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JP2006245074A - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

有機薄膜太陽電池 Download PDF

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JP2006245074A JP2005055155A JP2005055155A JP2006245074A JP 2006245074 A JP2006245074 A JP 2006245074A JP 2005055155 A JP2005055155 A JP 2005055155A JP 2005055155 A JP2005055155 A JP 2005055155A JP 2006245074 A JP2006245074 A JP 2006245074A
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Kojiro Okawa
晃次郎 大川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、成膜時の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性が良好な光電変換層を有する有機薄膜太陽電池を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成され、上記第1電極層と対向する電極である第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記光電変換層は、イオン性液体を固体化してなる導電性化合物と、有機半導体材料とを含有することを特徴とする有機薄膜太陽電池を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、湿式塗工法により光電変換層を形成することが可能な有機薄膜太陽電池に関するものである。
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜を配置してなる太陽電池であり、シリコンなどに代表される無機太陽電池に比べ製造工程が容易であり、かつ低コストで大面積化が可能であるという利点を持つ。しかしながら、エネルギー変換効率が低いことから実用に供することは困難であった。したがって、有機薄膜太陽電池においては、エネルギー変換効率の高効率化が最大の課題となっている。
最近では、有機薄膜太陽電池のエネルギー変換効率を向上させるために、有機薄膜に用いられる有機材料の特徴を生かした工夫が試みられており、非特許文献1および非特許文献2に開示されている。
上述したような有機薄膜太陽電池としては、例えば、有機薄膜が電子輸送層および正孔輸送層からなるバイレイヤー型有機薄膜太陽電池の例を挙げることができる。一般に、バイレイヤー型有機薄膜太陽電池は、透明基板と、上記透明基板上に形成された透明電極と、上記透明電極上に形成され、電子供与体として機能する正孔輸送層および電子受容体として機能する電子輸送層からなる光電変換層と、上記光電変換層上に形成され、上記透明電極と対向する電極である対向電極とを有するものである。このバイレイヤー型有機薄膜太陽電池においては、電子供与体として機能する正孔輸送層にp型有機半導体を用い、電子受容体として機能する電子輸送層にn型有機半導体を用いることにより、2つの層の界面でpn接合が形成され、光電変換に寄与している。
また、エネルギー変換効率を向上させるために、pn接合部分を拡張させる方法として、p型有機半導体とn型有機半導体とを単純積層するのではなく、混合するという方法もある。p型有機半導体とn型有機半導体とを混合することにより、分子レベルでのpn接合が膜中に広く形成されるため、光電変換に寄与できる体積が増すのである。
このようなp型有機半導体およびn型有機半導体からなる光電変換層の形成方法としては、一般に蒸着法および湿式塗工法の二つの方法が用いられている。中でも、湿式塗工法は、大気中で光電変換層を形成することができることから、設備の初期投資が少なく抑えられるだけでなく、大面積化する点において有利であるという利点を有する。
しかしながら、p型有機半導体およびn型有機半導体として用いられる導電性高分子等の有機材料は、有機溶媒への溶解性が低いために、光電変換層形成時の塗工液調製が困難である点や、成膜後の膜平滑性が悪い点、さらにp型有機半導体およびn型有機半導体を混合する際の各材料の分散性が低い点等の問題点があった。
また、従来の有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロエタン、キシレンまたはトルエンといった希釈溶媒が中心であり、導電性高分子等の有機材料の溶解性や分散性に優れた媒体についての提案はあまり行われていないのが現状である。
MATERIAL STAGE vol.2,No.9 2002 p.37-42 中村潤一ら著「有機薄膜太陽電池‐ドナー・アクセプター相互作用の活用‐」 応用物理 第71巻 第4号(2002)p.425-428 昆野昭則著「有機太陽電池の現状と展望」
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、成膜時の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性が良好な光電変換層を有する有機薄膜太陽電池を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明者らは、光電変換層に用いられる有機半導体材料の溶解性および分散性に優れた媒体であって、かつ、太陽電池特性に寄与するまたは太陽電池特性を維持することができる媒体の探索を行った。その結果、固体化が可能なイオン性液体が有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成され、上記第1電極層と対向する電極である第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記光電変換層は、イオン性液体を固体化してなる導電性化合物と、有機半導体材料とを含有することを特徴とする有機薄膜太陽電池を提供する。
本発明において、光電変換層がイオン性液体を固体化してなる導電性化合物と有機半導体材料とを含有するものであれば、イオン性液体に有機半導体材料を溶解または分散させた光電変換層形成用塗工液を用いて、これを塗布した後、固化させることにより光電変換層を得ることができる。通常、上記イオン性液体は有機半導体材料を十分に溶解または分散させることが可能なものであり、このような光電変換層形成用塗工液を固化させた光電変換層中には光電変換層として機能するのに十分な有機半導体材料を含有させることが可能である。また、上記光電変換層は、従来のように有機半導体材料の溶解量の極めて少ない塗工液を塗布し、多量の有機溶媒を除去して固化し成膜するものと異なり、光電変換層形成用塗工液を塗布後、光照射または加熱により媒体であるイオン性液体を固体化して成膜するものであるので、膜表面の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性も良好な光電変換層とすることができる。さらに、用いるイオン性液体自体が、光電変換層中において有機半導体として機能するものとすることも可能である。これにより、エネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池とすることができる。
また、本発明においては、上記イオン性液体は、イミダゾリウム塩であることが好ましい。これまでに見出されているイオン性液体の種類は少なく、イミダゾリウム塩が現在知られているイオン性液体の中で一般的であり、本発明への応用が容易であるからである。
さらに、本発明においては、上記イオン性液体は、重合性基を有することが好ましい。イオン性液体と有機半導体材料とを含有する光電変換層形成用塗工液を用いて光電変換層を形成する際に、イオン性液体が重合性基を有することにより、イオン性液体を重合させて成膜することができ、平滑性および有機半導体材料の分散性が良好であり、さらに膜強度の高い光電変換層を形成することが可能となるからである。
また、本発明においては、上記イオン性液体が、一般式(1)
Figure 2006245074
(式中、XはBr、PF または(CFSO(TFSI)のいずれかを表し、nは1〜100を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
本発明は、また、基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、上記第1電極層上に光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、上記光電変換層上に、上記第1電極層と対向する電極である第2電極層を形成する第2電極形成工程とを有する有機薄膜太陽電池の製造方法であって、上記光電変換層形成工程が、イオン性液体を媒体とし、有機半導体材料が溶解または分散されてなる光電変換層形成用塗工液を塗布し、上記イオン性液体を固体化することにより行われることを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、光電変換層形成用塗工液に用いられるイオン性液体は有機半導体材料を十分に溶解または分散させることが可能なものであり、このような光電変換層形成用塗工液を用いて形成した光電変換層中には光電変換層として機能するのに十分な有機半導体材料を含有させることが可能である。また、従来のように有機半導体材料の溶解量の極めて少ない塗工液を塗布し、多量の有機溶媒を除去して固化し成膜するものと異なり、本発明においては、光電変換層形成用塗工液を塗布後、光照射または加熱等によりイオン性液体を固体化して成膜するものであるので、膜表面の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性も良好な光電変換層を形成することができる。さらに、用いるイオン性液体自体が、光電変換層中において有機半導体として機能するものとすることも可能である。これにより、エネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池を製造することができる。
