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JP2006122980A - 冷間タンデム圧延機における被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法並びに冷間タンデム圧延方法 - Google Patents

冷間タンデム圧延機における被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法並びに冷間タンデム圧延方法 Download PDF

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JP2006122980A JP2004316416A JP2004316416A JP2006122980A JP 2006122980 A JP2006122980 A JP 2006122980A JP 2004316416 A JP2004316416 A JP 2004316416A JP 2004316416 A JP2004316416 A JP 2004316416A JP 2006122980 A JP2006122980 A JP 2006122980A
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Hideo Kijima
秀夫 木島
Hajime Nagai
肇 永井
Kazuhito Okada
一仁 岡田
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JFE Steel Corp
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Abstract

【課題】 連続する2つの冷間圧延機間に板厚計がない場合でも、ロール間隙の設定がきるようにする。
【解決手段】 連続した2つの圧延機で被圧延材を圧延する際の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を各圧延機ごとに予測式により予測し、各圧延機の入出側張力の実績値と、圧延荷重及び先進率の実績値と、上流側圧延機の入側板厚及び下流側圧延機の出側板厚の実績値と、両圧延機間の被圧延材の板厚の仮定値とから、実績変形抵抗及び摩擦係数を逆算し、この実績変形抵抗及び摩擦係数を予測した変形抵抗及び摩擦係数で除した値を変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数と定義し、次回同種の被圧延材を圧延する際の変形抵抗及び摩擦係数を、予測した値に前記変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数を掛算した値として予測する予測方法において、前記連続した2つの圧延機間の板厚を、該連続した2つの圧延機での変形抵抗学習係数が、ある一定の誤差範囲内になるように収束的に決定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ブリキ原板、自動車用鋼板等の冷延鋼板を、2以上の連続した圧延機で構成される冷間タンデム圧延機にて圧延する際の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法並びにその変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を用いた冷間タンデム圧延方法に関する。
鉄鋼に代表される金属材の冷間圧延に多く用いられる2以上の連続した圧延機で構成される冷間タンデム圧延機では、例えば、図7に示されるように、ペイオフリール(巻出リール)101から巻出された金属材(以下、被圧延材という)が溶接機102により次々と溶接され、ブライドルロール103、入側ルーパー104、ブライドルロール105等を経由して冷間タンデム圧延機106により圧延され、更に、ブライドルロール107及びシャー108を経てカローゼルテンションリール109により巻き取られる。冷間タンデム圧延機106を構成する各圧延機(スタンド)のロール間隙を各1本毎の被圧延材の圧延に適切な値に調整するために、図7には図示していないが、プロセスコンピュータにより各圧延機毎にその圧延機での被圧延材を圧延するに際しての変形抵抗、ロール・被圧延材間の摩擦係数(以下、単に「摩擦係数」ともいう)、圧延荷重等が計算により予測され、その圧延荷重による圧延機の伸びの分だけ、狭めにロール間隙が決定されるようになっている。このように、ロール間隙をはじめとする圧延機の各種機器を、各1本毎の被圧延材に対して、その被圧延材を圧延するための適切な値に決定することあるいは各種機器がその値になるよう動作させ、調整することを、設定する、あるいはセットアップするともいう。ロール間隙のほかには、図示しないサイドガイドの開度のほか、ワークロールクロス角、ワークロールシフト量、ペンダー力等がある。多くの場合、各種の被圧延材の材質、例えば30K鋼、40K鋼、50K鋼、ステンレス鋼等の材質の区分に応じて、先述の変形抵抗、摩擦係数、圧延荷重等を計算により予測するのに用いるモデル式の係数等を違ったものにすることで、先述のロール間隙の設定が行われる。
