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JP2006169345A - インクジェット用顔料インク、インクセット、画像形成方法及び画像記録装置 - Google Patents

インクジェット用顔料インク、インクセット、画像形成方法及び画像記録装置 Download PDF

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JP2006169345A
JP2006169345A JP2004362471A JP2004362471A JP2006169345A JP 2006169345 A JP2006169345 A JP 2006169345A JP 2004362471 A JP2004362471 A JP 2004362471A JP 2004362471 A JP2004362471 A JP 2004362471A JP 2006169345 A JP2006169345 A JP 2006169345A
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Kenji Nishiguchi
憲治 西口
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Abstract

【課題】インクジェット記録用として、インクジェットヘッドからの吐出安定性の高い顔料インク、インクセット、画像形成方法及び画像記録装置を提供すること。
【解決手段】顔料、分散剤、水溶性有機溶剤、及び水を少なくとも含むインクジェット用顔料インクにおいて、前記分散剤は、末端にフェニルアルキル基を有するポリマーであることを特徴とするインクジェット用顔料インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット印刷で用いられる顔料インク、及び、該インクと反応液との組み合わせを有するインクセットに関し、とりわけインクジェットヘッドからの吐出安定性の高い顔料インク、インクセット、画像形成方法及び画像記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、記録液(インク)の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行うものである。特に、特許文献1〜3において開示された、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度、高品質の画像を高速で記録できる。
従来のインクジェット記録に用いられるインクは、一般に水を主成分とし、水に溶解する染料を色材として用いたものが一般的であったが、記録物の耐候性や耐水性を向上するため、色材に顔料を用いる開発が進んでいる。しかし、インク中に分散されている顔料微粒子は、上記したような熱エネルギーをインクに加えて発泡させることによりインクジェットヘッドから吐出して記録する方式においては、吐出される際、電気熱変換体付近は瞬間的に非常に大きな熱エネルギーが加えられ、インク物性が急激に変化するため、顔料微粒子の分散状態が非常に不安定になりやすく、その結果、凝集物が析出し、ノズル付近をふさいだり、電気熱変換体上に堆積して、コゲを形成したりしてインクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が損なわれることがある。
特公昭61−59911号公報 特公昭61−59912号公報 特公昭61−59914号公報
従って、本発明の目的は、インクジェット記録用として好適で、高画質の画像を形成することができ、特にインクジェットヘッドからの吐出安定性の高い顔料インク、顔料インクと反応液とを組み合わせてなるインクセット、画像形成方法及び画像記録装置を提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、顔料、分散剤、水溶性有機溶剤、及び水を少なくとも含むインクジェット用顔料インクにおいて、上記分散剤は、末端にフェニルアルキル基を有するポリマーであることを特徴とするインクジェット用顔料インクである。
本発明の別の形態は、顔料インクと、該インクに接触すると、該インク中に含まれる顔料粒子の平均粒径を増大させる作用をもつ化合物を少なくとも含有する反応液とを有するインクセットであって、該顔料インクが、上記インクジェト用顔料インクであることを特徴とするインクセットである。
本発明の別の形態は、上記インクジェット用顔料インクを被記録媒体に付与する工程を有することを特徴とする画像記録方法である。
本発明によれば、吐出安定性が高く、画像形成した場合に、印字解像度の高い高画質な印字物を作製することが可能なインクジェット用顔料インク(以下、インクという)が提供される。前記インクは、該インクと接触すると、該インク中に含まれる顔料粒子の平均粒径を増大させる作用をもつ化合物を少なくとも含む反応液とともに用いることで、特に、印字濃度の高い、高発色な印字物の作製が可能となる。
以下に、発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明にかかるインクは、インクに含有される分散剤が、ポリマーであり、且つ、該ポリマー末端にフェニルアルキル基を有することを特徴とするものである。
上記のようなポリマー末端にフェニルアルキル基を導入する方法としては、(1)フェニルアルキル基を有する単量体を含む重合反応液から重合体を作製し、ポリマー末端に導入する方法や、(2)フェニルアルキル基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を用いてポリマーを作製し、ポリマー末端に導入する方法が挙げられる。
上記(1)具体例としては、例えば、フェニルアルキル基を有するベンジル(メタ)アクリレート単量体、及びそれを含む複数のビニル系単量体よりなる重合反応液から、ラジカル重合法、リビング重合法等の公知の重合方法により合成する方法がある。これらの中でもリビング重合法は、ポリマー末端にフェニルアルキル基を導入することが容易であり、好ましい。
上記(2)の具体例としては、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)のようなフェニルアルキル基を有する重合開始剤や、α−メチルスチレンダイマーのようなフェニルアルキル基を有する連鎖移動剤を用いて、ラジカル重合法等の公知の方法で合成することにより、ポリマー末端にフェニルアルキル基を導入する方法が挙げられる。
