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JP2006010715A - Memsミラースキャナ - Google Patents

Memsミラースキャナ Download PDF

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JP2006010715A
JP2006010715A JP2004165099A JP2004165099A JP2006010715A JP 2006010715 A JP2006010715 A JP 2006010715A JP 2004165099 A JP2004165099 A JP 2004165099A JP 2004165099 A JP2004165099 A JP 2004165099A JP 2006010715 A JP2006010715 A JP 2006010715A
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mirror
substrate
scanning mirror
scanning
mems mirror
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Application number
JP2004165099A
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Osamu Imai
今井  修
Yoshifumi Kawakami
佳史 川上
Kyoji Shimoda
亨志 下田
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Sumitomo Precision Products Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Precision Products Co Ltd
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Abstract

【課題】 MEMSミラースキャナにおいて、ポリゴンミラースキャナと同等以上の高速スキャニングを実現でき、例えば、レーザープリンタ用途で高精度スキャニングを実現することを目的とし、特にスキャニングミラー自体の形状、寸法などの最適化を図った構成のMEMSミラースキャナの提供。
【解決手段】 入射角が浅く(小さく)なるほどかかる光経路の範囲を大きくする必要があり、光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲で、スキャニングミラーの揺動軸方向長さYと揺動軸に直交する方向長さXの比が1:1.1〜1:1.9が必要であり、ミラー周辺の空間を入射側が小さく、出射側が大きくし、光透過窓は当該ミラーに対して入出射側で非対称の形状とすることで、高精度化と小型化が達成できる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、高速スキャニングが可能なレーザープリンタ用途に最適な小型ミラースキャナに関し、詳しくはシリコン基板を用いたマイクロ-エレクトロ-メカニカルシステム(micro-electro-mechanical system、以下MEMSという)による新規なMEMSミラースキャナに関する。
従来、レーザープリンタなどの用途でスキャナエンジンとして使用されるデバイスに、ポリゴンミラースキャナが用いられ、これは多角柱状ミラーをその軸中心に高速回転させることができ、高速のスキャニング動作を実現できた。
特開平5-119279
近年、シリコンなどの半導体基板に、エッチングや成膜などのマイクロマシニング技術を用い、例えば所要のグルーブを形成して構成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動可能に支持し、ミラー部とグルーブ周辺に設けた電極対により静電力を発生させて、前記ミラーを揺動運動させる静電駆動型MEMSミラースキャナが種々提案されている。
特開2002-311376 特開2003-015064
前記静電駆動型ミラースキャナーは、文字どおり静電力で駆動され、サスペンションビームを軸とする回動角によって、入射させた光の反射経路を変換することが可能であり、レーザー光のスイッチングやスキャニングが実施できる。しかし、その駆動速度は、ポリゴンミラースキャナと比較してずっと低速度しか得られないものであった。
一方、基本構造に平行磁場を発生させる磁場発生手段と、棒状トーションバーで揺動可能に支持したスキャニングミラーを有した電磁駆動型ミラースキャナは、電磁型の駆動力が大きく、偏向角度と動作周波数を向上させやすい利点がある。
また、ジンバル構造の光偏向器の構成を採り、シリコン基板と複数のポリイミド膜、金属膜とを積層し平行磁場中に配置された偏向ミラー素子アレイとを有した電磁駆動型ミラースキャナは、弾性部材としてのメッシュ状部を有するポリイミド膜を用いることで、例えば4.5mm×3.3mmのミラーサイズで4000Hzの共振周波数を有し、高速スキャニングを可能にしている。
特開2003-270558
シリコン基板を用いて数mm角寸法のミラーをサスペンションビームで揺動可能に支持する構成のMEMSミラースキャナは、ポリゴンミラースキャナに対して、小型化が容易であり、光学系の小型化と省レンズが可能となり、また回転体がなく発塵フリーであり、さらに省電力、静音、低振動、起動時間短縮などさまざまなメリットが得られる。
ポリゴンミラースキャナに匹敵あるいはそれ以上の高速スキャニングを可能する、特にレーザープリンタ用途としては、必要な印字分解能を得るために大きな寸法のスキャニングミラーが必要となるため、スキャニングミラーを大型化し、高速で且つ大振幅で動作させる必要がある。
しかし、MEMSミラースキャナのスキャニングミラーについて、デバイスの構成や製造方法に関して多くの提案があるが、その光学系からみた形状性や大型化するに際しての最適な設計については何ら提案がなされていない。
また、大きなスキャニングミラーのMEMSミラースキャナを高速化(高周波化)するには、例えばトーションバーの剛性を上げる必要があるが、トーションバーの剛性を上げると、特に静電型では駆動力が低いためミラーを十分な動作振幅で駆動できなくなる問題がある。
この発明は、MEMSミラースキャナにおいて、ポリゴンミラースキャナと同等以上の高速スキャニングを実現でき、例えば、レーザープリンタ用途で高精度スキャニングを実現することを目的とし、特にスキャニングミラー自体の形状、寸法などの最適化を図った構成のMEMSミラースキャナの提供を目的としている。