その各区分ごとに、同区分に属する被圧延材について、先述の変形抵抗、摩擦係数、圧延荷重等を計算により予測するモデル式に実績の圧延荷重のほか、ロール半径、被圧延材幅等の他の実績値も代入することで、実績変形抵抗Kr、実績摩擦係数μrを逆算することができる。この実績変形抵抗Kr及び予測変形抵抗Kpをそれぞれ求めて、その両者の比を学習係数kA(kA=Kr/Kp)とし、学習後の変形抵抗をK’とすると、次回同種の被圧延材を圧延する際の変形抵抗を、K’=kA・Kpと予測できる。また、この実績摩擦係数μrと設定摩擦係数μ0との比を学習係数μAとすると、次回同種の被圧延材を圧延する際の変形抵抗を、μ=μA・μ0と予測できる。このようにすることで、適切に変形抵抗及び摩擦係数を予測でき、ロール間隙を本当に適切な値に設定することができる。なお、予測変形抵抗Kpは、例えば非特許文献187ページ(7.47)式のようなモデル式等により求められる(非特許文献1参照)。
従来の冷間タンデム圧延機の圧下位置(ロール間隙)及びロール速度の設定のしかたについて、図8のフローチャートに従って、以下に説明する。なお、図8のフローチャートの処理の前提となる冷間タンデム圧延機の構成は後述の図1に示されるものと同一である。
第1スタンド11及び第2スタンド12のそれぞれについて、母板厚H、スタンド入出側板厚hin,hout、スタンド間張力tin,tout、ロール半径R、変形抵抗K(変形抵抗学習係数を反映させた値)及び摩擦係数(摩擦係数学習係数を反映させた値)μの各値、を、ロール半径Rについては予め計測しておいた値を、それ以外については予定しているそれぞれの目標値を、各設定値として設定し(S31)、圧延荷重及び先進率の計算値P,fsをモデル式に基づいて求める(S32)。圧延荷重Pは次の(1)式により、先進率fsは次の(2)式による。
Figure 2006122980
Figure 2006122980
また、圧下位置(ロール間隙)Sは、圧延荷重P、ミル剛性M及びスタンド出側板厚houtに基づいて次の(3)式により求める(S33)。
Figure 2006122980
また、第1スタンド11のロール速度(周速を意味する。以下同じ)VR1は、例えば第2スタンドのロール速度VR2を基準とし、第1スタンド11及び第2スタンド12の出側板厚h1,h2、先進率f1(%),f2(%)とすると、次の(4)式により求める(S34)。
Figure 2006122980
ここで、学習計算、すなわち、変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数の決定のしかたについて説明しておく。なお、冷間タンデム圧延機を構成する複数の圧延機のことを圧延機列と以下称することにする。
(a)板厚計、張力計等により、圧延機列入側(ここでは第1スタンド入側)板厚H及び第1スタンド11の入出側張力tin,toutをそれぞれ実測して実績値として取り込むとともに、第1スタンド11のロール半径Rを予め計測しておいて、それらも実績値として取り込む。また、第1スタンド11のロール速度vR1を測定してそれを実績値として取り込む。なお、このロール速度vR1は第1スタンド11の回転数を制御する駆動モータ(図示せず)に取り付けられたエンコーダ−(図示せず)によって測定された回転数と上記のロール半径とから求められる。また、経験的にわかっている摩擦係数μの値を、実績値ではなく、経験的に正しい値に固定して設定したという意味の設定値に設定する(S11)。そして、第1スタンド11の出側板厚hを仮定値に設定する(S12)。この段階では初期値に設定することになる。
(b)次に、変形抵抗学習係数kA_i(iはスタンド番号であり、ここではi=1であり、以下kA_1と記す)を初期値に設定する(S13)。また、上記において設定された仮定値としての第1スタンドの出側厚h1と、第2スタンド出側のマスフロー(第2スタンド出側実績板厚h2×実績板速v2:後出図1の板厚計22の出力と張力計33のロールの回転速度の出力とからわかる)とから第1スタンドの実績先進率を求める(S14a)。この実績先進率は、マスフローMFを、MF=h2×v2、とすると、第1スタンドの先進率f1は次の(5)式により求められる。なお、(5)式において、vRiはロール速度であり、iはスタンド番号であるから、ここではvRiはvR1であり、hiはh1である。
