JP2005331364A - 水素ガス検知膜及び水素ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】高感度かつ高速応答性を有する水素ガス検知膜を用いた水素ガスセンサ
【解決手段】絶縁基板上に設けられた一対の電極20上に、水素ガスを解離して発生されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する所定の膜厚の検知膜10を有する水素ガスセンサであって、前記検知膜10は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステン1の表面に酸化状態の触媒金属を含有する。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁基板上に設けられた一対の電極20上に、水素ガスを解離して発生されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する所定の膜厚の検知膜10を有する水素ガスセンサであって、前記検知膜10は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステン1の表面に酸化状態の触媒金属を含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、水素ガスを解離して発生されるプロトンにより、酸化タングステンを主成分とする微粒子酸化タングステンの集合体からなる膜が還元されて電気抵抗が変化する水素ガス検知膜および水素ガスセンサに関するものである。
水素ガスセンサとしては、半導体式センサ、固体電解質センサ、接触熱変換方式センサ、熱伝導式センサ、光検知式センサなど点センサや、光学導波路や光ファイバのクラッドに光学的に水素検知を行う検知膜を有する面センサがある。ガスの自由化や水素燃料社会の到来において、23℃から25℃の常温で水素を含むガス検知が可能で、高速応答性を有し高感度で、かつ信頼性に優れた水素ガスセンサが望まれている。従来の水素を含むガスセンサとしては、種々の添加物を有する酸化スズ(SnO2)センサならびに酸化鉄(γ―Fe2O3)センサがある。これらのセンサは、動作温度が350℃と高く、動作温度に伴う消費電力が高いという問題があり、常温付近で十分な感度と応答性を有する水素ガスセンサが望まれていた。
石英ガラス、酸化シリコンまたはセラミックス等からなる絶縁基板上に真空蒸着法により酸化タングステン(WO3)薄膜を形成し、水素を含むガスによる電気抵抗変化を利用する水素ガスセンサが提案され開発されてきた。酸化タングステンからなる半導体表面に還元性ガスが接触すると電気抵抗に変化が生じることは公知である。
石英ガラス基板上に金属タングステンを真空蒸着して、然る後に金属タングステンを酸化して酸化タングステンを形成する。さらに前記酸化タングステン上に白金薄膜を成膜して積層型薄膜ガスセンサを作製する。前記積層型薄膜ガスセンサを用いて、空気中に0.1%の水素ガスを入れた混合ガスを用いて、水素ガス暴露による電気抵抗の変化について検討している。しかしながら本方法では、金属タングステンの酸化条件により、水素ガスの検出感度のばらつきが発生するという問題がある。これは酸化タングステンの膜厚方向の不均一性による酸化タングステンの構造が不安定であることによる。また本文献では酸化タングステンの構造と水素ガスの検出感度の関係については記載がなかった。(非特許文献1;APPLIED PHYSICS Letters,11巻、No.8, 1967年、255〜257頁、P. J. Shaver)
石英ガラス、酸化シリコンまたはセラミックスからなる絶縁基板上に酸素を含む不活性ガス雰囲気中でスパッタ蒸着法を用いた薄膜ガスセンサにおいて、酸化タングステンWO3-δ(ここにδ<0.2)の薄膜からなることを特徴とする薄膜ガスセンサが記載されている。さらにWO3-δ薄膜の表面に貴金属または金属酸化物からなる活性化膜が設けられていることを特徴とする選択性薄膜ガスセンサも記載されている。しかしながら、これらの酸化タングステン膜は、水素ガスに対しては感度の低いものである。また本論文では活性膜である貴金属または金属酸化物の詳細な構造については言及されていない。(特許文献1;特開昭57−74648)
