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JP2006242730A - センサ及び物理量検出装置 - Google Patents

センサ及び物理量検出装置 Download PDF

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JP2006242730A
JP2006242730A JP2005058368A JP2005058368A JP2006242730A JP 2006242730 A JP2006242730 A JP 2006242730A JP 2005058368 A JP2005058368 A JP 2005058368A JP 2005058368 A JP2005058368 A JP 2005058368A JP 2006242730 A JP2006242730 A JP 2006242730A
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Abstract

【課題】 所定の物理量の誤検出を防止する機能を確保しつつ装置規模を小型化したセンサ及び物理量検出装置を提供することにある。
【解決手段】 X軸方向へ互いに逆相に励起振動され、所定軸周りの角速度が生じた際にX軸方向と直交するY軸方向へ互いに逆相に変位振動される2つの振動子14−1,14−2を設け、その2つの振動子14−1,14−2のY軸方向での変位位置の差に基づいて上記の所定軸周りの角速度を検出する。そして、2つの振動子14−1,14−2の逆相変位時には不動点となる一方で同相変位時にはその2つの振動子14−1,14−2と共にY軸方向へ変位するリンク部40と、そのリンク部40のY軸方向への変位を制限するダンピング部50a,50bと、を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、センサ及び物理量検出装置に係り、特に、所定の物理量が発生した際に互いに逆相変位する2つの重りを備え、該2つの重りの変位差に基づいて所定の物理量を検出するうえで好適なセンサ及び物理量検出装置に関する。
従来から、基板上に変位可能に支持された重りを有する角速度センサを搭載し、所定軸周りの角速度の発生時にその重りに作用する変位量を角速度センサから出力して、その変位量に基づいて所定軸周りの角速度を検出する物理量検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この物理量検出装置において、重りは2つ対称的に設けられており、これら2つの重りは、第1の方向へ逆相で励起振動されつつ、角速度に応じたコリオリ力によりその第1の方向と直交する第2の方向へ逆相で変位振動される。そして、2つの重りの変位差(すなわち、第2の方向における振動向きを含む変位位置差)を検出して、その変位差に基づいて第1の方向と直交しかつ第2の方向とも直交する所定軸周りの角速度を検出する。
特許第3512004号公報
上述の如く、上記した物理量検出装置においては、角速度発生時に互いに逆相に変位振動する2つの重りの変位差に基づいて角速度が検出される。かかる構成においては、外乱振動等に起因して2つの重りが互いに同相に変位振動するときにはそれら2つの重りの間に変位差がほとんど生じなくなるため、角速度検出への外乱による影響が排除され、角速度の誤検出を極力抑制することが可能となる。
ところで、角速度センサのセンサ素子の加工バラツキ等に起因して、上記した2つの重りの間で質量やバネ特性,変位検出能力に差が生じることがある。かかる事態が生じていると、外乱等で2つの重りが同相に変位した際にもセンサ出力に逆相成分が現れることとなるため、その結果、上記した物理量検出装置の如き構成では、角速度の誤検出を招くおそれがある。
そこで、このような2つの重り間のバラツキ等に起因する角速度の誤検出を防止すべく、角速度センサのセンサ素子を、外部からの振動外乱などが作用し難くなるように防振ゴムなどを介して外部基板に取り付けることが考えられる。しかしながら、このように角速度誤検出の防止のために防振ゴムなどを用いる構成では、角速度検出を行うための部品点数が増大して、センサ規模の大型化や製造工程の複雑化,製造コストの上昇などの不都合が生じてしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、角速度の誤検出を防止する機能を確保しつつ装置規模を小型化したセンサ及び物理量検出装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、所定の物理量が発生した際に互いに逆相変位する2つの重りを備え、前記所定の物理量を検出させるべく前記2つの重りの変位差に応じた信号を出力するセンサであって、前記2つの重りの逆相変位時に不動点となりかつ同相変位時に該2つの重りと共に変位するリンク部と、前記リンク部の変位を制限するダンピング部と、を備えるセンサにより達成される。
また、上記の目的は、所定の物理量が発生した際に互いに逆相変位する2つの重りを備え、該2つの重りの変位差に基づいて前記所定の物理量を検出する物理量検出装置であって、前記2つの重りの逆相変位時に不動点となりかつ同相変位時に該2つの重りと共に変位するリンク部と、前記リンク部の変位を制限するダンピング部と、を備える物理量検出装置により達成される。
これらの各態様の発明において、リンク部は、2つの重りの同相変位時にその2つの重りと共に変位する。このリンク部の変位は、ダンピング部により制限される。このため、仮に2つの重りの間に加工公差等に起因した変位能力差が存在していても、外乱等の発生時において、両者間について逆相成分が現れ難く、所定の物理量の誤検出を防止することが可能となる。かかる構成においては、物理量の誤検出を防止するうえで防振ゴム等が不要となるので、センサや物理量検出装置の規模が小型化する。尚、上記のリンク部は、2つの重りの逆相変位時に不動点となるので、この点、所定の物理量が生じた際にそのリンク部が2つの重りの逆相変位を妨げることはなく、所定の物理量を所望のとおりに検出することができる。
この場合、上記したセンサ及び物理量検出装置において、前記リンク部は、該リンク部の変位方向と直交する方向に延設する、前記2つの重りの一方にリンクする第1リンク梁と、前記2つの重りの他方にリンクする第2リンク梁と、を有することとしてもよい。
また、上記したセンサ及び物理量検出装置において、前記ダンピング部は、前記リンク部にリンクする可動部と、前記可動部に対向する固定部と、を有し、前記可動部と前記固定部との間のエアダンピングにより前記リンク部の変位を制限することとしてもよい。