Figure 2006122980
(c)次に先進率モデル式により実績摩擦係数を逆算する(S14b)。すなわち、上記の(2)式を逆算して得られる実績摩擦係数μi(ここではi=1であり、以下μ1と記す。)と、上記の設定値μ0との比を第1スタンドの摩擦係数学習係数μA_i(ここではi=1であり、以下μA_1と記す。)すると、摩擦係数学習係数μA_1
μA_1=μ1/μ0
と表される。
(d)圧延荷重の予測値Pをモデル式により求める(S14c)。ここでは、まず、被圧延材の予測変形抵抗Kst_i(ここではi=1であり、以下Kst_1と記す。)を、上記の圧延機列入側板厚H、第1スタンド出側板厚、変形抵抗学習係数kA_1に基づいて、下記の(6)式により求めるとともに、圧延荷重Pを被圧延材の予測変形抵抗Kst_1、第1スタンドの入出側張力tin,tout、ワークロール半径R、摩擦係数μ1(摩擦係数学習係数μA_1×μ0)に基づいて先述の下記(1)式により計算して予測する。
Figure 2006122980
Figure 2006122980
(e)上記の圧延荷重の予測値Pと、ロードセル41により得られた第1スタンドの実績圧延荷重とを対比して、圧延荷重の予測値Pが実績圧延荷重に対し、ある一定の誤差範囲内(例えば±1%以内、以下同様)にあるかどうかを判定し(S15)、そのある一定の誤差範囲内に無い場合には、変形抵抗学習係数kA_1をインクリメント的に少し修正する(S16)。例えば、圧延荷重の予測値P>実績圧延荷重の場合には変形抵抗学習係数kA_1を1インクリメント分だけ小さくし、圧延荷重の予測値P<実績圧延荷重の場合には変形抵抗学習係数kA_1を1インクリメント分だけ大きくして、上記の処理(S14)に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。そして、圧延荷重の予測値Pが実績圧延荷重に対し、ある一定の誤差範囲内にあると判定されると(S15)、第1スタンド11での変形抵抗学習係数kA_1及び摩擦係数学習係数μA_1をそのときの値に決定する(S17)。このように、変形抵抗学習係数kA_1及び摩擦係数学習係数μA_1を、圧延荷重の予測値Pが実績圧延荷重に対し、ある一定の誤差範囲内になるように、収束的に決定する。しかし、モデル式によっては、必ずしもこのような収束計算によらない場合もある。
(f)次に、第2スタンド12についての学習計算、すなわち変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数を決定するための処理を説明するが、その内容は上記の第1スタンド11の例と同様である。入力データとして、板厚計22、張力計32,33に基づいて圧延機列出側板厚及び第2スタンド12の入出側張力tin,toutを実側して実績値として取り込むとともに、第2スタンド12のロール半径Rを予め計測しておいて、それらを実績値として取り込む。また、第2スタンド12のロール速度vR2を測定してそれを実績値として取り込む。なお、このロール速度vR2は第2スタンド12の回転数を制御する駆動モータ(図示せず)に取り付けられたエンコーダ−(図示せず)によって測定された回転数と上記のロール半径とから求められる。更に、第2スタンド12出側の板厚及び板速度をそれぞれ板厚計22により計測して、あるいは張力計33のロールの回転速度を計測する等して測定し、それを実績値として取り込む。また、経験的にわかっている摩擦係数μの値を、実績値ではなく、経験的に正しい値に固定して設定したという意味の設定値に設定する(S21)。また、第1スタンド11の出側板厚hは第2スタンド12の入側板厚でもあるから、上記の処理(S12)は第2スタンド12の入側板厚を仮定したものとしても扱う(S22)。この段階では上記の処理(S12)と同様、初期値に設定することになる。
(g)次に、変形抵抗学習係数kA_i(iはスタンド番号であり、ここではi=2であり、以下kA_2と記す)を初期値に設定する(S23)。また、第2スタンドの先進率f2は上記の(5)式により求める(S24a)。なお、第2スタンドの出側板厚h2は板厚計22により実測されたものが用いられる。
(h)次に先進率モデル式により実績摩擦係数を逆算する(S24b)。すなわち、上記の(2)式を逆算して得られる実績摩擦係数μi(ここではi=2であり、以下μ2と記す。)と、上記の設定値μ0との比を第2スタンドの摩擦係数学習係数μA_i(ここではi=1であり、以下μA_2と記す。)すると、摩擦係数学習係数μA_2