本発明によれば、平滑性および有機半導体材料の分散性の良好な光電変換層を形成することが可能であり、エネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池とすることができる。
本発明は、有機薄膜太陽電池およびその製造方法を含むものである。以下、本発明の有機薄膜太陽電池およびその製造方法について詳細に説明する。
A.有機薄膜太陽電池
まず、本発明の有機薄膜太陽電池について説明する。
本発明の有機薄膜太陽電池は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成され、上記第1電極層と対向する電極である第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記光電変換層は、イオン性液体を固体化してなる導電性化合物と、有機半導体材料とを含有することを特徴とするものである。
本発明において、光電変換層がイオン性液体を固体化してなる導電性化合物と有機半導体材料とを含有するものであれば、イオン性液体に有機半導体材料を溶解または分散させた光電変換層形成用塗工液を用いて、これを塗布した後、固化させることにより光電変換層を得ることができる。通常、上記イオン性液体は有機半導体材料を十分に溶解または分散させることが可能なものであり、このような光電変換層形成用塗工液を固化させた光電変換層中には光電変換層として機能するのに十分な有機半導体材料を含有させることが可能である。
また、上記光電変換層は、従来のように有機半導体材料の溶解量の極めて少ない塗工液を塗布し、多量の有機溶媒を除去して固化し成膜するものと異なり、光電変換層形成用塗工液を塗布後、光照射または加熱により媒体であるイオン性液体を固体化して成膜するものであるので、膜表面の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性も良好な光電変換層とすることができる。
さらに、用いるイオン性液体自体が、光電変換層中において光電変換反応に寄与することができるので、エネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池とすることができる。
図1は、本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の有機薄膜太陽電池は、基板1と、上記基板1上に形成された第1電極層2と、上記第1電極層2上に形成された光電変換層3と、上記光電変換層3上に形成され、上記第1電極層2と対向する電極である第2電極層4とを有するものである。
以下、このような有機薄膜太陽電池の各構成について説明する。
1.光電変換層
まず、本発明に用いられる光電変換層について説明する。本発明において光電変換層は、イオン性液体を固体化してなる導電性化合物と、有機半導体材料とを含有するものである。
本発明によれば、光電変換層がイオン性液体を固体化してなる導電性高分子と有機半導体材料とを含有することから、イオン性液体に有機半導体材料を溶解または分散させた光電変換層形成用塗工液を用い、これを塗布した後、有機半導体材料およびイオン性液体を固化させることにより光電変換層を得ることができる。通常、上記イオン性液体は有機半導体材料を十分に溶解または分散させることが可能なものであり、これらを固化させた光電変換層中には光電変換層として機能するのに十分な有機半導体材料を含有させることが可能である。
また、従来では、有機半導体材料の溶媒への溶解性または分散性が乏しいことから、有機半導体材料の溶解量の極めて少ない塗工液を用いて塗布し、多量の溶媒を除去して固化し成膜していたため、成膜後の平滑性に欠けるという不具合が生じていた。特に、電子供与性を有する有機半導体材料と電子受容性を有する有機半導体材料とを混合した塗工液を用いて光電変換層を形成する場合は、有機半導体材料の分散性が悪いと、光電変換層中でpn接合が形成されにくくなるため、エネルギー変換効率が低くなるという不都合もあった。しかしながら、本発明においては、有機半導体材料の溶解性および分散性の良好なイオン性液体を媒体として用いた光電変換層形成用塗工液を塗布し、光照射または加熱によりイオン性液体を固体化して成膜するものであるので、成膜後の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性も良好な光電変換層とすることができる。
さらに、イオン性液体自体が、光電変換層中において有機半導体として機能するものとすることも可能である。これにより、エネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池とすることができる。
以下、このような光電変換層を構成する材料について説明する。
(1)イオン性液体
まず、本発明に用いられるイオン性液体について説明する。
一般に塩は常温で固体であるが、加熱していくとある温度で溶解し液体(溶融塩)となる。しかしながら、数百℃という融点の高さが障壁となり、広範囲への適用は進まなかった。これに対し、最近になって、有機のカチオンおよびアニオンを用いて、室温で液体となる系が見出された。これらは、常温溶融塩またはイオン性液体と呼ばれている。
イオン性液体を形成するイオンの構成は様々であり、例えばエチルメチルイミダゾリウムカチオンと、BF 、PF 、または(CFSO(TFSIとも称する)等とを組み合わせた系は室温で液体となる。さらに、TFSIアニオンを用いた場合は、塩でありながら水に不溶の塩となる。
イオン性液体は一般の溶液では達成できない高いイオン密度を有し、かつイオン移動度も大きいため、極めて高いイオン伝導度を示し、さらに様々な塩の良溶媒となるため、新規イオン伝導性マトリックスとして期待されている。また、イオン性液体は溶媒としても有用であり、これまで様々な溶媒に対して溶解性が極めて低かった材料に対しても溶解性を有するケースが多い。
特に高分子材料、中でも共役系高分子材料の溶解性または分散性を有することは特筆すべきことである。有機薄膜太陽電池を含む有機系デバイスに用いられる光電変換材料の過半はこの共役系の発達した高分子であり、光電変換材料として高性能であればあるほど、その溶媒への溶解性、分散性は低いものとなる傾向にある。コストパフォーマンスの良好な湿式塗工法により光電変換層を形成するために、これまでに材料の溶解性および分散性向上には多くの努力がなされており、その重要性は非常に高いといえる。
このようなイオン性液体としては、イオン性液体“開発の最前線と未来”p.196−201 大野弘幸ら監修「イオン性液体の高分子化」に詳しい。
本発明に用いられるイオン性液体としては、後述する有機半導体材料の溶解性または分散性が良好であり、イオン性液体を固体化させた際に導電性を有するものであれば、特に限定されない。また上述したように、イオン性液体はカチオンとアニオンとからなるものである。
このようなイオン性液体のカチオンとしては、大きく分けて芳香族カチオンおよび脂肪族カチオン等が挙げられる。例えば、芳香族カチオンとしてはイミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム等を用いることができ、脂肪族カチオンとしてはアンモニウム等を用いることができる。
上記イミダゾリウムとしては、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)、ブチルメチルイミダゾリウム(BMI)、オクチルメチルイミダゾリウム(OMI)等が挙げられる。
また、上記ピリジニウムとしては、1−ブチルピリジニウム塩(BP)等が挙げられる。
さらに、上記アンモニウムとしては、トリメチルプロピルアンモニウム(TMPA)等の非対称4級アンモニウム等が挙げられる。
一方、本発明に用いられるイオン性液体のアニオンとしては、上記カチオンと塩を形成し、その塩が室温で液体となるものであれば特に限定されないが、例えば(CFSO(TFSIとも称する)、(CFSO(以下、TFSMとも称する)、(CFSO(以下、TFとも称する)、n−CSO 、PF 、BF 等の含フッ素アニオン;N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸アニオン(以下、CHESとも称する)、2−ヒドロキシ−3−モルフォリノプロパンスルホン酸アニオン(以下、MOPSOとも称する)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸アニオン(以下、BESとも称する)等のスルホン酸アニオン等が挙げられる。また、アニオンとしては、NO 、SCN、Br、AlCl 等を用いることもできる。
また、本発明に用いられるイオン性液体としては、カチオンおよびアニオンの両方を分子内に固定したZwitterionic(双生イオン)型のイオン性液体も使用することができる。例えば、1−エチルイミダゾリウム−3−n−プロパンスルフォネート(EIm3S)、1−エチルイミダゾリウム−3−n−ブタンスルフォネート(EIm4S)等が挙げられる。
本発明においては、上記の中でも、イオン性液体のアニオンがイミダゾリウムであるイミダゾリウム塩を用いることが好ましい。これまでに見出されているイオン性液体の種類は少なく、イミダゾリウム塩が現在知られているイオン性液体の中で一般的であり、本発明への応用が容易であるからである。上記イミダゾリウム塩としては、例えばエチルメチルイミダゾリウム(EMI)またはブチルメチルイミダゾリウム(BMI)と、PF 、BF 、または(CFSO(TFSI)との組み合わせが好適に用いられる。
また、本発明においては、上記イオン性液体が重合性基を有することが好ましい。イオン性液体と後述する有機半導体材料とを含有する光電変換層形成用塗工液を用いて光電変換層を形成する際に、イオン性液体が重合性基を有することにより、イオン性液体を重合させて成膜することができ、平滑性および有機半導体材料の分散性が良好であり、さらに膜強度の高い光電変換層を形成することが可能となるからである。さらに、イオン性液体は、分子鎖末端に重合性基を有することが好ましい。
このような重合性基としては、重合可能な官能基であれば特に限定されないが、例えばビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロイル基、アリル基等が挙げられる。また、オキセタニル基のような光重合可能な重合性基であってもよい。
