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JP2006170071A - フリーピストンエンジンの制御装置及び制御方法 - Google Patents

フリーピストンエンジンの制御装置及び制御方法 Download PDF

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JP2006170071A
JP2006170071A JP2004363402A JP2004363402A JP2006170071A JP 2006170071 A JP2006170071 A JP 2006170071A JP 2004363402 A JP2004363402 A JP 2004363402A JP 2004363402 A JP2004363402 A JP 2004363402A JP 2006170071 A JP2006170071 A JP 2006170071A
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Yasutoku Niiyama
泰徳 新山
Taku Kaneko
金子  卓
Yasumasa Hagiwara
康正 萩原
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Abstract

【課題】 対向する2つのピストンを有した圧縮自己着火式のフリーピストンエンジンを常に効率良く運転可能にする。
【解決手段】 シリンダ内に軸方向へ往復移動可能に収容された2つのピストンが互いに向かい合う方向に移動することにより、その両ピストン間に形成される燃焼室内の混合ガスが圧縮されて自己着火し、その混合ガスの爆発により両ピストンが互いに離間する方向に移動し、その後、両ピストンがばねの力により再び向かい合う方向に移動して混合ガスの圧縮及び自己着火が行われるフリーピストンエンジンを制御する装置では、燃焼状態を予測可能な物理量(例えば混合ガスの温度や空燃比)を検出し(S120)、その検出結果に基づいて、両ピストンが最も近づく圧縮行程終了時に混合ガスが自己着火する圧縮比となるように、両ピストンの変位量をリニアモータの推力及び振動周波数により制御している(S130〜S195)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、発電などに用いられるフリーピストンエンジンを制御する技術に関するものである。
従来より、フリーピストンエンジンを用いた発電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
その特許文献1に開示されている発電装置は、対向する二つのピストンを一つのシリンダ内に収容すると共に、その各ピストンの背部に空気ばね用の圧力室が配置されたフリーピストンエンジンと、各ピストンの運動エネルギーを電気エネルギーに変換する電磁石からなる発電手段とを備えている。
そして、フリーピストンエンジンでは、二つのピストンが互いに向かい合う方向に移動することにより、その二つのピストン間に形成される燃焼室内の混合ガスが圧縮されて自己着火し、その混合ガスの爆発により二つのピストンを互いに離間する方向に移動させる駆動力が得られる。また、このとき、各ピストンの背部にある圧力室が圧縮されて、ピストンを逆方向(つまり、両ピストンが互いに向かい合う方向)へ押し戻すこととなる。そして、こうした動作の繰り返しにより、両ピストンが往復駆動され、そのピストンの往復運動のエネルギーを発電手段により電気エネルギーに変換して発電電力を得る。
また、この発電装置では、二つのピストンの同期がとれるように(つまり、二つのピストンの移動方向が常に反対で、その両ピストンの位相差が180°ずれた状態となるように)、上記発電手段を使用して各ピストンに力を加える制御を行っている。
特表2003−519328号公報
ところで、混合ガスを圧縮して自己着火させるフリーピストンエンジンでは、スパークプラグによって着火するものとは異なり、混合ガスの温度、空燃比、濃度分布などによって燃焼の状態が変化する。
このため、たとえ二つのピストンの同期をとることができても、混合ガスの温度や空燃比などによっては、両ピストンが互いに近づく圧縮行程において、最適なタイミング(つまり、燃料のエネルギーをピストンの駆動力へ最も効率良く変換可能なタイミング)よりも前に混合ガスが自己着火してしまったり、逆に圧縮行程が終わって両ピストンが離れ始めても混合ガスが着火しなかったり(つまり失火)する可能性があり、エンジンを常に効率良く運転することはできない(換言すれば、ピストンを効率良く往復運動させることができない)という問題がある。そして、フリーピストンエンジンを効率良く運転できなければ、そのエンジンを用いて電力を効率良く生成することはできない。
そこで、本発明は、対向する2つのピストンを有した圧縮自己着火式のフリーピストンエンジンを常に効率良く運転できるようにすることを目的としている。
上記目的を達成するためになされた請求項1の制御装置が制御するフリーピストンエンジンは、シリンダ(22)を有するハウジング(21)と、シリンダ(22)の内部に軸方向へ往復移動可能に収容されている第一ピストン(31)と、シリンダ(22)の内部に軸方向へ往復移動可能に第一ピストン(31)と対向して収容され、シリンダ(22)および第一ピストン(31)との間に燃焼室(23)を形成する第二ピストン(32)と、空気と燃料との混合ガスを燃焼室(23)へ供給する吸気手段(24,71,72)と、燃焼室(23)から混合ガスが燃焼した後の燃焼ガスを排出する排気手段(25,73)とを備えている。そして、そのフリーピストンエンジンでは、第一及び第二ピストン(31,32)が互いに向かい合う方向に移動することにより燃焼室(23)内の混合ガスが圧縮されて自己着火し、その混合ガスの爆発により第一及び第二ピストン(31,32)が互いに離間する方向に移動し、その後、第一及び第二ピストン(31,32)がばね手段(51,52)の力により再び互いに向かい合う方向に移動して混合ガスの圧縮及び自己着火が行われる。
そして、請求項1の制御装置は、第一ピストン(31)の基準位置からの変位量を磁力により調整可能な第一駆動手段(110)と、第二ピストン(32)の基準位置からの変位量を磁力により調整可能な第二駆動手段(210)とを備えている。尚、()内の数字は、後述する実施形態において対応する部材の符号である。
ここで特に、この制御装置では、検出手段が、フリーピストンエンジンの燃焼状態を予測可能な特定の物理量を検出する。そして、変位量制御手段が、その検出手段による物理量の検出結果に基づいて、第一及び第二ピストンが互いに近づく圧縮行程の終了タイミング又はその終了タイミング近傍の特定タイミングで燃焼室内の混合ガスが自己着火するように、第一及び第二ピストンの基準位置からの変位量を第一及び第二駆動手段により制御する。
このような請求項1の制御装置によれば、圧縮行程の終了タイミング又はその終了タイミング近傍の特定タイミング(具体的には、燃料のエネルギーをピストンの駆動力へと効率良く変換可能な最適な点火タイミング)で燃焼室内の混合ガスが自己着火するように、第一及び第二ピストンの基準位置からの変位量(換言すれば、エンジンの圧縮比)がアクティブに制御される。