上記に列挙したような方法で得られる本発明で使用する顔料の分散剤としては、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のポリマーであることが好ましく、更には、3,000〜15,000の範囲のポリマーであることが好ましい。
本発明で使用する末端にフェニルアルキル基を有するポリマーからなる分散剤の具体的なものとしては、上記したような方法で得られた、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸等の酸性官能基を有するビニル化合物、酢酸ビニル、酢酸ビニル誘導体、ビニルピロリドン、ビニルピロリドン誘導体、アクリルアミド、及びアクリルアミド誘導体等から選ばれた少なくとも1つ、又は2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなる(共)重合体が挙げられ、(共)重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
上記した中でも特に好ましい分散剤は、末端にフェニルアルキル基を有し、且つ、主鎖ユニット又は側鎖ユニットの一方が親水性セグメントであり、他方が疎水性セグメントであるグラフト共重合体(グラフトコポリマー)が挙げられる。ここで、グラフトコポリマーとは、A及びBの2種類の単量体からなるグラフトコポリマーで説明すると、単量体Aだけからなるホモポリマー(主鎖ユニット)に、別の単量体Bからなるブロックが枝(側鎖ユニット)のように結合した共重合体である。上記のような構成のグラフトコポリマーを顔料の分散剤として用いると、該コポリマーの疎水性セグメント側で顔料粒子表面に吸着し、親水性セグメント側がインク中に広がることで、効果的に立体障害斥力を顔料粒子に付与することができ、分散安定性を向上させることが可能となるからである。
ここで、「主鎖ユニット又は側鎖ユニットの一方が親水性セグメントであり、他方が疎水性セグメントである」とは、主鎖ユニット又は側鎖ユニットのいずれか一方を構成しているセグメントが、主として親水性官能基を有する単量体からなる(共)重合体であり、他方が主として疎水性官能基を有する単量体の(共)重合体であるものであればよい。本発明においては、グラフトコポリマーの酸価の80%以上に相当するアルカリ化合物が添加された水溶液に対して、当該グラフトコポリマーが、10質量%以上の濃度で溶解、或いは安定して分散されている状態を達成できるものが特に好ましい。
上記グラフトコポリマーを形成する場合に用いることのできる好ましい親水性官能基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、EO付加(メタ)アクリレート、EO付加メチル(メタ)アクリレート、EO付加エチル(メタ)アクリレート、EO付加ブチル(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。本発明で好適に使用できるグラフトコポリマーは、上記グラフトコポリマー中の親水性セグメント(親水性部)において、これら親水性官能基を有する単量体が占める割合が、30質量%以上、更には50質量%以上のものであることが好ましい。
又、本発明で使用するグラフトコポリマーに用いられる好ましい疎水性官能基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、炭素数1〜21のアルキル(メタ)アクリレート、N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これら疎水性官能基を有する単量体は、本発明で好適に使用できるグラフトコポリマーは、上記グラフトコポリマー中の疎水性セグメント(疎水性部)において、これら疎水性官能基を有する単量体が占める割合が、30質量%以上、更には、50質量%以上であることが好ましい。
本発明で使用するグラフトコポリマーは、特に、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、及びアクリルアミドN置換体より選択される1つ又は2つ以上の単量体からなる(共)重合体によって、グラフトコポリマーの親水性の側鎖ユニットが形成されたものである場合に、インクの分散安定性を更に向上させることができるため、好ましい。
本発明で使用するグラフトコポリマーは、例えば、主鎖ユニット上の重合開始点から単量体を重合させて側鎖ユニットを成長させる重合方法や、予め合成しておいた側鎖ユニットを、主鎖ユニットに結合させるマクロモノマー法等の公知の合成方法によって得ることができる。
本発明で使用する上記に挙げたような分散剤は、その酸価が、50mgKOH/g〜300mgKOH/g、更には、80mgKOH/g〜300mgKOH/gのものであることが好ましい。上記した範囲の酸価を有する分散剤を用いると、インクの調製に使用する顔料分散液の作成において、顔料の分散を行う際に、分散媒中への分散剤の溶解性を高めることができ、比較的低粘度の顔料粒子が分散媒に懸濁された溶液(分散スラリー)を作製することができる。この結果、インクを調製する場合に顔料分散液を容易に水性媒体に分散させることが可能となり、インク物性が安定した顔料インクを作製しやすくなるので好ましい。
本発明にかかるインクおいて、分散剤は、上記したような構成のポリマーが少なくとも含まれていればよく、1種類、又は複数の当該ポリマーで分散剤が構成されていてもよい。又、上記したような構成のポリマーが少なくとも含まれていれば、上記以外のポリマーを分散剤に組み入れてもよい。前記以外のポリマーとしては、種々のビニル系(共)重合体、或いは、アクリル樹脂や、ロジン、シェラック及びデンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。
本発明にかかるインクにおいて、顔料の分散剤として用いられるポリマーは、インクの全質量に対して、総量で0.1〜15質量%の範囲で含有させるのが好ましい。末端にフェニルアルキル基を有するポリマーは、インクの全質量に対して、0.5〜10質量%の範囲で含有させることが好ましい。
分散剤の溶解性を高めるために、分散スラリー或いは顔料インクは、中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。即ち、このようにすれば、分散剤として使用するポリマーの溶解性が向上するため、分散による微粒子化を容易にさせ、又、作製した顔料インクの長期保存性が一層向上するので好ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
