本発明の一実施例を図1によって説明する。
ヒートポンプ給湯装置は、ヒートポンプ冷媒回路30、給湯回路40、および運転制御手段50を備えて構成されている。
ヒートポンプ冷媒回路30は各部品を2個ずつ有する2サイクル方式であり、圧縮機1a、1b、水冷媒熱交換器2に配置される冷媒側伝導管2a、2b、減圧装置3a、3b、蒸発器4a、4bを、それぞれ冷媒配管を介して順次接続して構成されており、その中に冷媒が封入されている。
圧縮機1a、1bは容量制御が可能で、多量の給湯を行なう場合には大きな容量で運転される。ここで、圧縮機1a、1bはPWM制御、電圧制御(例えばPAM制御及びこれらの組合せ制御により、低速(例えば700回転/分)から高速(例えば7000回転/分)まで回転数制御されるようになっている。
水冷媒熱交換器2は冷媒側伝熱管2a、2b及び給水側伝熱管2c、2dを備えており、冷媒側伝熱管2a、2bと給水側伝熱管2c、2dとの間で熱交換を行なうように構成されている。
減圧装置3a、3bとしては一般に膨張弁等が使用され、水冷媒交換器2を経て送られてくる中温高圧冷媒を減圧し、蒸発し易い低圧冷媒として蒸発器4a、4bへ送る。また、減圧装置3a、3bは冷媒通路の絞り量を変えてヒートポンプ回路内の冷媒循環量を調節する働きや、前記絞り量を全開にして中音冷媒を蒸発器4a、4bに多量に送って霜を溶かす除霜装置の役目も行なう。
また、蒸発器4a、4bは空気と冷媒との熱交換を行なう空気冷媒熱交換器で構成されている。
給湯回路40は貯湯、直接給湯、タンク給湯、タンク追焚き、風呂湯張り、風呂追焚きを行なうための水循環回路を備えて構成されている。
貯湯回路は、貯湯タンク8、機内循環ポンプ9、水熱交水量センサ11、給水側伝熱管2c、2d、給湯混合弁12、貯湯タンク8が水配管を介して順次接続され構成されている。
直接給湯回路は、給水金具5、減圧弁6、給水水量センサ7、給水逆止弁10、水熱交水量センサ11、給水側伝熱管2c、2d、給湯混合弁12、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15が水配管を介して順次接続されている。
なお、給水金具5は水道などの給水源に接続され、台所出湯金具15は台所蛇口16などに接続されている。
タンク給湯回路は、給水金具5、減圧弁6、給水水量センサ7、貯湯タンク8、給湯混合弁12、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15が水配管を介して順次接続され構成されている。
タンク追焚回路は、貯湯タンク8、機内循環ポンプ9、水熱交水量センサ11、給水側伝熱管2c、2d、給湯混合弁12、貯湯タンク8が水配管を介して順次接続され構成されている。
風呂湯張り回路は、給水金具5、減圧弁6、給水水量センサ7、給水逆止弁10、水熱交水量センサ11、給水側伝熱管2c、2d、給湯混合弁12、湯水混合弁13、流量調整弁14、風呂注湯弁17、フロースイッチ18、風呂循環ポンプ19、入出湯金具20、風呂循環アダプター21、浴槽22が水配管を介して順次接続され構成されている。また、入出湯金具20からは浴槽22と共に風呂蛇口26やシャワー(図示せず)にも給湯できるよう接続されている。
なお、風呂湯張り時には、上記風呂湯張り回路による直接給湯と共に、貯湯タンク8内の湯量が最小必要量以下にならない範囲において貯湯タンク8から浴槽22へのタンク給湯も行なう。
風呂追焚回路は、浴槽22、風呂循環アダプター21、入出湯金具20、風呂循環ポンプ19、フロースイッチ18、風呂水伝熱管23b、風呂出湯金具24、風呂循環アダプター21、浴槽22が水配管を介して順次接続され構成されている。
尚、風呂追焚き時には、上記風呂追焚回路による浴槽水の水循環と共に、ヒートポンプ運転及び機内ポンプ9を運転し、水冷媒熱交換器2で加熱された温水を風呂用熱交換器23に設けられた温水伝熱管23aに循環させ、該温水伝熱管23aと風呂水伝熱管23bとの間で熱交換し、風呂追焚きを行なうものである。