μA_2=μ2/μ0
と表される。
(i)次に、圧延荷重の予測値Pをモデル式により求める(S24c)。ここでは、まず、被圧延材の予測変形抵抗Kst_i(i=2、以下Kst_2と記す)を、上記の圧延機列入側板厚H、板厚h(上記の設定された板厚〜板厚計22による圧延機列出側板厚)及び変形抵抗学習係数kA_2に基づいて、上記の(6)式により求めるとともに、圧延荷重Pを被圧延材の予測変形抵抗Kst_2、第2スタンドの入出側張力tin,tout、ワークロール半径R、摩擦係数μ2(kA_2×μ0)に基づいて、上記の(1)式により計算して予測する。
(j)上記の圧延荷重の予測値Pと、ロードセル42により得られた第2スタンドの実績圧延荷重とを対比して、圧延荷重の予測値Pが実績圧延荷重に対してある一定の誤差範囲内(例えば±1%以内)にあるかどうかを判定し(S25)、そのある一定の誤差範囲内に無い場合には、変形抵抗学習係数kA_2をインクリメント的に少し修正する(S26)。例えば、圧延荷重の予測値P>実績圧延荷重の場合には変形抵抗学習係数kA_2を1インクリメント分だけ小さくし、圧延荷重の予測値P<実績圧延荷重の場合には変形抵抗学習係数kA_2を1インクリメント分だけ大きくして、上記の処理(S24)に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。そして、圧延荷重の予測値Pが実績圧延荷重に対しある一定の誤差範囲内(例えば±1%以内)にあると判定されると(S25)、第2スタンド12での変形抵抗学習係数kA_2及び摩擦係数学習係数μA_2をそのときの値に決定する(S26)。このように、変形抵抗学習係数kA_2及び摩擦係数学習係数μA_2を、圧延荷重の予測値が実績圧延荷重に対しある一定の誤差範囲内になるように、収束的に決定する。しかし、モデル式によっては必ずしもこのような収束計算によらない場合もある。
冷間タンデム圧延機に第3スタンド以降のスタンドがある場合も、同じようにして変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数をそれぞれ決定していくようにする。そして、次回、同種の被圧延材を圧延する際の予測変形抵抗及び予測摩擦係数は、モデル式により計算したものに、それぞれその変形抵抗学習係数、摩擦係数学習係数を掛算した値とすることで、ロール間隙及びロール速度の設定に反映するようにする。
以上が、従来の冷間タンデム圧延機の圧下装置(ロール間隙)及びロール速度の設定のしかたであるが、このような圧延方法に似たものとしては、例えば「i番目の材料(被圧延材に相当)を圧延する際に、i番目以前の材料の圧延において、実測(実績のという意味)圧延荷重を代入した圧延荷重式と実測先進率を代入した先進率式とを連立させて実測逆算変形抵抗値及び実測逆算摩擦抵抗値を求め、前記変形抵抗モデル式から求めた変形抵抗を前記実測逆算変形抵抗により修正する…」という方法が提案されている(例えば特許文献1)。
日本鉄鋼協会編「板圧延の理論と実際」p33以降参照。 特開平2−307611号公報(特許請求の範囲参照)
しかしながら、上記の方法(非特許文献1)においては、連続する2つの圧延機の間の被圧延材の板厚を計測することができない状況においては、その連続する2つの圧延機の間の板厚の目標値(先述のプロセスコンピュータの内部での各種計算の過程で求められる)に基づいて予測変形抵抗Kpを求めることになるが、例えば後述の図3に示されるように、その板厚の目標値と実績値が異なる場合には、上流側圧延機での予測変形抵抗の計算で前提とする上流側圧延機の出側板厚と下流側圧延機での予測変形抵抗の計算で前提とする下流側圧延機の入側板厚とが相異したまま圧延を行う、別な表現のしかたをすれば、上流側圧延機と下流側圧延機とでは、被圧延材の搬送に関する体積速度は実際には一定しているにもかかわらず、変形抵抗や圧延荷重から決まるロール間隙については、それとは矛盾する設定としたまま圧延を行う結果、体積速度の予測と実際の間に齟齬をきたし、ひどい場合には、終に被圧延材が重なって圧延されたり、過張力になったりして、破断に至る場合もあるという問題があった。
また、上記の方法(特許文献1)においては、各スタンドで先進率を求める必要があるが、いかなる冷間タンデム圧延機でも全スタンド間に板速計が設置されているというわけではないので、上記の方法(特許文献1)を適用できる冷間タンデム圧延機には限りがあった。
