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JP2006039392A - 薄膜と回折光学素子とそれらの製造方法 - Google Patents

薄膜と回折光学素子とそれらの製造方法 Download PDF

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JP2006039392A JP2004221990A JP2004221990A JP2006039392A JP 2006039392 A JP2006039392 A JP 2006039392A JP 2004221990 A JP2004221990 A JP 2004221990A JP 2004221990 A JP2004221990 A JP 2004221990A JP 2006039392 A JP2006039392 A JP 2006039392A
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一彦 織田
Takashi Matsuura
尚 松浦
Toshihiko Ushiro
利彦 後
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Abstract

【課題】 実用的な屈折率変調型回折光学素子をより簡便にかつ低コストで提供する。
【解決手段】 回折光学素子の製造方法において、主要成分として炭素を含んでいて30より大きく200より小さいヌープ硬度と1.54未満の屈折率とを有する薄膜(1)を準備し、薄膜に回折作用を生じさせるための屈折率変調構造を形成するように、薄膜の複数領域(2a)にエネルギビーム(4)を照射してそれらの領域の屈折率を高めることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は薄膜を利用して作製される回折光学素子に関し、特に、屈折率変調型回折光学素子とその製造方法の改善に関する。
周知のように、光の回折を生じさせる回折光学素子は、種々の用途に利用され得る。たとえば、光通信分野で使用される波長合分波器、光カプラ、光アイソレータなどは、回折光学素子を利用して作製することができる。また、液晶プロジェクタなどにおいて、たとえば偏光分離器として回折光学素子を利用することができる。
一般に、回折光学素子は、透光性基板上に回折格子層を形成することによって作製される。その回折格子層の構造的相違に基づいて、回折光学素子は屈折率変調型とレリーフ型とに大別される。
図17は、屈折率変調型回折光学素子の一例を模式的な断面図で示している。この屈折率変調型回折光学素子は、透光性基板11上に形成された回折格子層12aを含んでおり、この回折格子層12aには屈折率変調構造が形成されている。すなわち、回折格子層12aにおいては、相対的に小さな屈折率n1を有する局所的領域と相対的に大きな屈折率n2を有する局所的領域とが周期的に交互に形成されている。そして、低屈折率n1の領域を通過した光と高屈折率n2の領域を通過した光との間で生じる位相差に起因して回折現象が生じ得る。
屈折率変調構造を有する回折格子層12aは、たとえばエネルギビーム照射を受けることによって屈折率が増大する材料を用いて形成することができる。たとえば、Geがドープされた石英ガラスは、紫外線照射によってその屈折率が増大することが知られている。また、石英ガラスにX線を照射することによってもその屈折率が増大することが知られている。すなわち、透光性基板11上に屈折率n1の石英系ガラス層を堆積し、そのガラス層にエネルギビームを周期的パターンで照射して局所的に屈折率をn2に高めることによって、図17に示されているような回折格子層12aを形成することができる。
図18は、レリーフ型回折光学素子の一例を模式的な断面図で示している。このレリーフ型回折光学素子は、透光性基板11上に形成された回折格子層12bを含んでおり、この回折格子層12bにはレリーフ構造が形成されている。すなわち、回折格子層12bにおいては、相対的に大きな厚さを有する局所的領域と相対的に小さな厚さを有する局所的領域とが周期的に交互に形成されている。そして、大きな厚さの領域を通過した光と小さな厚さの領域を通過した光との間で生じる位相差に起因して回折現象が生じ得る。
レリーフ構造を有する回折格子層12bは、たとえば、透光性基板11上に石英系ガラス層を堆積し、フォトリソグラフィとエッチングを利用してそのガラス層を加工することによって形成され得る。
図19は、屈折率変調型回折光学素子のもう1つの例を模式的な断面図で示している。図19の屈折率変調型回折光学素子は図17のものに類似しているが、図19中の回折格子層12c内には互いに異なる3レベルの屈折率n1、n2、n3を有する局所的領域が周期的に配列されている。このように、回折格子層12c内において3レベルの屈折率n1、n2、n3を有する局所的領域は、たとえば、基板11上に屈折率n1の石英系ガラス層を堆積して、そのガラス層に対して2通りの異なるエネルギレベルのエネルギビームを照射することによって形成され得る。
多(マルチ)レベルの屈折率の局所的領域を含む回折格子によれば、単純な2(バイナリ)レベルの屈折率の領域を含む回折格子の場合に比べて、回折効率が向上し得る。また、マルチレベルの屈折率変化を含む回折格子がバイナリレベルの屈折率変化を含む回折格子に比べて高い回折効率を有し得ることから推測されるように、段階的な屈折率変化の代わりに連続的な屈折率変化を含む回折格子もバイナリレベルの屈折率変化を含む回折格子に比べて高い回折効率を有し得る。ここで、回折効率とは、入射光のエネルギに対する回折光エネルギの総和の比率を意味する。すなわち、回折光を利用する観点からは、回折効率の大きい方が好ましい。
