Vccを抵抗素子R4と抵抗素子R5とで分圧して得た基準電圧がオペアンプOP2の非反転入力端子(+)に入力されると共に、オペアンプOP2の出力信号がダイオードD2を介して反転入力端子(−)に入力され、オペアンプOP2の出力端がダイオードD2を介して直流変換回路26の出力ラインに接続されるようにしたものである。
点灯制御回路32は、例えばPWM−ICにより構成されたもので、放電灯12の予熱期間、始動期間及び点灯期間にインバータ回路16の動作周波数を各期間の対応する周波数に切り替える動作を行うものである。すなわち、放電灯12の予熱期間においては最も高い周波数fpreでインバータ回路16を駆動させ、始動期間においては周波数fpreよりも低い周波数fstrでインバータ回路16を駆動させ、点灯期間には周波数fstrよりも低い周波数foscでインバータ回路16を駆動させる。
また、点灯制御回路32は、放電灯12の予熱期間及び始動期間に電圧変更回路34のトランジスタTr1のベースにハイ信号を供給すると共に、始動期間終了後にトランジスタTr1のベースにロー信号を供給する一方、フィードバック回路28から出力される調光制御信号が増加するとインバータ回路16の動作周波数を低下させて光出力(ランプ電流)を増加させると共に、調光制御信号が減少するとインバータ回路16の動作周波数を増加させて光出力(ランプ電流)を減少させる。これにより、点灯制御回路32は、始動期間終了後にフィードバック回路28から出力される調光制御信号に基づいて放電灯12に対しフェードイン始動を行うことが可能となる。
このように構成された放電灯点灯装置10aは、次のように動作する。すなわち、オペレータにより調光器24が所定の調光値に設定され、図略の電源スイッチがオンにされると、点灯制御回路32によりインバータ回路16が周波数fpreで駆動される。これにより、インバータ回路16から出力された高周波電圧が予熱回路18の予熱トランスPTの一次巻線LM1に供給され、各二次巻線LM2、LM3から予熱電極F1、F2に電圧が供給されることで各予熱電極F1、F2が予熱(先行予熱)される。
この予熱期間においては、放電灯12の一対の予熱電極F1、F2間にはランプ電流が流れないことからランプ電流検出回路22からの出力はローレベルになることで、フィードバック回路28から出力される調光制御信号は最大値に固定され、オペアンプOP1の動作がマスクされた状態となる。一方、予熱期間及び始動期間においては、点灯制御回路32から出力されるハイ信号により電圧変更回路34のトランジスタTr1がオンにされることで、信号昇圧回路30から出力される指令信号は調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルに設定されている。これにより、点灯制御回路32は、予熱期間及び始動期間において、予め設定された所定の周波数fpre及び周波数fstrでインバータ回路16を駆動することが可能となる。
そして、放電灯12の始動期間が終了すると、点灯制御回路32から電圧変更回路34に対して出力されているハイ信号がロー信号に変わることで電圧変更回路34のトランジスタTr1がオフになる結果、直流変換回路26から出力される指令信号は調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルから調光器24により設定されたレベルにまで時定数回路36の時定数でスイープすることになる。
すなわち、放電灯12の始動期間が終了すると点灯制御回路32は周波数foscでインバータ回路16を駆動させようとするが、放電灯12の点灯期間になるとフィードバック回路28から出力される調光制御信号が時定数回路36の時定数に基づいてスイープする指令信号に対応して変化することで、インバータ回路16の動作周波数と光出力との関係を表わす図2及び図3に示すように、調光器24で如何なる調光レベルに設定されていたとしても、始動期間終了後において明から暗への急激な変化のない演出用途に適したフェードイン始動が行われることになる。
ここで、図2は始動期間が短くなるように設定した場合のインバータ回路16の動作周波数と光出力との関係を示すもので、始動期間が短いために指令信号は始動期間に達した後にすぐに調光器24で設定されたレベルにまでスイープする。図3は始動期間が長くなるように設定した場合のインバータ回路16の動作周波数と光出力との関係を示すもので、指令信号は始動後のしばらくの期間は低い値で一定となり、始動期間終了後に調光器24で設定されたレベルにまでスイープする。
この図2及び図3において、いずれも予熱期間が終了して始動期間に移行したときにインバータ回路16の動作周波数が低くなることで高電圧が印加され、放電灯12が点灯して光出力が増大することになるが、この放電灯12の点灯によりランプ電流が検出されてフィードバック回路28から出力される調光制御信号が小さくなる結果、点灯制御回路32によりインバータ回路16の動作周波数が増大されて光出力が減少される。このため、このフィードバック回路28の時定数を小さくする(遅延時間を短くする)ことで、始動期間に移行したときの光出力の変化する期間(先鋭状となる期間)を短くすることができ、これにより人の目に閃光として認識できないレベルに抑えることが可能となる。
なお、調光下限値におけるインバータ回路16の動作周波数と始動時におけるインバータ回路16の動作周波数とを等しくすることで、始動期間に移行したときの閃光をより抑制することが可能になる。
