しかしながら、従来の偏光解消素子では、入射光の偏光方向(楕円偏光の長軸方向)に対して偏光解消素子の結晶光学軸(進相軸または遅相軸)が正確に45度の角度をなすように設定する必要がある。すなわち、入射光の偏光方向が何らかの理由で想定した方向と異なった場合や、偏光解消素子の結晶光学軸の方向が何らかの理由で意図した方向からずれた場合には、十分な偏光解消効果が得られない。
また、光源から供給される光の偏光状態が正確にわかっていても、光源から偏光解消素子までの光路中に偏光状態を変化させる要素(例えば透過部材の複屈折性や反射部材のPS位相差など)が存在するために、偏光解消素子に入射する光の偏光方向が正確にわからない場合がある。この場合には、偏光解消素子の結晶光学軸を入射光の偏光方向に対して45度の角度をなすように設定することが困難であり、十分な偏光解消効果が得られない。
ここで、従来の偏光解消素子の不都合について詳細に説明する。図20は、従来の偏光解消素子の構成を概略的に示す図である。図20(a)に示すように、従来の偏光解消素子は、光の入射側から順に、第1偏角プリズム(くさび板)101と第2偏角プリズム102とにより構成されている。第1偏角プリズム101は、水晶のような複屈折性材料からなり、光線の通過位置によって厚みが異なるため、通過位置によって異なる移相量を有する移相子として機能する。第2偏角プリズム102は、石英ガラスのような非複屈折性材料からなり、第1偏角プリズム101の偏角作用によって曲がった光線を元に戻すための補正板として機能する。
なお、厳密な議論においては、複屈折性材料からなる偏角プリズムを通過する光は常光と異常光とで屈折角度が微妙に異なり、その光路差に起因して常光と異常光との間に位相差が発生することにより、入射偏光の偏光状態が変化する。しかしながら、ここでは、第1偏角プリズム101が上述のように通過位置によって異なる移相量を有する移相子であるものと近似して説明することにする。また、本発明の目的および効果を説明するには、このような近似に基づく説明で十分である。
図20(b)は、第1偏角プリズム101を光軸方向から見たときの結晶光学軸の方向および入射光の偏光方向を示している。図20(b)では、縦方向をストークスパラメータのS1軸とし、−45度、+45度方向をストークスパラメータのS2軸と定義している。ここで、入射光の偏光方向とは、楕円偏光における楕円長軸の方向であり、直線偏光においては光の振動方向を意味する。図20(b)では、第1偏角プリズム101の結晶光学軸方向103の縦軸に対する角度をφで表わし、入射光の偏光方向104の縦軸に対する角度をθで表わしている。
第1偏角プリズム101に入射した偏光は通過位置によって異なる偏光状態変化を受けるため、射出光の偏光状態は通過位置によって異なる偏光状態変化を受けた光の平均とみなすことができる。したがって、射出光のストークスパラメータは、通過位置によって異なる偏光状態変化を受けた光のストークスパラメータの平均となる。
ここで、光軸方向から見たときの第1偏角プリズム101の屈折率のうち、高い屈折率をn1とし、低い屈折率をn2とし、第1偏角プリズム101のくさび角(頂角)をαとし、入射光束の断面の大きさをLとしたとき、Lα(n1−n2)が入射光の波長λの整数倍(1倍、2倍、3倍・・・)であるか、あるいは整数倍でなくてもLα(n1−n2)がλに対して十分に大きければ、第1偏角プリズム101の移相量は0〜2πの間でほぼ均等に分布するものと考えることができる。すなわち、射出光のストークスパラメータは、入射光のストークスパラメータに対して0〜2πの移相角変化を受けた場合の平均となる。そして、このような効果を得るには、Lα(n1−n2)≧λの条件を満たす必要がある。
図21は、第1偏角プリズムの結晶光学軸方向の角度φが45度に設定されたときに、入射光の偏光方向の角度θによって射出光のストークスパラメータがどのように変化するかを示す図である。図21において、横軸は第1偏角プリズム101に入射する直線偏光の偏光方向の角度θを、縦軸は射出光のストークスパラメータの値を示している。図21に示すように、入射光の偏光方向が変化した場合、S1(水平直線偏光強度マイナス垂直直線偏光強度)およびS3(右まわり円偏光強度マイナス左まわり円偏光強度)は常に0に保たれるが、S2(45度直線偏光強度マイナス135度直線偏光強度)は−1と+1との間で大きく変化することがわかる。したがって、入射光の偏光方向の角度θ(0≦θ<360)が0度、90度、180度、270度であるときにのみ、S1とS2とS3とが同時に0となり、ひいては完全な偏光解消効果が得られる。
図22は、第1偏角プリズムの結晶光学軸方向の角度φが−22.5度に設定されたときに、入射光の偏光方向の角度θによって射出光のストークスパラメータがどのように変化するかを示す図である。この場合、図22に示すように、入射光の偏光方向の変化に伴って、S1およびS2がともに変化し、入射光の偏光方向の角度θが22.5度、112.5度、202.5度、292.5度であるときに、入射偏光が完全に偏光解消されることがわかる。このように、単独の水晶偏角プリズムを用いる従来の偏光解消素子において完全な偏光解消効果を得るには、入射光の偏光方向に対する結晶光学軸方向の角度を正確に45度+90度×I(Iは整数:・・・−1,0,+1,+2・・・)に設定する必要がある。
図23は、図20に示す従来の偏光解消素子の作用をストークスパラメータとポアンカレ球とを用いて説明する図である。また、図24は、図20に示す従来の偏光解消素子の不都合をストークスパラメータとポアンカレ球とを用いて説明する図である。なお、ストークスパラメータおよびポアンカレ球に関しては、鶴田匡夫著,「応用光学II」,培風館において詳細に説明されている。図23において、入射偏光が横方向の直線偏光である場合、この直線偏光はポアンカレ球上の点106aで表現される。図20に示す従来の偏光解消素子では、第1偏角プリズム101の結晶光学軸の方向が入射光の偏光方向に対して45度の角度をなすように設定されている。
このため、第1偏角プリズム101の移相作用は、ポアンカレ球においてS2軸廻りの回転によって表現されることになる。なお、ポアンカレ球は赤道一周が180度に相当するものと考えると理解しやすい。こうして、入射偏光は第1偏角プリズム101の通過位置によって異なる移相量を受けるため、射出光の偏光状態は参照符号106bで示す線上に分布することになる。このとき、線106b上に分布する偏光状態の平均はポアンカレ球の中心となるため、射出光のストークスパラメータはS1=S2=S3=0になり、完全な偏光解消効果を得ることができる。
一方、図24では、入射偏光がポアンカレ球上の点107aで表現されている。この場合、点107aで表現される入射光の偏光方向はS2軸に対して45度の角度からずれているため、偏光解消効果が不十分になるはずである。図24のポアンカレ球で考えると、点107aで表現される入射偏光が第1偏角プリズム101の移相作用(すなわちS2軸廻りの回転)を受けて、射出光の偏光状態は参照符号107bで示す線上に分布することになる。この場合、射出光のストークスパラメータの平均はS1=S3=0であるがS2=0にはならないため、完全な非偏光状態にはならず、偏光解消効果が不十分になる。
以上のように、従来の偏光解消素子では、入射光の偏光方向(楕円偏光の長軸方向)に対して偏光解消素子の結晶光学軸(進相軸または遅相軸)が正確に45度の角度をなすように設定する必要がある。その結果、入射光の偏光方向が何らかの理由で想定した方向と異なった場合や、偏光解消素子の結晶光学軸の方向が何らかの理由で意図した方向からずれた場合や、偏光解消素子に入射する光の偏光方向が正確にわからないような場合には、十分な偏光解消効果を得ることができない。
現在、偏光解消素子の部材として、長期的なレーザ照射に対して耐久性を有する複屈折性の結晶材料である水晶が利用されているが、レーザの高出力化などに伴い、更に高いレーザ照射耐久性を有する光学部材を偏光解消素子の部材として用いることが望まれている。即ち、従来、高いレーザ照射耐性を有するが複屈折の値が小さいことから偏光解消素子として用いることができなかった光学部材も偏光解消素子の部材として用いることができるようにすることが望まれている。
本発明の課題は、光学部材に発生させた応力複屈折を利用した偏光解消素子、該偏光解消素子を備える照明光学装置、該照明光学装置の調整方法、該照明光学装置を備える露光装置及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法を提供することである。
請求項1記載の偏光解消素子は、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換するための偏光解消素子であって、光軸に沿って配置された少なくとも2つの光学部材と、前記少なくとも2つの光学部材の少なくとも1つに対して第1方向から応力を付与すると共に、前記少なくとも2つの光学部材の他の少なくとも1つに対して前記第1方向とは異なる第2方向から応力を付与する応力付与手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2記載の偏光解消素子は、前記少なくとも2つの光学部材の少なくとも一方が結晶材料で構成され、前記応力付与手段により応力を付与する方向は所定の結晶軸方向であることを特徴とする。
また、請求項3記載の偏光解消素子は、前記少なくとも2つの光学部材の結晶軸が光軸方向から見て互いに45度の角度をなすように設定されることを特徴とする。
また、請求項4記載の偏光解消素子は、前記少なくとも2つの光学部材の少なくとも1つが第1偏角プリズムを有し、前記少なくとも2つの光学部材の他の少なくとも1つが第2偏角プリズムを有し、前記第1偏角プリズム及び前記第2偏角プリズムの頂角方向は、前記光軸の方向から見て互いに異なり且つ互いに逆向きでないように設定されていることを特徴とする。