更に、上記したセンサ及び物理量検出装置において、前記所定の物理量が、所定軸周りに生ずる角速度であり、前記2つの重りは、第1の方向へ互いに逆相に励起振動された状態で、前記角速度が発生した際に該第1の方向と直交する第2の方向へ互いに逆相変位することとしてもよい。
本発明によれば、所定の物理量の誤検出を防止する機能を確保しつつセンサ及び物理量検出装置の規模を小型化することができる。
図1は、本発明の一実施例である物理量検出装置10が備えるセンサ12の平面図を示す。また、図2は、本実施例のセンサ12の要部平面図を示す。尚、図1及び図2においては、センサ12の構成部分のうち、基板から浮いた構成部分を黒塗りで、基板に固着した構成部分を斜線で、それぞれ示す。また、図1においては、図面の煩雑さを避けるため、センサ12の電極部分を点模様で示す。更に、図1において、図2に示す構成を破線で囲んで示す。
本実施例の物理量検出装置10は、例えば車両や航空機等の対象に搭載されており、その重心近傍を通る鉛直軸回りに生ずる角速度Ωを、半導体で構成したセンサ12を用いて検出する角速度検出装置である。角速度センサであるセンサ12は、鉛直軸(Z軸)周りの角速度を検出すべくX−Y平面内に配置されている。センサ12は、シリコン結晶基板の表面に微細加工によるエッチングを施すことにより形成される。
センサ12は、互いに等しい質量を有する一対の振動子14−1,14−2を備えている。振動子14−1,14−2は、絶縁層を形成する基板16の表面から浮いた状態でX軸方向対称位置に配置されている。一方の振動子14−1のY軸方向外側には、長尺かつ幅広のメインフレーム18−1a,18−1bが基板16から浮いた状態でX軸方向に延設して配置されている。また、他方の振動子14−2のY軸方向外側にも、長尺かつ幅広のメインフレーム18−2a,18−2bが基板16から浮いた状態でX軸方向に延設して配置されている。
振動子14−1は、そのY軸方向両端にてX軸方向外側にそれぞれ一体的に延設された長尺かつ幅広のアーム部20−1a,20−1bを有している。アーム部20−1a,20−1bは、そのX軸方向両端にて、それぞれ一対の長尺かつ幅狭の検出用梁22−1a,22−1bを介してメインフレーム18−1a,18−1bのX軸方向両端にそれぞれ接続されている。検出用梁22−1a,22−1bは、アーム部20−1a,20−1b及びメインフレーム18−1a,18−1bと一体的に基板16から浮いた状態に形成され、X軸方向に延設されている。検出用梁22−1a,22−1bは、振動子14−1をメインフレーム18−1a,18−1bに対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。
同様に、振動子14−2も、アーム部20−1a,20−1bと同様のアーム部20−2a,20−2bを有している。アーム部20−2a,20−2bは、そのX軸方向両端にて検出用梁22−2a,22−2bを介してメインフレーム18−2a,18−2bのX軸方向両端にそれぞれ接続されている。検出用梁22−2a,22−2bは、アーム部20−2a,20−2b及びメインフレーム18−2a,18−2bと一体的に基板16から浮いた状態に形成され、X軸方向に延設されている。検出用梁22−2a,22−2bは、振動子14−2をメインフレーム18−2a,18−2bに対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。
メインフレーム18−1aのY軸方向外側には、長尺かつ幅広のサブフレーム24−1aが基板16から浮いた状態でX軸方向に延設されている。サブフレーム24−1aは、複数の長尺かつ幅狭の駆動梁26−1aを介してメインフレーム18−1aに接続されると共に、複数の長尺かつ幅狭の駆動梁28−1aを介して基板16に固着された複数のアンカ30−1aに接続されている。駆動梁26−1a,28−1aは、メインフレーム18−1a及びサブフレーム24−1aと一体的に基板16から浮いた状態に形成されてY軸方向に延設されている。そして、メインフレーム18−1aを基板16に対してX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持している。
同様に、メインフレーム18−1b,18−2a,18−2bのY軸方向外側には、サブフレーム24−1b,24−2a,24−2bが設けられている。そして、各メインフレーム18−1b,18−2a,18−2bは、駆動梁26−1b,26−2a,26−2b、サブフレーム24−1b,24−2a,24−2b、駆動梁28−1b,28−2a,28−2bを介して基板16にX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持されている。
センサ12は、また、基板上に設けられた、駆動電極部32−1a,32−1b,32−2a,32−2bと、検出電極部34−1a,34−1b,34−2a,34−2bと、を備えている。駆動電極部32−1a,32−1b,32−2a,32−2bはそれぞれ、固定電極指への励起電圧の印加によって固定電極指と可動電極指との間の静電引力を作用させることにより振動子14−1,14−2を基板16に対してX軸方向に駆動させるための電極である。また、検出電極部34−1a,34−1b,34−2a,34−2bはそれぞれ、振動子14−1,14−2のY軸方向の変位に伴う固定電極と可動電極との間の静電容量の変化を検出することにより振動子14−1,14−2の基板16に対するY軸方向の振動を検出するための電極である。以下、適宜、X軸方向を振動子14の駆動方向と、Y軸方向を振動子14の検出方向と、それぞれ称す。
駆動電極部32−1a,32−1b,32−2a,32−2bは、メインフレーム18−1a〜18−2bのX軸方向外側端部にて一体的にY軸方向外側へ向けて基板16から浮いた状態で延設した突出部のX軸方向外側に設けられている。これらの駆動電極部32−1a,32−1b,32−2a,32−2bはそれぞれ、上記の突出部から一体的に基板16から浮いた状態でX軸方向に延設した櫛歯状の可動電極指と、基板16上に一体的に固着してX軸方向に延設した櫛歯状の固定電極指と、により構成されている。可動電極指と固定電極指とは、互いの指間に進入して常態で所定の隙間を空けて対向している。固定電極指には、例えばアルミニウム等の導電金属で形成された電極パッドが接続されており、配線を介して制御回路が接続されている。
また、検出電極部34−1a,34−1b,34−2a,34−2bは、アーム部20−1a,20−1b,20−2a,20−2bのY軸方向内側に設けられており、振動子14−1,14−2から一体的に基板16から浮いた状態でX軸方向に延設した櫛歯状の可動電極指と、基板16上に一体的に固着してX軸方向に延設した櫛歯状の固定電極指と、により構成されている。可動電極指と固定電極指とは、互いの指間に進入して常態で所定の隙間を空けて対向している。固定電極指には、例えばアルミニウム等の導電金属で形成された電極パッドが接続されており、配線を介して制御回路が接続されている。
