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JP2006260921A - 超音波溶接装置、被溶接送電線製造方法、モータ製造方法 - Google Patents

超音波溶接装置、被溶接送電線製造方法、モータ製造方法 Download PDF

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JP2006260921A
JP2006260921A JP2005076320A JP2005076320A JP2006260921A JP 2006260921 A JP2006260921 A JP 2006260921A JP 2005076320 A JP2005076320 A JP 2005076320A JP 2005076320 A JP2005076320 A JP 2005076320A JP 2006260921 A JP2006260921 A JP 2006260921A
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Katsunari Matsumoto
克成 松本
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Abstract

【課題】電線の超音波溶接性能を向上させた新たな構造をもつヘッド部を開発する。
【解決手段】超音波溶接装置10は、複数の送電線を囲んで組み合わされる上側ヘッド部26と下側ヘッド部32を備える。上側ヘッド部は、超音波発信機22によって超音波振動させられる。両ヘッド部は、送電線を圧縮する圧縮面42,52と、圧縮面の少なくとも両側に設けられ、圧縮方向側に突出した形状をなすガイド44,46,54,56を備える。これらのガイドにより、電線が両ヘッドの中心側に導き、溶接効率を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の送電線を超音波溶接する技術、特に、溶接に使用されるヘッド部の構造に関する。
各種電気機器や電気施設の製造・保守にあたっては、電気回路の延長や分岐・合流などのため、しばしば、ある電線と別の電線との接合が行われる。例えば、モータを製造においても、電線としてのモータ巻線を中継したり、同相のモータ巻線同士の分岐・合流を行ったりする接合が行われる。
モータ巻線同士の接合工程において広く用いられている技術としては、金属製の管状の容器に両巻線を挿入し、通電により容器毎溶接する通電カシメの技術を挙げることができる。しかし、通電カシメの技術においては、金属製容器を使用する必要があり、省スペース化を実現しにくいという問題がある。
モータ巻線同士を接合する別の技術としては、超音波溶接を挙げることができる。超音波溶接は、超音波振動させたヘッド部を溶接部に当てて振動を伝達し、これにより熱を発生させて溶接部を溶融させることで溶接を行う技術である。超音波溶接に関する文献としては、下記特許文献1乃至3を挙げることができる。
下記特許文献1には、電線と端子を接合するにあたり、圧縮接合(冷間圧接)と超音波接合(超音波圧接)を実施組み合わせて、電線把持力を高める装置が開示されている。この装置では、接合箇所に対し、まず加工具を介して加圧力を加えることで圧縮接合を行い、加圧力を開放した後に、同じ加工具を介して振動を加えることで超音波接合を行う。
また、下記特許文献2には、複数の電線を超音波溶接するヘッド(アンビルまたはホーンチップ)の圧縮面に対し、凹凸を形成した溶接強度維持面と、それに隣接し引っ張り強度維持面を設ける技術が開示されている。この技術においては、アンビルの断面はコの字形状に形成され、ホーンチップの断面はコの字形状内に嵌合する四角形状に形成されている。
下記特許文献3には、モータのロータにおいて巻線を超音波溶接する技術が記載されている。ここでは、超音波振動を加えるにあたり、溶接する電線の両脇に非金属の案内体を別途設置することで、芯ずれの防止を図っている。
特開2003−117666号公報 特開2004−220933号公報 特開平5−292707号公報
電線を超音波溶接により結合する場合、電線を構成する複数の細い導線がばらけてしまうと、その部分には超音波振動が作用しなくなり、溶融不良が生じてしまう。また、超音波溶接中に溶融が進行すると、電線間の隙間がなくなることで全体の厚みが減少し、ヘッドから伝達される圧力が不足して溶融不良が生じる場合もある。
