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JP2006199748A - 樹脂組成物の製造法 - Google Patents

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JP2006199748A
JP2006199748A JP2005010433A JP2005010433A JP2006199748A JP 2006199748 A JP2006199748 A JP 2006199748A JP 2005010433 A JP2005010433 A JP 2005010433A JP 2005010433 A JP2005010433 A JP 2005010433A JP 2006199748 A JP2006199748 A JP 2006199748A
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Makoto Toki
眞 土岐
Takaaki Miyoshi
貴章 三好
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】無機フィラーで強化されたポリアミドーポリフェニレンエーテルアロイ樹脂において、優れた耐熱性、衝撃強度、線膨張係数、を維持しつつ、表面平滑性の改善、塗装密着性不良の原因となるフィラー分散不良(成形品表面の白い異物)の大幅改善、更に製造時の生産性も大幅に改良した樹脂組成物を製造する方法と、その組成物及び成形体を提供する。
【解決手段】(A)ポリアミド、(B)ポリフェニレンエーテル、(C)アスペクト比の異なる少なくとも2種以上のワラストナイトよりなる樹脂組成物の製造方法であって、アスペクト比の小さいワラストナイトをポリアミドと共に供給する事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法と、それより得られる組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機フィラーで強化されたポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイ樹脂の優れた耐熱性、衝撃強度、線膨張係数、を維持しつつ、表面平滑性の改善、塗装密着性不良の原因となるフィラー分散不良(成形品表面の白い異物)の大幅改善、更に製造時の生産性も大幅に改良した樹脂組成物を製造する方法と、その組成物及び成形体に関する。
本発明の樹脂組成物は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができ、特に自動車用の外板材として好適に使用できる。
ポリフェニレンエーテルは機械的性質・電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性に優れるため幅広い用途で使用されているが、単独では成形加工性に劣っており、これを改良するためにポリアミドを配合する技術が提案され(例えば、特許文献1参照。)、現在では非常に多種多様な用途に使用される材料となっている。
最近では、無機フィラーで強化したポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイ樹脂の自動車用外装材への用途展開が急速に進んでいる。自動車の外装材に求められる性能としては、低線膨張係数、耐衝撃性、表面平滑性、フィラーの分散性等、が挙げられる。
しかし、無機フィラーを配合する樹脂組成物には、表面平滑性の悪化、フィラーの分散不良、また製造時の生産性の低下が大きな課題となっている。
従来技術としては、例えば、GF及び/またはケイ酸カルシウムから選ばれるフィラーを予めポリアミドに混合して配合する技術(例えば、特許文献2参照。)、平均粒径5μm以下の無機フィラーを予めポリアミドに混合して配合する技術(例えば、特許文献3参照。)、アスペクト比が10以上100以下のセラミック系ウイスカーをポリアミドとともに配合する技術(例えば、特許文献4参照。)、平均粒子径1.2μm以上5μm以下の板状フィラー及び/または平均繊維長2μm以上の繊維状の無機フィラーをポリアミドとともに配合する技術(例えば、特許文献5参照。)、平均粒子径1.2μm以上5μm以下、アスペクト比3以上の板状フィラー及び/または平均繊維長2μm以上の繊維状の無機フィラーを配合する樹脂組成物(例えば、特許文献6参照。)、カップリング剤で表面処理した無機フィラーを配合する樹脂組成物(例えば、特許文献7参照。)が開示されている。
また、アスペクト比の小さいフィラーは、表面外観性に優れるが、線膨張係数の抑制効果が小さく、線膨張係数を小さくする為にフィラーの添加量を多くする必要があり、結果的に、耐衝撃性が低下してしまうという問題点がある。またアスペクト比の大きいフィラーは、線膨張係数の抑制効果には優れるが、表面外観性(特に表面平滑性)が悪化し、例えば塗装後の表面に凸凹が発生するという問題点を有する。
この相反する特性の線膨張係数抑制と、表面外観性を両立させる為、アスペクト比の異なる2種以上の無機フィラーを併用した場合においても、従来の技術にあるように単純に溶融混練しただけでは、フィラーの分散不良による白い異物の発生といった新たな問題点が発生する事が明らかとなってきた。
これら白い異物はフィラーそのものが組成物内部で充分に分散せずに成形品の表面に露出しているものであり、塗装の際に、塗料をはじいてしまい塗装性が悪化する一因となっており、改善が求められていた。
特公昭45−997号公報 特開昭63−101452号公報 特開平3−103467号公報 特開2002−194092号公報 特開2002−206054号公報 特開2002−194207号公報 特開2002−146206号公報
