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JP2006005173A - 絶縁被膜、磁心用粉末および圧粉磁心並びにそれらの製造方法 - Google Patents

絶縁被膜、磁心用粉末および圧粉磁心並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性粉末の絶縁被覆に好適な耐熱性に優れる絶縁被膜を提供する。
【解決手段】本発明の絶縁被膜は、少なくともPおよびOからなる第1元素群とシャノンにより定義された6配位のイオン半径が0.073nm以上である2価以上の陽イオンを生じ得る第2元素とからなる第1絶縁層と、この第1絶縁層を被覆するシリコーン樹脂からなる第2絶縁層とを有することを特徴とする。第1絶縁層と第2絶縁層との相乗効果によって高い耐熱性の確保が可能となった。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性に優れる絶縁被膜、その絶縁被膜で被覆された磁心用粉末、その磁心用粉末からなる圧粉磁心およびそれらの製造方法に関するものである。
変圧器(トランス)、電動機(モータ)、発電機、スピーカ、誘導加熱器、各種アクチュエータ等、我々の周囲には電磁気を利用した製品が多々ある。これらの製品は交番磁界を利用したものが多く、局所的に大きな交番磁界を効率的に得るために、通常、磁心(軟磁石)をその交番磁界中に設けている。
このような磁心は、その性質上、先ず、交番磁界中で大きな磁束密度が得られることが求められる。次に、交番磁界中で使用したときに、その周波数に応じて生じる高周波損失(以下、磁心の材質に拘らず、単に「鉄損」という。)が少ないことが求められる。この鉄損には、渦電流損失、ヒステリシス損失および残留損失があるが、主に問題となるのは、渦電流損失とヒステリシス損失である。さらに、磁心が交番磁界に追従して素早く高磁束密度となるにはその保磁力が小さいことも重要である。なお、この保磁力を低減することで、(初期)透磁率の向上とヒステリシス損失の低減とを併せて図れる。
これらは一般的にトレードオフの関係にあるから、それらを同時に満たすことは容易ではない。単なる鉄塊は勿論、薄いケイ素鋼板を積層したものであっても十分な性能の磁心は得られない。そこで、最近では、絶縁被膜で被覆した磁性粉末(磁心用粉末)を加圧成形した圧粉磁心が使用されつつある(特許文献1)。
高密度成形された圧粉磁心は、高い磁束密度を発現する。また、磁性粉末の個々の粒子は絶縁被覆されているため、体積比抵抗値(以下、単に「比抵抗」という。)が大きく渦電流損失の低減が図られる。
しかし、高密度された圧粉磁心の内部(磁性粉末の粒子内部)には多くの歪み(残留歪み)が導入される。この歪みは圧粉磁心の保磁力を高め、ヒステリシス損失を増加させると共に圧粉磁心の応答性を低下させる。圧粉磁心に焼鈍を施すことでその歪みは除去される。Feを主成分とする磁性粉末からなる圧粉磁心の残留歪みを十分に除去するには、400℃以上、450℃以上さらには500℃以上の高い焼鈍温度が必要となる。ところが、そのような高温で圧粉磁心を加熱すると、従来のリン酸塩系の絶縁被膜等は破壊、消失等してしまう。そのため、比抵抗の急減によって、鉄損(特に渦電流損失)が逆に増大する結果となってしまう。
そこで本発明者は、特許文献2にもあるように、従来にない耐熱性に優れた絶縁被膜を開発した。この絶縁被膜で被覆された磁性粉末からなる圧粉磁心は、400℃さらには500℃の焼鈍後であっても、十分な比抵抗を保持し得る。
特表2000−504785号公報 特開2003−297624号公報 特開2001−85211号公報 特開2003−303711号公報
しかし、圧粉磁心のさらなる性能向上のためには、高密度成形された圧粉磁心をより高い温度で焼鈍し、内部歪みを十分に除去して、ヒステリシス損失を一層低減することが望まれる。しかもその場合であっても、渦電流損失を増加させないために、高い比抵抗が維持される、より耐熱性に優れた絶縁被膜が求められていた。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、十分な耐熱性を発現する絶縁被膜およびその製造方法を提供することを目的とする。また、その絶縁被膜で被覆された磁性粉末からなる磁心用粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、その磁心用粉末を用いて得られる圧粉磁心とその製造方法を提供することを目的とする。
なお、上記特許文献3には、高抵抗物質(Al23等)被膜上にリン酸塩系被膜を設けて2重に被覆された磁性粉末からなる圧粉磁心が開示されている。特許文献4には、シリコーン樹脂に顔料(シリカ、アルミナ等)を含有させた絶縁被膜で表面を被覆した磁性粉末からなる圧粉磁心が開示されている。しかし、本発明者が検討したところ、それらの絶縁被膜の耐熱性は必ずしも高くなく、上記特許文献2の絶縁被膜にも及ばないものである。
なお、これまでは磁性粉末を絶縁被覆する場合について例示したが、本発明の絶縁被膜自体は、その被覆対象が磁性粉末に限定されるものではない。また、絶縁被膜の耐熱性を向上させる目的は、焼鈍等の熱処理を前提としたものには限らない。例えば、焼鈍等を行わなくても、絶縁被膜の耐熱性を向上させることで、高温特性に優れた圧粉磁心を得ることができる。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、特定の第1絶縁層上にシリコーン樹脂からなる第2絶縁層を有する多重構造の絶縁被膜が優れた耐熱性を発現することを新たに見出し、本発明を完成させるに至った。
(絶縁被膜)
すなわち、本発明の絶縁被膜は、少なくともリン(P)および酸素(O)からなる第1元素群とシャノン(Shannon,R,D)により定義された6配位のイオン半径が0.073nm以上である2価以上の陽イオンを生じ得る第2元素とからなる第1絶縁層と、該第1絶縁層を被覆するシリコーン樹脂からなる第2絶縁層とを有することを特徴とする。なお、上記第1絶縁層は、絶縁被覆される被処理材(磁性粉末等)がFeを主成分とするときは、前記第1元素群には、PとOの他に、処理時に被処理材から混入するFeが含まれることもある。
本発明の絶縁被覆は、少なくとも第1絶縁層および第2絶縁層を備えた2層構造からなる。その詳細な構造やメカニズムは定かではないが、両者が有効に作用して、単なる第1絶縁層や第2絶縁層のみでは発現し得ない優れた耐熱性を発現するに至ったと思われる。但し、ここでいう2層構造とは第1絶縁層と第2絶縁層とが明確に層別されていることを必ずしも意味しない。両者が渾然一体等となって、全体として1層の絶縁被膜が形成されている場合をも含む。このことは、後述の酸化物粒子を伴う複合絶縁層または第3絶縁層の場合であっても同様である。
以下、本発明の絶縁被膜が優れた耐熱性を発現するに至ったメカニズムを現状考えられる範囲で説明する。ここでは、便宜上、本発明の絶縁被膜で被覆された磁性粉末(以下適宜「磁心用粉末」という。)からなる圧粉磁心を例にとり、その比抵抗値が焼鈍後でも高く維持される観点から、本発明の絶縁被膜の耐熱性について説明する。
先ず、焼鈍後の圧粉磁心の比抵抗値が低下する要因として、絶縁被膜が破壊、晶出、凝集等して、磁性粉末粒子が直接接触することが考えられる。特に、圧粉磁心を高温焼鈍した場合、磁性粉末の一部の粒子が焼結して、圧粉磁心の比抵抗値が急減し易くなる。
焼鈍後の圧粉磁心の比抵抗値を高く維持するには、そのような磁性粉末粒子の直接接触(焼結する場合を含む)を可能な限り回避することが必要となる。このためには、高温環境下でも、絶縁被膜が極端な破壊や凝集等を生じることなく、磁性粉末を安定的に被覆した状態が保持され、かつ、その絶縁被膜が磁性粉末の粒子を均一に被覆していることが必要となる。なお、絶縁被膜の均一性が必要となるのは、絶縁被膜による被覆状態が不均一であると、例えば、膜厚の薄い部分が優先的に攻撃されて、その部分で磁性粉末の粒子同士の直接接触を生じて、圧粉磁心の比抵抗値が低下するからである。
本発明の絶縁被膜は、リン酸塩系の第1絶縁層を下層として、その上にシリコーン樹脂からなる第2絶縁層が形成されてなる。これにより、本発明の絶縁被膜は、磁性粉末をシリコーン樹脂で直接的に被覆した場合に比べて、磁性粉末の表面をより安定的に、かつ、より均一に被覆できるようになったと思われる。これは次のように考えられる。すなわち、シリコーン樹脂と磁石粉末の表面(特に鉄の表面)との濡れ性は悪く、シリコーン樹脂のみでは磁石粉末の表面に均一な被膜の形成が困難であった。一方、予め磁石粉末の表面に形成したリン酸塩系の第1絶縁層とシリコーン樹脂との間の濡れ性は良好で、磁石粉末の表面には、リン酸塩系の第1絶縁層を介してシリコーン樹脂による均一な被膜が形成されたためと考えられる。
