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JP2006037342A - 軽量盛土およびその施工方法 - Google Patents

軽量盛土およびその施工方法 Download PDF

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Mitsuharu Tezuka
光晴 手塚
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  • Retaining Walls (AREA)
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Abstract

【課題】 斜面と擁壁の間隙に現場発泡の発泡樹脂を充填して成る軽量盛土において、発泡樹脂の発泡による擁壁の損傷を有効に防止し得る様に改良された軽量盛土およびその施工方法を提供する。
【解決手段】 軽量盛土は、斜面(1)に対峙させて構築した擁壁(2)と前記斜面との間隙に現場発泡の発泡樹脂(4)を充填して構成される。斜面(1)と対向する擁壁(2)の内面側には、発泡樹脂(4)が発泡する際の膨張力を緩衝するシート状の緩衝材(3)が配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軽量盛土およびその施工方法に関するものであり、詳しくは、現場発泡の発泡樹脂を盛土材料として使用した軽量盛土およびその施工方法に関するものである。
EPS工法(Expanded Polystyrene Construction Method)は、軟弱地盤の盛土、道路盛土、地滑り地の盛土、拡幅盛土、急傾斜地盛土などにおいて、軽量な発泡スチロールブロックを盛土材料や裏込め材料として積み重ねる土木工法である。EPS工法による軽量盛土は、盛土荷重を大幅に低減でき、沈下や地滑りを防止できる。更に、一軸方向の圧縮力が大きく、明確な剪断領域が発生しないため、優れた耐荷重性を発揮でき、しかも、自立性に優れ且つ上載荷重が作用しても側方への変形が極めて小さいため、背面土圧を大幅に低減できる。
また、傾斜地に施工される軽量盛土に関し、上記の発泡スチロールブロックの積重ね前の整地作業を軽減する様にした軽量盛土も提案されている。斯かる軽量盛土は、斜面に対峙させて擁壁を構築し、斜面と擁壁の間隙の底部に現場発泡の硬質発泡ウレタンを充填した後、硬質発泡ウレタン上にレベリング層を形成し、更に、レベリング層の上に硬質発泡樹脂ブロックを積み上げたものである。上記の軽量盛土は、発泡スチロールブロックを積み上げるための整地用の下地材料として現場発泡の発泡ウレタンを使用することにより、整地に大型機械を使用できない場所においても簡単に施工できる。
特開2001−220747号公報
ところで、現場発泡の発泡樹脂を使用する上記の様な軽量盛土においては、擁壁の壁板がPCパネル等の比較的軽量な材料で構成されるため、発泡樹脂を発泡させた際、発泡樹脂の膨張力により擁壁に側圧が加わり、壁板にひび割れ等の損傷が生じることがある。勿論、擁壁の壁板として、十分な厚さ及び強度の素材を使用するならば上記の損傷を防止し得るが、その場合は、壁板の重量が大きくなるために施工性が悪くなり、かつ、コストが高くなる。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、斜面に対峙させて構築した擁壁と前記斜面との間隙に現場発泡の発泡樹脂を充填して成る軽量盛土において、発泡樹脂の発泡による擁壁の損傷を有効に防止し得る様に改良された軽量盛土およびその施工方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明においては、斜面に対峙させて構築した擁壁の内面側、すなわち、斜面と対向する擁壁の内面側にシート状の緩衝材を配置し、発泡樹脂が発泡する際の膨張力を緩衝材によって緩衝することにより、擁壁に加わる側圧を低減する様にした。
本発明によれば、発泡樹脂が発泡する際の膨張力を緩衝材によって緩衝し、擁壁に加わる側圧を低減できるため、ひび割れ等の擁壁の損傷を防止することが出来る。
本発明に係る軽量盛土およびその施工方法を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る軽量盛土の構造を擁壁に直交する断面で示す縦断面図である。図2は、本発明に係る軽量盛土の内部構造を示す水平断面図である。なお、以下の説明においては、軽量盛土を「盛土」と略記する。
本発明の盛土は、例えば、道路盛土、地滑り地の盛土、拡幅盛土、急傾斜地盛土として、傾斜地に構築される盛土であり、図1に示す様に、斜面(1)に対峙させて構築した擁壁(2)と斜面(1)との間隙に現場発泡の発泡樹脂(4)を充填して構成される。図1に例示した盛土は、傾斜地の上部に道路を敷設するための拡幅盛土である。本発明の盛土を適用する場所としては、擁壁(2)を建てた場合に斜面(1)と擁壁(2)との最大間隔が10メートル以下となる様な地山形状の場所が好ましい。
