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JP2006117964A - 磁気特性の優れた方向性電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた方向性電磁鋼板とその製造方法 Download PDF

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Tatsuhiko Sakai
辰彦 坂井
Hideyuki Hamamura
秀行 濱村
Satoshi Arai
聡 新井
Naoya Hamada
直也 浜田
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Abstract

【課題】高磁束密度で低鉄損の得られる素材において、良好な磁歪特性を持つ電磁鋼板とその製造方法を提供すること。
【解決手段】レーザビームを集光、照射して鉄損を低減した方向性電磁鋼板において、800A/mの磁化力において発生する鋼板の磁束密度B8(T)と、レーザビーム照射痕の圧延方向幅またはレーザビーム照射によって形成された環流磁区の圧延方向幅をW(μm)の関係を以下の範囲とすることを特徴とする。
B8<1.925T、且つ−1392.9×(B8)+2685.4≦W≦−2767.9×(B8)+5513.4
または、
B8≧1.925T、且つ0<W≦−2767.9×(B8)+5513.4
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザ照射によって鉄損を低減した磁気特性の優れた方向性電磁鋼板とその製造方法に関するものである。
鉄の結晶の磁化容易軸が鋼板全体でほぼ同一の方向にそろった鋼板は方向性電磁鋼板とよばれ、その方向は鋼板製造工程における圧延方向に一致している。この様な鋼板は磁化方向が一定であるトランス鉄芯の材料として非常に優れている。
方向性電磁鋼板の性能を示す重要な指標は磁束密度、鉄損、および磁歪である。
磁束密度は結晶の磁化容易軸のそろった度合い、すなわち結晶方位性が高い材料ほど大きくなる。磁束密度を表すパラメータとして一般にB8[T]が用いられ、これは磁化力800A/mにおいて鋼板に発生する磁束密度である。すなわちB8の値が大きい素材ほど結晶方位性が高く、一定の磁化力で発生する磁束密度が大きくなるため、小型で効率の優れたトランスが製造できるという利点がある。
鉄損の指標としては一般にW17/50[W/kg]が用いられる。W17/50は、最大磁束密度1.7T、周波数50Hzで交流励磁したときの鉄損値であり、小さい方が効率の高いトランスが製造できる。
磁歪はトランスの騒音を表す指標となるパラメータであり、一定の磁化力の下での圧延方向の鋼板の伸縮率を示す値である。この値が大きい素材をトランス鉄芯に用いると交流磁界においては騒音が大きくなる傾向がある。
以上のことから、磁束密度が高く、鉄損が低く、また磁歪が小さい程、トランス素材として性能の優れた方向性電磁鋼板ということになる。
従来、方向性電磁鋼板においては、鉄損が最も重要な指標と考えられ、様々な鉄損低減の方策が考案されてきた。鉄損は渦電流損とヒステリシス損に分離され、その中で渦電流損が鉄損の半分以上を占めている。ヒステリシス損は素材の結晶方位性が高いほど、すなわちB8が大きい鋼板ほど低い傾向にあり、鉄損低減の観点でも高B8素材は非常に有効である。
渦電流損は更に古典的渦電流損と異常渦電流損に分けられる。古典的渦電流損は鋼板の板厚に比例するため、材料の薄手化で低減されてきている。一方、圧延方向の磁区である180°磁区の磁壁間隔が狭い程、異常渦電流損は低減されることが磁区構造の詳細な研究により解明された。そこで磁区の細分化技術が種々考案されてきた。
その中で最も磁区細分化効果が高く、実用的な技術はレーザを用いる方法である。特許文献1には、YAGレーザの照射により圧延方向にほぼ垂直な線状で、圧延方向に周期的な歪みを鋼板に導入し、鉄損を低減する方法が開示されている。レーザ磁区照射された鋼板の磁区構造を、非特許文献1に示されているような走査型電子顕微鏡を用いて観測した写真を図4に示す。レーザ照射部直下の残留歪みを起点として発生する環流磁区8のエネルギーが、その近傍の静磁エネルギーを増加させるため、そのエネルギー不均一性を鋼板全体で緩和するように180°磁区7が細分化する。換言すると180°磁区の境界である磁壁9の間隔が狭くなり、異常渦電流損が低下するという原理に基づいている。この技術は一般にレーザ磁区制御と呼ばれる。
