JP2006265091A - カーボンエアロゲル粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】重合工程S1としてレゾルシノールとホルムアルデヒド水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を混合し、撹拌を行いゲル化物を得る。次に、粉砕工程S2として、ゲル化物をデカンテーションした後、水の存在下でメディアを用いた粉砕で2時間の粉砕を行いゲル粉末スラリーとする。さらに、溶媒置換工程S3として、ゲル粉末スラリーをアセトンで洗浄し、アセトンによる溶媒置換を行う。そして、超臨界乾燥工程S4として、ゲル粉末をCO2により超臨界乾燥し、ゲル乾燥粉末を得る。最後に、熱分解工程S5として、ゲル乾燥粉末を窒素雰囲気下、加熱することによりカーボンエアロゲル粉末を得る。
【選択図】 図2
Description
(重合工程S91)
すなわち、まず重合工程S91として、レゾルシノールやカテコール等のジヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを炭酸ナトリウムの存在下で重合して有機湿潤ゲル化物を得る。
次に、溶媒置換工程S92として、ゲル化物をメタノールやアセトン等の水溶性有機溶媒で洗浄し、ゲル化物に含まれている水分を水溶性溶媒と溶媒置換する。
さらに、超臨界乾燥工程S93として、溶媒置換されたゲル化物をステンレス製の圧力容器に入れ、CO2を導入し、超臨界状態となるよう圧力と温度を調節し、その後ゆっくりとCO2を排出させることによって、CO2を気相条件へ移行させて超臨界乾燥を行う。こうして乾燥したゲル化物は、網目構造を形成している一次粒子の粒子径が0.1ミクロン以下の粒子からなり、嵩密度も100mg/mlと極めて小さくなっている。これは、超臨界乾燥では通常の乾燥と異なり、毛管力による収縮を伴わずに乾燥するため、重合工程S1におけるホルムアルデヒドによる架橋によって形成された細孔構造が、破壊されることなくそのままの状態で残るからと考えられる。
そして、熱分解工程S94として、上記の乾燥されたゲル化物を窒素雰囲気下で高温にして炭化物の塊を得る。こうして得られた炭化物は、炭化する前の細孔構造が保たれている。
最後に、粉砕工程S95として上記炭化物の塊を粉砕機で粉砕し、カーボンエアロゲル粉末を得る。
ここに、ポリヒドロキシベンゼンとは、ベンゼン環に2個以上の水酸基を有する化合物を意味する。このような化合物は、ホルムアルデヒドと容易に重合して網目状の構造をとり、細孔構造を形成することができる。
ポリヒドロキシベンゼンの中でもジヒドロキシベンゼンやジヒドロキシベンゼン誘導体は、比較的安定な化合物であるため、取り扱いやすく好適である。
ジヒドロキシベンゼンとして特に好適なのはレゾルシノールである。よって、第4の局面の発明として、ジヒドロキシベンゼンとしてレゾルシノールを採用した。
溶媒置換工程において用いる水溶性有機溶媒は、メタノール、アセトン、酢酸アミルの1種又は2種以上の混合溶媒であることが好ましい。こうであれば、ゲル化物に含まれている水を溶媒と容易に置換することができる。
本発明者らの試験結果によれば、メディアを用いて有機湿潤ゲル化物の粉砕を行えば、メディアの径や粉砕時間等の粉砕条件を適宜選択することによって、カーボンエアロゲルの粒子径を制御し、細孔構造を保持することができる。このため、用途に応じた、所望の特性のカーボンエアロゲルを得ることができる。
なお、メディアを用いて粉砕工程を行う前に、前もってメディアを用いない他の粉砕方法(例えば、ホモジナイザーやメディアを用いない回転式粉砕機による粉砕方法等)を行うことももちろん可能である。粉砕工程の最終段階でメディアを用いて粉砕工程を行えば、カーボンエアロゲルの粒子径を制御し、細孔構造を保持することはできるからである。
また、メディアの材料について特に限定はなく、安定化ジルコニア、アルミナ、メノウ、石英等を用いることができる。メディアの微粉末がカーボンエアロゲル粉末の中に不純物として入るおそれもあるため、カーボンエアロゲル粉末の用途に応じて、悪影響を与えることのないメディア材料を適宜選択することが好ましい。
本発明者らの試験結果によれば、メディアの径を5mm以下とすれば、粒子径が小さいゲル粉末を得ることができ、その細孔構造も破壊されにくい。このため、最終的に得られるカーボンエアロゲル粉末の粒子径も小さく、かつ有機湿潤ゲル化物の細孔構造が保たれたものとすることができる。さらに好ましいのは、0.65mm以下の径のメディアである。