図20は、レリーフ型回折光学素子のもう1つの例を模式的な断面図で示している。図20のレリーフ型回折光学素子は図18のものに類似しているが、図20中の回折格子層12d内には互いに異なる3レベルの厚さを有する局所的領域が周期的に配列されている。このように、回折格子層12d内において3レベルの厚さを有する局所的領域は、たとえば、基板11上に石英系ガラス層を堆積して、そのガラス層に対してフォトリソグラフィとエッチングによる加工を2回繰り返すことによって形成され得る。このように多レベルの厚さを有する局所的領域を含む回折格子によっても、単純な2レベルの厚さを含む回折格子の場合に比べて、回折効率が向上し得る。
上述の屈折率変調型回折光学素子は原理的には作製可能であるが、実用的な屈折率変調型回折光学素子を得ることは困難である。なぜならば、たとえば石英系ガラスにエネルギビームを照射することによって得られる屈折率変化量Δnはせいぜい0.01程度であって、効果的な回折格子層を形成することが困難だからである。換言すれば、屈折率変調型回折光学素子においては、回折効率がその屈折率変調構造中の屈折率変化量Δnの大きさにも依存し、そのΔnが小さい場合には実用的な回折効率が得られないからである。
したがって、現在では、回折光学素子としてレリーフ型が利用されるのが一般的である。しかし、レリーフ型回折光学素子の作製に必要なフォトリソグラフィやエッチングはかなり複雑な加工工程であり、相当の時間と手間を要する。また、そのエッチング深さを精度よく制御することが容易でない。さらに、レリーフ型回折光学素子においては、その表面に微細な凹凸が形成されているので、埃や汚れが付着しやすいという問題もある。
特開2003−248193号公報
他方、特許文献1の特開2003−248193号公報は、DLC(diamond-like carbon: ダイアモンド状カーボン)膜に高エネルギビームを照射することによってその屈折率を高め得ることを報告している。この報告の教示によれば、従来の石英系ガラスの場合に比べて、高エネルギビーム照射によるDLC膜の屈折率変化量Δnを大きくすることができる。
しかし、DLC膜は一般に気相堆積法によって作製されるが、十分に吟味された厳格な堆積条件の下で作製しなければならない。また、DLC膜はダイアモンドに類似の性質を有し、高い硬度と高い屈折率を有している。すなわち、DLC膜は当初から高い屈折率を有しているので、大きな屈折率変化量Δnを得るためには、非常に高いエネルギビームを照射してその屈折率をさらに高くしなければならない。
以上のような先行技術における状況に鑑み、本発明の主要な目的は、実用的な屈折率変調型回折光学素子をより簡便にかつ低コストで提供することである。
本発明によれば、回折光学素子の製造方法は、主要成分として炭素を含んでいて30より大きく200より小さいヌープ硬度と1.54未満の屈折率とを有する薄膜を準備し、薄膜に回折作用を生じさせるための屈折率変調構造を形成するように、薄膜の複数領域にエネルギビームを照射してそれらの領域の屈折率を高めることを特徴としている。
なお、薄膜は、水素、窒素、およびフッ素の少なくとも1種を付加的に含むことが好ましい。薄膜は、0.3μm〜20μmの範囲内の厚さを有し得る。
エネルギビームとしては、95%以上の光子が280eV未満のエネルギを有するSR(シンクロトロン放射)光ビームを利用し得る。エネルギビームは、波長400nm未満のレーザビームであってもよい。レーザビームは、波長300nm未満の紫外光ビームであることがより好ましい。レーザビームは、パルスレーザビームであり得る。さらに、エネルギビームとして、波長400nm未満の波長の光を含む紫外線ランプ光を用いることもできる。
エネルギビームの照射中における薄膜の温度は、100℃以下であることが好ましい。屈折率変調構造は、450nm〜650nm、1.2μm〜1.7μm、3μm〜5μm、および8μm〜12μmから選択された波長の光に対して回折効果を生じるように形成され得る。
本発明によれば、回折光学素子は、主要成分として炭素を含んでおり、回折作用を生じさせるための低屈折率領域と高屈折率領域を含む屈折率変調構造を有し、この屈折率変調構造の平均ヌープ硬度が40より大きく700より小さいことを特徴としている。なお、低屈折率領域のヌープ硬度が30より大きく200より小さく、前記高屈折率領域のヌープ硬度が40より大きく700より小さいことが好ましい。また、低屈折率領域の消衰係数は3×10-4未満であって、高屈折率領域の消衰係数は5×10-3未満であることが好ましい。高屈折率領域のヌープ硬度および消衰係数は、低屈折率領域のヌープ硬度および消衰係数より大きい。なお、実際の回折光学素子においては、微細なエネルギビーム照射領域と非照射領域を区別してヌープ硬度と消衰係数を測定することは困難な場合が多い。その場合、平均的な値として、ヌープ硬度が30より大きく700より小さいか、消衰係数が5×10-3未満であることが目安となる。また、エネルギビーム照射領域と非照射領域の面積比がわかれば、シミュレーションによって照射領域と非照射領域を区別してヌープ硬度と消衰係数を求めることも可能である。