また、本実施形態におけるフェードイン時の指令信号の変化は、図4に示すように、フェードイン開始から1秒以内に終了するように設定されている。これは、点灯後の光出力の変化に必要以上の遅れを生じさせると違和感が生じるためである。また、本実施形態では、指令信号の変化をRC時定数により実現していることから、図4に示す上向きに膨らむフェードカーブとなるが、図5に示す下向きに膨らんだフェードカーブとしてもよい。人間の目には図5に示す下向きに膨らんだフェードカーブの方がより快適に感じることができる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第2の実施形態に係る回路構成では、図1に示す第1の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第1の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。この第2の実施形態に係る回路構成は、第1の実施形態に係る回路構成とは、放電灯12の始動期間に放電灯12が点灯したか否かを判別する点灯判別回路40を備え、この点灯判別回路40からの出力信号により信号昇圧回路30の電圧変更回路34の動作を制御するようにした点で相違するものであり、その他の構成は第1の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この第2の実施形態に係る放電灯点灯装置10bは、点灯判別回路40がコンパレータCP1を含んで構成されたものであり、ランプ電流検出回路22から出力される検出信号がコンパレータCP1の反転入力端子(−端子)に入力されると共に、降圧した交流電圧を整流して得た電源電圧Vccを抵抗素子R6及びR7により分圧して得た基準電圧がコンパレータCP1の非反転入力端子(+端子)に入力され、コンパレータCP1の出力端子から出力される検出信号が電圧変更回路34のトランジスタTr1のベースに入力されるようにしたものである。なお、ランプ電流検出回路22から出力される検出信号が入力される入力端子とグランド電位との間に入力値を安定化するための充電用のコンデンサC5が接続されている。
このように構成された第2の実施形態に係る放電灯点灯装置10bは、光出力、インバータ回路16の動作周波数及び点灯判別回路40の出力が図7に示すような関係性を呈するように動作する。すなわち、放電灯12の予熱期間においてはランプ電流が流れないことでランプ電流検出回路22からの検出信号はローレベルとなり、コンパレータCP1の出力端子からハイ信号が出力される。このため、電圧変更回路34のトランジスタTr1がオンにされることで、信号昇圧回路30から出力される指令信号は調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルに設定される。
ところが、予熱期間が終了して始動期間に達するとランプ電流が流れることでランプ電流検出回路22から出力される検出信号がハイレベルとなり、コンパレータCP1の出力端子からはロー信号が出力される。このため、電圧変更回路34のトランジスタTr1がオフにされることで、信号昇圧回路30から出力される指令信号は調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルから調光器24により設定されたレベルにまで時定数回路36の時定数でスイープすることになり、フィードバック回路28の調光制御信号に応じてインバータ回路16の動作周波数が徐々に低下することで放電灯12の光出力が漸次増加していくことになる。
このように構成された第2の実施形態に係る放電灯点灯装置10bにおいては、第1の実施形態に係る放電灯点灯装置10aにおいて奏する作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。すなわち、点灯判別回路40により電圧変更回路34の動作を制御しているので、放電灯12の始動期間内にフェードイン始動を開始することができるようになり、第1の実施形態に係る放電灯点灯装置10aに比べて十分な始動期間を設定することができることから、低温時においても放電灯12の始動性を向上させることができる。
また、始動期間を長く設定しても始動直後から始動期間の終了までの間に光出力が一定になることがないので、フェードイン時の明暗の差による違和感がより改善されることになると共に、始動期間内にフェードイン始動が開始されることで低温時に発生しやすくなる始動直後の光のジャンプ現象が発生し難くなるという利点もある。なお、ここでいうジャンプ現象とは、放電灯12がアーク放電からグロー放電に移行し、放電灯12の管端のみが僅かに光る現象をいう。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第3の実施形態に係る回路構成では、図6に示す第2の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第2の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。この第3の実施形態に係る回路構成は、第2の実施形態に係る回路構成とは、放電灯12の始動期間に放電灯12が点灯したか否かを判別する点灯判別回路40が放電灯12に印加される直流電圧成分を検出するように構成された点で相違するものであり、その他の構成は第2の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この第3の実施形態に係る放電灯点灯装置10cは、点灯判別回路40がコンパレータCP1を含むと共に、直流電源14から放電灯12に供給される直流電圧成分を検出するための電圧検出回路42を備えて構成されたものである。