次に、運転制御手段50は、台所リモコン51及び風呂リモコン52の操作設定により、ヒートポンプ冷媒回路30の運転・停止並びに圧縮機1a、1bの回転制御を行なうと共に、減圧装置3a、3bの冷媒絞り量調整、機内循環ポンプ9、風呂循環ポンプ19の運転・停止及び給湯混合弁12、湯水混合弁13、流量調整弁14、風呂注湯弁17、湯水開閉弁25を制御することにより、貯湯運転、直接給湯運転、タンク給湯運転、タンク追焚運転、風呂湯張り運転、風呂追焚運転を行なうものである。
また、運転制御手段50は、圧縮機1a、1bの回転数を制御し、運転開始直後には加熱立上げ時間を早めるため所定の高速回転数で運転し、比較的熱負荷の軽い風呂追焚運転の時は加熱温度に見合った低速回転数で運転するよう制御する。
また、水使用端末における給湯使用後は、タンク貯湯運転を行なってから運転停止することにより、いつでも貯湯タンク内は所定の温度の湯が満タンに貯湯された状態になっているよう制御する毎回貯湯運転機能を有している。
更に、ヒートポンプ給湯装置には、給水温度を検知する給水サーミスタ7a、水冷媒熱交換器2の出湯温度を検知する熱交サーミスタ2e、貯湯タンク8の貯湯温度及び貯湯量を検知するタンクサーミスタ8a、8b、8c、8d、給湯温度を検知する給湯サーミスタ14a、浴槽水の温度を検知する風呂サーミスタ18a、及び圧縮機1a、1bの吐出圧力を検知する圧力センサ1c、1d、浴槽22内の水位を検出する水位センサ22aが設けられ、各検出信号は運転制御手段50に入力されるように構成されている。運転制御手段50はこれらの信号に基づいて各機器を制御するものである。
なお、湯水開閉弁25は、水冷媒熱交換器2と風呂用熱交換器23の間に設け、風呂追焚き時以外は水回路を閉じて水冷媒熱交換器2から風呂用熱交換器23への熱の漏洩を防ぐためのものである。
また、給水逆止弁10は、一方向にのみに水を流し、逆流を防止するものであり、逃がし弁27は、貯湯タンク8内の温水圧力が所定以上になった場合に作動して水回路部品の圧力保護の働きをするものである。
次に、本ヒートポンプ給湯装置の運転動作について、図1のヒートポンプ回路30及び給湯回路40を参照にしながら図2〜図6のフローチャートに基づいて説明する。
図2は、据付時に必要操作を示すフローチャートの一実施例である。
ヒートポンプ給湯装置は、製造場所から運搬されて使用者の希望する設置場所に据付けられ、給水金具5は、水道等の給水源に、台所出湯金具15は台所蛇口16に、風呂出湯金具24は風呂蛇口26に接続された(ステップ60)後、空気抜き用に蛇口16、26または逃がし弁27を開放し(ステップ61)、給水源の元栓を開放する(ステップ62)と、給水源から機内給水が開始され、水は減圧弁6によって一定圧力に減圧調整された後、貯湯タンク8及び水冷媒熱交換器2並びに各水配管内に流入する(ステップ63)。蛇口16、26または逃がし弁27からの水溢れ出しにより機内が満水状態になったことを確認(ステップ64)した後、蛇口16、26または逃がし弁27を閉止し、機内給水が終了する(ステップ65)。
なお、ヒートポンプ給湯装置の据付時の各機器は次のような初期状態に設定されている。即ち、給湯混合弁12、湯水混合弁13は両方向状態、流量調整弁14、水開閉弁25は開状態、風呂注湯弁17は閉状態となっている。
次に電源スイッチを投入し(ステップ66)、浴槽水張り運転を行なう(ステップ67)。
浴槽水張り運転は、風呂注湯弁17を開き浴槽に水が溢れるまで注水し(ステップ68)、水位センサ22aや給水水量センサ7により浴槽の容量を自動計算し(ステップ69)、浴槽の容量設定(ステップ70)を行ない、設定以降の風呂自動運転における風呂湯張りや風呂追い焚き時の湯量制御等に活用するものである。従って、上記浴槽水張り運転はヒートポンプ給湯装置設定時の一回のみ必要とするものである。