本発明が解決しようとする課題は、無機フィラーで強化されたポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイ樹脂の優れた耐熱性、衝撃強度、線膨張係数、を維持しつつ、表面平滑性の改善、塗装密着性不良の原因となるフィラー分散不良(成形品表面の白い異物)の大幅改善、更に製造時の生産性も大幅に改良した樹脂組成物を製造する方法と、その組成物及び成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を行った結果、無機フィラーで強化されたポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイ樹脂を製造する際に、アスペクト比の異なる少なくとも2種以上のワラストナイトを使用し、更にアスペクト比の小さいワラストナイトを、ポリアミドと共に供給し溶融混練する事で、優れた耐熱性、衝撃強度、線膨張係数、を維持しつつ、表面平滑性の改善、塗装密着性不良の原因となるフィラー分散不良(成形品表面の白い異物)の大幅改善、更に製造時の生産性も大幅に改良できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、(A)ポリアミド、(B)ポリフェニレンエーテルおよび(C)アスペクト比の異なる少なくとも2種以上のワラストナイトよりなる樹脂組成物の製造方法であって、アスペクト比の小さいワラストナイト(C−1)を、ポリアミドと共に供給する事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。また本発明は、該製造方法により製造された樹脂組成物、及びその射出成形体、特に、自動車外板用成形体にも関する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、無機フィラーで強化されたポリアミドーポリフェニレンエーテルアロイ樹脂を製造する際に、アスペクト比の異なる少なくとも2種以上のワラストナイトを使用し、更にアスペクト比の小さいワラストナイトをポリアミドと共に供給する事で、優れた耐熱性、衝撃強度、線膨張係数、を維持しつつ、表面平滑性の改善、塗装密着性不良の原因となるフィラー分散不良(成形品表面の白い異物)の大幅改善、更に製造時の生産性も大幅に改良できた。特に自動車用の外板材として好適に使用できる。
本発明の製法からなる熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分について詳しく述べる。
本発明で使用することのできる(A)ポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖繰り返し単位中にアミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用することができる。
一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルナノメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
ラクタム類としては、具体的にはε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
本発明においては、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類のいずれもが使用できる。
また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
特に本発明で有用に用いることのできるポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミド6/MXD(m−キシリレンジアミン)、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,Iなどが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類も使用することができる。
好ましいポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6,12、ポリアミド6,6/6,Iまたは、それらの混合物であり、より好ましくはポリアミド6,6、ポリアミド6、またはポリアミド6,6とポリアミド6、ポリアミド6,6とポリアミド6,6/6,Iのブレンド物であり、更に好ましくはポリアミド6,6とポリアミド6,6/6,Iのブレンド物である。
組成物の衝撃性の低下を抑制するため、本発明で使用されるポリアミドの相対粘度は、2.0以上である事が望ましい。
なお、本発明でいう相対粘度とは、JIS K6920−1:2000に準拠して測定した値である。具体的には、98%濃硫酸に、1g/100cmの濃度でポリアミドを溶解し、オストワルド型粘度計により25℃で測定した流下時間をt、98%濃硫酸単体の25℃での流下時間をtとして、
ηr=t/t
で示される値である。
本発明においてポリアミドを混合物として用いた場合の相対粘度は、組成物中に含まれるポリアミド成分を分離して測定する方法、もしくは、原料とするポリアミド成分をηrを測定する濃度(1g/100cm)の溶液として、それらを配合比に応じて混合した混合溶液を実測する方法で知ることができる。
ポリアミドの末端基は、一般にアミノ基、カルボキシル基を有しており、好ましい比はカルボキシル基/アミノ基濃度比で、6/4〜9/1であり、より好ましくは7/3〜8/2である。
これらポリアミドの末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いることができる。例えばポリアミドの重合時に所定の末端濃度となるようにジアミン類やジカルボン酸類、モノカルボン酸類などを添加する方法、あるいは、末端基の比率が異なる2種類以上のポリアミドの混合物により調整する方法等が挙げられる。
また、ポリアミドの耐熱安定性を向上させる目的で公知となっている特開平1−163262号公報に記載されているような金属系安定剤も、問題なく使用することができる。
これら金属系安定剤の中で特に好ましく使用することのできるものとしては、CuI、CuCl2 、酢酸銅、ステアリン酸セリウム等が挙げられる。また、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等に代表されるアルカリ金属のハロゲン化塩も好適に使用することができる。これらは、もちろん併用添加しても構わない。
金属系安定剤および、又はアルカリ金属のハロゲン化塩の好ましい配合量は、合計量としてポリアミドの100質量部に対して、0.001〜1質量部である。
さらに、上記の他にポリアミドに添加することが可能な公知の添加剤等もポリアミド100質量部に対して10質量部未満の量で添加してもかまわない。