本発明によれば、エネルギビームの照射によって屈折率を高めることができる薄膜をプラズマCVD(化学気相堆積)を利用して製造する方法においては、CVD反応室内で基板電極上に基板が配置され、反応室内に導入される原料ガスは60より大きく150より小さい分子量を有しかつベンゼン核を含まない飽和炭化水素のガスを25%以上100%以下の流量比で含み、CVD時における反応室内のガス圧が5Paより高くて700Paより低く設定され、基板電極に対して0.1W/cm2より大きくて2W/cm2より小さい高周波電力を印加して、主要成分として炭素を含む非晶質薄膜を基板上に堆積させることを特徴としている。
なお、原料ガスは、窒素またはフッ素を含むガスをも含むことが好ましい。また、原料ガスには、水素ガスと希ガスのいずれもが含められないことが好ましい。CVD時において、基板は5℃〜100℃の範囲内の温度に維持されることが好ましい。非晶質薄膜は、真空中または大気中で100℃〜380℃の範囲内の温度で熱処理されることが好ましい。
本発明によれば、薄膜は炭素と水素を主成分とし、炭素に対して1/12より大きく1/6より小さいの範囲内の質量比で水素を含み、0.3μmより大きく20μmより小さいの範囲内の厚さと、30より大きく200より小さいヌープ硬度とを有することを特徴としている。このような薄膜は、450nm〜650nmおよび1200nm〜1700nmの少なくとも一方の波長範囲の光に関して1.45以上1.54未満の範囲内の屈折率を有し得る。なお、炭素に対して19/60未満の範囲内の質量比で窒素とフッ素の少なくとも一方を付加的に含むことが好ましい。このような薄膜は、450nm〜650nmおよび1200nm〜1700nmの少なくとも一方の波長範囲の光に関して1.35以上1.54未満の範囲内の屈折率を有し得る。さらに、本発明による薄膜は、3×10-4未満の消衰係数を有し得る。なお、本発明で開示するヌープ硬度は、たとえば5gfから50gfの範囲の適切な荷重を印加させてヌープ硬度計で測定することができる。また、屈折率および消衰係数は、分光エリプソメトリや透過・反射スペクトルを用いた光学シミュレーションなどによって求めることができる。
本発明によれば、DLC膜に比べて低い硬度と低い初期屈折率を有する薄膜を準備することができ、その薄膜に対して比較的低いエネルギのビームを簡便に照射することによって、大きな屈折率変化量Δnを含む屈折率変調型回折光学素子を低コストで提供することができる。
図1から図3は、本発明の一実施形態による屈折率変調型回折光学素子の作製過程を図解する模式的な断面図である。なお、本願の図面において、長さや厚さのような寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を反映してはいない。
まず、図1に示されているように、透光性基板1上にプラズマCVDによって堆積された非晶質薄膜2が準備される。本発明における薄膜2は、主要成分として炭素を含んでいて、30より大きく200より小さいヌープ硬度と、1.54未満の屈折率と、3×10-4未満の消衰係数を有している。なお、薄膜2は、その屈折率を低下させるために、水素、窒素、およびフッ素の少なくとも1種を付加的に含み得る。そのような薄膜2は、後述のようなプラズマCVDによって、シリコン基板、ガラス基板、その他の種々の透光性基板1上に作製することができる。
なお、薄膜2の厚さに特別な制限はなく、任意の厚さに設定し得る。ただし、薄膜があまりに厚過ぎれば、その膜による光吸収効果が大きくなり過ぎることにおいて好ましくない。また、薄膜があまりに薄過ぎれば、十分な回折効果を得ることが困難になる傾向にあるので好ましくない。本発明においては、好ましくは0.3〜20μmの厚さ範囲内の薄膜が、屈折率変調型回折光学素子に好ましく利用され得る。しかし、より小さな消衰係数を有する薄膜が得られればより厚い薄膜の利用も可能であろうし、屈折率の変化率をより大きくできればより薄い薄膜の利用も可能になるであろう。
図2においては、薄膜2上に、たとえばリフトオフ法によって金マスク3が形成される。この金マスク3においては、たとえば幅0.5μmの金ストライプが0.5μmの間隔を隔てて繰り返し配列され得る。すなわち、この金マスク3は、たとえばライン・アンド・スペースのパターンに形成され得る。その後、金マスク3の開口部を介して、SR光やレーザ光などのエネルギビーム4が薄膜2に照射される。
なお、周知のように、特定波長帯の光に対して効率的な回折作用を生じさせるためには、そのようなライン・アンド・スペースにおけるラインとスペースの幅がその特定波長帯に適するように調整され得る。そのような特定波長帯としては、450nm以上650nm以下の可視光帯の他に、1.2μm以上1.7μm以下、3μm以上5μm以下、さらには8μm以上12μm以下のような通信波長帯をも利用することができる。もちろん、一般に、利用する光の波長が長いほど、回折格子におけるラインとスペースの幅を大きくすることができる。
金マスク3によって部分的に覆われた薄膜2のうちで、エネルギビーム4が照射されなかった領域は屈折率が変化しないが、エネルギビーム4が照射された領域2aの屈折率は高められる。本発明による薄膜2における屈折率変化量は石英系ガラスにおいて得られる屈折率変化量に比べてはるかに大きいものであり、十分に回折効率の大きな回折格子層の形成が可能となる。
図3において、金マスク3がエッチングによって除去され、屈折率変調型回折光学素子が得られる。なお、この回折光学素子における回折格子層2は、相対的に低屈折率と相対的に高屈折率の2種類の領域を含んでおり、いわゆるバイナリ・レベルの回折格子層である。