本発明においては、上記イオン性液体がイミダゾリウム塩であり、重合性基を有することが好ましく、このようなイオン性液体としては例えばビニルイミダゾール等が挙げられる。この場合、上述したようにイオン性液体は分子鎖末端にビニル基やアクリル基等の重合性基を有することが好ましいのであるが、イオン性液体の部位にビニル基やアクリル基等の重合性基が結合していてもよく、イオン性液体の部位とビニル基やアクリル基等の重合性基との間にスペーサーが導入されていてもよい。
特に、本発明に用いられるイオン性液体としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2006245074
なお、上記一般式(1)において、XはBr、PF または(CFSO(TFSI)のいずれかを表す。また、アルキル鎖の鎖長を示すnは、1〜100の範囲で任意の整数をとり得るが、1〜20の範囲であることが好ましく、2〜10の範囲であることがさらに好ましい。
このような一般式(1)で表される化合物は、有機半導体材料の溶解性が良好であり、フレキシビリティが高く、追従性および安定性に優れるからである。
また、本発明において、上記イオン性液体は、多くの場合、後述する有機半導体材料を溶解または分散させる媒体や、光電変換層中におけるマトリックスとして機能するが、光電変換層中において有機半導体として機能するものもある。イオン性液体が有機半導体として機能する場合は、後述する有機半導体材料との間で電荷分離が生じることから、エネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池とすることができる。
(2)イオン性液体を固体化してなる導電性化合物
次に、本発明に用いられるイオン性液体を固体化してなる導電性化合物について説明する。本発明において導電性化合物は、上記イオン性液体を固体化することにより形成される。
上記イオン性液体を固体化する方法としては、大きく分けて3つに分類される。(i)ホスト高分子にイオン性液体を含浸させてゲル電解質を形成する方法、(ii)イオン性液体の形成により高分子が形成される方法、(iii)イオン性液体自身を主鎖および側鎖に固定して高分子を形成する方法である。以下、それぞれに分けて説明する。
(i)ホスト高分子にイオン性液体を含浸させてゲル電解質を形成する方法
イオン性液体を用いたゲル電解質の開発は、設計および合成の容易さ等から、イオン性液体の固体化として最も広く行われており、そのホスト高分子の種類も多岐にわたる。ゲル電解質を形成する方法は、ホスト高分子にイオン性液体を含浸させることにより行われることから、膜形成能を有するだけでなく、イオン性液体の特徴を損なわずに固体化できることが利点として挙げられる。
本発明に用いられるホスト高分子としては、一般にゲル電解質に用いられている高分子を使用することができ、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンおよび6フッ化プロピレンの共重合体(PVdF−HFP)、Nafion(登録商標)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
また、後述する有機半導体材料であるカーボンナノチューブ等を、ホスト高分子として用いることもできる。この場合、カーボンナノチューブにイオン性液体を含浸させると、カーボンナノチューブとイオン性液体との相互作用により、イオン性液体を配向させることができるので、有機半導体材料の分散性がよく、均一な膜を形成することができる。
上記ゲル電解質としては、具体的にZwitterionic型のイオン性液体をフッ素系ポリマーに含浸させたものが挙げられる。
ここで、上記(i)の方法においては、上記ゲル電解質が本発明における導電性化合物である。
(ii)イオン性液体の形成により高分子が形成される方法
イオン性液体の形成により高分子が形成されるとは、分子の末端に反対電荷が固定されたイオン性液体を混合すると、分子の末端においてイオン結合が形成されるため、主鎖の高い運動性を保持したまま末端のイオン結合を介して擬似的な高分子が形成されるというものである。しかしながら、上記の擬似的な高分子では、比較的分子量の小さい分子がイオン結合を介して結合しているため、力学的強度に劣る場合がある。
このようなイオン性液体の形成により高分子が形成されるものとしては、例えばイオン伝導性高分子であるポリエチレンオキシド(PEO)の末端に塩構造を固定したPEO/塩ハイブリッドが挙げられる。このPEO/塩ハイブリッドは、PEO鎖が短い場合に室温で液体となる。
ここで、上記(ii)の方法においては、上記擬似的な高分子が本発明における導電性化合物である。
(iii)イオン性液体自身を主鎖および側鎖に固定して高分子を形成する方法
イオン性液体が、上述したように重合性基を有する場合は、光照射または加熱によりイオン性液体を重合させて高分子とし、固体化することができる。
このような重合性基を有するイオン性液体としては、上記イオン性液体の欄に記載したものと同様のものを用いることができる。
また、イオン性液体を重合させる方法としては、後述する「B.有機薄膜太陽電池の製造方法」に記載するため、ここでの説明は省略する。
上記イオン性液体を重合させた際の結合様式としては、数多くあり、例えば(a)イオン性液体が側鎖に固定されており、主鎖とイオン性液体との間にスペーサー分子を導入することにより、側鎖末端のイオン性液体の自由度が高く保たれているイオン性液体型高分子ブラシ、(b)イオン性液体のカチオンが主鎖または側鎖に固定されたカチオン系ポリマー、(c)イオン性液体のアニオンが主鎖または側鎖に固定されたアニオン系ポリマー、(d)Zwitterionic型のイオン性液体が主鎖または側鎖に固定されたZwitterionic型ポリマー、(e)イオン性液体のカチオンおよびアニオンがそれぞれ異なる主鎖または側鎖に固定されたポリマーブレンド、(f)イオン性液体のカチオンおよびアニオンがそれぞれ同一の主鎖または側鎖に固定されたコポリマー等が挙げられる。
ここで、上記(iii)の方法においては、上記(a)〜(f)に示すような高分子が本発明における導電性化合物である。
本発明においては、上記イオン性液体を固体化してなる導電性化合物が、上記のイオン性液体を固体化する方法の中でも、イオン性液体自身を主鎖および側鎖に固定して高分子を形成する方法により形成されたものであることが好ましい。この方法は、イオン性液体を重合させることにより成膜することができ、平滑性および有機半導体材料の分散性が良好であり、さらに膜強度の高い光電変換層を形成することが可能となるからである。
また、本発明において、上記イオン性液体を固体化してなる導電性化合物としては、媒体およびマトリックスとしての機能に加えて、成膜した際の可撓性、耐光性、熱安定性、耐湿性等に優れるものであることが好ましい。
(3)有機半導体材料
次に、本発明に用いられる有機半導体材料について説明する。本発明において有機半導体材料は、電子供与性または電子受容性の性質を有するものである。
本発明における光電変換層は、上記イオン性液体を固体化してなる導電性化合物と有機半導体材料とを有するものである。また、本発明において、光電変換層とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向って輸送させる機能を有する部材を意味する。具体的にこのような光電変換層としては、電子供与体として機能する正孔輸送層または電子受容体として機能する電子輸送層の少なくとも一方を有する場合、電子供与体および電子受容体の両方の機能を有する電子正孔輸送層からなる場合等を挙げることができる。これら光電変換層の種類は、有機薄膜太陽電池の種類に応じて選択する。
具体的に有機薄膜太陽電池の種類としては、電子供与性または電子受容性のいずれか一方の機能を有する、すなわち、上記電子輸送層または正孔輸送層のいずれか一方である光電変換層が、第1電極層および第2電極層間に配置されており、電極とそのような光電変換層とのショットキー障壁を利用したショットキー型有機薄膜太陽電池、または、電子受容性および電子供与性の機能を一組として、pn接合を利用したヘテロ接合型有機薄膜太陽電池等を挙げることができる。
さらに、ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池においては、電子受容性の機能を有する電子輸送層および電子供与性の機能を有する正孔輸送層を各々別個に積層させた構造のバイレイヤー型と、電子供与性および電子受容性の機能を一つの層に混合させた電子正孔輸送層を用いたバルクへテロ接合型とがある。
以下、光電変換層に用いる有機半導体材料について、有機薄膜太陽電池の種類が、ショットキー型、ヘテロ接合型の各々の場合に分けて説明する。
(i)ショットキー型有機薄膜太陽電池の場合
本発明における光電変換層を電子供与性または電子受容性のいずれか一方の機能を有する層、すなわち、電子輸送層または正孔輸送層のいずれか一方とすることにより、そのような光電変換層と電極との界面において形成されるショットキー障壁を利用して光電流を得るショットキー型有機薄膜太陽電池とすることができる。
例えば、光電変換層を正孔輸送層とした場合には、第1電極層および第2電極層のうち仕事関数が小さい方の電極との界面にショットキー障壁が形成されるため、その界面において光電荷分離を生じさせることができる。一方、光電変換層を電子輸送層とした場合には、上述した第1電極層および第2電極層のうち仕事関数が大きい方の電極との界面で光電流を生じさせることができる。
このようにショットキー型有機薄膜太陽電池とした場合に、有機半導体材料は、電子供与性または電子受容性の性質を有するものであれば特に限定されない。具体的には、ペンタセンなどの有機単結晶、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体等の導電性高分子およびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、メロシアニン誘導体、クロロフィル等の合成色素、有機金属ポリマー等を挙げることができる。ショットキー型有機薄膜太陽電池における光電変換層は、電子供与性または電子受容性のいずれか一方の有機半導体材料を用いて形成する。中でも、電荷の移動度が高いものであることが好ましい。
(ii)ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の場合
ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池は、上述したように、バイレイヤー型と、バルクへテロ接合型とに分けることができる。以下、光電変換層に用いる有機半導体材料についてバイレイヤー型およびバルクヘテロ接合型に分けて説明する。