センサ12は、更に、2つの振動子14−1,14−2を互いに連結する、基板16から浮いたリンク部40を備えている。リンク部40は、振動子14−1側のフレームから一体的にX軸方向の振動子14−2側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第1リンク梁42−1と、その第1リンク梁42−1に接続するY軸方向に延設する長尺かつ幅広の第1リンク44−1と、振動子14−2側のフレームから一体的にX軸方向の振動子14−1側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第2リンク梁42−2と、その第2リンク梁42−2に接続するY軸方向に延設する長尺かつ幅広の第2リンク44−2と、第1リンク44−1のY軸方向外側端部にて一体的にY軸方向外側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第3リンク梁46−1a,46−1bと、第2リンク44−2のY軸方向外側端部にて一体的にY軸方向外側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第4リンク梁46−2a,46−2bと、第3リンク梁46−1a及び第4リンク梁46−2aに接続するX軸方向に延設する長尺かつ幅広の第3リンク48aと、第3リンク梁46−1b及び第4リンク梁46−2bに接続するX軸方向に延設する長尺かつ幅広の第4リンク48bと、からX軸方向対称に構成されている。
第1リンク梁42−1は、振動子14−1を第1リンク44−1に対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持しており、第1リンク44−1に対する振動子14−1のY軸方向への変位を許容する梁である。第2リンク梁42−2は、振動子14−2を第2リンク44−2に対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持しており、第2リンク44−2に対する振動子14−2のY軸方向への変位を許容する梁である。第3リンク梁46−1a,46−1bは、第1リンク44−1ひいては振動子14−1を第3及び第4リンク48a,48bに対してX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持しており、リンク48a,48bに対する振動子14−1のX軸方向への変位を許容する梁である。また、第4リンク梁46−2a,46−2bは、第2リンク44−2ひいては振動子14−2を第3及び第4リンク48a,48bに対してX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持しており、リンク48a,48bに対する振動子14−2のX軸方向への変位を許容する梁である。
センサ12は、また、基板16上に設けられたダンピング部50a,50bを備えている。ダンピング部50a,50bは共に、リンク部40のY軸方向(検出方向)への変位を規制・制限する部位である。ダンピング部50a,50bは、リンク部40の第3リンク48a又は第4リンク48bにて一体的にY軸方向外側へ向けて基板16から浮いた状態で延設した突出部52のX軸方向各外側に設けられている。ダンピング部50a,50bはそれぞれ、突出部52から一体的に基板16から浮いた状態でX軸方向に延設した櫛歯状の可動電極指54と、基板16上に一体的に固着したY軸方向に延設する固定部56からX軸方向に延設した櫛歯状の固定電極指58と、により構成されている。可動電極指54と固定電極指58とは、互いの指間に進入して常態で所定の隙間を空けて対向している。この隙間が変化する際には、両者の櫛歯間に空気の粘性抵抗によるエアダンピングが作用し、可動電極指54の変位すなわちリンク部40のY軸方向への変位が制限される。
次に、本実施例の物理量検出装置10の動作について説明する。本実施例において、車両などがイグニションオン等により起動されると、制御回路は、駆動電極部32−1a,32−1b,32−2a,32−2bの固定電極指に所定周波数fの正弦波状の電圧を駆動信号として印加する。駆動電極部32−1a,32−1b,32−2a,32−2bの固定電極指にかかる駆動信号が印加されると、その固定電極指と可動電極指との間にその周波数fに応じた周期でメインフレーム18−1a,18−1b,18−2a,18−2bをX軸方向(駆動方向)に駆動させる力が発生する。
上記した力が作用すると、メインフレーム18−1a,18−1b,18−2a,18−2bがX軸方向に振動し、その振動が検出用梁22−1a,22−1b,22−2a,22−2bを介して振動子14−1,14−2に伝達されることで、振動子14−1,14−2もX軸方向に振動すると共に、それらの両振動子14−1,14−2のX軸方向の振動は互いに逆相となる。尚、この振動子14−1,14−2のX軸方向の振動は、両者間で等しく常に一定振幅となるように制御される。
このように振動子14−1,14−2が励起振動されている状態で、対象の鉛直軸(Z軸)回りに角速度が作用すると、その振動子14−1,14−2に、その質量m、X軸方向の振動速度Vx、及び角速度Ωzに応じたY軸方向(検出方向)へのコリオリ力F=2m・Vx・Ωzが作用する。かかるコリオリ力が作用すると、振動子14−1,14−2はY軸方向へ変位し、角速度Ωzの大きさに比例した振幅でかつX軸方向への励起振動の周波数fに応じた周期で振動する。この場合には、振動子14−1,14−2のY軸方向の変位に応じて、検出用梁22−1a,22−1b,22−2a,22−2bの弾性変形を伴って、検出電極部34−1a,34−1b,34−2a,34−2bの可動電極指と固定電極指との隙間が変化する。また、この際、コリオリ力による振動子14−1,14−2のY軸方向への変位振動は互いに逆相となる。
検出電極部34−1a,34−1b,34−2a,34−2bの可動電極指と固定電極指との隙間が変化すると、両電極間の静電容量がその隙間に応じて変化する。具体的には、振動子14−1がY軸方向の図1における上方へ変位したときは、検出電極部34−1aの静電容量が減少し或いは増加し、かつ、検出電極部34−1bの静電容量が増加し或いは減少する。逆に、振動子14−1がY軸方向の図1における下方へ変位したときは、検出電極部34−1aの静電容量及び検出電極部34−1bの静電容量は上方変位時と比較して逆となる。また、振動子14−2がY軸方向の図1における上方へ変位したときは、検出電極部34−2aの静電容量が減少し或いは増加し、かつ、検出電極部34−2bの静電容量が増加し或いは減少する。逆に、振動子14−2がY軸方向の図1における下方へ変位したときは、検出電極部34−2aの静電容量及び検出電極部34−2bの静電容量は上方変位時と比較して逆となる。