次に、本発明の絶縁被膜を使用した圧粉磁心を焼鈍等したときを考える。このときの加熱によって、下層である第1絶縁層を構成するリン酸塩系ガラス被膜と、シリコーン樹脂からなる第2絶縁層との間で次のような作用を生じて、本発明の絶縁被膜はより優れた耐熱性を発現した(すなわち、焼鈍後の圧粉磁心の比抵抗値の低下を抑制した)と考えられる。これは、熱処理によりシリコーン樹脂が分解してシリカ(SiO2)被膜に変化する際に、リン酸塩系の第1絶縁層の存在により、そのシリカ被膜が三重点に凝集するのが妨げられて、磁石粉末の表面に保持されたためと考えられる。
いずれにしても本発明の絶縁被膜は、リン酸塩系ガラス被膜とシリコーン樹脂(または、それから生じたSiO2被膜)との単なる組合せではなく、両者が相乗的に作用して安定した高い耐熱性を発揮するに至ったと思われる。なお、本発明の絶縁被膜は、焼鈍加熱等によって高温状態下に曝される場合のみを前提としている訳ではない。非加熱状態または室温域等で使用される場合であっても良い。その場合は言うまでもなく、本発明の絶縁被膜は非常に高い絶縁性(高抵抗値)を安定的に発揮する。
本発明の絶縁被膜は、被覆時に上述した第1絶縁層と第2絶縁層とが存在すれば良く、その後まで被覆時の状態を必ずしも維持している必要はない。その後の加熱等によって第1絶縁層および第2絶縁層が変化、変質または変態等しても良い。例えば、第2絶縁層のシリコーン樹脂が加熱によってSiO2に変化してできた被膜(SiO2被膜)も、本発明の絶縁被膜に含まれる。なお、このSiO2被膜は、750℃程度の高い耐熱性を有する被膜である。
(磁心用粉末)
本発明は、上記絶縁被膜に限らず、磁性粉末の表面がその絶縁被膜で被覆された磁心用粉末とも把握できる。
すなわち、本発明は、Feを主成分とする磁性粉末と、該磁性粉末の表面を被覆する前記した本発明の絶縁被膜と、からなることを特徴とする磁心用粉末と把握しても良い。
(圧粉磁心)
本発明は、さらに、その磁心用粉末を用いて加圧成形した圧粉磁心とも把握できる。
すなわち、Feを主成分とする磁性粉末の表面を前記した本発明の絶縁被膜で被覆した磁心用粉末を加圧成形してなることを特徴とする圧粉磁心と把握しても良い。
なお、本発明の絶縁被膜は焼鈍等の加熱によって被覆時の状態から変化したものでも良いから、本発明には焼鈍等の加熱後に得られた圧粉磁心も含まれる。すなわち、圧粉磁心中の絶縁被膜は、加熱前の状態のものでも加熱後の状態のものでも良い。
(絶縁被膜の製造方法)
本発明の絶縁被膜は、例えば、次のような本発明の製造方法によって得られる。
すなわち、本発明の絶縁被膜の製造方法は、絶縁被覆される被処理材を、シャノンにより定義された6配位のイオン半径が0.073nm以上である2価以上の陽イオンを生じ得る元素の化合物および/または塩とリン酸とを混合して溶液とした第1被覆処理液に接触させた後に乾燥させて、該被処理材の表面に第1絶縁層を形成させる第1絶縁層形成工程と、該第1絶縁層が形成された被処理材をシリコーン樹脂を含む第2被覆処理液に接触させて該第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程とからなり、該被処理材上に前記した本発明の絶縁被膜が形成されることを特徴とする。
(磁心用粉末の製造方法)
本発明の磁心用粉末は、例えば、次のような本発明の製造方法によって得られる。
すなわち、本発明の磁心用粉末の製造方法は、上述した絶縁被膜の製造方法における絶縁被覆される被処理材をFeを主成分とする磁性粉末とし、それに上述の絶縁被膜の製造方法を適用すことで、磁性粉末の表面に絶縁被膜が形成された磁心用粉末が得られることを特徴とする。
(圧粉磁心の製造方法)
本発明の圧粉磁心は、例えば、次のような本発明の製造方法によって得られる。
すなわち、本発明の圧粉磁心の製造方法は、上述した本発明の絶縁被膜がFeを主成分とする磁性粉末の表面に被覆されてなる磁心用粉末を成形用金型に充填する充填工程と、該成形用金型内の磁心用粉末を加圧成形する成形工程と、からなることを特徴とする。
ところで、本発明の絶縁被膜が耐熱性に優れることは上述した通りであるが、その耐熱性を定量的に評価することは必ずしも容易ではない。例えば、Feを主成分とする磁性粉末の表面に被覆した本発明の絶縁被膜の場合、450℃以上、500℃以上、550℃以上さらには600℃以上の耐熱性を有するが、そのことは必ずしも、全ての絶縁被膜が全く破壊されないことを意味しない。
ここで重要なことは、従来の絶縁被膜なら、ほとんどの絶縁被膜が破壊されて比抵抗が急減していたような高温域でさえ、本発明の絶縁被膜によると、その絶縁被膜の破壊が抑制されて、比抵抗が急減しないことである。従って、仮に圧粉磁心の焼鈍前後でその比抵抗が低下し渦電流損失が増加したとしても、その一方で、残留歪みが減少しヒステリシス損失が減少して、全体として鉄損が低減されれば、本発明の絶縁被膜には十分なメリットが存在することになる。これらを踏まえて、本発明でいう「耐熱温度」とは、絶縁被膜の比抵抗が設定値以下に急減しない温度とする。圧粉磁心の場合を例にとってより具体的にいえば、耐熱温度が500℃以上とは、圧粉磁心に500℃x30分の焼鈍を施した後に、比抵抗値が100μm以上であることとする。また、耐熱温度が600℃以上とは、圧粉磁心に600℃x30分の焼鈍を施した後に比抵抗値が10μm以上であることとする。もっとも、本発明の絶縁被膜は、耐熱温度が高いため、従来の焼鈍程度(例えば、焼鈍温度が400℃以下)なら、十分な耐熱余裕を有し、残留歪みの除去と大きな比抵抗の安定的確保とが十分に両立され得る。なお、本発明の絶縁被膜や圧粉磁心は、耐熱性に優れることから、焼鈍等の熱処理の有無とは別に、高温環境下で使用される電磁機器等にも好適である。
これまで主に、本発明の絶縁被膜が磁性粉末の表面を被覆する場合について説明してきたが、本発明の絶縁被膜は、例えば、板状の磁性材料(薄いケイ素鋼板等)の表面を被覆するために使用されても良い。また、磁性材料の絶縁被覆に限らず、それ以外の部材の絶縁被覆にも好適である。特に、高温域での絶縁性が要求される部材の表面被覆に本発明の絶縁被膜は好適である。
発明の実施形態を挙げて、本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容は、本発明に係る絶縁被膜のみならず、磁心用粉末、圧粉磁心およびそれらの製造方法に、適宜、適用できるものであることを断っておく。また、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なることを断っておく。
(1)絶縁被膜
本発明の絶縁被膜は、少なくとも第1絶縁層および第2絶縁層からなる。
(a)第1絶縁層
本発明者は、特許文献1にあるリン酸塩被膜やリン酸をホウリン酸(ホウ酸とリン酸)に替えた、ホウリン酸塩被膜からなる絶縁被膜の耐熱性を調べた。しかし、それらの絶縁被膜で被覆した磁性粉末を加圧成形した圧粉磁心を400℃以上で焼鈍したところ、その比抵抗が急激に減少することが確認された。これは、本来、非晶質であったリン酸塩被膜等が破壊されて結晶化し、焼結や凝集を起こして、粉末粒子間にできる空隙(3重点)に集積したためと思われる。
本発明者は、これらの絶縁被膜が非晶質のリン酸塩系ガラス被膜であることから、ザッカライゼン則を用いて、その耐熱性を向上させることを検討した。ザッカライゼン則は、ガラスを構成する網目形成体(網目形成イオン)と網目修飾体(網目修飾イオン)とに関する法則である。この法則に従って、その網目形成体と網目修飾体とを適切に抽出、選択すれば、絶縁被膜の耐熱性を高めることができるのではないかと考えた。
本発明者が試行錯誤の末に抽出した元素が、網目形成体を構成すると考えられるB、PおよびO(さらにはFe)からなる第1元素群と、網目修飾体を構成すると考えられる第2元素である。この第1元素群からなる網目形成体中に、イオン半径の大きな第2元素である網目修飾体が入って構成される非晶質のガラス状絶縁層は、結晶化し難く、粘度が高まって焼結・凝集を生じ難くなると考えられる。そして、その絶縁被膜の耐熱性を実際に確認したところ、例えば、400℃さらには500℃程度の高温まで加熱しても、十分な絶縁性が維持された。
ところが、本発明者がさらに鋭意研究したところ、上記の第1元素群中、Bは必ずしも必須元素とする必要がないことが判明した。すなわち、Bを実質的に含まない絶縁被膜であっても、前述したBを含む絶縁被膜と同等の耐熱性および比抵抗を有することが確認された。この絶縁被膜を用いれば、絶縁被膜等の製造コストの低減を図れる。このような観点から、本発明では第1元素群を少なくともOおよびPとした。但し、安定した高特性を得るには、第1元素群にBを含める方が良い。また、絶縁被膜される被処理材がFeを含む場合、第1元素群はFeを含むことがある。