擁壁(2)は、斜面(1)の基部または途中に略垂直に立設されるか、あるいは、斜面(1)と同一方向に幾分傾斜させて立設される。擁壁(2)は、図2に示す様に、斜面(1)の幅方向に沿って複数の支柱(21)を立て、これら支柱(21)に壁板(22)を取り付けて構成される。支柱(21)は、H型鋼、L型鋼、I型鋼、C型鋼、溝型鋼などの型鋼や押出型材によって構成される。図に例示した支柱(21)は、四角形断面の中空のアルミニウム押出型材によって作製された支柱である。斯かる支柱(21)は、コンクリート製のブロック状の基礎(23)にアンカー固定して立てられる。通常、支柱(21)の配列ピッチは500〜4000mm程度とされる。
壁板(22)としては、平板状、波形状などの各種形状の板材を使用できるが、圧縮強度が1MPa以上、好ましくは40MPa以上の材料が使用され、強度、重量およびコストの観点から、通常はPCパネル(押し出し成形セメント板)が使用される。図示しないが、壁板(22)は、例えば、断面形状が扁平なZ字状に形成されたZクリップと称する支持金物を利用して支柱(21)に取り付けられる。すなわち、支柱(21)に支持金物の一片が溶接固定され、支持金物の他の一片に壁板(22)がボルト固定される。また、壁板(22)の取付構造としては、特開2004−76523号公報に開示されている様に、取付金物によって支柱(21)に枠材を取り付け、斯かる枠材によって壁板(22)を支持する構造なども採用できる。
また、擁壁(2)には、発泡樹脂(4)の発泡による膨張力に対抗するため、補強ロッド(24)が付設される。補強ロッド(24)は、擁壁(2)の上部から斜面(1)に亙って発泡樹脂(4)を貫通した状態に略水平に架け渡される。具体的には、補強ロッド(24)としてはパイプ、鋼線などが使用され、そして、補強ロッド(24)の一端は支柱(21)の上部に固定され、補強ロッド(24)の他端は斜面(1)の上部の受圧コンクリートブロックに埋め込まれる。なお、補強ロッド(24)は、後述のコンクリート床版(5)に埋設された状態に架け渡されてもよい。
擁壁(2)の構造としては各種の構造を採用できるが、図1及び図2に示す様に、斜面(1)に対向する擁壁(2)の内面側の形状は、壁板(22)よりも支柱(21)が斜面(1)側に突出した形状が望ましい。擁壁(2)において支柱(21)が内側に突出していることにより、後述する緩衝材(3)を支柱(21)に貼り付けることが出来、緩衝材(3)が受ける発泡樹脂(4)の膨張力を支柱(21)に分散させることが出来る。
擁壁(2)と斜面(1)との間隙には発泡樹脂(4)が充填される。発泡樹脂(4)としては硬質ポリウレタン樹脂が使用される。周知の通り、硬質ポリウレタンの現場発泡においては、アミン化合物などの触媒、水やフルオロカーボン等の発泡剤、シリコンオイル等の整泡剤などと共にポリイソシアネートとポリオールを混合することにより、泡化反応と樹脂化反応を同時に進行させてポリウレタンフォームを得る。
本発明の盛土においては、擁壁(2)の損傷、具体的には壁板(22)のひび割れ等を防止するため、斜面と対向する擁壁(2)の内面側には、発泡樹脂(4)が発泡する際の膨張力を緩衝するシート状の緩衝材(3)が配置され、発泡樹脂(4)は、緩衝材(3)と斜面(1)の間に充填される。
本発明において、緩衝材(3)としては、擁壁(2)の内面側を覆うことの出来るシート状の材料であれば各種の木質板やプラスチック板を使用することが出来るが、施工性およびコストの観点からは、可撓性フィルムが好ましい。本発明において、フィルムはシートを含む概念であり、上記の可撓性フィルムとしては、建築・土木用あるいは農業用として使用されるポリエチレン、ナイロン、塩化ビニル等の各種のフィルム又はシートが挙げられる。可撓性フィルムは、発泡樹脂(4)の現場発泡によって破損しない程度の強度を備えていればよく、その厚さは、通常は0.01〜1mm程度、好ましくは0.05〜0.10mmである。また、可撓性フィルムの引張強度は、ウレタン硬化時の温度において5MPa以上あればよく、伸長率は10〜200%が好ましい。
緩衝材(3)は、図2に示す様に、擁壁(2)の支柱(21)の内側面、すなわち、斜面(1)に対向する支柱(21)の側面に貼設される。緩衝材(3)として可撓性フィルムを使用する場合、可撓性フィルムは、粘着剤、または、両面に粘着剤層を有するいわゆる両面テープによって支柱(21)に固定される。
本発明においては、発泡樹脂(4)が発泡する際の膨張力を上記の緩衝材(3)によって受け止めるため、緩衝材(3)は、発泡樹脂(4)を充填する前において、弛まない状態、換言すれば、壁板(22)の間に隙間が形成される状態に配置される。また、緩衝材(3)は、発泡樹脂(4)を充填発泡させた状態において、壁板(22)との間に少なくとも部分的に隙間が形成される様に配置される。具体的には、緩衝材(3)は、発泡樹脂(4)を充填した状態において緩衝材(3)と壁板(22)との間の最小の隙間が1〜300mmとなる様に配置されるのが好ましく、50〜250mmとなる様に配置されるのが一層好ましい。なお、図示しないが、上記の盛土の内部には、斜面(1)側の水を排水するための排水材や排水管が敷設される。
