JP2006112014A - 繊維強化熱可塑性樹脂よりなる安全帽の帽体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス繊維などの強化繊維を含む熱可塑性樹脂によって成形した安全帽の帽体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】繊維強化熱可塑性樹脂により製造した安全帽の帽体であって、当該帽体13を射出成形した際のゲート25に対応する部分に、厚肉の凸状部15を備え、この厚肉凸状部15の表面に、前記繊維を覆うスキン層を備えている安全帽の帽体である。その製造方法は、ホットランナー金型17における雄型19と雌型21との間に備えたキャビティ23内に、当該ホットランナー金型17に備えたゲート25から前記繊維強化熱可塑性樹脂を射出し、上記ホットランナー金型17に備えたバルブピン47によって前記ゲート25を閉止した後、前記バルブピン47の先端面と前記繊維強化熱可塑性樹脂との接触部にスキン層を形成し、前記バルブピン47と前記スキン層とが剥離する程度に前記スキン層が冷却した後に前記雄型19と雌型21とを離型して、前記キャビティ23内から帽体13を取出す安全帽の帽体の製造方法である。
【選択図】図2
【解決手段】繊維強化熱可塑性樹脂により製造した安全帽の帽体であって、当該帽体13を射出成形した際のゲート25に対応する部分に、厚肉の凸状部15を備え、この厚肉凸状部15の表面に、前記繊維を覆うスキン層を備えている安全帽の帽体である。その製造方法は、ホットランナー金型17における雄型19と雌型21との間に備えたキャビティ23内に、当該ホットランナー金型17に備えたゲート25から前記繊維強化熱可塑性樹脂を射出し、上記ホットランナー金型17に備えたバルブピン47によって前記ゲート25を閉止した後、前記バルブピン47の先端面と前記繊維強化熱可塑性樹脂との接触部にスキン層を形成し、前記バルブピン47と前記スキン層とが剥離する程度に前記スキン層が冷却した後に前記雄型19と雌型21とを離型して、前記キャビティ23内から帽体13を取出す安全帽の帽体の製造方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば産業用安全帽などのごとき安全帽の帽体及びその製造方法に係り、さらに詳細には、例えばガラス繊維などのごとき強化繊維を含む繊維強化熱可塑性樹脂によって成形した安全帽の帽体及びその製造方法に関する。
従来、例えばガラス繊維などのごとき強化繊維を熱硬化性樹脂内に含んだ構成の安全帽の帽体は、次のようにして製造されている。すなわち、予め帽体形状に対応した形状に表面を形成した型を使用し、この型の上記表面に多数備えた微小な吸引孔から空気を吸引すると共に前記型の表面に強化繊維を散布する。そして、この型の表面に強化繊維を吸引積層して帽体形状に対応した形状に強化繊維を予備成形する。
その後、この予備成形した強化繊維を、圧縮成形金型におけるキャビティ内にセットすると共にキャビティ内に成形材料として熱硬化性樹脂を供給し、金型内の成形材料を加熱加圧して圧縮成形を行うことにより、強化繊維を内包した帽体を製造している。
上述のように、圧縮成形方法によってガラス繊維などの強化繊維を含む帽体を製造すると、樹脂内に微小な気泡が多数含まれることとなる。この気泡の分だけ、絶縁に必要な有効肉厚が低下するから、耐電圧性が劣り、労働省告示第三三号絶線用保護具等の規格に不合格になるという問題がある。
そこで、例えばガラス繊維などの強化繊維を含みながらも耐電圧性の性能を向上した安全帽の帽体及びその製造方法が提案されている。(例えば特許文献1)
特開2003−105620号公報
前記特許文献1に記載の帽体の製造方法は、ガラス繊維を含んだ熱可塑性樹脂を射出成形によって製造するものである。前記特許文献1による製造方法を模擬的に図面化すると、図4に示すようになる。すなわち、成形金型1における雄型3と雌型5との間に形成されたキャビティ7に、スプルゲート(ダイレクトゲート)9から、ガラス繊維を含む熱可塑性樹脂を射出成形すると、図4(B)に示すように、スプルー11を備えた帽体13が成形される。
ガラス繊維を含む溶融熱可塑性樹脂をキャビティ7に流し込むとき、ガラス繊維は流れ方向に引き揃えられる傾向にある。したがって、前記スプルー11の部分には、ガラス繊維はスプルー11の長手方向にほぼ平行な状態に揃えられている傾向にある。前述のように、帽体13の一部にスプルー11を備えた構成においては、前記スプルー11を切断する必要がある。