(バイレイヤー型有機薄膜太陽電池の場合)
バイレイヤー型有機薄膜太陽電池は、光電変換層として、電子受容性の機能を有する電子輸送層および電子供与性の機能を有する正孔輸送層を各々別個に形成し、それらの界面において形成されるpn接合を利用して光電荷分離を生じさせ、光電流を得る有機薄膜太陽電池である。
上記電子輸送層を形成する有機半導体材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、CN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基または−CF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、C60などのフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等の材料を挙げることができる。中でも、電子の移動度が高いものであることが好ましい。
一方、正孔輸送層を形成する有機半導体材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、有機金属ポリマー等を挙げることができる。中でも、正孔の移動度が高いものであることが好ましい。
(バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の場合)
バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池は、光電変換層として、電子受容性および電子供与性の両方の機能を有する電子正孔輸送層とし、電子正孔輸送層内で形成されるpn接合を利用して光電荷分離を生じさせ、光電流を得る有機薄膜太陽電池である。
上記電子正孔輸送層を形成する有機半導体材料としては、一般的に、バルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池において用いられているものであれば特に限定されないが、具体的には、電子供与性の有機半導体材料および電子受容性の有機半導体材料の両方を均一に分散させたものを挙げることができる。また、電子供与性の有機半導体材料および電子受容性の有機半導体材料の混合比は、用いる材料により最適な混合比に適宜調整する。
このような電子正孔輸送層を形成する場合には、電子供与性の有機半導体材料および電子受容性の有機半導体材料を上記イオン性液体に分散または溶解させた光電変換層形成用塗工液を用いることになる。従来では、有機半導体材料の溶媒への溶解性または分散性が低いために、電子正孔輸送層中における有機半導体材料の分散性も低くなり、pn接合が形成されにくくなることから、エネルギー変換効率が低下するという不具合が生じていた。しかしながら、本発明においては、有機半導体材料の分散性または溶解性が良好である光電変換層形成用塗工液を用いて電子正孔輸送層が形成されるため、電子正孔輸送層中における有機半導体材料の分散性を良好なものとすることができる。したがって、電子正孔輸送層中においてpn接合が広く形成されるため、エネルギー変換効率を向上させることができる。
上記電子正孔輸送層に用いられる電子受容性の有機半導体材料としては、そのような機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、CN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基または−CF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、C60誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等の材料を挙げることができる。中でも、電子の移動度の高いものであることが好ましい。
一方、電子供与性の有機半導体材料としては、そのような機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、有機金属ポリマー等を挙げることができる。中でも、正孔の移動度が高いものであることが好ましい。
(4)その他
本発明の有機薄膜太陽電池がショットキー型またはヘテロ接合型のうちのバイレイヤー型である場合には、光電変換層の膜厚としては、0.1nm〜1500nmの範囲内、その中でも、5nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚い場合には、光電変換層の膜抵抗が高くなる可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より薄い場合には、第1電極層および第2電極層に短絡が生じる可能性があるからである。
一方、本発明の有機薄膜太陽電池がバルクヘテロ接合型である場合には、光電変換層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型において採用されている膜厚であれば特に限定されないが、具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内、その中でも、10nm〜600nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚い場合には、電子正孔輸送層における膜抵抗が高くなる可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より薄い場合には、第1電極層および第2電極層に短絡が生じる可能性があるからである。
また、光電変換層の層の数は、一層であってもよく、複数層であってもよい。
2.基板
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明において、基板は、透明なものであっても不透明なものであっても特に限定されるものではないが、例えば、この基板側が光の受光面となる場合には、透明基板であることが好ましい。この透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
本発明においては、上記の中でも基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であることが好ましい。透明樹脂フィルムは、加工性に優れており、製造コストや軽量化において有用であるからである。
3.第1電極層
次に、本発明に用いられる第1電極層について説明する。本発明において、第1電極層は、上記基板上に形成されるものである。
このような第1電極層を形成する材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、光の照射方向や、後述する第2電極層を形成する材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば、第2電極層を形成する材料を、仕事関数が低い材料とした場合には、第1電極層を形成する材料は、仕事関数が高い材料が好ましい。仕事関数が高い材料としては、例えばAu、Ag、Co、Ni、Pt、C、ITO、SnO、フッ素をドープしたSnO、ZnO等を挙げることができる。また、バイレイヤー型有機薄膜太陽電池の基板を受光面とした場合には、第1電極層を透明電極とすることが好ましく、この場合、一般的に透明電極として使用されているものを用いることができる。具体的には、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。
上記第1電極層は、単層からなる場合であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用い、積層されてなる場合であってもよい。
このような第1電極層の膜厚としては、単層からなる第1電極層の場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、0.1〜500nmの範囲内、その中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第1電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した光電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚い場合には、全光線透過率が低下し、エネルギー変換効率を低下させる可能性があるからである。
また、上記第1電極層は、上記基板上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
さらに、上記第1電極層の形状としては、フラットな形状であってもよく、テクスチャー構造、ピラミッド構造、波型構造、くし型構造、ナノピロー構造等の凹凸状であってもよい。例えば第1電極層の形状が凹凸状である場合は、基板側からの入射光が第1電極層の凹凸形状により散乱されるため、上記光電変換層は光を多く取り込むことができる。これにより、光を有効に利用することができるため、エネルギー変換効率を向上させることができる。
本発明おいては、上記基板を受光面とした場合、第1電極層の全光線透過率が85%以上、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。第1電極層の全光線透過率が上記範囲であることにより、第1電極層では光を十分に透過することができ、光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験株式会社製 全光線透過率装置(COLOUR S&M COMPUTER MODEL SM−C:型番)を用いて測定した値である。
また、本発明においては、第1電極層のシート抵抗が20Ω/□以下、中でも10Ω/□以下、特に5Ω/□以下であることが好ましい。シート抵抗が上記範囲より大きい場合、発生した光電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
4.第2電極層
次に、本発明に用いられる第2電極層について説明する。本発明における第2電極層は、上記光電変換層上に形成され、上記第1電極層と対向する電極である。
このような第2電極層を形成する材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、光の照射方向や、上記第1電極層を形成する材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば、上記基板を受光面とした場合には、上記第1電極層が透明電極となり、このような場合には、第2電極層は透明でなくともよい。また、第1電極層を仕事関数が高い材料を用いて形成した場合には、第2電極層は仕事関数が低い材料を用いて形成することが好ましく、具体的に仕事関数が低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