この電圧検出回路42は、直流電源14の高電位側の出力端と放電灯12の一方の予熱電極F1との間に接続された高抵抗の抵抗素子R11、R12及びR13の直列抵抗回路44と、一端がグランド電位に接続された充電用のコンデンサC6と、放電灯12の一方の予熱電極F1とコンデンサC6の他端に接続された高抵抗の抵抗素子R14、R15及びR16の直列抵抗回路46とを含んで構成されたもので、直列抵抗回路46とコンデンサC6との接続点がダイオードD3を介してコンパレータCP1の非反転入力端子(+端子)に接続されている。
また、コンパレータCP1の反転入力端子(−端子)には、電源電圧Vccを抵抗素子R9及びR10により分圧して得た基準電圧が入力され、コンパレータCP1の出力端子から出力される検出信号が電圧変更回路34のトランジスタTr1のベースに入力されるようになっている。なお、コンパレータCP1の非反転入力端子とグランド電位との間には、入力値を安定化するための充電用のコンデンサC7と、このコンデンサC7に充電された電荷を放電するための抵抗素子R17とが接続されている。
このように構成された第3の実施形態に係る放電灯点灯装置10cは、点灯判別回路40の出力、放電灯12の直流電圧成分、放電灯12に流れるランプ電流及び放電灯12のランプ電圧が図9に示すような関係性を呈するように動作する。すなわち、放電灯12の予熱期間においては、一対の予熱電極F1、F2間の等価抵抗は無限大であるため、直流電源14から放電灯12に重畳される直流電圧が高抵抗の直列抵抗回路44、46を介してコンデンサC6に充電され、この電位がダイオードD2を介してコンパレータCP1の非反転入力端子に入力されることで、コンパレータCP1の出力端子からハイ信号が出力される。このため、電圧変更回路34のトランジスタTr1がオンにされることで、信号昇圧回路30から出力される指令信号は調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルに設定される。
一方、予熱期間が終了して始動期間に移行すると点灯が開始されることで放電灯12の等価抵抗が低下し、コンデンサC6には正負のバランスのとれた充放電電流が流れることで殆ど充電されないことになり、コンパレータCP1の非反転入力端子に入力される電圧はほぼゼロとなることから、コンパレータCP1の出力端子からはロー信号が出力される。このため、電圧変更回路34のトランジスタTr1がオフにされることで、信号昇圧回路30から出力される指令信号は調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルから調光器24により設定されたレベルにまで時定数回路36の時定数でスイープすることになり、フィードバック回路28の調光制御信号に応じてインバータ回路16の動作周波数が徐々に低下することで放電灯12の光出力が漸次増加していくことになる。
このように、この第3の実施形態に係る放電灯点灯装置10cにおいては、放電灯12に印加される直流電圧成分を検出することで始動期間に放電灯12が点灯したか否かを判別する点灯判別回路40により電圧変更回路34の動作を制御しているので、第2の実施形態の場合と同様に始動期間内にフェードイン始動を開始することができるようになり、第1の実施形態に係る放電灯点灯装置10aに比べて十分な始動期間を設定することができることから、低温時においても放電灯12の始動性を向上させることができる。
また、始動期間を長く設定しても始動直後から始動期間の終了までの間に光出力が一定になることがないので、フェードイン時の明暗の差による違和感がより改善されることになると共に、始動期間内にフェードイン始動が開始されることで低温時に発生しやすくなる始動直後の光のジャンプ現象が発生し難くなるという利点もある。
また、放電灯12に供給される直流電圧成分を検出することで始動期間に放電灯12が点灯したか否かを判別するので、第2の実施形態に係る放電灯点灯装置10bのようにランプ電流により放電灯12が点灯したか否かを判別するもの比べ、放電灯12が点灯しない予熱期間における検出信号と放電灯12が点灯する始動期間における検出信号との差異が大きくなる結果、始動期間における点灯判別を確実に行うことができる。このことは、図9に示す波形図からも理解することができる。なお、放電灯12に供給される直流電圧成分を検出する構成としたことで、その検出回路をランプ寿命末期検出回路と共用することが可能となる。
図10は、本発明の第4の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第4の実施形態に係る回路構成では、図8に示す第3の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第3の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。この第4の実施形態に係る回路構成は、第3の実施形態に係る回路構成とは、予熱電極F1、F2の予熱方式として一対の予熱電極F1、F2間に始動コンデンサC10を接続したC予熱方式を採用すると共に、これに伴ってランプ電流検出回路22の構成を異ならせた点で相違するものであり、その他の構成は第3の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この第4の実施形態に係る放電灯点灯装置10dは、放電灯12の予熱電極F1、F2間に始動コンデンサC10を接続して構成した予熱回路50を備えると共に、一次巻線LM1、二次巻線LM2及び三次巻線LM3を備えたカレントトランスCTを用いてランプ電流検出回路22を構成したものである。このカレントトランスCTは、その一次巻線LM1がインバータ回路16から放電灯12に対して電力を供給する電力供給回路(すなわち、放電灯12の予熱電流とランプ電流とが共に流れる個所)に介挿され、二次巻線LM2が予熱回路50(すなわち、放電灯12の予熱電流のみが流れる個所)に一次巻線LM1とは逆極性(逆相)となるように介挿され、三次巻線LM3がランプ電流を検出する検出巻線となるようにされたものである。