このようなことから、全スタンド間に板速計あるいは別な手立てとしては板厚計が設置されていない冷間タンデム圧延機においては、ロール間隙の設定が適切に行われない場合があり、先述のようにマスフロー(体積速度)の揃速性の仮定と実績との間に齟齬をきたし、被圧延材が破断してしまったり、破断しないままでも、スリップに起因するロール疵が発生するような問題が起き、安定した圧延を行うことができなくなるおそれがあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、連続する2つの圧延機の間に板厚計が設定されていないところがあるような冷間タンデム圧延機においても、安定した圧延を行うことのできる冷間タンデム圧延機における被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法及びその予測方法を用いた冷間タンデム圧延方法を提供することを目的とする。
本発明に係る被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法は、2以上の連続した圧延機で構成される冷間タンデム圧延機の内、連続した2つの圧延機で被圧延材を圧延する際の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を、各圧延機ごとに予測式により計算して予測し、前記被圧延材を前記連続した2つの圧延機で圧延した際の各圧延機の入出側張力の実績値と、該各圧延機での圧延荷重及び先進率の実績値と、前記連続した2つの圧延機の内の上流側圧延機の入側板厚及び下流側圧延機の出側板厚の実績値と、両圧延機間の被圧延材の板厚の仮定値とから、前記予測式を用いて実績変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を逆算し、この実績変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を前記予測した変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数でそれぞれ除した値を変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数とそれぞれ定義し、次回同種の被圧延材を圧延する際の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を、前記予測式により計算して予測した値に前記変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数をそれぞれ掛算した値として予測する冷間タンデム圧延機における被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法において、前記連続した2つの圧延機間の板厚を、該連続した2つの圧延機での前記変形抵抗学習係数が、ある一定の誤差範囲内になるように収束的に決定する。
また、本発明に係る被圧延材の冷間タンデム圧延方法は、上記の被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法により得られた被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数に基づいて圧延機のロール間隙及びロール速度を設定し、被圧延材を冷間圧延する。
本発明によれば、連続した2つの圧延機間に板厚計が設置されていないところがあるような冷間タンデム圧延機においても、連続した2つの圧延機間の板厚を、該連続した2つの圧延機での変形抵抗学習係数が、ある一定の誤差範囲内になるように収束的に決定することにより、ロール間隙の設定が適切に行われ、安定した圧延ができるようになる。
図1は本発明の実施形態に係る被圧延材の冷間タンデム圧延方法が適用される冷間タンデム圧延機の構成例であり、ここでは4段2スタンドのタンデム圧延機が示されている。圧延機列入側(即ち第1スタンド11入側)と圧延機列出側(即ち第2スタンド12出側)には板厚計21,22がそれぞれ設置されており(第1スタンド11と第2スタンド12との間には板厚計が設置されていない)、圧延機列入側の板厚及び圧延機列出側の板厚がそれぞれ実測される。更に、この圧延機列の出側には第2スタンド12出側における被圧延材の張力を充分確保する目的でブライドルロール107が配置されている。このブライドルロール107の回転数を制御する駆動モータ(図示せず)にはエンコーダ−(図示せず)が取り付けられており、その回転数を測定することにより圧延機列出側の板速を測定できるようになっている。板速は張力計33のロールの回転速度を計測することによっても測定することができる。(本実施形態と異なり、スタンド数が3つ以上の場合、特に有効である。)また、第1スタンド11及び第2スタンド12についてもその回転数を制御する駆動モータ(図示せず)にそれぞれエンコーダ−(図示せず)が取付けられており、その回転数を測定することによりロール速度が測定できるようになっている。また、圧延機列入側(第1スタンド11入側)、第1,第2スタンド11,12間及び圧延機列出側(第2スタンド12出側)には張力計31,32,33がそれぞれ設置されており、圧延機列入出側及び第1,第2スタンド11,12間の張力がそれぞれ実測される。また、第1スタンド11及び第2スタンド12にはロードセル41,42がそれぞれ設置されており、各スタンドの圧延荷重が実測される。