さらにこの発明は、スキャニングミラー自体の最適化を図った静電駆動型MEMSミラースキャナにおいて、静電力の少ない駆動力でも駆動可能な柔軟なミラーの支持構造を有する構成、また駆動力を増加させるために静電容量を増大、確保できる構成からなるMEMSミラースキャナの提供を目的としている。
発明者らは、レーザープリンタ用途で高精度スキャニングを実現することを目的に、スキャニングミラーへの光の入射と反射する光経路に付いて種々検討した結果、入射角が該ミラー面に対して45°から90°の範囲の場合、入射角が浅く(小さく)なるほどかかる光経路の範囲を大きくする必要があり、スキャニングミラーの揺動軸方向長さは揺動軸に直交する方向長さの1〜2倍にしなければならないことを知見した。
また、発明者らは、揺動軸に直交する方向長さを大きくしたスキャニングミラーからの入反射光を支障なく通過させることについて種々検討した結果、目的達成には該ミラー周辺の空間を大きく取ればよいが、一方、小型化するためには最小必要限としなければならないが、必要範囲は入射側が小さく、出射側が大きくなるので、入射側と出射側の空間を非対称にすることで必要最小限の空間を得られること、また、スキャニングミラーを収納する筐体においても、光透過窓は当該ミラーに対して入出射側で非対称の形状とすることで、高精度化と小型化が達成できることを知見し、この発明を完成した。
また、発明者らは、上述の形状、寸法の最適化を図ったMEMSミラースキャナの構成は、駆動源の原理にかかわらずいずれの構成のMEMSミラースキャナにも適用できることを知見した。
そこで発明者らは、上述の形状、寸法の最適化を図った静電駆動型MEMSミラースキャナについて、さらに静電力の小さな駆動力でも駆動可能な柔軟なミラーの支持構造並びに十二分な静電容量を確保できる構成を目的に、鋭意検討した結果、所要寸法の正方形スキャニングミラーを想定した場合、ミラーを対向2辺の方向に一対(二本)のサスペンションビームで揺動可能に支持し、かつサスペンションビーム方向(揺動軸方向)に櫛歯状の電極を連接配置して静電容量駆動部を設ける構成となすことで、基本的にミラーの共振周波数を高め、駆動部の静電容量を増大させることが可能であることを知見した。
また、発明者らは、スキャニングミラーとサスペンションビームによる上記の構成において、該ミラーの揺動軸方向に直交する方向の寸法を1.7mm以上とし、さらに静電容量駆動部の揺動軸中心から軸直交方向(サスペンションビーム幅方向)の最大距離を、該ミラーの揺動軸中心(回転中心)よりの軸直交方向(ミラー長さ方向)の最大距離の60%以下、好ましくは40%以下とすることにより、大きなスキャニングミラーの共振周波数を高めることが可能であることを知見した。
また、発明者らは、上記の一対(二本)のサスペンションビームで揺動可能に支持されるミラーは、正方形ミラーより長方形ミラーとなして長辺に長いサスペンションビームを設けるほうがその共振周波数を高めることができ、さらに矩形より楕円や長楕円として最外周部の質量を落とすことで、より共振周波数を高めることができることを知見した。
また、発明者らは、上記のMEMSミラースキャナにおいて、大きなスキャニングミラーの駆動力を確保できる構成について種々検討した結果、静電容量駆動部の回転揺動方向の大きさは前記範囲で決まることから、駆動部の静電気力はミラーの極慣性モーメント(polar moment of inertia of the mirror)と振れ角及び周波数の二乗分が駆動部の静電気力となるように、揺動軸方向の長さを長くした構造にすることで目的が達成できることを知見した。
さらに、発明者らは、共振周波数を高める構成として、各サスペンションビームの剛性を増加させないように、サスペンションビームに屈曲型トーションバー部(serpentine torsion hinge)を1個又は複数個、設けることにより共振周波数を上げることができ、またより大きな振幅が必要な場合には上記構成のデバイスを真空パッケージに収納して共振のQ(Quality factor)を上げること、ミラー部の裏面に重量軽減手段を設けたり、リブ構造にしてミラー部の慣性モーメントを減少させることにより、ミラーの共振周波数を高めてかつ振れ角を大きくとれることを知見し、この発明を完成した。
すなわちこの発明は、基板に形成したサスペンションビームで揺動支持可能に構成したスキャニングミラーを有するメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲で、スキャニングミラーの揺動軸方向長さYと揺動軸に直交する方向長さXの比が1:1.1〜1:1.9であることを特徴とするMEMSミラースキャナである。
また、この発明は、基板にギャップを設けて分離形成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動支持可能にし、該ミラーを収容したギャップ内周部内が光透過窓を形成したメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大したことを特徴とするMEMSミラースキャナである。
また、この発明は、基板にギャップを設けて分離形成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動支持可能にし、該ミラーを収容したギャップ内周部内が光透過窓を形成したメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、スキャニングミラーの揺動軸方向長さは揺動軸に直交する方向長さの1〜2倍であり、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大したことを特徴とするMEMSミラースキャナである。
また、この発明は、基板の同一直線上に棒状に形成配置される一対のサスペンションビーム間にスキャニングミラーを形成して該直線を揺動軸としてスキャニングミラーを揺動可能に支持し、かつサスペンションビームの片側または両側に沿って静電容量駆動部が配置される構成であり、スキャニングミラー自体の揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(a/2)が1.7mm以上、スキャニングミラー自体の厚みが200μm以上であり、該駆動部の揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(w)を、スキャニングミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離の60%以下とした静電駆動型MEMSミラースキャナである。なお、スキャニングミラーは、バルク基板自体からなるもの、断面が横H型(I-beam)構造、T字型構造、コ字型構造、山字型構造、穴や各種リブを有する構造など種々構成であり、その構造全体の厚みが200μm以上である。