本実施例において、制御回路は、センサ12の出力としての検出電極部34−1aの静電容量及び検出電極部34−1bの静電容量に基づいて振動子14−1のY軸方向の変位量及びその変位方向を検出し、また、センサ12の出力としての検出電極部34−2aの静電容量及び検出電極部34−2bの静電容量に基づいて振動子14−2のY軸方向の変位量及びその変位方向を検出する。そして、振動子14−1のY軸方向の一方への変位量と振動子14−2のY軸方向の他方への変位量との合算値、すなわち、振動子14−1,14−2それぞれのY軸方向での原位置からの変位位置の差(振幅差)に基づいて、Z軸周りに生じている角速度を検出する。
物理量検出装置10において、対象に実際にZ軸周りに角速度が作用しているときは、振動子14−1,14−2は、上記の如く、コリオリ力を伴ってY軸方向に関し互いに逆相(変位方向が逆)で変位振動する。従って、上記の如き制御回路による処理によれば、Z軸周りに生じている角速度を検出することができる。
一方、物理量検出装置10は車両や航空機等の対象に搭載されるため、コリオリ力とは別に例えば加減速に伴う慣性力(振動外乱)が対象に作用することがある。この慣性力に起因して振動子14−1,14−2がY軸方向に変位振動するときは、その振動子14−1,14−2のY軸方向への変位振動の成分は互いに同相(変位方向が同じ)となる。また、慣性力に起因して振動子14−1,14−2がX軸方向に変位振動するときは、その振動子14−1,14−2のX軸方向への変位振動の成分は互いに同相(変位方向が同じ)となるため、そのX軸方向の変位振動に伴うコリオリ力によって振動子14−1,14−2がY軸方向へ変位振動しても、その振動子14−1,14−2のY軸方向への変位振動の成分は互いに同相(変位方向が同じ)となる。慣性力に起因して振動子14−1,14−2のY軸方向への変位振動の成分が互いに同相になるときは、両者間に変位位置の差は生じないので、上記の如き制御回路による処理によれば、それらの同相成分は打ち消されて、検出角速度は同相成分に関しゼロとなる。従って、本実施例の物理量検出装置10によれば、Z軸周りの角速度検出への外乱による影響を排除してその角速度の誤検出を極力抑制し、これにより、その角速度を精度よく検出することが可能となっている。
図3は、一対の振動子14−1,14−2の加工公差等に起因するセンサ12の誤出力を説明するための図を示す。ところで、センサ12の有する素子の加工バラツキ等に起因して、上記した2つの振動子14−1,14−2の間で質量やバネ特性,変位検出能力に差が生じることがある。かかる事態が生じていると、角速度が生じていない状態で外乱等の慣性力が作用することによってそれら2つの振動子14−1,14−2が同相に変位した際に、図3(B)に示す如く、それらの振動子14−1,14−2のY軸方向への変位振動成分(センサ出力)に逆相成分(一方の振動子14−1の振動成分をA1と、同タイミングにおける他方の振動子14−2の振動成分をA2とすると、A1−A2の成分)が現れる。このため、上記の如きZ軸周りの角速度の検出を、リンクが施されていない振動子14−1,14−2それぞれのY軸方向での原位置からの変位位置の差に基づいて行うこととすると、その角速度の誤検出を招くこととなってしまう。
そこで、このような一対の振動子間のバラツキ等に起因する角速度の誤検出を防止すべく、外部からの慣性力を吸収してセンサ12をその慣性力が作用し難くなるように防振ゴムなどを介して車体や機体の外部基板に取り付けることが考えられる。しかしながら、このような構成では、角速度検出を行うための部品点数が増大して、センサ規模の大型化や製造工程の複雑化,製造コストの上昇などの不都合が生じてしまう。
これに対して、本実施例において、センサ12は、上記の如く、2つの振動子14−1,14−2を互いに連結する、基板16から浮いたリンク部40を備えている。Z軸周りの角速度検出のため振動子14−1,14−2がX軸方向に互いに逆相で励起振動されるときは、振動子14−1はリンク部40の第1リンク44−1と共にX軸方向左方又は右方に変位し、一方、振動子14−2は逆に第2リンク44−2と共にX軸方向右方又は左方に変位する。この場合には、振動子14−1側が第3リンク梁46−1a,46−1bの弾性変形を伴って第3リンク48a及び第4リンク48bに対して変位し、振動子14−2側が第4リンク梁46−2a,46−2bの弾性変形を伴って介して第3リンク48a及び第4リンク48bに対して変位するため、リンク部40に作用する力がX軸方向左右で打ち消しあい、そのため、リンク部40全体が基板16に対してX軸方向に変位することはほとんどない。
また、Z軸周りに角速度が発生して振動子14−1,14−2にコリオリ力が作用すると、2つの振動子14−1,14−2はY軸方向に関し互いに逆相で変位振動する。この場合には、振動子14−1は第1リンク梁42−1の弾性変形を伴ってリンク部40の第1リンク44−1に対してY軸方向上方又は下方に変位し、一方、振動子14−2はその逆に第2リンク梁42−2の弾性変形を伴ってリンク部40の第2リンク44−2に対してY軸方向下方又は上方に変位して、リンク部40のリンク44−1,44−2にそれぞれY軸方向に作用する力が互いに打ち消しあうため、リンク部40全体が基板16に対してY軸方向に変位することはほとんどない。従って、振動子14−1,14−2それぞれのY軸方向での変位位置の差に基づくZ軸周りの角速度の検出を精度よく実現することができる。
一方、外乱等の慣性力が振動子14−1,14−2に作用すると、2つの振動子14−1,14−2はY軸方向に関し互いに同相で変位する。この場合には、リンク部40のリンク44−1,44−2にそれぞれY軸方向に作用する力が振動子14−1,14−2の変位によって互いに打ち消し合うことはなく、第1及び第2リンク梁42−1,42−2がほとんど撓まずにバネとして作用しないので、リンク部40全体が2つの振動子14−1,14−2と共に基板16に対してY軸方向に変位する。
センサ12は、また、上記の如く、リンク部40の突出部52に一体的に形成された櫛歯状の可動電極指54を有するダンピング部50a,50bを備えている。このため、リンク部40が上記の如くY軸方向に変位すると、そのダンピング部50a,50bの可動電極指54も一体的に変位する。また、ダンピング部50a,50bは、可動電極指54に所定の隙間を空けて対向する固定電極指58を有しており、可動電極指54がY軸方向に変位した際に空気の粘性抵抗によるエアダンピングによりリンク部40のY軸方向への変位を規制・制限する役割を有する。従って、2つの振動子14−1,14−2のY軸方向への同相変位に起因して上記の如くリンク部40全体が基板16に対してY軸方向に変位するときには、その変位はダンピング部50a,50bの機能により制限されるため、リンク部40ひいては2つの振動子14−1,14−2がY軸方向に変位振動し難い。