石英ガラス、酸化シリコンまたはセラミックスからなる絶縁基板上に酸素を含む不活性ガス雰囲気中でスパッタ蒸着法を用いた薄膜ガスセンサにおいて、酸化タングステンWO3-δ(ここにδ<0.2)の薄膜からなることを特徴とする薄膜ガスセンサが記載されている。さらにWO3-δ薄膜の表面に貴金属または金属酸化物からなる活性化膜が設けられていることを特徴とする選択性薄膜ガスセンサも記載されている。しかしながら、これらの酸化タングステン膜は、水素ガスに対しては感度の低いものである。また本論文では活性膜である貴金属または金属酸化物の詳細な構造については言及されていない。(特許文献1;特開昭57−74648)
水素ガスセンサに関して、同一基板上に設けられた一対の電極上にまたがって、アモルファス酸化タングステン薄膜を設け、さらにその上に白金もしくはパラジウムを島状に形成した水素ガスセンサの開示がある。本構造は酸化タングステン薄膜を利用する水素ガスセンサにおいて、抵抗加熱蒸着法を用いて所定の密度を有するアモルファス酸化タングステン薄膜になるように製造することにより水素ガスの検出感度を増加させるものである。しかしながら該アモルファス酸化タングステン薄膜においては密度制御が困難であり、信頼性に乏しく、また湿度の影響を受けやすいという問題があった。これはアモルファス酸化タングステン薄膜の構造不安定性によるものである。またアモルファス酸化タングステン薄膜上の白金薄膜は、水素ガス以外の可燃性ガスの影響を受けやすく、水素ガスの検出感度のばらつきが生じる。パラジウムも水素脆弱性のために水素ガスの検出感度が次第に劣化するという問題がある。(特許文献2;特許公報1799658)
一酸化炭素(CO)、水素(H2)及び炭化水素のような可燃性ガス濃度に応じて感応層の電気抵抗が変化するガスセンサにおいて、セラミックス基板上に酸化錫(SnO2)などn型半導体金属酸化物をベースとするガス感応層を有し、前記感応膜が半導体金属酸化物材料の焼結された粒子の結合体を有し、かつ結合体の表面に金及び/または金合金で被覆された可燃性ガスセンサが記載されている。しかし、水素ガスに関しては感度の低いものであった。(特許文献3;特表平10−510919)
一酸化炭素(CO)、水素(H2)及び炭化水素のような可燃性ガス濃度に応じて感応層の電気抵抗が変化するガスセンサにおいて、セラミックス基板上に酸化錫(SnO2)などn型半導体金属酸化物をベースとするガス感応層を有し、前記感応膜が半導体金属酸化物材料の焼結された粒子の結合体を有し、かつ結合体の表面に金及び/または金合金で被覆された可燃性ガスセンサが記載されている。しかし、水素ガスに関しては感度の低いものであった。(特許文献3;特表平10−510919)
常温動作のために水素ガスの吸着解離を行う触媒金属を酸化タングステン(WO3)に付着させる試みがある。John E. Benson, H.W. Kohn, and Michel Boudartらは、酸化タングステン(WO3)の粉体を塩化白金酸(H2PtCl6)と混練し、基板上にスクリーン印刷し、大気中425℃で10時間、引続き大気中600℃で3時間仮焼処理することにより白金混合酸化タングステンからなる水素ガス検知膜を合成している。その結果、白金混合酸化タングステンからなる水素ガス検知膜を用いて常温で水素ガス暴露を行ったところ水素ガス検知膜の重量が増えることから、白金混合酸化タングステンにおいて水素ガスの検出感度が増加すると推定している。しかしながら、本論文では酸化タングステンの構造やその結晶状態、さらには白金の構造やその結晶状態と、水素ガスの検出感度との関係には言及していない。また本論文には水素ガス暴露による色相変化や電気抵抗の変化の記述もない。(非特許文献2、JOUNAL OF CATALYSIS Vol.5,pp307−313(1966))