この発明によるMEMSミラースキャナは、例えばレーザープリンタで要求される600dpiの性能を実現するに際して、必要な光学経路や該ミラー外径は3mm以上、該ミラーによる光振幅が50°以上が必要となり、ここでスキャニングドラムと平行方向から光が入射する場合、スキャニングミラー面には45°から90°の範囲で入射することになるが、高速化の大きな前記振幅で該ミラーを駆動しても極めて浅い角度で入射する光を支障なく通過させることができ、しかもデバイス作製で使用する基板サイズを必要最小限に最適化して、高精度スキャニングとデバイスの小型化の技術課題の両方を達成できる。
この発明によるMEMSミラースキャナは、当該ミラーへの光の入射角度が出射対象表面、すなわちスキャニングドラムの直交方向に対して25°〜90°の範囲となるように、例えば該ドラム前側にレーザー光ユニットを配置したプリンタ等を構成することができ、またこの構成において、最適な光学経路を有し且つ上述の高精度スキャニングとデバイスの小型化を達成したミラースキャナを配置することができる。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、静電力の少ない駆動力でも駆動可能な柔軟なスキャニングミラーの支持構造を有し、さらに長いサスペンションビームに沿って静電容量駆動部が配置されて十分な静電容量が確保されるため、ポリゴンミラースキャナの代替が可能であり、回転体がないことから発塵フリーであり、従来に比してより小型化が可能で、光学系の小型化と省レンズ化、さらに省電力、静音化、起動時間短縮などが実現できる。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、例えばミラー長さ4mm以上の大きなスキャニングミラー、特にレーザープリンタで使用される楕円や長楕円形状のレーザー光形状と合致する大型ミラーを、1.5kHz以上の共振周波数と±15°以上の振幅で駆動することができ、レーザープリンタで要求される300dpi、600dpiの性能を実現できる。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、シリコンなどの半導体基板にエッチングや成膜などのマイクロマシニング技術を用いて形成するものでさらに、静電駆動や制御用のDC電源、AC電源をも基板に形成でき、ポリゴンミラースキャナや電磁駆動型MEMSミラースキャナより、簡素且つ製造性の良い構成からなるため、安価に提供できる利点がある。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、シリコンなどの半導体基板に形成した同材質のサスペンションビームを剛性を上げることなく利用できる構成からなり、例えばポリミイド膜をトーションバーに使用する従来の構成に比してミラーの動作安定性(特にジッター)に優れる。
図1は、レーザープリンタでA4サイズ、600dpiの性能を実現する場合に必要な光学経路やスキャニングミラー外径を示す概念説明図であり、600dpiに必要な光学経路2の径(ビーム幅)は3.1mmである。ここで、スキャニングミラー3への入射光がスキャニングドラム1と平行方向として図で右側から来る構成を想定する。スキャニングミラー3の外径が光学経路2と同様の3.1mmである場合、高速化の大きな振幅で該ミラー3を駆動すると、ミラー3で入射光を反射してドラム1端へ出射することができないことが明らかである。
図2Aに示すように、光学経路2の径は3.1mmでこれがスキャニングミラー3に対して51°の角度で入射するものと想定すると、図2Bに示すように、前記分解能からスキャニングミラー3による光振幅は50°以上要求されるため、全ての入射光をドラムに反射するには、スキャニングミラー3の大きさは光学経路2の径よりもずっと大きくなることが分かる。
すなわち、ビーム幅をD、その入射角度をθ2、スキャニングミラー長さをx、スキャニングミラーの片振幅角度θ1、ビームの垂線に対するスキャニングミラー角度をθ4とすると、該ミラー角度をθ4は、θ4=180-(θ2+90)+θ1 であり、スキャニングミラー長さxは、x=D/cos(θ4) である。
ここで、スキャニングミラー3が必要とする長さxは、上記式にて計算すると、4.98mmとなり、光学経路2の径の1.61倍必要であることが分かる。そこで、スキャニングミラーの外径は、少なくとも光学経路径と同等であり、最大では光学経路径の2倍が必要である。
図3は、この発明による基板に形成されたスキャニングミラーと光透過窓を示すものである。図3Aに示すように、基板10に所要のギャップ11を設けて分離形成したスキャニングミラー12を一対のサスペンションビーム13,13で揺動支持されており、該ミラー12を収容したギャップ11内周部内が光透過窓14を形成した構成である。
図3Bに示すように、スキャニングミラー12の揺動軸方向Yに直交する方向Xの断面で該ミラー12を見た場合、ミラー12への入射角θ2が45°であると、前記分解能からスキャニングミラー12による光振幅は50°以上要求されるため、最初に設定されたギャップ11による光透過窓14では、反射光は基板10の裏面に当たりドラムへ出射することがない。
しかし、ここで、揺動軸方向Yに直交する方向Xのギャップ11を広げて拡大された光透過窓15とすることで、スキャニングミラー12による光振幅の範囲にある全ての入射光を問題なく反射することができる。
このようにスキャニングミラー12からの入反射光が支障なく通過するためには、当該ミラー12周辺の空間を大きく取ればよいが、前述の図2のように最大では光学経路径の2倍が必要であり、要求されるミラー外径は小型化するためには最小必要限としなければならない。
すなわち、図3A,Bに明らかなように、必要範囲は入射側が小さく、出射側が大きくなるので、入射側と出射側の空間を非対称にすることで必要最小限の空間が得られることがわかる。従って、スキャニングミラーの揺動軸方向長さは揺動軸に直交する方向長さの1〜2倍であることが望ましいのである。スキャニングミラーの形状は、矩形、菱形、多角形、円、楕円状のいずれでもよい。
この発明において、スキャニングミラーの揺動軸方向長さと、揺動軸に直交する方向長さの比を上記範囲とするが、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大するとよい。
詳述すると、拡大すべき寸法は、図4において、スキャニングミラーの片振幅角度をθ1、入射角度をθ2、出射角度をθ3、スキャニングミラー長さをx、スキャニングミラーの揺動軸より光透過窓端までの距離をギャップ長さLとすると、出射角度θ3は、θ3=θ2-(2θ1) であり、ギャップ長さLは次式となる。