本発明で使用できる(B)ポリフェニレンエーテルとは、式(1)の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
Figure 2006199748
〔式中、Oは酸素原子、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。〕
本発明のポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されているような2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、またはこれらの混合物である。
本発明で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法が使用でき、例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報及び同63−152628号公報等に記載されている製造方法等を挙げることができる。
本発明で使用することのできるポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c:0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
本発明においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても、何ら問題なく使用することができる。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
また、本発明において使用できるポリフェニレンエーテルは、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。
ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度でポリフェニレンエーテルと変性化合物とを溶融混練して反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物とを溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び(2)の方法が好ましい。
次に分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の1個または2個がエステルになっているものも使用可能である。
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基とを同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基とを同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式Cn2n-3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式Cn2n-5OH、Cn2n-7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5質量部である。
ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.001〜1質量部である。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5質量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3質量%である。
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が残存していても構わない。
ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対し、50質量部未満の量であればスチレン系熱可塑性樹脂を配合しても構わない。本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂としては、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100質量部に対して10質量部未満の量で添加しても構わない。
本発明で使用できる(C)ワラストナイトは、珪酸カルシウムを主成分とする天然鉱物を精製、粉砕及び分級したものが一般的であるが、人工的に合成したものも使用可能である。
ワラストナイトは、ガラス繊維の代替としては、平均繊維径40μmで平均繊維長600μmの大粒子径のものが広く用いられているが、本発明においては、より小さな粒子径のものが好ましい。また、アスペクト比の異なる少なくとも2種以上のワラストナイトを使用する事が必要である。
アスペクト比の異なる少なくとも2種以上のワラストナイトのうち、アスペクト比の小さいワラストナイト(C−1)としては、そのアスペクト比が8未満で平均粒子径が2〜9μmの範囲もの、好ましくはアスペクト比が6以下で平均粒子径が3〜7μmの範囲もの、より好ましくはアスペクト比が6以下で平均粒子径が3〜5μmの範囲のものが使用可能である。表面外観の悪化を抑制するためには(C−1)のアスペクト比を8未満とすることが好ましい。
アスペクト比の大きいワラストナイト(C−2)としては、そのアスペクト比が8以上で平均粒子径が2〜11μmの範囲もの、好ましくはアスペクト比が10以上で平均粒子径が3〜10μmの範囲もの、より好ましくはアスペクト比が12以上で平均粒子径が3〜10μmの範囲のものが使用可能である。
線膨張係数の悪化を抑制するためには、(C−2)のアスペクト比を8以上、平均粒子径を2μm以上とすることが好ましい。また、表面外観の悪化を抑制するためには(C−2)の平均粒子径を11μm以下とすることが好ましい。
本発明でいうワラストナイトの平均粒子径とは、Sedigraph粒子径分析器(Micromeritics Instrument社製、モデル5100)を用いて、ワラストナイト0.75gを0.05%Calgon溶液45mlに加え、超音波浴で充分分散させた後測定し、算出された球相当の直径を示す。
アスペクト比とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により、少なくとも5000個のワラストナイト粒子の直径及び長さを測定し、その値より算出する。