このため、圧縮行程において最適な点火タイミングよりも前に混合ガスが自己着火してしまったり、圧縮行程が終わって両ピストンが離れる膨張行程が始まっても混合ガスが自己着火しなかったり、といった不効率な燃焼状態を確実に回避することができる。よって、燃料のエネルギーをピストンの駆動力へと効率良く変換して、エンジンを常に効率良く運転することができるようになる。
ところで、検出手段が検出する物理量としては、請求項2に記載のように、混合ガスの温度と、混合ガスの空燃比(空気と燃料との比率)と、燃焼室内の圧力とのうちの、少なくとも一つ以上とするのが好ましい。
特に、混合ガスの温度と空燃比との一方又は両方を検出する場合には、その検出結果から、今回の圧縮行程において、最適なタイミングで混合ガスが自己着火するように、両ピストンの変位量を制御することができる。つまり、混合ガスが自己着火しなかったり効率の良くないタイミングで自己着火したりするのを未然に防止する制御を行うことができる。
また、燃焼室内の圧力を検出する場合には、例えば今回の圧縮行程(あるいは更にその後の膨張行程)における燃焼室内圧力に基づき、次回の圧縮行程において、最適なタイミングで混合ガスが自己着火するように、両ピストンの変位量を制御することができる。つまり、混合ガスが自己着火しなかったり効率の良くないタイミングで自己着火したことを燃焼室内圧力により判断して、次回の圧縮行程での再発を防止する制御を行うことができる。
このため、混合ガスの温度と空燃比との一方又は両方を検出対象とする前者の制御と、燃焼室内圧力を検出対象とする後者の制御とを組み合わせれば、より確実で大きな効果を達成することができる。
次に、請求項3の制御装置では、請求項1,2の制御装置において、第一駆動手段は、第一ピストンに対して磁力により推力を与えると共に、その第一ピストンの運動エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発生する第一リニアモータであり、同様に、第二駆動手段も、第二ピストンに対して磁力により推力を与えると共に、その第二ピストンの運動エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発生する第二リニアモータである。そして、変位量制御手段は、第一及び第二リニアモータが各ピストンに与える推力と、その第一及び第二リニアモータの振動周波数との両方又は一方を調整することにより、第一及び第二ピストンの基準位置からの変位量を制御する。
このようなフリーピストンエンジンの制御装置によれば、混合ガスの爆発による第一ピストンの運動エネルギーを、第一駆動手段としての第一リニアモータにより電気エネルギーに変換して発電電力として取り出すことができ、同様に、混合ガスの爆発による第二ピストンの運動エネルギーを、第二駆動手段としての第二リニアモータにより電気エネルギーに変換して発電電力として取り出すことができる。そして、フリーピストンエンジンを効率良く運転することができるため、効率の良い発電を行うことができる。
一方、請求項4に記載の制御方法では、フリーピストンエンジンの燃焼状態を予測可能な特定の物理量を検出し、その物理量の検出結果に基づいて、第一及び第二ピストンが互いに近づく圧縮行程の終了タイミング又はその終了タイミング近傍の特定タイミングで燃焼室内の混合ガスが自己着火するように、第一及び第二ピストンの基準位置からの変位量を制御するようにしている。つまり、前述した請求項1の制御装置は、この請求項4の制御方法を実施している。
そして、請求項5に記載の制御方法では、請求項4の制御方法において、検出する物理量は、混合ガスの温度と、混合ガスの空燃比と、燃焼室内の圧力とのうちの、少なくとも一つ以上としている。つまり、前述した請求項2の制御装置は、この請求項5の制御方法を実施している。
以下に、本発明が適用された実施形態のフリーピストンエンジン発電装置について説明する。
まず図1に示すように、本実施形態の発電装置10は、フリーピストンエンジン20と、制御部11と、混合ガス生成部12と、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210とを備えている。制御部11は、マイクロコンピュータなどを中心にして構成されており、第一リニアモータ110、第二リニアモータ210、および混合ガス生成部12を制御することにより、フリーピストンエンジン20を最適な状態で運転させて両リニアモータ110,210から発電電力を発生させる。
尚、発電装置10は、例えば外部の図示しないバッテリーを介してモータなどに接続されている。また、発電装置10は、例えば小型の車両の動力源、あるいはシリーズ型ハイブリッド車両の動力源として使用される。
混合ガス生成部12は、燃料および空気から所定空燃比の混合ガスを生成する。制御部11は、混合ガス生成部12で生成する混合ガスの空燃比を制御すると共に、混合ガス生成部12からフリーピストンエンジン20に供給される混合ガスの供給量を制御する。本実施形態の場合、フリーピストンエンジン20の燃料は例えば水素やメタンなどの気体燃料が用いられる。尚、燃料としては、水素やメタンに限らず、ブタンやプロパンなどの可燃性の気体、あるいはガソリンや軽油など可燃性の液体を用いることができる。
フリーピストンエンジン20は、ハウジング21、第一ピストン31、第二ピストン32、第一シャフト41および第二シャフト42、ならびに第一ばね手段としての第一板ばね部51および第二ばね手段としての第二板ばね部52を備えている。そして、第一ピストン31、第一シャフト41および第一板ばね部51は、第一振動系を構成している。同様に、第二ピストン32、第二シャフト42および第二板ばね部52は、第二振動系を構成している。
また、ハウジング21は、筒状の内壁面によりシリンダ22を形成している。第一ピストン31および第二ピストン32は、シリンダ22の内部に軸方向へ往復移動可能に収容されている。第一ピストン31と第二ピストン32とは対向して設置されている。第一シャフト41は第一ピストン31の反燃焼室側に接続されている。第二シャフト42は第二ピストン32の反燃焼室側に接続されている。第一ピストン31の第二ピストン32と対向する端面と、第二ピストン32の第一ピストン31と対向する端面と、シリンダ22を形成するハウジング21の内壁面とは、燃焼室23を形成する。よって、燃焼室23の容積は、第一ピストン31および第二ピストン32の軸方向への移動に伴って変化し、両ピストン31,32が互いに近づくほど小さくなる。
燃焼室23は、吸気口24および排気口25を有している。第一ピストン31は、反燃焼室側においてハウジング21との間に第一副室61を形成する。また、第二ピストン32は、反燃焼室側においてハウジング21との間に第二副室62を形成する。第一ピストン31および第二ピストン32の外径は、シリンダ22を形成するハウジング21の内径よりもわずかに小さい。そのため、燃焼室23、第一副室61および第二副室62は、第一ピストン31および第二ピストン32とハウジング21とにより気密が保たれる。
そして、燃焼室23に開口する吸気口24は、吸気通路71、第一副室61、第二副室62および吸気通路72を経由して混合ガス生成部12に接続している。これにより、混合ガス生成部12で生成した混合ガスは、吸気口24から燃焼室23へ供給される。また、排気口25は、排気通路73を経由してフリーピストンエンジン20の外部に接続している。尚、吸気口24、吸気通路71および吸気通路72が吸気手段に相当し、排気口25および排気通路73が排気手段に相当している。