前述のように、スプルー11を単に切断した状態において、帽体13を耐電圧試験を行うために、耐電圧試験容器の水中内にセットすると、前記スプルー11を切断したことによりガラス繊維の端部が表面に露出し、ガラス繊維部分の毛細管現象等により水が帽体13内に侵入することがある。このように帽体13内に水が僅かでも侵入すると、耐電圧試験時の高電圧に対する絶縁性が低下し、耐電圧試験に合格する確率が低下し、歩留まりが悪くなるという問題がある。
したがって、従来においてはスプルー11を切断することは勿論のこと、切断面に対して接着剤又は溶融樹脂あるいは塗料等の塗布等を行って、前記毛細管現象が生じることを防止する必要がある。すなわち、帽体13を射出成形した後にゲート処理(スプルーの切断,切断面への接着剤等の塗布などの処理)が必要であるという問題がある。また、前述のようにスプルー11の切断面に接着剤等を塗布したような場合であっても、衝撃等によってクラックが入ったり、長時間のうちには接着剤がはげ落ちることがあるなどの問題がある。
本発明は、上述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、繊維強化熱可塑性樹脂により製造した安全帽の帽体であって、当該帽体を射出成形した際のゲートに対応する部分に、厚肉の凸状部を備え、この厚肉凸状部の表面に、前記繊維を覆うスキン層を備えていることを特徴とするものである。
また、繊維強化熱可塑性樹脂によって安全帽の帽体を製造する方法であって、ホットランナー金型における雄型と雌型との間に備えたキャビティ内に、当該ホットランナー金型に備えたゲートから前記繊維強化熱可塑性樹脂を射出し、上記ホットランナー金型に備えたバルブピンによって前記ゲートを閉止した後、前記バルブピンの先端面と前記繊維強化熱可塑性樹脂との接触部にスキン層を形成し、前記バルブピンと前記スキン層とが剥離する程度に前記スキン層が冷却固化した後に前記雄型と雌型と離型して、前記キャビティ内から帽体を取出すことを特徴とするものである。
本発明によれば、安全帽の帽体を射出成形した際のゲートに対応する部分に凸状の厚肉部を備え、この厚肉部の表面に繊維を覆うスキン層を備えているものであるから、繊維の端部が表面にでるようなことがなく、繊維部分の毛細管現象等を防止でき、耐電圧性の向上を図ることができるものである。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明するに、前述した従来技術の構成要素と同一機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして重複した説明は省略する。
図1を参照するに、本発明の実施形態に係る安全帽の帽体13は、従来の一般的な帽体と同様の形状をなしている。この帽体13は、例えばガラス繊維などのごとき適宜の強化繊維を熱可塑性樹脂に含んでなる繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形することによって成形されたものであって、帽体13を射出成形した際の射出成形金型におけるゲートに対応した部分には、肉厚の凸状部15を備えている。
既に理解されるように、帽体13は、繊維強化熱可塑性樹脂により射出成形してなるものであるから、帽体13内には、射出成形時の樹脂の流れ方向に大略揃った状態に強化繊維が含まれており、前記肉厚の凸状部15にも強化繊維が含まれている。しかし、上記凸状部15の表面には前記強化繊維を覆うスキン層が形成されていて、この凸状部15の表面には強化繊維は露出していないものである。
前記繊維強化熱可塑性樹脂としては、前記特許文献1に記載されているように、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタンなどのごとき適宜の熱可塑性樹脂に、強化繊維の一例としてガラス繊維を適量含ませたものであっても良い。
しかし、繊維強化熱可塑性樹脂としては、前記熱可塑性樹脂に対するガラス繊維含有率が10〜70質量%、好ましくは15〜50質量%が望ましい。そして、成形に使う繊維長としては最大50mm、好ましくは25mmさらに好ましくは15mmが望ましい。さらに、質量平均繊維長としては0.6mm以上、好ましくは2mm以上であることが望ましい。なお、ガラス繊維の質量平均繊維長の算出方法は、前記特許文献1に記載されており、公知であるから説明は省略する。
前記帽体13を射出成形するための射出成形金型17はホットランナー金型よりなるものであって、図2に示すように、雄型19と雌型21とを備えており、雄型19と雌型21との間には前記帽体13を射出成形するためのキャビティ23が形成されている。このキャビティ23に対して繊維強化熱可塑性樹脂を射出するために、前記雄型19又は雌型21の適宜一方にゲート25が形成されている。