第2元素の陽イオンを2価以上としたのは、1価の陽イオン(例えば、Na+、K+)は、水と反応し易く、長期安定性を考慮すると、存在しない方が好ましいからである。また、第2元素のイオン半径として、シャノンのイオン半径を用いたのは、それが現在最も広く用いられているからである。その中でも特に、6配位のイオン半径としたのは、配位数でイオン半径が異なるため、比較対象を明確にするためである。そして、本発明者が、種々の元素について検討したところ、第2元素のイオン半径が0.073nm以上である場合に、絶縁被膜が優れた耐熱性を発現することを見いだした。逆に、イオン半径が0.073nm未満では、耐熱性が従来レベルであり、耐熱性の向上を図れない。なお、イオン半径は0.075nm以上、さらには0.080nm以上であるとより好ましい。また、イオン半径の上限は取扱性等を考慮して0.170nm以下が好ましい。
このような第2元素として、具体的には、例えば、アルカリ土類金属元素や希土類元素(R.E.)を挙げることができる。アルカリ土類金属元素には、ベリリウム(Be)、Mg、Ca、Sr、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)があるが、BeおよびMgは、6配位のイオン半径が0.073nm未満であるため除かれる。取扱性、安全性、好環境性等を考慮すると、アルカリ土類金属元素から第2元素としては、CaまたはSrが好ましい。また、希土類元素には、スカンジウム(Sc)、Y、ランタノイド元素、アクチノイド元素があるが、同様に、取扱性等を考慮して、Yが好ましい。その他、第2元素となり得る元素として、ランタノイド(La〜Lu)、ビスマス(Bi)を挙げることができる。これらの各元素のイオン半径を価数と共に表1に参考として示した。なお、これらの第2元素は、1種の元素のみならず複数種の元素であっても良いことはいうまでもない。こうして本発明の第1層を構成する耐熱性に優れた絶縁被膜(第1絶縁層)が得られた。
前述したように、PおよびO(さらにはFe)の第1元素群と、イオン半径が大きなCa等の第2元素とを必須構成元素とするものである。このPおよびOが網目形成体元素であり、Ca等が網目修飾体元素であって、それらによってガラス状絶縁層が形成されると考えられる。
勿論、これらの元素は必須構成元素であって、絶縁被膜がそれ以外の元素を含有していても良い。特に、製造方法にもよるが、絶縁被膜が被覆される被処理材の元素(Fe等)を含むことは十分考えられる。同様に、結果的にBを含んでも良い。
絶縁被膜の膜厚は厚いほど、その抵抗が大きくなる。しかし、磁性粉末を被覆する場合、その膜厚があまり厚いと、その磁性粉末を成形して得られた圧粉磁心の磁束密度は低下する。圧粉磁心の磁束密度と比抵抗とを確保する観点から、膜厚は、10〜100nmさらには10〜50nmであると好ましい。このとき、磁性粉末の粒径は20〜300μmさらには50〜200μmであると好ましい。第1絶縁層の存在割合を質量%でいうと、磁性粉末全体を100質量%として、第1絶縁層は0.01〜3質量%さらには0.1〜1質量%であると好ましい。
(b)第2絶縁層
第2絶縁層は、第1絶縁層上に形成され、シリコーン樹脂からなる。この第2絶縁層の存在によって、第1絶縁層単体よりも高い耐熱性を発現する本発明の絶縁被膜が得られた。その理由は前述した通りであり、絶縁層が単に重複することで耐熱性が向上したのではなく、第1絶縁層と第2絶縁層との相乗効果によって絶縁被膜の耐熱性が一層向上したと考えられる。
磁性粉末の表面が絶縁被膜で被覆された磁心用粉末を考えた場合、シリコーン樹脂は、磁性粉末全体を100質量%として、0.05〜0.8質量%さらには0.1〜0.3質量%の割合で含まれると好ましい。シリコーン樹脂が過少では絶縁被膜の耐熱性向上効果が小さく、シリコーン樹脂が過多になると圧粉磁心の磁束密度の低下を招き好ましくないからである。なお、このシリコーン樹脂量は、後述する酸化物粒子を含む場合であってもほぼ同様であるが、酸化物粒子の有無によってその割合を多少変動させても良い。
シリコーン樹脂は、シロキサン結合を備えた合成樹脂である。詳しくは、分子内に1官能性(M単位)、2官能性(D単位)、3官能性(T単位)、あるいは4官能性(Q単位)のシロキサン単位を含有するポリオルガノシロキサンをさす。このシリコーン樹脂は、シリコーンオイルやシリコーンゴムなどに比べ架橋密度が高く、硬化したものは硬いという特徴がある。シリコーン樹脂には、成分がシリコーンのみから構成されるストレートシリコーン樹脂と、シリコーン成分と有機樹脂の共重合体であるシリコーン変成有機樹脂に大別されるが、本発明で使用するシリコーン樹脂はそのいずれでも良い。
ストレートシリコーン樹脂は、MQレジンとDTレジンに大別されるがいずれでも良い。シリコーン変成有機樹脂には、アルキッド変成型、エポキシ変成型、ポリエステル変成型、アクリル変成型、フェノール変成型などが挙げられるがいずれでも良い。
シリコーン樹脂には、加熱して硬化するタイプ(加熱硬化型)と、室温においても硬化が進行するタイプ(室温硬化型)とあるがいずれでも良い。加熱硬化型シリコーン樹脂の硬化機構には、大別して、脱水縮合反応、付加反応、過酸化物反応等によるものがあり、室温硬化型シリコーン樹脂の硬化機構には、脱オキシム反応、脱アルコール反応によるものがある。本発明で使用するシリコーン樹脂はそれらのいずれでも良い。
このようなシリコーン樹脂の具体例として、例えば、東レダウコーニングシリコーン社製の、SH 805、SH 806A、SH 840、SH 997、SR 620、SR 2306、SR 2309、SR 2310、SR 2316、DC12577、SR2400、SR2402、SR2404、SR2405、SR2406、SR2410、SR2411、SR2416、SR2420、SR2107、SR2115、SR2145、SH6018、DC-2230、DC3037、QP8-5314などがある。また、信越化学工業 (株)製の、KR251、KR255、KR114A、KR112、KR2610B、KR2621-1、KR230B、KR220、KR285、K295、KR2019、KR2706、KR165、KR166、KR169、KR2038、KR221、KR155、KR240、KR101-10、KR120、KR105、KR271、KR282、KR311、KR211、KR212、KR216、KR213、KR217、KR9218、SA-4、KR206、ES1001N、ES1002T、ES1004、KR9706、KR5203、KR5221などがある。勿論、これらの銘柄以外のシリコーン樹脂であっても良い。
本発明で使用するシリコーン樹脂は、溶媒に分散してコロイド状となるような微粒子状のシリコーン樹脂でも良いし、上記原料物質を変成したシリコーン樹脂でも良い。さらに、種類、分子量、官能基が異なる2種類以上のシリコーン樹脂を、適当な割合で混合したシリコーン樹脂を使用しても良い。
ところで、本発明の研究によると、この第2絶縁層中に酸化物粒子がさらに分散した状態となっていると、絶縁被膜の耐熱性が一層向上することが分かった。そこで第2絶縁層は、前記シリコーン樹脂中に酸化物粒子が分散した複合絶縁層であると好適である。磁心用粉末を例にとり、そのときの状態を図1に模式的に示した。
酸化物粒子によって絶縁被膜の耐熱性が向上する理由は必ずしも定かではないが、現状、次のように考えられる。
本発明者が種々実験したところ、シリコーン樹脂溶液に微細な酸化物粒子(SiO2)を添加してコーティングした粉末は、シリコーン樹脂溶液単体によるコーティング粉末よりも流動性が高くなることが分かった。そして、この酸化物粒子が添加された処理液を使用すれば、第1絶縁層が形成されている磁性粉末の表面へ第2絶縁層を形成し易くなった。このことは、第1絶縁層上に形成される第2絶縁層の均一性、ひいては絶縁被膜の均一性に寄与したと考えられる。
次に、酸化物粒子は非常に耐熱性(高温絶縁性)に優れる粒子である。この酸化物粒子が磁性粉末の粒子間に介在することによって、それらの直接接触が積極的に抑制され、本発明の絶縁被膜の耐熱性が一層高くなったと考えられる。また、この酸化物粒子はシリコーン樹脂とも関連して、第1絶縁層上に均一に分散していると思われる。この理由は次の通りである。
リン酸塩系の第1絶縁層、シリコーン樹脂および酸化物が同時に存在することにより、磁石粉末の表面にシリコーン樹脂および酸化物がそれぞれ均一に分散、コーティングされる。これは、シリコーン樹脂内の分子の一部が第1絶縁層のリン酸塩に吸着すると共に同分子の一部が酸化物に吸着したためと予想される。その結果、上述したような均一分散コーティングが達成され、絶縁被膜の耐熱性が向上したものと考えられる。