一方、第一板ばね部51は、第一ピストン31の反燃焼室側において第一シャフト41に接続している。第一板ばね部51は、第一ピストン31および第一シャフト41を軸方向へ往復移動可能にハウジング21に支持している。第一板ばね部51は、第一ピストン31および第一シャフト41の基準位置からの変位量に応じた力を、変位方向とは逆方向に第一ピストン31および第一シャフト41に加える。即ち、第一板ばね部51は、第一ピストン31が基準位置よりも燃焼室23側(第二ピストン32側)に位置するときには、第一ピストン31および第一シャフト41を反燃焼室側へ押し付け、第一ピストン31が基準位置よりも反燃焼室側に位置するときには、第一ピストン31および第一シャフト41を燃焼室23側へ押し付ける。
そして、第二板ばね部52も、第一板ばね部51と同様に、第二ピストン32の反燃焼室側において第二シャフト42に接続している。第二板ばね部52は、第二ピストン32および第二シャフト42を軸方向へ往復移動可能にハウジング21に支持している。第二板ばね部52は、第二ピストン32および第二シャフト42の基準位置からの変位量に応じた力を、変位方向とは逆方向に第二ピストン32および第二シャフト42に加える。即ち、第二板ばね部52は、第二ピストン32が基準位置よりも燃焼室23側(第一ピストン31側)に位置するときには、第二ピストン32および第二シャフト42を反燃焼室側へ押し付け、第二ピストン32が基準位置よりも反燃焼室側に位置するときには、第二ピストン32および第二シャフト42を燃焼室23側へ押し付ける。
尚、第一ピストン31および第一シャフト41の基準位置とは、第一ピストン31および第一シャフト41の図1に示されている位置であり、往復移動の中心位置(原点位置)である。同様に、第二ピストン32および第二シャフト42の基準位置とは、第二ピストン32および第二シャフト42の図1に示されている位置であり、往復移動の中心位置である。そして、以下の説明においては、第一ピストン31および第一シャフト41の基準位置からの変位量と、第二ピストン32および第二シャフト42の基準位置からの変位量を、単に変位量という。
また、第一板ばね部51は、第一シャフト41の軸方向へ二か所設置されているばね群511およびばね群512を有している。同様に、第二板ばね部52は、第二シャフト42の軸方向へ二か所設置されているばね群521およびばね群522を有している。
第一板ばね部51を構成するばね群511およびばね群512、ならびに第二板ばね部52を構成するばね群521およびばね群522は、それぞれ複数の板ばねを有している。ばね群511,512,521,522は、概ね平行に積層されている複数の板ばねを有している。第一板ばね部51は、第一シャフト41とハウジング21とを硬く結合している。そのため、第一板ばね部51は、第一シャフト41およびハウジング21に固定されている。同様に、第二板ばね部52は、第二シャフト42とハウジング21とを硬く結合している。そのため、第二板ばね部52は、第二シャフト42およびハウジング21に固定されている。これにより、第一板ばね部51および第二板ばね部52は、第一シャフト41および第二シャフト42の軸方向への移動を許容するとともに、第一シャフト41および第二シャフト42の径方向への移動、ならびに周方向への回転を制限する。
このように、第一板ばね部51は軸方向に二か所のばね群511,512を有し、第二板ばね部52も軸方向に二か所のばね群521,522を有している。これにより、第一シャフト41および第二シャフト42は、軸方向の二か所で支持される。第一シャフト41および第二シャフト42を軸方向の二か所で支持することにより、第一シャフト41および第二シャフト42は中心軸に対する傾斜が低減する。また、複数のばね群から第一板ばね部51および第二板ばね部52を構成することにより、一つのばね群あたりに板ばねの数を低減することができる。これにより、ばね群を構成する板ばねに高い加工精度を必要とせず、加工工数を低減することができる。
次に、第一リニアモータ110は、第一可動子111および第一固定子121を有している。
第一可動子111は、非磁性の第一シャフト41に設置され、その第一シャフト41と共に軸方向へ往復移動する。そして、第一可動子111は、図1のA−A断面図である図2(a)と、その図2(a)のB−B断面図である図2(b)に示すように、磁性体のコア114と、非磁性体の磁気遮断手段をなすスペーサ113と、そのスペーサ113を挟んで第一シャフト41の変位方向一端側と他端側に配置され第一シャフト41から放射状に突出して設置されている永久磁石112とを有している。そして更に、第一可動子111は、図1に示すように、第一シャフト41の軸方向において第一板ばね部51のばね群511とばね群521との間に配置されている。
第一固定子121は、第一可動子111の外周側を覆って配置されている。そして、第一固定子121は、ヨーク122に固定されているコイル123を有している。ヨーク122は、ハウジング21に固定されている。尚、ヨーク122は、ハウジング21と一体に形成してもよい。また、第一可動子111の永久磁石112は、非磁性の第一シャフト41の一部を磁化することにより、第一シャフト41と一体に形成してもよい。
また、第二リニアモータ210も、第一リニアモータ110と同様に、第二可動子211および第二固定子221を有している。
第二可動子211は、非磁性性の第二シャフト42に設置され、その第二シャフト42と共に軸方向へ往復移動する。そして、第二可動子211も、第一可動子111と同様に、磁性体のコア214と、非磁性体の磁気遮断手段をなすスペーサ(図2(b)のスペーサ113に該当するものであり、図1には現れず)と、そのスペーサを挟んで第二シャフト42の変位方向一端側と他端側に配置され第二シャフト42から放射状に突出して設置されている永久磁石212とを有している。そして更に、第二可動子211は、第二シャフト42の軸方向において第二板ばね部52のばね群521とばね群522との間に配置されている。
第二固定子221は、第二可動子211の外周側を覆って配置されている。そして、第二固定子221は、ヨーク222に固定されているコイル223を有している。ヨーク222は、ハウジング21に固定されている。尚、ヨーク222は、ハウジング21と一体に形成してもよい。また、第二可動子211の永久磁石212は、非磁性の第二シャフト42の一部を磁化することにより、第二シャフト42と一体に形成してもよい。一方、このようなリニアモータ110,210の構成等については、例えば特開2004−88884号公報に詳細に記載されている。
ここで、第一リニアモータ110の第一固定子121(詳しくはコイル123)および第二リニアモータ210の第二固定子221(詳しくはコイル223)は、制御部11と電気的に接続している。
そして、第一リニアモータ110の第一固定子121および第二リニアモータ210の第二固定子221から電力が発生するとき、即ち第一リニアモータ110および第二リニアモータ210が発電機として機能するとき、制御部11は、第一固定子121および第二固定子221から出力された電力を図示しない外部のバッテリーへ供給する。
また、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210から第一ピストン31及び第二ピストン32に対する駆動力が発生するとき、即ち第一リニアモータ110および第二リニアモータ210が本来のリニアモータとして機能するとき、制御部11は、バッテリーに蓄えられている電力を第一固定子121および第二固定子221へ供給する。