プロセスコンピュータ50は、板厚計21,22、張力計31,32,33、ロードセル41,42の各出力を実績値として取り込むとともに、上記のエンコーダの出力を取り込んで、各ロールのロール速度や圧延機列出側の板速を実績値として取り込んで、後述のように被圧延材の実績変形抵抗及び摩擦係数を逆算して求め、更に、それにより学習後の予測変形抵抗及び摩擦係数を用いて各スタンドのロール間隙及びロール速度を設定する。なお、第1スタンド11と第2スタンド12との間に板厚計が設置されていれば、先述の齟齬の要因以外に誤差要因がない限り、各スタンドのロール間隙を本当に適切な値に設定することができるが、本実施形態においては、上記のように、第1スタンド11と第2スタンド12との間には板厚計が設置されておらず、そのため、後述の図2に示される演算処理によりその2つの圧延機での変形抵抗学習係数がある一定の誤差範囲内になるように両スタンド間における板厚を収束的に決定して予測変形抵抗及び摩擦係数をそれぞれ決定する。
図2は、プロセスコンピュータ50内で行うの演算処理の内容を示したフローチャートであり、本発明の実施形態の一連の処理の流れについて、このフローチャートに基づいて説明する。冷間タンデム圧延機の圧下位置(ロール間隙)及びロール速度の設定のしかたは、背景技術の図7のフローチャートを用いて説明した従来のものと同じである。学習計算についても先述の(a)〜(j)で説明したものと同じである(S11,S13〜S17)。
しかし、この方法(S11,S13〜S17)では、次に述べるような問題が生じる。図3及び図4は2以上の圧延機から構成される冷間タンデム圧延機で被圧延材を圧延する場合の累積ひずみと変形抵抗との関係を示した図である。図3は従来の方法での一連の処理の流れの最初の段階で第1スタンド出側板厚を初期値に設定した場合の特性を模式的に示したものであり、第1スタンド出側板厚として設定した初期値が実際と異なる場合には、変形抵抗の特性曲線が第1スタンドと第2スタンドとで異なったものになっている(不連続なものになっている)。即ち、被圧延材の変形抵抗は累積ひずみとの関係で決まるものであり、その特性曲線が連続する2つのスタンドで不連続になるということは本来あり得ないことであるが、このような事態が起きるのは、上記の初期値が実際と異なり、不適切であったことによる。
そこで、図2に戻るが、本実施形態では、第1スタンド11での変形抵抗学習係数kA_1と第2スタンド12での変形抵抗学習係数kA_2とがそれぞれ計算より予測されると、両者がある一定の誤差範囲内(例えば±1%以内)にあるかどうかを判定し(S18)、そのある一定の誤差範囲内(例えば±1%以内)にない場合には、上記の第1スタンド11の出側板厚(第2スタンド12の入側板厚)の設定が不適切であったとして、第1スタンド11の出側板厚(第2スタンド12の入側板厚)をインクリメント的に少し修正する(S19)。例えばkA_1>kA_2であれば、第1スタンド11の出側板厚を1インクリメント分だけ薄くし、kA_1<kA_2であれば1インクリメント分だけ厚くする。このようにして、修正された出側板厚を第1スタンドの出側板厚と仮定して設定し(S12,S22)、上記の処理を繰り返していき、第1スタンド11での変形抵抗学習係数kA_1と第2スタンド12での変形抵抗学習係数kA_2とがそのある一定の誤差範囲内にあると判定されると(S18)、そのときの値を各スタンドの変形抵抗学習係数kA_1,kA_2の値として決定するとともに、そのときの摩擦係数学習係数の値を摩擦係数学習係数μA_1,μA_2として決定する(S20)。なお、この変形抵抗学習係数kA_1,kA_2については、両者が本発明を実施する者の定める任意の有効桁数の範囲内で一致していないときにはその平均値を求めて決定してもよい。