また、請求項5記載の偏光解消素子は、前記第1偏角プリズム及び前記第2偏角プリズムが頂角方向がほぼ45度の角度で交差するように設定されていることを特徴とする。
この請求項1乃至請求項5記載の偏光解消素子によれば、所定の方向から応力を付与することにより応力複屈折を発生させた光学部材を2つ組合せることにより、入射光の偏光方向に依存することなく、入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、請求項6記載の偏光解消素子は、前記第1偏角プリズム及び前記第2偏角プリズムによる合成偏角作用を補償するための補正偏角プリズムをさらに備えていることを特徴とする。
また、請求項7記載の偏光解消素子は、前記補正偏角プリズムが複屈折性の材料で形成されていることを特徴とする。
また、請求項8記載の偏光解消素子は、前記第1偏角プリズムによる偏角作用を補正するための第1補正偏角プリズムと、前記第2偏角プリズムによる偏角作用を補正するための第2補正偏角プリズムとをさらに備えていることを特徴とする。
また、請求項9記載の偏光解消素子は、前記第1補正偏角プリズムおよび前記第2補正偏角プリズムは複屈折性の材料で形成され、前記偏光解消素子は、前記第1偏角プリズムと、前記第1補正偏角プリズムと、前記第2偏角プリズムと、前記第2補正偏角プリズムとを有することを特徴とする。
この請求項6乃至請求項9記載の偏光解消素子によれば、補正偏角プリズムにより第1偏角プリズム及び第2偏角プリズムによる合成偏角作用を補償することができ、また、第1補正偏角プリズム及び第2補正偏角プリズムにより、第1偏角プリズムによる偏角作用及び第2偏角プリズムによる偏角作用を補正することができる。
また、請求項10記載の偏光解消素子は、前記少なくとも2つの偏角プリズムが非結晶性の材料である石英、複屈折性の結晶材料である水晶、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム及び方解石の中の何れかにより形成されていることを特徴とする。
また、請求項11記載の偏光解消素子は、前記応力付与手段が前記第1偏角プリズム及び前記第2偏角プリズムの前記所定の方向に応力を付与する押圧機構及び引張機構の少なくとも一方を有することを特徴とする。
この請求項10及び請求項11記載の偏光解消素子は、応力を付与することにより発生する応力複屈折を利用しているため、偏光解消素子の部材として利用できる部材の多様化を図ることができる。また、第1偏角プリズム及び第2偏角プリズムに対して応力付与手段により応力を付与するため、第1偏角プリズム及び第2偏角プリズムに発生させる応力複屈折の大きさを制御することができる。
また、請求項12記載の偏光解消素子は、前記少なくとも2つの光学部材の少なくとも1つが第1シリンドリカルレンズを有し、前記少なくとも2つの光学部材の他の少なくとも1つが第2シリンドリカルレンズを有し、前記第1シリンドリカルレンズ及び前記第2シリンドリカルレンズの母線は、前記光軸の方向から見て互いに異なる方向を向くように設定され、前記応力付与手段は前記第1シリンドリカルレンズ及び前記第2シリンドリカルレンズの母線に対してそれぞれ垂直方向に応力を付与することを特徴とする。
また、請求項13記載の偏光解消素子は、前記第1シリンドリカルレンズ及び前記第2のシリンドリカルレンズの少なくとも一方の材料は結晶材料であり、前記母線に対して垂直方向に所定の結晶軸が設定されていることを特徴とする。
また、請求項14記載の偏光解消素子は、前記第1シリンドリカルレンズ及び前記第2シリンドリカルレンズの前記母線が光軸方向から見て互いに45度の角度をなすように設定されていることを特徴とする。
この請求項12乃至請求項14記載の偏光解消素子によれば、母線に対してそれぞれ垂直方向に応力を付与することにより応力複屈折を発生させたシリンドリカルレンズを2つ組合せることにより、2つのシリンドリカルレンズの作用により、入射光の偏光方向に依存することなく、入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、請求項15記載の偏光解消素子は、前記少なくとも2つのシリンドリカルレンズによる合成偏角作用を補償するための補正シリンドリカルレンズをさらに備えていることを特徴とする。
また、請求項16記載の偏光解消素子は、前記第1シリンドリカルレンズによる偏角作用を補正するための第1補正シリンドリカルレンズと、前記第2シリンドリカルレンズによる偏角作用を補正するための第2補正シリンドリカルレンズとをさらに備えていることを特徴とする。
また、請求項17記載の偏光解消素子は、前記第1補正シリンドリカルレンズおよび前記第2補正シリンドリカルレンズが複屈折性の材料で形成され、前記偏光解消素子は、前記第1補正シリンドリカルレンズと、前記第1シリンドリカルレンズと、前記第2補正シリンドリカルレンズと、前記第2シリンドリカルレンズとを有することを特徴とする。
この請求項15乃至請求項17記載の偏光解消素子によれば、補正シリンドリカルレンズにより2つのシリンドリカルレンズによる合成偏角作用を補償することができ、また、第1補正シリンドリカルレンズ及び第2補正シリンドリカルレンズにより、第1シリンドリカルレンズによる偏角作用及び第2シリンドリカルレンズによる偏角作用を補正することができる。
また、請求項18記載の偏光解消素子は、前記応力付与手段が前記第1補正シリンドリカルレンズ、前記第1シリンドリカルレンズ、前記第2補正シリンドリカルレンズ及び前記第2シリンドリカルレンズの母線に対してそれぞれ垂直方向に設定された所定の結晶軸方向に応力を付与する押圧機構及び引張機構の少なくとも一方を有することを特徴とする。
また、請求項19記載の偏光解消素子は、前記少なくとも2つのシリンドリカルレンズが非結晶性の材料である石英、複屈折性の結晶材料である水晶、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム及び方解石の中の何れかにより形成されていることを特徴とする。
この請求項18及び請求項19記載の偏光解消素子は、応力を付与することにより発生する応力複屈折を利用しているため、光学部材に発生させる応力複屈折の大きさを制御することができ偏光解消素子の部材として利用できる部材の多様化を図ることができる。
また、請求項20記載の偏光解消素子は、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換するための偏光解消素子であって、前記入射光の光路に配置された少なくとも1つの光学部材と、前記光学部材に対して所定の方向へ応力を付与する応力付与手段とを有することを特徴とする。
また、請求項21記載の偏光解消素子は、前記少なくとも1つの光学部材は結晶材料で構成され、前記応力付与手段は、所定の結晶軸に沿って応力を付与することを特徴とする。
また、請求項22記載の偏光解消素子は、前記応力付与手段が前記少なくとも1つの光学部材に対して少なくとも互いに異なる2方向から応力を付与することを特徴とする。
また、請求項23記載の偏光解消素子は、前記少なくとも1つの光学部材が第1偏角プリズムと第2偏角プリズムとを有し、前記第1偏角プリズムと前記第2偏角プリズムとの少なくとも一方は結晶材料で構成されることを特徴とする。
また、請求項24記載の偏光解消素子は、前記所定の結晶軸が結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の中の何れか1つであることを特徴とする。
この請求項20乃至請求項24記載の偏光解消素子によれば、互いに異なる2方向から応力を付与することにより応力複屈折を発生させた光学部材を用いることにより、入射光の偏光方向に依存することなく入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、請求項25記載の照明光学装置は、偏光度を有する光を供給する光源と、該光源からの光を被照射面に照射する導光光学系とを備えた照明光学装置において、前記導光光学系は、請求項1乃至請求項24の何れか一項に記載の偏光解消素子を有することを特徴とする。
この請求項25記載の照明光学装置によれば、光源からの光の偏光方向に依存することなく、非偏光状態の光で非照射面を確実に照明することができる。
また、請求項26記載の照明光学装置は、前記偏光解消素子を通過した光の偏光状態を測定する偏光状態測定装置を更に備え、前記応力付与手段が前記偏光状態測定装置による測定結果に基づいて応力の大きさを変更することを特徴とする。
この請求項26記載の照明光学装置によれば、応力付与手段が偏光状態測定装置による測定結果に基づいて応力の大きさを変更するため、光学部材に発生させる応力複屈折の大きさを一定にすることができ、入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、請求項27記載の照明光学装置の調整方法は、偏光解消素子を有する照明光学装置の調整方法であって、偏光状態測定装置により前記偏光解消素子を通過した光の偏光状態を測定する偏光状態測定ステップと、前記偏光状態測定ステップによる測定結果に基づいて、前記偏光解消素子に付与する応力の大きさを変更する付与応力変更ステップとを含むことを特徴とする。
この請求項27記載の照明光学装置の調整方法によれば、付与応力変更ステップにより偏光状態測定ステップによる測定結果に基づいて偏光解消素子に付与する応力の大きさを変更するため、光学部材に発生させる応力複屈折の大きさを一定にすることができ、入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、請求項28記載の露光装置は、前記被照射面に配置されたマスクを照明するための請求項25または請求項26に記載の照明光学装置を備え、前記マスクに形成されたパターンを感光性基板に露光することを特徴とする。