尚、2つの振動子14−1,14−2のY軸方向への逆相変位時やX軸方向への励起振動時には、リンク部40全体が基板16に対してY軸方向又はX軸方向に変位することはないので、ダンピング部50a,50bの機能が働くことはなく、リンク部40ひいては2つの振動子14−1,14−2がY軸方向に変位振動し難くなることはないと共に、それら振動子14−1,14−2のX軸方向への励起振動が妨げられることはない。
すなわち、本実施例のセンサ12においては、2つの振動子14−1,14−2のY軸方向への逆相変位時にリンク44−1,44−2,48a,48b及び突出部52が不動点となりかつ2つの振動子14−1,14−2のY軸方向への同相変位時にその振動子14−1,14−2と共にY軸方向へ変位するリンク部40が設けられていると共に、そのリンク部40のY軸方向への変位を規制・制限するダンピング部50a,50bが設けられている。このため、振動子14−1,14−2の励起振動周波数での同相振動成分が抑制されることとなり、Z軸周りの角速度の検出に際し外乱等の慣性力による影響を排除することができる。
従って、本実施例のセンサ12によれば、振動子14−1,14−2の質量、検出用梁22−1a,22−1b,22−2a,22−2bのバネ特性、又は各種電極部32,34の寸法等に振動子14−1側と振動子14−2側との間で製造工程等でのバラツキ差が存在しても、外乱発生時にそのバラツキ差に起因した振動子14−1,14−2のY軸方向逆相成分を現れ難くすることができ、これにより、センサ12の誤出力を防止して、Z軸周りに角速度が生じていると誤検出されるのを防止することが可能である。
このようにセンサ12にリンク部40及びダンピング部50a,50bを設けることにより、振動子14−1側と振動子14−2側とのバラツキ差に起因した角速度の誤検出を防止する構成によれば、センサ12と車体や機体の外部基板との間に、それらの振動子14−1,14−2間のバラツキを吸収してその誤検出を防止するための防振ゴム等を介在させることは不要である。従って、本実施例によれば、角速度の誤検出を防止する機能を確保しつつ、その角速度を精度よく検出するために必要な部品点数を削減して、センサ規模や装置規模の小型化や製造工程の簡素化,製造コストの低減などを図ることが可能となっている。
尚、上記の実施例においては、振動子14−1,14−2が特許請求の範囲に記載した「重り」に、X軸方向(駆動方向)が特許請求の範囲に記載した「第1の方向」に、Y軸方向(検出方向)が特許請求の範囲に記載した「第2の方向」に、Z軸が特許請求の範囲に記載した「所定軸」に、突出部52及び可動電極指54が特許請求の範囲に記載した「可動部」に、固定部56及び固定電極指58が特許請求の範囲に記載した「固定部」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の実施例においては、センサ12を備える物理量検出装置10を車両や航空機に搭載することとしているが、車両や航空機に限らず、他の物体に搭載することとしてもよい。
また、図4乃至図6はそれぞれ、本発明の実施形態の変形例である物理量検出装置が備えるセンサの平面図を示す。尚、図4乃至図6において、上記図1及び図2に示す部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。また、図4乃至図6においては、駆動電極部32や検出電極部34の図示を省略している。更に、図4乃至図6においては、センサの構成部分のうち、基板から浮いた構成部分を黒塗りで、基板に固着した構成部分を斜線で、また、図面の煩雑さを避けるためセンサの電極部分を点模様で、それぞれ示す。
すなわち、上記の実施例においては、アンカ30−1a,30−1b,30−2a,30−2bを支点としてサブフレーム24−1a,24−1b,24−2a,24−2b及びメインフレーム18−1a,18−1b,18−2a,18−2bを含む振動子14−1,14−2全体がX軸方向に励起振動され、そして、それらを含まない振動子14−1,14−2の内部部分のみが角速度に伴うコリオリ力によりY軸方向に変位振動されるセンサ12を用いることとしている。これに対しては、図4に示す如く、振動子の内部部分のみがX軸方向に励起振動され、そして、フレーム等を含む振動子全体が角速度に伴うコリオリ力によりY軸方向に変位振動されるセンサ102を用いることとしてもよい。このセンサ102においても、上記した実施例のセンサ12と同様の効果を得ることが可能である。
すなわち、センサ102は、互いに等しい質量を有する一対の振動子104−1,104−2を備えていると共に、基板16から浮いた状態で2つの振動子104−1,104−2を互いに連結するリンク部40、及び、リンク部40のY軸方向への変位を規制・制限するダンピング部50a,50bを備えている。
振動子104−1,104−2は、絶縁層を形成する基板16の表面から浮いた状態でX軸方向対称位置に配置されている。一方の振動子104−1のY軸方向端には、基板16から浮いた状態でY軸方向に延設した長尺かつ幅狭の第1駆動梁106−1a,106−1bを介して長尺かつ幅広のサブフレーム108−1a,108−1bが接続されている。また、他方の振動子104−2のY軸方向端にも、基板16から浮いた状態でY軸方向に延設した長尺かつ幅狭の第1駆動梁106−2a,106−2bを介して長尺かつ幅広のサブフレーム108−2a,108−2bが接続されている。サブフレーム108−1a,108−1b,108−2a,108−2bは、基板16から浮いた状態でX軸方向に延設して配置されている。
サブフレーム108−1a,108−1b,108−2a,108−2bには、基板16から浮いた状態でY軸方向に延設した長尺かつ幅狭の第2駆動梁110−1a,110−1b,110−2a,110−2bを介して、振動子104−1,104−2を囲む長尺かつ幅広のメインフレーム112−1,112−2が接続されている。第1駆動梁106−1a,106−1b,106−2a,106−2b及び第2駆動梁110−1a,110−1b,110−2a,110−2bは、サブフレーム108−1a,108−1b,108−2a,108−2b及び振動子104−1,104−2をメインフレーム112−1,112−2及び基板16に対してX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持している。