本発明にかかるインクは、上記で説明した分散剤の他、顔料、水溶性有機溶剤、及び水を少なくとも含んでなるが、以下、これらの成分について説明する。
本発明にかかるインクは、インクの全質量に対して、質量比で1〜20質量%、より好ましくは2〜12質量%の範囲で、顔料を含有させたものであることが好ましい。本発明においては、下記に挙げるような顔料を使用することができる。先ず、本発明で使用することのできる黒色の顔料としてはカーボンブラックが挙げられるが、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμm(nm)、BET法による比表面積が50〜400m2/g、揮発分が0.5〜10質量%、pH値が2〜10等の特性を有するものを好ましく用いることができる。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(以上、三菱化学製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL330R、400R、660R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Color Black FWl、FW18、S160、S170、Printex 35、Printex U(以上、デグサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
本発明で使用することのできるイエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、13、16、74、83、109、128、155等が挙げられ、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、キナクリドン固溶体、C.I.Pigment Violet 19等が挙げられる。又、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15:3、15:4、16、22、C.I.Vat Blue 4、6等が挙げられる。勿論、本発明は、これらに限られるものではない。又、以上の他、自己分散型顔料等、新たに製造された顔料も使用することが可能である。
本発明にかかるインクを形成する場合に好適な水性媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であるが、水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。前記の水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
上記したような水溶性有機溶剤のインク中における含有量は、一般的には、インクの全質量の3〜50質量%の範囲であり、より好ましくは3〜40質量%の範囲である。又、水の含有量としては、インクの全質量の10〜90質量%、更に好ましくは30〜80質量%の範囲である。
又、本発明にかかるインクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を適宜に添加することができる。添加量の例としては、インクの全質量に対して、0.05〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%が好適である。
上記したような成分からなる本発明にかかるインクの作製方法としては、初めに、分散剤としてのポリマーと、水とが少なくとも混合された水性媒体に顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散処理を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の顔料分散液を得る。次に、必要に応じてこの顔料分散液に、水性媒体、サイズ剤、或いは、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明にかかるインクとする。
分散剤として、酸性官能基をもつポリマーを使用する場合には、該ポリマーを溶解させるために、顔料分散液を作製する際に塩基を添加すると、インクの分散安定性を向上させることができる。この際に好ましく使用することができる塩基類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
顔料が含有されているインクの作製方法においては、上記で述べたように、インクの調製に、分散処理を行って得られる顔料分散液を使用するが、顔料分散液の調製の際に行う分散処理の前に、分散剤と水性媒体に顔料を加えてプレミキシングを行うのが効果的である。即ち、プレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため、好ましい。
顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、及びナノマイザー(商品名)等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用され、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
顔料が含有されているインクを、インクジェット記録方法に好適に使用できるようにするためには、耐目詰り性等の要請から、顔料としては、最適な粒度分布を有するものを用いることが好ましい。所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、上記で挙げたような分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの手法の組み合わせ等の手法が挙げられる。
本発明にかかる上記したような構成の顔料を含有するインクは、インクに接触すると、該インク中に含まれる顔料粒子の平均粒径を増大させる作用をもつ化合物を少なくとも含有する反応液と組み合わせてセットで使用した場合に、より印字濃度の高い、高発色の良好な印字物与えることができる。
以下、本発明において使用する反応液について説明する。反応液中に含有される、インク中に含まれる顔料粒子の平均粒径を増大させる作用をもつ化合物(反応剤)として最も好適なものとしては、多価金属塩が挙げられる。多価金属塩とは、2価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成されたものである。多価金属イオンの具体例としては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の2価金属イオン、或いはFe3+、Al3+等の3価金属イオンが挙げられる。又、これらに結合する陰イオンとしては、Cl-、NO3 -、SO4 2-等が挙げられる。これらの反応剤は、インク中の顔料と瞬時に反応して、顔料粒子の平均粒径を増大させる作用を生じるようにすることが好ましい。このようにするために、反応液中の多価金属イオンの総電荷濃度が、インク中の逆極性イオンの総電荷濃度の2倍以上となるように構成することが望ましい。