上記特許文献1のように前処理としての圧縮接合を行う技術は、こうした課題を解決するための一態様であると言えるが、装置構成が複雑化してしまう点で好ましくない。一方、上記特許文献2のようにコの字型と四角形状のヘッドを組み合わせる態様においては、コの字型のアンビルによって電線がガイドされ、ばらけによる溶融不良を防止できる利点がある。しかし、この場合には、電線の三方を固定されたアンビルによって囲まれることとなり、振動の伝達が非効率的になる虞がある。また、一般にアンビルは熱容量が大きく、溶融部分の温度低下を招く虞もある。さらに、下記特許文献3の技術では、別途案内体を設けているため、工程数が増大する不都合がある。
本発明の目的は、電線の超音波溶接性能を向上させた新たな構造をもつヘッド部を開発することにある。
本発明の別の目的は、電線の超音波溶接において、熱の保持に優れたヘッド部形状を追求することにある。
本発明のさらに別の目的は、電線の超音波溶接において、複数の断面積にかかる溶接を可能とする新たな溶接態様を実現することにある。
本発明の超音波溶接装置は、複数の送電線を囲んで組み合わされ、これらの送電線を圧縮する二つのヘッド部と、圧縮中の少なくとも一方のヘッド部を超音波振動させ、これらの送電線を溶融させる超音波振動機構と、を備え、各ヘッド部は、これらの送電線を圧縮する圧縮面と、圧縮面の少なくとも一方の端部から圧縮方向前方に突出した形状をなし、これらの送電線を圧縮面内に保持するガイドと、を備える。
送電線とは、モータの巻線など電力が流される導線であり、典型的には複数の細い導線を束にして形成されている。超音波溶接装置は、複数の導線を超音波溶接により接合する装置である。二つのヘッド部は、これらの送電線を囲んで配置されるように組み合わされ送電線を圧縮(押圧)する。圧縮は、例えば、バネなどの弾性力、重力、機械力、電磁力などを利用して行われ、溶融の進行に追従して持続的に行われる。そして、超音波振動機構は、圧縮中の少なくとも一方のヘッド部を超音波振動させて、これらの送電線のうち振動が伝えられる箇所付近を溶融させる。これにより、複数の電線が溶接される。
ここにおいて特徴的な点の一つは、各ヘッド部が、圧縮面とガイドとを備えていることである。圧縮面は、溶接の進行過程において送電線を圧縮する上で中心的役割を果たす面であり、平面であっても曲面であってもよい。圧縮面は、その法線方向が圧縮方向に対しほぼ平行となるように設けられている。また、ガイドは、圧縮面の少なくとも一方の端部から圧縮方向前方に突出した形状をなしており、送電線を圧縮面内に保持する役割を果たしている。なお、超音波振動は、振動を伝達するヘッド部の圧縮面から電線に伝達されるが、そのヘッド部のガイド部を通じても伝達され得る。
この構成によれば、電線の周囲を囲む(四角形状に囲まれる典型的な場合における)4面のうち、少なくとも2面は超音波振動するヘッド部によって構成される。これにより、振動の伝達効率を上昇させ、溶融を生じさせやすくなることが期待できる。
本発明の超音波溶接装置の一態様において、各ヘッド部は、圧縮面の両端部にそれぞれガイドを有し、一方のヘッド部は、その両ガイドを他方のヘッド部の両ガイド間に挿入されて、他方のヘッド部と嵌合されるように組み合わされ、超音波振動機構は、少なくとも内側のヘッド部を超音波振動させる。つまり、各ヘッド部は、コの字型やU字型のような断面形状を有する。そして、互いの開口形状が向き合う方向で、一方のヘッド部を他方のヘッド部の両ガイドがつくる開口形状の中に挿入するようにして組み合わされる。超音波振動は、内側のヘッド部に伝えられるため、電線に対してはほぼ3面から振動が与えられることとなり、伝達効率の向上が期待できる。
本発明の超音波溶接装置の一態様において、各ヘッド部は、圧縮面の一方の側の端部であって他方のヘッド部とは異なる側の端部にガイドを有する。つまり、各ヘッド部は、L字型やJ字型のような断面形状を有し、互いのガイド部が同じ側に位置しないように組み合わされる。本発明の超音波溶接装置の一態様において、少なくとも一方のヘッド部を圧縮方向に直交する方向に駆動し、ガイドを用いて囲むべき送電線を寄せ集める寄せ集め機構を備える。これにより、送電線をヘッド部間にセットする効率が向上する。寄せ集め機構における駆動は、例えばモータによって行うことができ、また、その駆動制御はプログラミングに基づいたり、センサによる送電線の検知結果に基づいたりして行うことができる。
本発明の超音波溶接装置の一態様において、少なくとも一方のヘッド部の圧縮面は、凹型の弧状に形成される。言い換えれば、このヘッド部の圧縮面の断面形状は、送電線を(曲率にもよるが近似的には)丸く包み込むような形状に形成される。これにより、振動を伝える面積を増やす効果が期待できる。また、溶接される電線の側を球形に近い形状に保つことで、断面積あたりの表面積の広さを減らすことが可能となり、熱の保持効率、そして、溶融のしやすさを向上させることができる。