次に図3は、貯湯タンクの水を沸き上げる貯湯運転動作を示すフローチャートの一実施例である。
運転制御手段50の制御により貯湯運転の指示が出る(ステップ71)と、タンクサーミスタ8a〜8dにより貯湯温度及び貯湯量の判定が行なわれ(ステップ72)、規定内であればそのまま運転せず、貯湯水が使用されて規定以下に減っていれば貯湯運転が開始される(ステップ73)。
この貯湯運転(ステップ73)では、圧縮機1a、1bの運転が開始され、圧縮機1a、1b内のガス状冷媒が圧縮加熱され高温高圧の冷媒となって水冷媒熱交換器2に送り込まれる。これによって、水冷媒熱交換器2では、冷媒側伝熱管2a、2b内を流れる高温冷媒と給水側伝熱管2c、2d内を流れる水とが熱交換し、冷媒は放熱し、水は加熱される。放熱された冷媒は減圧装置3a、3bで減圧され、更に蒸発器4a、4bで膨張蒸発してガス状となり再び圧縮機1a、1bに戻る。このヒートポンプ運転を続けることにより、水冷媒熱交換器2内を通過する水が加熱される。
ヒートポンプ運転において、圧縮機1a、1bの回転数を上げ、減圧装置3a、3bの冷媒絞り量を大きくすると加熱能力は増すが、機械ロスや熱ロスが増えて運転効率は下がる。逆に圧縮機1a、1bの回転数を下げ、減圧装置3a、3bの冷媒絞り量を少なくすることにより、加熱能力は落ちるが、機械ロスや熱ロスが減少し、相対的に運転効率は向上する。即ち、ヒートポンプによる加熱運転においては、低い温度で時間をかけて加熱することが加熱効率の向上になると言える。
貯湯運転(ステップ73)においては、前記ヒートポンプ運転と共に、貯湯回路において給湯混合弁12は水冷媒交換器2側から、貯湯タンク8側を開、湯水混合弁13側を閉とし、湯水開閉弁25を閉とする(ステップ73a)。さらに、機内循環ポンプ9の運転が開始され、貯湯タンク8の下部の通水口から、機内循環ポンプ9、水熱交水量センサ11、水冷媒熱交換器2、給湯混合弁12、貯湯タンク8へ水が循環する。これにより、水冷媒熱交換器2で加熱された温水が貯湯タンク8の上部より貯湯されてゆき、貯湯タンク8全体が沸き上がった状態に達すると貯湯完了と判定し(ステップ76)、運転を停止する(ステップ77)。
なお、水熱交換器2から出湯する加熱水の温度が適切であるか否かを判定する出湯温度判定(ステップ74)は、熱交サーミスタ2eにより行なわれ、出湯温度が規定値内の場合は貯湯運転をそのまま継続(ステップ75)し、規定値外の場合は圧縮機1a、1bの回転数制御、減圧装置3a、3bの絞り量調整、機内循環ポンプ9の回転数制御により出湯温度の調整を行なう(ステップ74a)。
貯湯温度及び貯湯量の判定は、前記タンクサーミスタ8a〜8dによって行なわれ、タンクサーミスタ8a〜8dの全てが規定温度内に達すれば貯湯完了と判断し、運転停止し、タンク貯湯は終了する(ステップ77)。
図4は台所蛇口16を開けて給湯使用する場合の動作を示すフローチャートの一実施例である。
台所蛇口16を開けて湯水使用が始まる(ステップ80)と、運転制御手段50は、圧縮機1a、1bを始動させヒートポンプ回路30の運転を開始すると共に、給水金具5、減圧弁6、給水水量センサ7、給水逆止弁10、水熱交水量センサ11、水冷媒熱交換器2、給湯混合弁12、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15、台所蛇口16の給湯回路により直接給湯運転(ステップ81)を行なう。同時に、給水金具5、減圧弁6、給水水量センサ7、貯湯タンク8、給湯混合弁12、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15、台所蛇口16の給湯回路によりタンク給湯運転(ステップ82)を行なう。