また、常温動作可能なセンサの実現に向けて、酸化タングステン薄膜の結晶状態に注目し、酸化タングステン薄膜のX線回折パターン(001)指数のX線回折強度を増やし、X線回折パターン(001)指数の結晶面を増大させた酸化タングステン薄膜と触媒金属との積層構造を備えたことを特徴とする色相変化を利用する高感度な光検知式水素センサが開示されている。本特許では、X線回折パターン指数(001)に高い配向性を有する結晶膜として酸化タングステン薄膜を形成することで水素ガス検知時の光吸収量のばらつきを低減し、したがって水素ガスの検出感度のばらつきを抑制することができると記載されている。しかしながら、酸化タングステン(WO3)薄膜を酸素ガス中においてアニール処理する際の処理温度を増加させるとともに指数(001)の結晶面のX線回折強度は増大するが、水素ガスの検出感度は単調増加せずに減少する。また、本特許においては水素ガスの検出感度と、酸化タングステン(WO3)薄膜のX線回折パターン指数(001)の結晶面のX線回折強度との関係が開示されていない。さらに、上記特許に開示されている触媒金属として、パラジウム薄膜を酸化タングステン薄膜上に積層構造とする水素センサの場合には、水素暴露サイクル試験を行うと、水素化によるパラジウムの脆弱性により水素感度が劣化するという問題がある。一方他の実施例である触媒金属として白金薄膜を酸化タングステン薄膜上に積層構造とする水素センサの場合には、水素ガス以外のガスの影響を受けやすく、水素ガスの検出感度のばらつきが生じるという問題がある。(特許文献4;特開昭62−257047号公報参照)
P.J.Shaver著、APPLIED PHYSICS Letters,11巻、No.8, 1967年、255〜257頁 John E. Benson, H.W. Kohn, and Michel Boudart著、JOUNAL OF CATALYSIS、5巻、1966年、307〜313頁 特開昭57−74648号公報
特許第1799658号公報
特表平10−510919号公報
特開昭62−257047号公報
P.J.Shaver著、APPLIED PHYSICS Letters,11巻、No.8, 1967年、255〜257頁 John E. Benson, H.W. Kohn, and Michel Boudart著、JOUNAL OF CATALYSIS、5巻、1966年、307〜313頁
しかしながら、従来の構成による水素を含むガス漏洩検知センサは,常温付近での水素ガスの検出感度が低く、応答速度が非常に遅く、長期信頼性に乏しいという実用上の課題を有していた。
本発明は、従来の課題を解決するもので、常温付近での水素を含むガスの検出感度を増大させ,併せて、水素ガスに対して高速な応答性を有する水素ガス検知膜を提供するとともに、その水素ガス検知膜を用いた水素ガスセンサを提供することを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明の水素検知膜は、水素ガスを解離して生成されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する水素ガス検知膜であって、前記検知膜は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステンの表面に酸化状態の触媒金属を含有することを特徴としたものでる。
また、本発明は、絶縁基板上に設けられた一対の電極上に、水素ガスを解離して発生されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する所定の膜厚の検知膜を有する水素ガスセンサであって、前記検知膜は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステンの表面に酸化状態の触媒金属を含有することを特徴としたものである。
また、本発明は、絶縁基板上に、水素ガスを解離して発生されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する所定の膜厚の検知膜と、前記検知膜上に一対の電極を備える水素ガスセンサであって、前記検知膜は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステンの表面に酸化状態の触媒金属を含有することを特徴としたものである。
以上のように、本発明によれば、常温付近で水素ガスの検出感度を増大させ,また水素ガス応答性の速い水素を含むガス検知膜を提供するとともに、その水素ガス検知膜を用いた高感度で高速応答性を有する水素ガスセンサを実現することができる。
水素ガスの検出感度の向上を目的として、検知膜である酸化タングステンの合成条件を種々検討した結果、酸化タングステンを微粒子化し、該微粒子酸化タングステンの結晶状態、微粒子酸化タングステンの平均粒子径、微粒子酸化タングステンの酸素欠陥状態、さらに微粒子酸化タングステンの酸素とタングステンの原子数比、さらに、微粒子酸化タングステン表面に含まれている触媒金属の酸化状態、触媒金属の種類、及び触媒金属の平均粒子径に最適条件があることを発明者らは見出した。