本発明の超音波溶接装置の一態様において、ガイドは、少なくともその先端部において圧縮方向前方(先端側)ほど外側に拡がった形状に形成される。つまり、ガイドは、末広がりの形状を有しており、電線を周囲から内側へと集めることができる。
本発明の超音波溶接装置の一態様において、少なくとも一方のヘッド部は、送電線に対向する面であって、圧縮面よりも圧縮方向後方に設けられ送電線と接触しない非接触面を有し、超音波振動時には非接触面と送電線との間に断熱空間が形成される。これにより、送電線の熱保持効果が高まり、送電線の溶融が容易化される。
本発明の超音波溶接装置の一態様において、圧縮方向に直交する方向にみて圧縮面とヘッド部との構成比率が異なり、断面積が異なる送電線の超音波溶接を行う少なくとも一つの代替用のヘッド部を備える。典型的には、超音波振動されるヘッド部について代替用のヘッド部を設ける。なお、ガイドの長さ、あるいは、圧縮面の形状が異なる代替用のヘッド部を備えることも可能である。
本発明の超音波溶接装置の一態様において、各ヘッド部は、圧縮面の一方の側の端部であって他方のヘッド部とは異なる側の端部にガイドを有し、各ヘッド部の圧縮面は、凹型の弧状に形成され、各ヘッド部の組み合わせ位置を圧縮方向に直交する方向にスライドさせて、断面積が異なる送電線の超音波溶接を行うスライド機構を備える。
本発明の非溶接送電線製造方法は、前記超音波溶接装置を用いて複数の送電線を溶接し、溶接された送電線を製造する。また、本発明の超音波溶接装置の一態様において、送電線はモータの巻き線であり、本発明のモータ製造方法は、前記超音波溶接装置を用いて、送電線としてのモータの巻線を溶接し、これによりモータを製造する。
以下に本発明の複数の実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施の形態の一例にかかる装置の概略構成を示した模式図である。図1(a)はヘッド部を正面方向から見た場合の断面図であり、図1(b)はこのヘッド部を含む超音波溶接装置10を側面方向から見た図である。
図1(b)に示したように、超音波溶接装置10は、本体部20を備えている。本体部20は筐体を有し、筐体の内部には制御部や電源回路などの他、超音波発信機22が格納されている。超音波発信機22は、超音波周波数をもつ振動を生成する装置である。この超音波発信機22には上側アーム(超音波ホーン)24が取り付けられ、上側アーム24の先端には上側ヘッド部(ホーンチップ)26が設けられている。また、上側アーム24の下側には、ヒンジ部28により本体部20に取り付けられた下側アーム30が取り付けられており、下側アーム30の先端には下側ヘッド部(アンビル)32が設けられている。下側アーム30は、弾性体としてのバネ34により下方から支えられている。バネ34は、本体部の下部から前方に飛び出たバネ支持台36上に設置されており、下側アーム30を上側に向けて押圧することにより、下側ヘッド部32を上側ヘッド部26に押しつける役割を果たしている。
図1(a)は、図1(b)のAA’面について見た上側ヘッド部26及び下側ヘッド部32の断面図である。上側ヘッド部26には、長方形断面をなす肉厚の基部40が含まれており、この基部40の下面は圧縮面42となっている。圧縮面42は、溶接時に溶接対象物を押圧し、また、主として超音波振動を伝達する面である。基部40の両端下部には、それぞれ、下方に伸びる長方形のガイド44,46が設けられている。ガイド44,46は、溶接対象物を圧縮面42内に保持するとともに、下側ヘッド部32との嵌合を補助するものである。これらの構成により、上側ヘッド部26はコの字型形状をなし、その開口部を下側に向けて配置されている。
下側ヘッド部32は、上側ヘッド部26と同様にコの字型形状をなし、その開口部を上側に向けて配置されている。すなわち、下側ヘッド部32には、長方形断面をなす肉厚の基部50が含まれており、この基部50の上面は圧縮面52となっている。また、基部50の両端上部には、それぞれ、上方に伸びる長方形のガイド54,56が設けられている。ガイド54,56は、下側ヘッド部32をその内側に嵌合する際に用いられる他、溶接対象物を圧縮面52内に保持する役割を果たしている。
上側ヘッド部26は、下側ヘッド部32の内側に嵌合される。これにより、両者の間には、周囲を両ヘッド部により囲まれた溶接作業空間60が形成される。この溶接作業空間60へは、上側ヘッド部26と下側ヘッド部32との嵌合が解かれている状態において溶接対象物がセットされる。
