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JP2006172610A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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JP2006172610A
JP2006172610A JP2004363852A JP2004363852A JP2006172610A JP 2006172610 A JP2006172610 A JP 2006172610A JP 2004363852 A JP2004363852 A JP 2004363852A JP 2004363852 A JP2004363852 A JP 2004363852A JP 2006172610 A JP2006172610 A JP 2006172610A
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Katsutoshi Sato
克利 佐藤
Hideo Okuma
英生 大熊
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Sony Corp
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Abstract

【課題】 2つの対物レンズを搭載する光ピックアップ装置を小型化する。
【解決手段】 2つの対物レンズ231および25−2を搭載するボビン221では、対物レンズ231の集光に影響のないフランジ部202−1の、対物レンズ251に近接する部分が直線状にカットされ、そのカットされた分だけ、対物レンズ231−と25−2との中心間距離が短縮され、ボビン221が小型化されている。本発明は、例えば、2つの対物レンズを搭載する光ピックアップ装置に適用できる。
【選択図】図10

Description

本発明は、光ピックアップ装置に関し、特に、2つの対物レンズを搭載する光ピックアップ装置を小型化することができる光ピックアップ装置に関する。
近年、CD(Compact Disk),DVD(Digital Versatile Disk)、またはBD(Blu-ray Disk)などの様々な光ディスクのディスクドライブ装置が登場している。
CD,DVD、またはBDそれぞれのディスクドライブ装置では、照射されるレーザ光の波長、光ディスクの厚さ、対物レンズのN.A.(開口数)などが異なる。例えば、CDに照射されるレーザ光の波長は、785nmであり、DVDに照射されるレーザ光の波長は660nmであり、BDに照射されるレーザ光の波長は405nmである。
2波長に対応する光ピックアップ装置のなかで、1つの対物レンズをCD用の対物レンズとし、もう1つの対物レンズをDVD用の対物レンズとする2つの対物レンズを用いた光ピックアップ装置は既に存在する(例えば、特許文献1,2、および3参照)。
また、CDおよびDVD用の2波長互換の1つの対物レンズを用いて、1台でCDおよびDVDの2種類の光ディスクに対して記録または再生可能なディスクドライブ装置もある。
1台でCD,DVD、およびBDの3種類の光ディスクに対して記録または再生可能なディスクドライブ装置を考えた場合、CD,DVD、およびBD用の3波長互換の対物レンズを用いた光ピックアップ装置は、不可能ではないものの、対物レンズや光ピックアップ装置が大型化するという問題や、製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、光ピックアップ装置において、2つの対物レンズを使用して、CD,DVD、およびBDの3種類の光ディスクに対して記録又は再生を行うようにすることが考えられる。即ち、上述したように、CDおよびDVDの2波長互換の対物レンズは、既に実用化されているので、例えば、一方の対物レンズをCDおよびDVD用の対物レンズとし、他方の対物レンズをBD用の対物レンズとして光ピックアップ装置に搭載する。
特開平11−23960号公報 特開平11−259891号公報 特開平11−64724号公報
しかしながら、光ピックアップ装置に搭載する対物レンズを2つにした場合、やはり光ピックアップ装置が大型化してしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、2つの対物レンズを搭載する光ピックアップ装置を小型化することができるようにするものである。
本発明の光ピックアップ装置は、第1または第2の対物レンズのうちの少なくとも一方の、集光に影響のない外周部がカットされており、第1と第2の対物レンズが、外周部がカットされた分に応じて近接して配置されていることを特徴とする。