本発明における薄膜2の具体例として、水素化炭素膜、窒素添加水素化炭素膜、およびフッ素添加水素化炭素膜が準備された。これらの薄膜の屈折率を高めるために、互いに異なるエネルギ分布を有する2種類のSR光が利用された。その第1種類のSR光は50eV〜2000eVの広いエネルギ分布を有し、約800eVにエネルギピークを有している。他方、第2種類のSR光は相対的に低い50eV〜200eVの範囲のエネルギ分布を有し、約100eVにエネルギピークを有している。もちろん、比較的低いエネルギ分布のSR光は小型のシンクロトロンから得ることができるし、望まれる場合には、大型のシンクロトロンの放射光から高エネルギ成分をPtミラーで減衰させることによって得ることもできる。
表1は、上記のようなSR光照射後の薄膜2の消衰係数を示している。いずれの種類のSR光の照射によっても、薄膜2の屈折率が1.65〜1.70の範囲内まで高められている。なお、表1において、水素化炭素膜、窒素添加水素化炭素膜、およびフッ素添加水素化炭素膜のいずれに関しても、3個から10個の試料について波長1550nmの光を透過させた場合の消衰係数の最小値から最大値までの範囲が示されている。また、それらの消衰係数の表示において、たとえば「5.5E−4」は「5.5×10-4」を意味し、以後同様である。
Figure 2006039392
表1に示されているように、薄膜2が水素化炭素膜、窒素添加水素化炭素膜、およびフッ素添加水素化炭素膜のいずれであっても、相対的に高エネルギを有する第1種類のSR光を照射した場合に比べて、相対的に低エネルギを有する第2種類のSR光を照射した場合に屈折率増大後の消衰係数の増大が小さいことが分かる。これは、あまりに高いエネルギのビームを照射した場合には炭素の内核電子までもが励起されて欠陥を形成し、薄膜中のそのような欠陥が消衰係数を増大させるからであると考えられる。なお、上述の例では第2種類のSR光が50eV〜200eVの範囲の低いエネルギの分布を有していたが、約95%以上の光子が280eV未満の低いエネルギを有する場合に、屈折率増大後の消衰係数の増大を抑制することができる。
もちろん、消衰係数が小さいことは光の透過率が大きいことを意味し、回折光学素子として好ましいことは言うまでもない。すなわち、本発明の薄膜2を用いれば、比較的低いエネルギを有するSR光を照射しても十分に屈折率を高めることができ、しかも消衰係数の増大を抑制することができる。換言すれば、本発明によって、透過性に優れかつ高い回折効率を有する回折光学素子が簡便かつ低コストで得ることができことになる。
他の具体例として、薄膜2としての水素化炭素膜、窒素添加水素化炭素膜、およびフッ素添加水素化炭素膜に対して、KrFエキシマレーザ装置を用いて、波長248nmの紫外線レーザが照射され、それらの屈折率が約1.65まで高められた。その結果が、表2と表3に示されている。表2においては、水素化炭素膜、窒素添加水素化炭素膜、およびフッ素添加水素化炭素膜の初期屈折率と紫外線レーザ照射後の屈折率とが、520nm、1550nm、4μm、および9μmの波長の光に関して示されている。これに対応して、表3においては、水素化炭素膜、窒素添加水素化炭素膜、およびフッ素添加水素化炭素膜の初期消衰係数と紫外線レーザ照射後の消衰係数とが、520nm、1550nm、4μm、および9μmの波長の光に関して示されている。
Figure 2006039392
Figure 2006039392
表2および表3から分かるように、水素化炭素膜、窒素添加水素化炭素膜、およびフッ素添加水素化炭素膜は紫外線レーザ照射によっても約1.65程度まで十分に屈折率を高めることができる。また、SR光照射の場合に比べて、紫外線レーザ照射の場合には消衰係数の増大がより抑制され、これは回折光学素子の透光性の観点からより好ましい。さらに、レーザ装置はシンクロトロン装置に比べて簡便かつ低コストであり、回折光学素子をより簡便かつ低コストで提供する観点からも好ましい。
さらに他の具体例として、図2に示されているような金マスク3を用いることなく、パルスレーザ装置を用いて、幅3μmの高屈折率領域のラインが5μmのスペース間隔で直接描画によって形成された。この場合、薄膜として非晶質水素化炭素膜が用いられ、これは波長630nmの光に対して1.54未満の屈折率を有していた。また、用いられたパルスレーザ装置は、1064nmの基本波長、532nmの2次高調波長、355nmの3次高調波長、および266nmの4次高調波長を含むレーザ光を生じ、0.2μJ/パルスの出力、30psのパルス幅、10Hzのパルス周期、および3μmのビーム径を有していた。このような微細径のレーザビームによる直接描画の結果、赤外光に対して回折作用を生じ得る回折光学素子が得られた。
さらなる具体例として、本発明において薄膜として用いられる面積50mm×50mmの水素化炭素膜を各種温度に維持し、その薄膜に対して10mmの幅を有する波長248nmの紫外線レーザ光を走査しながら4時間照射した。そのレーザ光照射後における水素化炭素膜の消衰係数が図4のグラフに示されている。
すなわち図4のグラフにおいて、横軸は紫外線レーザ光照射中の薄膜の温度を表し、縦軸は照射後における薄膜の消衰係数を表している。このグラフから、薄膜にエネルギビーム照射して屈折率を高めるときに、薄膜の設定温度が100℃を越えて高くなるにしたがって消衰係数が高くなる傾向にあることが分かる。換言すれば、薄膜にエネルギビーム照射して屈折率を高めるときに、消衰係数の増大を抑制するためには、薄膜の温度を100℃以下に設定することが好ましい。なお、薄膜の温度は、サーモグラフィ(放射温度計の一種)で測定することができる。また、温度制御された冷媒を基板ホルダ内に循環させることによって、基板上の薄膜を所定温度に維持することも可能である。