続いて、図2と図3を用いて、超音波溶接装置10により溶接を実施する様子を説明する。
図2は、上側ヘッド部26と下側ヘッド部32に対し、溶接対象物として二つの電線70,80がセットされ、超音波溶接されている様子を示す側面図である。図の左側から伸びている上側の電線70と、図の右側から伸びている下側の電線80は、上側ヘッド部26と下側ヘッド部32の嵌合箇所において重ねられ、溶接を受けている。
図3は、この溶接の過程を示す断面図であり、図3(a)〜図3(d)の順に時間を追って描いたものである。図3(a)は、上側ヘッド部26と下側ヘッド部32との間に、電線70と電線80がセットされる段階を示している。電線70は、細い導線72,74,...が束ねられて作られており、また、電線80は、細い導線82,84,...が束ねられて作られている。そして、これらの電線70,80は、作業者の手作業によって、あるいは、セッティング装置によって、その端部が上側ヘッド部26と下側ヘッド部32との間に重ねられる。
図3(b)は、上側ヘッド部26と下側ヘッド部32とが嵌合されて電線70,80を圧縮し、さらに上側ヘッド部26の振動が開始された様子を示す図である。この段階では、電線70,80の溶融はまだ始まっておらず、電線70,80を構成する導線間には小さな隙間が存在している。
図3(c)は、電線70,80の一部において溶融が始まった時点での様子を示す図である。溶融領域90は電線70,80が重ねられた中心部に現れている。これは、振動エネルギから熱エネルギへの転換は電線70,80の全域においてほぼ同様に起こるが、周辺部ほど上側ヘッド部26あるいは下側ヘッド部32への熱伝導により温度が低下し、相対的に中心部ほど高温になりやすいためである。溶融領域90においては、溶融によって細い導線間の隙間がなくなるため、下側ヘッド部32はバネによって上側に変位し、上側ヘッド部26との距離を縮めている。
図3(d)は、溶融領域90が、電線70,80の全域に拡がった様子を示す図である。全面的な溶融にともなって、上側ヘッド部26と下側ヘッド部32とはさらに距離を縮めており、上側ヘッド部26のガイド44,46の先端は、下側ヘッド部32の圧縮面52とほとんど接触する位置に到達している。両者は接触するように設定することができる。この場合には、構造的な安定性が増すと考えられるが、上側ヘッド部26の振動の一部が直接下側ヘッド部32に到達するため、電線70,80の溶融に使用される振動エネルギが減少することになる。そこで、これを回避するために、両者を接触させないように設定することも可能である。
十分な溶融が生じた後は、超音波振動を弱めたり停止したりして溶融箇所の温度を低下させ凝固させる。これにより、溶接が完了し、二つの電線70,80が結合した長い電線が形成される。
ここで、図4を用いて、図1に示した超音波溶接装置10を使用するにあたって注意すべき点について説明する。図4は、図3(d)とほぼ同様の図であり、上側ヘッド部26と下側ヘッド部32との間に大きな溶融領域90が形成した段階を示している。ただし、ここにおいては、上側ヘッド部26の両端のガイド44,46と下側ヘッド部32の圧縮面52との間に、電線80と電線70からばらけた細い導線84,78が未だに溶融せずに残っている。
これらの細い導線84,78は、ガイド44,46から振動を受けており、さらに、超音波振動を与え続けることで溶融する余地がある。また、溶融した場合には、表面張力によって他の溶融部分に吸収され、図3(d)に示した状態に移行する可能性がある。ただし、溶接に要する時間が長くなってしまう点で好ましくはない。したがって、ばらけやすい電線を溶接する場合には注意して作業を行うことが望まれる。
[第2の実施形態]
続いて、図5を用いて、第1の実施形態における図4に示した状況の発生を効果的に防止する態様について説明する。図5においては、溶接の各工程が図5(a)〜図5(c)によって時間順に示されている。この態様においては、第1の実施形態と同じ下側ヘッド部32及び異なる上側ヘッド部100が用いられている。上側ヘッド部100において、平面状の圧縮面102が設けられている点、両端にガイド104,106が設けられている点は第1の実施形態と変わらない。しかし、この上側ヘッド部100のガイド104,106の先端には、先端側ほど開口面積が拡がるように外側に傾斜して形成された傾斜部108,110がそれぞれ設けられている。