一方、フリーピストンエンジン20において、ハウジング21の所定位置には、第一ピストン31の位置を検出するための位置センサ13と、第二ピストン32の位置を検出するための位置センサ14とが設けられている。
位置センサ13は、第一シャフト41の変位量を例えば光や磁気や静電容量などを利用して検出し、その第一シャフト41の変位量に応じた電圧信号を、図5における実線で示すような第一ピストン31の変位量を表す変位信号(以下、第一ピストン31の変位信号という)として出力する。同様に、位置センサ14は、第二シャフト42の変位量を例えば光や磁気や静電容量などを利用して検出し、その第二シャフト42の変位量に応じた電圧信号を、図5における点線で示すような第二ピストン32の変位量を表す変位信号(以下、第二ピストン32の変位信号という)として出力する。そして、その位置センサ13,14からの変位信号は制御部11に入力される。尚、図5(a)は、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量が同一で且つ両ピストン31,32の位相差が最適な180°(即ち、逆位相)となっている状態を表し、図5(b)は、両ピストン31,32の位相差が最適な180°からδだけずれてしまっている状態を表している。
また、フリーピストンエンジン20において、吸気通路72には、混合ガス生成部12から燃焼室23へ供給される混合ガス(以下、予混合ガスともいう)の温度を検出する温度センサ15,16が設けられており、その温度センサ15,16からの信号も制御部11に入力されている。尚、温度センサ15,16は、例えば吸気通路71又は副室61,62に設けられていても良い。また、温度センサ15,16は1つでも良い。
更に、フリーピストンエンジン20において、燃焼室23の側壁となるハウジング21の所定位置には、その燃焼室23内の圧力を検出するための圧力センサ17が設けられており、その圧力センサ17からの信号も制御部11に入力されている。
そして、混合ガス生成部12から吸気通路72へ至る予混合ガスの供給経路には、予混合ガスの空燃比を検出する空燃比センサ18が設けられており、その空燃比センサ18からの信号も制御部11に入力されている。
次に、上述した構成の発電装置10の作動について説明する。
まず、フリーピストンエンジン20の作動について説明する。このフリーピストンエンジン20は2ストロークエンジンである。そのため、第一ピストン31および第二ピストン32が軸方向へ一往復する間に、吸気および排気からなる掃気行程と、圧縮および燃焼からなる燃焼行程とが行われる。フリーピストンエンジン20は、掃気行程と燃焼行程とを繰り返す。以下、第一ピストン31および第二ピストン32が最も接近して燃焼室23の容積を最小にする位置(つまり、両ピストン31,32が互いに近づく圧縮行程が終了する位置)を「上死点」と言い、逆に、第一ピストン31および第二ピストン32が反燃焼室側に変位して両ピストン31,32が最も離れた位置を「下死点」と言う。尚、このフリーピストンエンジン20では、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量の最大値は運転状態によって変化するため、上死点および下死点の位置も変化することとなる。
図3に示すように、第一ピストン31および第二ピストン32が上死点に向けて移動することにより、燃焼室23に吸入された混合ガスは圧縮されて高温高圧になり自己着火する。
このとき、制御部11は、上記各センサ13〜18による検出結果に基づいて、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210が第一ピストン31および第二ピストン32に与える推力と、その第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の振動周波数とを制御することにより、第一ピストン31および第二ピストン32が上死点に到達するときに自己着火可能な圧縮比となるように、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量を制御する。尚、この制御の詳しい内容については後述する。また、図3において、前述した各センサ13〜18と、その各センサ13〜18から制御部11への信号配線は、図示を省略している。そして、このことは、後述する図4についても同様である。一方、本実施形態では、燃焼室23内の混合ガスを自己着火させるタイミングを、第一ピストン31および第二ピストン32が上死点に到達するタイミングとしているが、その自己着火タイミングは、燃料のエネルギーをピストン31,32の駆動力へと最も効率良く変換可能な最適なタイミングであれば良く、フリーピストンエンジン20の構造によっては両ピストン31,32が上死点に到達するタイミング近傍の特定のタイミングでも良い。
また、第一ピストン31および第二ピストン32が上死点に向けて移動することにより、第一副室61および第二副室62は容積が拡大し圧力が低下する。そのため、混合ガス生成部12で生成された混合ガスは、吸気通路72を経由して第一副室61および第二副室62に吸入される。
混合ガスが自己着火すると、燃焼室23の圧力は急激に増加する。混合ガスの燃焼によって生じた燃焼ガスは燃焼室23において膨張し、第一ピストン31および第二ピストン32は膨張する燃焼ガスによって下死点に向けて押し付けられる。こうしたガス膨張(爆発)による駆動力により、第一ピストン31および第二ピストン32は下死点に向けて移動する。また、第一ピストン31および第二ピストン32が下死点へ向けて移動することにより、燃焼室23は容積が拡大し圧力が低下する。
一方、図4に示すように、第一ピストン31および第二ピストン32の下死点への移動によって、第一副室61および第二副室62は容積が縮小し圧力が上昇するため、第一副室61および第二副室62に吸入された混合ガスは、吸気通路71を通して燃焼室23へ流入する。
また、このとき、第一ピストン31および第二ピストン32の下死点へ向けての移動により、第一ピストン31および第二ピストン32と共に第一シャフト41および第二シャフト42は反燃焼室方向へ移動する。そのため、第一板ばね部51および第二板ばね部52は弾性変形し、第一シャフト41および第二シャフト42を燃焼室23側へ押し戻すエネルギーを蓄える。
第一ピストン31および第二ピストン32が下死点に到達すると、第一板ばね部51および第二板ばね部52に蓄えられたエネルギーにより、第一ピストン31および第二ピストン32は第一シャフト41および第二シャフト42と共に燃焼室23側へ押し戻される。これにより、燃焼室23に吸入された混合ガスは圧縮されるとともに、燃焼室23の内部に残留している燃焼ガスは排気通路73から外部へ排出される。
本実施形態の場合、図4に示すように吸気口24と排気口25とはシリンダ22の軸方向の中心から非対称に配置されている。即ち、排気口25は吸気口24よりもシリンダ22の軸方向中心よりに開口している。そのため、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量が同一であるとき、燃焼行程では排気口25は吸気口24よりも早く燃焼室23に開口するとともに、掃気行程では排気口25は吸気口24よりも遅くまで燃焼室23に開口する。これにより、掃気行程において、燃焼室23には吸気口24から排気口25まで一方向のガスの流れが形成される。すなわち、燃焼室23にはユニフロー掃気が形成される。その結果、燃焼室23の内部への燃焼ガスの残留が低減される。