また、第2電極層は、単層からなる場合であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用い、積層されてなる場合であってもよい。
上記第2電極層の膜厚は、第2電極層が単層からなる場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した光電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚い場合には光の透過率が低下し、光の変換効率を低下させる可能性があるからである。
また、上記第2電極層は、光電変換層上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
さらに、上記第2電極層の形状としては、フラットな形状であってもよく、テクスチャー構造、ピラミッド構造、波型構造、くし型構造、ナノピロー構造等の凹凸状であってもよい。例えば第2電極層の形状が凹凸状である場合は、基板側からの入射光が第2電極層の凹凸形状により乱反射されるため、上記光電変換層は光を多く取り込むことができる。これにより、光を有効に利用することができるため、エネルギー変換効率を向上させることができる。
5.その他
上記各層以外に、本発明の有機薄膜太陽電池を構成することが可能な層について説明する。
(1)正孔取出し層
本発明においては、例えば図2に示すように、上記第1電極層2と上記光電変換層3との間に正孔取出し層5が形成されていてもよい。
本発明において、正孔取出し層とは、上記光電変換層から上記第1電極層への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から第1電極層への正孔取出し効率が高められるため、エネルギー変換効率を向上させることが可能となる。
このような正孔取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から第1電極層への正孔の取出しを安定化させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、Au、In、Ag、Pd等の金属等の薄膜も使用することができる。さらに、金属等の薄膜は、単独で形成してもよく、上記の有機材料と組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記の中でも、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)等が好ましい。
上記正孔取出し層の膜厚としては、上記有機材料を用いた場合は、10〜200nmの範囲内であることが好ましく、上記金属薄膜である場合は、0.1〜5nmの範囲内であることが好ましい。
(2)電子取出し層
本発明においては、例えば図2に示すように、上記光電変換層3と上記第2電極層4との間に電子取出し層6が形成されていてもよい。
本発明において、電子取出し層とは、上記光電変換層から上記第2電極層への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から第2電極層への電子取出し効率が高められるため、エネルギー変換効率を向上させることが可能となる。
このような電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から第2電極層への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、BCP(バソキュプロイン)または、Bphen(バソフェナントロン)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
(3)保護シート
本発明においては、例えば図2に示すように、第2電極層4上に保護シート7が形成されていてもよい。本発明において、保護シートとは、本発明の有機薄膜太陽電池を外界から保護するために設けられる層である。
このような保護シートに用いられる材料としては、アルミニウム等の金属板もしくは金属箔、フッ素系樹脂シート、環状ポリオレフィン系樹脂シート、ポリカーボネート系樹脂シート、ポリ(メタ)アクリル系樹脂シート、ポリアミド系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート、または耐候性フィルムとバリアフィルムとをラミネート積層した複合シートなどが挙げられる。
上記保護シートの厚みは、20μm〜500μmの範囲内が好ましく、より好ましくは50μm〜200μmの範囲内である。
また、上記保護シートは、後述するバリア層の欄に記載するような、バリア性を有するものであってもよい。
さらに、上記保護シートには、着色等により意匠性を付与することもできる。この際、保護シートへの顔料の練り込等により着色してもよく、例えば青色ハードコート層等の着色層を積層することにより着色してもよい。
(4)充填材層
本発明においては、上記第2電極層と上記保護シートとの間に、充填材層が形成されていてもよい。本発明において、充填材層とは、有機薄膜太陽電池の裏面側、すなわち第2電極層と、上記保護シートとを接着させ、有機薄膜太陽電池を封止するために設けられる層である。
このような充填材層としては、一般に太陽電池の充填材層として使用されているものであればよく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が挙げられる。
また、上記充填材層の厚みは、50μm〜2000μmが好ましく、200μm〜800μmの範囲内であることがより好ましい。厚みが上記範囲より薄くなると強度が低下し、逆に厚みが上記範囲より厚くなるとクラック等が発生しやすくなるからである。
(5)バリア層
本発明においては、上記基板の表面、基板と第1電極層層との間、上記保護シートの表面、または保護シートと第2電極層との間にバリア層が形成されていてもよい。また、上記基板または上記保護シートが複数層からなる場合は、複数層の基板または保護シートの間にバリア層を設けてもよい。本発明に用いられるバリア層は、透明な層であり、かつ外部からの酸素や水蒸気の浸入を妨げ、本発明の有機薄膜太陽電池を保護するために設けられる層である。光電変換層等は、水蒸気および酸素等に曝されると、その劣化が促進され、結果として有機薄膜太陽電池の電池寿命が短くなる不都合が発生する。そこで、水蒸気および酸素等の有機薄膜太陽電池内への透過を阻止するバリア層を設けることにより、電池寿命の長寿命化を図っている。
本発明に用いられるバリア層の形成位置としては、上述したように様々であるが、中でも、基板側および保護シート側の両方にバリア層が形成されていることが好ましい。これにより、水蒸気および酸素等の浸入を十分に抑制することができるからである。
また、上記保護シートが樹脂シートである場合は、保護シートと第2電極層との間にバリア層が形成されていることが好ましい。本発明の有機薄膜太陽電池を製造する際に、保護シートに含まれる樹脂からガスが発生し、第2電極層や光電変換層に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
本発明に用いられるバリア層は、酸素透過率が、5cc/m・day以下であり、中でも10−1cc/m・day以下であることが好ましい。また水蒸気透過率は、1g/m・day以下であり、中でも10−1g/m・day以下であることが好ましい。
ここで、上記酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20)を用い、23℃、90%Rhの条件で測定したものである。また、上記水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 3/31)を用い、37.8℃、100%Rhの条件で測定したものである。
このようなバリア層としては、上述したバリア性を有する層であれば、特に限定されるものではないが、そのバリア性の高さ等から、蒸着法により形成された蒸着層を有することが好ましい。
上記蒸着層としては、蒸着法により形成される層であれば、その蒸着法の種類等は特に限定されるものではなく、CVD法であってもよく、またPVD法であってもよい。蒸着層が、例えばプラズマCVD法等のCVD法により形成される場合には、緻密でバリア性の高い層を形成することが可能となるが、本発明においては、製造効率やコスト等の面からPVD法であることが好ましい。本発明に用いられるPVD法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、中でも、そのバリア性等の面から、真空蒸着法であることが好ましい。本発明に用いられる真空蒸着法として、具体的には、例えばエレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法、または高周波誘電加熱方式による真空蒸着法等が挙げられる。
また、上記蒸着層の材料としては、金属または無機酸化物が好ましく、Ti、Al、Mg、Zr、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化イットリウム、B、CaO等を挙げることができ、中でも酸化珪素であることが好ましい。酸化珪素からなる層は、高いバリア性と透明性とを有するからである。
また、本発明における蒸着層の厚さは、用いられる材料の種類、構成により最適条件が異なり、適宜選択されるが、5nm〜1000nm、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。蒸着層の厚さが、上記の範囲より薄い場合には、均一な層とすることが困難な場合があり、上記バリア性を得ることができない場合があるからである。また、蒸着層の厚さが上記の範囲より厚い場合には、成膜後に、引っ張り等の外的要因により、蒸着層に亀裂が生じること等により、バリア性が著しく損なわれる可能性があるためであり、また形成に時間を要し、生産性も低下するからである。
(6)反射防止層
本発明において、基板側が受光面となる場合は、基板の第1電極層が形成されている面と反対の面に反射防止層が形成されていることが好ましい。反射防止層を設けることにより、基板側から入射する光の反射を防止することができ、有機薄膜太陽電池内に入射する光が増加することから、光電変換層の光の吸収率を向上させることができ、エネルギー変換効率を向上させることが可能となるからである。