本発明において使用する反応液は、上記のような反応剤と水性媒体とを少なくとも含む組成からなるが、水性媒体としては、水と、水溶性有機溶剤との混合媒体を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、先に説明したインクに含有させることができるものをいずれも使用することができる。本発明における反応液中における水溶性有機溶剤の含有量については特に制限はないが、反応液全質量の5〜60質量%、更に好ましくは、5〜40質量%が好適である。
本発明において使用する反応液には、必要に応じて、更に、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜配合してもかまわないが、浸透促進剤として機能する界面活性剤の選択と添加量は、記録媒体に対する反応液の浸透性を抑制する上で注意が必要である。更に、本発明で使用する反応液は、無色であることがより好ましいが、被記録媒体上でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。更に、以上のような構成の本発明で使用する反応液は、25℃付近での粘度が1〜30cps.の範囲となるように調整されたものであることが好ましい。
本発明にかかる画像形成方法を実施するにあたって使用する被記録媒体については特に制限されるものではなく、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙が好適に使用される。勿論、インクジェット記録用に特別に作成したコート紙やOHP用透明フィルムも好適に使用されるし、一般の上質紙や光沢紙にも好適に使用可能である。
本発明にかかるインクセットを用いる画像記録方法としては、被記録媒体上で前記反応液とインクとが接触し、共存できる方法であればよいが、被記録媒体に予め反応液を付与してから、インクを被記録媒体に付与することを要する。
反応液を被記録媒体に予め付与する方法としては、スプレー、ローラー等によって、被記録媒体の全面に付着せしめる方法が考えられるが、インクが付着する画像形成領域及び画像形成領域の近傍にのみ、選択的且つ均一に付着せしめることが可能なインクジェット方式により行うことが好ましい。又、反応液を被記録媒体に付着せしめてから、インクを付着させるまでの時間については特に制限されるものではないが、本発明をより一層効果的に実施するためには、数秒以内、特に好ましくは、1秒以内であることが好ましい。反応液を被記録媒体に付着せしめる方法としては、種々のインクジェット記録方式を用いることができるが、特に好ましいのは、熱エネルギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出する、いわゆるオンデマンド型のサーマルインクジェット方式である。尚、本発明でいう画像の形成領域とは、インクのドットが付着する領域のことであり、画像形成領域の近傍とは、インクのドットが付着する領域の外側の1〜5ドット程度離れた領域のことを指す。
次に、本発明にかかるインクセットを使用することが好適なインクジェット記録方法について説明する。又、本発明にかかるインクセットを構成する反応液とインクを適用することが好適なカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及びこれらの装置に好適に用いられる液体吐出ヘッドの構成の具体例を説明する。
図1は、本発明にかかる画像記録装置に好適な、吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式のインクジェット記録ヘッド及びこのヘッドを具備するインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。図1において、インクジェットプリンタは、ケーシング1008内に長手方向に沿って設けられる被記録媒体としての用紙1028を、図中に示した矢印Pで示す方向に間歇的に搬送する搬送装置1030と、該搬送装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交する矢印S方向に略平行に、ガイド軸1014に沿って往復運動せしめられる記録部1010と、記録部1010を往復運動させる駆動手段としての移動駆動部1006、とを含んで構成されている。1020は駆動部である。
移動駆動部1006は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a及びb、該2つのプーリに巻きかけられるベルト1016、ローラユニット1022a及びb及び該ローラユニットに略平行に配置され記録部1010のキャリッジ部材1010aに連結されるベルト1016を順方向及び逆方向に駆動させるモータ1018、とを含んで構成されている。
モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図1の矢印R方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図1の矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。又、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図中に示した矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図1の矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。更に、移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1010の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026が、記録部1010のインク吐出口配列に対向して設けられている。
記録部1010は、インクジェットカートリッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合がある)1012Y、1012M、1012C及び1012Bが各色、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック顔料を含有したインクとして、1012Sが反応液として、キャリッジ部材1010aに対して着脱自在に備えられる。