対物レンズの外周部は直線状にカットされているようにさせることができる。
第1の対物レンズの外周部は第2の対物レンズの外形に沿ってカットされており、第1の対物レンズのカットされた凹部と、第2の対物レンズとが接して配置されているようにさせることができる。
対物レンズは、プラスチックレンズまたはガラスレンズとすることができる。
本発明においては、第1または第2の対物レンズのうちの少なくとも一方の、集光に影響のない外周部がカットされ、第1と第2の対物レンズが、外周部がカットされた分に応じて近接して配置される。
本発明によれば、2つの対物レンズを搭載する光ピックアップ装置を小型化することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、
第1と第2の対物レンズが搭載されたボビンを備えるピックアップ装置(例えば、図5の光ピックアップ部70)において、
前記第1または第2の対物レンズ(例えば、図11の対物レンズ231および251)のうちの少なくとも一方の、集光に影響のない外周部(例えば、フランジ部202−1および202−2)がカットされており、
前記第1と第2の対物レンズが、前記外周部がカットされた分に応じて近接して配置されている
ことを特徴とする。
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、
前記対物レンズの外周部は直線状にカットされている(例えば、図10の対物レンズ231)
ことを特徴とする。
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、
前記第1の対物レンズの外周部は前記第2の対物レンズの外形に沿ってカットされており、
前記第1の対物レンズのカットされた凹部と、前記第2の対物レンズとが接して配置されている(例えば、図12の対物レンズ25−2および271)
ことを特徴とする。
初めに、図1を参照して、本実施の形態で使用する軸方向の呼称について説明する。なお、図1は、対物レンズが1つの光ピックアップ装置の例である。
図1に示すように、光ディスク1は、不図示のディスクドライブ装置内のスピンドルモータ2上に載置され、スピンドルモータ2により回転駆動されるようになされている。
光ディスク(CD,DVD、またはBD)1の下方に、不図示の3軸アクチュエータによって3軸方向に駆動されるボビン3が配置される。ボビン3の上面には、対物レンズ4が搭載されている。
図1において、光ディスク1のディスク面に垂直な方向をフォーカス方向、光ディスク1の半径方向(トラッキング方向)をラジアル方向(Rad方向)、ラジアル方向と垂直な方向をタンジェンシャル方向(Tan方向)という。また、ボビン3より所定距離下方の点Aを中心として、ラジアル方向の軸上を円弧状に運動するボビン3の傾きを表す方向をラジアルチルト方向(Rad/Tilt方向)、点Aを中心として、タンジェンシャル方向の軸上を円弧状に運動するボビン3の傾きを表す方向をタンジェンシャルチルト方向(Tan/Tilt方向)という。
図2は、本発明を適用したディスクドライブ装置の斜視図を示している。
図2のディスクドライブ装置11は、CD,DVD、およびBDへの記録又は再生が可能な3波長対応のディスクドライブ装置である。
ディスクドライブ装置11は、固定プレート21によって、パーソナルコンピュータやAV(Audio and Visual)機器などの主装置(不図示)に取り付けられる。また、固定プレート21の上面には、装置本体22が固定されている。
装置本体22は、スピンドルモータ23、キャリッジ24、対物レンズ25−1および25−2、ボビン26、スクリュー27、並びにトラッキングモータ28等で構成されている。
光ディスク1は、スピンドルモータ23によって所定の速度(角速度)で回転駆動される。光ディスク1の下方には、キャリッジ24が配置され、キャリッジ24は、2つの対物レンズ25−1および25−2、並びにボビン26等を収納している。
波長が405nm(BD),785nm(CD)、または660nm(DVD)のレーザ光は、対物レンズ25−1または25−2を通って光ディスク1に照射される。そして、ボビン26が、光ディスク1のそりなどに追従するように、図示せぬ3軸アクチュエータにより、上述のフォーカス方向、ラジアル方向、およびラジアルチルト方向の3軸方向に駆動される。
トラッキングモータ28は、スクリュー27を回転駆動させ、スクリュー27に対して摺動可能となされているキャリッジ24をラジアル方向(トラッキング方向)の広い範囲(光ディスク1の内周側乃至外周側)で移動させる。
装置本体22の前面(図2中右側)には、前面パネル41が固定プレート21および装置本体22に固定されている。