このように構成された第4の実施形態に係る放電灯点灯装置10dは、放電灯12の予熱期間にはランプ電流が流れないことから一次巻線LM1及び二次巻線LM2に互いに逆向きの予熱電流(先行予熱電流)が流れることで磁界が打ち消され、三次巻線LM3には検出電圧が出力されないことになる。また、始動期間及び点灯期間には、一次巻線LM1に予熱電流(常時予熱電流)とランプ電流の合成電流が流れ、二次巻線LM2に予熱電流(常時予熱電流)が流れることで三次巻線LM3には予熱電流とランプ電流の合成電流から予熱電流が打ち消されたランプ電流のみによる検出電圧が検出されることになる。このため、C予熱方式を採用した場合であっても放電灯12に流れるランプ電流を正確に検出することができ、ランプ電流のフィードバック制御によるフェードイン始動を確実に行うことができる。
図11は、本発明の第5の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第5の実施形態に係る回路構成では、図8に示す第3の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第3の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。この第5の実施形態に係る回路構成は、第3の実施形態に係る回路構成とは、放電灯12への電力供給を出力トランスを用いて行い、これに伴ってランプ電流検出回路22の構成を異ならせた点で相違するものであり、その他の構成は第3の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この第5の実施形態に係る放電灯点灯装置10eは、共振回路20のコンデンサC3に並列に一次巻線LM1を接続した出力トランス(センタータップトランス)OTのセンタータップを有する二次巻線LM2の両端を一対の予熱電極F1、F2の各一端にそれぞれ接続して電力供給を行うことで放電灯12を点灯させるようにする一方、一次巻線LM1、二次巻線LM2及び三次巻線LM3を備えたカレントトランスCTを用い、その一次巻線LM1を予熱電極F2の一端とその一端に接続される予熱トランスPTの二次巻線LM2及び出力トランスOTの二次巻線LM2との間(すなわち、放電灯12の予熱電流とランプ電流とが共に流れる個所)に介挿すると共に、二次巻線LM2を予熱電極F2の他端とその他端に接続される予熱トランスPTの二次巻線LM2との間(すなわち、放電灯12の予熱電流のみが流れる個所)に一次巻線LM1とは逆極性(逆相)となるように介挿し、三次巻線LM3がランプ電流を検出する検出巻線となるようにしてランプ電流検出回路22を構成したものである。
このように構成された第5の実施形態に係る放電灯点灯装置10eは、放電灯12の予熱期間にはランプ電流が流れないことからカレントトランスCTの一次巻線LM1及び二次巻線LM2に互いに逆向きの予熱電流(先行予熱電流)が流れることで磁界が打ち消され、三次巻線LM3には検出電圧が出力されないことになる。また、始動期間及び点灯期間には、一次巻線LM1に予熱電流(常時予熱電流)とランプ電流の合成電流が流れ、二次巻線LM2に予熱電流(常時予熱電流)が流れることで三次巻線LM3には予熱電流とランプ電流の合成電流から予熱電流が打ち消されたランプ電流のみによる検出電圧が検出されることになる。このため、予熱トランスPTを用いた巻線予熱方式を採用すると共に、電力供給回路に出力トランスOTを用いた場合であっても放電灯12に流れるランプ電流を正確に検出することができ、ランプ電流のフィードバック制御によるフェードイン始動を確実に行うことができる。
なお、予熱トランスPTを用いた巻線予熱方式を採用した場合は、カレントトランスCTの一次巻線LM1及び二次巻線LM2のみでランプ電流の検出は可能ではあるが、調光の下限付近における低光束時ではラインインピーダンスが非常に大きくなることからランプ電流が小さくなるにも拘わらず予熱電流が大きくなる。このため、予熱電流による漏れ電流によりランプ電流が正確に検出できないことになると共に、低温時においては実際のランプ電流と検出されるランプ電流との相関関係が変化するなどして実際のランプ電流よりも大きな値のランプ電流が検出されることになり、低光束からフェードイン始動を行うときにジャンプ現象やちらつきが生じる虞がある。これに対し、本実施形態による方式によれば、調光の下限付近における低光束時においてもランプ電流を正確に検出することができることになり、低温時においても予熱電流による漏れ電流に影響されることなくフェードイン始動を確実に行うことができる。
図12は、本発明の第6の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第6の実施形態に係る回路構成では、図11に示す第5の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第5の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。
すなわち、この第6の実施形態に係る放電灯点灯装置10fは、第5の実施形態に係る回路構成とは、フィードバック回路28を構成するオペアンプOP1の反転入力端子(−端子)とグランド電位間にスイッチ素子であるNPN型トランジスタTr2を接続することでマスク回路54を構成し、そのマスク回路54の制御端子となるベースに点灯制御回路32から制御信号を供給するようにした点で相違するものであり、その他の構成は第5の実施形態に係るものと同一である。なお、この第6の実施形態に係る回路構成では、直流電源14の具体的回路構成を省略して示している。また、放電灯12の電力供給回路を構成する出力トランスOTとして二次巻線LM2にセンタータップを有しないものを用いている。