そして、第一ピストン31および第二ピストン32が再び上死点に到達すると、燃焼室23に吸入された混合ガスが再び自己着火する。
以上の行程を繰り返すことにより、フリーピストンエンジン20は運転を継続する。そして、第一ピストン31および第二ピストン32は、図5(a)に示すように、変位量が同一であり、かつ逆位相(位相が180°ずれた状態)となるように運転される。
次に、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の作動について説明する。
第一ピストン31および第二ピストン32の往復移動に伴って、第一ピストン31に接続している第一シャフト41および第二ピストン32に接続している第二シャフト42も軸方向へ往復移動する。これにより、第一シャフト41に設置されている第一可動子111は第一固定子121に対し相対的な移動を生じ、第二シャフト42に設置されている第二可動子211は第二固定子221に対し相対的な移動を生じる。第一可動子111と第一固定子121との相対移動、および第二可動子211と第二固定子221との相対移動によって、第一固定子121および第二固定子221の周辺における磁界は変化する。その結果、第一固定子121および第二固定子221のコイル123、223には電力が生じる。そして、第一固定子121および第二固定子221から発生する電力は、制御部11を介してバッテリーに蓄えられる。これが発電のメカニズムである。
また、制御部11は、上記各センサ13〜18からの信号によりフリーピストンエンジン20の運転状態を検出し、その検出結果に基づいて、混合ガス生成部12を制御すると共に、第一リニアモータ110の第一固定子121(詳しくはコイル123)および第二リニアモータ210の第二固定子221(詳しくはコイル223)へ供給する電流により、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量(即ち振幅)を最適に制御する。
即ち、第一固定子121および第二固定子221は、制御部11により通電されると、周囲に磁界を発生する。そして、第一固定子121および第二固定子221の周囲に磁界が発生すると、第一固定子121と第一可動子111との間、および第二固定子221と第二可動子211との間に磁気的な力が発生し、その力が第一ピストン31および第二ピストン32への第一リニアモータ110および第二リニアモータ210による推力(駆動力)となる。そして、その第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の推力は、第一固定子121および第二固定子221への通電電流の大きさにより調整することができる。
例えば、第一ピストン31および第二ピストン32が燃焼室23の混合ガスを圧縮する時、第一板ばね部51または第二板ばね部52のばね力では第一ピストン31または第二ピストン32を燃焼室23側へ押し戻す力が不足することがある。このとき、制御部11が第一固定子121および第二固定子221に通電すると共に、その通電電流の大きさにより、第一ピストン31および第二ピストン32に対する第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の推力を調節して、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量を調整することができる。
そして更に、本実施形態において、第一振動系と第二振動系を構成する第一板ばね部51および第二板ばね部52は非線形ばねであるため、図6に示すように、第一ピストン31および第二ピストン32の振幅は、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210によって与える推力の周波数(即ち、第一固定子121および第二固定子221に通電する電流の周波数であり、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の振動周波数)を、第一振動系および第二振動系の共振周波数よりも小さくすればするほど減少する。逆に、第一ピストン31および第二ピストン32の振幅は、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の振動周波数を、第一振動系及び第二振動系の共振周波数に近づけるほど大きくなる。このため、制御部11は、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の振動周波数によっても、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量を調整することができる。
次に、制御部11が、第一ピストン31と第二ピストン32との位相差を180°に維持すると共に、その両ピストン31,32が上死点に到達するときに燃焼室23内の混合ガスが自己着火可能な圧縮比となるように、その両ピストン31,32の変位量を制御するために実行する制御処理について説明する。
まず図7は、制御部11が実行する制御処理を表すフローチャートである。尚、この制御処理は、第一ピストン31および第二ピストン32が互いに近づく圧縮行程において実行される。
制御部11が図7の制御処理を開始すると、まずS110にて、第一ピストン31と第二ピストン32との位相差を図5(a)の如く180°に維持するためのピストン同期処理を実行する。
そして、図8に示すように、このピストン同期処理では、まずS112にて、位置センサ13から出力される第一ピストン31の変位信号と、位置センサ14から出力される第二ピストン32の変位信号とを読み込み、その両変位信号の差分から、第一ピストン31と第二ピストン32との位相差を算出する。
次にS114にて、上記S112で算出した位相差が予め定められた設定位相差(即ち180°)か否かを判定し、位相差=設定位相差でなければ(S114:NO)、S116に進む。そして、S116では、第二リニアモータ210の振動周波数を、両ピストン31,32の位相差が設定位相差となるように変更し、その後、上記S112へ戻る。尚、S116では、第二ピストン32の位相が進んでいるために両ピストン31,32の位相差が設定位相差からずれている場合には、第二ピストン32を減速させるために第二リニアモータ210の振動周波数を下げ、逆に、第二ピストン32の位相が遅れているために両ピストン31,32の位相差が設定位相差からずれている場合には、第二ピストン32を加速させるために第二リニアモータ210の振動周波数を上げる。
また、上記S114にて、位相差=設定位相差であると判定したならば(S114:YES)、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210に対する現在の駆動状態を維持し(S177)、そのまま当該ピストン同期処理を終了する。そして、このピストン同期処理により、図5(b)のような位相ずれの状態を図5(a)の同期状態に戻すことができる。