ここで、ヒートポンプ冷媒回路30は、圧縮機1a、1bで圧縮された高温冷媒を水冷媒熱交換器2の冷媒側伝熱管2a、2bに送り込み、給水側伝熱管2c、2dから流入する水を加熱して給湯混合弁12側へ流出するが、運転立ち上がり時は水冷媒熱交換器2に送り込まれてくる冷媒が充分に高温高圧となりきらず温度が低く、かつ水冷媒熱交換器2全体が冷えているため、水を加熱する加熱能力が充分でない。時間の経過と共に冷媒は高温高圧となり、それに従って、発生する冷媒からの放熱量が増加し、水への加熱能力が増してゆく。
また、ヒートポンプ運転の加熱能力が高温安定状態に達するまでには通常約5〜6分掛かるため、運転制御手段50は、運転開始直後の高温安定状態に達するまでの所定時間は、圧縮機の回転数を通常より高速回転にして運転制御し、水加熱給湯運転の立ち上がり時間を約3〜4分程度に短縮できるが、運転開始直後の所定時間(約4〜5分程度)は貯湯タンクから湯を供給するタンク給湯運転(ステップ82)を行なった後、運転制御手段50が動作してタンク給湯運転を停止(ステップ84b)して、直接給湯運転のみに切換え給湯運転を継続(ステップ85)する。
この間において、給湯サーミスタ14a、給水水量センサ7により給湯温度及び流量の判定(ステップ83)を行ない、規定外であれば温度、流量を調整(ステップ84a)し、規定内であれば更に直接給湯温度の判定(ステップ84)を行なう。
直接給湯温度の判定(ステップ84)において、水冷媒熱交換器2における加熱温度が不十分で、直接給湯温度が規定温度に達しない状態ではヒートポンプ運転の温度流量調整(ステップ84a)を継続し、タンク給湯運転(ステップ82)と併用する。また、水冷媒熱交換器2における加熱温度が給湯温度に充分なまでに高まり、直接給湯温度が規定内に達すればタンク給湯運転を停止(ステップ84b)し、直接給湯運転(ステップ81)単独にて給湯を継続する(ステップ85)。
従って、貯湯タンク8の役割は、ヒートポンプ運転の加熱能力が、給湯温度(通常40〜42℃)に充分な温度に達するまでの立上がり時の補助的なものであり、ヒートポンプ冷媒回路30の能力、特に圧縮機出力が大きいほど、立上げ時間を短くでき、貯湯タンク8を小さくできる。
また、風呂湯張りと同時に台所給湯を行なう等のように複数箇所の同時使用に直接給湯のみで対応するには、圧縮機1a、1bの容量は、従来一般に用いられている5KW程度より4倍以上の20KW程度まで大きくすることが望ましいが、新規圧縮機の開発が必要であるばかりでなく、ヒートポンプ冷媒回路30の各部品共新規検討が必要となり、極めて困難である。そこで本発明の実施例においては、従来圧縮機の2倍程度の圧縮機を2倍使用した2サイクルヒートポンプ方式30a、30bとし、従来技術の活用と、実績による信頼性を確保したものであり、圧縮機の容量が充分であれば、1サイクルヒートポンプ方式においても本発明の適用・効果は変わらない。
次に、蛇口が閉じられ湯水使用が終了する(ステップ86)と、タンク給湯運転が停止され直接給湯運転のみであれば直接給湯運転を停止し、湯水使用直後でタンク給湯運転と直接給湯運転が併用されている場合は、直接給湯運転及びタンク給湯運転の両方を停止する。(ステップ87)
更に運転制御手段50は、タンク給湯運転及び直接給湯運転を共に停止(ステップ87)した後、必ずタンク貯湯運転(ステップ88)を開始し、タンクサーミスタ8a〜8dによって貯湯温度、貯湯量を検知し、貯湯完了した判定(ステップ89)し、規定値内になってから運転停止し、タンク貯湯を終了する(ステップ90)。
但し、タンクサーミスタ8a〜8dによるタンク貯湯状態の検知は、常時行われており、極めて短時間使用のため水加熱給湯運転停止後でも貯湯タンク8に湯温、湯温共に所定値以上残っている場合は貯湯完了と判定されタンク貯湯運転(ステップ88)は行われない。
以上のように、運転制御手段50には、あらゆる運転において目的とする運転を終了した後に、必ず貯湯完了するまでタンク貯湯運転(ステップ88)を行なう毎回貯湯運転機能を有しているので、貯湯タンク8には常に所定温度の湯が所定量以上貯まっており、運転立上がり時の湯温以下や使用途中の湯切れの心配が解消できる。