本発明の盛土は次の様にして施工される。先ず、斜面(1)に対峙させて擁壁(2)を構築する。擁壁(2)の構築は、上記の様に、斜面(1)に沿って所定の間隔で配置した基礎(23)に支柱(21)を立てた後、前述の支持金物などを使用し、各支柱(21)の間に壁板(22)を架け渡す。補強ロッド(24)は、支柱(21)を立てた後に取り付けてもよいし、壁板(22)を施工した後に取り付けてもよい。
次いで、斜面(1)に対向する擁壁(2)の内面側にシート状の緩衝材(3)、例えば可撓性フィルムを貼設する。可撓性フィルムは、前述の通り、例えば両面テープを使用することにより、斜面(1)に対向する支柱(21)の側面に弛まない状態に貼り付ける。緩衝材(3)を貼設した後は、緩衝材(3)の斜面(1)側、すなわち、緩衝材(3)と斜面(1)の間の間隙に現場発泡の発泡樹脂(4)を充填して発泡させる。
発泡樹脂(4)の充填においては、圧送ポンプを含む発泡装置により、ポリイソシアネートやポリオール等の発泡原料をホースで移送し、これらを吐出口で混合しながら緩衝材(3)と斜面(1)の間隙に充填する。上記の様に、発泡樹脂(4)を充填した場合、発泡樹脂(4)の発泡による体積膨張により、緩衝材(3)は、図2に示す様に外側(斜面(1)と反対側)に膨出する。そして、図1に示す様に、擁壁(2)の内側を発泡樹脂(4)で充填した後、例えば道路を施工する場合は上部にコンクリート床版(5)や路盤(6)を敷設する。
また、図示しないが、本発明の盛土においては、盛土材料として、発泡樹脂(4)のみならず、発泡樹脂ブロックを併用することも出来る。発泡樹脂ブロックを使用する場合は、緩衝材(3)と斜面(1)の間隙に発泡樹脂(4)を適度な高さまで充填し、発泡樹脂(4)の上面を平坦に均し且つ土砂や砕石で基準面層を作成した後、発泡スチロールブロックを積み重ねて盛土を構築する。なお、発泡スチロールブロックとして同一の形状および大きさのものを使用する場合は、水平方向のブロックの継ぎ目が上下のブロックにおいて相互にずれた状態となる様に積み重ねる。また、大きさの異なる発泡スチロールブロックを使用する場合は、レンガ積みで言うところのいわゆるイギリス積みやフランス積みを行う。
本発明の盛土においては、上記の様に、斜面(1)に対峙させて構築した擁壁(2)の内面側、すなわち、斜面(1)と対向する擁壁(2)の内面側にシート状の緩衝材(3)を配置し、発泡樹脂(4)が発泡する際の膨張力を緩衝材(3)によって緩衝することにより、擁壁(2)に加わる側圧を低減する。換言すれば、本発明の盛土において、シート状の緩衝材(3)は、発泡樹脂(4)が膨張する際に擁壁(2)の壁板(22)へ加わる水平方向の膨張力の少なくとも一部を各支柱(21)に分散させる。従って、本発明の盛土においては、擁壁(2)の壁板(22)に加わる側圧を低減でき、ひび割れ等の損傷を防止することが出来る。また、壁板(22)に加わる側圧を低減できるため、壁板(22)として、より薄く軽量なものを使用できる。
更に、本発明の盛土においては、擁壁(2)の内側が緩衝材(3)によって覆われており、発泡樹脂(4)を充填した際、シート状の緩衝材(3)によって発泡樹脂(4)が擁壁(2)に直接接触することがなく、擁壁(2)の細部、例えば壁板(22)同士の継ぎ目や支柱(21)と壁板(22)の取合い部分にから外部にはみ出すことがないため、擁壁(2)の外観を汚すこともない。
本発明に係る軽量盛土の構造を擁壁に直交する断面で示す縦断面図である。 本発明に係る軽量盛土の内部構造を示す水平断面図である。
符号の説明
1 :斜面
2 :擁壁
21:支柱
22:壁板
23:基礎
24:補強ロッド
3 :緩衝材(可撓性フィルム)
4 :発泡樹脂
5 :コンクリート床版
6 :路盤

Claims (5)

  1. 斜面に対峙させて構築した擁壁と前記斜面との間隙に現場発泡の発泡樹脂を充填して成る軽量盛土において、斜面と対向する前記擁壁の内面側には、発泡樹脂が発泡する際の膨張力を緩衝するシート状の緩衝材が配置されていることを特徴とする軽量盛土。
  2. 緩衝材が可撓性フィルムである請求項1に記載の軽量盛土。
  3. 擁壁から斜面に亙って補強ロッドが架け渡されている請求項1又は2に記載の軽量盛土。
  4. 斜面に対峙させて擁壁を構築した後、斜面に対向する前記擁壁の内面側にシート状の緩衝材を配置し、次いで、前記緩衝材と斜面の間に現場発泡の発泡樹脂を充填することを特徴とする軽量盛土の施工方法。
  5. 緩衝材として、可撓性フィルムを使用する請求項4に記載の軽量盛土の施工方法。
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