このようなピストン同期処理が終了すると、再び図7に戻り、次のS120にて、温度センサ15,16からの信号と空燃比センサ18からの信号とを読み込んで、予混合ガスの温度と空燃比を検出する。尚、本実施形態では、温度センサ15,16が2つあるため、このS120では、例えば温度センサ15による温度の検出値と温度センサ16による温度の検出値とを足して2で割った値を、予混合ガスの温度の検出値とする。
そして、次のS130にて、上記S120で検出した予混合ガスの温度と空燃比を、図9(a)に示すような三次元データマップに当てはめることで、両ピストン31,32が上死点に到達したタイミングで燃焼室23内の混合ガスを自己着火させるための圧縮比(以下、必要圧縮比という)を算出する。
つまり、予混合ガスの圧縮による自己着火では、予混合ガスの圧縮開始温度と空燃比によって自己着火に必要となる圧縮比が異なる。そのため、フリーピストンエンジン20を常に一定の圧縮比で運転していては、いつも両ピストン31,32が上死点に到達したタイミングで混合ガスを確実に自己着火させることができず、その結果、効率の良い運転を実現することはできない。
そこで、本実施形態では、予混合ガスの温度と空燃比と必要圧縮比との関係を表す図9(a)の如き三次元データマップを、予め実験により作成してROMなどの記録媒体に記憶しておき、その三次元データマップから現在の予混合ガスの温度及び空燃比に対応する必要圧縮比を求めるようにしている。
尚、この三次元データマップは、図9(b)に示すように、予混合ガスの温度が高い場合ほど必要圧縮比が小さい値に算出され、また、図9(c)に示すように、予混合ガスの空燃比が大きい場合ほど必要圧縮比が小さい値に算出されるように設定されている。これは、予混合ガスの温度(詳しくは圧縮開始温度)が高い場合ほど、また予混合ガスの空燃比が大きい場合ほど、混合ガスが低い圧力で自己着火するからである。
次にS140にて、上記S130で算出した必要圧縮比を、図10に示すような二次元データマップに当てはめることで、両ピストン31,32が上死点に到達したタイミングで燃焼室23内の混合ガスを自己着火させるための、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の推力(以下、必要推力という)と第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の振動周波数(以下、必要振動周波数という)を算出する。
尚、このS140で用いる二次元データマップは、圧縮比と、その圧縮比を実現するための推力および振動周波数との関係を表すものであり、予め実験により作成してROMなどの記録媒体に記憶されている。そして、図10に示すように、この二次元データマップは、必要圧縮比が高い場合ほど、必要推力と必要振動周波数が大きい値に算出されるように設定されている。これは、圧縮比を高めるためには、リニアモータ110,210の推力と振動周波数を大きくして、両ピストン31,32の変位量を大きくする必要があるからである。
次にS150にて、後述する燃焼状態判定処理(図11)の判定結果を参照することにより、前回の燃焼が良好な燃焼状態であったか否かを判定し、前回の燃焼が良好な燃焼状態ではなかったと判定した場合には(S150:NO)、S160に進む。
S160では、上記燃焼状態判定処理の判定結果から、前回の圧縮行程では燃焼タイミングが最適なタイミングよりも早かった(即ち、混合ガスの自己着火タイミングが、両ピストン31,32が上死点に到達したタイミングよりも早かった)か否かを判定し、燃焼タイミングが最適なタイミングよりも早かったと判定した場合には、次のS170にて、上記S140で算出した必要推力と必要振動周波数を、圧縮比が小さくなるように(つまり、両ピストン31,32の変位量が小さくなるように)、所定量だけ減少補正し、その後、S180へ進む。
また、上記S160にて、前回の圧縮行程では燃焼タイミングが最適なタイミングよりも早くなかった(即ち、最適なタイミングよりも遅かった)と判定した場合には、S175に移行して、上記S140で算出した必要推力と必要振動周波数を、圧縮比が大きくなるように(つまり、両ピストン31,32の変位量が大きくなるように)、所定量だけ増加補正し、その後、S180へ進む。
また、上記S150にて、前回の燃焼が良好な燃焼状態であったと判定した場合には(S150:YES)、上記S140で算出した必要推力と必要振動周波数を補正せずに、そのままS180へ進む。
そして、S180では、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の現在の推力および振動周波数と、上記S140,S170,S175の処理で算出した最終的な必要推力および必要振動周波数とが同じであるか否かを判定し、同じであれば(S180:YES)、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210に対する現在の駆動状態を維持して(S190)、当該制御処理を終了する。
また、上記S180にて、現在の推力および振動周波数と、算出した必要推力および必要振動周波数とが同じではないと判定した場合には(S180:NO)、S195に移行して、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の推力と振動周波数を、上記S140,S170,S175の処理で算出した必要推力と必要振動周波数に変更し、その後、当該制御処理を終了する。
一方、制御部11は、図7の制御処理と並行して、図11の燃焼状態判定処理を実行している。尚、この燃焼状態判定処理は、ピストン31,32が一往復するのに要する最小時間よりも十分に短い一定のサンプリング時間毎に常時繰り返し実行される。
図11に示すように、燃焼状態判定処理では、まずS210にて、位置センサ13,14からの変位信号に基づき第一ピストン31および第二ピストン32の変位量を検出し、続くS220にて、圧力センサ17からの信号に基づき燃焼室23内の圧力(以下、燃焼室内圧力という)を検出する。そして、次のS230にて、上記S210で検出した両ピストン31,32の変位量と、上記S220で検出した燃焼室内圧力とを、対応させてRAMなどの作業用メモリに記憶する。
次に、S240にて、両ピストン31,32の位置が図4の如き下死点になったか否か(つまり、一行程が終了したか否か)を、上記S210での変位量の検出結果に基づき判定し、下死点になっていなければ、当該燃焼状態判定処理を一旦終了する。
このため、上記S210〜S240の処理が一定のサンプリング時間毎に実行されることにより、両ピストン31,32の位置が下死点になってから次に下死点になるまでの一行程分のサンプリング時間毎の燃焼室内圧力が、その時の両ピストン31,32の変位量と対応付けられて作業用メモリに記憶されることとなる。
また、上記S240にて、両ピストン31,32の位置が下死点になった(一行程が終了した)と判定した場合には、S250に進んで、上記作業用メモリに記憶されている一行程分の燃焼室内圧力と両ピストン31,32の変位量とを解析して、今回終了した圧縮行程による燃焼状態を判定する。
具体的には、まず、例えば図12における実線の曲線で示すように、圧縮行程の終了タイミング(両ピストン31,32が上死点に到達したタイミング)よりも若干後に、燃焼室内圧力に所定の大きさのピークが発生していたならば、良好な燃焼状態であったと判定する。