酸化物粒子を構成する酸化物は、高い絶縁性と耐熱性を有するものであれば、その種類は問わない。このような酸化物として、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニア等がある。その入手性、コスト等を考慮して、酸化物粒子がSi、Zr、MgまたはAlの1種以上の酸化物が好適である。酸化物粒子は、2種以上の金属を合金化したものの酸化物であっても良い。また、コロイド状の酸化物を用いても良い。
酸化物粒子の粒径は、100nm以下さらには50nm以下が好ましい。一方、酸化物粒子の製造性、入手性等を考慮して、その粒径の下限は、50nmさらには10nmが好ましい。本発明の絶縁被膜で磁性粉末の表面を被覆する場合、磁性粉末の粒径は前述した通り50〜200μmが好ましい。特に、磁性粉末の粒径(D)と酸化物粒子の粒径(d)との粒径比(d/D)が0.00001〜0.1さらには0.0001〜0.01であると好ましい。酸化物粒子が大きすぎると、均一分散が困難となり、その結果、絶縁被膜の均一コーティングも困難となるからである。
シリコーン樹脂に対する酸化物粒子の混合比(酸化物粒子/シリコーン樹脂)は、質量比で0.1〜5さらには0.5〜3が好ましい。この範囲外では均一分散の効果が少ないからである。
なお、本発明でいう磁石粉末の粒径は、篩い透過によって選別される篩い分け法により特定される。酸化物粒子の粒径は、顕微鏡観察写真から直接測定される一次粒径によって特定される。
(2)第3絶縁層
本発明の絶縁被膜は、さらに、上記第2絶縁層上に、上述した酸化物粒子から主になる第3絶縁層が形成されていると好適である。磁心用粉末を例にとり、そのときの状態を図2に模式的に示した。
この第3絶縁層の下層となる第2絶縁層は、シリコーン樹脂のみからなる絶縁層でも良いし、そのシリコーン樹脂中に酸化物粒子が分散した複合絶縁層でも良い。この場合に本発明の絶縁被膜の耐熱性が向上する理由は必ずしも定かではないが、現状、前述した理由とほぼ同様であると考えられる。
酸化物粒子から主になる第3絶縁層を第2絶縁層上に形成する方法として、次のような方法が考えられる。
先ず、リン酸塩系の第1絶縁層によってコーティングされた磁石粉末に、有機溶媒中に分散させたシリコーン樹脂溶液と、酸化物粒子とを適量添加する。この混合粉末を加温しながら撹拌して、前記有機溶媒を揮発させる。こうして、3層構造の絶縁被膜によってコーティングされた磁石粉末が得られる。
ところで、磁心用粉末を考えた場合、酸化物粒子を第2絶縁層中に混在させるか第2絶縁層上に分散させるかを問わず、酸化物粒子は、磁性粉末全体を100質量%として、0.01〜0.5質量%さらには0.05〜0.3質量%の割合で含まれると好ましい。酸化物粒子が過少では絶縁被膜の耐熱性向上効果が小さく、酸化物粒子が過多になると圧粉磁心の磁束密度の低下を招き好ましくないからである。このときのシリコーン樹脂量は前述した通りである。
(3)磁心用粉末
磁心用粉末は、磁性粉末の表面に本発明の絶縁被膜を被覆したものであり、主に、圧粉磁心の製造に用いられる。磁性粉末は、8属遷移元素(Fe、Co、Ni等)等の強磁性元素を主成分とするものである。中でも、取扱性、入手性、コスト等から、Feを主成分とするものが好ましい。さらに、本発明の絶縁被膜で被覆される磁性粉末としては、Feと不可避不純物とからなる純鉄粉が好ましい。純鉄粉は、その純度は問わないが、例えば、99.5%以上、99.7%以上さらには99.8%以上である。
純鉄粉を使用すると、Fe−Si系合金粉等と比較して高い磁束密度が得られる。また、純鉄粉は比較的柔らかく圧縮性に優れるので圧粉磁心の製造にも適している。さらにこれまで、シリコーン樹脂被膜(またはそれからなるSiO2被膜)を純鉄粉の表面に安定的に形成させることは困難であった。しかし、本発明によれば、リン酸塩系の第1絶縁層上にシリコーン樹脂系の第2絶縁層が形成されるので、安定したSiO2被膜等が純鉄粉上に形成され得る。
磁性粉末は、勿論、純鉄以外に、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の強磁性元素を含有するものであっても良い。例えば、磁性粉末全体を100質量%としたときに、Coを5〜30質量%含むと、磁束密度の向上を図れるので好ましい。この他、SiやAlを0.3〜4質量%程度含んでいても良いが、当然、磁気的特性を低下させる不純物元素は少ない程よい。
磁性粉末は、複数の粉末を混合した混合粉末でも良い。例えば、純鉄粉とFe−49Co−2V(パーメンジュール)粉、純鉄粉とFe−3Si粉、センダスト(Fe−9Si−6Al)粉と純鉄粉等の混合粉末であっても良い。
圧粉磁心の高密度化のためには、磁性粉末の粒径が20〜300μmさらには50〜200μmであると好適である。本発明者が試験したところ、渦電流損失の低減を図る観点からその粒径は細かい程好ましく、例えば、50μm以下とすると良い。一方、ヒステリシス損失の低減を図る観点から、粒径は粗くする方が好ましく、例えば、100μm以上とすると良い。なお、磁心用粉末の分級は、篩い分法等により容易に行える。
磁性粉末の製造方法は問わない。粉砕粉でもアトマイズ粉でも良い。アトマイズ粉は、水アトマイズ粉、ガスアトマイズ粉、ガス水アトマイズ粉のいずれでも良い。水アトマイズ粉は、現状、もっとも入手性が良く低コストである。水アトマイズ粉は、その粒子形状がいびつであるので、それを加圧成形した粉末成形体の機械的強度を向上させ易い。
一方、ガスアトマイズ粉は略球状粒子からなる。それを加圧成形する際、各粉末粒子間の攻撃性が低くなり、絶縁被膜の破壊等が抑制されて、高い比抵抗の圧粉磁心が得られ易い。また、ガスアトマイズ粉は略球状粒子からなるため、粒子形状の歪な水アトマイズ粉等に比べてその表面積は小さい。従って、絶縁被膜の全量が同じであっても、ガスアトマイズ粉を用いる方がより厚い絶縁被膜の形成が可能となり、渦電流損失をより低減し易い。逆に、同じ膜厚の絶縁被膜を設けるのであれば、絶縁被膜の全量を低減することができ、圧粉磁心の磁束密度を高めることが可能となる。さらに、ガスアトマイズ粉は、粉末粒子内の結晶粒径が大きいため、保磁力が小さくなりヒステリシス損失の低減を図り易い。従って、いずれにしても、ガスアトマイズ粉を使用することで、鉄損の低減を図りつつも磁気特性を向上させ易い。以上のことは、圧粉磁心の焼鈍前後を問わない。
(4)圧粉磁心
本発明の圧粉磁心は、上記磁心用粉末を加圧成形したものである。圧粉磁心の構成粒子が本発明の絶縁被膜で被覆されている限り、磁気的特性等は問わない。もっとも、本発明の絶縁被膜によって構成粒子が被覆されているため、高温域まで安定した電気的特性(比抵抗)が確保される。さらに、後述する温間高圧成形を用いると、その磁気的特性さえも、非常に優れた圧粉磁心が容易に得られる。
次に、この圧粉磁心の電気的特性、磁気的特性、機械的特性等について説明する。
圧粉磁心の電気的特性を指標する代表的なものは、比抵抗である。比抵抗は、形状に依存しない圧粉磁心ごとの固有値であり、同形状の圧粉磁心であれば比抵抗が大きいほど、渦電流損失は小さくなる。
本発明の圧粉磁心の場合、その比抵抗が高温域まで安定しているのみならず、その値自体も大きい。一例を挙げると、圧粉磁心の成形後に焼鈍を行わない場合、その比抵抗は、10000μΩm以上さらには100000μΩm以上ともなる。
焼鈍を行う場合、本発明の圧粉磁心は、400℃程度の焼鈍なら1000μΩm以上さらには3000μΩm以上の比抵抗を示し得る。500℃程度の焼鈍なら100μΩm以上さらには1000μΩm以上の比抵抗を示し得る。特に、絶縁被膜が前述した酸化物粒子を含む場合、本発明の圧粉磁心は、600℃程度の焼鈍後にも、10μΩm以上さらには100μΩm以上の比抵抗を示し得る。
圧粉磁心の磁気的特性を指標する代表的なものは、本来、透磁率かもしれないが、透磁率は、一般的なB−H曲線からも解るように一定ではない。本明細書では、その代替として、特定強さの磁界中においたときにできる磁束密度で圧粉磁心の磁気的特性を特定する。この特定磁界は、1〜20kA/mから適当に選定すれば良い。例えば、2kA/m、5kA/m、8kA/m、10kA/m、16kA/m、20kA/m等である。本明細書では、それらの磁界中に圧粉磁心を置いたときにできる磁束密度をそれぞれ、B2k、B5k、B8k、B10k、B16k、B20k等と表して、本発明の圧粉磁心を評価した。本発明の圧粉磁心の場合、例えば、B10k≧1.2T、1.3T、1.4Tさらには1.5Tとなり、B20k≧1.5T、1.6T、1.7Tさらには1.8Tとなり得る。
