JP2006100774A - コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンデンサ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、陽極11の表面が酸化されて形成された誘電体層12と、誘電体層12上に形成された陰極13とを有するコンデンサにおいて、陰極13が、π共役系導電性高分子とドーパントと窒素含有芳香族性環式化合物とを含む固体電解質層13aを具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
π共役系導電性高分子の形成法としては、電解重合法(特許文献2参照)と化学酸化重合法(特許文献3参照)とが広く知られている。
しかし、電解重合法では、弁金属多孔質体表面にマンガン酸化物からなる導電層をあらかじめ形成しておく必要があり、非常に煩雑である上に、マンガン酸化物は導電性が低く、高導電性のπ共役系導電性高分子を使用する効果が薄れるという問題があった。
また、化学酸化重合法では、重合時間が長く、また、厚みを確保するために繰り返し重合しなければならず、コンデンサの生産効率が低かった上に、導電性も低かった。
陰極が、π共役系導電性高分子とドーパントと窒素含有芳香族性環式化合物とを含む固体電解質層を具備することを特徴とする。
本発明のコンデンサにおいては、前記陰極が、さらに電解液を含むことが好ましい。
また、本発明のコンデンサにおいては、前記ドーパントが、アニオン基を有する可溶化高分子であることが好ましい。
さらに、本発明のコンデンサにおいては、窒素含有芳香族性環式化合物が置換若しくは未置換のイミダゾール類、あるいは、置換若しくは未置換のピリジン類であることが好ましい。
本発明のコンデンサにおいては、陰極の固体電解質層中の窒素含有芳香族性環式化合物が架橋していることが好ましい。
本発明のコンデンサの製造方法は、弁金属の多孔質体からなる陽極と該陽極の表面が酸化されて形成された誘電体層とを有するコンデンサ中間体における誘電体層側表面に、π共役系導電性高分子とドーパントと窒素含有芳香族性環式化合物と溶媒とを含む導電性高分子溶液を塗布して塗膜を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明のコンデンサの製造方法においては、前記導電性高分子溶液中の窒素含有芳香族性環式化合物が、架橋性官能基を有することが好ましい。
その場合、前記導電性高分子溶液が架橋性化合物をさらに含有することが好ましい。
また、窒素含有芳香族性環式化合物が架橋性官能基を有する場合には、導電性高分子溶液の塗膜を形成した後、該塗膜に熱または紫外線照射処理を施すことが好ましい。
本発明のコンデンサにおいて、陰極に電解液が含まれていれば、静電容量の引き出し率が高くなる。
また、ドーパントがアニオンを有する可溶化高分子であればπ共役系導電性高分子の溶媒溶解性を高くできる。
さらに、窒素含有芳香族性環式化合物が、置換若しくは未置換のイミダゾール類、または、置換若しくは未置換のピリジン類であれば、溶媒溶解性に優れる。
本発明のコンデンサの製造方法によれば、陰極の導電性が高く、等価直列抵抗が小さいコンデンサを簡便に製造できる。
図1は、本実施形態例のコンデンサの構成を示す図である。このコンデンサ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、陽極11の表面が酸化されて形成された誘電体層12と、誘電体層12上に形成された陰極13とを有して概略構成されている。
陽極11をなす弁金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。これらのうち、アルミニウム、タンタル、ニオブが好適である。
陽極11の具体例としては、アルミニウム箔をエッチングして表面積を増加させた後、その表面を酸化処理したものや、タンタル粒子やニオブ粒子の焼結体表面を酸化処理してペレットにしたものが挙げられる。このように処理されたものは表面に凹凸が形成されている。
誘電体層12は、例えば、アジピン酸アンモニウム水溶液などの電解液中にて、金属体11の表面を陽極酸化することで形成されたものである。よって、図1に示すように、陽極11と同様に誘電体層12の表面にも凹凸が形成されている。
陰極13は、固体電解質層13aと、固体電解質層13a上に形成されたカーボン、銀、アルミニウム等で構成される陰極導電層13bとを具備するものであり、固体電解質層13aは、π共役系導電性高分子とドーパントと窒素含有芳香族性環式化合物とを含むものである。
陰極導電層13bがカーボン、銀等で構成される場合には、例えば、カーボン、銀等の導電体を含む導電性ペーストから形成することができる。また、陰極導電層13bがアルミニウムで構成される場合には、例えば、アルミニウム箔から形成することができる。
また、固体電解質層13aと陰極導電層13bとの間には、必要に応じて、セパレータを設けることができる。
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性、バインダ樹脂への相溶性を得ることができるが、導電性及び相溶性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
これらの中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が抵抗値、反応性の点から好適に用いられる。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。