L=(x/2)sinθ1/tanθ3+(x/2)cosθ1
この発明において、光透過窓の形状は、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向が光の入射、反射方向であり、入射、反射両方向にギャップ長さが拡大され、該ミラーの揺動軸方向に対称形であってもよく、もちろんサイズの低減には、反射方向にギャップ長さが拡大され、該ミラーの揺動軸方向に非対称形が望ましい。
この発明において、スキャニングミラーを収容したギャップ内周部内からなる光透過窓は、ギャップ内周部内から基板外周側あるいは基板外周外へ伸びる通路またはスリットを有した構成であってもよい。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナ20は、図5に示すごとく、シリコンなどの半導体基板の同一直線上に形成配置される一対のサスペンションビーム22,23間にスキャニングミラー21を形成し、サスペンションビーム22,23の終端にS字型ヒンジを介して固定部を設けたトーションバー部24,25を有し、該直線を揺動軸として該ミラー21を揺動可能に支持する構成を基本構造とする。
なお、図示のスキャニングミラー21とサスペンションビーム22,23は、基板内に形成されるが、図示ではそのパーツのみを描いており、ビーム22,23の両端には基板と接続するヒンジを有して折り、ここで支持される構成であり、光透過窓も省略している。
また、この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナ20は、基板を表示せずにパーツのみ表示する図5の例では、サスペンションビーム22,23に沿って静電容量駆動部26,27が配置され、各静電容量駆動部26,27は、サスペンションビーム22,23から延びる櫛歯が可動側で、基板側に固定される櫛歯26a,26b、27a,27bと噛合するように配置される構成において、該駆動部の揺動軸中心から軸直交方向の最大距離を、スキャニングミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離の60%以下、さらに好ましくは40%以下としたことを特徴とする。
以下に図面に基づきこの発明によるMEMSミラースキャナデバイス(以下単にMEMSデバイスという)の構成と設計方法について説明する。図6は静電容量駆動部がサスペンションビームの片側にのみ配置される構成例であり、スキャニングミラーとサスペンションビームが形成される基板の構成を示す。
MEMSデバイスの構成は、2枚の基板を積層して構成するが、その上側基板は、図6に示すごとく、基板30の中央に円形のスキャニングミラー31を設け、その揺動軸方向にサスペンションビーム32,33が設けられ、その両端部のヒンジ34,35を介して基板30側に並びにスキャニングミラー31の接続部の根本にS字型トーションバー構造のヒンジ36,37を介してスキャニングミラー31が支持される。
サスペンションビーム32,33の長手側面には、揺動軸に直交する方向に延びる揺動側の櫛歯38が形成され、図示しない下層基板に設けられる固定側の櫛歯とで静電容量駆動源としてサスペンションビーム32,33を介してスキャニングミラー31を揺動駆動する。
なお、サスペンションビーム32,33の支持は、上述の直線状、S(Z)字状のヒンジほか、種々屈曲形状のヒンジを採用することができ、また、ビーム長さや静電容量駆動源の櫛歯が両側にある場合などの条件に応じて、複数箇所に該ヒンジを設けてスキャニングミラー31支持する構成とすることができ、ヒンジの屈曲形状等に応じて支持のために可動側と固定側とを設定した構成とすることができる。ヒンジの配置や本数を有限要素法にて最適化するとよい。
図示しない下層側の基板には、上層の基板板30のスキャニングミラー31とサスペンションビーム32,33が揺動可能なように同部を空洞化してあり、上層側の揺動側櫛歯18と対をなして静電容量駆動源を構成できる固定側櫛歯18Bが多数配置されている。さらに上層基板と下層基板が積層される時、上層板側に形成される固定部が固着されるように、下層側にも対応するアイランド部が形成される。
図示しないが、スキャニングミラーの表面に細く深い形状の多数の溝条を形成することができ、多数の溝条はスキャニングミラーの質量低減と動的変形を低減する機能がある。すなわち、MEMSデバイスは、その全ての動的変形を最小にすることで、光学的分解能が向上する。例えば、溝条はスキャニングミラーの長楕円の直径方向に平行に設けることが考えられるが、短円の直径方向と一致するスキャニングミラーの回転軸方向から離れた該ミラーの外周側に配置されることが効果的である。
なお、多数の溝条は、スキャニングミラー上層部の各パーツをエッチングで形成する際に、同時にその溝幅や深さを所定値となるように制御される。あるいは、スキャニングミラーの表面以外が被覆されて当該表面に溝条をエッチングで形成する方法も採用できる。溝条は、その配置や本数を有限要素法にて最適化するとよい。
また、揺動側の櫛歯は、それぞれ基端側の長方形断面形状より揺動する先端側の長方形断面形状がより小さくなるよう形成されることで櫛歯の重量を低減し、全体の慣性質量を減少させることができる。構造的な慣性を減らすことによって、このデバイスの走査速度を増大させること、駆動電圧量を低減することがそれぞれ単独又は同時に実現できる。
さらには、スキャニングミラーの剛性と軽量化のために、基板と軽量化のためのビーム部材の張り合わせした構成とすること可能であり、ビーム部材もH型、I型等種々の形状が採用でき、その配置や本数を有限要素法にて最適化するとよい。
以上、スキャニングミラーとサスペンションビームを設ける上層板と下層板を積層した構成のMEMSミラースキャナを説明したが、サスペンションビームとスキャニングミラーが形成される同一基板内の櫛歯状構造に電極が配置される構成など、静電容量駆動源を含めて上層板のみでMEMSミラースキャナを構成できることは当然である。
ここで、図5〜図6において、形状を決める寸法記号を下記のようにとる。図7にその一部を示す。
a : スキャニングミラーx軸方向(縦)寸法、
b: スキャニングミラーy軸方向(幅)寸法、
c: トーションバー幅、
d: 櫛歯側幅、
L: トーションバー1本の長さ(展開長さ:図7Bのトーションバー部24のS字を直線状に伸ばした長さ)、
n: トーションバー本数、
nc: 櫛本数、
t: 基板厚さ(但し、t>cと想定する)、
w: 櫛切れ込み量、
δ: 駆動部電極間のギャップ、
θ: 振れ角、
K: ばね定数(全体)、
k: ばね定数(トーションバー1本当たり)、
G: 剪断弾性率、
Q: クォリティファクター、