このように構成された第6の実施形態に係る放電灯点灯装置10fは、放電灯12の予熱期間にのみ点灯制御回路32からハイ信号がマスク回路54を構成するトランジスタTr2のベースに供給されることでトランジスタTr2がオンとなり、オペアンプOP1の反転入力端子がグランド電位に接続されることになる結果、オペアンプOP1から出力される調光制御信号が予熱期間中は必ず最大値で固定され、フィードバック回路28の動作にマスク期間が設けられることになり、低温時においても確実に低光束からフェードイン始動を行うことができる。
すなわち、ランプ電流のフィードバック制御の場合、通常であれば放電灯12の予熱期間においてはランプ電流検出回路22で検出されるランプ電流はローレベルであるため、オペアンプOP1から出力される調光制御信号が予熱期間では最大値に固定されることになる。ところが、予熱期間における予熱電流や回路パターンを流れる電流が漏れ電流となり、この漏れ電流がランプ電流としてオペアンプOP1の反転入力端子に入力される結果、フィードバック回路28が動作してオペアンプOP1から出力される調光制御信号が予熱期間であるにも拘わらず小さくなってしまう。
このように、調光制御信号が予熱期間であるにも拘わらず小さくなると、始動期間に移行したときに所定の始動電圧を放電灯12に供給することができないことになり、低光束からのフェードイン始動が困難となるのに対し、本実施形態に係る構成によれば、予熱期間におけるフィードバック回路28の動作にマスク期間が設けられることで確実に低光束からフェードイン始動させることができる。
図13は、本発明の第7の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第7の実施形態に係る回路構成では、図12に示す第6の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第6の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。
すなわち、この第7の実施形態に係る放電灯点灯装置10gは、第6の実施形態に係る回路構成とは、フィードバック回路28におけるオペアンプOP1の反転入力端子(−端子)とグランド電位間に設けたマスク回路54を構成するトランジスタTr2の制御を点灯判別回路40のコンパレータCP1の出力信号により行うようにした点で相違するものであり、その他の構成は第6の実施形態に係るものと同一である。
このように構成された第7の実施形態に係る放電灯点灯装置10gは、放電灯12の予熱期間にのみ点灯判別回路40からハイ信号がマスク回路54を構成するトランジスタTr2のベースに供給されることでトランジスタTr2がオンとなり、オペアンプOP1の反転入力端子がグランド電位に接続されることになる結果、オペアンプOP1から出力される調光制御信号が予熱期間内は必ず最大値で固定され、フィードバック回路28の動作にマスク期間が設けられることになる結果、第6の実施形態に係るものと同様に低温時においても確実に低光束からフェードイン始動させることができることになる。
図14は、本発明の第8の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第8の実施形態に係る回路構成では、図12に示す第6の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第6の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。
この第8の実施形態に係る回路構成は、第6の実施形態に係る回路構成とは、点灯制御回路32に設けられている始動周波数(放電灯12の始動期間におけるインバータ回路16の動作周波数)を決定する抵抗素子Rsのグランド側端子を放電灯12の予熱期間にはグランド電位に接続し、予熱期間が終了した後の始動期間においてグランド電位への接続を遮断してオープンにすることでインバータ回路16の動作周波数を始動期間内において通常点灯時における動作周波数である最低周波数まで変更制御することができるようにする始動周波数変更回路56を設けた点で相違するものであり、その他の構成は第6の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この第8の実施形態に係る放電灯点灯装置10hは、始動周波数変更回路56がコンパレータCP2を含んで構成されたものであり、信号昇圧回路30から出力される指令信号がコンパレータCP2の反転入力端子(−端子)に入力されると共に、電源電圧Vccを抵抗素子R20及びR21により分圧して得た基準電圧がコンパレータCP2の非反転入力端子(+端子)に入力され、コンパレータCP2の出力端子からの出力信号が抵抗素子Rsのグランド側端子とグランドとの間に接続したスイッチ素子であるNPN型トランジスタTr3の制御端子となるベースに入力されるようにしたものである。
このように構成された第8の実施形態に係る放電灯点灯装置10hは、放電灯12の予熱期間には抵抗素子R20及びR21により分圧して得た基準電圧が信号昇圧回路30から出力される指令信号よりも高くなるように設定されており、これによりコンパレータCP2の出力端子からハイ信号が出力されることでトランジスタTr3がオンとなる結果、抵抗素子Rsのグランド側端子がグランド電位に接続され、始動期間におけるインバータ回路16が予め設定された所定の始動周波数で動作するようになっている。