図5(a)に示した電線70,80の取り込み段階においては、傾斜部108,110は、電線70,80を圧縮面102の側にスムーズに導く役割を果たす。また、図5(b)に示した半溶融段階においては、傾斜部108,110は、電線80,70からそれぞればらけた細い導線84,78を内側に移動させている。この結果、図5(c)に示したように、上側ヘッド部100と下側ヘッド部32との間においては、速やかに全ての電線が溶融し、やや台形形状の溶融領域120が形成されている。
[第3の実施形態]
次に、図6を用いて、第3の実施形態について説明する。図6はこの態様における上側ヘッド部130と下側ヘッド部32の構造を示しており、図6(a)は図6(b)におけるBB’面での断面図、図6(b)は側面図である。この構成において用いられている下側ヘッド部32は、第1の実施形態において示したものと同じである。また、上側ヘッド部130には、図1に示した上側ヘッド部26と同様にその両端にガイド132,134が設けられている。しかし、上側ヘッド部130においては、図1の上側ヘッド部26とは異なり、上側ヘッド部26の圧縮面42に相当する箇所に平坦な非接触面136と横方向に伸び先端が尖った突起部138とが設けられている。
この非接触面136と突起部138の機能について、図7を用いて説明する。図7は、図6に示した上側ヘッド部130及び下側ヘッド部32を用いて電線70,80の超音波溶接を行う様子を説明する側面からの断面図である。図7(a)は、溶接を開始した直後の図である。この時点においては、下側の電線80は、下側ヘッド部32の圧縮面52に広く接触して上向きに押圧されている。これに対し、上側の電線70は、上側ヘッド部130の非接触面136には接触しておらず、突起部138の先端によってのみ圧縮されている。したがって、この態様においては、突起部138が圧縮面としての役割を担っている。
上側ヘッド部130による超音波振動は、突起部138を通じて電線70,80に伝達される。したがって、突起部138において電線70,80が高温化し、溶融領域140が発生する。この過程で発生した熱の一部は、下側ヘッド部32においては、電線80と全面的に接した圧縮面52を通じて逃げ出すことになる。しかし、上側ヘッド部130では、直接接する部分は突起部138のみであり、非接触面136の下側には空気による断熱層が形成されている。したがって、熱伝導による放熱量は小さく、高温化及び溶融化が素早く効率的に進行することとなる。
[第4の実施形態]
ここでは、第1〜3の実施形態とはヘッド部の形状を大きく変形させた態様について説明する。図8は、第4の実施形態にかかる上側ヘッド部150と下側ヘッド部160を用いて超音波溶接を行う過程を示した断面図である。
図8(a)は、超音波溶接を開始する段階を説明する図である。ここに示したように、上側ヘッド部150には、長方形断面をなす肉厚の基部152が含まれており、この基部152の下面は圧縮面154となっている。そして、基部152の図における左端には、細長のガイド156が設けられている。言い換えれば、上側ヘッド部150はその断面形状がL字型に形成されている。また、下側ヘッド部160は、この上側ヘッド部150を180度回転させた形状をなしている。すなわち、基部162、基部162の上面に設けられた圧縮面164、基部162の右端に設けられたガイド166を備え、L字型に形成されている。
上側ヘッド部150と下側ヘッド部160は、ガイド156,166の内側に、他方のヘッド部の基部162,152の他端を接触させるようにして組み合わされている。これにより、上側ヘッド部150と下側ヘッド部160との間には、両ヘッド部により囲まれた溶接作業空間168が形成されている。
図8(a)においては、溶接作業空間168に二本の電線170,180が取り込まれている。取り込みにあたっては、必要に応じて上側ヘッド部150と下側ヘッド部160を図の横方向に動かす機構を設け、長く設定されたガイド156,166を利用して他所から電線170,180を誘導するように設定することができる。
取り込まれた電線170,180は、図1に示したバネの効果により、圧縮面154,164に図の上限方向(圧縮面154,164が接近する方向)に圧縮される。図の左右方向においては、上側ヘッド部150と下側ヘッド部160との位置決めを適切に行っておけば、特段、バネ等の補助的な押圧機構を用いることなく両者の位置を適切に保つことができる。ただし、必要であれば、補助的な押圧機構を設けて両者の間に必要以上に大きな隙間が隙間が生じないようにすればよい。
電線170,180は、上側ヘッド部150の振動を受けて溶融する。図8(b)は、溶融が完全に進行した段階を示す図である。この段階では、上側ヘッド部150と下側ヘッド部160の間に全面的な溶融領域190が形成される。