触媒金属を酸化状態にすることにより、触媒金属は電子の引き抜き(電子受容体)能力が高まり、水素ガス(H2)の触媒金属上での吸着解離する速度を増加せしめ、プロトン(H+)の発生速度を増大させることにより、水素ガスの検出速度と検出感度の両方を向上させる。したがって、水素ガスの検出において高速応答性と高感度化を実現できる。さらに微粒子酸化タングステンにおいて、酸化タングステンの構造を制御することにより微粒子酸化タングステン中の酸素欠陥(Vacancy)数を最適化し、水素の検出感度を向上させることができる。この酸素欠陥は、プロトン導電チャネルとして作用するとともに、電子キャリア濃度の増加をもたらし、両方の効果により検知膜の電気導電率を向上させ、水素ガスの検出感度を増大させる。
触媒金属上で生成されたプロトンと電子は、水素ガス検知膜の主成分である微粒子酸化タングステンの酸素空孔(Vacancy)をそれぞれ移動し、その際に微粒子酸化タングステンのタングステン(W)がW6+からW5+へと還元されて、タングステンブロンズ(HxWO3)が形成される。その結果、微粒子酸化タングステンの電気導電率が数桁増加する。したがって、上記微粒子酸化タングステンで構成される薄膜の電気抵抗の変化により水素ガスの漏洩検知ができる。なお、酸化タングステンからタングステンブロンズが形成される際に、ガス検知膜の色が薄黄緑色から濃青色へと変化するので、色相変化による水素ガス漏洩検知も可能である。
以下に、水素ガス検知膜及びそれを用いた水素ガスセンサについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1における水素ガスセンサ図2の水素ガス検知膜10の拡大断面図であって、図2および図10の水素ガスセンサの断面A−A‘の拡大図である。
図2において水素ガス検知膜10の構造は、図1の拡大されて示される水素ガス検知膜6で表される。図1は、本発明の水素ガス検知膜10の断面構造を説明するために、拡大強調している。水素ガス検知膜6の膜厚としては、100nm〜5μmであり、水素ガス検知膜6は粒径15nmから80nmの微粒子酸化タングステン1の集合体で構成され、隙間3を有する。隙間3は、水素ガス検知膜製造時において350℃〜600℃で熱処理する際に、後述の微粒子酸化タングステンの合成材料であるコロイド溶液に含まれる水やアルコールの溶媒成分が蒸発することで形成される。微粒子酸化タングステン集合体の隙間3の構造はガスの吸着に関係し、隙間3が多いほど水素ガスの吸着面積が多くなり、水素ガスの検出感度は向上する。微粒子酸化タングステン1の表面には、粒径2nm〜35nmの触媒金属2を有する。微粒子酸化タングステン1の粒径は、触媒金属2の微粒子の粒径より大きい方が好ましく、触媒金属2は微粒子酸化タングステンの表面に露出する面積が広いほど、水素ガスの吸着解離作用が大となり、プロトン生成量が多くなる。図1では、微粒子酸化タングステン表面に複数の金属触媒2が存在するように示されているが、微粒子酸化タングステン表面の触媒金属の個数を限定するものではない。
酸化タングステンの集合体と隙間で構成される水素ガス検知膜10を密度で定量的に表すと、本発明においては、微粒子酸化タングステンからなる水素ガス検知膜10の充填密度は4.0g/cm3〜12.0g/cm3、好ましくは4.2g/cm3〜6.5g/cm3が、水素ガスの検出感度が高い。
図1で示す水素ガス検知膜6の構造を有する水素ガスセンサ70の製造法を図2の水素ガスセンサの模式図を用いて以下に詳細に説明する。
図2において、水素ガス検知膜10の構造は、図1の拡大されて示される水素ガス検知膜6で表される。
電極20は、絶縁基板30上に、金(Au)または金合金、白金(Pt)または白金合金、またはモリブデン(Mo)またはタンタル(Ta),またはニオブ(Nb)など高融点金属で耐腐食性の金属材料を蒸着法で形成する。蒸着法にはスパッタ蒸着、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング蒸着などが使用できる。然る後に公知のフォトリソグラフィ法により電極幅0.3mm、電極間隔0.1mm、電極長20mmの一対の電極を形成する。