また、本発明で使用可能なワラストナイトには、表面処理剤を使用したものも使用可能である。表面処理剤の具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステルなどに代表される分散剤的役割を果たすもの、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系などに代表されるカップリング剤的役割を果たすものを必要により使用することができる。
その場合の好ましい使用量は、ワラストナイトに対して0.05質量%〜1.5質量%の範囲である。
(C)成分中の、(C−1)と(C−2)の比率は、(C−1)/(C−2)が7/3〜1/9が好ましく、更に好ましくは6/4〜2/8である。
本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物における各成分の配合割合は、(A)ポリアミド40〜80質量%および(B)ポリフェニレンエーテル樹脂20〜60質量%の合計100質量部に対して、(C)ワラストナイト10〜50質量部である。より好ましくは、(A)ポリアミド45〜75質量%および(B)ポリフェニレンエーテル樹脂25〜55質量%の合計100質量部に対して、(C)ワラストナイト15〜40質量部である。
本発明に使用できる(D)導電材は、導電性カーボンブラック、カーボンフィブリル及びカーボンナノチューブからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である。
導電性カーボンブラックとしては、WO01/081473号公報に導電用カーボンブラックとして記載されているカーボンブラック等が挙げられる。市販されている導電性カーボンブラックの一例を挙げると、ケッチェンブラックインターナショナル社から入手可能なケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD等が挙げられる。また、カーボンフィブリルとしては、国際公開特許WO94/023433号公報に記載されている微細な炭素繊維等が挙げられる。市販されているカーボンフィブリルとしてはハイペリオンキャタリストインターナショナル社から入手可能なBNフィブリル等が挙げられる。
本発明で使用する導電材の好ましい添加形態は、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ブロック共重合体から選ばれる1種以上の樹脂中にあらかじめ混合されたマスターバッチの形態で添加する事である。好ましくは、ポリアミドへあらかじめ混合されたマスターバッチの形態で添加する方法である。その際の混合方法に特に制限はないが、押出機を使用した溶融混練が最も好ましい。より好ましくは、250〜300℃に設定した2箇所以上の供給口を備えた同方向回転二軸押出機を用いて、上流側供給口より樹脂を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりカーボンを供給し溶融混練する方法が挙げられる。この際に樹脂温度は340℃未満にする事がより好ましい。該マスターバッチ中のカーボンの好ましい配合量は5〜30質量%である。より好ましくは8〜25質量%である。
該マスターバッチは市販しているものを使用しても構わない。市販品のマスターバッチの例としては、ハイペリオンキャタリストインターナショナル社から入手可能なポリアミド66/カーボンフィブリルマスターバッチ(商品名:Polyamide66 with Fibril TM Nanotubes RMB4620−00:カーボンフィブリル量20%)等が挙げられる。
また、本発明においては衝撃改良材を使用してもかまわない、その場合、使用することのできる衝撃改良材は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックから構成される芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、その水素添加物及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群より選ばれる1種以上である。
ここでいう芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」とは、当該ブロックにおいて、少なくとも50質量%以上が芳香族ビニル化合物であるブロックを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」に関しても同様で、少なくとも50質量%以上が共役ジエン化合物であるブロックを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
この場合、例えば芳香族ビニル化合物ブロック中にランダムに少量の共役ジエン化合物もしくは他の化合物が結合されているブロックの場合であっても、該ブロックの50質量%が芳香族ビニル化合物より形成されていれば、芳香族ビニル化合物を主体とするブロック共重合体とみなす。また、共役ジエン化合物の場合においても同様である。
本発明における芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体で使用することのできる芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
また、共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
該ブロック共重合体の共役ジエン化合物のソフトセグメント部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量が5〜80%が好ましく、さらには10〜50%が好ましく、10〜40%が最も好ましい。
本発明におけるブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック[A]と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック[B]がA−B型、A−B−A型、A−B−A−B型から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体である事が好ましい。また、これらの混合物であってももちろん構わない。