メインフレーム112−1,112−2は、そのX軸方向端部にて、基板16から浮いた状態でX軸方向に延設した長尺かつ幅狭の検出用梁114−1a,114−1b,114−2a,114−2bを介して、基板16に固着されたアンカ116−1a,116−1b,116−2a,116−2bに接続されている。検出用梁114−1a,114−1b,114−2a,114−2bは、メインフレーム112−1,112−2を基板16に対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。
また、リンク部40は、振動子104−1側のメインフレーム112−1から一体的にX軸方向の振動子104−2側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第1リンク梁42−1と、振動子104−2側のメインフレーム112−2から一体的にX軸方向の振動子104−1側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第2リンク梁42−2と、を有している。
かかる構成においては、振動子104−1,104−2が互いに逆相でX軸方向に励起振動されていても、メインフレーム112−1,112−2は検出用梁114−1a,114−1b,114−2a,114−2bの機能によりX軸方向に振動し難い。一方、かかる状態で、対象のZ軸周りに角速度が作用すると、その振動子104−1,104−2に、その質量、X軸方向の振動速度、及び角速度に応じたY軸方向へのコリオリ力が作用する。かかるコリオリ力が作用すると、そのコリオリ力によって第1駆動梁106−1a,106−1b,106−2a,106−2b及び第2駆動梁110−1a,110−1b,110−2a,110−2bがY軸方向に撓むことはないが、検出用梁114−1a,114−1b,114−2a,114−2bがY軸方向に撓むため、メインフレーム112−1,112−2が振動子104−1,104−2と共にY軸方向へ変位し、角速度の大きさに比例した振幅でかつX軸方向への励起振動の周波数fに応じた周期で互いに逆相で振動することとなる。従って、上記した実施例と同様に、X軸及びY軸の双方に直交するZ軸周りの角速度を精度良く検出することが可能となっている。
また、上記の実施例においては、図1に示す如く、一対の振動子14−1,14−2をその励起振動の方向(X軸方向)と同一の方向に並べて配置することとしている。これに対しては、図5に示す如く、振動子14−1,14−2が励起振動の方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に並べてすなわち検出振動の方向(Y軸方向)と同一の方向に並べて配置されたセンサ202を用いることとしてもよい。このセンサ202においても、上記した実施例のセンサ12と同様の効果を得ることが可能である。
すなわち、センサ202は、互いに等しい質量を有する一対の振動子14−1,14−2を備えていると共に、基板16から浮いた状態で2つの振動子14−1,14−2を互いに連結するリンク部240、及び、リンク部240のY軸方向への変位を規制・制限するダンピング部250a,250bを備えている。
振動子14−1,14−2は、絶縁層を形成する基板16の表面から浮いた状態でY軸方向対称位置に配置されている。また、リンク部240は、振動子14−1から一体的にY軸方向の振動子14−2側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第1リンク梁242−1と、その第1リンク梁242−1に接続する幅広の第1リンク244−1と、振動子14−2から一体的にY軸方向の振動子14−1側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第2リンク梁242−2と、その第2リンク梁242−2に接続する幅広の第2リンク244−2と、第1リンク244−1のX軸方向外側端部にて一体的にX軸方向外側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第3リンク梁246−1a,246−1bと、第2リンク244−2のX軸方向外側端部にて一体的にX軸方向外側へ向けて延設する長尺かつ幅狭の第4リンク梁246−2a,246−2bと、第3リンク梁246−1a及び第4リンク梁246−2aに接続するY軸方向に延設する長尺かつ幅広の第3リンク248aと、第3リンク梁246−1b及び第4リンク梁246−2bに接続するY軸方向に延設する長尺かつ幅広の第4リンク248bと、からX軸方向対称に構成されている。
第1リンク梁242−1は、振動子14−1を第1リンク244−1に対してY軸方向に変位し難くかつX軸方向に変位し易く支持しており、第1リンク244−1に対する振動子14−1のX軸方向への変位を許容する梁である。第2リンク梁242−2は、振動子14−2を第2リンク244−2に対してY軸方向に変位し難くかつX軸方向に変位し易く支持しており、第2リンク244−2に対する振動子14−2のX軸方向への変位を許容する梁である。第3リンク梁246−1a,246−1bは、第1リンク244−1ひいては振動子14−1を第3及び第4リンク248a,248bに対してY軸方向に変位し易くかつX軸方向に変位し難く支持しており、リンク248a,248bに対する振動子14−1のY軸方向への変位を許容する梁である。また、第4リンク梁246−2a,246−2bは、第2リンク244−2ひいては振動子14−2を第3及び第4リンク248a,248bに対してY軸方向に変位し易くかつX軸方向に変位し難く支持しており、リンク248a,248bに対する振動子14−2のY軸方向への変位を許容する梁である。
また、ダンピング部250a,250bは、リンク部240の第3リンク248a又は第4リンク248bのX軸方向各外側に設けられている。ダンピング部250a,250bはそれぞれ、第3リンク248a又は第4リンク248bから一体的に基板16から浮いた状態でX軸方向に延設した櫛歯状の可動電極指254と、基板16上に一体的に固着したY軸方向に延設する固定部256からX軸方向に延設した櫛歯状の固定電極指258と、により構成されている。可動電極指254と固定電極指258とは、互いの指間に進入して常態で所定の隙間を空けて対向している。この隙間が変化する際には、両者の櫛歯間に空気の粘性抵抗によるエアダンピングが作用し、可動電極指254の変位すなわちリンク部240のY軸方向への変位が制限される。