図2は、上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示す。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド(液体吐出ヘッドとも言う)100と、インクや反応液等の液体を収容する液体タンク1001とで主要部が構成されている。
インクジェット記録ヘッド100は、インクや反応液等の液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、これらの液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室(図3参照)へと導かれるようになっている。図2に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
このような構成のインクジェットプリンタに搭載され得る上述の液体吐出ヘッドの具体例を、以下に更に詳しく説明する。図3は、本発明のインクジェット記録装置に好適な液体吐出ヘッドの要部を模式的に示した概略斜視図である。尚、図において、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は省略している。
本発明で使用する液体吐出ヘッド100においては、例えば、図3に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチック或いは金属等からなる基板934が用いられる。このような基板934の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出エネルギー発生素子及び後述する液流路や吐出口を形成する材料層の支持体として、機能し得るものであれば特に限定されるものではない。そこで、本例では、Si基板(ウエハ)を用いた場合で説明する。このような基板934上にインク吐出口を形成するが、その方法としては、レーザー光による形成方法の他、例えば、後述するオリフィスプレート(吐出口プレート)935を感光性樹脂として、MPA(Mirror Projection Aliner)等の露光装置により、吐出口を形成する方法も挙げられる。
図3において、934は、電気熱変換素子(以下、ヒータと記述する場合がある)931及び共通液室部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口933を備える基板であり、該インク供給口933の長手方向の両側には、熱エネルギー発生手段であるヒータ931がそれぞれ1列ずつ千鳥状に、電気熱変換素子の間隔が、例えば、300dpiで配列されている。又、この基板934には、インク流路を形成するためのインク流路壁936が設けられている。このインク流路壁936には、更に、吐出口832を備える吐出口プレート935が設けられている。
ここで、図3においては、インク流路壁936と吐出口プレート935とは、別部材として示されているが、このインク流路壁936を、例えば、スピンコート等の手法によって基板934上に形成することにより、インク流路壁936と吐出口プレート935とを同一部材として同時に形成することも可能である。ここでは、更に、吐出口面(上面)935a側は撥水処理が施されている。例示した装置では、図1の矢印S方向に走査しながら記録を行うシリアルタイプのヘッドを用い、例えば、1,200dpiで記録を行う。駆動周波数は10kHzであり、一つの吐出口では、最短時間間隔100μs毎に吐出を行うことになる。
上述の構成のインクジェット記録ヘッドによる液体の吐出動作については、例えば、特開2002−201390公報の図16〜23、並びにその説明に記載されている。そして上記特開2002−201390公報に図示した例の液体吐出ヘッドでは、気泡が最大体積に成長した後の体積減少段階で液体を吐出する際に、吐出口の中心に対して分散した複数の溝により、吐出時の主液滴の方向を安定化させることができる。その結果、吐出方向のヨレのない、着弾精度の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。又、高い駆動周波数での発泡ばらつきに対しても吐出を安定して行うことができることによる、高速高精細印字を実現することができる。
特に、上記特開2002−201390公報に示した例の液体吐出ヘッドでは、気泡の体積減少段階で、この気泡を初めて大気と連通させることで液体を吐出することにより、気泡を大気に連通させて液滴を吐出する際に発生するミストを防止できるので、いわゆる、突然不吐出の要因となる、吐出口面に液滴が付着する状態を抑制することもできる。本発明に好適に使用できる、上記したような吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の記録ヘッドの他の実施態様としては、例えば、特許第2783647号公報に記載のように、いわゆるエッジシュータータイプが挙げられる。
本発明にかかる画像記録方法は、特にインクジェット記録方式の中でも、熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッドや記録装置において、優れた効果をもたらすものである。その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書及び同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。
この方式は、いわゆるオンデマンド型及びコンティニュアス型の何れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的に、この駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長及び収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの液滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
この際のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号明細書及び同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率についての発明に関する米国特許第4,313,124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に、優れた記録を行うことができる。
