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JP2006008715A - ホスホリパーゼa2阻害剤 - Google Patents

ホスホリパーゼa2阻害剤 Download PDF

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JP2006008715A
JP2006008715A JP2005301149A JP2005301149A JP2006008715A JP 2006008715 A JP2006008715 A JP 2006008715A JP 2005301149 A JP2005301149 A JP 2005301149A JP 2005301149 A JP2005301149 A JP 2005301149A JP 2006008715 A JP2006008715 A JP 2006008715A
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Japan
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pla
astaxanthin
diseases
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phospholipase
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JP2005301149A
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Yumiharu Okada
裕実春 岡田
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】ホスホリパーゼA(PLA)を阻害する新たな安全性の高い薬剤を提供すること。さらに、PLAが関与すると考えられる炎症性疾患および心血管病などの疾患の治療剤を提供すること。
【解決手段】本発明のPLA阻害剤およびPLAが関与する疾患の治療剤は、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分として含有する。本発明のPLA阻害剤は、PLAが関与すると考えられる種々の疾患の治療に有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホスホリパーゼA阻害剤に関する。より詳細には、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分として含有する、ホスホリパーゼA阻害剤、および心血管病などのホスホリパーゼAが関与する疾患の治療剤に関する。
ホスホリパーゼA(PLA)は、生体膜構成成分の1,2−ジアシルホスホグリセリドのC2位のエステル結合を加水分解する酵素として知られている。PLAには、膵臓から消化酵素として外分泌されるI型、細胞内に存在しアラキドン酸代謝の初期過程に関与する内分泌性のII型など、種々のタイプが存在する。このII型は、アラキドン酸カスケードの律速酵素であり、その代謝産物であるプロスタグランジン、ロイコトリエンなどを介して通常の炎症に関連することが知られている。そのため、これらの炎症性物質の生合成を抑えることができるPLAの阻害剤が、抗炎症剤として使用されている。
現在、抗炎症剤として実際に使用されているPLA阻害剤としては、ステロイド系薬剤が挙げられる。ステロイド系薬剤は、以下のようなメカニズムによって、間接的にPLAを阻害する:細胞質内のレセプターと結合して複合体を形成した後核内へ移行し、DNAの転写促進によりリポコルチンなどのタンパク質が発現し、これらの発現したタンパク質によってPLAが阻害される(非特許文献1および2)。このように、ステロイド系薬剤は、転写に影響を及ぼすため、免疫抑制やその他の代謝への影響(例えば、タンパク質異化作用、カルシウム代謝異常)など、種々の副作用があることが問題となっている。
間接的なPLA阻害においては、上記のように種々の副作用の問題があるため、PLA活性を直接的に阻害する物質について、種々検討されている。例えば、安息香酸誘導体(特許文献1)、インドール化合物(特許文献2)などの種々の化学合成物質が、PLA阻害剤として報告されている。しかし、これらのPLA阻害剤は、合成品であるため、強い毒性や副作用が考えられ、いずれも実用化には至っていない。あるいは、抗マウスPLA抗体(特許文献3)などの抗体もあるが、やはり抗体医薬の実用化には困難が伴う。
PLAは、上記のような炎症作用だけでなく、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンなどの脂質性ケミカルメディエーターを介して、動脈硬化の発生・進展にも深く関わっている(非特許文献3)。そのため、PLA阻害剤は、動脈硬化性疾患である心筋梗塞などの心血管病の治療への応用も期待されている。
カロテノイド(カロチノイド)は、動物、植物、および微生物に広く分布し、その数約600種におよぶ黄〜橙〜赤色を呈する脂溶性生体色素である。その一種であるアスタキサンチンは、オキアミ、エビ、カニなどの甲殻類、サケ・マスの筋肉・卵(イクラなど)、タイ・コイ・金魚などの体表などに含有されている。アスタキサンチンは、プロビタミンAとなり得ることや顕著な抗酸化作用を有することだけでなく、抗炎症作用を有することも知られている(例えば、特許文献4および5)。その作用機作については、炎症性サイトカインおよびケモカインの発現の阻害(特許文献6)、ヒスタミンの放出抑制(特許文献7)などによることが報告されている。しかし、上記のようなPLAの活性に対する影響に関しては、全く報告がない。
特開平8−325154号公報 特表2003−505372号公報 特開平8−188600号公報 特開平7−300421号公報 特開2004−331512号公報 特表2003−528139号公報 米国特許第5886053号明細書 Flower, R.J.およびBlackwell, G.J.、「Nature」,1979年,278巻,pp.456-459 Di Rosa, M.ら、「Prostaglandins」,1984年,28巻,pp.441-442 Kugiyama K.ら、「Cardiovasc Res.」,2000年,47巻,pp.159-65