これに対して、例えば図12における破線の曲線で示すように、圧縮行程の終了タイミング又はそのタイミングよりも前に、燃焼室内圧力にピークが発生していたならば、良好な燃焼状態ではなく、燃焼タイミング(混合ガスの自己着火タイミング)が最適なタイミングよりも早かったと判定する。
また、例えば図12における点線の曲線で示すように、圧縮行程の終了タイミングで燃焼室内圧力のピークが一度発生し、その圧縮行程の終了タイミングよりも後の膨張行程(即ち、両ピストン31,32が離れる段階)に入ってから、再び燃焼室内圧力に増加変化が発生していたならば、良好な燃焼状態ではなく、燃焼タイミング(混合ガスの自己着火タイミング)が最適なタイミングよりも遅かったと判定する。
そして、このS250の処理を終えると、当該燃焼状態判定処理を一旦終了する。尚、上記S250での判定結果が、前述した図7のS150およびS160で参照される。
以上のような本実施形態の発電装置10では、フリーピストンエンジン20の燃焼状態を予測可能な物理量として、予混合ガスの温度と、予混合ガスの空燃比と、燃焼室内圧力とを検出している(S120,S220)。
そして、その検出結果に基づいて、燃料のエネルギーをピストン31,32の駆動力へと最も効率良く変換可能な最適なタイミング(本実施形態では、両ピストン31,32が最も近づく圧縮行程の終了タイミング)で燃焼室23内の混合ガスが自己着火する圧縮比となるように、両ピストン31,32の変位量を、リニアモータ110,210の推力および振動周波数により制御している(S130〜S195,S250)。
例えば、予混合ガスの温度が高い場合ほど、また予混合ガスの空燃比が大きい場合ほど、燃焼室23内の予混合ガスは圧縮行程において早期に自己着火し易くなる(つまり、小さい圧縮比でも着火し易くなる)ため、その場合には、両リニアモータ110,210の振動周波数を低下させて振動系の共振周波数から少しずらすことで、両ピストン31,32の変位量を減少させ、圧縮比を低下させることで、着火のタイミングを最適なタイミングに合わせる。また逆に、予混合ガスの温度が低い場合ほど、また予混合ガスの空燃比が小さい場合ほど、燃焼室23内の予混合ガスは圧縮行程において自己着火し難くなる(つまり、大きい圧縮比でも着火し難くなる)ため、その場合には、両リニアモータ110,210の振動周波数を振動系の共振周波数に維持すると共に、両リニアモータ110,210の推力を増大させることで、両ピストン31,32の変位量を増加させ、圧縮比を増加することで、着火のタイミングを最適なタイミングに合わせる。そして、こうした予混合ガスの温度および空燃比に基づく制御は、S120〜S140,S180〜S195の処理によって実現される。
また、もし、予混合ガスの自己着火タイミングが最適なタイミングからずれてしまったとしても、そのことが図11の燃焼状態判定処理によって燃焼室内圧力に基づき判定され、次回の圧縮行程において、図7におけるS150〜S175の処理により、予混合ガスが最適なタイミングで自己着火する圧縮比となるように、両ピストン31,32の変位量が制御されることとなる。つまり、予混合ガスの温度および空燃比に基づく制御を実施しているにも拘わらず、何等かの原因により着火タイミングを最適なタイミングに維持することが出来なかった時にも、そのことを燃焼室内圧力により判定して、次回の圧縮行程での再発を防止することができる。
以上のような処理により、本実施形態の発電装置10によれば、圧縮行程において最適な点火タイミングよりも前に予混合ガスが自己着火してしまったり、圧縮行程が終わって両ピストン31,32が離れる膨張行程が始まっても予混合ガスが自己着火しなかったり、といった不効率な燃焼状態を確実に回避することができる。
よって、燃料のエネルギーを両ピストン31,32の駆動力へと効率良く変換して、フリーピストンエンジン20を常に効率良く運転することができる。そして、フリーピストンエンジン20を効率良く運転することができるため、効率の良い発電を行うことができる。
尚、本実施形態では、位置センサ13,14と、温度センサ15,16と、圧力センサ17と、S120およびS220の処理とが、検出手段に相当している。また、S130〜S195およびS250の処理が、変位量制御手段に相当している。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、予混合ガスの温度と、予混合ガスの空燃比と、燃焼室内圧力との、3つ全てではなく、そのうちの何れか1つ又は2つを検出し、その検出結果に基づいて両ピストン31,32の変位量を制御するように構成しても良い。
具体例を挙げると、第一変形例として、予混合ガスの温度と燃焼室内圧力との2つに基づいて両ピストン31,32の変位量を制御するのであれば、まず、図9(a)に示した三次元データマップに代えて、図9(b)のような予混合ガスの温度と必要圧縮比との関係を表す二次元データマップ(以下、温度対圧縮比マップという)を用意する。そして、図7のS120では、予混合ガスの温度だけを検出し、S130では、S120で検出した予混合ガスの温度を上記温度対圧縮比マップに当てはめることで、必要圧縮比を算出するように変形すれば良い。
また、第二変形例として、予混合ガスの空燃比と燃焼室内圧力との2つに基づいて両ピストン31,32の変位量を制御するのであれば、まず、図9(a)に示した三次元データマップに代えて、図9(c)のような予混合ガスの空燃比と必要圧縮比との関係を表す二次元データマップ(以下、空燃比対圧縮比マップという)を用意する。そして、図7のS120では、予混合ガスの空燃比だけを検出し、S130では、S120で検出した予混合ガスの空燃比を上記空燃比対圧縮比マップに当てはめることで、必要圧縮比を算出するように変更すれば良い。
また、第三変形例として、予混合ガスの温度と空燃比との2つに基づいて両ピストン31,32の変位量を制御するのであれば、図7におけるS150〜S175の処理と図11の処理を削除すれば良い。
また、第四変形例として、予混合ガスの温度と空燃比との何れか1つだけに基づいて両ピストン31,32の変位量を制御するのであれば、上記第一変形例または第二変形例において、図7におけるS150〜S175の処理と図11の処理を削除すれば良い。
また、第五変形例として、燃焼室内圧力だけに基づいて両ピストン31,32の変位量を制御するのであれば、図7におけるS120〜S140の処理を削除すると共に、S170とS175との各々では、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の現在の推力と振動周波数を、所定量だけ減少補正または増加補正した値を、必要推力および必要振動周波数として設定するように変形すれば良い。
また、燃焼室内圧力に基づき両ピストン31,32の変位量を制御する他の手法としては、例えば、燃焼室内圧力のピーク値(つまり、燃焼圧力の最大値)と、必要圧縮比との関係を表す二次元データマップ(以下、圧力対圧縮比マップという)を用意すると共に、検出した燃焼室内圧力のピーク値を上記圧力対圧縮比マップに当てはめて、必要圧縮比を算出し、更に、その算出した必要圧縮比を図10に示したような二次元データマップに当てはめることで、必要推力と必要振動周波数を算出し、リニアモータ110,210の推力と振動周波数を、その算出した必要推力と必要振動周波数とに調整するようにしても良い。
一方、既述したように、燃焼室23内の混合ガスを自己着火させるタイミングは、両ピストン31,32が上死点に到達したタイミングに限らず、燃料のエネルギーをピストン31,32の駆動力へと最も効率良く変換可能なタイミングであれば良いため、両ピストン31,32が上死点に到達するタイミングの近傍のタイミングでも良い。