前面パネル41の取り出しボタン42をユーザが押下することにより、主装置に格納されているディスクドライブ装置11が主装置から引き出され、光ディスク1を装着または取り出すことができるようになっている。
また、ユーザが光ディスク1に記録されている音楽(オーディオデータ)を再生した場合、前面パネル41に設けられているヘッドフォンジャック43にヘッドフォンプラグを差込み、ボリュームつまみ44でボリュームを調整することにより、ユーザは、再生されている音楽をヘッドフォンで聴くことができるようになされている。
図3は、ディスクドライブ装置11の制御に関する機能的なブロック図である。なお、図2と対応する部分については、同一の符号を付してある。
対物レンズ25−1および25−2や、ボビン26(図2)などで構成される光ピックアップ部(光ピックアップ装置)70は、光ディスク1に所定の波長のレーザ光を照射し、光ディスク1から反射して返ってくる反射光をフォトディテクタ(PD)で検出し、その検出した反射光を電気信号に変換して、PD信号として演算回路71に出力する。
光ピックアップ部70の3軸アクチュエータ75およびコマ収差補正素子76は、光ディスク1に照射されるレーザ光が光ディスク1のそりなどに追従するように、あるいは、コマ収差を補正するように、制御回路73により制御される。
即ち、3軸アクチュエータ75は、図1で示した、フォーカス方向、ラジアル方向、およびラジアルチルト方向の3軸方向に対して、対物レンズ25−1および25−2が搭載されたボビン26を駆動する。コマ収差補正素子76は、そこを通過するレーザ光の屈折率を変化させることにより、対物レンズ25−2の相対スキュー(コマ収差)を補正する(図5および図6を参照して詳述)。
演算回路71は、光ピックアップ部70から供給されるPD信号から、情報再生用のデータ検出信号(RF信号)、フォーカスエラー信号、およびトラッキングエラー信号を算出し、データ検出信号を再生回路72に出力するとともに、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を制御回路73に出力する。
再生回路72は、演算回路71から供給されたデータ検出信号をイコライズした後、2値化し、さらに、エラー訂正しながら復調した信号を、再生信号として、主装置に出力する。
制御回路73は、入力装置74から供給されるユーザの操作に対応した操作信号に応じて、ディスクドライブ装置11の各部を制御する。
例えば、制御回路73は、入力装置74から供給される光ディスク1の再生開始を表す操作信号に対応して、スピンドルモータ23を制御し、光ディスク1を所定の速度(角速度)で回転駆動させる。また、制御回路73は、光ピックアップ部70が光ディスク1の所定のトラッキング位置となるようにトラッキングモータ28および3軸アクチュエータ75(のラジアル方向)を制御する。
さらに、制御回路73は、3軸アクチュエータ75を制御することにより、ボビン26をフォーカス方向に駆動させ、対物レンズ25−1および25−2を通過したレーザ光を光ディスク1上に集光させる。また、制御回路73は、3軸アクチュエータ75およびコマ収差補正素子76を制御することにより、対物レンズ25−1および25−2のコマ収差を補正する。
図4は、光ピックアップ部70のキャリッジ24(図2)内の詳細な構成を示す斜視図である。
薄型平面状のベース101上面の片側(図中右奥側)に、固定部材102が固着されている。ボビン26は、その上面に2つの対物レンズ25−1および25−2をタンジェンシャル方向に並んで搭載しており、サスペンションワイヤ103a乃至103cおよび104aにより固定部材102と連結されている。即ち、サスペンションワイヤ103a乃至103cおよび104aの一端はボビン26に固定され、他端は固定部材102に固定されている。なお、図示していないが、サスペンションワイヤ104aの下方にサスペンションワイヤ103bおよび103cと対向するように2本のサスペンションワイヤが設けられており、ボビン26は、計6本のサスペンションワイヤにより支持されている。
3軸アクチュエータ75(図3)は、ボビン26の周辺(または側面)に巻線されたフォーカシングコイル(不図示)、チルトコイル(不図示)、トラッキングコイル106aおよび106b、トラッキングコイル106aおよび106bとボビン26を挟んで対向する位置に設けられている不図示の2つのトラッキングコイル、タンジェンシャル方向にボビン26を挟んで対向するように配置されたマグネット107aおよび107b、並びに、マグネット107aおよび107bそれぞれを固定するヨーク108aおよび108bにより構成されている。
3軸アクチュエータ75は、フォーカス方向、ラジアル方向(Rad方向)、およびラジアルチルト方向の3軸方向に対して、6本のサスペンションワイヤにより遊動自在に支持されたボビン26を駆動する。