そして、放電灯12の予熱期間が終了して始動期間に移行すると、点灯判別回路40により放電灯12の始動が検出されることで信号昇圧回路30から出力される指令信号がRC時定数に対応してスイープすることになるが、この過程で指令信号のレベルが抵抗素子R20及びR21により分圧して得た基準電圧よりも高くなったとき、コンパレータCP2からロー信号が出力されることでトランジスタTr3がオフとなる。
これにより、抵抗素子Rsのグランド側端子がグランド電位から遮断された状態になり、インバータ回路16の動作周波数を決定する電流値が変更可能となることでフィードバック回路28の調光制御信号に対応して点灯制御回路32により始動期間内においても通常点灯時の最低周波数まで変更制御することができるようになる結果、調光器24により放電灯12の光出力が最大となる定格出力に設定されているような場合でもフェードイン始動により違和感なく光出力を変化させることができる。
すなわち、調光器24により放電灯12の光出力が最大となる定格出力に設定されているような場合であっても、放電灯12の予熱期間に信号昇圧回路30から出力される指令信号は調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルになるように設定されており、予熱期間から始動期間に移行することに伴ってRC時定数に対応してスイープすることになる。ところが、始動周波数変更回路56が設けられていない場合では、指令信号のレベルがRC時定数対応してスイープしても始動期間が終了するまではインバータ回路16の動作周波数が予め設定された始動周波数以下には変化しないことから、光出力も始動期間が終了するまでは実質的に変化しないで始動期間が終了するのと同時に急激に高光出力へと変化する。このため、調光器24により放電灯12の光出力が最大となる定格出力に設定されているような場合では、フェードイン始動により違和感なく光出力を変化させることが困難となる。
このような不都合は始動期間をできるだけ短くすることで解消できないことはないが、放電灯12の特性ばらつき、回路部品の特性ばらつき、周囲温度の変化などの影響を除去するためには一定の始動期間が不可避的に必要となるため、始動周波数変更回路56を設けることでかかる不都合を容易に解消することができる。なお、図15は、始動周波数変更回路56を設けない場合の光出力の状態を示す図であり、図16は、始動周波数変更回路56を設けた場合の光出力の状態を示す図である。
図17は、本発明の第9の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第9の実施形態に係る回路構成では、図14に示す第8の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第8の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。
この第9の実施形態に係る回路構成は、第8の実施形態に係る回路構成とは、点灯判別回路40を構成するコンパレータCP1の非反転入力端子の電位を放電灯12の予熱期間及び始動期間が終了し、点灯期間に移行した段階で強制的にローレベルにすることでコンパレータCP1からロー信号が出力されるようにし、周囲温度が低い場合などに放電灯12の始動期間終了後にジャンプ現象(放電灯12がアーク放電からグロー放電となり、管端のみが僅かに光る現象)が生じた場合でも再始動を可能にする再始動回路60を設けるようにした点で相違するものであり、その他の構成は第8の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この第9の実施形態に係る放電灯点灯装置10iは、再始動回路60が、一定周期で矩形波を出力するカウンタ発振器62と、カウンタ発振器62から出力される矩形波の数をカウントするカウンタ回路64と、カウンタ回路64のカウント値が所定値に達したときにコンパレータCP1の非反転入力端子をローレベルにするもので、一端がコンパレータCP1の非反転入力端子に接続された抵抗素子R22と、この抵抗素子R22の他端とグランド電位との間に接続されたスイッチ素子であるNPN型トランジスタTr4とからなる短絡回路66とを含んで構成されたものである。
このように構成された第9の実施形態に係る放電灯点灯装置10iは、電源投入によりカウンタ発振器62が作動することで矩形波が出力されると共に、カウンタ回路64による矩形波のカウントが開始され、放電灯12の予熱期間及び始動期間が終了する所定のカウント値に達したときにカウンタ回路64からハイ信号がトランジスタTr4のベースに供給される。これにより、トランジスタTr4がオンにされ、コンパレータCP1の非反転入力端子が抵抗素子R22を介してグランド電位に接続されることで非反転入力端子の電位が強制的にローレベルとなり、コンパレータCP1からロー信号が出力される結果、周囲温度が低い場合などに放電灯12の始動期間終了後にジャンプ現象が生じて点灯判別回路40からハイ信号が出力されることで再始動が不能になることを阻止することができる。
すなわち、本発明のように調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルからフェードイン始動が開始されるものでは、周囲温度が低い場合などには始動期間が終了して点灯期間に移行した瞬間にジャンプ現象が生じて放電灯12のインピーダンスが非常に高くなり、点灯判別回路40の出力がロー信号からハイ信号になる場合が生じる。このように、始動期間が終了した後に点灯判別回路40の出力がロー信号からハイ信号になると、点灯判別回路40の出力が再びロー信号になることがないため、信号昇圧回路30から出力される指令信号が調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルに固定されてしまうことになる。