本発明にかかる画像記録方法を実現する際に使用する、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を構成する記録ヘッドの構成としては、上記に挙げた各明細書に開示されているような吐出口、液路及び電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4,558,333号明細書及び米国特許第4,459,600号明細書を用いた構成のものを使用することも好ましい。
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても有効である。
更に、記録装置が記録できる最大範囲の被記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成の何れでもよい。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いることもできる。
又、本発明にかかるインクジェット方式の画像記録装置に設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或いは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子、或いはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
以下、実施例及び比較例を用いて更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り、質量基準である。
〔実施例1〕
<分散剤の作製>
(分散剤A1の調製)
本実施例では、先ず、重合開始剤として、フェニルアルキル基を有する1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)を用い、親水性官能基を有する単量体であるアクリル酸と、疎水性官能基を有する単量体であるベンジルアクリレート及びn−ブチルメタクリレートとを合成原料として、以下のようにして重合を行って分散剤A1を得た。
ベンジルアクリレート40部、n−ブチルメタクリレート20部、アクリル酸40部及び重合開始剤1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)6部の混合物を2−プロパノール500部に、重合温度75℃、N2気流下にて3時間かけて滴下した。滴下後、更に2時間75℃に保って重合反応を完了させた。その後、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂A1を得た。得られた分散樹脂A1の重量平均分子量は5,000であり、酸価は200mgKOH/gであった。上記で得た分散剤A1についてNMR装置により構造解析を行ったところ、末端部に重合開始剤由来のフェニルアルキル基が導入されていることが確認できた。
<顔料分散液K1の作製>
・分散剤A1 5部
・水酸化カリウム 1部
・ジエチレングリコール 20部
・イオン交換水 59部
上記で得た分散剤A1を含む上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラック顔料Printex90(デグサ製)を15部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:70%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液K1とした。
<インクk1の作製>
上記で得た顔料分散液K1を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、その後ろ過して、常法によって顔料を含有するインクを作製し、インクk1とした。
・上記顔料分散液K1 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・N−メチルピロリドン 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
1.0部
・イオン交換水 49.0部
<インクの評価(連続印字耐久試験)>
インクの評価は、以下のようにして行った。上記のようにして作製したインクk1をインクカートリッジに充填し、市販のインクジェットプリンターBJF890(キヤノン製)を用いて、連続印字を行った。このとき、インクの不吐出が何枚目で発生したかをチェックし、下記の基準により判定した。得られた評価結果を下記表1に示す。
(評価基準)
◎:1,000枚発生せず
○:100枚以上1,000枚未満で発生
×:100枚未満で発生
(比較例1)
<分散剤の作製>
(分散剤Aの調製)
本比較例では、重合開始剤に、フェニルアルキル基を有しないアゾビスイソブチロニトリルを用い、親水性官能基を有する単量体であるアクリル酸と、疎水性官能基を有する単量体であるスチレン及びn−ブチルメタクリレートとを合成原料として、以下のようにして重合を行って分散剤Aを得た。
スチレン40部、n−ブチルメタクリレート20部、アクリル酸40部及び重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を2−プロパノール500部に、重合温度75℃、N2気流下にて3時間かけて滴下した。滴下後、更に2時間75℃に保って重合反応を完了させた。その後、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散樹脂Aを得た。得られた分散樹脂Aの重量平均分子量は6,000であり、酸価は190mgKOH/gであった。上記で得た分散剤AについてNMR装置により構造解析を行ったところ、末端部にはフェニルアルキル基が導入されていなかった。
<顔料分散液K2の作製>
・分散剤A 5部
・水酸化カリウム 1部
・ジエチレングリコール 20部
・イオン交換水 59部
上記組成からなる顔料分散液K2を、実施例1における顔料分散液K1の作製で行ったと同様の分散処理によって得た。
<インクk2の作製及び評価>
実施例1におけるインクk1の調製で使用した顔料分散液K1を、上記で作製した顔料分散液K2にしたこと以外はインクk1の場合と同様にして、インクk2を調製した。得られたインクk2について、実施例1で調製したインクk1と同様に、連続印字耐久試験を行って評価した。その評価結果を下記表1に示す。
〔実施例2〕
<分散剤A2の作製>
(マクロモノマーB1の調製)