また、電極形成方法としては、スクリーン印刷法や、インクジェット法により電極を形成してもよい。この際に、700℃以上の耐熱性がある材料が好ましい。
また、電極形成方法としては、スクリーン印刷法や、インクジェット法により電極を形成してもよい。この際に、700℃以上の耐熱性がある材料が好ましい。
絶縁基板30としては、石英基板や、シリコン基板、炭化珪素(SiC)基板、セラミックス基板など電気的に絶縁性があればよく、具体的には、基板の電気導電率としては、微粒子酸化タングステンで構成される水素ガス検知膜の水素ガスに暴露されていない電気導電率10-4(Ω・cm)-1より小さく、かつ700℃以上の耐熱性があればよい。シリコン基板、炭化珪素(SiC)基板では、酸化珪素膜(SiOx;ここでxは1〜2)や窒素珪素膜(SiNx;ここでxは1.0〜1.33)など絶縁膜を形成し、該絶縁膜上にゾル・ゲル法により、微粒子酸化タングステンからなる水素ガス検知膜6または10を形成する。以下にゾル・ゲル法による微粒子酸化タングステンの製造方法の詳細を示す。
タングステン酸(H2WO4)2.5gをメタノール31mlに溶解させ、30分室温で攪拌し、純水18mlを加え、さらに触媒金属塩水溶液を所定量添加してタングステン酸(H2WO4)のコロイド溶液を得る。例えば触媒金属として白金を用いる場合には、タングステン酸のコロイド溶液に、塩化白金酸水溶液(H2[PtCl6]・xH2O)をタングステンに対する割合が、0.3〜30モル%添加することで触媒金属を含有するタングステン酸コロイド溶液を得る。
上記ゾル・ゲル合成では、還元剤としてメタノールを用いたが、メタノールに限定されるわけではなく、エタノール、プロパノール、ブドウ糖等種々の還元剤が使用可能であり、これら各還元剤によりゾル・ゲル状態を制御できる。ここで還元剤はタングステン酸の水素と、還元剤の水酸基が反応して脱水縮合が生じ酸化タングステンのゲル化が開始する。各還元剤により水酸基の解離速度の違いを利用することにより酸化タングステンのゾル・ゲル状態の安定化を制御することができる。
またタングステン酸の前躯体として、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4)水溶液を用い、H+イオン交換樹脂により、タングステン酸を得てもよい。
また、タングステン酸の前躯体としてアルコキシドタングステンを用いてもよい。
また、無水クロロタングステン(WCl6)と無水エタノールによりタングステン酸(H2WO4)コロイド溶液を得ることができる。
さらに、触媒金属塩としては、無機塩でも有機塩でも良い。例えば、無機塩では塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩等が、有機塩では、カルボン酸塩、ジカルボン酸塩やアセチルアセトン錯塩が挙げられる。
次に、水素ガスセンサ70の製造方法について説明する。
絶縁基板上に予め設けられた一対の電極20上に、触媒金属を含むタングステン酸のコロイド溶液をスピンコーティングにより塗布して微粒子酸化タングステンからなる水素ガス検知膜10を膜厚100nm〜5μm、好ましくは膜厚200nm〜3μm形成する。
なお酸化タングステンの塗布方法は上記スピンコーティングに限定されるものではなく、一対の電極を覆うように形成できればよく、スクリーン印刷法やインクジェット法を用いてもよい。
然る後に、仮焼温度350℃から700℃で空気50ml/minのフロー状態で5時間仮焼処理することで、白金触媒金属を表面に一部含有して酸化タングステンは結晶化し、そしてその結晶化した微粒子酸化タングステンが集合化した水素ガス検知膜6からなる、膜厚100nm〜3μmからなる検知膜10を有する水素ガスセンサ70を作製した。なお仮焼処理により、コロイド溶液中に含まれていた溶媒である水やアルコール成分が蒸発し、水素ガス検知膜10の焼成後の膜厚は、焼成前の膜厚に比べて約40%〜60%に減少する。また水素ガス検知膜6は、隙間3を有する。
そして、リード線40を形成するために一対の電極20それぞれの一端を露出させ、Agペーストでリード線40を形成し、DC電源60で電界強度10V/cm程度を印加する。一対の電極20間の電気抵抗値または、電気導電率を測定するために、微小電流計50を接続し、水素ガスの検出感度、及び応答性を測定する。