以上述べたように、第1スタンド出側板厚を修正して適切なものにすることにより(S19)、第1スタンド11での変形抵抗学習係数kA_1と第2スタンド12での変形抵抗学習係数kA_2とが結果として近づくことなり、図4に模式的に示されるように、変形抵抗の特性曲線が第1スタンド11と第2スタンド12とで同じものになる(連続したものになる)。なお、図3の例においては、第1スタンド11における変形抵抗の特性曲線は小さい側にずれて示されており、第2スタンド12における変形抵抗の特性曲線は大きい側にずれて示されているが、これは第1スタンド11の出側板厚が実際よりも薄めに設定されていたためであり(図3の例でいえば実際よりも累積歪みが大きめに設定されていることに相当する)、このため、第1スタンド11の出側板厚を初期値よりも厚めに設定し直すことにより、図4に模式的に示される特性曲線に近づいていく。
冷間タンデム圧延機の圧下位置(ロール間隙)及びロール速度は、背景技術の図8のフローチャートの処理(S31〜S33)と同様にして求められ、上記の第1スタンド11及び第2スタンド12において変形抵抗学習係数kA_1,kA_2及び摩擦係数学習係数μA_1,μA_2を求めたときと同種の被圧延材を圧延するのに先立って設定するようにする。その際、両スタンドである一定の誤差範囲内に収まった変形抵抗学習計数kA_1,kA_2と、摩擦係数学習係数μA_1,μA_2をそれぞれ掛け算し、予測変形抵抗と予測摩擦係数の値を圧下位置(ロール間隙)及びロール速度の設定のしかたに反映するようにする。
ここで、本発明の実施に好ましい形態について補足的に説明しておく。それは、変形抵抗学習係数ではなくて、予測変形抵抗そのものの計算の方法であるが、(6)式を用いた計算を、図5に示すごとく、第1スタンドの場合、現在の板厚hを、板厚計21により実測された圧延機列入側板厚(すなわち第1スタンド入側板厚)Hから、初期値として設定された第1スタンド出側板厚(収束計算により修正)までインクリメント的に少しずつ変更して、板厚の変化に対応した第1スタンドロールバイト内での被圧延材の予測変形抵抗Kst_1(h)をいくつか(各インクリメントに対応した数だけ)求める。このようにして求められたいくつかの被圧延材の予測変形抵抗Kst_1(h)の平均値を上記(1)式における予測変形抵抗Kとして用いるのも好ましい。
以上のように、本発明の実施形態においては、図2のフローチャートに示されるような学習計算が行われ、第1スタンド11及び第2スタンド12での変形抵抗学習係数がある一定の誤差範囲内になるような第1スタンド11の出側板厚を収束的に決定し、そして、そのときの変形抵抗学習係数により変形抵抗を修正し、摩擦係数学習係数により摩擦係数を修正するようにしているので、第1スタンド11の出側板厚(すなわち第2スタンド12にとっては入側板厚)の実績値が得られないとしても、各スタンド11,12での予測変形抵抗として、安定した圧延ができるような値を設定することができる。
(比較例)
先述のように、図8は従来発明者らの属する工場で実施していた変形抵抗学習係数を求める演算処理も含めた圧延機の設定のしかたについて示したフローチャートであり、これを比較例とする。以下、その内容について今少し説明すると、図2の処理のうち、(S18)、(S19)及び(S20)が無く、最初の段階で初期値として設定された第1スタンドの出側板厚(設定値)に基づいて第1スタンド及び第2スタンドの変形抵抗学習係数と第1スタンド及び第2スタンドの摩擦係数学習係数をそれぞれ求めており、第1スタンドの変形抵抗学習係数と第2スタンドの変形抵抗学習係数とが大きく異なっていても問題としないので、上記の第1スタンド11の出側の板厚の初期値が実際と異なる場合には、先述の図3に示したように、変形抵抗の特性曲線が第1スタンド11と第2スタンド12とで異なったものになる。このような状態の下では摩擦係数学習係数も不適切な値をとることになる。
図6は本発明が適用される4段5スタンド111〜115の冷間タンデム圧延機の構成例を示した図である。同圧延機の圧延機列入側(第1スタンド111入側)、第1スタンド111出側、第3スタンド113出側、圧延機列出側(第5スタンド115出側)には板厚計21〜24が設置されており、圧延中の被圧延材の板厚を測定する。また、圧延機列入側(第1スタンド111入側)、各スタンド111〜115間及び圧延機列出側(第5スタンド115出側)には張力計31〜36が設置されている。また、圧延機列の出側にはレーザードッブラー式等の板速計37が設置され、圧延機列の出側の板速を測定している。摩擦係数は各スタンドともμ0=0.02(固定値)として設定した。この圧延機を用いて、一般低炭素鋼板を2.0mmから0.8mmまで最終スタンドのロール速度にして1000mpmで安定して圧延している状態の各実績データにより学習計算を行った後に、2.0mmから0.7mmまでの圧延を試みた。