また、請求項29記載の露光装置は、請求項27に記載の調整方法により調整された照明光学装置を備え、前記マスクに形成されたパターンを感光性基板に露光することを特徴とする。
この請求項28及び請求項29記載の露光装置によれば、非偏光状態の光でマスクを確実に照明し、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。
また、請求項30記載のマイクロデバイスの製造方法は、請求項28または請求項29に記載の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この請求項30記載のマイクロデバイスの製造方法によれば、非偏光状態の光でマスクを確実に照明し、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができ、ひいては良好な露光により良好なマイクロデバイスを製造することができる。
この発明の偏光解消素子によれば、所定の方向から応力を付与することにより応力複屈折を発生させた光学部材を2つ組合せることにより、入射光の偏光方向に依存することなく入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、この発明の偏光解消素子によれば、互いに異なる2方向から応力を付与することにより応力複屈折を発生させた光学部材を用いることにより、入射光の偏光方向に依存することなく入射光を非偏光の光に変換することができる。
また、この発明の照明光学装置によれば、光源からの光の偏光方向に依存することなく、非偏光状態の光で非照射面を確実に照明することができる。また、応力付与手段が偏光状態測定装置による測定結果に基づいて応力の大きさを変更するため、光学部材に発生させる応力複屈折の大きさを一定にすることができ、入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、この発明の照明光学装置の調整方法によれば、付与応力変更ステップにより偏光状態測定ステップによる測定結果に基づいて偏光解消素子に付与する応力の大きさを変更するため、光学部材に発生させる応力複屈折の大きさを一定にすることができ、入射光を非偏光の光に確実に変換することができる。
また、この発明の露光装置によれば、非偏光状態の光でマスクを確実に照明し、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。また、この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、非偏光状態の光でマスクを確実に照明し、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができ、ひいては良好な露光により良好なマイクロデバイスを製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態の説明を行う。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1を備えている。光源1として、たとえば248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源や、193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源や、157nmの波長の光を供給するF2レーザ光源などを用いることができる。光源1から射出された所定の偏光度を有するほぼ平行な光束は、ビーム送光系2を介して所定の矩形状の断面を有する光束に整形された後、偏光解消素子3に入射する。
ここで、偏光度Vは、次の式(a)により表わされる。式(a)において、S0は全強度を、S1は水平直線偏光強度マイナス垂直直線偏光強度を、S2は45度直線偏光強度マイナス135度直線偏光強度を、S3は右まわり円偏光強度マイナス左まわり円偏光強度をそれぞれ表わしている。
V=(S12+S22+S32)1/2/S0 (a)
ビーム送光系2は、入射光束を適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換しつつ偏光解消素子3へ導くとともに、偏光解消素子3へ入射する光束の位置変動および角度変動をアクティブに補正する機能を有する。一方、偏光解消素子3は、偏光度を有する入射光(本実施の形態では例えば直線偏光の光)を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。
図2は、偏光解消素子3の構成を概略的に示す図である。図2に示すように偏光解消素子3は、光源側から順に光軸AXに沿って、複屈折性の結晶材料である蛍石(フッ化カルシウム)により形成された第1偏角プリズム31と、蛍石により形成された第1補正偏角プリズム32と、蛍石により形成された第2偏角プリズム33、蛍石により形成された第2補正偏角プリズム34とを備えている。また、偏光解消素子3を構成する第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33に対して所定の方向から応力を付与する応力付与機構35が設けられている。応力付与機構35は、第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33に対して、所定の結晶軸方向に応力を付与する押圧機構または引張機構を備えて構成されている。応力付与機構35により応力を付与した場合に、第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33には歪みが生じ、応力付与方向に対してほぼ垂直な分布に複屈折性を有するようになる。後述するように第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33は、クサビ形状の光学部材であるため場所毎に部材の厚みが異なる。複屈折性を有する光学部材の厚さが部分毎に異なることから、光が透過する場所毎に波長板としての効果が異なる。応力付与方向に対して垂直な方向と45度異なる向きの偏光成分の光を入射させると、第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33が光が透過する部分の厚みに応じてλ/R波長板として機能する(Rは任意の実数)。
図3は、蛍石の結晶軸について説明するための図である。図3に示すように、蛍石の結晶軸は、立方晶系の結晶軸a1a2a3(図中細線矢印で示す)に基づいて規定される。即ち、結晶軸+a1に沿って結晶軸[100]、結晶軸+a2に沿って結晶軸[010]、結晶軸+a3に沿って結晶軸[001]がそれぞれ規定される(図中太線矢印で示す)。また、a1a3平面において結晶軸[100]及び結晶軸[001]と45度をなす結晶軸[101]、a1a2平面において結晶軸[100]及び結晶軸[010]と45度をなす方向に結晶軸[110]、a2a3平面において結晶軸[010]及び結晶軸[001]と45度をなす方向に結晶軸[011]がそれぞれ規定される(図中破線矢印で示す)。更に、結晶軸a1a2a3の+方向、且つ結晶軸[100]、結晶軸[010]及び結晶軸[001]と同一の角度をなす方向に結晶軸[111]が規定される(図中太線矢印で示す)。図3においては、結晶軸+a1、結晶軸+a2、結晶軸+a3で規定される空間における結晶軸のみを図示しているが、他の空間においても同様に結晶軸が規定される。
上述の応力付与機構35は、第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33に対して、図3において規定されている結晶軸の中の、結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の中の何れか1つの方向に応力を付与する。この結晶軸方向に応力を付与することにより第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33に対して、効果的に応力複屈折を生じさせることができる。
ここで第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33は、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。また、第1補正偏角プリズム32は、第1偏角プリズム31による偏角作用を補正する機能を有し、第2補正偏角プリズム34は、第2偏角プリズム33による偏角作用を補正する機能を有する。
第1偏角プリズム31は、光軸AX方向から見たときに矩形形状を有する(図4(a)参照)クサビ状の光学部材である。この第1偏角プリズム31は、頂角方向が図中上向きに設定され、図4に示すように、応力付与機構35により図中左右方向から応力(図中矢印で示す)が付与されている。なお、この応力付与方向は、図3に示す蛍石の結晶軸の中の結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の何れか1つの方向である。
また、第1補正偏角プリズム32は、第1偏角プリズム31と同様に光軸AX方向から見たときに矩形形状を有し、第1偏角プリズム31と相補的な形状を有するクサビ状の光学部材である。この第1補正偏角プリズム32は、頂角方向が図中下向きに設定されている。即ち、第1偏角プリズム31と第1補正偏角プリズム32を組合せることにより平行平板を構成する。従って、第1偏角プリズム31の偏角作用による光線の曲がりが第1補正偏角プリズム32の偏角作用により元に戻される。