α: 形状係数(shape factor)、
β: 形状係数(shape factor)、
I: 揺動軸回りの慣性能率、
τmat : 材料の剪断強度、
freq: 要求される周波数、固有振動数、
ε : 誘電率、
V: 電圧、
λ: 光波長(wave length of light)。
スキャニングミラーの形状を支配する方程式は下記の通りである。
(1)固有振動数(Natural frequency)
基板厚さtがスキャニングミラー縦寸法aより十分大きい時、ミラーの形状が長方形の場合は、
(n×c3/L)=16/3・π2・ρ・a3・b・freq2/(β・G)……1式、
ミラー部の形状が円形の場合は、
(n×c3/L)=π2・ρ・a4・freq2/(β・G)……2式、
ミラー部の形状が楕円の場合は、
(n×c3/L)=π2・ρ・a3・b・freq2/(β・G)……2'式。
なお、揺動軸回りの慣性能率Iは、直方体(2a・2b・t、x軸方向寸法2b、厚さt)の場合は3式、楕円(2a・2b・t、厚さt)の場合は4式である。
I=1/3・ρ・a・b・t( 4・a2+t2)……3式
I=1/12・ρ・a・b・t(3・a2+t2)……4式
(2)トーションヒンジの強度の制約
(β/α)・(c2/t・L)・θ<τmat……5式
(3)静電気力によるトルク
θ=1/2V2(ε/δ)・nc・a2)(θが小さい時)
θ=1/2V2(ε/δ)・nc・tcosθ/sin2θ(θが大きい時) ……6式
(4)動的変形の限界
矩形(2a×2b×t )ミラーの場合、動的変形は7式によって表現される。
D=11/60・ρ・(freq/2π)2・a5・(1-ν2)/(E・t2/12)<λ/3……7式
MEMSミラースキャナに対して、固有振動数(高い方が望ましい)、振れ角(大きい方が望ましい)、スキャニングミラーサイズ(大きい方が望ましい)の要求があるが、この要求をできる限り小さな寸法で設計することを想定する。
まず、ミラーサイズ(寸法a,b)及び固有振動数要求に対して2式より、(n×c3/L)が周波数の二乗に比例する数値として決まる。また、同時にトーションバー、ヒンジの強度を満足させる必要があり、5式から、t×L/c2が振れ角に比例する数値として決まる。ここで寸法cとLは固有振動数と材料強度より決まる振れ角に対して反対方向の寄与をすることに注意する必要がある。同時に、7式によって動的変形を減らすように要求される。そのために、厚さの平方は、a5×freq に定数を掛けた結果より大きくあるべきである。
さらに、所望の振れ角を実現するために必要なトルクを発生させる形状として、下記8式が振れ角に比例する数値である。δを製造上の限界からある値に固定すれば、振れ角は電圧Vの2乗及び櫛本数ncに比例する。
V2 (ε/δ)・nc……8式
注目すべき点の一つに、固有振動数を決定する関係式から固有振動数を大きくするという要求とスキャニングミラーのサイズを大きくするという要求は、設計すべき寸法に対して同じ影響を及ぼすということである。
また、設計すべきパラメーターは(n・c3/L)、t・L/c2及び(nc・t/δ)の3個であり、決定すべき寸法はn、c、L、t、d、及びncの6個である。但し、ncは、n、c、L、及びtが決まれば定まる値であり、これらを拘束する式は4つあり、ここに設計の自由度がある。この自由度を生かしてミラースキャナ全体の寸法を最小にする、最適設計が可能となる。
評価関数として、厚さtを最小にする、長さを最小にする(n・Lあるいはncを最小にすることに相当)ことは、所謂コスト低減に繋がり意味のある数値である。厚さtを最小とすることは、1)固有振動数及び2)トーションヒンジの強度の制約よりn・cの積を最大にすることと同値であり、また、n・L(スキャニングミラーの長さに相当)を最小にすることは、同様に、c/tを最小にすることと同値である。
7式より、振れ角θを大きくするには櫛歯の面積を拡大すること(nc・t/δを大きくする)及び固有振動数を大きくする場合の要請事項とは逆にn・c3/Lを小さくすることが必要となる。別の言い方をすれば、固有振動数の要請からn・c3/Lを大きくすることが必要となった場合は、固有振動数を増加させることと振れ角を大きくすることの両者の積に相当する、トルク増大の要請を櫛歯厚さ、電圧増加、電極間ギャップ縮小により補う必要があることが分かる。
この発明において、スキャニングミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(a/2)が1.7mm以上、すなわちスキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のミラー長さ全体が4mm以上、該ミラーの厚みが200μm以上であることを要件とする。その理由は、ポリゴンミラースキャナ以上の高速スキャニングを可能するにためである。
この発明において、サスペンションビームの片側または両側に沿って静電容量駆動部が配置される該駆動部の揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(d)を、ミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(a/2)の60%以下とする。すなわち、固有振動数は極慣性能率の平方根に反比例するが、スキャニングミラー部以外の極慣性能率はdの3乗に比例(一次近似)するので、dをa/2の60%以下とすれば、単位長さあたりの寄与率がミラー部分の20%以下に押さえることができる。
さらに、静電容量駆動部の揺動軸中心から軸直交方向の最大距離は、スキャニングミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離の40%以下であることが望ましい。その理由は上述のとおりで、特に、dをa/2の40%以下とすれば、単位長さあたりの寄与率がミラー部分の7%以下に押さえることができる形状が得られる。
また、スキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅は、スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さよりも短い方が望ましく、ミラー長さ(a)の50%以下であることが好ましい、その理由は、ミラー長さaはプリンターの主走査方向の分解能に関連し、幅寸法bはプリンターの副走査方向の分解能に関連し、主走査方向の分解能はミラー長さと周波数で決まることによる。さらに、副走査方向の分解能はプリンターの機能上、主走査方向の分解能より低く設定できるため、3式に示すようにミラー幅bは極慣性能率に比例するので、これを50%以下にすると分解能要求と固有振動数を高くすることの両者をバランスよく満たすことができるので望ましい。