さらなる具体例として、種々の硬度を有する水素化炭素膜を本発明における薄膜として用いて、その硬度がエネルギビーム照射による屈折率変化量に及ぼす影響が調べられた。まず、エネルギビーム照射される前の水素化炭素膜の初期ヌープ硬度が荷重15gの下で測定された。そして、種々の初期硬度を有する水素化炭素膜の初期屈折率が測定された。その結果、高い初期硬度を有する水素化炭素膜ほど高い初期屈折率を有する傾向があった。
その後、種々の初期硬度を有する水素化炭素膜に対して波長248nmの紫外線レーザが照射され、その薄膜における照射後の屈折率変化量Δnが測定された。その結果、初期硬度55の膜でΔn=0.28、初期硬度180の膜でΔn=0.18、初期硬度480の膜でΔn=0.08、さらに初期硬度1200の膜でΔn=0.05であった。すなわち、初期硬度の低い薄膜ほど低い初期屈折率を有し、エネルギビーム照射によって容易に大きな屈折率変化量を生じ得ることが分かる。ただし、初期硬度が20の水素化炭素膜は、紫外線レーザ照射によってその膜が破損した。このことから、初期硬度が低すぎる水素化炭素膜は密度が低くて機械的に不安定であると考えられる。
以上のような薄膜における硬度と屈折率との関係の調査から、初期ヌープ硬度が30以上200未満の水素化炭素膜は約1.45以上1.54未満の初期屈折率を有し、エネルギビーム照射によって比較的容易に大きな屈折率変化量を得ることができる点で好ましいことが分かった。また、窒素添加水素化炭素膜およびフッ素添加水素化炭素膜おいては、最小屈折率をさらに小さくすることができ、約1.35以上1.54未満の初期屈折率を得ることができる。
なお、以上のように本発明の薄膜に対してエネルギビーム照射すれば、その照射領域の屈折率が増大するが、それに伴って硬度も増大する傾向にある。そして、初期の低屈折率領域とエネルギビーム照射後の高屈折率領域とが混在する薄膜は、40以上700以下の範囲内のヌープ硬度を有するものとして測定され得る。
上述のような薄膜は、種々の方法によって作製可能であり、たとえばプラズマCVDを利用して作製することができる。まず、主成分として炭素を含む薄膜を周知のプラズマCVDで堆積する場合に、種々の飽和または不飽和の炭化水素のガスまたは蒸気を原料ガスとして使用することができる。具体的には、メタン(CH4、分子量16、飽和)、アセチレン(CH≡CH、分子量26、不飽和)、シクロプロパン(C36、分子量42、飽和)、プロパン(C38、分子量44、飽和)、ブチン(CH3C≡CCH3、分子量54、不飽和)、ブチレン(CH2=CHCH2CH3、分子量56、不飽和)、ベンゼン(C66、分子量78、飽和)、ヘキサン(C614、分子量86、飽和)、オクタン(C818、分子量114、飽和)などの炭化水素のガスまたは蒸気を利用して、主成分として炭素を含む薄膜をプラズマCVDで堆積させることができる。
本発明者らは、これらの炭化水素のガスまたは蒸気をプラズマCVD反応室内に導入して、実際に薄膜を作製した。より具体的には、反応室内において、直径15mmの円盤状の基板電極上に4インチ(直径約10cm)ウエハ状の石英ガラス基板が配置された。そして、50Paの反応室圧力と室温の基板温度の条件下で、周波数13.56MHzの高周波電力100Wが基板電極に印加され、主成分として炭素を含む薄膜が石英ガラス基板上に作製された。こうして得られた種々の薄膜について、波長1550nmの光に対する屈折率と消衰係数が測定された。
図5と図6は、それらの薄膜について測定された屈折率と消衰係数を表している。すなわち、図5と図6のグラフの横軸はいずれも原料炭化水素の分子量を表し、図5と図6のグラフの縦軸は得られた薄膜の屈折率と消衰係数をそれぞれ表している。また、これらのグラフ中で、黒ダイヤ印はベンゼン核を含まない飽和炭化水素を表し、ばつ印は不飽和炭化水素またはベンゼン核を含む飽和炭化水素を表している。
得られる薄膜が相対的に小さな1.54未満の初期屈折率を有する観点からは、図5から分かるように、原料炭化水素は60より大きく150より小さい分子量を有することが好ましい。さらに、得られる薄膜が相対的に小さな3×10-4未満の初期消衰係数を有する観点からは、図6から分かるように、原料炭化水素は60より大きく150より小さい分子量を有しかつベンゼン核を含まない飽和炭化水素であることが好ましい。
一般に、分子量の大きな炭化水素のガスまたは蒸気は印加される高周波電力密度が小さくてもCVD反応が進みやすく、消衰係数の小さな水素化炭素膜が得られやすい。他方、不飽和炭化水素またはベンゼン核を含む炭化水素から作製された水素化炭素膜においては、二重結合や三重結合の不飽和結合またはベンゼン核が膜中に残留しやすく、消衰係数が大きくなりやすい。
次に、本発明者らは、CVD反応室内にキャリヤガスをも含めて原料炭化水素を導入する場合に、そのキャリヤガスが薄膜の光学的特性に与える影響を調べた。キャリヤガスとしてArが用いられた場合の結果が、図7と図8に示されている。すなわち、図7と図8のグラフの横軸はいずれもC612と(Ar+C612)とのガス流量比を表し、図7と図8のグラフの縦軸は得られた薄膜の屈折率と消衰係数をそれぞれ表している。
これらのグラフから分かるように、キャリヤガスとしてのArのガス流量比が大きくなければ、3×10-4未満の小さな初期消衰係数を有する薄膜が得られやすくなる。しかし、1.54未満の小さな初期屈折率を有する薄膜を得るためには、キャリヤガスを含めないことが好ましい。このような傾向は、キャリヤガスとして水素ガスまたは他の希ガスを用いた場合でも同様であった。たとえば、キャリヤガスとして水素ガスを用いた場合、水素ガスは薄膜のダイアモンド性を高めるように作用する傾向があり、薄膜の初期屈折率を高める傾向があって好ましくない。また、一般に希ガスは、炭素膜のsp2結合性を高めて初期消衰係数を大きくする傾向を有するので好ましくない。