ここで、図9を用いて、図8に示した構成を採用するにあたって注意すべき点について説明する。図9は、図8(b)とほぼ同様の段階における図を表す。ここでは、上側ヘッド部150と下側ヘッド部160との間においては、その中央付近に溶融領域190が形成されている。しかし、その両横には、電線170,180からばらけた細い導線172,176,178,182,184,188が溶融せずに残っている。これは、周辺部に位置する導線は、上側ヘッド部150と下側ヘッド部160への熱伝導により熱を奪われやすく、溶融が進行しにくいことに起因する。もちろん、長時間にわたって、強く振動を伝えることにより、全体を溶融させることも可能であるが、溶接に要する時間が長くなるなど必ずしも好ましくはない状況に至りうる。したがって、特にばらけやすい電線を溶接する場合などには注意して作業を行うことが望まれる。
[第5の実施形態]
図10を用いて第5の実施形態について説明する。この実施の形態は、図9に示した状況の発生を効果的に防止することができる。
図10は、この実施の形態にかかる上側ヘッド部200と下側ヘッド部210を用いて超音波溶接を行う過程を示した断面図である。図10(a)は、超音波溶接を開始する段階を説明する図である。ここに示したように、上側ヘッド部200には、外側に膨らんだアーチ形状をなす肉厚の基部202、この基部202の凹型の下面が作る圧縮面204、そして、基部202の左端から伸びる細長のガイド206が設けられている。この上側ヘッド部200は、図8に示した上側ヘッド部150の基部形状を変更したものであり、全体の断面形状がJ字型になるように形成されている。下側ヘッド部210は、この上側ヘッド部200を180度回転させた形状をなしている。すなわち、基部212、圧縮面214、ガイド216を備え、J字型に形成されている。
上側ヘッド部200と下側ヘッド部210は、図8に示した例と同様にして組み合わされており、その内部には長円形断面をもつ溶接作業空間218が形成されている。そして、溶接作業空間218には、電線220,230がセットされている。セットされた電線220,230は、圧縮面204,214によって圧縮される。この場合において、圧縮面204,214は凹型であるため、上側ヘッド部200と下側ヘッド部210は、水平方向に位置ずれを起こしにくいという利点がある。
図10(b)は、超音波溶接の途中過程における様子を示す図である。ここでは、電線220,230が重ねられた中心部付近から溶融が起こりはじめ、溶融領域240が形成されている。そして、その周囲には、まだ溶融していない導線222,224,226,228,232,234,236,238が存在している。また、このとき、溶接作業空間218は、溶融による隙間の減少とともに縮小され、ほぼ円形となっている。
図10(c)は、電線220,230が全て溶融し、上側ヘッド部200と下側ヘッド部210の間に全面的に溶融領域240が拡がった状態を示している。この態様においては、溶融領域240は円形に近い形状となるため、その体積(あるいは断面積)に比べて表面積(あるいは断面の周囲長)が相対的に小さくなる。したがって、発生した熱の放出を抑制することが可能となり、溶融が素早く進行する。したがって、図9に示した態様に比べて、速やかに溶接が完了し、また溶融不良も発生しにくい。
[第6の実施形態]
ここでは、溶接対象となる電線の全断面積が異なる場合にも、良好な溶接を行うための複数の態様について、図11〜図14の各図を用いて説明する。
図11(a)は、第2の実施形態で示した図5(c)と同様の図である。ここでは、上側ヘッド部100及び下側ヘッド部32を用いて溶接を行い、図示した溶融領域120の断面積をもつ溶接を実施している。これに対し、図11(b)に示した態様では、上側ヘッド部100の代わりに上側ヘッド部250を採用している。下側ヘッド部32を用いている点に変更はない。しかし、上側ヘッド部250に設けられたガイド252,254は、上側ヘッド部100に設けられたガイド104,106に比べて肉厚であり、上側ヘッド部250と下側ヘッド部32とで作られる溶接作業空間の断面積が減少する。逆に言えば、この構成においては、比較的小さな断面積、すなわち、図11(b)に示した溶融領域程度の断面積をもつ電線を好適に溶接対象とすることができる。
なお、ヘッド部の取り替え態様は様々に設定可能である。例えば、アームごとヘッド部を取り替えてもよいし、アームはそのままとしてヘッド部のみを取り替えてもよい。また、複数のアーム及びヘッド部が、操作ボタンにより位置を入れ替えるような構成を取り入れることも可能である。