親水性官能基を有するアクリル酸40部、フェニルアルキル基を有する連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマー10部、ラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を1−メトキシ−2−プロパノール500部に、重合温度75℃、N2気流下にて3時間かけて滴下した。滴下後、更に2時間75℃に保って重合反応を完了させた。その後、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して、親水性官能基を有するマクロモノマーB1を得た。
(分散剤A2の調製)
上記で得た親水性官能基を有するマクロモノマーB1の40部を予め1−メトキシ−2−プロパノール500部に溶解し、ベンジルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート20部及びアゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を前記マクロモノマーB1が溶解された1−メトキシ−2−プロパノールに、重合温度75℃、N2気流下にて3時間かけて滴下した。滴下後、更に2時間75℃に保って重合反応を完了させた。その後、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散剤A2を得た。
得られた分散剤A2の重量平均分子量は7,500であり、酸価は180mgKOH/gであった。更に、上記で作製した分散剤A2について、NMR装置により構造解析を行ったところ、末端部にα−メチルスチレンダイマー由来のフェニルアルキル基が導入されていることが確認できた。更に、分散剤A2は、主鎖ユニットが疎水性部であり、側鎖ユニットが親水性部である構造を有するグラフトコポリマーであった。
<顔料分散液C1の作製>
・分散剤A2 5部
・水酸化カリウム 1部
・ジエチレングリコール 20部
・イオン交換水 59部
上記組成からなる顔料分散液C1を、実施例1における顔料分散液K1の作製で行ったと同様の分散処理によって得た。この際、カーボンブラック顔料Printex90(デグサ製)15部に代えて、フタロシアニン顔料Irgalite Blue GLNF(チバ・スペシャルティケミカルズ社製)を15部使用した。
<インクc1の作製及び評価>
実施例1におけるインクk1の調製で使用した顔料分散液K1を、上記で作製した顔料分散液C1にしたこと以外はインクk1の場合と同様にして、インクc1を調製した。得られたインクc1について、実施例1で調製したインクk1と同様に、連続印字耐久試験を行って評価した。その評価結果を下記表1に示した。
〔実施例3〕
<分散剤A3の作製>
(マクロモノマーB2の調製)
疎水性官能基を有するベンジルアクリレート40部、フェニルアルキル基を有する連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマー10部及びアゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を1−メトキシ−2−プロパノール500部に、重合温度75℃、N2気流下にて3時間かけて滴下した。滴下後、2時間75℃に保って重合反応を完了させた。その後、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して疎水性官能基を有するマクロモノマーB2を得た。
(分散剤A3の調製)
上記で得た疎水性官能基を有するマクロモノマーB2の50部を予め1−メトキシ−2−プロパノール500部に溶解し、アクリル酸30部、エチルアクリレート20部及びアゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を前記マクロモノマーB2が溶解された1−メトキシ−2−プロパノールに、重合温度75℃、N2気流下にて3時間かけて滴下した。滴下後、更に2時間75℃に保って重合反応を完了させた。その後、ヘキサン1,000部中に反応物を展開して未反応物を沈殿精製により取り除き、減圧乾燥して分散剤A3を得た。
得られた分散剤A3の重量平均分子量は7,500であり、酸価は220mgKOH/gであった。更に、上記で作製した分散剤A3について、NMR装置により構造解析を行ったところ、末端部に、α−メチルスチレンダイマー由来のフェニルアルキル基が導入されていることが確認できた。更に、分散剤A3は、主鎖ユニットが親水性部であり、側鎖ユニットが疎水性部である構造を有するグラフトコポリマーであった。
<顔料分散液M1の作製>
先に調製した顔料分散液K1において、分散剤A1を上記で得た分散剤A3とし、顔料をキナクリドン顔料Cromophtal Pink PT(チバ・スペシャルティケミカルズ社製)に代えた以外は、顔料分散液K1を調製したと同様にして、顔料分散液M1を作製した。
<インクm1の作製及び評価>
実施例1のインクk1の調製において、顔料分散液K1を、上記で得た顔料分散液M1にしたこと以外はインクk1の場合と同様にして、インクm1を調製した。そして、得られたインクm1について、インクk1の場合と同様にして、連続印字耐久試験を行って評価した。そして、評価結果を下記表1に示した。
Figure 2006169345
〔実施例4〜8〕
<分散剤A4〜A8の作製>
先ず、実施例1で行った分散剤A1の合成において、下記表2に示した原料組成とした以外は同様の方法で、実施例4〜8で使用する酸価の異なる分散剤A4〜A8をそれぞれ作製した。
Figure 2006169345
<顔料分散液K4〜K8の作製>
実施例1で調製した顔料分散液K1において、分散剤A1の代わりに、上記で得た各分散剤A4〜A8を用いる以外は同様の方法で、顔料分散液K4〜K8を作製した。
<インクk4〜k8の作製及び評価>
実施例1のインクk1の調製において、顔料分散液K1をそれぞれ、上記で得た各顔料分散液K4〜K8にしたこと以外はインクk1の場合と同様にして、インクk4〜k8を調製した。そして、得られた各インクk4〜k8について、インクk1の場合と同様にして連続印字耐久試験を行い、評価した。そして、得られた評価結果を下記表3に示した。
Figure 2006169345
〔実施例9〕
本実施例は、インクと接触すると、インクに含まれる顔料粒子の平均粒径が増大する作用を持つ反応液s1と、インクk1、c1、m1、y1との組み合わせからなるインクセットに関する。
<インクy1の作製>
(顔料分散液Y1の調製)