図5は、風呂自動運転による湯張り動作を示すフローチャートの一実施例である。
風呂自動ボタンを押してONしておき(ステップ91)、設定時刻が来ると、風呂湯湯張り運転が開始(ステップ92)し、風呂注湯弁17が開き、風呂給湯が行なわれる(ステップ93)。
該風呂給湯(ステップ93)は、図4にて説明した湯水使用と同様に直接給湯運転とタンク給湯運転が併用される。即ち、ヒートポンプ運転開始直後4〜5分間は直接給湯運転とタンク給湯運転を併行して行ない、直接給湯温度が安定状態に達すると、タンク給湯運転を停止し、直接給湯運転のみとなる。
また、風呂給湯運転中は、風呂サーミスタ18aで風呂給湯温度を検知して給湯温度を判定(ステップ94)し、規定外であれば温度調整を行ない(ステップ94a)、規定内であれば風呂給湯を継続する(ステップ95)。
更に、水位センサ22aで浴槽内水位を検知し、風呂湯張り量を判定する(ステップ96)。
該風呂湯張り量判定(ステップ96)において、規定外のうちは風呂給湯を継続(ステップ95)し、規定内に達すると風呂給湯及びヒートポンプ運転を停止(ステップ97)し、風呂湯張り運転は終了する(ステップ98)。
図6は、風呂自動運転による風呂追焚を示すフローチャートの一実施例である。
風呂自動ボタンを押してONしておき(ステップ100)、設定時刻になると、前記図5に説明した風呂湯張り運転を開始(ステップ101)し、その後風呂湯張り運転を終了する(ステップ102)と、風呂保温運転が開始される(ステップ103)。
風呂湯張り運転終了(ステップ102)後は、風呂サーミスタ18aで湯張りを検知し、浴槽内湯温判定(ステップ104)において判定値内であれば風呂保温を継続し、規定値以下の場合は風呂追焚運転を行なう(ステップ105)。また、水位センサ22aで所定時間(例えば10分)毎に浴槽内の湯量を検知し、風呂湯張り量判定(ステップ106)において規定値内であれば風呂保温を継続し、規定値以下の場合は風呂足し湯(ステップ107)を行なう。
さらに、風呂自動運転の設定時間を経過すると、風呂保温運転を終了(ステップ108)し、風呂自動運転が終了する(ステップ109)。
次に、前記風呂追焚運転(ステップ105)における熱効率について説明する。
図7は、前記実施例図1に示す当社のヒートポンプ給湯装置における風呂熱交換器23の加熱側流体と浴槽水との温度差と、加熱効率(COP)の関係を表わしたもので、温度差が小さいほど加熱効率が高く、温度差が約10Kの時が最高値となる。
図8は、複数回入浴する場合で、一例として、30℃まで湯冷めした浴槽水をほぼ適温の40℃まで風呂追焚運転するときの追焚時間経過と、加熱側流体温度及び浴槽側循環水温度の変化を示す。
図8の線Yは浴槽側循環水温度を示し、追焚開始時は30℃で追焚終了時は40℃に加熱されることを示す。
線Tは従来の加熱側流体温度を示し、貯湯タンクの貯湯温度約65℃一定であるため、浴槽側循環水温度との差は、25K〜35Kの温度差があり、図7の加熱効率において最適値からはかなり外れていた。
線Aは本発明の加熱側流体温度の一例を示し、加熱側流体温度と浴槽側循環水温度との温度差を、追焚開始から追焚終了まで加熱効率が最高値となる一定値(約10K)としたもので、追焚時間に関係なく加熱効率を最優先する場合に適している。
線Bは浴槽循環水温度が低い追焚開始時は高温で加熱し、追焚き時間の経過と共に加熱側流体温度を徐々に下げていくもので、加熱効率は前記線Aよりは落ちるが、従来(線T)より高く、追焚時間を重視した追焚運転を行なうことができる。
図9は、節水の配慮から翌日風呂追焚して入浴する場合で、一例として、20℃まで湯冷めた浴槽水をほぼ適温の40℃まで風呂追焚運転する時の追焚時間経過と、加熱側流体温度及び浴槽側循環水温度の変化を示す。線Y及び線Tは前記図8と同じく、浴槽側循環水温度および従来の加熱側流体温度を示す。