また、第2偏角プリズム33は、光軸方向から見たときに矩形形状を有する(図4(b)参照)クサビ状の光学部材である。この第2偏角プリズム33は、頂角方向が光軸AXを中心として図中上向きから時計廻りに45度回転した向きに設定され、図4(b)に示すように、応力付与機構35により頂角方向に直交する方向から応力(図中矢印で示す)が付与されている。なお、この応力付与方向は、図3に示す蛍石の結晶軸の中の結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の何れか1つの方向である。
また、第2補正偏角プリズム34は、第2偏角プリズム33と同様に光軸AX方向から見たときに矩形形状を有し、第2偏角プリズム33と相補的な形状を有するクサビ状の光学部材である。この第2補正偏角プリズム34は、頂角方向が図中下向から時計廻りに45度回転した向きに設定されている。即ち、第2偏角プリズム33と第2補正偏角プリズム34を組合せることにより平行平板を構成する。従って、第2偏角プリズム33の偏角作用による光線の曲がりが第2補正偏角プリズム34の偏角作用により元に戻される。
この実施の形態の偏光解消素子3では、複屈折性の結晶材料である蛍石により形成された2つの偏角プリズム、すなわち第1偏角プリズム31の応力付与方向(第1方向)と第2偏角プリズム33の応力付与方向(第2方向)とは、光軸AX方向から見て互いに45度の角度をなすように設定されている。また、第1偏角プリズム31の頂角方向と第2偏角プリズム33の頂角方向とは、光軸AX方向から見て互いに異なり且つ互いに逆向きでないように、即ち、光軸AX方向から見て互いに45度の角度で交差するように設定されている。従って、偏光解消素子3に入射した光は、入射光の偏光方向に依存することなく確実に非偏光の光に変換される。
偏光解消素子3を介して非偏光状態に変換されたほぼ平行な光束は、マイクロレンズアレイ(またはフライアイレンズ)4に入射する。マイクロレンズアレイ4は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であり、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。ここで、マイクロレンズアレイを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。
また、マイクロレンズアレイは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロレンズアレイはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。なお、マイクロレンズアレイ4に代えて、回折光学素子や角柱状のロッド型インテグレータのようなオプティカルインテグレータを用いることもできる。
マイクロレンズアレイ4に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、光束が入射した各微小レンズの後側焦点面には光源がそれぞれ形成される。こうして、マイクロレンズアレイ4の後側焦点面には、多数の光源からなる実質的な面光源(以下、「二次光源」という)が形成される。マイクロレンズアレイ4の後側焦点面に形成された二次光源からの光束は、必要に応じて配置された開口絞り(不図示)によって制限され、コンデンサ光学系5の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。
マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウエハW上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面内において、ウエハステージWSに載置されたウエハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウエハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
本実施の形態にかかる偏光解消素子3においては、図4に示すように、図中左右方向に第1偏角プリズム31に対する応力付与方向(所定の結晶軸の方向)が設定されている。したがって、結晶軸の方向に対して45度の角度をなす方向に偏光面を有する直線偏光の光が第1偏角プリズム31に入射した場合、光の通過位置によって異なる移相量が付与され、ひいては偏光解消が可能である。しかしながら、結晶軸の方向に対して90度または0度の角度をなす方向に偏光面を有する直線偏光の光が第1偏角プリズム31に入射した場合、偏光状態が全く変わることなく直線偏光のまま通過し、偏光解消は不可能である。
同様に、図4に示すように、図の上方向から時計回りに45度の角度の方向に、第2偏角プリズム33に対する応力付与方向(所定の結晶軸の方向)が設定されている。したがって、結晶軸の方向に対して45度の角度をなす方向に偏光面を有する直線偏光の光が第2偏角プリズム33に入射した場合、光の通過位置によって異なる移相量が付与され、ひいては偏光解消が可能である。しかしながら、結晶軸の方向に対して90度または0度の角度をなす方向に偏光面を有する直線偏光の光が第2偏角プリズム33に入射した場合、偏光状態が全く変わることなく直線偏光のまま通過し、偏光解消は不可能である。
このように、第1偏角プリズム31および第2偏角プリズム33には偏光解消が不可能な直線偏光がそれぞれ存在するが、第1偏角プリズム31の結晶軸と第2偏角プリズム33の結晶光学軸とが互いに45度の角度をなすように設定されているので、第1偏角プリズム31により偏光解消が不可能な直線偏光の光が第2偏角プリズム33により偏光解消が可能で、第2偏角プリズム33により偏光解消が不可能な直線偏光の光が第1偏角プリズム31により偏光解消が可能に構成されている。換言すれば、第1偏角プリズム31は第2偏角プリズム33で非偏光の光に変換することのできない方向に偏光面を有する直線偏光を非偏光の光に変換し、第2偏角プリズム33は第1偏角プリズム31で非偏光の光に変換することのできない方向に偏光面を有する直線偏光を非偏光の光に変換するように構成されている。
以上、直線偏光が入射する場合の偏光解消素子3の作用効果を説明したが、直線偏光に限定されることなく入射光が楕円偏光であっても円偏光であっても、第1偏角プリズム31は第2偏角プリズム33で非偏光の光に変換することのできない偏光状態の入射光を非偏光の光に変換することになり、第2偏角プリズム33は第1偏角プリズム31で非偏光の光に変換することのできない偏光状態の入射光を非偏光の光に変換する。
なお、ウエハステージWSには、ウエハWに対する照明光(露光光)の偏光状態を測定するための偏光状態測定器6が着脱可能に取り付けられる。図5は、偏光状態測定器6の内部構成を概略的に示す図である。偏光状態測定器6は、ウエハWの位置またはその近傍に位置決め可能なピンホール部材60を備えている。ここで偏光状態測定器6の使用時には、ウエハWは光路から退避する。ピンホール部材60のピンホール60aを通過した光は、コリメートレンズ61を介してほぼ平行な光束になり、反射鏡62で反射された後、移相子としてのλ/4板63および偏光子としての偏光ビームスプリッタ64を介した後、二次元CCD65の検出面65aに達する。
ここで、λ/4板63および偏光ビームスプリッタ64は、光軸を中心としてそれぞれ回転可能に構成されている。こうして、ウエハWに対する照明光の偏光度が0でない場合には、λ/4板63を光軸廻りに回転させることにより二次元CCD65の検出面65aにおける光強度分布が変化する。したがって、偏光状態測定器6では、λ/4板63を光軸廻りに回転させながら検出面65aにおける光強度分布の変化を検出し、この検出結果から回転移相子法により、ウエハWに対する照明光(ひいてはマスクMに対する照明光)の偏光状態を測定することができる。
なお、回転移相子法については、例えば鶴田著,「光の鉛筆−光技術者のための応用光学」,株式会社新技術コミュニケーションズなどに詳しく記載されている。実際には、ピンホール部材60(ひいてはピンホール60a)をウエハ面に沿って二次元的に移動させつつ、ウエハ面内の複数の位置における照明光の偏光状態を測定する。このとき、偏光状態測定器6では、二次元的な検出面65aにおける光強度分布の変化を検出するので、この検出分布情報に基づいて照明光の瞳内における偏光状態の分布を測定することができる。
また、偏光状態測定器6では、反射鏡62の偏光特性により光の偏光状態が変化してしまう場合がある。この場合、反射鏡62の偏光特性は予めわかっているので、所要の計算によって反射鏡62の偏光特性の偏光状態への影響に基づいて偏光状態測定器6の測定結果を補正し、照明光の偏光状態を正確に測定することができる。
本実施の形態では、上述の偏光状態測定器6を用いてウエハWに対する照明光(ひいてはマスクMに対する照明光)の偏光状態を随時測定し、偏光解消素子3の作用によりほぼ完全な偏光解消効果が得られていることを確認することができる。そして、所望の偏光解消効果が得られていない場合には、入射偏光の偏光方向に依存することなく入射偏光を非偏光の光に確実に変換するように偏光解消素子3の光学調整を行うことができる。即ち応力付与機構35により、第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33に付与する応力の大きさを調整することにより、第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33の内部に生じる応力複屈折の大きさを調整する。これにより入射偏光の偏光方向に依存することなく入射偏光を非偏光の光に確実に変換できる。
以上の実施の形態では、偏角プリズム(31,33)の軸補正を行う補正偏角プリズム(32,34)を、この偏角プリズム(31,33)の下流に配置した一例を示しているが、例えば、偏角プリズム(31,33)と補正偏角プリズム(32,34)との配置の順序を逆にしてもよい。即ち、本発明では、偏角プリズム(31,33)と補正偏角プリズム(32,34)との配置の順序には制限はなく、これらを順不同に配置してもよいことは言うまでもない。