さらに、圧粉磁心の磁気的特性を指標するものとして保磁力がある。圧粉磁心の場合、保磁力が小さい程、交流磁界に対する追従性が良く、ヒステリシス損失も小さくなる。この保磁力は、前述したように、残留歪みを除去することで低減できる。本発明の絶縁被膜の優れた耐熱性を利用して高温焼鈍を行うと、例えば、保磁力bHcが300A/m以下、250A/m以下、200A/m以下さらには150A/m以下ともなり得る。なお、本明細書中でいう保磁力bHcは、最大磁場2kA/mでの磁化曲線から測定した値と定義する。
圧粉磁心の機械的特性を指標する代表的なものとして強度がある。圧粉磁心は、鋳造品や焼結品とは異なり、絶縁被膜で被覆された構成粒子の塑性変形によって主に機械的に結合されているだけである。このため、その強度は高くない。しかし、後述の温間高圧成形により、本発明の圧粉磁心は非常に高密度で十分な強度を得るに至っている。これは、磁性粉末が球状のガスアトマイズ粉からなる場合でも同様である。例えば、4点曲げ強度σが30MPa以上、さらには50MPa以上という高強度が得られる。なお、4点曲げ強度σは、JISに規定されていないが、圧粉体の試験方法により求めることができる。
本発明の圧粉磁心は、比抵抗をX軸、磁束密度B10kをY軸とした座標系で、A点(100μΩm、1.6T)、B点(1000μΩm、1.3T)、C点(10000μΩm、1.2T)およびD点(100000μΩm、1.2T)の4点を結ぶ折れ線よりも、500℃x30分焼鈍後の比抵抗および磁束密度B10kが上方領域にあると好適である。
なお、圧粉磁心全体に対する絶縁被膜の割合によって、圧粉磁心の示す比抵抗と磁束密度との関係は変化する。具体的には絶縁被膜量が多くなれば、比抵抗が増加して磁束密度が減少する。逆に、絶縁被膜量が少なくなれば、比抵抗が減少して磁束密度が増加する。この傾向は焼鈍後であっても基本的に同様である。本発明の圧粉磁心の場合、焼鈍後であっても絶縁被膜の耐熱性が高いために、絶縁被膜量が少なくても十分な比抵抗と高い磁束密度が得られる。こうして、図3に示すグラフのように、比抵抗の広い領域で高い磁束密度が得られる。
(5)絶縁被膜の製造方法または磁心用粉末の製造方法
絶縁被膜の製造方法も磁心用粉末の製造方法も、基本的に第1絶縁層形成工程と第2絶縁層形成工程とからなる。勿論、絶縁被膜が第3絶縁層を備える場合には、被処理材の第2絶縁層上に第3絶縁層を形成する第3絶縁層形成工程を備える。なお、絶縁被膜の被処理材は磁性粉末に限らないが、以下では被処理材が磁性粉末である場合を適宜例示して説明する。
(a)第1絶縁層形成工程
第1絶縁層形成工程は、第1被覆処理液を磁性粉末に接触させる接触工程と、その後に磁性粉末を乾燥させる乾燥工程とからなる。
先ず、第1被覆処理液は、リン酸および本発明でいう第2元素とを含む溶液である。これは、水溶液には限らず、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、グリセリン等の有機溶媒を用いた溶液でも良い。いずれにしても、第1被覆処理液は、それらの溶媒中にリン酸を混合し、アルカリ土類金属元素や希土類元素の化合物や塩を溶解させてなる。その他、磁性粉末(例えば、Fe粉)との濡れ性を向上させ均一な被膜を形成させるのに有効な界面活性剤や磁性粉末(例えば、Fe粉)の酸化を防止するための防錆剤等をそこへ適宜添加しても良い。
接触工程は、例えば、第1被覆処理液を被処理材に噴霧する溶液噴霧法(噴霧工程)、第1被覆処理液中に浸漬する溶液浸漬法(浸漬工程)等、種々の方法(工程)により行える。溶液噴霧法、溶液浸漬法は大量処理が可能であり、工業的にも有効な方法である。これらの方法に限らず、めっきの如く、電気化学的反応を利用して、被処理材の表面に薄く均一な絶縁被膜を形成しても良い。この場合、絶縁被膜によって被覆された被処理材の表面は電気的に絶縁されるため、被覆されていない表面部分(露出している部分)が、自然に優先的に第1被覆処理液と反応する。その結果、被処理材(磁性粉末)の表面が順次コーティングされ、被処理材の全面がピンホールなく均一に被覆されることとなる。
この接触工程で用いる第1被覆処理液の濃度を変更することで、形成される絶縁被膜の膜厚を調整することが可能である。第1被覆処理液の濃度を濃くすると、膜厚の厚い絶縁被膜が得られ、薄くすると、膜厚の薄い絶縁被膜が得られる。勿論、薄い膜厚を重ねて形成し、全体的に厚い絶縁被膜としても良い。また、被処理材と第1被覆処理液との接触時間もその膜厚に影響するとも考えられる。しかし、現実には、両者の反応時間が短いこともあり、一旦、被処理材の表面が被覆されると、接触時間を長くしても、膜厚の変化は少ない。
乾燥工程は、被処理材に付着した余分な第1被覆処理液やその溶媒を発散させる行程である。この乾燥工程は、加熱乾燥は勿論、自然乾燥でも良い。もっとも、被処理材の表面に絶縁被膜を安定的に、素早く定着させるためには、加熱乾燥(加熱乾燥工程)が好ましい。加熱温度は、80〜350℃程度、加熱時間は、10〜180min程度が好ましい。なお、加熱雰囲気は、真空脱気中や窒素中でも良いし大気中でも良い。
(b)第2絶縁層形成工程
第2絶縁層形成工程は、被処理材の第1絶縁層上にシリコーン樹脂からなる第2絶縁層を形成する工程である。この際、第2絶縁層を均一に形成するために、シリコーン樹脂を溶剤等に溶解または分散等させた第2被覆処理液を用いると好適である。このような溶剤には、例えば、エタノールやメタノールに代表されるアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトンに代表されるケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、安息香酸などに代表される芳香族系溶剤、リグロイン、ケロシンなどの石油系溶剤等がある。特に、シリコーン樹脂を溶解し易い芳香族系溶剤が好ましい。シリコーン樹脂が可溶あるいは分散可能なら、溶媒に水を用いても良い。溶剤にシリコーン樹脂を溶解等させた処理液(第2被覆処理液)の濃度は、施工のし易さや乾燥時間等を考慮して決定すれば良い。
第2絶縁層形成工程も、第1絶縁層の形成された磁性粉末に第2被覆処理液を接触させる接触工程と、その後にそれを乾燥させる乾燥工程とからなる点は、上記第1絶縁層形成工程と同様である。また、接触工程および乾燥工程の内容もほぼ同様である。但し、シリコーン樹脂の溶剤に揮発性のもの(例えば、エタノール等)を使用した場合は、加熱乾燥等をさせるまでもなく、溶剤が自然に揮発して実質的に乾燥工程が終了することとなる。なお、第2絶縁層中に酸化物粒子を混在させる場合は、溶剤中にシリコーン樹脂と共に酸化物粒子を添加して撹拌、混合しておけば良い。
(c)第3絶縁層形成工程
第3絶縁層形成工程は、被処理材の第2絶縁層上に酸化物粒子からなる第3絶縁層を形成する工程である。この際、第3絶縁層を均一に形成するために、酸化物粒子をエタノールやメタノールに代表される揮発性の高いアルコール系溶媒等に分散等させた第3被覆処理液を用いると好適である。
第3絶縁層形成工程も、第2絶縁層の形成された磁性粉末に第3被覆処理液を接触させる接触工程と、その後にそれを乾燥させる乾燥工程とからなる点は、上記第1絶縁層形成工程や第2絶縁層形成工程と同様である。また、接触工程および乾燥工程の内容も、それらの場合とほぼ同様にできる。
(6)圧粉磁心の製造方法
圧粉磁心の製造方法は、上述の磁心用粉末を成形用金型に充填する充填工程と、充填された磁心用粉末を加圧成形する成形工程とから基本的になる。圧粉磁心の磁気的特性を向上させる上で重要なのは成形工程である。特に、その成形圧力が、圧粉磁心の高密度化、およびそれに伴う圧粉磁心の高磁束密度化等の観点から非常に重要となる。
もっとも、その成形圧力を大きくすると、成形用金型の内面と磁心用粉末との間でかじりを生じたり、抜圧が過大となったり、金型寿命を極端に低下させたりし易い。このため、従来の成形方法では、その成形圧力を大きくすることが現実には困難であった。
しかし、本発明者は、前述したように、画期的な温間高圧成形法を確立し、それらの課題を解決済である。この温間高圧成形法は、前記充填工程を高級脂肪酸系潤滑剤を内面に塗布した成形用金型へ磁心用粉末を充填する工程とし、前記成形工程をその磁心用粉末と成形用金型の内面との間に金属石鹸皮膜が生成される温間高圧成形工程とするものである。
一例を挙げると、磁性粉末をFeを主成分とする粉末とし、高級脂肪酸系潤滑剤をステアリン酸リチウムとした場合、成形用金型の内面に接する圧粉磁心の外表面には、潤滑性に優れたステアリン酸鉄からなる金属石鹸皮膜が形成される。このステアリン酸鉄皮膜の存在によって、かじり等が生じず、また、非常に低い抜圧で圧粉磁心が成形用金型から取出される。そして、金型の長寿命化も図れる。