スキャニングミラーの形状は、矩形、菱形、多角形、円、楕円を適宜採用できる。また、形状は、矩形、菱形よりも多角形、円より、楕円状、さらにトラック形状が好ましい。すなわち、矩形ではレーザービームのスポットがミラーからはずれないようにする目的からは過剰な形状であり、機能しない箇所は極慣性能率を大きくして固有振動数を下げてしまう。円形も機能上はベストであるが、副走査方向の分解能は主走査方向の分解能より低く設定できることから余裕がある。菱形は先端部でレーザービームスポットが外れるのでレーザービームの光エネルギーを一部喪失してしまうこと及び分解能が低下するという問題がある。このように、レーザービームのスポットが外れないということと、極慣性能率を小さくするという観点から多角形及びトラック形状が好ましい。
この発明において、サスペンションビームの揺動軸方向長さは、ミラー長さよりも長いことが望ましく、ミラー長さの1.5倍以上であることが好ましい。なお、6式から振れ角を大きくするには駆動トルクは櫛の歯数及び電圧を大きくするとよいが、絶縁破壊を起こさない電圧で櫛の歯数を確保するためサスペンションビームの揺動軸方向長さはミラー長さの1.5倍以上にすると適切であることを実験的に確認した。
この発明において、各サスペンションビームに少なくとも1つの屈曲型トーションバー部(serpentine torsion hinge)を備えることで、スキャニングミラーの共振周波数を上げたり所要値に制御することが可能となる。
前述した図面に示すように、スキャニングミラーとは反対側の各サスペンションビーム端(サスペンションビームエンド)に屈曲型トーションバー部を備える構成、サスペンションビーム内に少なくとも1つの屈曲型トーションバー部を備える構成、各サスペンションビームの片側に沿って複数の屈曲型トーションバー部を備えている構成が採用できる。
サスペンションビームに設けられる屈曲型トーションバー(serpentine torsion hinge /spring)は、図6に示すように、図示の1つの固定部に対して1つの旋状ばねを備える構成の他、実施例に示すように、1つの固定部の両側に2つの旋状ばねを備える構成が採用でき、ビーム長さを短くしながら共振周波数を上げる効果がある。
また、スキャニングミラーの揺動軸に直交方向の屈曲型トーションバー部のビーム幅は、基板厚みの35%以下であることが望ましい。すなわち、振れ角(6式)及び動的変形(7式)の要請から厚さtの最小値が規定されるとともに大きい方が有利であることが示される。一方、強度上は5式より応力がヒンジ幅cの2乗に比例するので小さい方が有利である。そこで、ヒンジ幅cとして厚さtの35%以下とした場合、これらの関係が適切であることを実験的に確認した。
この発明の静電駆動型MEMSミラースキャナは、サスペンションビームに設けられる屈曲型トーションバー(serpentine torsion hinge /spring)の数が3以上であることを特徴とする。
この発明において、スキャニングミラーの非反射裏面または各サスペンションビームあるいはその両方に質量軽減手段を施すことは、可動部の共振周波数を制御したり、動的なバランスを取るなどの場合に有効である。質量軽減手段としては、微小な貫通孔や穴を多数設けたり、所要箇所に多条リブ構造、ハニカム構造、断面が横H型(I-beam)構造、T字型構造、山型構造を設けるなど、目的と設置箇所に応じて適宜選定すると良い。
この発明において、用いる基板は特に限定されないが、高速スキャニングを実現するには厚みが0.2mm以上であることが望ましく、単層基板または貼り合わせ基板からなる基板を適宜採用できる。
また、スキャニングミラーは、表面に成膜または貼り合わせ層を有する構成が採用できる。公知の貼り合わせ層を有するシリコン基板などを利用することもできる。
また、基板1枚でMEMSミラースキャナを構成する場合は、サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板厚みは、スキャニングミラーの厚みと同等以上であることが望ましい。また、積層構造を採用する場合は、サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板厚みは、スキャニングミラーの厚みと同等以下であることが望ましい。
この発明において、サスペンションビーム、スキャニングミラー、静電容量駆動部の可動部全体が真空雰囲気に配置される構成やミラーの振幅角の増幅を図るための抵抗低減構成を採用すると、空気の粘性等を考慮することなく、各部形状などを設計することが可能となる。
この発明の静電駆動型MEMSミラースキャナーにおいて、好ましい実施態様を採用することで、スキャニングミラーの片振幅が、20.5°(+10°,-5°)の性能を得ることができる。
この発明において、対象とする半導体基板にサスペンションビームで揺動可能に支持するミラーを形成した静電駆動型MEMSミラースキャナーは、基板上に各種材料の薄膜をパターン加工、積層したりして製造する表面マイクロマシニング、あるいは基板自体をエッチング加工したり、さらには成膜を併せて行うなどのバルクマイクロマシニングで製造される。
この発明の静電駆動型MEMSミラースキャナにおいて、その駆動源の静電容量素子として、櫛歯型電極構成を説明したが、ミラーの位置決めや補正などに補助的に平面型電極構成を採用することが可能である。
この発明の静電駆動型MEMSミラースキャナにおいて、静電駆動用の櫛歯型電極に、まずマイクロミラーの共振周波数に合致あるいは近似するようにDC電圧を印加するため、予め該DC電圧値を求めて電圧制御手段へ設定しておき、次に該ミラーを揺動駆動するために駆動用の電極間にAC電圧を印加することができる。
サスペンションビームの構成によって、スキャニングミラーの固有の共振周波数が決定されるが、さらに該ミラーの回転軸のばね定数、予定するミラーの揺動運動パターン、必要とされるミラーの振幅すなわち回動角度などの諸条件に応じて、どの程度共振すべきか、振れ角が最大となるようにするのか、ある範囲に収まるようにするかが考慮されて、該DC電圧値が決定されるとよい。
実施例1
前述した図5と同様構成において、片側のみの静電駆動源をサスペンションビームの両側に配置して、それに伴いスキャニングミラーの接続部に設けていたS字型ヒンジをサスペンションビームエンドとサスペンションビーム内に所定間隔で複数個配置し、静電駆動型MEMSミラースキャナとして、表1に示す寸法や特性を有する構成のものを作製した。その結果、スキャニングミラーの共振周波数は1500Hz、振れ角は±15°の性能が得られた。S字型ヒンジをサスペンションビーム内に設ける構成は図7CのS字型ヒンジ40と同様構成である。
なお、シリコン基板の物性値は以下のとおりである。