このような反射防止層の材料としては、反射を防止することができる材料であれば特に限定されるものではないが、例えば無機酸化物を挙げることができる。具体的には、TiO、SiO、Al、TiO等が挙げられる。
また、反射防止層は、単層からなる場合であってもよく、複数の材料を用いて積層されてなる場合であってもよい。中でも、積層された反射防止層であることが好ましい。
上記反射防止層の形成方法としては、CVD法や、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法等の蒸着法が挙げられる。
(7)層構成
本発明においては、上記第1電極層および上記第2電極層間に光電変換層が配置されているものであれば特に限定されない。例えば、上述したように、光電変換層を単層のみならず、複数層設ける場合であってもよく、また、光電変換層を複数層形成した場合には、光電変換層間に、別個電極層を設ける場合であってもよい。具体的には、図3に示すように、2層の光電変換層3間に別個、中間電極層8を形成するような場合である。
このような中間電極層としては、光電変換層の電荷分離機能を損なうことがなく、透明なものであれば特に限定されないが、例えば金属薄膜を用いることができる。具体的にはAg等が挙げられる。
また、上記中間電極層の膜厚としては、光電変換層の電荷分離機能を損なわないように、極めて薄いことが好ましい。具体的には、0.01nm〜10nmの範囲内、中でも0.1nm〜5nmの範囲内であることが好ましい。
B.有機薄膜太陽電池の製造方法
次に、本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法について説明する。
本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法は、基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、上記第1電極層上に光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、上記光電変換層上に、上記第1電極層と対向する電極である第2電極層を形成する第2電極形成工程とを有しており、上記光電変換層形成工程が、イオン性液体を媒体とし、有機半導体材料が溶解または分散されてなる光電変換層形成用塗工液を塗布し、上記イオン性液体を固体化することにより行われることを特徴とするものである。
図4は、本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す工程図である。本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法においては、図4(a)に示すように、まず基板1上に第1電極層2が形成される(第1電極層形成工程)。次に、この第1電極層2上に、イオン性液体を媒体とし、有機半導体材料が溶解または分散された光電変換層形成用塗工液13を塗布し(図4(b))、紫外線11を照射することにより光電変換層形成用塗工液を固化して光電変換層3を形成する(図4(c))、光電変換層形成工程が行われる。さらに、図4(d)に示すように、この光電変換層3上に第2電極層を形成する(第2電極層形成工程)。
本発明によれば、光電変換層形成工程において、光電変換層形成用塗工液に用いられるイオン性液体は有機半導体材料を十分に溶解または分散させることが可能なものであり、このような光電変換層形成用塗工液を用いて形成した光電変換層中には光電変換層として機能するのに十分な有機半導体材料を含有させることが可能である。
また、従来のように有機半導体材料の溶解量の極めて少ない塗工液を塗布し、多量の有機溶媒を除去して固化し成膜するものと異なり、本発明においては、光電変換層形成用塗工液を塗布後、光照射または加熱等によりイオン性液体を固体化して成膜するものであるので、膜表面の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性も良好な光電変換層を形成することができる。
さらに、用いるイオン性液体自体が、光電変換層中において有機半導体として機能するものとすることも可能である。これにより、エネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池を製造することができる。
以下、このような有機薄膜太陽電池の製造方法の各工程について説明する。
1.第1電極層形成工程
本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法においては、まず基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程が行われる。
例えば図4(a)において、第1電極層2は基板1上に全面に形成されているが、本発明においては、第1電極層はパターン状に形成されていてもよい。
また、上記第1電極層の形状としては、フラットな形状であってもよく、テクスチャー構造、ピラミッド構造、波型構造、くし型構造、ナノピロー構造等の凹凸状であってもよい。例えば第1電極層の形状が凹凸状である場合は、基板側からの入射光が第1電極層の凹凸形状により散乱されるため、上記光電変換層は光を多く取り込むことができる。これにより、光を有効に利用することができるため、エネルギー変換効率を向上させることができる。
上記第1電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法等の乾式塗工法、およびITO微粒子を含有する塗工液等を塗布する湿式塗工法を挙げることができる。
また、第1電極層をパターン状に形成する場合のパターニング方法としては、第1電極層を所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されないが、具体的には、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
さらに、上記第1電極層が凹凸構造を有するように形成する方法としては、コロナ処理、エッチング、サンドブラスト等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよく、複数の方法を組合せて用いてもよい。また、CVD法やスパッタリング法等の成膜条件、または上記基板の表面処理により、自己組織化的に凹凸構造を形成させることもできる。
なお、第1電極層の形成材料および膜厚等に関しては、上述した「A.有機薄膜太陽電池」の第1電極層の欄に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.光電変換層形成工程
次に、光電変換層形成工程について説明する。本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法において、光電変換層形成工程は、イオン性液体を媒体とし、有機半導体材料が溶解または分散されてなる光電変換層形成用塗工液を塗布し、上記イオン性液体を固体化することにより行われる。
本発明によれば、有機半導体材料を十分に溶解または分散させることが可能なイオン性液体を媒体とした光電変換層形成用塗工液を用いて光電変換層を形成するため、光電変換層中には光電変換層として機能するのに十分な有機半導体材料を含有させることが可能である。また、従来のように有機半導体材料の溶解量の極めて少ない塗工液を塗布し、多量の有機溶媒を除去して固化し成膜するものと異なり、本発明においては、光電変換層形成用塗工液を塗布後、光照射または加熱等によりイオン性液体を固体化して成膜するものであるので、膜表面の平滑性が良好であり、有機半導体材料の分散性も良好な光電変換層を形成することができる。
さらに、本発明により製造される有機薄膜太陽電池がバルクヘテロ接合型である場合、光電変換層は上述したように、電子供与性および電子受容性の両方の機能を有する電子正孔輸送層として形成される。この場合、光電変換層形成用塗工液は、電子供与性を有する有機半導体材料と電子供与性を有する有機半導体材料とを、イオン性液体に溶解または分散させることにより調製される。従来では、有機半導体材料の溶媒への溶解性または分散性が低く、光電変換層中における有機半導体材料の分散性が低いことから、pn接合が形成されにくくなり、エネルギー変換効率が低下するという不具合が生じていた。しかしながら、本発明においては、上述したように光電変換層中における有機半導体材料の分散性が良好であることから、pn接合が広く形成されるため、エネルギー変換効率を向上させることができる。
本発明において光電変換層形成工程は、イオン性液体を媒体とし、有機半導体材料が溶解または分散されてなる光電変換層形成用塗工液を調製する光電変換層形成用塗工液調製工程と、上記第1電極層上に上記光電変換層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記イオン性液体を固体化する固体化工程とを有するものである。以下、各工程に分けて説明する。
(1)光電変換層形成用塗工液調製工程
本発明における光電変換層形成工程においては、まずイオン性液体を媒体とし、有機半導体材料が溶解または分散されてなる光電変換層形成用塗工液を調製する光電変換層形成用塗工液調製工程が行われる。
なお、イオン性液体および有機半導体材料に関しては、上述した「A.有機薄膜太陽電池」の光電変換層の欄に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる光電変換層形成用塗工液において、イオン性液体および有機半導体材料の混合比としては、用いる材料により最適な混合比に適宜調整することが好ましい。具体的には、重量比で有機半導体材料1に対して0.0001〜1000の範囲内であることが好ましく、中でも0.01〜10の範囲内、特に0.05〜2の範囲内であることが好ましい。
また、後述する固体化工程において、イオン性液体を重合させて固体化する場合は、必要に応じて重合開始剤を光電変換層形成用塗工液に添加してもよい。重合開始剤が不要な場合もあるが、一般的に用いられている例えば紫外線(UV)照射による重合の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられるからである。
このような重合開始剤としては、イオン性液体の重合性基が光重合性である場合は光重合開始剤が用いられ、イオン性液体の重合性基が熱重合性である場合は熱重合開始剤が用いられる。