次に、この製造方法をさらに詳細に説明する。
(a)充填工程
充填工程に際して、成形用金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を塗布する必要がある(塗布工程)。
塗布する高級脂肪酸系潤滑剤としては、高級脂肪酸自体の他、高級脂肪酸の金属塩であると好適である。高級脂肪酸の金属塩には、リチウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等がある。特に、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛が好ましい。この他、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸リチウム、オレイン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム等を用いることもできる。
この塗布工程は、加熱された成形用金型内に水または水溶液に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴霧する工程であると、好適である。
高級脂肪酸系潤滑剤が水等に分散していると、成形用金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤を均一に噴霧することが容易となる。さらに、加熱された成形用金型内にそれを噴霧すると、水分が素早く蒸発して、成形用金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤を均一に付着させることができる。そのときの成形用金型の加熱温度は、後述の成形工程の温度を考慮する必要があるが、例えば、100℃以上に加熱しておけば足る。もっとも、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な膜を形成するために、その加熱温度を高級脂肪酸系潤滑剤の融点未満にすることが好ましい。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、その加熱温度を220℃未満とすると良い。
なお、高級脂肪酸系潤滑剤を水等に分散させる際、その水溶液全体の質量を100質量%としたときに、高級脂肪酸系潤滑剤が0.1〜5質量%、さらには、0.5〜2質量%の割合で含まれるようにすると、均一な潤滑膜が成形用金型の内面に形成されて好ましい。
また、高級脂肪酸系潤滑剤を水等へ分散させる際、界面活性剤をその水に添加しておくと、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な分散が図れる。そのような界面活性剤として、例えば、アルキルフェノール系の界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10、アニオン性非イオン型界面活性剤、ホウ酸エステル系エマルボンT−80等を用いることができる。これらを2種以上組合わせて使用しても良い。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80の3種類の界面活性剤を同時に用いると好ましい。それらの1種のみを添加する場合に較べて複合添加した場合、ステアリン酸リチウムの水等への分散性が一層活性化されるからである。
また、噴霧に適した粘度の高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液を得るために、その水溶液全体を100体積%とした場合、界面活性剤の割合を1.5〜15体積%とすると好ましい。
この他、少量の消泡剤(例えば、シリコン系の消泡剤等)を添加しても良い。水溶液の泡立ちが激しいと、それを噴霧したときに成形用金型の内面に均一な高級脂肪酸系潤滑剤の被膜が形成され難いからである。消泡剤の添加割合は、その水溶液の全体積を100体積%としたときに、例えば0.1〜1体積%程度であればよい。
水等に分散した高級脂肪酸系潤滑剤の粒子は、最大粒径が30μm未満であると、好適である。
最大粒径が30μm以上となると、高級脂肪酸系潤滑剤の粒子が水溶液中に沈殿し易く、成形用金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を均一に塗布することが困難となるからである。
高級脂肪酸系潤滑剤の分散した水溶液の塗布には、例えば、塗装用のスプレーガンや静電ガン等を用いて行うことができる。
なお、本発明者が高級脂肪酸系潤滑剤の塗布量と粉末成形体の抜出圧力との関係を実験により調べた結果、膜厚が0.5〜1.5μm程度となるように高級脂肪酸系潤滑剤を成形用金型の内面に付着させると好ましいことが解った。
(b)成形工程
詳細は明らかではないが、この工程で、前述の金属石鹸皮膜がメカノケミカル反応によって生成されると考えられる。
すなわち、その反応によって、磁心用粉末(特に、絶縁被膜)と高級脂肪酸系潤滑剤とが化学的に結合し、金属石鹸の被膜(例えば、高級脂肪酸の鉄塩被膜)が磁心用粉末の成形体表面に形成される。この金属石鹸の被膜は、その粉末成形体の表面に強固に結合し、成形用金型の内表面に付着していた高級脂肪酸系潤滑剤よりも遙かに優れた潤滑性能を発揮する。その結果、成形用金型の内面と粉末成形体の外面との接触面間での摩擦力が著しく低減し、高圧成形が可能になったと考えられる。
なお、磁心用粉末の各粒子は絶縁被膜で被覆されているが、絶縁被膜中に金属石鹸の被膜形成を促進する元素(例えば、磁性粉末の主成分であるFeや本発明でいう第2元素)を主成分として含有しているので、それらを基に高級脂肪酸の金属塩被膜(金属石鹸被膜)が形成されると考えられる。
成形工程における「温間」とは、各状況に応じた適切な加熱条件の下で成形工程を行うことを意味する。もっとも、磁心用粉末と高級脂肪酸系潤滑剤との反応を促進するために、概して成形温度を100℃以上とすると好ましい。また、絶縁被膜の破壊や高級脂肪酸系潤滑剤の変質を防止するために、概して成形温度を200℃以下とすると好ましい。そして、成形温度を120〜180℃とするとより好適である。
成形工程における「加圧」の程度も、所望する圧粉磁心の特性、磁心用粉末、絶縁被膜、高級脂肪酸系潤滑剤の種類、成形用金型の材質や内面性状等に応じて適宜決定されるものであるが、この製造方法を用いると、従来の成形圧力を超越した高圧力下で成形可能である。このため、例えば、成形圧力を700MPa以上、785MPa以上、1000MPa以上、さらには、2000MPaとすることもできる。成形圧力が高圧である程、高密度の圧粉磁心が得られる。もっとも、成形用金型の寿命や生産性を考慮して、その成形圧力を2000MPa以下、より望ましくは1500MPa以下とするのが良い。
なお、本発明者は、この温間高圧成形法を用いた場合、成形圧力が約600MPaで抜出圧力が最大となり、それ以上ではむしろ抜出圧力が低下することを実験により確認している。そして、成形圧力を900〜2000MPaの範囲で変化させたときでさえ、抜出圧力が5MPa程度と、非常に低い値を維持した。このことからも、本発明の製造方法の一つである温間高圧成形法によって形成される金属石鹸被膜が、如何に潤滑性に優れるかが解る。この温間高圧成形法は、高圧成形による高密度化が要求される圧粉磁心の製造方法として最適であることが解る。このような現象は、高級脂肪酸系潤滑剤として、ステアリン酸リチウムを用いた場合に限らず、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛を用いた場合でも同様に生じ得る。
(c)焼鈍工程
焼鈍工程は、残留応力や残留歪みを除去するために行う。これにより、圧粉磁心の保磁力が低減され、ヒステリシス損失が低減されると共に交流磁界に対する追従性も良くなり、圧粉磁心の磁気的特性が向上する。
このときの加熱温度は、磁性粉末の材質にも依るが、Feを主成分とする場合、300〜600℃さらには450〜650℃が好ましい。加熱時間は1〜300分さらには5〜60分が好ましい。
加熱時間が300℃未満では残留歪み等の除去効果が乏しく、650℃を越えると絶縁被膜の破壊が進行し易くなる。また、加熱時間が1分未満では残留歪み等の除去効果が乏しく、300分を越えて加熱してもそれ以上の効果は期待しえず、生産性の低下を招く。
本発明の圧粉磁心は、その構成粒子が耐熱性に優れた絶縁被膜で被覆されているため、従来よりも焼鈍温度を高くでき(例えば、500〜650℃)、残留歪みの除去をより確実に行うことができる。例えば、磁心用粉末の粉末成形体がFeを主成分とする場合なら、その成形体を500℃以上に加熱した後に徐冷する焼鈍工程を行えば良い。