本発明者らの試験結果によれば、本発明で得られるカーボンエアロゲル粉末の粒子径及び細孔分布は、メディアの径及び粉砕時間と密接に関係することが見出されている。このため、メディアの径及び粉砕時間を制御して粉砕工程を行えば、用途に応じた、所望の特性のカーボンエアロゲルを再現性良く得ることができる。
本発明者らの試験結果によれば、カーボンエアロゲル粉末の平均粒子径が1ミクロンを境として、細孔分布に大きな変化が現れる。すなわち、径が1ミクロンより小さなカーボンエアロゲル粉末を得ようとして粉砕時間を長くしたり、メディアの径を小さくしたりした場合、粒子径は小さくなったとしても、細孔構造が破壊されることにより細孔容積分率が若干低下する。このため、カーボンエアロゲル粉末の平均粒子径が1ミクロン未満とならないようにメディアの径及び粉砕時間を制御すれば、細孔分布が充分に保持されたカーボンエアロゲル粉末を得ることができる。
(実施例1)
重合工程S1
実施例1では、図2に示すように、重合工程S1としてレゾルシノール4gとホルムアルデヒド37%水溶液5.5mlと炭酸ナトリウム99.5%粉末0.019gとを混合し、3時間撹拌を行った後、室温−24h、50°C−24h、90°C−72hエージングする事によりゲル化物を得た。
上記のゲル化物をイオン交換水でデカンテーションした後、水の存在下、遊星回転ボールミルで2時間の粉砕を行いゲル粉末スラリーとした。
そして、溶媒置換工程S3として、上記ゲル粉末スラリーを吸引ろ過法によりアセトンで5回洗浄した後、スラリーをケーキ層型とした。
さらに、超臨界乾燥工程S4として、溶媒置換されたゲル粉末をステンレス製の圧力容器に入れ、CO2を導入し、超臨界状態となるよう圧力と温度を調節し、その後ゆっくりとCO2を排出させることによって、CO2を気相条件へ移行させて超臨界乾燥を行いゲル乾燥粉末を得た。
最後に、熱分解工程S5として、上記ゲル乾燥粉末を電気炉内に入れ、窒素雰囲気下、1000°Cにて4時間の加熱を行った後、冷却してカーボンエアロゲル粉末を得た。
得られたカーボンエアロゲル粉末の特性は次の通りである。
BET比表面積: 629m2/g
細孔容積: 2.00cm3/g
実施例2では、粉砕工程S2における粉砕時間を4時間とした。他の条件は実施例1と同じであり、説明を省略する。
得られたカーボンエアロゲル粉末の特性は次の通りである。
BET比表面積: 632m2/g
細孔容積: 1.83cmcm3/g
比較例1では、実施例1における粉砕工程S2を行わず、熱分解工程S5を行った後、得られた塊状のカーボンエアロゲルを測定試料とした。他の条件は実施例1と同じであり、説明を省略する。得られたカーボンエアロゲル粉末の特性は次の通りである。
BET比表面積: 670m2/g
細孔容積: 2.17cm3/g
比較例2では、比較例1で得られた塊状のカーボンエアロゲルを遊星回転ボールミルによって公転300rpm、自転300rpmで2時間粉砕を行い、得られた粉体を測定試料とした。得られたカーボンエアロゲル粉末の特性は次の通りである。
BET比表面積: 105m2/g
細孔容積: 0.25cm3/g
上記実施例1及び比較例1、2のカーボンエアロゲルについて、BET吸着法により細孔分布を測定した。その結果、図3に示すように、実施例1のカーボンエアロゲルは、まったく粉砕を行っていない比較例1と比較しても、細孔分布についてほとんど差はなく、細孔構造が壊れることなく保たれていることが分かった。
実施例3〜実施例14では、ゲル化物の粉砕条件と、得られたカーボンエアロゲル粉末の特性との関係を検討した。粉砕工程は図8に示すように3段階で行った。すなわち、まず第1粉砕工程として、実施例1における重合工程S1で得られたゲル化物をホモジナイザーによって粉砕する(回転数2000rpm、粉砕時間15分)。次に第2粉砕工程として、遊星回転ボールミルの容器内に第1粉砕工程で得られた粉砕物を入れ、さらに5mm径の安定化ジルコニア製のメディアを入れて粉砕を行う(公転255rpm、自転550rpm、粉砕時間2時間)。そして、さらに第3粉砕工程として、各種の径の安定化ジルコニア製メディアを用い、遊星回転ボールミルによる粉砕を行いゲル粉末スラリーを得た。第3粉砕工程における実施例3〜実施例14の粉砕条件を表1に示す。こうして第1〜第3粉砕工程を行った後、実施例1及び実施例2と同様の溶媒置換工程S2、超臨界乾燥工程S3及び熱分解工程S4を行い、カーボンエアロゲル粉末を得た。