図5は、光ピックアップ部70の光学系の構成例を示している。図5において、横(左右)方向がタンジェンシャル方向を表し、縦(上下)方向がフォーカス方向を表している。
光ピックアップ部70のうちの第1の光学系は、少なくとも、レーザダイオード141−1、コリメータレンズ142−1、および対物レンズ25−1により構成されている。また、光ピックアップ部70のうちの第2の光学系は、少なくとも、レーザダイオード141−2、コリメータレンズ142−2、コマ収差補正素子76、および対物レンズ25−2により構成されている。
第1の光学系において、レーザダイオード141−1は、BDに対応する405nmの波長のレーザ光を出射する。レーザダイオード141−1から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ142−1により平行光にされ、対物レンズ25−1に入射する。対物レンズ25−1は、入射してきたレーザ光を光ディスク1に集光し、光スポットを形成させる。ここで、対物レンズ25−1は、光ディスク1の中心を通る同径ライン上に配置されている。
第2の光学系において、レーザダイオード141−2は、CDまたはDVDにそれぞれ対応する785nmまたは660nmの(2種類の)波長のレーザ光を出射する。レーザダイオード141−2から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ142−2により平行光にされ、コマ収差補正素子76を介して、対物レンズ25−2に入射する。対物レンズ25−2は、入射してきたレーザ光を光ディスク1に集光し、光スポットを形成させる。
ところで、図5に示すボビン26(を含む光ピックアップ部70)をディスクドライブ装置11内に組み付ける場合、上述したように、2つの対物レンズ25−1および25−2のいずれか一方の対物レンズの、タンジェンシャルチルト方向のエラーが最小となるようにボビン26が組み付けられる。本実施の形態では、光ピックアップ部70の第1の光学系において、タンジェンシャルチルト方向のエラーがなくなるように(最小となるように)ボビン26が組み付けられるものとする。
従って、第1の光学系では、タンジェンシャルチルト方向のエラーがなくなり、さらに、フォーカス方向、ラジアル方向、およびラジアルチルト方向のエラーについても、3軸アクチュエータによって、それぞれのエラーがなくなるように駆動されるので、全てのエラーに対する調整(制御)が行われることになる。
一方、第2の光学系では、フォーカス方向、ラジアル方向、およびラジアルチルト方向のエラーについては、対物レンズ25−1における場合と同様に、3軸アクチュエータによって、そのエラーがなくなるように調整(制御)されるものの、ボビン26が(第1の光学系の)対物レンズ25−1のタンジェンシャルチルト方向のエラーがなくなるように組みつけられているため、ボビン26に対物レンズ25−2を組み付けたときの対物レンズ25−2の姿勢(角度)が対物レンズ25−1と完全に一致しない限り、対物レンズ25−2の、対物レンズ25−1に対する相対的なタンジェンシャルチルト方向のエラーが発生している。
そこで、コマ収差補正素子76が、第2の光学系に発生しているタンジェンシャルチルト方向のエラーを補正するために、対物レンズ25−2とコリメータレンズ142−2との間に配置されている。
次に、図6を参照して、コマ収差補正素子76について説明する。
図6は、図5のコマ収差補正素子76の正面図(左側)および側面図(右側)を示している。図6において、横(左右)方向がラジアル方向を表し、縦(上下)方向がタンジェンシャル方向を表している。
コマ収差補正素子76は、ガラスやプラスチックなどを材料とする2枚の透明基板161および162により構成されている。透明基板161と162とは、重ね合わせられ、その重なり合った長方形の一辺(図中上側)において、エポキシやアクリル系の接着剤163により接着されて結合されている。
コマ収差補正素子76では、2枚の透明基板161および162の間の、図中、点線で示されている所定の円164の円内に、図示せぬ注入口から液晶が注入され、液晶層が形成されている。そして、円164の円内において、第2の光学系に生じるコマ収差に合わせるように、液晶層が、タンジェンシャル方向に対して略対称ないくつかの領域に分割されている。
液晶は、所定の電圧が印加されると、その印加された電圧によって生じる電界に応じて液晶分子の配向が変化する特性を有している。この特性を利用して、コマ収差補正素子76は、そこを通過するレーザ光の進行方向に垂直な面内での屈折率を、分割された領域ごとに任意に調整することができる。即ち、コマ収差補正素子76は、分割された領域ごとに、レーザ光の屈折率を変化させることによって、第2の光学系に発生しているタンジェンシャルチルト方向のエラー(コマ収差)を補正することができる。