勿論、従来レベルの焼鈍温度(例えば、300〜450℃)で焼鈍工程を行う場合なら、本発明の絶縁被膜は耐熱余裕が大きいため、焼鈍後における圧粉磁心の比抵抗値は十分に大きい。
(圧粉磁心の用途)
本発明の圧粉磁心は、各種の電磁機器、例えば、モータ、アクチュエータ、トランス、誘導加熱器(IH)、スピーカ等に利用できる。そして、本発明の圧粉磁心は、比抵抗と透磁率とを大きくすることができるから、エネルギー損失を抑制しつつ、各種機器の高性能化、小型化、省エネルギー化等を図ることが可能となる。
本発明の圧粉磁心の場合、高温焼鈍によって残留歪みを十分に除去することが可能であるから、ヒステリシス損失の小さい圧粉磁心が得られる。特にヒステリシス損失の低減が重要となる低周波数域で使用される電磁機器に好適である。このような使用周波数域は、例えば、10000Hz以下さらには2000Hz以下である。なお、この使用周波数の下限値は特に限定されないが、例えば10Hzである。このような用途の圧粉磁心として、直流機、誘導機、同期機等のモータコア、電磁アクチュエータ等がある。その他、本発明の圧粉磁心は、焼鈍の有無を問わず、高温環境下で使用される製品に使用すると好ましい。
実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例)
(1)絶縁被膜および磁心用粉末の製造
磁性粉末として、市販されている2種の純鉄粉を容易した。一方は水アトマイズ粉(川崎製鉄のKIP−304AS)であり、他方はガスアトマイズ粉(山陽特殊鋼製)である。これらの粉末は分級等を特に行わず、入手した状態のままで使用した。その粒径は100〜200μmであった。
(a)磁性粉末への第1絶縁層のコーティング処理を次の方法で行なった。
市販されている試薬であるSrCO3(アルカリ土類金属元素の酸化物):11gと、ホウ酸(H3BO3):3g、リン酸(H3PO4)::19gを、200mlのイオン交換水に投入し撹拌溶解してコーティング液(第1被覆処理液)を得た。これらの混合割合は、モル比でSr:B:P=1.5:1:4となる。
100mlのビーカに入れた各磁性粉末100gの上へ、上記コーティング液を20ml滴下した(第1接触工程)。これを電気炉に入れて、200℃、30min間、大気中で加熱乾燥した(第1乾燥工程)。こうして、磁性粉末の表面に第1絶縁層(Sr−B−P−O系絶縁層、ストロンチウムリン酸塩系のガラス状絶縁層)を定着、形成させた(第1絶縁層形成工程)。なお、この第1絶縁層の割合は、処理前の磁性粉末全体(100質量%)に対して、水アトマイズ粉の場合が3質量%、ガスアトマイズ粉の場合が2質量%とした。
(b)第1絶縁層が形成された磁性粉末(以下、単に「第1磁性粉末」という。)への第2絶縁層のコーティング処理を次の方法で行なった。
シリコーン樹脂溶液(東レダウコーニング社製SR2400)と、酸化物粒子であるシリカ(SiO2)粒子(アドマテックス社製、粒径50nm)とを用意した。なお、シリコーン樹脂溶液(SR2400)は、溶剤であるトルエン中にシリコーン樹脂を50質量%の割合で溶解させたものである。
第1磁性粉末上に第2絶縁層(または第3絶縁層)を次のようにして形成した。
シリコーン樹脂からなる第2絶縁層の形成に際しては、100mlのビーカに各第1磁性粉末50gを入れ、それらの上から上記シリコーン樹脂溶液を、シリコーン樹脂量が表2に示す割合となるように添加した(第2接触工程)。また、シリコーン樹脂とシリカ粒子との複合絶縁層の形成に際しては、さらに上記シリコーン樹脂溶液を添加した上からシリカ粒子を表2に示す割合となるように添加した(第2接触工程)。
第1磁性粉末と種々の割合のシリコーン樹脂溶液等が添加されたそれぞれのビーカに、エタノール30mlを入れて、60℃以上の大気中で30分間撹拌を行い、エタノールを完全に揮発させた(第2接触工程)。
こうして、Sr−B−P−O系絶縁層からなる第1絶縁層が形成された磁性粉末上に、シリコーン樹脂からなる第2絶縁層またはシリコーン樹脂およびシリカ粒子からなる第2絶縁層(複合絶縁層)を形成した(第2絶縁層形成工程)。こうして、第1絶縁層および第2絶縁層で被覆された各種の磁心用粉末を得た。
(2)圧粉磁心の製造
得られた各種の磁心用粉末に対して、金型潤滑温間高圧成形法を行うことにより、リング状(外径:φ39mm×内径φ30mm×厚さ5mm)の試験片をそれぞれの試料ごとに製作した。このリング状試験片は主に磁気特性評価用である。なお、この圧粉磁心の成形に際して、内部潤滑剤や樹脂バインダー等は、一切使用しなかった。
この温間高圧成形は、具体的には次のようにして行った。
(a)上記の各試験片形状に応じたキャビティを有する超硬製の成形用金型を用意した。この成形用金型をバンドヒータで予め150℃に加熱しておいた。また、この成形用金型の内周面には、予めTiNコート処理を施し、その表面粗さを0.4Zとしておいた。
加熱した成形用金型の内周面に、水溶液に分散させたステアリン酸リチウムをスプレーガンにて、1cm3/秒程度の割合で均一に塗布した(塗布工程)。ここで用いた水溶液は、水に界面活性剤と消泡剤とを添加したものである。界面活性剤には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80を用い、それぞれを水溶液全体(100体積%)に対して1体積%づつ添加した。また、消泡剤には、FSアンチフォーム80を用い、水溶液全体(100体積%)に対して0.2体積%添加した。
また、ステアリン酸リチウムには、融点が約225℃で、粒径が20μmのものを用いた。その分散量は、上記水溶液100cm3に対して25gとした。そして、これをさらにボールミル式粉砕装置で微細化処理(テフロンコート鋼球:100時間)し、得られた原液を20倍に希釈して最終濃度1%の水溶液として、上記塗布工程に供した。
(b)ステアリン酸リチウムが内面に塗布されたその成形用金型へ、それと同温の150℃に加熱しておいた上記の各種磁心用粉末を充填した(充填工程)。
(c)成形用金型を150℃に保持したまま、1176MPaの成形圧力で、充填された各種磁心用粉末を温間加圧成形した(成形工程)。
なお、この温間高圧成形に際して、いずれの磁心用粉末も成形用金型とかじり等を生じることがなく、5MPa程度の低い抜圧で粉末成形体をその金型から取出すことができた。
(d)得られた粉末成形体に、大気中で、焼鈍温度:500℃または600℃、焼鈍時間:30分の焼鈍を適宜施した。なお、一部の試験片(試料No.4−5)は、焼鈍温度を650℃として酸化防止雰囲気(Arガス雰囲気)中で焼鈍を行った。
(比較例)
前述したガスアトマイズ粉からなる磁性粉末に、第1絶縁層であるSr−B−P−O系絶縁層を形成せずに、実施例と同様にしてシリコーン樹脂からなる絶縁層を直接被覆した磁心用粉末を用意した。この磁心用粉末を用いて、実施例と同様に温間高圧成形を施し、得られた粉末成形体に焼鈍を施した。シリコーン樹脂量等は表2に示した。
(絶縁被膜の評価)
上記試験片を用いて、それらの絶縁被膜の耐熱性を評価した。評価方法としては、500℃で焼鈍した試験片と、600℃で焼鈍した試験片との2種をそれぞれ用意し、各々について比抵抗を適宜測定した。なお、比抵抗の測定は、マイクロオームメータ(メーカ:ヒューレットパカード(HP)社、型番:34420A)を用いて4端子法により測定した(以下、同様)。その測定結果を表2に示す。
実施例に係る試験片はいずれも、500℃焼鈍後の比抵抗値が100μΩmを超えており、高い耐熱性を示した。一方、比較例の試験片では、500℃焼鈍後の比抵抗値が10μΩm以下となっていた。従って、実施例に係る試験片の500℃焼鈍後の比抵抗値は、比較例のものに対して10〜10000倍にも向上することが確認された。特に、シリカ粒子を含む実施例の試験片の比抵抗値は、測定レンジをOverする程に十分高いものであった。このことから、シリカ粒子を含む試験片の絶縁被膜は、500℃焼鈍に対して十二分の耐熱性を有することが明らかとなった。
一方、600℃焼鈍を行った場合を観ると、シリカ粒子を含まない試験片の比抵抗値はいずれも急減した。特に、水アトマイズ粉からなる試験片の場合、比抵抗値は10μΩm以下にまで低下した。これに対して、シリカ粒子を含む試験片の比抵抗値は、600℃焼鈍後であっても十分に高いものであった。その比抵抗値は少なくとも10μΩmを優に超え、特にガスアトマイズ粉からなる試験片の場合は、比抵抗値が1000μΩmさらには1000μΩmを超えるものもあった。このことから、シリコーン樹脂とシリカ粒子とを組み合わせた絶縁被膜は、500℃焼鈍のみならず、600℃焼鈍に対しても十分な耐熱性を有することが明らかとなった。