これらの中でもA−B−A型、A−B−A−B型がより好ましい。これらはもちろん混合物であっても構わない。
また、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物に使用することのできる芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体は、水素添加されたブロック共重合体であることがより好ましい。水素添加されたブロック共重合体とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合を0を超えて100%の範囲で制御したものをいう。該水素添加されたブロック共重合体の好ましい水素添加率は50%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは98%以上である。
これらブロック共重合体は水素添加されていないブロック共重合体と水素添加されたブロック共重合体との混合物としても問題なく使用可能である。
これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、本発明の趣旨に反しない限り、結合形式の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−結合ビニル含有量もしくは1,2−結合ビニル含有量と3,4−結合ビニル含有量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの、水素添加率の異なるもの等混合して用いても構わない。
より好ましい具体例を芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体の水素添加物をもとに例示すると、例えば、ブロック共重合体中における芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの含有量が60質量%以上90質量%以下のブロック共重合体と、ブロック共重合体中における芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの含有量が20質量%以上60質量%未満の混合物が挙げられる。 また、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物に使用するブロック共重合体中には、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合したものを用いても構わない。パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合する事により、樹脂組成物の加工性を向上させることができる。この際の好ましいパラフィンを主成分とするオイルの量はブロック共重合体100質量部に対して、1〜70質量部である。70質量部以上混合すると取り扱い性に劣る。
ここでいうパラフィンを主成分とするオイルとは、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物及び、パラフィン系化合物の三者が組み合わさった重量平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50質量%以上のものである。より好ましくは、パラフィン系化合物が50〜90質量%,ナフテン環含有化合物が10〜40質量%、芳香環含有化合物が5質量%以下のものである。
これら、パラフィンを主成分とするオイルは市販されており、例えば出光興産(株)製のPW380等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用することのできるエチレン−α−オレフィン共重合体としては、特開2001−302911号公報に記載されているようなシングルサイト触媒で製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく使用可能である。
また、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物に使用する衝撃改良材は、全部又は一部が変性された衝撃改良材であっても構わない。
ここでいう変性された衝撃改良材とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性された衝撃改良材を指す。
該変性された衝撃改良材の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度で衝撃改良材と変性化合物とを溶融混練し反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物とを溶液中で反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物とを溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行なう方法が最も好ましい。
ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルについて述べた変性化合物と同じものが使用できる。
また、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂組成物は、組成物の製造の際に相溶化剤を添加しても構わない。相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。
いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す事が望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において使用することのできる相溶化剤の例としては、特開平8−48869号公報及び特開平9−124926号公報等に詳細に記載されており、これら公知の相溶化剤はすべて使用可能であり、併用使用も可能である。
これら、種々の相溶化剤の中でも、特に好適な相溶化剤の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、クエン酸が挙げられ、それらの中でも無水マレイン酸が最も好ましい。