従って、図5に示す、ボビン26上に2つの対物レンズ25−1および25−2を有するピックアップ部70の、第1の光学系では、タンジェンシャルチルト方向のエラー(コマ収差)が最小となるようにボビン26が組み付けられ、第2の光学系では、対物レンズ25−2とコリメータレンズ142−2との間に設けられたコマ収差補正素子76により、第1の光学系に対して相対的に発生しているタンジェンシャルチルト方向のエラー(コマ収差)が補正される。即ち、2つの対物レンズ25−1および25−2を搭載する光ピックアップ部70において、両方の対物レンズ25−1および25−2に対して容易にコマ収差を補正することができる。
これにより、ボビン26において、一方の対物レンズ(例えば、対物レンズ25−1)の組み付けを完了後、その状態で、相対スキューがなくなる(最小となる)ように、精度良く他方の対物レンズ(例えば、対物レンズ25−2)を組み付ける作業(必要性)をなくすことができる。また仮に、精度良く他方の対物レンズを組み付ける作業を行ったとしても、対物レンズ以外の光学系で発生するコマ収差を容易に補正することができる。
なお、フォーカス方向、ラジアル方向、ラジアルチルト方向のエラーについては、第1および第2の光学系ともに、3軸アクチュエータによって、それぞれのエラーがなくなるようにボビン26が駆動される。
次に、図7のフローチャートを参照して、ディスクドライブ装置11の光ピックアップ制御処理について説明する。
制御回路73は、入力装置74から供給されるユーザの操作に対応した操作信号に応じて、ディスクドライブ装置11に装着されている光ディスク1の再生を開始させる。そして、ステップS1において、光ピックアップ部70は、光ディスク1にレーザ光を照射し、光ディスク1に反射して返ってきた反射光をフォトディテクタ(PD)で検出し、電気信号に変換して得られた信号をPD信号として演算回路71に出力して、ステップS2に進む。
ステップS2において、演算回路71は、光ピックアップ部70から供給されるPD信号から、情報再生用のデータ検出信号(RF信号)、フォーカスエラー信号、およびトラッキングエラー信号を算出し、データ検出信号を再生回路72に出力するとともに、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を制御回路73に出力して、ステップS3に進む。
ステップS3において、制御回路73は、演算回路71から供給されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に基づいて、スピンドルモータ23、トラッキングモータ28、3軸アクチュエータ75、またはコマ収差補正素子76を制御する(駆動させる)。そして、光ディスク1の再生の終了とともに、光ピックアップ制御処理が終了される。
ところで、2つの対物レンズを搭載した場合、光ピックアップ部70は、当然ながら、1つの対物レンズのみを搭載した場合と比べて、サイズが大きくなってしまう。光ピックアップ部70の大型化は、スペースの問題(所定のスペース内に光ピックアップ部70を収納することができない、またはスペースに余裕がなくなるという問題)や、光ピックアップ部70のバランスが悪くなり制御を難しくさせるという問題などを発生させる。
そこで、次に、光ピックアップ部70をより小型化する方法について説明する。
図8は、上述した図4のボビン26に搭載されている対物レンズ25−1または25−2の側面図を示している。
対物レンズ25−1(または25−2)は、レンズ本体201と、ボビン26に対物レンズ25−1を固定するためのフランジ部202とから構成されている。
対物レンズ25−1では、レーザ光がレンズ本体201を通過して集光されるようになっている。フランジ部202は、集光に影響のない部分であり、ボビン26と接着される。
図9は、図4に示したボビン26の対物レンズ25−1および25−2が搭載されている面の上面図を示している(ボビンの第1実施の形態)。
対物レンズ25−1と対物レンズ25−2とは、図9に示すように、所定の間隔(例えば、0.2mm)を開けて配置されている。ここで、対物レンズ25−1のフランジ部202−1の幅は、例えば、0.2mmとされ、対物レンズ25−2のフランジ部202−2の幅は、例えば、0.2mmとされる。なお、対物レンズ間の間隔、並びにフランジ部202−1および202−2の幅は、上述した数値に限定されるものではない。