その際、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーとしては、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等を使用することができる。
酸化剤としては、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム、ぺルオキソ二硫酸カリウム等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が使用できる。
ドーパントは、π共役系導電性高分子の導電性及び耐熱性を向上させるためのものである。ドーパントとしては、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸などが用いられ、具体的には、有機シアノ化合物、有機カルボン酸や有機スルホン酸等の有機酸、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどが挙げられる。
有機酸としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
有機酸の中でも、後述するアニオン基含有可溶化高分子は、ドーパントとして役割を発揮するだけでなく、π共役系導電性高分子を溶媒に良好に可溶化させる働きを持ち、塗料化を可能にするから特に好ましく使用される。
アニオン基含有可溶化高分子としては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
ポリアルケニレンとしては、主鎖にビニル基が1個含まれる構成単位からなるポリマーが挙げられ、中でも、不飽和結合とπ共役系導電性高分子との相互作用があること、置換若しくは未置換のブタジエンを出発物質として合成しやすいことから、置換若しくは未置換のブテニレンが好ましい。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6, 10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシ基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶媒への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。上記置換基の中では、アルキル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基が好ましい。
ヒドロキシ基としては、アニオン基含有可溶化高分子の主鎖に直接結合したヒドロキシ基、アニオン基含有可溶化高分子の主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基、アニオン基含有可溶化高分子の主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したヒドロキシ基等が挙げられる。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基がより好ましい。
エステル基としては、アニオン基含有可溶化高分子の主鎖に直接結合したアルキル系エステル基、芳香族系エステル基、他の官能基を介在してなるアルキル系エステル基又は芳香族系エステル基を挙げることができる。
シアノ基としては、アニオン基含有可溶化高分子の主鎖に直接結合したシアノ基、アニオン基含有可溶化高分子の主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したシアノ基、アニオン基含有可溶化高分子の主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したシアノ基等を挙げることができる。
その際、スルホ基含有重合性モノマーとしては、重合可能なモノマーの適宜な部位にスルホ基が置換されてなるものであれば使用できる。例えば、置換若しくは未置換のエチレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のスチレンスルホン酸化合物、置換複素環スルホン酸化合物、置換アクリルアミドスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のシクロビニレンスルホン酸化合物、置換若しくは未置換のブタジエンスルホン酸化合物、ビニル芳香族スルホン酸化合物が挙げられる。
置換若しくは未置換のスチレンスルホン酸化合物の具体例としては、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、α−メチルスチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸塩等が挙げられる。
置換アクリルアミドスルホン酸化合物の具体例としては、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩等が挙げられる。
置換若しくは未置換のシクロビニレンスルホン酸化合物の具体例としては、シクロブテン−3−スルホン酸、シクロブテン−3−スルホン酸塩等が挙げられる。