また、対応する水アトマイズ粉からなる試験片とガスアトマイズ粉からなる試験片とをそれぞれ比較すると、ガスアトマイズ粉からなる試験片の第1絶縁層量が少ないにも拘らず、その比抵抗値は概して大きかった。
(圧粉磁心の評価)
それぞれの試験片を用いて、それらの磁気的特性、電気的特性および密度を測定した。この結果を表3に示した。
なお、磁気的特性の内、静磁場特性は直流自記磁束計(メーカ:東英工業、型番:MODEL−TRF)により測定した。交流磁場特性は交流B−Hカーブトレーサ(メーカ:岩崎通信機(株)、型番:SY−8232)により測定した。表中の交流磁場特性は、圧粉磁心を400Hzまたは800Hzで1.0Tの磁場中に置いたときの鉄損を測定したものである。表中のPhはヒステリシス損失、Peは渦電流損失、Pcは鉄損(Pe+Ph)であり、Pcmは質量比鉄損(単位質量あたりの鉄損)である。
また、静磁場中の磁束密度は、その磁界の強さを順次2、5、8、10、16、20kA/mと順次変更していったときにできる磁束密度を示したものである。表3中では、それぞれB2k、B5k、B8k、B10k、B16k、B20kと示した。表中のμmは最大透磁率である。本明細書中で保磁力bHcは、最大磁場2kA/mでの磁化曲線から測定した値である。なお、密度は、アルキメデス法により測定した。
焼鈍温度500℃のものと600℃のものを比較すると、概して600℃の場合の方がヒステリシス損失が小さくなっていた。交流周波数が400Hzと800Hzとのものを比較すると、より低い周波数(400Hz)の方がヒステリシス損失の影響が大きく、焼鈍温度上昇(500℃→600℃)による鉄損の減少割合も大きかった。
対応する水アトマイズ粉からなる試験片とガスアトマイズ粉からなる試験片とを比較すると、交流周波数が400Hzの場合でも800Hzの場合でも、ガスアトマイズ粉からなる試験片の方が交流磁場特性が優れていた。なお、ガスアトマイズ粉からなる試験片の方が高密度で静磁場特性にも優れているが、これには第1絶縁層量が少ないことも起因している。逆にいえば、ガスアトマイズ粉からなる試験片の方は、絶縁被膜量を少なくしつつも、さらなる鉄損の低減と磁気特性の向上を併せて図ることができた。
以上のように、本発明の絶縁被膜を備えた圧粉磁心は、焼鈍によって残留歪みが除去されてヒステリシス損失が低減すると共にその焼鈍後にも十分な比抵抗値を維持して渦電流損失が抑制されるので、全体的な鉄損を十分に低減することができた。さらに、本発明の絶縁被膜は耐熱性に優れるので、比較的少ない絶縁被膜量でもそのような鉄損の低減が可能となり、結果的に磁気特性(特に磁束密度)を高めることも可能となった。
Figure 2006005173
Figure 2006005173
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本発明に係る磁心用粉末の様子を示す模式図であり、酸化物粒子が内部分散した第2絶縁層(複合絶縁層)が第1絶縁層上に形成されている場合を示す。 本発明に係る磁心用粉末の様子を示す模式図であり、第1絶縁層を被覆する第2絶縁層上にさらに酸化物粒子が分散した第3絶縁層が形成されている場合を示す。 本発明の圧粉磁心が満たす特性領域を示し、横軸を比抵抗、縦軸を磁束密度としたグラフである。

Claims (27)

  1. 少なくともリン(P)および酸素(O)からなる第1元素群とシャノン(Shannon,R,D)により定義された6配位のイオン半径が0.073nm以上である2価以上の陽イオンを生じ得る第2元素とからなる第1絶縁層と、
    該第1絶縁層を被覆するシリコーン樹脂からなる第2絶縁層とを有することを特徴とする絶縁被膜。
  2. 前記第2絶縁層は、前記シリコーン樹脂中に酸化物粒子が分散した複合絶縁層である請求項1に記載の絶縁被膜。
  3. さらに、前記第2絶縁層上に設けられ、酸化物粒子から主になる第3絶縁層を有する請求項1に記載の絶縁被膜。
  4. 前記酸化物粒子は、Si、Zr、MgまたはAlの1種以上の酸化物からなる請求項2または3に記載の絶縁被膜。
  5. 前記第2元素は、アルカリ土類金属元素および/または希土類元素(R.E.)の少なくとも1種以上である請求項1記載の絶縁被膜。
  6. 前記アルカリ土類金属元素は、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)のいずれかであり、
    前記希土類元素は、イットリウム(Y)である請求項5に記載の絶縁被膜。
  7. 前記第1元素群は、網目形成体を構成する元素であり、
    前記第2元素は、網目修飾体を構成する元素であり、
    前記第1絶縁層は、該網目形成体と該網目修飾体とによって形成されたガラス状絶縁層である請求項1記載の絶縁被膜。
  8. Feを主成分とする磁性粉末と、
    該磁性粉末の表面を被覆する請求項1に記載の絶縁被膜と、
    からなることを特徴とする磁心用粉末。
  9. Feを主成分とする磁性粉末の表面を請求項1に記載の絶縁被膜で被覆した磁心用粉末を加圧成形してなることを特徴とする圧粉磁心。
  10. 前記シリコーン樹脂は、前記磁性粉末全体を100質量%として、0.05〜0.8質量%含まれる請求項9に記載の圧粉磁心。
  11. 耐熱温度が500℃以上である請求項9または10に記載の圧粉磁心。
  12. Feを主成分とする磁性粉末の表面を請求項2または3に記載の絶縁被膜で被覆した磁心用粉末を加圧成形してなることを特徴とする圧粉磁心。
  13. 前記磁性粉末全体を100質量%として、
    前記シリコーン樹脂は0.05〜0.8質量%含まれ、
    前記酸化物粒子は0.05〜0.5質量%含まれる請求項12に記載の圧粉磁心。
  14. 前記磁性粉末の粒径は20〜300μmであり、
    前記酸化物粒子の粒径は10〜100nmである請求項13に記載の圧粉磁心。
  15. 耐熱温度が600℃以上である請求項12〜14のいずれかに記載の圧粉磁心。
  16. 前記磁性粉末の粒径は20〜300μmであり、
    前記絶縁被膜の膜厚は10〜100nmである請求項9または12に記載の圧粉磁心。
  17. 前記磁性粉末全体を100質量%として、前記第1絶縁層は1〜4質量%である請求項9または12に記載の圧粉磁心。
  18. 前記磁性粉末は、Feと不可避不純物とからなる純鉄粉である請求項9または12に記載の圧粉磁心。
  19. 前記磁性粉末は、ガスアトマイズ粉である請求項9、12または18のいずれかに記載の圧粉磁心。
  20. 使用される周波数域が2000Hz以下である請求項9または12に記載の圧粉磁心。
  21. 絶縁被覆される被処理材を、シャノンにより定義された6配位のイオン半径が0.073nm以上である2価以上の陽イオンを生じ得る元素の化合物および/または塩とリン酸とを混合して溶液とした第1被覆処理液に接触させた後に乾燥させて、該被処理材の表面に第1絶縁層を形成させる第1絶縁層形成工程と、
    該第1絶縁層が形成された被処理材をシリコーン樹脂を含む第2被覆処理液に接触させて該第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程とからなり、
    該被処理材上に請求項1に記載の絶縁被膜が形成されることを特徴とする絶縁被膜の製造方法。
  22. 絶縁被覆される被処理材であるFeを主成分とする磁性粉末の表面に、請求項21に記載の絶縁被膜の製造方法によって、請求項1に記載の絶縁被膜が形成された磁心用粉末が得られることを特徴とする磁心用粉末の製造方法。
  23. 請求項1に記載の絶縁被膜がFeを主成分とする磁性粉末の表面に被覆されてなる磁心用粉末を成形用金型に充填する充填工程と、
    該成形用金型内の磁心用粉末を加圧成形する成形工程と、
    からなることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  24. 前記充填工程は、高級脂肪酸系潤滑剤を内面に塗布した前記成形用金型へ前記磁心用粉末を充填する工程であり、
    前記成形工程は、該磁心用粉末と該成形用金型の内面との間に金属石鹸皮膜を生成させる温間高圧成形工程である請求項23に記載の圧粉磁心の製造方法。
  25. さらに、前記成形工程後に得られた粉末成形体を焼鈍する焼鈍工程を備える請求項23に記載の圧粉磁心の製造方法。
  26. 前記焼鈍工程は、焼鈍温度を450℃以上とする工程である請求項25に記載の圧粉磁心の製造方法。
  27. 請求項26に記載の圧粉磁心の製造方法によって得られたことを特徴とする圧粉磁心。
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