レーザ磁区制御技術として様々な方法が開示されており、例えば、特許文献2にはパルス発振COレーザを用いる方法、また、上記特許文献1には連続発振YAGレーザを用いて、照射ビーム径、パワー、走査速度等を規定し、しかも表面照射痕が発生しない方法も開示されている。また特許文献3では、ファイバレーザを用いて非常に細い集光ビーム径に限定し、少ないエネルギーで低い鉄損が得られる方法が本発明者らにより開示されている。上記いずれの技術においても鉄損改善効果に主眼を置き、照射条件をある特定の範囲に限定することで良好な鉄損特性を得ている。
しかし、トランス材料に対する特性向上の要求は依然として高く、特に最近は、環境問題の観点でトランス騒音の低減、またトランス小型化のニーズが大きい。
トランス小型化の観点では、前述のように磁束密度の高い素材が有効である。また磁束密度の高い素材は、一般に磁歪も小さい傾向にあることが知られており、トランス騒音も小さいことが期待される優れた素材である。しかし、磁束密度の高い素材にレーザを照射すると磁区制御効果により鉄損は大幅に削減されるものの、磁歪はレーザを照射する前に比べ増加し、その結果、騒音特性が劣化する場合があった。つまり従来の方向性電磁鋼板のレーザ磁区制御技術による、素材にあわせて磁歪の増加を抑制したような鋼板、あるいは鋼板の製造法はなかった。
特公平6−19112号公報 特開平6−57333号公報 特願2002−275711号 山本敏行等、固体物理、 Vol. 11、 No.9、 p516、 (1976)
本発明の課題は、高磁束密度で低鉄損の得られる素材において、レーザ照射によって良好な磁歪特性を持つ電磁鋼板とその製造方法を提供することにある。
本発明は以下に示す通りである。
(1)レーザビームを集光、照射して鉄損を低減した方向性電磁鋼板において、800A/mの磁化力において発生する鋼板の磁束密度をB8(T)とし、鋼板表面の絶縁被膜の蒸発によって発生したレーザビーム照射痕の圧延方向幅またはレーザ照射部直下に形成される環流磁区の圧延方向幅をW(μm)とするとき、B8とWが以下の関係にあることを特徴とする磁気特性の優れた方向性電磁鋼板である。
B8<1.925T、且つ−1392.9×(B8)+2685.4≦W≦−2767.9×(B8)+5513.4、
または、
B8≧1.925T、且つ0<W≦−2767.9×(B8)+5513.4
(2)レーザビームを集光、照射して鉄損を低減する方向性電磁鋼板の製造方法において、800A/mの磁化力において発生する鋼板の磁束密度をB8(T)とし、レーザ装置から出力されたレーザビームの鋼板面上の圧延方向集光径をdl(μm)とするとき、B8とdlが以下の関係にあることを特徴とする磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法である。
B8<1.925T、且つ−1392.9×(B8)+2685.4≦dl≦−2767.9×(B8)+5513.4、
または、
B8≧1.925Tにおいて0<dl≦−2767.9×(B8)+5513.4
(3)前記レーザ装置が、コア直径5μm以上、且つ500μm以下のファイバレーザ装置であることを特徴とする(2)に記載された磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法である。
本発明により、方向線電磁鋼板の磁束密度にあわせた最適な環流磁区が形成されるため、特に高磁束密度素材に於いて、鉄損が極めて低いと同時に、磁歪の増加は極力抑制され、高磁束密度、低鉄損、低騒音特性を同時に満足した方向性電磁鋼板が提供できる。本発明の方向性電磁鋼板を用いることで、高効率、小型、低騒音のトランスが製造可能である。