置換若しくは未置換のブタジエンスルホン酸化合物の具体例としては、イソプレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸塩、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸塩、1−メチル−1,3−ブタジエン−2−スルホン酸、1−メチル−1,3−ブタジエン−3−スルホン酸塩、1−メチル−1,3−ブタジエン−4−スルホン酸、1−メチル−1,3−ブタジエン−4−スルホン酸塩等が挙げられる。
これらの中では、ビニルスルホン酸塩、スルホエチルメタクリレート、スルホエチルメタクリレート塩、4−スルホブチルメタクリレート、4−スルホブチルメタクリレート塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、イソプレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸塩が好ましい。
窒素含有芳香族性環式化合物とは、少なくとも1個以上の窒素原子を含む芳香族性環を有し、芳香族性環中の窒素原子が芳香性環中の他の原子と共役関係を持つものである。共役関係となるためには、窒素原子と他の原子とが不飽和結合を形成している。あるいは、窒素原子が直接的に他の原子と不飽和結合を形成していなくても、不飽和結合を形成している他の原子に隣接していればよい。窒素原子上に存在している非共有電子対が、他の原子同士で形成されている不飽和結合と擬似的な共役関係を構成できるからである。
窒素含有芳香族性環式化合物においては、他の原子と共役関係を有する窒素原子と、不飽和結合を形成している他の原子に隣接している窒素原子を共に有することが好ましい。
また、窒素含有芳香族性環式化合物は、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基、カルボニル基等の置換基が環に導入されたものでもよいし、導入されていないものでもよい。また、環は多環であってもよい。
ヒドロキシ基としては、ヒドロキシ、メチレンヒドロキシ、エチレンヒドロキシ、トリメチレンヒドロキシ、テトラメチレンヒドロキシ、ペンタメチレンヒドロキシ、ヘキサメチレンヒドロキシ、ヘプタメチレンヒドロキシ、プロピレンヒドロキシ、ブチレンヒドロキシ、エチルメチレンヒドロキシ等のアルキレンヒドロキシ基、プロペニレンヒドロキシ、ブテニレンヒドロキシ、ペンテニレンヒドロキシ等のアルケニレンヒドロキシ基が挙げられる。
カルボキシ基としては、カルボキシ、メチレンカルボキシ、エチレンカルボキシ、トリメチレンカルボキシ、プロピレンカルボキシ、テトラメチレンカルボキシ、ペンタメチレンカルボキシ、ヘキサメチレンカルボキシ、ヘプタメチレカルボキシ、エチルメチレンカルボキシ、フェニルエチレンカルボキシ等のアルキレンカルボキシ、イソプレンカルボキシ、プロペニレンカルボキシ、ブテニレンカルボキシ、ペンテニレンカルボキシ等のノアルケニレンカルボキシ基が挙げられる。
フェノール基としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール等のアルキルフェノール基、メチレンフェノール、エチレンフェノール、トリメチレンフェノール、テトラメチレンフェノール、ペンタメチレンフェノール、ヘキサメチレンフェノール等のアルキレンフェノール基等が挙げられる。
フェニル基としては、フェニル、メチルフェニル、ブチルフェニル、オクチルフェニル、ジメチルフェニル、等のアルキルフェニル基と、メチレンフェニル、エチレンフェニル、トリメチレンフェニル、テトラメチレンフェニル、ペンタメチレンフェニル、ヘキサメチレンフェニル、ヘプタメチレンフェニル等のアルキレンフェニル基と、プロペニレンフェニル、ブテニレンフェニル、ペンテニレンフェニル等のアルケニレンフェニル等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、フェノキシ等が挙げられる。
このようなことから、窒素含有芳香族性環式化合物は、窒素原子に置換基が導入されて窒素含有芳香族性環式化合物カチオンを形成していてもよい。さらに、そのカチオンとアニオンとが組み合わされて塩が形成されていてもよい。塩であっても、カチオンでない窒素含有芳香族性環式化合物と同様の効果を発揮する。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基と、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。
ヒドロキシ基としては、ヒドロキシ、メチレンヒドロキシ、エチレンヒドロキシ、トリメチレンヒドロキシ、テトラメチレンヒドロキシ、ペンタメチレンヒドロキシ、ヘキサメチレンヒドロキシ、ヘプタメチレンヒドロキシ、プロピレンヒドロキシ、ブチレンヒドロキシ、エチルメチレンヒドロキシ等のアルキレンヒドロキシ基、プロペニレンヒドロキシ、ブテニレンヒドロキシ、ペンテニレンヒドロキシ等のアルケニレンヒドロキシ基が挙げられる。
カルボキシ基としては、カルボキシ、メチレンカルボキシ、エチレンカルボキシ、トリメチレンカルボキシ、プロピレンカルボキシ、テトラメチレンカルボキシ、ペンタメチレンカルボキシ、ヘキサメチレンカルボキシ、ヘプタメチレンカルボキシ、エチルメチレンカルボキシ、フェニルエチレンカルボキシ等のアルキレンカルボキシ基、イソプレンカルボキシ、プロペニレンカルボキシ、ブテニレンカルボキシ、ペンテニレンカルボキシ等のノアルケニレンカルボキシ基が挙げられる。