なお、上述の実施の形態では、第1偏角プリズム31の偏角作用による光線の曲がりを第1補正偏角プリズム32の偏角作用により補正し、第2偏角プリズム33の偏角作用による光線の曲がりを第2補正偏角プリズム34の偏角作用により補正しているが、1つの補正偏角プリズムを用いて、第1偏角プリズム31と第2偏角プリズム33との合成偏角作用を補償するようにしてもよい。この場合には、第1偏角プリズム31と第2偏角プリズム33の偏角作用による光線の曲がりを補正偏角プリズムの偏角作用により元に戻す。なお、第1偏角プリズム31および第2偏角プリズム33は複屈折性を有するため、互いに異なる2つの屈折率n1およびn2(n1>n2)を有する。したがって、第1偏角プリズム31と第2偏角プリズム33とによる光線の偏角を屈折率が(n1+n2)/2であるものとして計算し、計算で求めた光線の偏角を打ち消すように補正偏角プリズムの偏角を定めればよい。
また、上述の実施の形態では、第1偏角プリズム31、第2偏角プリズム33の応力付与方向が光軸AX方向から見て互いに45度の角度をなすように構成しているが、例えば3つ以上の偏角プリズムを用いて偏光解消素子を構成する場合には、45度の角度に限定されることはない。すなわち、例えば3つの偏角プリズムを用いて偏光解消素子を構成する場合、3つの偏角プリズムによる移相作用の結果として、射出光の偏光状態を表すポアンカレ球上の曲面の重心がポアンカレ球の中心になるように結晶光学軸方向を設定すれば、ほぼ完全な偏光解消効果を得ることが可能である。
また、上述の実施の形態では、複屈折性を有する2つの偏角プリズム(31,33)を蛍石により形成している。しかしながら、これに限定されることなく、たとえばフッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム及び方解石のような複屈折性の結晶材料を用いて2つの偏角プリズムを形成することもできる。この場合においても偏角プリズムに対して所定の結晶軸方向から応力を付与することにより偏角プリズムに効果的に複屈折を発生させることができる。また、石英のような非結晶性の材料を用いて偏角プリズムを形成してもよい。非結晶性の材料を用いた偏角プリズムに対して、所定の方向から応力を付与することにより、偏角プリズムの内部に所定の値の複屈折を生じさせることができる。この場合に所定の方向を、例えば、光軸を横切る方向、特に光軸と直交する方向とすれば、効果的に複屈折を生じさせることができる。
また、上述の実施の形態においては、第1偏角プリズム31及び第2偏角プリズム33を蛍石を用いて形成しているが、第1偏角プリズム31と第2偏角プリズム33とを、それぞれ異なる材料を用いて形成してもよい。即ち、第1偏角プリズム31を、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム及び方解石のような複屈折性の結晶材料、または、石英のような非結晶性の材料の中の1つを用いて形成し、第2偏角プリズム33を、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム及び方解石のような複屈折性の結晶材料、または、石英のような非結晶性の材料の中の他の1つを用いて形成してもよい。
また、上述の実施の形態においては、第1補正偏角プリズム32及び第2補正偏角プリズム34を複屈折性の結晶材料である蛍石を用いて形成しているが、石英のような非結晶性の材料を用いて形成してもよい。
また、上述の実施の形態では、図2に示す偏光解消素子3を用いているが、図6及び図7に示す偏光解消素子320を用いてもよい。ここで、図6は、偏光解消素子320の斜視図であり、図7は、偏光解消素子320の側面図である。
偏光解消素子320は、光源側から順に光軸AXに沿って、複屈折性の結晶材料である蛍石(フッ化カルシウム)により形成され凸型形状を有する第1補正シリンドリカルレンズ321、蛍石により形成され凹型形状を有する第1シリンドリカルレンズ322、蛍石により形成され凸型形状を有する第2補正シリンドリカルレンズ323、蛍石により形成され凹型形状を有する第2シリンドリカルレンズ324を備えている。また、この偏光解消素子320には、第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324に対して所定の方向から応力を付与する応力付与機構(図示せず)が設けられている。応力付与機構は、第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324に対して、所定の結晶軸方向に応力を付与する押圧機構または引張機構を備えて構成されている。応力付与機構により、シリンドリカルレンズの母線Gに対して垂直な方向に応力を付与した場合に、第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324には歪みが生じ、シリンドリカルレンズの母線Gに対してほぼ平行な分布に複屈折性を有するようになる。図8は、第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324に対する応力付与方向(図中矢印で示す)及び応力付与により発生する歪(図中、母線Gに平行な実線で示す)を示している。第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324は、凹型のシリンダ形状の光学部材であるため場所毎に部材の厚みが異なる。複屈折性を有する光学部材の厚さが部分毎に異なることから、光が透過する場所毎に波長板としての効果が異なる。母線G方向と45度異なる向きの偏光成分の光を入射させると、第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324は、光が透過する部分の厚みに応じてλ/R波長板として機能する(Rは任意の実数)。
上述の応力付与機構は、第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324に対して、図3において規定されている結晶軸の中の、結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の中の何れか1つの方向に応力を付与する。
ここで第1シリンドリカルレンズ322及び第2シリンドリカルレンズ324は、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。また、第1補正シリンドリカルレンズ321は、第1シリンドリカルレンズ322による偏角作用を補正する機能を有し、第2補正シリンドリカルレンズ323は、第2シリンドリカルレンズ324による偏角作用を補正する機能を有する。
第1補正シリンドリカルレンズ321は、凸型のシリンダ形状を有する光学部材である。また、第1シリンドリカルレンズ322は、第1補正シリンドリカルレンズ321と相補的な形状である凹型のシリンダ形状を有する光学部材である。第1シリンドリカルレンズ322には、図6に示すように、応力付与機構により母線Gに対して垂直な方向から応力(図中矢印で示す)が付与されている。なお、この応力付与方向は、図3に示す蛍石の結晶軸の中の結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の何れか1つの方向である。
また、第2補正シリンドリカルレンズ323は、凸型のシリンダ形状を有する光学部材である。また、第2シリンドリカルレンズ324は、第2補正シリンドリカルレンズ323と相補的な形状である凹型のシリンダ形状を有する光学部材である。第2シリンドリカルレンズ324には、図6に示すように、応力付与機構により母線Gに対して垂直な方向から応力(図中矢印で示す)が付与されている。なお、この応力付与方向は、図3に示す蛍石の結晶軸の中の結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の何れか1つの方向である。
この実施の形態の偏光解消素子320では、複屈折性の結晶材料である蛍石により形成された第1シリンドリカルレンズ322の母線Gの方向と第2シリンドリカルレンズ324の母線Gの方向とは、光軸AX方向から見て互いに45度の角度をなすように設定されている。従って、この偏光解消素子320においても、入射光の偏光方向に依存することなく、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。なお、この偏光解消素子320においては、2つの凹型シリンドリカルレンズに対して応力を付与することにより、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を持たせ、2つの凸型シリンドリカルレンズに、2つの凹型シリンドリカルレンズによる偏角作用を補正する機能を持たせているが、2つの凸型シリンドリカルレンズに対して応力を付与することにより、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を持たせ、2つの凹型シリンドリカルレンズに、2つの凸型シリンドリカルレンズによる偏角作用を補正する機能を持たせてもよい。
以上の実施の形態では、シリンドリカルレンズ(322,324)の軸補正を行う補正シリンドリカルレンズ(321,323)を、このシリンドリカルレンズ(322,324)の上流に配置した一例を示しているが、例えば、シリンドリカルレンズ(322,324)と補正シリンドリカルレンズ(321,323)との配置の順序を逆にしてもよい。即ち、本発明では、シリンドリカルレンズ(321,323)と補正シリンドリカルレンズ(321,323)との配置の順序には制限はなく、これらを順不同に配置してもよいことは言うまでもない。