本発明は、ホスホリパーゼA(PLA)を阻害する新たな安全性の高い薬剤を提供することを目的とする。本発明はさらに、PLAが関与すると考えられる炎症性疾患および心血管病などの疾患の治療剤を提供することを目的とする。
抗炎症剤として知られているアスタキサンチンについて種々の検討を行ったところ、アスタキサンチンがPLA阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分として含有する、ホスホリパーゼA阻害剤を提供する。
1つの実施態様では、上記ホスホリパーゼA阻害剤は、ホスホリパーゼAの活性を直接的に阻害する。
本発明はまた、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分として含有する、ホスホリパーゼAが関与する疾患の治療剤を提供する。
好適な実施態様では、上記疾患は、炎症性疾患および心血管病である。
1つの実施態様では、上記治療剤は、ホスホリパーゼAの活性を直接的に阻害する。
本発明によれば、新たなPLA阻害剤が提供される。このPLA阻害剤は、PLAが関与すると考えられる心血管病などの種々の疾患の治療剤として用いられ得る。本発明のPLA阻害剤は、PLAの活性を直接的に阻害するため副作用が少ない。さらに、本発明のPLA阻害剤の有効成分であるアスタキサンチンおよび/またはそのエステルは、食経験が長くて非常に毒性が低いため、安全性が高い。
本発明のPLA阻害剤の有効成分であるアスタキサンチンおよび/またはそのエステルは、以下の式:
Figure 2006008715
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または脂肪酸残基である)で示されるカロテノイドの一種である。アスタキサンチンのエステルとしては、特に限定されないが、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、あるいはオレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸のモノエステルまたはジエステルが挙げられる。これらは単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。アスタキサンチンは、β−カロチンの骨格の両端にオキソ基とヒドロキシ基とを余分に有する構造であるため、β−カロチンとは異なり、分子の安定性が低い。これに対し、両端のヒドロキシ基が不飽和脂肪酸などでエステル化されたエステル体(例えば、オキアミ抽出物)はより安定である。
本発明に用いられるアスタキサンチンおよび/またはそのエステルは、化学的に合成されたものであっても、あるいは天然物由来のもののいずれであってもよい。後者の天然物としては、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する赤色酵母;ティグリオパス(赤ミジンコ)、オキアミなどの甲殻類の殻;緑藻類などの微細藻類などが挙げられる。本発明においては、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルの特性を利用できるものであれば、どのような方法で生産されたアスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する抽出物をも使用することができる。一般的には、これらの天然物からの抽出物が用いられ、抽出エキスの状態であっても、また必要により適宜精製したものであってもよい。本発明においては、このようなアスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する粗抽出物や破砕粉体物、あるいは必要により適宜精製されたもの、化学合成されたものを、単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。体内での安定性を考慮すると、好ましくはエステル体が用いられる。
本発明のPLA阻害剤は、PLAが関与する疾患または症状を治療または予防するのに有用であり得る。このような疾患または症状としては、膵炎、膵癌、慢性肝炎、肝硬変、胆嚢炎、リウマチ、アレルギー、気管支喘息、関節炎、皮膚炎、痛風、多発性硬化症、外傷誘発性炎症などの炎症性疾患;動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの心血管病;微生物感染などによる潰瘍;乾癬;糖尿病およびその合併症;腎不全などが挙げられる。
本発明のPLAが関与する疾患の治療剤は、上記の本発明のPLA阻害剤と同様に、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分として含有する。特に、炎症性疾患および心血管病の治療に有用である。
本発明のPLA阻害剤またはPLAが関与する疾患の治療剤の投与経路は、経口投与または非経口投与のいずれであってもよい。その剤形は、投与経路に応じて適宜選択される。例えば、注射液、輸液、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、腸溶剤、トローチ、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、外用液剤、湿布剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤、軟膏剤、ローション剤、坐剤、経腸栄養剤などが挙げられる。これは、症状に応じてそれぞれ単独でまたは組み合わせて使用することができる。これらの製剤には、必要に応じて、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤が用いられる。
本発明のPLA阻害剤またはPLAが関与する疾患の治療剤の投与量は、投与の目的や投与対象者の状況(性別、年齢、体重など)に応じて異なる。通常、成人に対して、アスタキサンチンフリー体換算で、経口投与の場合、1日あたり0.1mg〜2g、好ましくは4mg〜500mg、一方、非経口投与の場合、1日あたり0.01mg〜1g、好ましくは0.1mg〜500mgで投与され得る。