フェノール基としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール等のアルキルフェノール基と、メチレンフェノール、エチレンフェノール、トリメチレンフェノール、テトラメチレンフェノール、ペンタメチレンフェノール、ヘキサメチレンフェノール等のアルキレンフェノール基等が挙げられる。
フェニル基としては、フェニル、メチルフェニル、ブチルフェニル、オクチルフェニル、ジメチルフェニル等のアルキルフェニル基、メチレンフェニル、エチレンフェニル、トリメチレンフェニル、テトラメチレンフェニル、ペンタメチレンフェニル、ヘキサメチレンフェニル、ヘプタメチレンフェニル等のアルキレンフェニル基、プロペニレンフェニル、ブテニレンフェニル、ペンテニレンフェニル等のアルケニレンフェニル等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、フェノキシ等が挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物を架橋させるためには、窒素含有芳香族性環式化合物として、架橋性官能基を有することが好ましい。以下、架橋性官能基を有する窒素含有芳香族性環式化合物のことを、架橋性窒素含有芳香族性環式化合物という。
架橋性官能基は、窒素含有芳香族性環式化合物に直接結合していてもよいし、置換又は未置換のメチレン、置換又は未置換のエチレン、置換又は未置換のプロピレン等の官能基が介在して窒素含有芳香族性環式化合物に結合していてもよい。
また、架橋性官能基は、窒素含有芳香族性環式化合物の窒素原子に導入されていてもよいし、炭素原子に導入されていてもよい。
カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エステル基は上述したものと同様である。
さらに、架橋性官能基を有するピリジン類及びその誘導体としては、例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、4−ブテニルピリジン、4−ペンテニルピリジン、2−(4−ピリジル)アルコール、4−(1−ブテニルペンテニル)ピリジン、2−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、4−ヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−ピリジンカルボニトリルなどが挙げられる。
架橋性窒素含有芳香族性環式化合物を含有する場合には、架橋性化合物をさらに含有することが好ましい。
架橋性化合物としては、架橋性官能基がビニル基である場合には、ビニル基を有する化合物が好ましく、架橋性官能基がカルボキシ基である場合には、ヒドロキシ基又はアミノ基を有する化合物が好ましく、架橋性官能基がヒドロキシ基である場合には、カルボキシ基を有する化合物が好ましい。
架橋性化合物を含有すると、架橋性窒素含有芳香族性環式化合物の架橋性官能基を架橋しやすくなるため、より安定性を確保できる。
また、窒素含有芳香族性環式化合物の含有量は、ドーパント1モルに対して0.1〜100モルの範囲であることが好ましく、1〜30モルの範囲であることがより好ましく、塗布膜の物性及び導電性の観点からは、3〜10モルの範囲が特に好ましい。窒素含有芳香族性環式化合物の含有量がドーパント1モルに対して0.1モルより少なくなると、窒素含有芳香族性環式化合物とドーパント及びπ共役系ポリマーとの相互作用が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。また、窒素含有芳香族性環式化合物が100モルを超えて含まれるとπ共役系ポリマーの含有量が少なくなり、やはり導電性が不足することがある。
また、(π共役系導電性高分子+ドーパント)に対する窒素含有芳香族性環式化合物としては、(π共役系導電性高分子+ドーパント):窒素含有芳香族性環式化合物が90:10〜5:95(モル比)の間が好ましく、特に導電性が高くなることから、50:50〜10:90(モル比)がより好ましい。窒素含有芳香族性環式化合物がこれより多くても少なくても充分な導電性が得られなくなる傾向にある。
コンデンサの製造方法は、弁金属の多孔質体からなる陽極と該陽極の表面が酸化されて形成された酸化被膜の誘電体層とを有するコンデンサ中間体の誘電体層側表面に、π共役系導電性高分子とドーパントと窒素含有芳香族性環式化合物と溶媒とを含む導電性高分子溶液を塗布、固体電解質層を形成する方法である。
その際、導電性高分子を重合する酸化剤としては、公知のものが使用でき、例えば、塩化第二鉄、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、オゾン、酸素などが挙げられる。
化学酸化重合法では、π共役系導電性高分子を形成する置換若しくは無置換のアニリンやピロール、チオフェンなどの前駆体モノマー溶液と、酸化剤溶液を用意し、これらにコンデンサ中間体を交互に浸漬して、コンデンサ中間体の誘電体層側表面にて導電性高分子を重合させる。酸化剤としては上記製造方法と同様のものを使用できる。
ドーパント及び窒素含有芳香族性環式化合物はモノマー溶液または酸化剤溶液に同時に溶解させておいてもよいし、π共役系導電性高分子を形成した後にドーパント及び窒素含有芳香族性環式化合物を溶媒に溶解した溶液をπ共役系導電性高分子に浸透させて添加してもよい。
窒素含有芳香族性環式化合物は、電解槽に溶解させてもよいし、導電性高分子を形成した後に窒素含有芳香族性環式化合物を溶媒に溶解した溶液をπ共役系導電性高分子に浸透させて添加してもよい。