また、上述の実施の形態において、図9に示す偏光解消素子を用いてもよい。ここで、図9は、偏光解消素子を構成する第1偏角プリズム310、第1補正偏角プリズム320、第2偏角プリズム330及び第2補正偏角プリズム340を示している。この偏光解消素子は、光源側から順に光軸AXに沿って、複屈折性の結晶材料である蛍石(フッ化カルシウム)により形成された第1偏角プリズム310、蛍石により形成された第1補正偏角プリズム320、蛍石により形成された第2偏角プリズム330、蛍石により形成された第2補正偏角プリズム340が配置されて構成されている。この偏光解消素子を構成する第1偏角プリズム310、第1補正偏角プリズム320、第2偏角プリズム330及び第2補正偏角プリズム340は、図2に示す偏光解消素子3を構成する第1偏角プリズム31、第1補正偏角プリズム32、第2偏角プリズム33及び第2補正偏角プリズム34の光軸AX方向から見た形状を円形状に変更したものであり、その他、各偏角プリズムの配置位置、応力の付与方向などについては、図2に示す偏光解消素子3と同様である。
この偏光解消素子においても、第1偏角プリズム310及び第2偏角プリズム330は、入射光の偏光方向に依存することなく、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。また、第1補正偏角プリズム320は、第1偏角プリズム310による偏角作用を補正する機能を有し、第2補正偏角プリズム340は、第2偏角プリズム330による偏角作用を補正する機能を有する。
また、上述の実施の形態において、図10に示す偏光解消素子を用いてもよい。ここで、図10は、偏光解消素子を構成する第1偏角プリズム311、第1補正偏角プリズム321、第2偏角プリズム331及び第2補正偏角プリズム341を示している。この偏光解消素子は、光源側から順に光軸AXに沿って、複屈折性の結晶材料である蛍石(フッ化カルシウム)により形成された第1偏角プリズム311、蛍石により形成された第1補正偏角プリズム321、蛍石により形成された第2偏角プリズム331、蛍石により形成された第2補正偏角プリズム341が配置されて構成されている。この偏光解消素子を構成する第1偏角プリズム311、第1補正偏角プリズム321、第2偏角プリズム331及び第2補正偏角プリズム341は、図2に示す偏光解消素子3を構成する第1偏角プリズム31、及び第2偏角プリズム33に対して、対向する2辺に対して、即ち2方向から応力を付与していたのを、各辺に対して、即ち4方向から応力を付与するように変更したものであり、その他の各偏角プリズムの配置位置などについては、図2に示す偏光解消素子3と同様である。
この偏光解消素子においても、第1偏角プリズム311及び第2偏角プリズム331は、入射光の偏光方向に依存することなく、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。また、第1補正偏角プリズム321は、第1偏角プリズム311による偏角作用を補正する機能を有し、第2補正偏角プリズム341は、第2偏角プリズム331による偏角作用を補正する機能を有する。
また、上述の実施の形態において、図11に示す偏光解消素子を用いてもよい。ここで、図11は、偏光解消素子を構成する第1偏角プリズム312、第1補正偏角プリズム322、第2偏角プリズム332及び第2補正偏角プリズム342を示している。この偏光解消素子は、光源側から順に光軸AXに沿って、複屈折性の結晶材料である蛍石(フッ化カルシウム)により形成された第1偏角プリズム312、蛍石により形成された第1補正偏角プリズム322、蛍石により形成された第2偏角プリズム332、蛍石により形成された第2補正偏角プリズム342が配置されて構成されている。この偏光解消素子を構成する第1偏角プリズム312、第1補正偏角プリズム322、第2偏角プリズム332及び第2補正偏角プリズム342は、図2に示す偏光解消素子3を構成する第1偏角プリズム31、第1補正偏角プリズム32、第2偏角プリズム33及び第2補正偏角プリズム34の光軸AX方向から見た形状を円形状に変更したものであり、第1偏角プリズム312及び第2偏角プリズム332に対して4方向から応力を付与するように変更したものである。その他の各偏角プリズムの配置位置などについては、図2に示す偏光解消素子3と同様である。
この偏光解消素子においても、第1偏角プリズム312及び第2偏角プリズム332は、入射光の偏光方向に依存することなく、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。また、第1補正偏角プリズム322は、第1偏角プリズム312による偏角作用を補正する機能を有し、第2補正偏角プリズム342は、第2偏角プリズム332による偏角作用を補正する機能を有する。
図9〜図11に示す実施の形態における偏角プリズム(310,330,311,331,312,332)と補正偏角プリズム(320,340,321,341,322,342)との配置の順序には制限はなく、これらを順不同に配置してもよいことは言うまでもない。
また、上述の実施の形態において、図12に示す偏光解消素子を用いてもよい。ここで、図12は、偏光解消素子を構成する第1光学部材313及び第2光学部材333を示している。この偏光解消素子は、光源側から順に光軸AXに沿って、複屈折性の結晶材料である蛍石(フッ化カルシウム)により形成された平行平板により構成される第1光学部材313と、蛍石により形成された平行平板により構成される第2光学部材333が配置されて構成されている。この偏光解消素子を構成する第1光学部材313及び第2光学部材333は、光軸方向から見たときに矩形形状を有し、各辺に対して不均一な大きさの応力が付与されている。この応力の付与方向は、図3に示す蛍石の結晶軸の中の結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の何れか1つの方向である。従って、第1光学部材313及び第2光学部材333には、不均一な歪が生じ、内部に所定の分布を有する複屈折が生じる。また、第1光学部材313及び第2光学部材333は、第2光学部材333が第1光学部材313に対して45度回転した状態で配置されている。従って、この偏光解消素子においては、第1光学部材313及び第2光学部材333は、入射光の偏光方向に依存することなく偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。
また、上述の実施の形態において、図13に示す偏光解消素子を用いてもよい。ここで、図13は、偏光解消素子を構成する第1光学部材314及び第2光学部材334を示している。この偏光解消素子は、光源側から順に光軸AXに沿って、複屈折性の結晶材料である蛍石(フッ化カルシウム)により形成された平行平板により構成される第1光学部材314と、蛍石により形成された平行平板により構成される第2光学部材334が配置されて構成されている。この偏光解消素子を構成する第1光学部材314及び第2光学部材334は、光軸方向から見たときに円形形状を有し、光学部材の周囲に対して不均一な大きさの応力が付与されている。従って、第1光学部材314及び第2光学部材334には、不均一な歪が生じ、内部に所定の分布を有する複屈折が生じる。この応力の付与方向は、図3に示す蛍石の結晶軸の中の結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の何れか1つの方向である。また、第1光学部材314及び第2光学部材334は、第2光学部材334が第1光学部材314に対して45度回転した状態で配置されている。従って、この偏光解消素子においては、第1光学部材314及び第2光学部材334は、入射光の偏光方向に依存することなく、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。
また、上述の実施の形態において、図14に示す光学部材を用いた偏光解消素子を用いてもよい。ここで、図14は、偏光解消素子を構成する光学部材を示している。上述の実施の形態においては、偏光解消素子を構成する光学部材の側面部に所定の光軸方向から応力を付与することにより光学部材に複屈折を生じさせていたが、平行平板の表面の2点、及び表面の2点を結ぶ直線(図中実線で示す)と直行する直線(図中破線で示す)上に位置する裏面の2点に応力を付与することにより、光学部材に不均一な歪を生じさせ、内部に所定の分布を有する複屈折を生じさせてもよい。この場合にも応力の付与方向は、図3に示す蛍石の結晶軸の中の結晶軸[100]、結晶軸[010]、結晶軸[001]、結晶軸[110]、結晶軸[101]、結晶軸[011]の何れか1つの方向であることが好ましい。このような光学部材を2つ、45度相対的に回転した状態で配置することにより、入射光の偏光方向に依存することなく、偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換する機能を有する。
また、上述の実施の形態においては、応力を付与することにより複屈折を生じさせた少なくとも2つの光学部材を組合せることにより、入射光の偏光方向に依存することなく偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換しているが、図12から図14に示す光学部材のように、内部に不均一な複屈折を生じさせることができる場合には、発生させる複屈折の分布を制御することにより1つの光学部材により、入射光の偏光方向に依存することなく偏光度を有する入射光を実質的に非偏光の光に変換することができる。
また、上述の実施の形態では、ビーム送光系2とマイクロレンズアレイ4との間の光路中に偏光解消素子3を配置しているが、これに限定されることなく、たとえばコンデンサ光学系5とマスクMとの間の光路中または他の適当な光路中に偏光解消素子3を配置することもできる。ただし、偏光解消素子3とマスクMとの間の光路中にオプティカルインテグレータを配置する構成を採用することにより、偏光解消素子3の有効径(外径)を小さく抑えることができる。