ところで、前記キャビティ23に対して樹脂を射出するためのゲート25を雄型19側に設けるか、又は雌型21側に設けるかは設計的事項にすぎないものであり、本実施形態において、ゲート25は雄型19側に設けてある。
より詳細には、雄型19内には、ホットノズル27が埋設してある。このホットノズル27内の樹脂流動部29は、内部に溶融樹脂が滞留することのないように形成してある。すなわち、樹脂流動部29と前記ゲート25に連通するスプルー部31との接続部はスプルー部31側が次第に小径となるテーパ状に形成してある。そして、前記樹脂流動部29内の溶融樹脂を適正温度に制御するために、前記ホットノズル27の周囲にはヒータ33が設けられている。そして、前記ヒータ33と雄型19との間には、ヒータ33から雄型19への伝熱を抑制するための断熱部34が設けてある。この断熱部34の構成としては、空間(断熱空間)の構成や、断熱部材を内装した構成とすることができる。
前記雄型19に一体的に設けた型取付板35には、射出成形機(図示省略)に備えたノズルと係脱可能な球状凹部37を備えたスプルーブッシュ39が設けてあり、かつ型取付板35には、ロケートリング41が設けられている。前記スプルーブッシュ39に設けた前記凹部37と前記樹脂流動部29は、スプルーブッシュ39,ホットノズル27に設けた連通路42によって連通してある。
また、前記型取付板35には、前記スプルーブッシュ39を囲繞した環状の流体圧シリンダ43が形成してあり、この流体圧シリンダ43にはピストン45が往復動自在に嵌合してある。そして、このピストン45には、前記ホットノズル27における前記スプルー部31を先端部でもって開閉自在なバルブピン47の基端部が一体的に取付けてある。なお、図2には、バルブピン47の先端部でもってスプルー部31を閉じた状態が図示されている。
以上のごとき構成において、型取付板35に設けたポートP1から流体圧シリンダ43内へ作動流体を供給し、図2において、ピストン45を上側へ移動してバルブピン47によるスプルー部31の閉止を解除し、図3に示すように、スプルー部31を開いた状態にあるとき、射出成形機におけるノズルからスプルーブッシュ39の凹部37へ繊維強化熱可塑性樹脂を供給すると、上記熱可塑性樹脂は、連通路42、樹脂流動部29、スプルー部31を経てゲート25からキャビティ内へ射出成形される。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が、経済性や成形条件などの特性、ヘルメットとなった時の機能性から考えて好ましい。更に好ましくはポリプロピレンを用いるのが良い。
上述のごとく繊維強化熱可塑性樹脂をキャビティ23内へ射出成形するときの溶融した熱可塑性樹脂の温度は190〜290℃好ましくは200〜280℃が望ましく、金型温度は10〜110℃好ましくは20〜90℃が望ましい。そして、前記キャビティ23へ前記樹脂を射出する時間は0.5〜10sec 好ましくは1〜8sec が望ましい。
なお、上述の温度条件や時間条件、及び後述の温度条件時間はポリプロピレンの場合で記載してあるが、ポリプロピレン以外の前述の熱可塑性樹脂に変更する場合は、その特性に応じて条件を変更することで対応するのは勿論のことである。
すなわち、前記樹脂温度が190℃以下になると樹脂の流動性が低下し射出圧力を高める必要があり、駆動系が大型化する傾向にあり望ましいものではない。また、樹脂温度が290℃以上になると、樹脂の粘度が低下し、樹脂に対するガラス繊維の分布が不均一になる傾向を生じがちになると共に、樹脂とガラス繊維の比重の相違によりガラス繊維が表面に出て光沢面を出しにくいという問題がある。そして、金型温度が10℃以下の場合には、キャビティ23内へ射出された樹脂の温度低下が大きく、樹脂の流動性が低下するので望ましいものではなく、逆に金型温度が110℃以上になると、キャビティ23内の樹脂が冷却固化するまでの時間が長くなり、生産性の向上を考慮すると望ましいものではない。さらに射出時間が0.5sec 以下の場合には、キャビティ23に対する樹脂の充填が不充分になることがあり、逆に射出時間が10sec 以上になると、品質良好な成形品の生産性の低下になるので望ましいものではない。