本発明で使用することのできる相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100質量部に対して0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明では、上記した成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
付加的成分の例を以下に挙げる。
ポリエステル、ポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、無機充填材(タルク、カオリン、ゾノトライト、酸化チタン、チタン酸カリウム、ガラス繊維など)、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知の密着改良剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、三酸化アンチモン等の難燃助剤、着色用カーボンブラック、帯電防止剤、各種過酸化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
これらの成分の具体的な添加量は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル及び、衝撃改良材の合計量100質量部に対して、合計で100質量部を超えない範囲である。本発明の熱可塑性樹脂組成物を得るための具体的な加工機械は、上流部(第1供給口)、中流部(第2供給口)、下流部(第3供給口)に供給口を備えた二軸押出機が好ましい。
更に本発明で使用する二軸押出機のL/Dは、38以上70以下である必要がある。好ましくはL/D38以上65以下であり、更に好ましくはL/D40以上55以下である。本発明の熱可塑性樹脂組成物中の各成分(特にワラストナイト)の分散性を十分にし、目的の性能を得るためには、L/D38以上である二軸押出機を用いることが好ましい。
この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常240〜360℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
本発明における熱可塑性樹脂樹脂組成物の製造方法として、上流部(第1供給口)、中流部(第2供給口)、下流部(第3供給口)に供給口を備えた二軸押出機を用いた際の、具体的な製造方法を以下に例示する。
1.第1供給口よりポリフェニレンエーテル、及び/または衝撃改良材を供給し溶融混練した後、第2供給口よりポリアミド、アスペクト比の小さいワラストナイト、及びアスペクト比の大きいワラストナイトを供給し溶融混錬する方法、
2.第1供給口よりポリフェニレンエーテル、及び/または衝撃改良材を供給し溶融混練した後、第2供給口よりポリアミドの一部を供給し溶融混練し、更に第3供給口より残りのポリアミド及びアスペクト比の小さいワラストナイト、アスペクト比の大きいワラストナイトを供給し溶融混錬する方法、
3.第1供給口よりポリフェニレンエーテル、アスペクト比の小さいワラストナイトの一部、及び/または衝撃改良材を供給し溶融混練した後、第2供給口よりポリアミド及び残りのアスペクト比の小さいワラストナイトを供給し溶融混練し、更に第3供給口よりアスペクト比の大きいワラストナイトを供給し溶融混錬する方法、
4.第1供給口よりポリフェニレンエーテル、及び/または衝撃改良材を供給し溶融混練した後、第2供給口よりポリアミド及びアスペクト比の小さいワラストナイトを供給し溶融混練し、更に第3供給口よりアスペクト比の大きいワラストナイトを供給し溶融混錬する方法が望ましく、中でも3又は4の方法が好ましく、4の方法が特に好ましい。
また、ポリアミドと共に供給されるアスペクト比の小さいワラストナイトは、予め共に供給されるポリアミド中に分散させたマスターバッチの形態で押出機に供給されても構わない。この場合のマスターバッチ中のワラストナイトの量は、マスターペレットを100質量%としたとき20〜50質量%である。
このようにして得られる本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形により各種部品の成形体として成形できる。
これら各種部品としては、例えばICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット等の電気・電子部品、各種コンピューターおよびその周辺機器等のOA部品や機械部品、さらにはオートバイのカウルや、自動車のフェンダー、ドアーパネル、フロントパネル、リアパネル、ロッカーパネル、リアバンパーパネル、バックドアガーニッシュ、エンブレムガーニッシュ、燃料注入口パネル、オーバーフェンダー、アウタードアハンドル、ドアミラーハウジング、ボンネンットエアインテーク、バンパー、バンパーガード、ルーフレール、ルーフレールレッグ、ピラー、ピラーカバー、ホイールカバー、スポイラー等に代表される各種エアロパーツ、各種モール、エンブレムといった外装部品や、インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等に代表される内装部品等に好適に使用できる。
これらの中でも、自動車の外板部品に好適に使用可能であり、特に、リアパネルに好適に使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に示されたものに限定されるものではない。
(使用した原料)
実施例等において使用した原料は次のとおりである。
(A)ポリアミド(以下、PAと略記)
(PA−1)ポリアミド6
宇部興産(株)製、商品名:UBEナイロン 1011FB
(PA−2)ポリアミド6,6
旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:レオナ1200−011
(PA−3)ポリアミド6,6/6I