また、上述の実施の形態では、偏光解消素子3を照明光路に対して挿脱自在に構成することが好ましい。この場合、必要に応じて、偏光解消素子3を照明光路中に設定することにより非偏光状態の光でマスクMを照明し、偏光解消素子3を照明光路から退避させることにより直線偏光状態の光でマスクMを照明することができ、ひいてはマスクMに対する多様な照明が可能になる。
次に、図面を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる照明光学系を備えた露光装置について説明する。図15は、本発明の第2の実施の形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図15において、感光性基板であるウエハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウエハ面内において図15の紙面に平行な方向にY軸を、ウエハ面内において図15の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。なお、図15では、照明光学装置が輪帯照明を行うように設定されている。
この露光装置は、露光光(照明光)を供給するためのレーザ光源10を備えている。レーザ光源10として、たとえば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源を用いることができる。レーザ光源10からZ方向に沿って射出されたほぼ平行な光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のレンズ11aおよび11bからなるビームエキスパンダ11に入射する。各レンズ11aおよび11bは、図15の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力および正の屈折力をそれぞれ有する。したがって、ビームエキスパンダ11に入射した光束は、図15の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。
整形光学系としてのビームエキスパンダ11を介したほぼ平行な光束は、折り曲げミラー12でY方向に偏向された後、位相部材13、デポラライザ(偏光解消素子)14および回折光学素子15を介して、アフォーカルズームレンズ16に入射する。位相部材13の構成および作用については後述する。また、デポラライザ(偏光解消素子)14の構成および作用は、第1の実施の形態にかかる偏光解消素子3の構成および作用と同一であり、本実施の形態においては、図2、図7乃至図14を用いて説明した偏光解消素子を用いることができる。
一般に、回折光学素子は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体的には、回折光学素子15は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、そのファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に円形状の光強度分布を形成する機能を有する。
したがって、回折光学素子15を介した光束は、アフオーカルズームレンズ16の瞳位置に円形状の光強度分布、すなわち円形状の断面を有する光束を形成する。回折光学素子15は、照明光路から退避可能に構成されている。アフオーカルズームレンズ16は、アフォーカル系(無焦点光学系)を維持しながら所定の範囲で倍率を連続的に変化させることができるように構成されている。アフオーカルズームレンズ16を介した光束は、輪帯照明用の回折光学素子17に入射する。アフォーカルズームレンズ16は、回折光学素子15の発散原点と回折光学素子17の回折面とを光学的にほぼ共役に結んでいる。そして、回折光学素子17の回折面またはその近傍の面の一点に集光する光束の開口数は、アフォーカルズームレンズ16の倍率に依存して変化する。
輪帯照明用の回折光学素子17は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドにリング状の光強度分布を形成する機能を有する。回折光学素子17は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ4極照明用の回折光学素子60や円形照明用の回折光学素子61やX方向2極照明用の回折光学素子62やY方向2極照明用の回折光学素子63と切り換え可能に構成されている。4極照明用の回折光学素子60、円形照明用の回折光学素子61、X方向2極照明用の回折光学素子62、およびY方向2極照明用の回折光学素子63を用いることにより、4極照明、円形照明、X方向2極照明、およびY方向2極照明を行うことができる。
回折光学素子17を介した光束は、ズームレンズ18に入射する。ズームレンズ18の後側焦点面の近傍には、マイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)19の入射面が位置決めされている。マイクロフライアイレンズ19は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。一般に、マイクロフライアイレンズは、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
ここで、マイクロフライアイレンズを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロフライアイレンズは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
上述したように、回折光学素子15を介してアフォーカルズームレンズ16の瞳位置に形成される円形状の光強度分布からの光束は、アフオーカルズームレンズ16から射出された後、様々な角度成分を有する光束となって回折光学素子17に入射する。すなわち、回折光学素子15は、角度光束形成機能を有するオプティカルインテグレータを構成している。一方、回折光学素子17は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドにリング状の光強度分布を形成する光束変換素子としての機能を有する。したがって、回折光学素子17を介した光束は、ズームレンズ18の後側焦点面に(ひいてはマイクロフライアイレンズ19の入射面に)、たとえば光軸AXを中心とした輪帯状の照野を形成する。
マイクロフライアイレンズ19の入射面に形成される輪帯状の照野の外径は、ズームレンズ18の焦点距離に依存して変化する。このように、ズームレンズ18は、回折光学素子17とマイクロフライアイレンズ19の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に結んでいる。マイクロフライアイレンズ19に入射した光束は二次元的に分割され、マイクロフライアイレンズ19の後側焦点面には、入射光束によって形成される照野と同じ輪帯状の多数光源(以下、「二次光源」という)が形成される。
マイクロフライアイレンズ19の後側焦点面に形成された輪帯状の二次光源からの光束は、ビームスプリッタ21およびコンデンサ光学系22を介した後、マスクブラインド23を重畳的に照明する。こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド23には、マイクロフライアイレンズ19を構成する各微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。なお、ビームスプリッタ21を内蔵する偏光モニタ20の内部構成および作用については後述する。
マスクブラインド23の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系24の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスク(レチクル)M1を重畳的に照明する。こうして、結像光学系24は、マスクブラインド23の矩形状開口部の像をマスクM1上に形成することになる。マスクM1のパターンを透過した光束は、投影光学系PL1を介して、感光性基板であるウエハW1上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PL1の光軸AXと直交する平面内においてウエハW1を二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウエハW1の各露光領域にはマスクM1のパターンが逐次露光される。
図16は、位相部材13および偏光解消素子14の構成を概略的に示す図である。位相部材13は、光軸AXを中心として結晶軸が回転自在に構成された1/2波長板により構成されている。一方、偏光解消素子14は、上述のように第1の実施の形態にかかる偏光解消素子3(図2等参照)と同一の構成を有する。なお、図15に示すように、位相部材13の光軸AXを中心とした回転および偏光解消素子14の照明光路に対する挿脱は、制御系25からの指令を受けた駆動系26によって行われる。また、駆動系26は、偏光解消素子14を構成する光学部材に応力を付与する応力付与機構としての機能を有し、制御系25からの指令を受けて偏光解消素子14を構成する光学部材に付与する応力の大きさの変更等の調整を行う。
レーザ光源10としてArFエキシマレーザ光源を用いる場合、1/2波長板により構成される位相部材13には、直線偏光の光が入射する。ここで、位相部材13の結晶軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定された場合、位相部材13に入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。また、位相部材13の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定された場合、位相部材13に入射した直線偏光の光は偏光面が90度だけ変化した直線偏光の光に変換される。さらに、偏光解消素子14に入射した直線偏光の光は非偏光状態の光に変換(非偏光化)される。