上記光重合開始剤としては、一般に光重合開始剤として用いられているものを使用することができ、単独または2種以上を併用することができる。例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(市販品 チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(市販品 チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア369)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティケミカルズ社製 商品名CGI819)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(BASF製 Lucirin TPO)、2,4−トリクロロメチル−(ピプロロニル)−6−トリアジン(市販品 日本シーベルヘグナー社製 商品名トリアジンPP)等が使用できる。
また、熱重合開始剤としては、加熱時にラジカルを発生し、イオン性液体の重合性基を重合させて成膜することが可能であれば特に限定されるものではなく、一般にラジカル重合開始剤として用いられているものを使用することができる。具体的には、過酸化物系熱重合開始剤、アゾ系熱重合開始剤等が挙げられる。過酸化物系熱重合開始剤としては、クミルパーオキシネオデカネート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、イソブチルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1,3,3―テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーキオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。また、アゾ系熱重合開始剤としては、2,2´−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕塩酸塩、2,2´−アゾビス{2−〔N−(4−クロロフェニル)アミジノ〕プロパン}塩酸塩、2,2´−アゾビス{2−〔N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ〕プロパン}塩酸塩、2,2´−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸塩、2,2´−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸塩、2,2´−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕硫酸塩水和物等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜2重量%の範囲で光電変換層形成用塗工液に添加することができる。
(2)塗布工程
本発明における光電変換層形成工程においては、上記第1電極層上に上記光電変換層形成用塗工液を塗布する塗布工程が行われる。
塗布方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート等を挙げることができる。その中でも、スピンコート法またはダイコート法であることが好ましい。光電変換層を所定の膜厚に精度良く形成することができるからである。
なお、光電変換層の膜厚等に関しては、上述した「A.有機薄膜太陽電池」の光電変換層の欄に記載したので、ここでの説明は省略する。
(3)固体化工程
本発明における光電変換層形成工程においては、上記光電変換層形成用塗工液中のイオン性液体を固体化する固体化工程が行われる。
イオン性液体を固体化する方法としては、上述したように、(i)ホスト高分子にイオン性液体を含浸させてゲル電解質を形成する方法、(ii)イオン性液体の形成により高分子が形成される方法、(iii)イオン性液体自身を主鎖および側鎖に固定して高分子を形成する方法の3つに分類される。
本発明においては、中でも、イオン性液体自身を主鎖および側鎖に固定して高分子を形成することによりイオン性液体を固体化することが好ましい。これにより、イオン性液体を重合させて成膜することができ、平滑性および有機半導体材料の分散性が良好であり、さらに膜強度の高い光電変換層を形成することが可能となるからである。以下、イオン性液体を重合させる方法について説明する。
イオン性液体を重合させる方法としては、活性放射線を照射する方法、加熱する方法等を挙げることができる。また、上述したように、必要であれば光電変換層形成用塗工液中に重合開始剤が含まれていてもよい。
本発明でいう活性放射線とは、イオン性液体に含まれる重合性基に対して重合を起こさせる能力がある活性放射線をいう。
活性放射線としては、イオン性液体を重合せさることが可能な活性放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光または可視光線が使用される。中でも、紫外線(UV)を活性放射線として照射する方法が好ましい方法であるといえる。活性放射線としてUVを用いる方法は、既に確立された技術であることから、用いる光重合開始剤を含めて、本発明への応用が容易であるからである。
この照射光の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが例示できる。中でもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。
照射強度は、イオン性液体の種類や光重合開始剤の多寡によって適宜調整されて照射される。
一方、イオン性液体を重合させる方法のうちの加熱する方法としては、例えばオーブンのような特定の空間全体を加熱する装置内を通過または静置させる方法、熱風を当てる方法、あるいは遠赤外線等により直接的に加熱する方法等を用いることができる。
また、この際の加熱温度としては、一般的に30℃〜300℃、好ましくは40℃〜150℃、より好ましくは50℃〜100℃の範囲内とする。
このようにイオン性液体を媒体として、有機半導体材料を溶解または分散させ、成膜する方法は、有機薄膜太陽電池における光電変換層だけでなく、有機ELや有機トランジスタ等にも使用することができる。
3.第2電極形成工程
次に、第2電極層形成工程について説明する。本発明において、第2電極層形成工程は、上記光電変換層上に第2電極層を形成する工程である。
例えば図4(d)においては、第2電極層4は光電変換層3上に全面に形成されているが、本発明においては、第2電極層はパターン状に形成されていてもよい。
また、上記第2電極層の形状としては、フラットな形状であってもよく、テクスチャー構造、ピラミッド構造、波型構造、くし型構造、ナノピロー構造等の凹凸状であってもよい。例えば第1電極層の形状が凹凸状である場合は、基板側からの入射光が第2電極層の凹凸形状により乱反射されるため、上記光電変換層は光を多く取り込むことができる。これにより、光を有効に利用することができるため、エネルギー変換効率を向上させることができる。
このような第2電極層の形成方法としては、一般に使用される方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法等の乾式塗工法、およびAg等の金属コロイドを含有する金属ペースト等を用いて塗布する湿式塗工法を挙げることができる。
また、第2電極層をパターン状に形成する場合のパターニング方法としては、第2電極層を所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されないが、具体的には、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
さらに、上記第2電極層が凹凸構造を有するように形成する方法としては、コロナ処理、エッチング、サンドブラスト等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよく、複数の方法を組合せて用いてもよい。また、CVD法やスパッタリング法等の成膜条件、または上記基板の表面処理により、自己組織化的に凹凸構造を形成させることもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
(第1電極層の形成)
まず、超バリア性フィルム基板の表面にSiOによるバリア層を形成し、このバリア層上に透明電極であるITO膜(膜厚:150nm、シート抵抗:15Ω/□)をIP法により成膜し、パターニングした。次いで、上記ITO膜が形成された基板をアセトン、基板洗浄液、およびIPAを用いてそれぞれ洗浄し、第1電極層を形成した。
(正孔取出し層の形成)
上記第1電極層上に、PEDOT:PSS(ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネート水分散液)をスピンコートし、150℃で30分間乾燥させ、膜厚40nmの正孔取出し層を形成した。
(光電変換層の形成)
ポリチオフェン誘導体(P3HT:ポリ3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル(レジオレギュラー))と、ポリフルオレン誘導体と、ナノチューブとをクロロホルム溶媒中に、重量比が10:20:1となり、濃度が0.1重量%となるように溶解させ、この溶液に、下記化学式Iで示される側鎖に重合性基(ビニル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。次いで、この塗工液を上記正孔取出し層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚50nmの光電変換層を形成した。
Figure 2006245074
(第2電極層の形成)
上記光電変換層上に、Caを蒸着法により100nmの膜厚となるように成膜し、さらにその上にAlを蒸着法により500nmの膜厚となるように成膜して、第2電極層を形成した。
最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バルクヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例2]
超バリア性フィルム基板の替わりにガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にしてバリア層、第1電極層および正孔取出し層を形成した。