線Cは追焚き時間の経過と共に加熱側流体温度を徐々に上げていくものであるが、追焚開始時の浴槽側循環水温度が低いので、追焚開始時の温度差を大きくしたもので、熱効率を重視すると共に追焚時間も考慮した追焚運転を行なうことができる。
線Dは追焚運転における温度制御を単純化するため、加熱側流体温度を段階的に変化させるもので、サーミスタの温度追従性等によるバラツキ要因を少なくできる。
線Eは線Dの考え方を更に推し進めたもので、加熱側流体温度を追焚時間経過に関係なく貯湯温度より低い一定温度としたもので、浴槽側循環水温度が低いほど追焚開始時の温度差が大きく、追焚時間に配慮した一定のヒートポンプ運転を行なうことができる。
なお、線A〜線Eは、図8、図9に分けて説明したが、浴槽側循環水温度の高低にかかわらず適用して効果を得ることができる。
以上、線A〜線Eで示した追焚運転はそれぞれに特徴があり、これらのうち、いずれか複数を追焚運転モードとしてヒートポンプの運転制御手段に組込み、浴槽の残り湯温度に応じて、前記風呂追焚運転モードを選択できるようにすることにより、残り湯温度や時間帯、季節等に応じて適切な風呂追焚運転が行なえるものである。
次に本発明の別の実施例を図10によって説明する。
図10は、ヒートポンプの加熱能力が非常に大きく、給湯運転が、貯湯タンクなしで直接給湯のみで対応できる場合の実施例を示す。
ヒートポンプ冷媒回路30、給湯回路40、運転制御手段50の部品構成は、いずれも実施例1とほぼ同等であり、相違点は、貯湯タンクとその関連部品がなく、かつ風呂用熱交換器23の構成が異なる点である。
即ち、実施例1において給湯運転時は、運転開始直後にタンク給湯と直接給湯を併用していたが、本実施例2では直接給湯のみで対応するため、図1における貯湯タンク8、機内循環ポンプ9、水熱交水量センサ11、給湯混合弁12等が削除できる。
また、図10において、ヒートポンプ冷媒回路の一方30aには、冷媒開閉弁28を2個使用し、圧縮機1aと水冷媒熱交換器2の間、及び圧縮機1aと風呂用熱交換器に設け、風呂追焚き時は冷媒を風呂用熱交換器23側へ循環させ、それ以外の運転時は冷媒を水冷媒熱交換器2側へ循環するように制御し、加熱負荷の軽い風呂追焚き時には、一方のヒートポンプ冷媒回路30aのみを運転し、かつ、水冷媒熱交換器2側へは冷媒を循環しないので、熱ロスを少なくし、より一層の熱効率向上が図れる。
上記のヒートポンプ構成においても本発明の風呂追焚運転の改善効果は全くかわらず、加熱側流体温度を従来のタンク貯湯温度より低く、浴槽内から循環する残り湯温度より高く設定することにより、高温水戻りの恐れが少なくなり、加熱効率の向上が図れる。
以上の如く本実施例は、風呂熱交換器23における加熱側流体が温水でも冷媒であっても適用でき、貯湯タンク8の有無や、ヒートポンプ冷媒回路30の単複数に関係なく適用でき、充分な効果を有するものである。
以上の如く構成されたヒートポンプ給湯装置、特にヒートポンプ冷媒回路を構成する圧縮機及び蒸発器等の設置構造は、図11〜図15に示す通りである。これを図において説明する。
尚図11は本実施形態1、2のヒートポンプ給湯装置の正面図であり、前面板を取り除いた図である。図12は図11のA−A断面相当図であり、図13は図12より金属製仕切り板を取り除いた図であり、図14は図12のB−B断面図であり、図15は図13の矢印P方向斜視図である。
図において、31は給湯装置本体、1a、1bは圧縮機、2は水冷媒熱交換器、3a(3b)は減圧装置、4a(4b)は蒸発器、8は貯湯タンク、32は上記圧縮機1a、1b、減圧装置3a(3b)を収納する圧縮機室、33は蒸発器4a、4b及び送風機34、35を収納する蒸発器室、36は水冷媒熱交換器2、及び貯湯タンク8を収納する貯湯タンク室。37は第2の仕切り板で、貯湯タンク室36と蒸発器室33、圧縮機室32とを区画している。38は圧縮機室32の底面及び貯湯タンク室36の底面を形成するベースで例えば2、3t〜3、2tの鉄板で作られている。