比較例(従来方法)では、板厚計のある圧延機列入側(第1スタンド111入側)、第1スタンド111出側、第3スタンド113出側、圧延機列出側(第5スタンド115出側)の板厚は板厚計21,22,23,24の実績値を用い、板厚計のない第2スタンド112出側及び第4スタンド114出側の板厚は初期値として設定した値通りになっているとした。各スタンドの実績圧延荷重と先進率(上記(5)式による)に基づき、各スタンドの変形抵抗学習係数kA_i及び摩擦係数学習係数μA_iを求め(図8のフローチャート参照)、2.0mmから0.7mmまでの圧延の設定計算を行い、実際に圧延を試みたところ、第2スタンド112でスリップに起因するロール疵が発生し、安定した圧延を行う事が出来なかった。
一方、本発明の実施例として、比較例(従来方法)に対して、第2スタンド112出側の板厚を第2スタンド112と第3スタンド113における変形抵抗学習係数が同じになるようにしたものとし(図2のフローチャート参照)、第4スタンド114出側の板厚を第4スタンド114と第5スタンド115における変形抵抗学習係数が同じになるようにしたものとした(図2のフローチャート参照)。すなわち、図6の第2スタンド112と第3スタンド113は、図1の第1スタンド11と第2スタンド12とに相当するものとし、図6の第4スタンド114と第5スタンド115は、図1の第1スタンド11と第2スタンド12に相当するものとした。第2スタンド112及び第4スタンド114の板厚を調整し直す毎に(S12)、上記の(5)式により実績先進率を変更し(図2のS14a)、各スタンドの変形抵抗学習係数kA_i及び摩擦係数学習係数μA_iをそれぞれ求め(S20)、それらの数値を用いて2.0mmから0.7mmまでの圧延の設定計算を行い、実際に圧延を試みたところ、問題なく圧延を行う事が出来た。
本発明の実施形態の冷間タンデム圧延機の構成図。 本発明の実施形態における、変形抵抗学習係数、圧下位置(ロール間隙)及びロール速度を決定するための演算処理の内容を示すフローチャート。 累積ひずみと変形抵抗との関係を示した図。 累積ひずみと変形抵抗との関係を示した図。 変形抵抗の予測のしかたを示した図。 本発明が適用される冷間タンデム圧延機の構成例を示す図。 冷間タンデム圧延機を含む薄鋼板の圧延システムの構成図。 従来の演算処理の内容を示すフローチャート。
符号の説明
11 第1スタンド、12 第2スタンド、21〜24 板厚計、31〜36 張力計、
41,42 ロードセル、50 プロセスコンピュータ。

Claims (2)

  1. 2以上の連続した圧延機で構成される冷間タンデム圧延機の内、連続した2つの圧延機で被圧延材を圧延する際の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を、各圧延機ごとに予測式により計算して予測し、前記被圧延材を前記連続した2つの圧延機で圧延した際の各圧延機の入出側張力の実績値と、該各圧延機での圧延荷重及び先進率の実績値と、前記連続した2つの圧延機の内の上流側圧延機の入側板厚及び下流側圧延機の出側板厚の実績値と、両圧延機間の被圧延材の板厚の仮定値とから、前記予測式を用いて実績変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を逆算し、この実績変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を前記予測した変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数でそれぞれ除した値を変形抵抗学習係数及び摩擦係数学習係数とそれぞれ定義し、次回同種の被圧延材を圧延する際の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数を、前記予測式により計算して予測した値に前記変形抵抗学習係数及び前記摩擦係数学習係数をそれぞれ掛算した値として予測する冷間タンデム圧延機における被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法において、
    前記連続した2つの圧延機間の板厚を、該連続した2つの圧延機での前記変形抵抗学習係数が、ある一定の誤差範囲内になるように収束的に決定することを特徴とする冷間タンデム圧延機における被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法。
  2. 請求項1記載の被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数の予測方法により得られた被圧延材の変形抵抗及びロール・被圧延材間の摩擦係数に基づいて圧延機のロール間隙及びロール速度を設定し、被圧延材を冷間圧延することを特徴とする冷間タンデム圧延方法。
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