前述のごとく、キャビティ23内へ繊維強化熱可塑性樹脂を射出すると、前記キャビティ23の内面と前記樹脂との接触部には、キャビティ23の内面が樹脂温度に比較して低温であることによりスキン層が形成される。そして、キャビティ23内に樹脂が加圧充填されると、キャビティ23の内面全体に亘ってスキン層が形成され、次第にスキン層が厚くなり、樹脂の中心部のコア層の冷却固化が行われ、射出成形品全体の冷却固化が行われることになる。
ところで、ゲート部分の厚肉の凸条部15の表面に、本発明に記載したガラス繊維を覆うスキン層を形成できる要因は樹脂とガラス繊維との比重が異なることと表面張力等が関係していると思われる。
すなわち、ホットランナー金型17において、ゲート25からキャビティ23内へ繊維強化熱可塑性樹脂を充填するとき、樹脂内のガラス繊維は樹脂の流れ方向に揃えられる傾向にある。したがって、前記ゲート25の部分においては、ガラス繊維等の強化繊維の長さ方向は、ゲート25の径方向に対してほぼ直交する方向にある。ここで、キャビティ23内へ樹脂を充填した後、前記型取付板35に設けたポートP2から流体圧シリンダ43内へ作動流体を供給し、図3において、ピストン45を下方向へ移動して、図2に示すように、バルブピン47の先端部(先端面)でもってスプルー部31を閉止すると、スプルー部31内の溶融樹脂がバルブピン47の急速移動によって押圧流動されると共にキャビティ23に対する樹脂の供給が急激に停止される。
この場合、ゲート25の部分においては、前記バルブピン47の移動停止によって、樹脂の流動が急激に停止されると、溶融樹脂とガラス繊維との比重差によって、ガラス繊維の流速と樹脂の流速に差を生じ、ガラス繊維は、樹脂内に僅かに没入される。更に、ゲート25内の樹脂のみが前記バルブピン47の先端面に表面張力により引き寄せられ接触した状態にある。前記樹脂の接触したバルブピン47の先端部の熱は熱伝導によって溶融した樹脂よりも温度の低い雄型19側にうばわれ、バルブピン47の先端部の温度は樹脂温度より低い状態となる。したがって、前記バルブピン47の先端面とゲート25内の樹脂との接触部にはガラス繊維の存在しない樹脂層を生成させることができ、その樹脂層を温度の低いパルプピン47で速く冷却することとなり、結果としてガラス繊維を殆ど含まない薄いスキン層が形成される。このスキン層がある程度冷却固化されると、樹脂の粘性が低下するので、前記バルブピン47の先端面とゲート25内の樹脂との剥離性が向上し、金型から離脱時にヘルメットがバルブピン47に固着しないような効果を奏する。
上述のように、射出成形工程を経て、ゲート25内の樹脂とバルブピン47とが剥離するようになった後に、前記雄型19と雌型21との係合を離脱し、キャビティ23から射出成形品を取り出すことにより、図1に示した帽体13が得られるものである。
前述のごとき射出成形によって得られた帽体13は、前記ゲート25に対応した部分に、帽体13より肉厚の凸状部15を備えた構成であって、この凸状部15の表面には、樹脂内の繊維を覆う薄いスキン層が形成されているので、ガラス繊維等の強化繊維が表面に出るようなことはなく、前述したごとき繊維部分の毛細管現象等を防止することができる。すなわち、耐電圧を良好に保持することができるものである。
以上のごとき説明より理解されるように、大きく突出したスプルーを形成することなく帽体を射出成形することができ、かつゲート25に対応した肉厚の凸状部15は表面にスキン層を備えて繊維を覆っているので、従来のごとき問題を解消することができるものである。
13 帽体
15 凸状部
17 ホットランナー金型
19 雄型
21 雌型
23 キャビティ
25 ゲート
47 バルブピン
15 凸状部
17 ホットランナー金型
19 雄型
21 雌型
23 キャビティ
25 ゲート
47 バルブピン
Claims (2)
- 繊維強化熱可塑性樹脂により製造した安全帽の帽体であって、当該帽体を射出成形した際のゲートに対応する部分に、厚肉の凸状部を備え、この厚肉凸状部の表面に、前記繊維を覆うスキン層を備えていることを特徴とする安全帽の帽体。
- 繊維強化熱可塑性樹脂によって安全帽の帽体を製造する方法であって、ホットランナー金型における雄型と雌型との間に備えたキャビティ内に、当該ホットランナー金型に備えたゲートから前記繊維強化熱可塑性樹脂を射出し、上記ホットランナー金型に備えたバルブピンによって前記ゲートを閉止した後、前記バルブピンの先端面と前記繊維強化熱可塑性樹脂との接触部にスキン層を形成し、前記バルブピンと前記スキン層とが剥離する程度に前記スキン層が冷却固化した後に前記雄型と雌型と離型して、前記キャビティ内から帽体を取出すことを特徴とする安全帽の帽体の製造方法。
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