かかる構成においても、上記した実施例と同様に、振動子14−1,14−2が互いに逆相でX軸方向に励起振動されている状態で、対象のZ軸周りに角速度が作用すると、その振動子14−1,14−2に、その質量、X軸方向の振動速度、及び角速度に応じたY軸方向へのコリオリ力が作用する。かかるコリオリ力が作用すると、そのコリオリ力によって第1駆動梁26−1a,26−1b,26−2a,26−2b及び第2駆動梁28−1a,28−1b,28−2a,28−2bがY軸方向に撓むことはないが、検出用梁22−1a,22−1b,22−2a,22−2bがY軸方向に撓むため、振動子14−1,14−2がY軸方向へ変位し、角速度の大きさに比例した振幅でかつX軸方向への励起振動の周波数fに応じた周期で互いに逆相で振動することとなる。従って、上記した実施例と同様に、X軸及びY軸の双方に直交するZ軸周りの角速度を精度良く検出することが可能となっている。
また、かかる構成においては、振動子14−1,14−2がX軸方向に互いに逆相で励起振動されるときは、振動子14−1が第1リンク梁242−1の弾性変形を伴って第1リンク244−1に対してX軸方向上方又は下方に変位し、一方、振動子14−2が逆に第2リンク梁242−2の弾性変形を伴って第2リンク244−2に対してX軸方向下方又は上方に変位するため、リンク部240に作用する力がX軸方向上下で打ち消しあい、そのため、リンク部240全体が基板16に対してX軸方向に変位することはほとんどない。
また、振動子14−1,14−2がZ軸周りの角速度に伴うコリオリ力によってY軸方向に互いに逆相で変位振動されるときは、振動子14−1が第1リンク244−1と共に第3リンク梁246−1a,246−1bの弾性変形を伴って第3リンク248a及び第4リンク248bに対してY軸方向左方又は右方に変位し、一方、振動子14−2が逆に第2リンク244−2と共に第4リンク梁246−2a,246−2bの弾性変形を伴って第3リンク248a及び第4リンク248bに対してY軸方向右方又は左方に変位するため、リンク部240のリンク244−1,244−2にそれぞれY軸方向に作用する力が互いに打ち消しあい、そのため、リンク部240全体が基板16に対してY軸方向に変位することはほとんどない。
一方、外乱等の慣性力が振動子14−1,14−2に作用すると、2つの振動子14−1,14−2はY軸方向に関し互いに同相で変位する。この場合には、リンク部240のリンク244−1,244−2にそれぞれY軸方向に作用する力が振動子14−1,14−2の変位によって互いに打ち消し合うことはなく、第3及び第4リンク梁246−1a,246−1b,246−2a,246−2bがほとんど撓まずにバネとして作用しないので、リンク部240全体が2つの振動子14−1,14−2と共に基板16に対してY軸方向に変位する。しかし、この変位はダンピング部250a,250bの機能により制限されるため、慣性力に起因した2つの振動子14−1,14−2のY軸方向への同相変位時にその変位振動を抑えることが可能であり、上記した実施例と同様の効果を得ることが可能となっている。
更に、図6に示す如く、振動子の内部部分のみがX軸方向に励起振動され、そして、フレーム等を含む振動子全体が角速度に伴うコリオリ力によりY軸方向に変位振動されると共に、その一対の振動子が励起振動の方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に並べてすなわち検出振動の方向(Y軸方向)と同一の方向に並べて配置されたセンサ302を用いることとしてもよい。
すなわち、センサ302は、互いに等しい質量を有する一対の振動子304−1,304−2を備えていると共に、基板16から浮いた状態で2つの振動子304−1,304−2を互いに連結するリンク部340、及び、リンク部340のY軸方向への変位を規制・制限するダンピング部350a,350bを備えている。
振動子304−1,304−2は、絶縁層を形成する基板16の表面から浮いた状態でY軸方向対称位置に配置されている。一方の振動子304−1のY軸方向端には、基板16から浮いた状態でY軸方向に延設した長尺かつ幅狭の第1駆動梁306−1a,306−1bを介して長尺かつ幅広のサブフレーム308−1a,308−1bが接続されている。また、他方の振動子304−2のY軸方向端にも、基板16から浮いた状態でY軸方向に延設した長尺かつ幅狭の第1駆動梁306−2a,306−2bを介して長尺かつ幅広のサブフレーム308−2a,308−2bが接続されている。サブフレーム308−1a,308−1b,308−2a,308−2bは、基板16から浮いた状態でX軸方向に延設して配置されている。
サブフレーム308−1a,308−1b,308−2a,308−2bには、基板16から浮いた状態でY軸方向に延設した長尺かつ幅狭の第2駆動梁310−1a,310−1b,310−2a,310−2bを介して、振動子304−1,304−2を囲む長尺かつ幅広のメインフレーム312−1,312−2が接続されている。第1駆動梁306−1a,306−1b,306−2a,306−2b及び第2駆動梁310−1a,310−1b,310−2a,310−2bは、サブフレーム308−1a,308−1b,308−2a,308−2b及び振動子304−1,304−2をメインフレーム312−1,312−2及び基板16に対してX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持している。
メインフレーム312−1,312−2は、そのX軸方向端部にて、基板16から浮いた状態でX軸方向に延設した長尺かつ幅狭の検出用梁314−1a,314−1b,314−2a,314−2bを介して、基板16に固着されたアンカ316−1a,316−1b,316−2a,316−2bに接続されている。検出用梁314−1a,314−1b,314−2a,314−2bは、メインフレーム312−1,312−2を基板16に対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。
また、リンク部340は、振動子304−1側のメインフレーム312−1から一体的にY軸方向の振動子304−2側へ向けて延設した突出部342−1a,342−1bからX軸方向外側に延びた長尺かつ幅狭の第1リンク梁344−1a,344−1bと、振動子304−2側のメインフレーム312−2から一体的にY軸方向の振動子304−1側へ向けて延設した突出部342−2a,342−2bからX軸方向外側に延びた長尺かつ幅狭の第2リンク梁344−2a,344−2bと、第1リンク梁344−1a及び第2リンク梁344−2aの双方に接続するY軸方向に延接する長尺かつ幅広の第1リンク346aと、第1リンク梁344−1b及び第2リンク梁344−2bの双方に接続するY軸方向に延接する長尺かつ幅広の第2リンク346bと、を有している。第1リンク梁344−1a,344−1bは、振動子304−1を第1及び第2リンク346a,346bに対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。また、第2リンク梁344−2a,344−2bは、振動子304−2を第1及び第2リンク346a,346bに対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。