加熱処理としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。また、紫外線照射処理としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
電解液としては電気伝導度が高ければ特に限定されず、周知の溶媒中に周知の電解質を溶解させたものである。
溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等が挙げられる。
電解質としては、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸、あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物、りん酸、炭酸、けい酸等の無機酸などをアニオン成分とし、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)、テトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)などをカチオン成分とした電解質が挙げられる。
(製造例1)
(1)導電性高分子溶液の調製
14.2g(0.1mol)の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、27.5g(0.15mol)のポリスチレンスルホン酸(分子量;約150000)を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64g(0.13mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を透析して、未反応モノマー、酸化剤を除去して約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む溶液を得た。そして、この溶液100mlに2.79gのイミダゾールを均一に分散させて導電性高分子溶液を得た。π共役系導電性高分子の性能を評価するために、得られた導電性高分子溶液をガラス上に塗布し、120℃の熱風乾燥機中で乾燥させて厚さ2μmの導電膜を形成して、ローレスタ(三菱化学社製)電気伝導度を測定した。その結果を表1に示す。
エッチドアルミ箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で化成(酸化処理)して、アルミ箔表面に誘電体層を形成してコンデンサ中間体を得た。
次に、コンデンサ中間体と、陰極リード端子を溶接させた対向アルミ陰極箔とを積層し、これを巻き取ってコンデンサ素子とした。その際、コンデンサ中間体の陽極箔と陰極箔との間にセパレータを挟んだ。
(1)で調製した導電性高分子溶液にコンデンサ素子を浸漬した後、120℃の熱風乾燥機で乾燥してコンデンサ中間体の誘電体層側表面に固体電解質層を形成させた。
次いで、アルミニウム製のケースに、固体電解質層が形成されたコンデンサ素子と、電解液であるアジピン酸水素アンモニウム20質量%−エチレングリコール80質量%溶液とを充填し、封口ゴムで封止して、コンデンサを作製した。
作製したコンデンサについて、LCZメータ2345(エヌエフ回路設計ブロック社製)を用いて、120Hzでの静電容量、100kHzでの等価直列抵抗(ESR)の初期値、125℃、1000時間後のESRを測定した。
エッチドアルミ箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で化成(酸化処理)して、アルミ箔表面に誘電体層を形成してコンデンサ中間体を得た。
次に、コンデンサ中間体と、陰極リード端子を溶接させた対向アルミ陰極箔とを積層し、これを巻き取ってコンデンサ素子とした。その際、コンデンサ中間体の陽極箔と陰極箔との間にセパレータを挟んだ。
次いで、アルミニウム製のケースに、上記コンデンサ素子を装填し、ピロールのエチレングリコール30質量%溶液とイミダゾールのエチレングリコール20質量%溶液の1:2の混合液を浸透させた。次いで、p−トルエンスルホン酸鉄のエチレングリコール10質量%溶液を浸透させて、ピロールを化学酸化重合させた。重合終了後、水洗、乾燥し、封口ゴムで封止して、コンデンサを作製した。
また、ピロールのエチレングリコール30質量%溶液とイミダゾールのエチレングリコール20質量%溶液の1:2の混合液をガラス上に塗布し、次いで、p−トルエンスルホン酸鉄のエチレングリコール10質量%溶液を滴下し、ピロールを化学酸化重合させ、水洗、乾燥して導電膜を形成し、その導電膜の電気伝導度を測定した。
それらの結果を表1に示す。
製造例1の導電性高分子溶液の調製において、イミダゾールを添加しなかった以外は製造例1と同様にしてコンデンサを作製した。
作製したコンデンサについて、120Hzでの静電容量、導電膜の電気伝導度、100kHzでのESRの初期値、125℃、1000時間後のESRを測定した。それらの結果を表1に示す。
製造例2のコンデンサの作製において、イミダゾールのエチレングリコール20質量%溶液を添加しなかった以外は製造例2と同様にしてコンデンサを作製した。
作製したコンデンサについて、120Hzでの静電容量、導電膜の電気伝導度、100kHzでのESRの初期値、125℃、1000時間後のESRを測定した。それらの結果を表1に示す。
製造例1において得られた導電性高分子溶液のイミダゾールを、3.85gのビニルイミダゾールに変更したこと以外は製造例1と同様にしてコンデンサを作製し、実施例1と同様にして評価した。その評価結果を表2に示す。