ところが、本実施形態のように再始動回路60を設けておくことで、始動期間終了後にジャンプ現象が生じた場合でも点灯判別回路40から強制的にロー信号が出力されることになるため、信号昇圧回路30から出力される指令信号が調光器24による調光可能範囲の下限値近傍レベルから調光器24で設定されたレベルにまでスイープする。これにより、フィードバック回路28が機能してランプ電流検出回路22で検出されたランプ電流のレベルと指令信号のレベルとが等しくなるまで調光制御信号が増大し、それに応じてインバータ回路16の動作周波数が低下することで放電灯12に供給される電圧が始動電圧に達し、放電灯12が再び点灯することになる。なお、この回路構成によれば、ジャンプ現象が発生しない場合に再始動回路60が動作しても正常な回路動作に影響を及ぼすことはない。
図18は、本発明の第10の実施形態に係る放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。この第10の実施形態に係る回路構成では、図17に示す第9の実施形態に係る回路構成と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第9の実施形態に係る回路構成との相違点を中心に説明する。
この第10の実施形態に係る回路構成は、第9の実施形態に係る回路構成とは、点灯判別回路40を構成するコンパレータCP1に代えてスイッチ素子であるPNP型トランジスタTr5を用いるなどすることにより、再始動回路60の動作の影響を受けずに点灯判別回路40を用いてランプ寿命末期検出などの異常検出回路68を作動させることができるようにした点において相違するものであり、その他の構成は第9の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この第10の実施形態に係る放電灯点灯装置10jは、点灯判別回路40を構成するコンパレータCP1に代えてスイッチ素子であるPNP型トランジスタTr5を用いたものであり、そのエミッタをツェナーダイオードZD1を介して信号昇圧回路30のトランジスタTr1のベースに接続すると共に、抵抗素子R24を介して電源電圧Vccに接続し、再始動回路60の抵抗素子R22に接続したものである。そして、始動周波数変更回路56のコンパレータCP2の出力端子を、信号昇圧回路30のオペアンプOP2の非反転入力端子とグランド電位との間に抵抗素子R25を介して接続したスイッチ素子であるNPN型トランジスタTr6の制御端子であるベースに接続するようにしている。
このように構成された第10の実施形態に係る放電灯点灯装置10jは、放電灯12の予熱期間においてはトランジスタTr5のエミッタ電位がベース電位よりも低くなるように設定されていることでトランジスタTr5はオフになり、ツェナー電圧以上の電圧が電源電圧Vccから抵抗素子R24を介してツェナーダイオードZD1のアノードに印加されるようになっている。このため、ツェナーダイオードZD1が導通することで信号昇圧回路30のトランジスタTr1がオンになる結果、放電灯12の予熱期間においては信号昇圧回路30から出力される指令信号のレベルが低い値に維持される。
そして、放電灯12の予熱期間が終了して始動期間に移行すると、トランジスタTr5のベースに印加される電圧がほほゼロになることでトランジスタTr5がオンし、ツェナーダイオードZD1のアノードに印加される電圧が低下することでツェナーダイオードZD1が不導通となる結果、トランジスタTr1がオフして信号昇圧回路30から出力される指令信号のレベルがスイープすることでフェードイン始動が行われる。
すなわち、この構成によれば、周囲温度が低いことなどの影響で始動期間が終了して点灯状態になった瞬間にジャンプ現象が生じた場合でも、再始動回路60によりトランジスタTr5のエミッタに加わる電位が強制的に低下することでツェナーダイオードZD1が不導通となってトランジスタTr1がオフとなり、信号昇圧回路30から出力される指令信号のレベルがスイープすることで放電灯12が再始動される一方、再始動回路60が動作することでトランジスタTr4がオンになってトランジスタTr5がオフになる結果、点灯判別回路40を用いてランプ寿命末期検出などの異常検出回路68を作動させるようにされている場合であっても再始動回路60の動作の影響を受けずに異常検出回路68を作動させることができる。
図19は、上述した各実施形態に係る放電灯点灯装置10a乃至10jを構成する各回路と放電灯12とから構成される照明器具の具体的構成を示す図である。この図19に示す照明器具70は、断面で示す反射部を構成する灯具72と、灯具72の側部に設けられたランプソケット74と、ランプソケット74の背部に設けられた回路収納部76と、灯具72、ランプソケット74及び回路収納部76を一体に支持する支持板78とを含んで構成されたものである。なお、ランプソケット74に放電灯12が装着され、回路収納部76に放電灯点灯装置10a乃至10jを構成する各回路を含む回路基板が収納されたものであり、灯具72が天井80に形成された穴部81に配設されて取り付けられる。
図20は、上述した各実施形態に係る放電灯点灯装置10a乃至10jを構成する各回路と放電灯12とから構成される別の照明器具の具体的構成を示す図である。この図20に示す照明器具86は、一部を切り欠いて示す反射部を構成する灯具88と、灯具88の頂部に設けられたランプソケット部90と、ランプソケット部90が支持された回路収納部92とを含んで構成されたものである。なお、ランプソケット部90に放電灯12が装着され、回路収納部92に放電灯点灯装置10a乃至10jを構成する各回路を含む回路基板が収納されたもので、ランプソケット部90が回路収納部92に対して回動可能となっている。