(光電変換層の形成)
ポリチオフェン誘導体(P3HT:ポリ3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル(レジオレギュラー))をクロロホルム溶媒中に濃度が0.1重量%となるように溶解させ、この溶液に、上記化学式Iで示される側鎖に重合性基(ビニル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。この塗工液を上記正孔取出し層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚30nmの正孔輸送層を形成した。
次に、ポリフルオレン誘導体をキシレン溶媒中に濃度が0.3重量%となるように溶解させ、この溶液に、上記化学式Iで示される側鎖に重合性基(ビニル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。この塗工液を、上記正孔輸送層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
(第2電極層の形成)
上記光電変換層上に、Alを蒸着法により500nmの膜厚となるように成膜して、第2電極層を形成した。
最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例3]
(第1電極層の形成)
超バリア性フィルム基板の表面にSiOによるバリア層を形成し、このバリア層上に透明電極であるSnO膜(膜厚:150nm、シート抵抗:15Ω/□)をCVD法により成膜し、パターニングした。次いで、上記SnO膜が形成された基板をアセトン、基板洗浄液、およびIPAを用いてそれぞれ洗浄し、第1電極層を形成した。
(光電変換層の形成)
ポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体をクロロホルム溶媒中に濃度が0.5重量%となるように溶解させ、この溶液に、下記化学式IIで示される側鎖に重合性基(アクリル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。この塗工液を上記第1電極層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚30nmの正孔輸送層を形成した。
Figure 2006245074
次に、フラーレン誘導体(PCBM:[6,6]−フェニル−C61ブチリックアシッドメチルエステル)をクロロホルム溶媒中に濃度が0.1重量%となるように溶解させ、この溶液に、上記化学式IIで示される側鎖に重合性基(アクリル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。この塗工液を、上記正孔輸送層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
(第2電極層の形成)
上記電子正孔輸送層上に、LiFを蒸着法により1nmの膜厚となるように成膜し、さらにその上にAlを蒸着法により50nmの膜厚となるように成膜して、第2電極層を形成した。
最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例4]
超バリア性フィルム基板の替わりにガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にしてバリア層、第1電極層および正孔取出し層を形成した。
(光電変換層の形成)
実施例2と同様にして正孔輸送層を形成した。
次に、ポリフルオレン誘導体とフラーレン誘導体(PCBM:[6,6]−フェニル−C61ブチリックアシッドメチルエステル)とをクロロホルム溶媒中に、重量比が1:1となり、濃度が0.3重量%となるように溶解させ、この溶液に、上記化学式Iで示される側鎖に重合性基(ビニル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。この塗工液を、上記正孔輸送層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
(第2電極層の形成)
実施例1と同様にして、第2電極層を形成した。
最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例5]
実施例1と同様にして、バリア層、第1電極層および正孔取出し層を形成した。
(光電変換層の形成)
上記化学式IIで示される側鎖に重合性基(アクリル基)をもつイオン性液体を用いた以外は、実施例2と同様にして正孔輸送層を形成した。
次に、ポリフルオレン誘導体とナノチューブとをクロロホルム溶媒中に、重量比が5:1となり、濃度が0.3重量%となるように溶解させ、この溶液に、上記化学式IIで示される側鎖に重合性基(アクリル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。この塗工液を、上記正孔輸送層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
(第2電極層の形成)
実施例3と同様にして、第2電極層を形成した。
最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例6]
超バリア性フィルム基板の替わりにガラス基板を用いた以外は、実施例3と同様にして、バリア層、第1電極層を形成した。さらに、実施例1と同様にして正孔取出し層を形成した。
(光電変換層の形成)
実施例2と同様にして正孔輸送層を形成した。
次に、ポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体とフラーレン誘導体(PCBM:[6,6]−フェニル−C61ブチリックアシッドメチルエステル)とをクロロホルム溶媒中に、重量比が1:1となり、濃度が0.3重量%となるように溶解させ、この溶液に、上記化学式Iで示される側鎖に重合性基(ビニル基)をもつイオン性液体および重合開始剤を添加して攪拌し、この溶液の上澄み液をφ0.2μmのろ紙でフィルタリングして、塗工液を調製した。この塗工液を、上記正孔輸送層上にスピンコートし、110℃で2時間乾燥硬化させ、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
(第2電極層の形成)
実施例1と同様にして、第2電極層を形成した。
最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例7]
実施例1と同様にしてバリア層および第1電極層を形成し、実施例3と同様にして正孔輸送層を形成した。さらに、上記化学式IIで示される側鎖に重合性基(アクリル基)をもつイオン性液体を用いた以外は、実施例4と同様にして電子輸送層を形成した。そして、実施例3と同様にして第2電極層を形成した。最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例8]
超バリア性フィルム基板の替わりにガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、バリア層、第1電極層、および正孔取出し層を形成した。さらに、上記化学式IIで示される側鎖に重合性基(アクリル基)をもつイオン性液体を用いた以外は、実施例1と同様にして光電変換層を形成した。そして、実施例2と同様にして第2電極層を形成した。最後に、保護シートおよび接着性封止材により、上記第2電極層側から封止して、バルクヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[比較例1]
イオン性液体を用いなかった以外は、実施例4と同様にしてバイレイヤー型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[評価]
太陽電池特性に関しては、AM1.5、擬似太陽光(100mW/cm)を照射光源とし、ソースメジャーユニット(HP社製、HP4100)にて電圧印加により電流電圧特性の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。評価結果は、エネルギー変換効率η(%)を示した。
Figure 2006245074
本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … 第1電極層
3 … 光電変換層
4 … 第2電極層

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された光電変換層と、前記光電変換層上に形成され、前記第1電極層と対向する電極である第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、
    前記光電変換層は、イオン性液体を固体化してなる導電性化合物と、有機半導体材料とを含有することを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 前記イオン性液体は、イミダゾリウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記イオン性液体は、重合性基を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 前記イオン性液体が、一般式(1)
    Figure 2006245074
    (式中、XはBr、PF または(CFSO(TFSI)のいずれかを表し、nは1〜100を表す。)で表される化合物であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、前記第1電極層上に光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、前記光電変換層上に、前記第1電極層と対向する電極である第2電極層を形成する第2電極形成工程とを有する有機薄膜太陽電池の製造方法であって、
    前記光電変換層形成工程が、イオン性液体を媒体とし、有機半導体材料が溶解または分散されてなる光電変換層形成用塗工液を塗布し、前記イオン性液体を固体化することにより行われることを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法。
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