密度: 2.33×103kg/m3(0.238×10-9kgw・sec2/mm4)
弾性率: 150Gpa(15000kgf/mm2,15300kgf/mm2)
剪断弾性率: G=E/2/(1+ν)=6.538(kgf/mm2)
ポアソン比: 0.17
実施例2
静電駆動型MEMSデバイスとして、基本的には前述した実施例1と同様の構成を採用し、上層基板に形成したスキャニングミラーには長楕円形状を採用している。また、各サスペンションビームには、その端部のS字型ヒンジを含めてそれぞれトーションバーを6個ずつ採用した構成である。
さらにここでは、該ミラーに近いトーションバーは固定部を介して1つのS字型ヒンジを有し、端部のヒンジ型を除く残りのトーションバーは、1つの固定部に対して2つの旋状ばねを有する構成のものを3個設けて、総数8個のトーションバーを設けた構成を作製した。その結果、スキャニングミラーの共振周波数は2000Hz、振れ角は±16.25°の性能が得られた。
Figure 2006010715
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、デジタルコピー、バーコードリーダ、レーザープリンタ、共焦点顕微鏡、光ファイバ・ネットワーク構成部材、プロジェクタ用の映写ディスプレイ、背面映写TV、装着可能なディスプレイ、及び軍事用レーザ追跡・誘導システムなどの用途がある。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、静電力の少ない駆動力でも駆動可能な柔軟なスキャニングミラーの支持構造を有し、さらに長いサスペンションビームに沿って静電容量駆動部が配置されて十分な静電容量が確保されるため、ポリゴンミラースキャナの代替が可能であり、特にレーザープリンタで使用される楕円や長楕円形状のレーザー光形状と合致する大型ミラーを、1.5kHz以上の共振周波数と±15°以上の振幅で駆動することができ、レーザープリンタで要求される300dpi、600dpiの性能を実現できる。
レーザープリンタでミラースキャナが所要の性能を実現する場合に必要な光学経路やスキャニングミラー外径を示す概念説明図である。 A、Bはミラースキャナの光学経路やスキャニングミラーとの関係を示す説明図である。 スキャニングミラーを形成した基板におけるレーザー光の入射、出射と基板との位置関係を示す説明図である。 ミラースキャナの光学経路やスキャニングミラーとの関係を示す説明図である。 この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナの一実施例を示す説明図である この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナの一実施例を示す説明図である 図6のMEMSミラースキャナにおいて、この発明で用いた形状を決める寸法記号を適用した説明図であり、Aは全体、Bはトーションバー部、Cはサスペンションビームを示す。
符号の説明
1 スキャニングドラム
2 光学経路2
3 スキャニングミラー
10 基板
11 ギャップ
12,21,31 スキャニングミラー
13,22,23,32,33 サスペンションビーム
14 光透過窓
20 MEMSミラースキャナ
24,25 トーションバー部
26,27 静電容量駆動部
26a,26b,27a,27b,38 櫛歯
40 S字型ヒンジ

Claims (31)

  1. 基板に形成したサスペンションビームで揺動支持可能に構成したスキャニングミラーを有するメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲で、スキャニングミラーの揺動軸方向長さYと揺動軸に直交する方向長さXの比が1:1.1〜1:1.9であるMEMSミラースキャナ。
  2. 基板にギャップを設けて分離形成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動支持可能にし、該ミラーを収容したギャップ内周部内が光透過窓を形成したメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大したMEMSミラースキャナ。
  3. 光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲である請求項2に記載のMEMSミラースキャナ。
  4. 基板にギャップを設けて分離形成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動支持可能にし、該ミラーを収容したギャップ内周部内が光透過窓を形成したメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、スキャニングミラーの揺動軸方向長さは揺動軸に直交する方向長さの1〜2倍であり、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大したMEMSミラースキャナ。
  5. 光透過窓の形状が、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向が光の入射、反射方向であり、反射方向あるいは入射、反射両方向にギャップ長さが拡大され、該ミラーの揺動軸方向に非対称形あるいは対称形である請求項2又は請求項3に記載のMEMSミラースキャナ。
  6. スキャニングミラーを収容したギャップ内周部内からなる光透過窓は、ギャップ内周部内から基板外周側あるいは基板外周外へ伸びる通路またはスリットを有した構成である請求項2又は請求項3に記載のMEMSミラースキャナ。
  7. スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向で光の反射方向に設ける拡大された揺動軸からのギャップ長さLは、同方向のスキャニングミラー長さの1/2以上である請求項3から請求項5のいずれかに記載のMEMSミラースキャナ。