対物レンズ25−1(25−2も同様)がプラスチックレンズである場合、対物レンズ25−1は、次のようにして製造されるのが一般的である。即ち、対物レンズ25−1は、十字型または放射型をした棒状ランナの各先端にキャビティ(成形品空間)が連結された状態で射出成形される。そして、対物レンズ25−1と棒状ランナとの連結部分であるゲート部がカット(ゲートカット)されて、1つの対物レンズ25−1に分離される。
そこで、対物レンズ25−1を棒状ランナと分離させる(ゲートカットする)際、対物レンズ25−1のゲート部をカットするのではなく、対物レンズ25−1のフランジ部202−1をカットすることにより、対物レンズ25−1をさらに小型化し、その小型化された分に応じて対物レンズ中心間(対物レンズ25−1と25−2の中心どうし)の距離を短縮し、ボビン26を小型化する。
図10は、ボビンの第2実施の形態を示している。
図10では、図9の対物レンズ25−1に代えて対物レンズ231が、図9と同様の対物レンズ25−2とともに、ボビン221に搭載されている。
対物レンズ231は、フランジ部202−1の対物レンズ25−2に近接する部分(斜線を付してある部分)が直線状にカットされている点のみが、図9の対物レンズ25−1と異なる。対物レンズ231と25−2との間隔(0.2mm)は保たれているものの、フランジ部202−1の対物レンズ25−2に近接する部分がカットされている分の幅(0.2mm)だけ、対物レンズ231と25−2との(レンズ本体201の)中心間の距離は、短縮されている。これにより、ボビン221の図中横方向(タンジェンシャル方向)の大きさ(幅)も、ボビン26(図9)と比べて、約0.2mm小型化されたものとなる。
図11は、ボビンの第3実施の形態を示している。
図11では、図10の対物レンズ25−2に代えて対物レンズ251が、図10と同様の対物レンズ231とともに、ボビン241に搭載されている。
対物レンズ251は、フランジ部202−2の対物レンズ231に近接する部分が直線状にカットされている点のみが、図10の対物レンズ25−2と異なる。即ち、対物レンズ231と251との間隔(0.2mm)は保たれているものの、フランジ部202−2の対物レンズ231に近接する部分がカットされている分(0.2mm)だけ、対物レンズ231と251との(レンズ本体201の)中心間の距離は、図10のボビン221より短縮されている。これにより、ボビン241の図中横方向(タンジェンシャル方向)の大きさ(幅)も、ボビン26(図9)と比べて、約0.4mm小型化されたものとなる。
図12は、ボビンの第4実施の形態を示している。
図12では、図9の対物レンズ25−1に代えて対物レンズ271が、図9と同様の対物レンズ25−2とともに、ボビン261に搭載されている。
対物レンズ271は、フランジ部202−1の対物レンズ25−2に近接する部分がカットされている点が、図9の対物レンズ25−1と異なる。ここで、対物レンズ271のフランジ部202−1は、対物レンズ25−2の外形に沿ってカットされている。そして、対物レンズ271のフランジ部202−1のカットされた凹部と、対物レンズ25−2とが接して配置されている。これにより、ボビン261の図中横方向(タンジェンシャル方向)の大きさ(幅)も、ボビン26(図9)と比べて、(対物レンズ271のフランジ部0.2mmとレンズ間距離0.2mmの和である)約0.4mm小型化されたものとなる。
図10乃至図12に示したように、第1または第2の対物レンズのうちの少なくとも一方の、集光に影響のないフランジ部202をカットし、第1と第2の対物レンズを、フランジ部202がカットされた分に応じて近接して配置させることにより、ボビンを小型化することができ、さらに、光ピックアップ部70全体の小型化も可能となる。
また、対物レンズ(レンズ本体201)の中心間の距離を短縮することは、次のような効果もある。
トラッキング制御方法の一つに3ビーム法がある。3ビーム法は、メインビーム(ビーム光)の両隣にサブビームを作り、サブビームからの反射光強度が一定になるように光ピックアップ部70を制御する手法である。
図5に示したように、2つの対物レンズがタンジェンシャル方向に並ぶ光ピックアップ部70において、一方の対物レンズ(図5では、対物レンズ25−1)を同径ライン(光ディスク1のラジアル方向)上に配置した場合、他方の対物レンズ(図5では、対物レンズ25−2)は、同径ライン上から外れてしまうことになる。
光ディスク1の同径ライン上では、トラックは、光ディスク1の外周側から内周側までのいずれの位置においてもラジアル方向に対して垂直であり、トラックに対するサブビームの位置は、光ディスク1の外周から内周までほぼ同一である。一方、対物レンズ25−2のように、光ディスク1の同径ライン上からタンジェンシャル方向に対物レンズの位置が外れる場合、その位置が同径ライン上から離れるほど、トラックの曲率の変化により、光ディスク1の外周と内周とでトラックに対するサブビームの位置がずれるため、光ディスク1の外周側から内周側までのすべての位置において正確なトラッキング制御を行うことが困難になってくる。