本実施の形態においては、上述したように、レーザ光源10からの直線偏光の光が位相部材13に入射するが、以下の説明を簡単にするために、P偏光の光が位相部材13に入射するものとする。この場合、駆動系25が偏光解消素子14を照明光路中に挿入するとともに、位相部材13の結晶軸が入射するP偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、位相部材13に入射したP偏光の光は偏光面が変化することなくP偏光のまま通過して偏光解消素子14に入射する。偏光解消素子14に入射したP偏光の光は非偏光状態の光に変換され、非偏光状態でマスクMを照明する。一方、駆動系25が偏光解消素子14を照明光路中に挿入するとともに、位相部材13の結晶光学軸が入射するP偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、位相部材13に入射したP偏光の光は偏光面が90度だけ変化し、S偏光の光になって偏光解消素子14に入射する。偏光解消素子14に入射したS偏光の光は非偏光状態の光に変換され、非偏光状態でマスクMを照明する。
これに対し、駆動系26が偏光解消素子14を照明光路から退避させるとともに、位相部材13の結晶軸が入射するP偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、位相部材13に入射したP偏光の光は偏光面が変化することなくP偏光のまま通過し、P偏光状態の光でマスクMを照明する。一方、駆動系26が偏光解消素子14を照明光路から退避させるとともに、位相部材13の結晶軸が入射するP偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、位相部材13に入射したP偏光の光は偏光面が90度だけ変化してS偏光の光になり、S偏光状態の光でマスクMを照明する。
図17は、被照射面としてのマスクM(ひいてはウエハW)を照明する光の偏光状態が所望の偏光状態になっているか否かを検知するための偏光モニタ20の内部構成を概略的に示す斜視図である。偏光モニタ20は、図15に示すように、マイクロフライアイレンズ19とコンデンサ光学系22との間の光路中に配置された第1ビームスプリッタ21を備えている。第1ビームスプリッタ21は、たとえば石英ガラスにより形成されたノンコートの平行平面板(すなわち素ガラス)の形態を有し、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光を光路から取り出す機能を有する。
第1ビームスプリッタ21により光路から取り出された光は、第2ビームススプリッタ27に入射する。第2ビームスプリッタ27は、第1ビームスプリッタ21と同様に、例えば石英ガラスにより形成されたノンコートの平行平面板の形態を有し、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光を発生させる機能を有する。そして、第1ビームスプリッタ21に対するP偏光が第2ビームスプリッタ27に対するS偏光になり、且つ第1ビームスプリッタ21に対するS偏光が第2ビームスプリッタ27に対するP偏光になるように設定されている。
また、第2ビームスプリッタ27を透過した光は第1光強度検出器28により検出され、第2ビームスプリッタ27で反射された光は第2光強度検出器29により検出される。第1光強度検出器28および第2光強度検出器29の出力は、それぞれ制御系25(図15参照)に供給される。また、前述したように、制御系25は、駆動系26を介して、偏光状態切換手段を構成する位相部材13および偏光解消素子14を駆動する。
上述のように、第1ビームスプリッタ21および第2ビームスプリッタ27において、P偏光に対する反射率とS偏光に対する反射率とが実質的に異なっている。したがって、偏光モニタ20では、第1ビームスプリッタ21からの反射光が、例えば第1ビームスプリッタ21への入射光の10%程度のS偏光成分(第1ビームスプリッタ21に対するS偏光成分であって第2ビームスプリッタ27に対するP偏光成分)と、例えば第1ビームスプリッタ21への入射光の1%程度のP偏光成分(第1ビームスプリッタ21に対するP偏光成分であって第2ビームスプリッタ27に対するS偏光成分)とを含むことになる。
また、第2ビームスプリッタ27からの反射光は、例えば第1ビームスプリッタ21への入射光の10%×1%=0.1%程度のP偏光成分(第1ビームスプリッタ21に対するP偏光成分であって第2ビームスプリッタ27に対するS偏光成分)と、例えば第1ビームスプリッタ21への入射光の1%×10%=0.1%程度のS偏光成分(第1ビームスプリッタ21に対するS偏光成分であって第2ビームスプリッタ27に対するP偏光成分)とを含むことになる。
こうして、偏光モニタ20では、第1ビームスプリッタ21が、その反射特性に応じて、入射光の偏光状態とは異なる偏光状態の反射光を光路から取り出す機能を有する。その結果、第2ビームスプリッタ27の偏光特性による偏光変動の影響を僅かに受けるものの、第1光強度検出器28の出力(第2ビームスプリッタ27の透過光の強度に関する情報、すなわち第1ビームスプリッタ21からの反射光とほぼ同じ偏光状態の光の強度に関する情報)に基づいて、第1ビームスプリッタ21への入射光の偏光状態(偏光度)を、ひいてはマスクMへの照明光の偏光状態を検知することができる。
また、偏光モニタ20では、第1ビームスプリッタ21に対するP偏光が第2ビームスプリッタ27に対するS偏光になり且つ第1ビームスプリッタ21に対するS偏光が第2ビームスプリッタ27に対するP偏光になるように設定されている。その結果、第2光強度検出器29の出力(第1ビームスプリッタ21および第2ビームスプリッタ27で順次反射された光の強度に関する情報)に基づいて、第1ビームスプリッタ21への入射光の偏光状態の変化の影響を実質的に受けることなく、第1ビームスプリヅタ21への入射光の光量(強度)を、ひいてはマスクMへの照明光の光量を検知することができる。こうして、偏光モニタ20を用いて、第1ビームスプリッタ21への入射光の偏光状態を検知し、ひいてはマスクMへの照明光が所望の非偏光状態または直線偏光状態になっているか否かを判定することができる。そして、制御系25が偏光モニター20の検知結果に基づいてマスクM(ひいてはウエハW)への照明光が所望の非偏光状態または直線偏光状態になっていないことを確認した場合、駆動系26を介して偏光状態切換手段を構成する位相部材13および偏光解消素子14を駆動調整し、マスクMへの照明光の状態を所望の非偏光状態または直線偏光状態に調整する。また、マスクMへ照射される照明光の状態が非偏光状態になるべき場合であって、非偏光になっていない原因が偏光解消素子14を構成する光学部材に対する応力の付与量の不足による場合には、駆動系26の制御の元、光学部材に付与する応力の大きさを変更し、マスクMへ照射される照明光を非偏光状態にする。
なお、上述の実施の形態においては、露光光としてKrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光やF2レーザ光を用いているが、これに限定されることなく、偏光度を有する光を供給する他の適当な光源に対して本発明を適用することもできる。また、上述の実施の形態においては、照明光学装置を備えた投影露光装置を例にとって説明したが、マスク以外の被照射面を照明するための一般的な照明光学装置に本発明を適用することも可能である。
上述の実施の形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施の形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図18のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図18のステップS301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の実施の形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、上述の実施の形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図19のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図19において、パターン形成工程S401では、上述の実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程S402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程S402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程S402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
1…光源、2…ビーム送光系、3…偏光解消素子、4…マイクロレンズアレイ(フライアイレンズ)、5…コンデンサ光学系、6…偏光状態測定器、31…第1偏角プリズム、32…第1補正偏角プリズム、33…第2偏角プリズム、34…第2補正偏角プリズム、320…偏光解消素子、321…第1補正シリンドリカルレンズ、322…第1シリンドリカルレンズ、323…第2補正シリンドリカルレンズ、324…第2シリンドリカルレンズ、M…マスク、PL…投影光学系、W…ウエハ