図12(a)は、第4の実施形態で示した図8(b)と同様の図である。この態様においては、異なる断面積をもつ電線をヘッド部を交換することなく溶接することができる。例えば、図12(a)に示された溶融領域190よりも小さな断面積をもつ電線を溶接する場合には、図12(b)に示すように、上側ヘッド部150と下側ヘッド部160との距離を近づけて圧縮や振動を行えばよい。この結果、図12(b)に示された溶融領域260は、その断面積が小さなものとなっている。ただし、この溶融領域260の形状は、細長形状であり、熱を極めて放出しやすい形状となっている。このため、図9を用いて示した注意事項に十分に留意して溶接を実施することが肝要である。
図13(a)は、図8(b)及び図12(a)と同様の図である。そして、図13(b)は、図12(b)の説明で述べた問題点を解消するために採用しうる態様を示す図である。図13(b)の構成においては、図13(a)の上側ヘッド部150の代わりに、上側ヘッド部270が使われている。この上側ヘッド部270は、上側ヘッド部150の基部152におけるガイド156とは反対側の端部に別のガイドを取り付けた形状をなしている。すなわち、上側ヘッド部270には、その基部272の外側端部に長い形状のガイド274が設けられ、内側端部に短い形状のガイド276が設けられている。そして、上側ヘッド部270と下側ヘッド部160とは、上側ヘッド部270のガイド276が下側ヘッド部160のガイド166に内接するように組み合わされている。この結果、溶融領域280は、図13(a)の場合の溶融領域190に比べ断面積が小さくなっており、また、図12(b)の場合の溶融領域260に比べ正方形に近い形状となっている。したがって、この態様においては、断面積の小さな電線の溶接を効率的に行うことができる。
図14(a)は、第5の実施形態で示した図10(c)と同様の図である。ここでは、上側ヘッド部200の基部202のガイド206がない側の外端209を、下側ヘッド部210の基部212のガイド216に内接させ、また、下側ヘッド部210の基部212のガイド216がない側の外端219を、上側ヘッド部200の基部202のガイド206に内接させて、両者を組み合わせている。これに対し、図14(b)においては、同じ上側ヘッド部200と下側ヘッド部210を用いているものの、その組み合わせ態様が異なっている。すなわち、上側ヘッド部200と下側ヘッド部210は組み合わせ位置を外側にずらしており、上側ヘッド部200の外端209はガイド216に接しておらず、下側ヘッド部210の外端219はガイド206に接していない。この結果、上側ヘッド部200と下側ヘッド部210とによって作られる溶接作業空間は図14(a)の場合に比べて小さくなっている。したがって、図14(b)においては図示した溶融領域290程度の断面積をもつ電線の溶接を行うことが可能となる。また、この溶融領域290は、比較的円形に近く、放熱量を比較的小さくすることが可能となっている。
なお、図14(b)の態様を実施する場合、溶接当初からこの位置関係で溶接を行うことが困難な場合がある。これは、溶接当初において導線間に隙間が存在する場合、上側ヘッド部200と下側ヘッド部210が離れて位置するため、その隙間から溶融した金属が漏れ出す虞があることによる。このような場合には、作業の開始直後は位置ずれを小さくし、溶融の進行とともに位置ずれを大きくするように移動制御することで両者の間に隙間が空かないようにすればよい。
第1の実施形態にかかる装置構成を示す概略図である。 第1の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第1の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第1の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第2の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第3の実施形態におけるヘッド部の構成を示す概略図である。 第3の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第4の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第4の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第5の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第6の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第6の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第6の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。 第6の実施形態における電線の溶接過程を示す図である。