  8. 基板の同一直線上に棒状に形成配置される一対のサスペンションビーム間にスキャニングミラーを形成して該直線を揺動軸として該ミラーを揺動可能に支持し、かつサスペンションビームの片側または両側に沿って静電容量駆動部が配置される構成の請求項2又は請求項3に記載のMEMSミラースキャナであり、該ミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(a/2)が1.7mm以上、該ミラーの厚みが200μm以上であり、該駆動部の揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(w)を、ミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離の60%以下とした静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  9. 静電容量駆動部の揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(w)は、スキャニングミラーの揺動軸中心から軸直交方向の最大距離(a/2)の40%以下である請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  10. スキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅(b)は、スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さ(a)の50%以下である請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  11. スキャニングミラーの形状は、矩形、菱形、多角形、円、楕円状である請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  12. サスペンションビームの揺動軸方向長さは、ミラー長さ(a)の1.5倍以上である請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  13. 各サスペンションビームとスキャニングミラーとの間に孔部を有する接続部を備えている請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  14. スキャニングミラーとは反対側の各サスペンションビーム端に屈曲型トーションバー部を備えている請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  15. 各サスペンションビーム内に少なくとも1つの屈曲型トーションバー部を備えている請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  16. 各サスペンションビーム内に設ける屈曲型トーションバー部は、1つまたは2つのS字型ばねを備えている請求項14に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  17. 各サスペンションビームの片側に沿って複数の屈曲型トーションバー部を備えている請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  18. サスペンションビームに設けられる屈曲型トーションバーの数が3以上である請求項13から請求項17のいずれかに記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  19. スキャニングミラーの揺動軸に直交方向の屈曲型トーションバー部のビーム幅は、基板厚みの35%以下である請求項13から請求項17のいずれかに記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  20. スキャニングミラーの非反射裏面または各サスペンションビームあるいはその両方に質量軽減手段が施されている請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  21. 質量軽減手段は、貫通孔、穴、多条リブ構造のいずれかあるいはそれらの組合せである請求項20に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  22. 静電容量駆動部は、サスペンションビームと同一基板内にスキャニングミラーの揺動軸に直交方向に形成する櫛歯状構造で構成される請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  23. 静電容量駆動部は、サスペンションビームとスキャニングミラーが形成される同一基板内の櫛歯状構造に電極が配置される請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  24. サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板を上層板とし、所要形状のパターンを形成した他基板を下層板として積層配置し、下層板側にミラーの揺動空間を形成した請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  25. 上層板の静電容量駆動部は、サスペンションビームと同一基板内にスキャニングミラーの揺動軸に直交方向に形成する櫛歯状構造で構成され、下層板内に上層板の櫛歯状構造と対をなす櫛歯状構造を設けて静電容量駆動部を配置した請求項24に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  26. サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板は、単層基板または貼り合わせ基板からなる請求項8または請求項24に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  27. サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板厚みは、スキャニングミラーの厚みと同等以上である請求項8に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  28. サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板厚みは、スキャニングミラーの厚みと同等以下である請求項24に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  29. スキャニングミラーは、表面に成膜または貼り合わせ層を有する請求項1または請求項26に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  30. サスペンションビーム、スキャニングミラー、静電容量駆動部の可動部全体が真空雰囲気に配置される請求項8または請求項24に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  31. スキャニングミラーの片振幅が、20.5°(+10°,-5°)である請求項8または請求項24に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
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