実施例2で調製した顔料分散液C1において、フタロシアニン顔料を、アゾ顔料Irgaphor GELB 8G−CF(チバ・スペシャルティケミカルズ社製)とした以外は同様にして、顔料分散液Y1を調製した。
(インクy1の調製)
実施例2で調製したインクc1において、顔料分散液C1を上記で得た顔料分散液Y1とした以外は同様にして、インクy1を調製した。
<反応液s1の作製>
下記の組成からなる成分を混合した後、ろ過して、反応液s1を調製した。
・ジエチレングリコール 10.0部
・メチルアルコール 5.0部
・硝酸マグネシウム 3.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.1部
・イオン交換水 81.9部
<インクセットの作成及び評価>
上記で得た反応液s1と、インクk1、c1、m1及びy1とを組み合わせて本実施例のインクセットとした。インクk1、c1及びm1は、実施例1〜3で調製したものを用いた。このようにして得たインクセットを用いて、普通紙であるPB用紙(キヤノン製)に反応液s1を先に付与させた後、該反応液s1と各インクとがそれぞれ接するように、インクk1、c1、m1及びy1とを付与させて印字物1Aを作製した。
ここで用いた記録ヘッドは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数15kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、夫々4plのヘッドを使用した。又、印字テストの際の環境条件は、25℃/55%RHに統一してある。
作製した印字物1Aのブリーディングはよく、色間の滲みはなかった。そして印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字物1Aの印字部のインクk1により作製された部分の光学濃度及びインクc1、m1、y1により作製された部分の彩度を反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクk1で作製された部分の光学濃度が1.5、インクc1、インクm1、インクy1により作製された部分の彩度は、順に、54、65、82の値を得た。
〔参考例1〕
反応液s1を用いないこと以外は、実施例9と同様の方法により、インクk1、c1、m1及びy1を用いて、普通紙であるPB用紙(キヤノン製)に印字物2Aを作製した。作製した印字物2Aは、印字物1Aと比較すると若干であるがブリーディングが見られ、色間の滲みが観察された。そして、印字してから約5秒経過後に別の紙のエッジ部で印字部を擦ったところ、印字画像が流れることはなかった。又、印字部の光学濃度及び彩度を上記実施例9と同様に反射濃度計RD−19I(GretagMacbeth製)で測定したところ、インクk1にて作製される部分の光学濃度が1.2、インクc1、m1、y1により作製される部分の彩度が順に、44、61、74の値を得た。この結果、反応液s1を用いることで、発色性に優れた、より画像品質の高い印字物が得られることが確認された。
本発明の画像記録装置であるインクジェットプリンタの一例を示す概略斜視図である。 インクジェットカートリッジの一例を示す概略斜視図である。 液体吐出ヘッドの一例を示す模式的概略斜視図である。
符号の説明
100:インクジェット記録ヘッド
832:吐出口
931:電気熱変換素子(ヒータ、インク吐出エネルギー発生素子)
933:インク供給口(開口部)
934:基板
935:オリフィスプレート(吐出口プレート)
935a:吐出口面
936:インク流路壁
940:吐出口部
1001:液体タンク
1006:移動駆動部
1008:ケーシング
1010:記録部
1010a:キャリッジ部材
1012:カートリッジ
1012Y、M、C、B、S:インクジェットカートリッジ
1014:ガイド軸
1016:ベルト
1018:モータ
1020:駆動部
1022a、1022b:ローラユニット
1026:回復ユニット
1026a、1026b:プーリ
1028:用紙
1030:搬送装置
P:用紙の搬送方向
R:ベルトの回転方向
S:用紙の搬送方向と略直交する方向

Claims (9)

  1. 顔料、分散剤、水溶性有機溶剤、及び水を少なくとも含むインクジェット用顔料インクにおいて、上記分散剤は、末端にフェニルアルキル基を有するポリマーであることを特徴とするインクジェット用顔料インク。
  2. 前記分散剤は、主鎖ユニット又は側鎖ユニットの一方が親水性セグメントからなり、他方が疎水性セグメントからなるグラフトコポリマーである請求項1に記載のインクジェット用顔料インク。
  3. 前記グラフトコポリマーの側鎖ユニットが、末端にフェニルアルキル基を有し、且つ、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルアミドN置換体より選択される1つ又は2つ以上の単量体から形成されている請求項2に記載のインクジェット用顔料インク。
  4. 前記分散剤は、酸価が50mgKOH/g〜300mgKOH/gである請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
  5. 顔料インクと、該インクに接触すると、該インク中に含まれる顔料粒子の平均粒径を増大させる作用をもつ化合物を少なくとも含有する反応液とを有するインクセットであって、該顔料インクが、請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェト用顔料インクであることを特徴とするインクセット。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット用顔料インクを被記録媒体に付与する工程を有することを特徴とする画像記録方法。
  7. 前記インクジェット用顔料インクを被記録媒体に付与する前に、該インクに接触すると、該インク中に含まれる顔料粒子の平均粒径を増大させる作用をもつ化合物を少なくとも含有する反応液を該被記録媒体に付与する工程を有する請求項6に記載の画像記録方法。
  8. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット用顔料インクを被記録媒体に付与する手段を有することを特徴とする画像記録装置。
  9. 前記インクジェット用顔料インクを被記録媒体に付与する前に、該インクに接触すると、該インク中に含まれる顔料粒子の平均粒径を増大させる作用をもつ化合物を少なくとも含有する反応液を該被記録媒体に付与する手段を有する請求項8に記載の画像記録装置。
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