ダンピング部350a,350bは、リンク部340の第1リンク346a又は第2リンク346bのX軸方向各外側に設けられている。ダンピング部350a,350bはそれぞれ、リンク部340の第1又は第2リンク346a,346bから一体的に基板16から浮いた状態でX軸方向外側に延設した櫛歯状の可動電極指354と、基板16上に一体的に固着したY軸方向に延設する固定部356からX軸方向に延設した櫛歯状の固定電極指358と、により構成されている。可動電極指354と固定電極指358とは、互いの指間に進入して常態で所定の隙間を空けて対向している。この隙間が変化する際には、両者の櫛歯間に空気の粘性抵抗によるエアダンピングが作用し、可動電極指354の変位すなわちリンク部340のY軸方向への変位が制限される。
かかる構成においては、振動子304−1,304−2が互いに逆相でX軸方向に励起振動されていても、メインフレーム312−1,312−2は検出用梁314−1a,314−1b,314−2a,314−2bの機能によりX軸方向に振動し難い。一方、かかる状態で、対象のZ軸周りに角速度が作用すると、その振動子304−1,304−2に、その質量、X軸方向の振動速度、及び角速度に応じたY軸方向へのコリオリ力が作用する。かかるコリオリ力が作用すると、そのコリオリ力によって第1駆動梁306−1a,306−1b,306−2a,306−2b及び第2駆動梁310−1a,310−1b,310−2a,310−2bがY軸方向に撓むことはないが、検出用梁314−1a,314−1b,314−2a,314−2bがY軸方向に撓むため、メインフレーム312−1,312−2が振動子304−1,304−2と共にY軸方向へ変位し、角速度の大きさに比例した振幅でかつX軸方向への励起振動の周波数fに応じた周期で互いに逆相で振動することとなる。従って、上記した実施例と同様に、X軸及びY軸の双方に直交するZ軸周りの角速度を精度良く検出することが可能となっている。
また、かかる構成においては、振動子304−1,304−2がX軸方向に互いに逆相で励起振動されるときは、メインフレーム312−1,312−2がX軸方向に変位しないため、リンク部340全体が基板16に対してX軸方向に変位することはない。また、振動子14−1,14−2がZ軸周りの角速度に伴うコリオリ力によってY軸方向に互いに逆相で変位振動されるときは、振動子14−1及びメインフレーム312−1が第1リンク梁344−1a,344−1bの弾性変形を伴って第1リンク346a及び第2リンク346bに対してY軸方向左方又は右方に変位し、一方、振動子14−2及びメインフレーム312−2が逆に第2リンク梁344−2a,344−2bの弾性変形を伴って第1リンク346a及び第2リンク346bに対してY軸方向右方又は左方に変位するため、リンク部340のリンク346a,346bにそれぞれY軸方向に作用する力が互いに打ち消しあい、そのため、リンク部340全体が基板16に対してY軸方向に変位することはほとんどない。
一方、外乱等の慣性力が振動子304−1,304−2に作用すると、2つの振動子304−1,304−2はY軸方向に関し互いに同相で変位する。この場合には、リンク部340のリンク346a,346bにそれぞれY軸方向に作用する力が振動子304−1,304−2の変位によって互いに打ち消し合うことはなく、第1及び第2リンク梁344−1a,344−1b,344−2a,344−2bがほとんど撓まずにバネとして作用しないので、リンク部340全体が2つの振動子304−1,304−2と共に基板16に対してY軸方向に変位する。しかし、この変位はダンピング部350a,350bの機能により制限されるため、慣性力に起因した2つの振動子304−1,304−2のY軸方向への同相変位時にその変位振動を抑えることが可能であり、上記した実施例と同様の効果を得ることが可能となっている。
本発明の一実施例である物理量検出装置が備えるセンサの平面図である。 本実施例のセンサの要部平面図である。 一対の振動子の加工公差等に起因するセンサの誤出力を説明するための図である。 本発明の変形例である物理量検出装置が備えるセンサの平面図である。 本発明の変形例である物理量検出装置が備えるセンサの平面図である。 本発明の変形例である物理量検出装置が備えるセンサの平面図である。
符号の説明
10 物理量検出装置
12,102,202,302 センサ
14−1,14−2,104−1,104−2,304−1,304−2 振動子
40,240,340 リンク部
42−1 第1リンク梁
42−2 第2リンク梁
50a,50b,250a,250b,350a,350b ダンピング部
54,254,354 可動電極指
58,258,358 固定電極指

Claims (5)

  1. 所定の物理量が発生した際に互いに逆相変位する2つの重りを備え、前記所定の物理量を検出させるべく前記2つの重りの変位差に応じた信号を出力するセンサであって、
    前記2つの重りの逆相変位時に不動点となりかつ同相変位時に該2つの重りと共に変位するリンク部と、
    前記リンク部の変位を制限するダンピング部と、
    を備えることを特徴とするセンサ。
  2. 前記リンク部は、該リンク部の変位方向と直交する方向に延設する、前記2つの重りの一方にリンクする第1リンク梁と、前記2つの重りの他方にリンクする第2リンク梁と、を有することを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  3. 前記ダンピング部は、前記リンク部にリンクする可動部と、前記可動部に対向する固定部と、を有し、前記可動部と前記固定部との間のエアダンピングにより前記リンク部の変位を制限することを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  4. 前記所定の物理量が、所定軸周りに生ずる角速度であり、
    前記2つの重りは、第1の方向へ互いに逆相に励起振動された状態で、前記角速度が発生した際に該第1の方向と直交する第2の方向へ互いに逆相変位することを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  5. 所定の物理量が発生した際に互いに逆相変位する2つの重りを備え、該2つの重りの変位差に基づいて前記所定の物理量を検出する物理量検出装置であって、
    前記2つの重りの逆相変位時に不動点となりかつ同相変位時に該2つの重りと共に変位するリンク部と、
    前記リンク部の変位を制限するダンピング部と、
    を備えることを特徴とする物理量検出装置。
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