さらに、本発明者らは、CVD反応室内圧力が薄膜の特性に及ぼす影響についても調べた。この場合、原料ガスとしてヘキサンが用いられ、反応室内圧力が種々に異なる値に設定された。その結果が、図9と図10に示されている。すなわち、図9と図10のグラフの横軸はいずれも反応室内圧力(Pa)を表し、図9と図10のグラフの縦軸は得られた薄膜の屈折率と消衰係数をそれぞれ表している。これらのグラフから分かるように、薄膜が1.54未満の小さな初期屈折率と3×10-4未満の小さな初期消衰係数を有するためには、反応室内圧力を5Paより高く700Paより低い範囲内に設定することが好ましい。
さらに、本発明者らは、基板電極に印加される高周波電力密度が薄膜の特性に及ぼす影響についても調べた。この場合、原料ガスとしてヘキサンが用いられ、高周波電力密度が種々に異なる値に設定された。その結果が、図11と図12に示されている。すなわち、図11と図12のグラフの横軸はいずれも電力密度(W/cm2)を表し、図11と図12のグラフの縦軸は得られた薄膜の屈折率と消衰係数をそれぞれ表している。これらのグラフから分かるように、薄膜が1.54未満の小さな初期屈折率と3×10-4未満の小さな初期消衰係数を有するためには、基板電極に印加される高周波電力密度が0.1W/cm2より大きく2W/cm2より小さい範囲内に設定されることが好ましい。
さらに、本発明者らは、窒素またはフッ素の添加が薄膜の特性に及ぼす影響についても調べた。この場合、原料ガスとして、ヘキサンのみ、ヘキサンと窒素ガス、またはヘキサンと4フッ化炭素のいずれかが用いられた。窒素ガスまたは4フッ化炭素は、原料ガス中で10%の流量比で混入された。CVD反応室中の圧力は70Paに設定された。こうして作製された薄膜の特性において、ヘキサンのみから作製された薄膜は、1.515の屈折率と3.4×10-5の消衰係数を有していた。窒素が添加された薄膜は、1.482の屈折率と5.5×10-5の消衰係数を有していた。フッ素が添加された薄膜は、1.421の屈折率と8.2×10-5の消衰係数を有していた。
このことから分かるように、薄膜に窒素またはフッ素を添加することによって、その初期屈折率を低下させることができる。そして、エネルギビーム照射による屈折率変化量Δnを大きくすることができる。他方、薄膜に窒素またはフッ素を添加することによって、その初期消衰係数が少し増大する傾向にあるが、依然として3×10-4未満の比較的低い消衰係数を維持することが可能である。
さらに、本発明者らは、成膜中の基板温度が薄膜の特性に及ぼす影響についても調べた。この場合、原料ガスとしてシクロヘキサンが用いられ、基板温度が種々に異なる値に設定された。その結果が、図13と図14に示されている。すなわち、図13と図14のグラフの横軸はいずれも成膜温度(℃)を表し、図13と図14のグラフの縦軸は得られた薄膜の屈折率と消衰係数をそれぞれ表している。これらのグラフから分かるように、薄膜が1.54未満の小さな初期屈折率と3×10-4未満の小さな初期消衰係数を有するためには、基板温度が5℃以上100℃以下の範囲内に設定されることが好ましい。
さらに、本発明者らは、薄膜に対する熱処理がその機械的および光学的な特性に及ぼす影響についても調べた。この場合、原料ガスとしてオクタンが用いられ、基板電極には80Wの高周波電力が印加された。作製された薄膜は真空中または大気中において種々の温度で熱処理された。その熱処理において、薄膜は30分以内の時間で所定の熱処理温度まで加熱され、その熱処理温度に2時間保持され、その後に1時間で室温まで降温された。そのように熱処理された薄膜の機械的および光学的な特性が、図15と図16に示されている。
図15と図16のグラフの横軸はいずれも熱処理温度(℃)を表し、図15と図16のグラフの縦軸は熱処理された薄膜の機械的耐久性と消衰係数をそれぞれ表している。また、これらのグラフ中で、黒ダイヤ印は真空中の熱処理を表し、黒正方形印は大気中の熱処理を表している。なお、図15の耐久性の測定においては、熱処理後の薄膜が95℃の熱水中に浸漬され、その膜の剥離や亀裂の発生が生じた時間を耐久時間とし、この耐久時間は熱処理されていない薄膜との比較における倍数として求められている。図15のグラフから分かるように、薄膜の耐久性を改善する観点からは、真空中または大気中で100℃〜380℃の範囲内の温度でその薄膜を熱処理することが好ましい。他方、図16のグラフから分かるように、薄膜の初期消衰係数の悪化を防止するためにも、熱処理温度は100℃〜380℃の範囲内にあることが好ましい。
さらに、本発明者らは、薄膜としての水素化炭素膜に関して、含有水素量、ヌープ硬度、および光学特性の相互関係について調査した。この場合、原料ガスとしてシクロヘキサンが用いられ、3μm〜5μmの範囲内の厚さを有する水素化炭素膜が作製された。薄膜の含有水素量の変化は、CVD反応室内圧、基板温度、印加高周波電力などのプラズマCVD条件を変化させることによって生じさせることができる。表4においては、含有水素量の異なる水素化炭素膜に関して、そのヌープ硬度、および波長1550nmと520nmの光に対する屈折率と消衰係数が示されている。
Figure 2006039392
表4から分かるように、水素化炭素膜中の水素含有量が4質量%程度以下に低い場合には、その膜においてヌープ硬度が1000程度以上に高くなり、初期消衰係数および初期屈折率が大きくなる。他方、水素化炭素膜中の水素含有量が増大するにしたがって、その膜においてヌープ硬度が低くなり、初期屈折率と初期消衰係数も小さくなる。しかし、前述のように、水素化炭素膜中の水素含有量があまりに高すぎれば、その膜の機械的特性が低下して、エネルギビーム照射したときに膜が破損しやすくなる。