アジピン酸とヘキサメチレンジアンの等モル塩1.90kgとイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.40kg、ε−カプルラクタム0.2kg、アジピン酸0.10kg、ヨウ化銅29g、ヨウ化カリウム480g及び純水2.5kgを5Lのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分N置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm−Gになるが、18kg/cm−G以上の圧にならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。さらに2時間後内温が260℃に到達したら加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマーを、10Lのエバポレーターに入れN気流下、200℃で10時間固相重合した。固相重合によって得られたポリアミドには、ヘキサメチレンイソフタラミド単位を14.0モル%含有していた。このポリアミドには銅元素を96ppm含み、また、銅含有成分とヨウ素含有成分とのモル比は19であった。
(B)ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略記)
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(旭化成ケミカルズ(株)製)
(PPE−1)ポリフェニレンエーテル
還元粘度:0.52dl/g(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
(PPE−2)無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル
還元粘度:0.52dl/gのPPE100質量部に対して、ラジカル開始剤0.1質量部および無水マレイン酸1.5質量部を添加し、二軸押出機を用いてシリンダー温度320℃で溶融混練して作製した。なお、無水マレイン酸の付加率は、0.5%であった。
(C−1)アスペクト比の小さいワラストナイト
(Filler−1)NYCO社製 商品名:NYAD1250
平均粒子径=4μm、アスペクト比=3
(C−2)アスペクト比の大きいワラストナイト
(Filler−2)NYCO社製 商品名:NYGLOS5
平均粒子径=5μm、アスペクト比=13
(Filler−3)NYCO社製 商品名:NYGLOS12
平均粒子径=12μm、アスペクト比=13
(Filler−4)NYCO社製 商品名:NYGLOS5
平均粒子径=5μm、アスペクト比=13
表面処理:アミノシラン化合物(0.5質量%)
(D)導電材
(PA/KB−MB)
ポリアミド6,6(レオナ1200−011:旭化成ケミカルズ社製)を90質量部と、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックEC600−JD:ケッチェンブラックインターナショナル社製)を10質量部とを、二軸押出機にて溶融混錬し、導電性マスターバッチとした。
(衝撃改良剤)
(SEBS−1)ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=246,000
スチレン成分合計含有量=33%
(測定方法)
以下に、測定方法について述べる。
<Izod衝撃強度>
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを、80℃で3時間乾燥した後、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度290℃、金型温度80℃に設定)にて、射出時間20秒、冷却時間20秒にて1/8インチ短冊試験片を作成し、試験を実施した。
ASTM−D−256に準拠して求めた。(ノッチ付き、1/8インチ厚み)
<線膨張係数>
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを、80℃で3時間乾燥した後、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度290℃、金型温度80℃に設定)にて、射出時間20秒、冷却時間20秒にて50×90×3mmの平板試験片を作成し、試験を実施した。
平板の中央部分から、10×4×3mmの試験片を切出し、JIS K7197に準拠して、TMA−7(パーキンエルマー社製)を用いて、昇温速度=5℃/分、荷重=10mNで、−30〜80℃の線膨張係数を測定した。
<成形品の表面外観>
1.フィラーの分散性(白い異物)
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを、80℃で3時間乾燥した後、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度305℃、金型温度110℃に設定)にて、射出時間20秒、冷却時間20秒にて150×150×3mmの平板試験片を作成し、目視にて、平板表面の白い異物の有無を判定した。
2.表面平滑性
線膨張係数を測定したものと同じ平板試験片を用いて、表面粗さ(Ra)の平均値で評価した。数値の小さい方が平滑性に優れる。
JIS B 0601(1994)に準拠し、表面粗さ計Surfcom579A(日本国際東京精密(株)製)を用いて、平板表面部の中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
測定条件 触針:標準測定子(ダイヤモンド製、先端R5μm)
触針の移動速度:0.5mm/秒
測定長さ:50mm
測定点数10点の平均値を算出した。
<生産性>
フィラーの分散性を良好に保てる吐出量の上限。
吐出量を下げて、せん断をかけると組成物中のフィラー分散はよくなる方向である。そこで、フィラー分散が良好な組成物(白い異物のない)を得られる吐出量の上限を生産性の指標とした。(50kg/hr毎にペレットをサンプリングし、上述のフィラー分散性評価を実施して確認した。)
<導電性>
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを、80℃で3時間乾燥した後、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定)を用いて、ダンベルバーとしてISO294の記載の如く成形した。この試験片の両端を折り取って均一な断面積10×4mm、長さ70mmで両端に破断面を持つ試験片とした。
試験片の折り取り方については、−75〜−70℃のドライアイス/メタノールの中に、予めカッターナイフでキズをつけた試験片を1時間浸漬後、折り取る方法で行った。この両端の破断面に銀塗料を塗布し、エレクトロメーター(日本国アドバンテスト製、R8340A)を用いて、250Vの印加電圧で両方の破断面間の体積抵抗率を測定した。測定は5個の異なる試験片を用いて行い、その加算平均値を導電性(体積固有抵抗値)とした。