本発明者らは方向性電磁鋼板の磁歪がレーザ照射前後で変化することに着目し、レーザ照射で形成された環流磁区が鋼板の圧延方向の伸縮に影響を与えるものと推測した。この推測から、環流磁区が圧延方向に広く分布して形成されれば伸縮への影響はより大きく、逆に狭く形成されれば伸縮への影響度は少ないと考えられる。環流磁区の圧延方向分布の指標は、線状または点列状に形成された環流磁区の幅であると考えられる。環流磁区の圧延方向幅はレーザ照射ビーム径によって制御が可能であり、鋼板表面にレーザ照射痕が発生する照射方法では、照射痕の幅となって反映される。
そこで本発明者らはレーザ照射痕の幅とレーザ照射前後の磁歪の関係を素材のB8をパラメータに実験データの解析を行い、特に低磁歪の観点でも優れる本発明に係る方向性電磁鋼板とその製造方法を完成するに至った。以下、実施例を用いて本発明の方向性電磁鋼板とその製造方法を具体的に説明する。
図3は本実施例におけるレーザ集光、照射する方法の説明図である。レーザ装置1としてコア直径10μmのファイバレーザを用いた。ファイバレーザ装置1から出力されたレーザビーム2はポリゴンミラー3とスキャン集光レンズ4により、方向性電磁鋼板5に圧延方向とほぼ垂直な方向にスキャン照射される。圧延方向の照射ピッチPlは4mmである。照射部の鋼板表面には表面皮膜の蒸発により、集光ビーム径にほぼ一致する幅を持つ照射痕6が発生する。集光ビームの圧延方向径はdlであり、これはスキャンレンズと鋼板の距離を変更することで最低値を15μmとして任意に変更可能である。また、照射ビームの板幅方向径dcを変更することで、照射ビームのパワー密度を任意に変更することが可能である。dcを狭くして高強度ビームにすると表面皮膜の蒸発で目視可能な照射痕が発生する。また、dcを大きくしてパワー密度を低下させ、表面温度が皮膜の蒸発温度以下になるように制御すると、熱歪みによる環流磁区は形成されるが、目視可能な照射痕は発生しない。いずれの方法でも、従来技術である特許文献1または2等に開示されるように、高い鉄損改善効果を得ることができるため、本発明に適用できる。
ここで、表面にレーザ照射痕の発生する方法としない方法の各々の方法で製造された鋼板におけるレーザ照射痕、または環流磁区の幅の定義と観測方法を説明する。
照射痕が発生する方法では、表面照射痕幅Wは絶縁皮膜が飛散した部位の圧延方向幅の平均値と定義され、光学顕微鏡での観察が可能である。これは集光ビームの圧延方向径dlに一致する。
一方、レーザ照射痕が発生しない方法で製造された鋼板では、磁区構造観察により環流磁区幅を定義する。環流磁区は、表層に絶縁皮膜があるため一般的な数十kW程度の加速電圧の走査型電子顕微鏡では観測が難しい。そこで、鋼板表層の磁区構造のみに限られるが、100kV以上の高圧加速電圧の走査型電子顕微鏡を使うことで絶縁皮膜を通して磁区を観測できる。図4はこの方法で観測した表面照射痕が発生しない方法におけるレーザ照射部近傍の磁区構造の典型的な写真である。圧延方向に平行な白黒のコントラストを持つ磁区が180°磁区7である。それと直交する方向に線状に形成され、細かい白黒のコントラストを含む領域がレーザ照射部直下の磁区構造であり、環流磁区8と考えられる。この線状の領域の圧延方向平均幅を本発明における環流磁区の圧延方向幅と定義した。この時、レーザ照射ビーム径dlとの相関を調べた結果、環流磁区の幅Wはdlにほぼ一致していることがわかった。
図1はレーザ照射によって鉄損を低減した板厚0.23mmの方向性電磁鋼板において、レーザ照射によって鋼板表面に発生する照射痕の圧延方向幅Wと鋼板の磁歪λ17との関係を、鋼板の磁束密度B8をパラメータとして調べた実験結果である。尚、鉄損を十分に低減するため、各実験ではWとは独立に照射レーザエネルギー密度を最適化している。
レーザ照射痕の圧延方向幅Wは照射するレーザビームの集光径dlにより変更した。またλ17は最大磁束密度1.7Tにおける鋼板の伸縮率であり、これは(1)式で定義される。尚、λ17の測定は鋼板圧延方向に圧縮応力をかけない状態でまた交流励磁の周波数50Hzで測定した。
λ17=(磁化による最大伸縮長さ)/(消磁状態での鋼板長) (1)
λ17が大きい程、伸縮量も大きいことを示し、トランスの騒音も大きくなる傾向にある。尚、W=0μmでのλ17は、レーザ照射前の素材の磁歪値である。
この結果より、B8の高い素材ほどλ17は小さい傾向にあり、すなわち結晶方位性の高い素材は鋼板の収縮量も少ない。レーザを照射すると、1.925Tを越えるようなB8が非常に高い素材はWに係わらずλ17は増加し、1.90Tを下回るようなB8が低い素材はWの増加につれて、一旦λ17は素材のそれに比べ減少し、Wを更に拡大させると増加に転じることがわかった。