さらに、本発明者らは、薄膜としての水素化炭素膜に窒素またはフッ素を添加した場合に、ヌープ硬度および光学特性の相互関係について調査した。この場合、原料ガスとしてシクロヘキサンと窒素ガスまたはシクロへキサンと4フッ化炭素が用いられ、3μm〜5μmの範囲内の厚さを有する薄膜が作製された。表5においては、窒素またはフッ素の添加量が異なる水素化炭素膜に関して、そのヌープ硬度、波長1550nmと520nmの光に対する屈折率と消衰係数が示されている。
Figure 2006039392
表4と表5の比較から分かるように、水素化炭素膜中に窒素またはフッ素を含有させることによって、その膜においてヌープ硬度が低くなる傾向にあり、初期消衰係数の増大を抑制しつつ初期屈折率を小さくすることができる。
なお、上述の実施形態では紫外線照射のためにレーザ光を利用する例が説明されたが、波長400nm未満の波長の光を含む紫外線ランプ光をも同様に利用し得ることは言うまでもない。
本発明によれば、DLC膜に比べて低い硬度と低い初期屈折率を有する薄膜を準備することができ、その薄膜に対して比較的低いエネルギビームを簡便に照射することによって、大きな屈折率変化量Δnを含む屈折率変調型回折光学素子を低コストで提供することができる。
本発明による回折光学素子を作製する過程を図解する模式的な断面図である。 本発明による回折光学素子を作製する過程を図解する模式的な断面図である。 本発明による回折光学素子を作製する過程を図解する模式的な断面図である。 紫外線レーザ光照射中の基板温度が水素化炭素膜の消衰係数に及ぼす影響を示すグラフである。 種々の分子量の水素化炭素から堆積された薄膜について測定された屈折率を表すグラフである。 種々の分子量の水素化炭素から堆積された薄膜について測定された消衰係数を表すグラフである。 612と(Ar+C612)とのガス流量比が薄膜の屈折率に及ぼす影響を示すグラフである。 612と(Ar+C612)とのガス流量比が薄膜の消衰係数に及ぼす影響を示すグラフである。 CVD反応室内圧力が薄膜の屈折率に及ぼす影響を示すグラフである。 CVD反応室内圧力が薄膜の消衰係数に及ぼす影響を示すグラフである。 プラズマCVD用基板電極に印加される高周波電力密度が薄膜の屈折率に及ぼす影響を示すグラフである。 基板電極に印加される高周波電力密度が薄膜の消衰係数に及ぼす影響を示すグラフである。 成膜中の基板温度が薄膜の屈折率に及ぼす影響を示すグラフである。 成膜中の基板温度が薄膜の消衰係数に及ぼす影響を示すグラフである。 薄膜に対する熱処理がその機械的耐久に及ぼす影響を示すグラフである。 薄膜に対する熱処理がその消衰係数に及ぼす影響を示すグラフである。 屈折率変調型回折光学素子の一例を示す模式的な断面図である。 レリーフ型回折光学素子の一例を示す模式的な断面図である。 屈折率変調型回折光学素子のもう1つの例を示す模式的な断面図である。 レリーフ型回折光学素子のもう1つの例を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 透光性基板、2 主成分として炭素を含む薄膜、2a 高屈折率領域、3 金マスク、4 エネルギビーム。

Claims (33)

  1. 主要成分として炭素を含んでいて30より大きく200より小さいヌープ硬度と1.54未満の屈折率とを有する薄膜を準備し、
    前記薄膜に回折作用を生じさせるための屈折率変調構造を形成するように、前記薄膜の複数領域にエネルギビームを照射してそれらの領域の屈折率を高めることを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  2. 前記薄膜は、水素、窒素、およびフッ素の少なくとも1種を付加的に含むことを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子の製造方法。
  3. 前記薄膜は、0.3μm〜20μmの範囲内の厚さを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学素子の製造方法。
  4. 前記エネルギビームは、95%以上の光子が280eV未満のエネルギを有するSR光ビームであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
  5. 前記エネルギビームは、波長400nm未満のレーザビームであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
  6. 前記レーザビームは波長300nm未満の紫外光ビームであることを特徴とする請求項5に記載の回折光学素子の製造方法。
  7. 前記レーザビームはパルスレーザビームであることを特徴とする請求項5または6に記載の回折光学素子の製造方法。
  8. 前記エネルギビームは、400nm未満の波長の光を含む紫外線ランプ光であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
  9. 前記エネルギビームの照射中における前記薄膜の温度は100℃以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
  10. 主要成分として炭素を含んでおり、回折作用を生じさせるための低屈折率領域と高屈折率領域を含む屈折率変調構造を有し、この屈折率変調構造の平均ヌープ硬度が30より大きくて700より小さいことを特徴とする回折光学素子。