本発明は、上記各実施形態に示すように構成されているので、低光束から安定した状態でフェードイン始動を行うことができる。なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
(1)上記いずれの実施形態においても、放電灯12が点灯したか否かの放電状態を検出する状態検出回路として、放電灯12の一対の予熱電極F1、F2間に流れるランプ電流を検出するランプ電流検出回路22を用いているが、これに限るものではない。例えば、放電灯12の消費電力、放電灯12の光出力、インバータ回路16のスイッチング素子Q2、Q3に流れる電流などを検出することによっても放電灯12の放電状態を検出することができる。
(2)上記図1に示す第1の実施形態、図6に示す第2の実施形態、及び、図8に示す第3の実施形態において、放電灯12の予熱電極F1、F2に対する予熱は巻線予熱方式が適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図10に示す第4の実施形態のようなC予熱方式やその他の適宜の予熱方式を必要に応じて採用することも可能である。
(3)上記図10に示す第4の実施形態、図11に示す第5の実施形態、図12に示す第6の実施形態、図13に示す第7の実施形態、図14に示す第8の実施形態、及び、図17に示す第9の実施形態における点灯判別回路40は、放電灯12に供給される直流電圧成分を検出することで放電灯12が点灯しているか否かを判別するようにしたものであるが、これに限るものではない。例えば、図6の第2の実施形態のように、ランプ電流検出回路22から出力される検出信号を用いて放電灯12が点灯しているか否かを判別する構成とすることもできる。
(4)上記図12に示す第6の実施形態、及び、図13に示す第7の実施形態におけるマスク回路54は、放電灯12の予熱電極F1、F2に対する予熱が巻線予熱方式を採用したものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図10に示す第4の実施形態におけるC予熱方式などの他の予熱方式を採用したものであっても適用可能である。
また、図12に示す第6の実施形態、及び、図13に示す第7の実施形態におけるマスク回路54は、点灯判別回路40が放電灯12の直流電圧成分を検出することで点灯判別を行うようにしたものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図6に示す第2の実施形態におけるランプ電流検出回路22から出力される検出信号を用いて点灯判別を行うようにしたものにも適用可能である。
(5)上記図14に示す第8の実施形態における始動周波数変更回路56は、放電灯12の予熱電極F1、F2に対する予熱が巻線予熱方式を採用したものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図10に示す第4の実施形態におけるC予熱方式などの他の予熱方式を採用したものであっても適用可能である。
また、図14に示す第8の実施形態における始動周波数変更回路56は、点灯判別回路40が放電灯12の直流電圧成分を検出することで点灯判別を行うようにしたものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図6に示す第2の実施形態におけるランプ電流検出回路22から出力される検出信号を用いて点灯判別を行うようにしたものにも適用可能である。
さらに、図14に示す第8の実施形態における始動周波数変更回路56は、マスク回路54を用いたものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、マスク回路54を用いないものにも適用可能である。
(6)上記図17に示す第9の実施形態における再始動回路60は、放電灯12の予熱電極F1、F2に対する予熱が巻線予熱方式を採用したものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図10に示す第4の実施形態におけるC予熱方式などの他の予熱方式を採用したものであっても適用可能である。
また、図17に示す第9の実施形態における再始動回路60は、点灯判別回路40が放電灯12の直流電圧成分を検出することで点灯判別を行うようにしたものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図6に示す第2の実施形態におけるランプ電流検出回路22から出力される検出信号を用いて点灯判別を行うようにしたものにも適用可能である。
さらに、図17に示す第9の実施形態における再始動回路60は、始動周波数変更回路56を用いたものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、始動周波数変更回路56を用いないものにも適用可能である。
(7)上記図18に示す第10の実施形態における点灯判別回路40は、放電灯12の予熱電極F1、F2に対する予熱が巻線予熱方式を採用したものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、図10に示す第4の実施形態におけるC予熱方式などの他の予熱方式を採用したものであっても適用可能である。
また、図18に示す第10の実施形態における点灯判別回路40は、始動周波数変更回路56を用いたものに適用されたものであるが、これに限るものではない。例えば、始動周波数変更回路56を用いないものにも適用可能である。