製造例1において得られた導電性高分子溶液のイミダゾールを、3.85gのビニルイミダゾールに変更し、さらに、1.4gのアクリル酸と0.02gの過硫酸アンモニウムを添加したこと以外は製造例1と同様にしてコンデンサを作製し、実施例1と同様にして評価した。その評価結果を表2に示す。
製造例1において得られた導電性高分子溶液のイミダゾールを、3.3gの1−エチルヒドロキシイミダゾールに変更し、さらに1.4gのアクリル酸を添加したこと以外は製造例1と同様にしてコンデンサを作製し、実施例1と同様にして評価した。その評価結果を表2に示す。
エッチドアルミ箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で化成(酸化処理)して、アルミ箔表面に誘電体層を形成してコンデンサ中間体を得た。
次いで、製造例6で調製した導電性高分子溶液にコンデンサ中間体を浸漬した後、120℃の熱風乾燥機で乾燥してコンデンサ中間体の誘電体層側表面に固体電解質層を形成させた。
次いで、形成された固体電解質層の上に、カーボンペーストを塗布し、120℃の熱風乾燥機で乾燥した後、さらに、銀ペーストを塗布して導電層を形成し、120℃の熱風乾燥機で乾燥して陰極を形成した。
次いで、その陰極にリード端子を取り付け、これを巻き取ってコンデンサ素子とした。その際、コンデンサ中間体の陽極箔と陰極箔との間にセパレータを挟んだ。
次いで、アルミニウム製のケースに、固体電解質層が形成されたコンデンサ素子を装填し、封口ゴムで封止して、コンデンサを作製した。このコンデンサを、実施例1と同様にして評価した。その評価結果を表2に示す。
エッチドアルミ箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で化成(酸化処理)して、アルミ箔表面に誘電体層を形成してコンデンサ中間体を得た。
次いで、製造例1において得られた導電性高分子溶液のイミダゾールを3.85gのビニルイミダゾールに変更し、さらに1.4のアクリル酸と0.01gの1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オンを添加して導電性高分子溶液を得た。この導電性高分子溶液にコンデンサ中間体を浸漬した後、120℃の熱風乾燥機で水を除去した後、紫外線照射機により紫外線を照射してコンデンサ中間体の誘電体層側表面に固体電解質層を形成させた。
次いで、形成された固体電解質層の上に、カーボンペーストを塗布し、120℃の熱風乾燥機で乾燥した後、さらに、銀ペーストを塗布して導電層を形成し、120℃の熱風乾燥機で乾燥して陰極を形成した。
次いで、その陰極にリード端子を取り付け、これを巻き取ってコンデンサ素子とした。その際、コンデンサ中間体の陽極箔と陰極箔との間にセパレータを挟んだ。
次いで、アルミニウム製のケースに、固体電解質層が形成されたコンデンサ素子を装填し、封口ゴムで封止して、コンデンサを作製した。このコンデンサを、実施例1と同様にして評価した。その評価結果を表2に示す。
これに対し、陰極の固体電解質層に窒素含有芳香族性環式化合物を含まない製造例3,4のコンデンサは、陰極の導電性が低く、等価直列抵抗が高かった。
11 陽極
12 誘電体層
13 陰極
13a 固体電解質層
Claims (9)
- 弁金属の多孔質体からなる陽極と、該陽極の表面が酸化されて形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された陰極とを有するコンデンサにおいて、
陰極が、π共役系導電性高分子とドーパントと窒素含有芳香族性環式化合物とを含む固体電解質層を具備することを特徴とするコンデンサ。 - 前記陰極が、さらに、電解液を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
- 前記ドーパントが、アニオン基を有する可溶化高分子であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ。
- 前記窒素含有芳香族性環式化合物が置換若しくは未置換のイミダゾール類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ。
- 前記窒素含有芳香族性環式化合物が置換若しくは未置換のピリジン類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ。
- 陰極の固体電解質層中の窒素含有芳香族性環式化合物が架橋していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ。
- 弁金属の多孔質体からなる陽極と該陽極の表面が酸化されて形成された誘電体層とを有するコンデンサ中間体における誘電体層側表面に、π共役系導電性高分子とドーパントと窒素含有芳香族性環式化合物と溶媒とを含む導電性高分子溶液を塗布して塗膜を形成する工程を有することを特徴とするコンデンサの製造方法。
- 前記導電性高分子溶液中の窒素含有芳香族性環式化合物が、架橋性官能基を有することを特徴とする請求項7に記載のコンデンサの製造方法。
- 前記導電性高分子溶液が架橋性化合物をさらに含有することを特徴とする請求項8に記載のコンデンサの製造方法。
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| JP4932174B2 (ja) | 2012-05-16 |
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