  11. 前記低屈折率領域のヌープ硬度が30より大きく200より小さく、前記高屈折率領域のヌープ硬度が40より大きく700より小さいことを特徴とする請求項10に記載の回折光学素子。
  12. 前記屈折率変調構造における平均の消衰係数が5×10-3未満であることを特徴とする請求項10または11に記載の回折光学素子。
  13. 前記低屈折率領域の消衰係数が3×10-4未満であり、前記高屈折率領域の消衰係数が5×10-3未満であることを特徴とする請求項10から12のいずれかの項に記載の回折光学素子。
  14. 請求項1から9のいずれかに記載された回折光学素子の製造方法で作製されていることを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の回折光学素子。
  15. エネルギビームの照射によって屈折率を高めることができる薄膜をプラズマCVDを利用して製造する方法であって、
    プラズマCVD反応室内において基板電極上に基板が配置され、
    前記反応室内に導入される原料ガスは、60より大きく150より小さい分子量を有しかつベンゼン核を含まない飽和炭化水素のガスを25%以上100%以下の流量比で含み、
    CVD時における前記反応室内のガス圧が5Paより高くて700Paより低く設定され、
    前記基板電極に対して0.1W/cm2より大きくて2W/cm2より小さい高周波電力を印加して、主要成分として炭素を含む非晶質薄膜を前記基板上に堆積させることを特徴とする薄膜の製造方法。
  16. 前記原料ガスは、窒素またはフッ素を含むガスをも含むことを特徴とする請求項15に記載の薄膜の製造方法。
  17. 前記原料ガスには水素ガスと希ガスのいずれもが含められないことを特徴とする請求項15または16に記載の薄膜の製造方法。
  18. 前記CVD時において前記基板は5℃〜100℃の範囲内の温度に維持されることを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
  19. 前記非晶質薄膜は、真空中または大気中で100℃〜380℃の範囲内の温度で熱処理されることを特徴とする請求項15から18のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
  20. 炭素と水素を主成分とし、炭素に対して1/12より大きく1/6より小さい範囲内の質量比で水素を含み、0.3μmより大きく20μmより小さい範囲内の厚さと、30より大きく200より小さいヌープ硬度を有することを特徴とする薄膜。
  21. 炭素に対して19/60の範囲内の質量比で窒素とフッ素の少なくとも一方を付加的に含むことを特徴とする請求項20に記載の薄膜。
  22. 450nm〜650nmおよび1200nm〜1700nmの少なくとも一方の波長範囲の光に関して1.45以上1.54未満の範囲内の屈折率を有することを特徴とする請求項20に記載の薄膜。
  23. 450nm〜650nmおよび1200nm〜1700nmの少なくとも一方の波長範囲の光に関して1.35以上1.54未満の範囲内の屈折率を有することを特徴とする請求項21に記載の薄膜。
  24. 3×10-4未満の消衰係数を有することを特徴とする請求項20から23のいずれかに記載の薄膜。
  25. 請求項15から19のいずれかに記載された製造方法によって作製されていることを特徴とする請求項20から24のいずれかに記載の薄膜。
  26. 請求項20から25のいずれかに記載された薄膜を用いて回折光学素子を製造する方法であって、
    前記薄膜に回折作用を生じさせるための屈折率変調構造を形成するように、前記薄膜の複数領域にエネルギビームを照射してそれらの領域の屈折率を高めることを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  27. 請求項20から25のいずれかに記載された薄膜を用いて作製された回折光学素子であって、
    前記薄膜に回折作用を生じさせるための屈折率変調構造を形成するように、前記薄膜の複数領域にエネルギビームを照射してそれらの領域の屈折率が高められていることを特徴とする回折光学素子。
  28. 請求項1から9のいずれかに記載された製造方法の特徴をさらに含む請求項26に記載の回折光学素子の製造方法。
  29. 請求項1から9のいずれかに記載された製造方法の特徴をも利用して作製されていることを特徴とする請求項27に記載の回折光学素子。
  30. 波長450〜650nm、1.2〜1.7μm、3〜5μm、および8〜12μmのいずれかの波長帯で使用されることを特徴とする請求項20から25のいずれかに記載の薄膜。
  31. 波長450〜650nm、1.2〜1.7μm、3〜5μm、および8〜12μmのいずれかの波長帯で使用されることを特徴とする請求項10から14、27、および29のいずれかに記載の回折光学素子。
  32. 請求項20から25のいずれかの薄膜に対してエネルギビームを照射することによって、ヌープ硬度が40より大きく700より小さくなるように改質することを特徴とする薄膜の改質方法。
  33. 請求項20から25のいずれかの薄膜に対してエネルギビームを照射することによって、ヌープ硬度が40より大きく700より小さくなるように改質されているとを特徴とする改質薄膜。
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