この結果から考察すると、レーザ照射によって発生する環流磁区は圧延方向に伸縮する性質を持っており、その伸縮量は環流磁区の幅に依存するものと考えられる。環流磁区は磁化方向が圧延方向と異なり、圧延方向に磁化する場合には大きな磁気モーメント変化が必要であり、その際僅かながらも原子間距離の変化が発生するものと考えられる。従って、元来、伸縮率の小さい高B8素材に環流磁区を形成するとその影響は大きく、また環流磁区幅Wが大きくなれば単調にその影響度は増加する。一方、B8が低い素材はレーザによる環流磁区が存在せずともある程度大きな磁歪を持ち、つまり、素材中に伸縮に係わる磁区構造を持つと考えられる。そこに新たな伸縮成分である環流磁区が形成されると、一定の環流磁区幅までは磁歪はむしろ減少するということは、素材の伸縮成分と環流磁区成分の伸縮が相殺し得ることを示すものである。更に、環流磁区幅を増加させると磁歪は増加に転ずることから、その様な領域では環流磁区による伸縮が支配的になるためである。素材中に含まれ、環流磁区と伸縮を相殺する磁区は、結晶方位性を劣化させる成分と考えられるため、すなわち素材のB8が小さいほどその相殺成分は多いといえる。従って、B8の比較的小さい素材は比較的幅広の環流磁区により磁歪を最小化することが可能である。またB8が非常に高い素材は、環流磁区との相殺する磁区成分が極めて少ないため、磁歪は単調増加となる。従って、高B8素材の場合はWを狭くして磁歪の増加を極力抑制することが可能である。
以上説明したように、レーザを照射して鉄損を低減した方向性電磁鋼板には、素材のB8に合わせて磁歪が低減される、あるいは磁歪の増加を抑制されるレーザ照射痕の幅、すなわち環流磁区幅にある範囲が存在することが判明した。このWの範囲を、本発明においては各B8素材における最低磁歪からの増加率が20%以下となる範囲と定義した。Wの範囲の最低値W1、最高値W2とB8の関係は図2のようになる。
すなわち、Wの値をB8の関数として表した以下の式(2)の範囲に限定することで、磁歪値が小さく、すなわちトランス騒音が抑制された本発明の方向性電磁鋼板が得られる。尚、B8≧1.925Tにおいてはレーザ照射を行うとλ17は単調に増加する傾向にあり、従って下限はW>0とした。
B8<1.925T、且つ−1392.9×(B8)+2685.4≦W≦−2767.9×(B8)+5513.4、
または、
B8≧1.925T、且つ0<W≦−2767.9×(B8)+5513.4 (2)
レーザ照射痕の圧延方向幅、あるいは環流磁区の幅Wは、前述したように集光レーザビームの圧延方向幅dlにほぼ相当する。従って、本発明の電磁鋼板の製造方法においてはdlを以下の(3)式の範囲とすることが好ましい。
B8<1.925T、且つ−1392.9×(B8)+2685.4≦dl≦−2767.9×(B8)+5513.4、
または、
B8≧1.925Tにおいて0<dl≦−2767.9×(B8)+5513.4 (3)
また、レーザ照射方法として、従来技術で開示されるように、レーザビームの集光形状を板幅方向に長軸を持つ長楕円にして、パワー密度を下げて、表面照射痕を抑制する方法がある。この場合も表面照射痕は発生しないものの、dlに相当する環流磁区幅が形成されるため、この様な方法でも本発明の鋼板を製造できる。
尚、本発明では鋼板の磁束密度の定義にB8を用いたが、発明の本質は鋼板の結晶方位性に合わせて環流磁区幅を最適値に選ぶことにある。結晶方位性を表す際にはB8以外に例えば磁化力1000A/mでの磁束密度B10等が用いられる場合もあるが、その様な場合もB8を測定して本発明の範囲からWを決定すればよい。
次に本発明に用いる最適なレーザ装置について説明する。本発明では特に磁束密度の高い素材において、低鉄損と低磁歪の実現が可能であるが、中でもB8>1.93Tの高磁束密度ではレーザビームの圧延方向集光径dlは150μm以下が好ましい。この様な非常に小さい集光径を実現するにはコア径の細いファイバレーザが最適である。
一般的に集光ビーム径dの指標は式(4)で表される。
d=4/π×M×f×λ/D (4)