また、上記実施形態では、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量(即ち、位置)を位置センサ13,14によって検出したが、制御部11は、第一リニアモータ110および第二リニアモータ210の出力電力(詳しくは、第一固定子121および第二固定子221から発生する電力)の位相を検出することにより、第一ピストン31および第二ピストン32の変位量を検出するように構成しても良い。
実施形態の発電装置を示す模式的な断面図である。 第一リニアモータの構造を表す断面図であり、(a)は図1のA−A断面図で、(b)は(a)のB−B断面図である。 実施形態の発電装置を示す模式的な断面図であって、燃焼行程を示す図である。 実施形態の発電装置を示す模式的な断面図であって、掃気行程を示す図である。 第一ピストン及び第二ピストンの変位を表す図である。 ピストンの振幅とリニアモータの振動周波数との関係を表す説明図である。 制御部が実行する制御処理を表すフローチャートである。 制御処理中で実行されるピストン同期処理を表すフローチャートである。 予混合ガスの温度と空燃比から必要圧縮比を求めるための三次元データマップのイメージ図である。 必要圧縮比からリニアモータの必要推力と必要振動周波数を求めるための二次元データマップのイメージ図である。 制御部が実行する燃焼状態判定処理を表すフローチャートである。 燃焼状態の判定手法を表す説明図である。
符号の説明
10…発電装置、11…制御部、12…混合ガス生成部、13,14…位置センサ、15,16…温度センサ、17…圧力センサ、18…空燃比センサ、20…フリーピストンエンジン、21…ハウジング、22…シリンダ、23…燃焼室、24…吸気口、25…排気口、31…第一ピストン、32…第二ピストン、41…第一シャフト、42…第二シャフト、51…第一板ばね部、52…第二板ばね部、61…第一副室、62…第二副室、71,72…吸気通路、73…排気通路、110…第一リニアモータ、111…第一可動子、113…スペーサ(磁気遮断手段)、121…第一固定子、210…第二リニアモータ、211…第二可動子、221…第二固定子、112,212…永久磁石、114,214…磁性体のコア、122,222…ヨーク、123,223…コイル、511,512,512,522…ばね群

Claims (5)

  1. シリンダを有するハウジングと、
    前記シリンダの内部に軸方向へ往復移動可能に収容されている第一ピストンと、
    前記シリンダの内部に軸方向へ往復移動可能に前記第一ピストンと対向して収容され、前記シリンダおよび前記第一ピストンとの間に燃焼室を形成する第二ピストンと、
    空気と燃料との混合ガスを前記燃焼室へ供給する吸気手段と、
    前記燃焼室から前記混合ガスが燃焼した後の燃焼ガスを排出する排気手段とを備え、
    前記第一及び第二ピストンが互いに向かい合う方向に移動することにより前記燃焼室内の混合ガスが圧縮されて自己着火し、その混合ガスの爆発により前記第一及び第二ピストンが互いに離間する方向に移動し、その後、前記第一及び第二ピストンがばね手段の力により再び互いに向かい合う方向に移動して前記混合ガスの圧縮及び自己着火が行われるフリーピストンエンジンを制御する制御装置であって、
    前記第一ピストンの基準位置からの変位量を磁力により調整可能な第一駆動手段と、
    前記第二ピストンの基準位置からの変位量を磁力により調整可能な第二駆動手段と、
    前記フリーピストンエンジンの燃焼状態を予測可能な特定の物理量を検出する検出手段と、
    前記検出手段による前記物理量の検出結果に基づいて、前記第一及び第二ピストンが互いに近づく圧縮行程の終了タイミング又はその終了タイミング近傍の特定タイミングで前記燃焼室内の混合ガスが自己着火するように、前記第一及び第二ピストンの基準位置からの変位量を前記第一及び第二駆動手段により制御する変位量制御手段と、
    を備えたことを特徴とするフリーピストンエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のフリーピストンエンジンの制御装置において、
    前記検出手段は、前記物理量として、前記混合ガスの温度と、前記混合ガスの空燃比と、前記燃焼室内の圧力とのうちの、少なくとも一つ以上を検出すること、
    を特徴とするフリーピストンエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のフリーピストンエンジンの制御装置において、
    前記第一駆動手段は、前記第一ピストンに対して磁力により推力を与えると共に、その第一ピストンの運動エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発生する第一リニアモータであり、
    前記第二駆動手段は、前記第二ピストンに対して磁力により推力を与えると共に、その第二ピストンの運動エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発生する第二リニアモータであり、
    更に、前記変位量制御手段は、前記第一及び第二リニアモータが前記各ピストンに与える推力と、その第一及び第二リニアモータの振動周波数との両方又は一方を調整することにより、前記第一及び第二ピストンの基準位置からの変位量を制御すること、
    を特徴とするフリーピストンエンジンの制御装置。
  4. シリンダを有するハウジングと、
    前記シリンダの内部に軸方向へ往復移動可能に収容されている第一ピストンと、
    前記シリンダの内部に軸方向へ往復移動可能に前記第一ピストンと対向して収容され、前記シリンダおよび前記第一ピストンとの間に燃焼室を形成する第二ピストンと、
    空気と燃料との混合ガスを前記燃焼室へ供給する吸気手段と、
    前記燃焼室から前記混合ガスが燃焼した後の燃焼ガスを排出する排気手段とを備え、
    前記第一及び第二ピストンが互いに向かい合う方向に移動することにより前記燃焼室内の混合ガスが圧縮されて自己着火し、その混合ガスの爆発により前記第一及び第二ピストンが互いに離間する方向に移動し、その後、前記第一及び第二ピストンがばね手段の力により再び互いに向かい合う方向に移動して前記混合ガスの圧縮及び自己着火が行われるフリーピストンエンジンを制御するための制御方法であって、
    前記フリーピストンエンジンの燃焼状態を予測可能な特定の物理量を検出し、
    その物理量の検出結果に基づいて、前記第一及び第二ピストンが互いに近づく圧縮行程の終了タイミング又はその終了タイミング近傍の特定タイミングで前記燃焼室内の混合ガスが自己着火するように、前記第一及び第二ピストンの基準位置からの変位量を制御すること、
    を特徴とするフリーピストンエンジンの制御方法。
  5. 請求項4に記載のフリーピストンエンジンの制御方法において、
    前記検出する物理量は、前記混合ガスの温度と、前記混合ガスの空燃比と、前記燃焼室内の圧力とのうちの、少なくとも一つ以上であること、
    を特徴とするフリーピストンエンジンの制御方法。
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