39は蒸発器室33と圧縮機室32間を仕切る仕切り板であって薄板鉄板で作られている。この仕切り板39は図に示す如く、L字状をなし天井面39aは蒸発器4a、4b下部に設けられた露受樋49に一体若しくは別体で設けられた取り付け部41にネジ42等をもって固定されており、立上り面39bは圧縮機室32の前面を覆い遮蔽する。即ちこの仕切り板39は金属製露受樋49の取り付け部41に二辺(側端及び背端)がネジ42止めされ、他の一辺は第2の仕切り板37に当接若しくは緩衝材を介して当接し、残りの立ち上がり面39bはこれまたベース38に当接若しくは緩衝材を介して当接し、圧縮機室32を外部と隔離している。この結果圧縮機1a、1bは仕切り板39の他ヒートポンプ給湯装置の外郭を形成するキャビネットにより覆われている。即ち、圧縮機室32は装置外と二重に遮断されていると言うことである。
43は先の露受樋40をベース38上で蒸発器4a、4bの下端に位置させる補強材。この補強材43は圧縮機室32の側面及び背面にわたって設けられている。
又この補強材43の外側には給湯装置本体31の外郭を形成する金属製側板44背面板45が位置している。
更に正面側(図2では手前側)は仕切り板39と金属製前面板46(外郭)により圧縮機室32は二重に外部と遮断されている。
更に貯湯タンク室36側の圧縮機室32は第2の仕切り板37並びに側板47により、これまた二重に外部と遮断されている。
換云すると給湯装置本体31の運転時に発生する圧縮機1a(1b)より発生する運転音(騒音、振動)は上記二重の金属板により遮断され外部に出る騒音、振動は小さく押えられるものである。
48は仕切板39に取り付けられた吸音材である。この吸音材48は二つの圧縮機1a、1bより出る運転音(騒音)を吸収すべく図の如く仕切板39に取り付けられているものである。
本発明の圧縮機1a、1bはPWM制御、電圧制御(例えばPAM制御)を利用して容量可変とし、大きな運転を行なうものである。
この時通常運転では問題にされなかった騒音、振動が大きくなり現われる。
本発明においては、この高速運転時圧縮機1a、1bより出る騒音、振動が給湯装置本体31外に出て行くのを防止すべく、圧縮機室32を給湯装置本体31の外郭を形成する側板44、前面板46等の他に補強材43を設け、仕切板39を設け、圧縮機室32を鉄板で囲み、該圧縮機1a、1bより出る騒音、振動を遮断するようにしたものである。
本発明は以上説明した如き構成を有するものであるから、二つの圧縮機1a、1bを2個使用したヒートポンプ給湯装置の貯湯運転では先にも説明した如く、圧縮機1a、1bの運転が開始されると、圧縮機1a、1b内のガス状冷媒が圧縮加熱され、高温高圧の冷媒となって水冷媒熱交換器2に送り込まれる。
これによって、水冷媒熱交換器2では冷媒側伝熱管2a、2b内を流れる高温冷媒と給水側伝熱管2c、2d内を流れる水とが熱交換し、冷媒は放熱して水は加熱される。放熱された冷媒は減圧装置3a、3bで減圧され、更に蒸発器4a、4bで減圧され、更に蒸発器4a、4bで膨張蒸発してガス状となり再び圧縮機1a、1bに戻る。このヒートポンプ運転を続けることにより、水冷媒熱交換器2内を通過する水が加熱される。
上記ヒートポンプ運転において、圧縮機1a、1bの回転数を上げ、減圧装置3a、3bの冷媒絞り量を大きくすると加熱能力は増すが圧縮機1a、1bから出る騒音、振動は拡大する。
この時にあって、圧縮機室32内の圧縮機1a、1bは仕切り板39並びに補強材43及び給湯装置本体の外郭を形成するキャビネット(前面板46、側板44、背面板45)により2重に外気と遮断される。