この式において、Mはレーザ装置によって決まるビーム品質パラメータ、fは集光レンズの実効焦点距離、λはレーザ波長、Dは集光レンズへの入射ビーム径である。この式より集光径を縮小可能なレーザはビーム品質パラメータが小さく、波長の短いレーザである。
従来技術で一般に使用されるレーザはYAGレーザとCOレーザである。YAGレーザは波長は1.06μmと比較的短いものの、電磁鋼板の磁区制御に使用できる出力の装置では一般的にM値が20以上と大きいために集光径は200μm程度が限界である。またCOレーザの場合、Mは2以下も可能であるが、波長が10μm程度と長いため、やはり実用上は集光径200μm程度となる。特に、100μm以下の集光はYAG、COレーザでは実用的な焦点距離を確保する限り、非常に困難である。一方、ファイバレーザは発振媒体に光ファイバを用いており、レーザ発振するコア径を細くすることで非常にビーム品質に優れたレーザ光が得られる。コア径10μmではMは1.1程度となる。また波長も1〜2μmであるため、(4)式で考えると、従来レーザに比べ大幅に集光能力に優れる。ファイバレーザによって実用上容易に達成できる集光径の目安としては、コア径と同等から半分程度の径までと考えることが妥当である。本実施例では10μm程度の極めて細い集光ビームの実験を行うため、コア径10μmのファイバレーザを用いた。細いコア径であればレンズの焦点距離を長くする等で太い集光ビーム径の達成は容易である。しかし、図2で明らかなように、低B8素材では最大250μm程度、高B8素材では最大100μm程度であるため、本発明において使用するファイバレーザのコア径としては500μm以下が好ましく、更に高B8素材においてはコア径200μm以下のファイバレーザを用いることが好ましい。尚、波長1〜2μm帯のファイバレーザのレーザ発振可能な最小モード径は5μm程度である。従って、本発明に使用可能なファイバレーザのコア径は5μm以上である。
レーザ照射痕幅Wと磁歪λ17の関係を示す図である。 磁歪抑制の観点で最適なレーザ照射痕幅Wの最小、最大値と素材の磁束密度B8の関係を示す図である。 本発明に係わるレーザ照射装置の説明図である。 レーザ磁区照射された鋼板の磁区構造を、走査型電子顕微鏡を用いて観測した写真。
符号の説明
1 レーザ装置
2 レーザビーム
3 ポリゴンミラー
4 ビームスキャンレンズ
5 方向性電磁鋼板
6 レーザ照射痕または環流磁区
7 180°磁区
8 環流磁区
9 180°磁壁

Claims (3)

  1. レーザビームを集光、照射して鉄損を低減した方向性電磁鋼板において、800A/mの磁化力において発生する鋼板の磁束密度をB8(T)とし、鋼板表面の絶縁被膜の蒸発によって発生したレーザビーム照射痕の圧延方向幅またはレーザ照射部直下に形成される環流磁区の圧延方向幅をW(μm)とするとき、B8とWが以下の関係にあることを特徴とする磁気特性の優れた方向性電磁鋼板。
    B8<1.925T、且つ−1392.9×(B8)+2685.4≦W≦−2767.9×(B8)+5513.4、
    または、
    B8≧1.925T、且つ0<W≦−2767.9×(B8)+5513.4
  2. レーザビームを集光、照射して鉄損を低減する方向性電磁鋼板の製造方法において、800A/mの磁化力において発生する鋼板の磁束密度をB8(T)とし、レーザ装置から出力されたレーザビームの鋼板面上の圧延方向集光径をdl(μm)とするとき、B8とdlが以下の関係にあることを特徴とする磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
    B8<1.925T、且つ−1392.9×(B8)+2685.4≦dl≦−2767.9×(B8)+5513.4、
    または、
    B8≧1.925T、且つ0<dl≦−2767.9×(B8)+5513.4
  3. 前記レーザ装置が、コア直径5μm以上、且つ500μm以下のファイバレーザ装置であることを特徴とする請求項2に記載の磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
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