以降、実施例、比較例にて詳細に説明する。
[実施例1]
押出機の、上流部(第1供給口)、中流部(第2供給口)、下流部(第3供給口)を有するL/Dが46である二軸押出機[ZSK−58MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量400kg/hrに設定した条件下で、表1に記載の組成にて、第1供給口より、ポリフェニレンエーテル、衝撃改良剤を供給し、第2供給口より、ポリアミド、アスペクト比の小さいワラストナイトを供給、更に、第3供給口より、アスペクト比の大きいワラストナイトを供給して、樹脂組成物のペレットを作成した。
得られた該ペレットは、前記した方法で成形し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1に比べて、ワラストナイトの組成を変えた以外は、実施例1と同様の、押出機、押出し条件にて溶融混錬を行い樹脂組成物のペレットを作成した。
得られたそれぞれのペレットは、前記した方法で成形し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例3]
表面処理の無いワラストナイトを用いた以外は、実施例1と同様に実施し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリアミドを変更した以外は、実施例1と同様に実施し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
[比較例1]
アスペクト比の小さいワラストナイトと、アスペクト比の大きいワラストナイトを第3供給口より供給した以外は、実施例1と同様に実施し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
比較例1の組成は、実施例1と全く同じであるが、製造方法により、得られる組成物の特性が大きく変化することが判る。
[実施例5]
アスペクト比の小さいワラストナイトと、アスペクト比の大きいワラストナイトを第2供給口より供給した以外は、実施例1と同様に実施し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例6]
アスペクト比の大きいワラストナイトの平均粒子径が大きいものを使用した以外は、実施例1と同様に実施し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
[実施例7]
表1に記載の組成にて、導電性マスターバッチを添加して、溶融混錬を行い樹脂組成物のペレットを作成し、各種試験を行った、結果を表1に示す。
Figure 2006199748
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、優れた耐熱性、衝撃強度、線膨張係数、を維持しつつ、表面平滑性の改善、塗装密着性不良の原因となるフィラー分散不良(成形品表面の白い異物)の大幅改善、更に製造時の生産性も大幅に改良できた。特に自動車用の外板材として好適に使用できる。

Claims (13)

  1. (A)ポリアミド、(B)ポリフェニレンエーテルおよび(C)アスペクト比の異なる少なくとも2種以上のワラストナイトよりなる樹脂組成物の製造方法であって、アスペクト比の小さいワラストナイト(C−1)を、ポリアミドと共に供給し溶融混練する事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. アスペクト比の大きなワラストナイト(C−2)が、(A)ポリアミドと(B)ポリフェニレンエーテルが溶融混練された後に供給し溶融混練する事を特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. アスペクト比の小さなワラストナイト(C−1)が、アスペクト比が8未満で平均粒子径2〜9μmであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. アスペクト比の小さなワラストナイト(C−1)が、アスペクト比が6以下で平均粒子径2〜7μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. アスペクト比の大きなワラストナイト(C−2)が、アスペクト比が8以上で平均粒子径2〜11μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. アスペクト比の大きなワラストナイト(C−2)が、アスペクト比が10以上で平均粒子径3〜10μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. (A)ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6,12およびポリアミド6,6/6,Iから選ばれる少なくとも一種以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 更に、(D)導電材を含んでなる事を特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. (D)導電材が、導電性カーボンブラック、カーボンフィブリル及びカーボンナノチューブからなる群より選ばれる一種以上である事を特徴とする請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  10. (D)導電材が、(A)ポリアミドと予め溶融混練されてなる導電性マスターバッチとして添加されてなる事を特徴とする請求項8または9に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法によって製造された熱可塑性組成物。
  12. 請求項11に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
  13. 請求項11に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる自動車用外装材。
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