従って、2つの対物レンズがタンジェンシャル方向に並ぶ光ピックアップ部70において、対物レンズの中心間の距離を短縮する(光ピックアップ部70を小型化する)ことは、トラッキング制御方法に3ビーム法を採用した場合に、同径ライン上にない対物レンズに対するトラッキング制御(トラッキングサーボ特性の確保)を容易にし、検出感度を高めるという効果を奏する。
また、光ピックアップ部70を小型化することは、光ピックアップ部70の剛性を強化したり、光ピックアップ部70の軽量化などにも貢献する。
なお、上述した例では、対物レンズがプラスチックレンズである場合について説明したが、対物レンズがガラスレンズである場合についても、同様にフランジ部をカットすることにより、ボビンを小型化することができる。
上述した実施の形態においては、2つの対物レンズがタンジェンシャル方向に並ぶ光ピックアップ装置について説明したが、2つの対物レンズをラジアル方向に並ぶようにすることもできる。
なお、図4を参照して説明したように、2つの対物レンズがタンジェンシャル方向に並んで配置されている場合には、3軸アクチュエータ75がフォーカス方向、ラジアル方向、およびラジアルチルト方向のエラーを制御し、コマ収差補正素子76がタンジェンシャルチルト方向のエラーを制御(補正)するようにしたが、2つの対物レンズがラジアル方向に並んで配置されている場合には、光ディスク1とのワーキングディスタンス(W.D.)を確保するために、3軸アクチュエータ75がフォーカス方向、ラジアル方向、およびタンジェンシャルチルト方向のエラーを制御し、コマ収差補正素子76がラジアルチルト方向のエラーを制御(補正)するようにしたほうがよいと考えられる。
換言すれば、コマ収差補正素子76は、タンジェンシャルチルト方向またはラジアルチルト方向のどちらの方向のコマ収差を補正するようにも配置することができる。
また、コマ収差補正素子76は、相対スキューが発生している第1または第2の光学系のいずれか一方に設けるようにすればよいので、同径ライン上の第1の光学系において相対スキューが発生している場合には、第1の光学系のコリメータレンズ142−1と対物レンズ25−2との間にコマ収差補正素子76が配置される。
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
軸方向について説明する図である。 本発明を適用したディスクドライブ装置の斜視図である。 図2のディスクドライブ装置の機能的なブロック図である。 光ピックアップ部70の詳細な構成を示す斜視図である。 光ピックアップ部70の光学系を説明する図である。 コマ収差補正素子76を説明する図である。 ディスクドライブ装置11の光ピックアップ制御処理を説明するフローチャートである。 対物レンズ25−1または25−2の側面図である。 ボビンの第1実施の形態を示す図である。 ボビンの第2実施の形態を示す図である。 ボビンの第3実施の形態を示す図である。 ボビンの第4実施の形態を示す図である。
符号の説明
1 光ディスク, 25−1,25−2 対物レンズ, 26 ボビン, 70 光ピックアップ部, 75 3軸アクチュエータ, 76 コマ収差補正素子, 141−1,141−2 レーザダイオード, 142−1,142−2 コリメータレンズ, 221 ボビン, 231 対物レンズ, 241 ボビン, 251 対物レンズ, 261 ボビン, 271 対物レンズ

Claims (4)

  1. 第1と第2の対物レンズが搭載されたボビンを備えるピックアップ装置において、
    前記第1または第2の対物レンズのうちの少なくとも一方の、集光に影響のない外周部がカットされており、
    前記第1と第2の対物レンズが、前記外周部がカットされた分に応じて近接して配置されている
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記対物レンズの外周部は直線状にカットされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第1の対物レンズの外周部は前記第2の対物レンズの外形に沿ってカットされており、
    前記第1の対物レンズのカットされた凹部と、前記第2の対物レンズとが接して配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記対物レンズは、プラスチックレンズまたはガラスレンズである
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
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