このことにより、圧縮機1a、1bの温度が高く出来、吐出ガス温度を高くすることは勿論、圧縮機1a、1bより出る騒音、振動は遮断され、据付けられた給湯装置本体外には、出ないものである。即ち、圧縮機1a、1bが原因して出た騒音及び振動が給湯装置本体の前方に出ようとしても、先ず仕切り板39の立ち上がり面39bに遮断され、音は吸音され振動は減衰される。そして小さくなった騒音、振動は給湯装置本体の外郭を形成する前面板により更に遮断され、前方には大きな騒音、振動となって前方に出ないものである。
更に吸音材を設け、金属製露受樋補強材の設置により質量が増し騒音、振動の遮断効果は更に拡大するものである。
側方背面に付いても前記前方同様圧縮機より出る騒音、振動は減衰され使用者への影響は最小限に抑えられるものである。
本発明は以上説明した如き構成を有するものであるから、次の如き効果を有するものである。
即ち、冷媒を圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮された冷媒が流れる冷媒側伝熱管と給水回路から給水された水が流れる給水側伝熱管とで構成された水冷媒熱交換器と、減圧装置と、減圧された冷媒を蒸発させて、前記圧縮機に戻す蒸発器と、前記水冷媒熱交換器で加熱された温水を貯える貯湯タンクとを備え、前記圧縮機が収納された室の横の空間に貯湯タンクを配置したヒートポンプ給湯装置において、前記圧縮機を容量制御が可能な圧縮機とすると共に圧縮機を収納する圧縮機室には、圧縮機室の天井面及び圧縮機室の前面を覆う金属製の仕切り板があるものであるから、圧縮機から出る運転時の騒音は該金属製仕切り板により遮断され、ヒートポンプ給湯装置据付時、前方に大きな音となって出てこないものである。
又、金属製の仕切り板は蒸発器下部に設置された金属製樋部に設けた取り付け部に固定するようにしたものであるから、仕切り板と樋が騒音を遮断することは勿論、質量を増したことにより振動等が給湯装置外に出るのが極力押えられるものである。
又、金属製ベース上に上記圧縮機を囲う金属製補強材を設け、この補強材で樋を支持するようにしたものであるから、補強板の質量加算も手伝って、騒音、振動が外部に出るのが押えられるものである。
又、圧縮機は前方及び側方が、本体外郭と上記仕切り板若しくは補強材とで二重に覆われる構造としたものであるから、圧縮機から出る振動、騒音は外郭の他、金属板等で二重に遮断されているので、音、振動は最小限に押えられ、しかも圧縮機室外に出ないものである。
又、圧縮機室を形成する仕切板に吸音材を取り付けたものであるから、圧縮機より出る振動、騒音は仕切板で遮断されると共に吸音材により吸収され、外部には出ないものである。
1a、1b…圧縮機 1c、1d…圧力センサ 2…水冷媒熱交換器 2a、2b…冷媒側伝熱管 2c、2d…給水側伝熱管 2e…熱交サンサ 3a、3b…減圧装置 4a、4b…蒸発器 5…給水金具 6…減圧弁 7…給水水量センサ 7a…給水サーミスタ 8…貯湯タンク 8a、8b、8c、8d…タンクサーミスタ 9…機内循環ポンプ 10…給水逆止弁 11…水熱交水量センサ 12…給湯混合弁 13…湯水混合弁 14…流量調整弁 14a…給湯サーミスタ 15…台所出湯金具 16…台所蛇口 17…風呂注湯弁 18…フロースイッチ 18a…風呂サーミスタ 19…風呂循環ポンプ 20…入出湯金具 21…風呂循環アダプター 22…浴槽 22a…水位センサ 23…風呂用熱交換器 23b…風呂水伝熱管 23d…風呂水伝熱管 24…風呂出湯金具 25…湯水開閉弁 26…風呂蛇口 27…逃がし弁 28…冷媒開閉弁 30…ヒートポンプ冷媒回路 31…給湯装置本体 32…圧縮機室 33…蒸発器室 34…送風機 35…送風機 36…貯湯タンク室 37…第2の仕切り板 38…ベース 39…仕切り板 39a…天井面 39b…立ち上がり面 40…給湯回路 41…取り付け部 42…ネジ 43…補強材 44…側板 45…背面板 46…前面板 47…側板 48…吸音材 49…露受樋 50…運転制御手段 51…リモコン 52…風呂リモコン。