本発明のPLA阻害剤は、上記のような医薬品としてだけでなく、医薬部外品、化粧品、機能性食品、栄養補助剤、飲食物などとして使用することができる。医薬部外品または化粧品として使用する場合、必要に応じて、医薬部外品または化粧品などの技術分野で通常用いられている種々の補助剤とともに使用され得る。あるいは、機能性食品、栄養補助剤、または飲食物として使用する場合、必要に応じて、例えば、甘味料、香辛料、調味料、防腐剤、保存料、殺菌剤、酸化防止剤などの食品に通常用いられる添加剤とともに使用してもよい。また、溶液状、懸濁液状、シロップ状、顆粒状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状などの所望の形状で、あるいは必要に応じて成形して使用してもよい。これらに含まれる割合は、特に限定されず、使用目的、使用形態、および使用量に応じて適宜選択することができる。
(調製例1:アスタキサンチンモノエステルの調製)
アスタキサンチンモノエステルを、次のように調製した。ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pulvialis)K0084株を、25℃にて光照射条件下3%COを含むガスを通気しながら栄養ストレス(窒素源欠乏)をかけて培養し、シスト化した。シスト化した細胞を、当業者が通常用いる手段によって破砕し、エタノールで油性画分を抽出した。抽出物は、アスタキサンチン類の他に、トリグリセリドなどの脂質を含んでいた。抽出物を、合成樹脂吸着剤を用いるカラムクロマトグラフィーにかけて、アスタキサンチンのモノエステルを含む精製物を得た。この精製物をHPLCによって分析し、このアスタキサンチンモノエステル精製物が、分子量858のモノエステルを主成分として含み、アスタキサンチンの遊離体およびジエステル体を含まず、わずかにジグリセリドを含んでいることを確認した。
(実施例1:PLAの活性に及ぼす効果)
上記調製例1で得たアスタキサンチンモノエステルについて、PLAの活性に及ぼす効果を検討した。PLAは、ブタ膵臓由来のI型(PLA−I)およびヘビ膵臓由来のII型(PLA−II)の精製酵素を用いた。アスタキサンチンモノエステルを、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、以下の表1に示すアッセイ系に250、25、2.5、および0.25μMとなるように添加してインキュベートし、阻害率を測定した。
Figure 2006008715
アスタキサンチンモノエステルによる50%阻害濃度(IC50)は、PLA−Iでは53.1μMであり、PLA−IIでは67.3μMであった。250μMにおける酵素活性の阻害率は、それぞれ79%および77%であった。このように、アスタキサンチンモノエステルは、いずれのPLAに対しても、比較的低い阻害濃度かつ高い阻害率を示した。
(参考例1:HUVECに対する50%致死濃度の測定)
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(ATCC CRL−1730)を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手し、1%Antibiotic-Antimycotic(GIBCO BRL, USA)を添加した10%ウシ胎児血清含有Endothelial Cell Growth Medium(CELL APPLICATIONS, USA))中、5%CO雰囲気下、37℃にて予備培養した。
Matrigelマトリックス(BD Biosciences, USA)を融解して氷上で4℃にて保持し、そして50μLのマトリックスを96ウェル組織培養プレートの各ウェルに移した。プレートを37℃にて少なくとも1時間インキュベートして、マトリックス溶液を固化させた。
一方、上記調製例1で得たアスタキサンチンモノエステルを、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次いで蒸留水で希釈して、40(v/v)%DMSO中に25000、2500、250、25、および2.5μMのアスタキサンチンモノエステルを含むストック試験溶液を調製した。
100μLのHUVEC懸濁液(約2.5×10細胞/ウェル)を、5%CO雰囲気下37℃にて96ウェルのMatrigelプレートに入れた。24時間後、100μLの増殖培地および上記の各ストック試験溶液またはベヒクル(40(v/v)%DMSO)2μLずつを、各2つのウェルに添加し、さらに72時間インキュベートした。DMSOおよびアスタキサンチンモノエステルの最終濃度は、250、25、2.5、0.25、および0.025μMであった。
インキュベーション終了後、20μLの90%alamarBlue試薬を個々のウェルに添加し、さらに6時間インキュベートした。次いで、各ウェルの蛍光強度を、Spectrafluor Plusプレートリーダーを用いて、励起波長530nmおよび発光波長590nmにて測定し、生存細胞数を計数した。これは、生存細胞が、alamarBlueを非蛍光性の酸化型(青)から蛍光性の還元型(赤)に変化させる能力に基づく。なお、50%致死濃度は、実験開始時の細胞数の50%になる濃度を算出した。
この結果、HUVECに対するアスタキサンチンモノエステルの50%致死濃度(LC50)は250μM(DMSOへの最大溶解濃度)以上であり、毒性が低いことがわかった。
本発明によれば、新たなPLA阻害剤が提供される。このPLA阻害剤は、PLAが関与すると考えられる炎症性疾患および心血管病などの種々の疾患の治療剤として用いられ得る。本発明のPLA阻害剤は、PLAの活性を直接的に阻害するため副作用が少ない。さらに、本発明のPLA阻害剤の有効成分であるアスタキサンチンおよび/またはそのエステルは食経験が長く、非常に毒性が低いため、安全性が極めて高い。したがって、医薬品として使用されるだけでなく、健康食品などとして日常的に予防的に用いられ得る。

Claims (5)

  1. アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分として含有する、ホスホリパーゼA阻害剤。
  2. ホスホリパーゼAの活性を直接的に阻害する、請求項1に記載のホスホリパーゼA阻害剤。
  3. アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分として含有する、ホスホリパーゼAが関与する疾患の治療剤。
  4. 前記疾患が、炎症性疾患および心血管病である、請求項3に記載の治療剤。
  5. ホスホリパーゼAの活性を直接的に阻害する、請求項3または4に記載の治療剤。
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