符号の説明
10 超音波溶接装置、20 本体部、22 超音波発信機、24 上側アーム、26 上側ヘッド部、28 ヒンジ部、30 下側アーム、32 下側ヘッド部、34 バネ、36 バネ支持台、40,50 基部、42,52 圧縮面、44,54 ガイド、60 溶接作業空間、70,80 電線。

Claims (11)

  1. 複数の送電線を囲んで組み合わされ、これらの送電線を圧縮する二つのヘッド部と、
    圧縮中の少なくとも一方のヘッド部を超音波振動させ、これらの送電線を溶融させる超音波振動機構と、
    を備え、
    各ヘッド部は、これらの送電線を圧縮する圧縮面と、圧縮面の少なくとも一方の端部から圧縮方向前方に突出した形状をなし、これらの送電線を圧縮面内に保持するガイドと、を備える、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  2. 請求項1に記載の超音波溶接装置において、
    各ヘッド部は、圧縮面の両端部にそれぞれガイドを有し、
    一方のヘッド部は、その両ガイドを他方のヘッド部の両ガイド間に挿入されて、他方のヘッド部と嵌合されるように組み合わされ、
    超音波振動機構は、少なくとも内側のヘッド部を超音波振動させる、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  3. 請求項1に記載の超音波溶接装置において、
    各ヘッド部は、圧縮面の一方の側の端部であって他方のヘッド部とは異なる側の端部にガイドを有する、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  4. 請求項3に記載の超音波溶接装置において、
    少なくとも一方のヘッド部を圧縮方向に直交する方向に駆動し、ガイドを用いて囲むべき送電線を寄せ集める寄せ集め機構を備える、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  5. 請求項1に記載の超音波溶接装置において、
    少なくとも一方のヘッド部の圧縮面は、凹型の弧状に形成される、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  6. 請求項1に記載の超音波溶接装置において、
    ガイドは、少なくともその先端部において圧縮方向前方ほど外側に拡がった形状に形成される、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  7. 請求項1に記載の超音波溶接装置において、
    少なくとも一方のヘッド部は、送電線に対向する面であって、圧縮面よりも圧縮方向後方に設けられ送電線と接触しない非接触面を有し、
    超音波振動時には非接触面と送電線との間に断熱空間が形成される、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  8. 請求項1に記載の超音波溶接装置において、
    圧縮方向に直交する方向にみて圧縮面とヘッド部との構成比率が異なり、断面積が異なる送電線の超音波溶接を行う少なくとも一つの代替用のヘッド部を備える、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  9. 請求項1に記載の超音波溶接装置において、
    各ヘッド部は、圧縮面の一方の側の端部であって他方のヘッド部とは異なる側の端部にガイドを有し、
    各ヘッド部の圧縮面は、凹型の弧状に形成され、
    各ヘッド部の組み合わせ位置を圧縮方向に直交する方向にスライドさせて、断面積が異なる送電線の超音波溶接を行うスライド機構を備える、ことを特徴とする超音波溶接装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波溶接装置を用いて複数の送電線を溶接し、溶接された送電線を製造する被溶接送電線製造方法。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波溶接装置を用いて、送電線としてのモータの巻線を溶接し、これによりモータを製造するモータ製造方法。
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