第3粉砕工程で得られた実施例3〜実施例14に係るゲル粉末スラリーについて、レーザー回折・散乱方式による粒度分布測定を行った。結果を図9に示す。この図から、第3粉砕工程で用いたメディアの径を小さくすると、任意%粒子径が小さくなることが分かった。また、第3粉砕工程の粉砕時間を長くすると、任意%粒子径が小さくなることが分かった。以上の結果から、粉砕時間及びメディアの径を制御することにより、目的に応じた所望の粒子径のカーボンエアロゲル粉末を得られることが分かった。
実施例3〜実施例14で得られたカーボンエアロゲル粉末について、窒素吸着法によって全細孔容積及びBET比表面積を測定した(図10)。その結果、第3粉砕工程の違いによる差異はあまり生じなかった。
実施例3〜実施例14で得られたゲル粉末スラリーについて、その平均粒子径と10〜30nmの細孔容積分率(窒素吸着等温線の脱着側から求めたメソ細孔容積に対する10〜30nmの細孔容積の割合)をプロットした。その結果、図11及び図12に示すように、ゲル粉末スラリーの平均粒子径が1ミクロン未満で細孔容積分率が急激に低下することが分かった。このことから、ゲル粉末スラリーの粒子径が1ミクロン未満とならないように粉砕条件を適宜制御すれば、細孔構造にダメージを与え難くなることが分かる。また、図11から、第3粉砕工程における粉砕時間に応じて細孔容積分率が減少することが分かる。さらに、図12から、メディアの径が5mm以下であれば、粉砕時間を調整することによって細孔容積を保持することができることが分かる。また、メディアの径が0.65mm以下であれば、さらに細孔容積を保持しやすいことが分かる。
実施例3〜実施例14における第3粉砕工程で用いたメディアの径と、得られたカーボンエアロゲル粉末の細孔容積分率をプロットした結果を図13に示す。この図から、メディアの径が5mm以下では細孔容積分率がそれほど変化せず、細孔構造が保持されやすいことが分かる。また、メディアの径が0.3mm及び0.65mmの場合には、特によく細孔容積分率が保持されることが分かる。
S2…粉砕工程
S3…溶媒置換工程
S4…超臨界乾燥工程
S5…熱分解工程
Claims (9)
- 有機湿潤ゲル化物を得る工程と、
該有機湿潤ゲル化物を粉砕してゲル粉末とする粉砕工程と、
該ゲル粉末を水溶性有機溶媒と接触させて溶媒置換を行う溶媒置換工程と、
溶媒置換された該ゲル粉末を超臨界乾燥してゲル乾燥粉末を得る超臨界乾燥工程と、
該ゲル乾燥粉末を熱分解してカーボンエアロゲル粉末とする熱分解工程とを備えることを特徴とするカーボンエアロゲル粉末の製造方法。 - 前記有機湿潤ゲル化物はポリヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを塩基触媒存在下で重合させて得られる、ことを特徴とするカーボンエアロゲル粉末の請求項1に記載の製造方法。
- ポリヒドロキシベンゼンはジヒドロキシベンゼン及び/又はジヒドロキシベンゼン誘導体であることを特徴とする請求項2記載のカーボンエアロゲル粉末の製造方法。
- ジヒドロキシベンゼンはレゾルシノールであることを特徴とする請求項3記載のカーボンエアロゲル粉末の製造方法。
- 溶媒置換工程において用いる水溶性有機溶媒は、メタノール、アセトン、酢酸アミルの1種又は2種以上の混合溶媒であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のカーボンエアロゲル粉末の製造方法。
- 粉砕工程における有機湿潤ゲル化物の粉砕はメディアを用いて行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のカーボンエアロゲル粉末の製造方法。
- メディアの径は5mm以下であることを特徴とする請求項6記載のカーボンエアロゲル粉末の製造方法。
- 粉砕工程は少なくともメディアの径及び粉砕時間を制御して行うことによりカーボンエアロゲルの細孔を保持することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のカーボンエアロゲル粉末の製造方法。
- 粉砕工程は最終的に得られるカーボンエアロゲル粉末の平均粒子径が1ミクロン未満とならないようにメディアの径及び粉砕時間を制御して行うことを特徴とする請求項8記載のカーボンエアロゲル粉末の製造方法。
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