微小電流計の代わりに交流インピーダンス測定装置を用いてもよく、本発明は測定方法に限定されるものでない。そして、水素ガス検知層10は一対の電極20を覆えばよい。
水素ガスの検出感度は、図2に示す測定系を用いて、動作温度25℃において、空気中で水素ガス濃度1%とし、相対湿度は50%の条件で行う。
ここで水素ガスの検出感度とは、水素ガスに暴露しない状態の抵抗値R0と空気中で水素ガス1%濃度暴露状態の電気抵抗Reとの比(=R0/Re)で表す。即ち、水素ガスの検出感度=R0/Re で表される。
水素ガスの検出感度としては、感度ばらつき及びまたは応答速度のばらつきを考慮すると、R0/Reが10以上、好ましくは100以上が、水素ガスセンサとして必要である。
なお、水素ガスを検知すると、水素ガス検知膜10は、触媒金属上で水素ガスを吸着解離してプロトンを生じさせ、そのプロトンが微粒子酸化タングステンに注入され、微粒子酸化タングステンを還元することにより、酸化タングステンを主成分とする微粒子の集合体からなる水素ガス検知膜は薄緑色から青色への色相変化を呈し、同時に水素ガスにより水素ガス検知膜10の電気抵抗が減少する。
この水素ガスの検出感度を実現する水素ガス検知膜の構造にについて発明者は以下の検討を行った。
まず、微粒子酸化タングステンに表面に含有する触媒金属量と水素ガスの検出感度との関係について以下に検討した。
触媒金属は、前述のゾル・ゲル合成時のタングステン酸コロイド溶液に、触媒金属塩水溶液として所定量添加する。例えば触媒金属として白金を用いる場合には、タングステン酸のコロイド溶液に、塩化白金酸水溶液(H2[PtCl6]・xH2O)を0.0125mol/lを4ml、8ml、24ml、48ml、80mlを加えることにより、タングステンに対する白金触媒のモル比がそれぞれ0.5%、1%、3%、6%、10%の白金触媒を含有するタングステン酸のコロイド溶液を得る。それらのコロイド溶液を予め形成された一対の電極を覆うようにスピンコーティングで塗布し、然る後に仮焼温度350℃から700℃の温度範囲で空気50ml/minのフロー状態で5時間仮焼処理をすることにより、図2に示すガスセンサを作製する。なお酸化タングステンの塗布方法は上記スピンコーティングに限定されるものではなく、一対の電極を覆うように形成できればよく、スクリーン印刷法やインクジェット法などの工法が適用できる。
水素ガスの検出感度は、室温25℃、空気中水素ガス濃度1%とし、相対湿度50%の条件で測定した。併せてガスセンサ素子の微粒子酸化タングステンの結晶性、表面状態、また水素ガスの検出感度と、触媒金属量、また触媒金属の酸化状態との関係を調べた。
なお、上記熱処理温度と時間など仮焼処理条件は、上記作製条件に限定されるものではなく、本発明の酸化タングステン検知膜の構造である、微粒子酸化タングステンを主成分とし、それらの微粒子酸化タングステンの表面に酸化状態の触媒金属を含有すれば水素ガスの吸着解離が容易になり、酸化状態の触媒金属を含有すれば酸化状態の触媒金属は電子受容体として作用するので、各触媒金属の酸化還元電位に応じた水素ガスの検出感度を実現できる。
図3に本発明の触媒金属を含む微粒子酸化タングステンの集合体で構成される水素ガス検知膜10のX線回折パターンを示す。ここでは、触媒金属を白金とし、タングステンに対する割合が3モル%の場合であり、各X線回折パターンの凡例は、水素ガス検知膜を製造する際の仮焼温度である。X線回折パターンを観察すると、X線回折角2θ=20°から30°において酸化タングステンのX線回折メインピークが見られ、X線回折角2θ=30°より広角度には、高次のX線回折ピークが見られることから、水素ガス検知膜10は結晶構造を有することがわかる。特に2θ=24.2°は酸化タングステンの三斜晶系(triclinic)のメイン回折ピーク結晶格子面指数(200)に相当し、2θ=23.1°は酸化タングステンの単斜晶系(monoclinic)のメイン回折ピーク結晶格子面指数(001)である。なお図3においては、酸化タングステンの三斜晶系のその他のピーク(020)も示している。
また、酸化タングステンのX線回折メインピークの回折強度は、タングステンに対する触媒金属の割合の増加にともない減少するが、触媒金属のタングステンに対する割合が0.3〜30モル%では酸化タングステンのX線回折ピークが見られることから結晶相の存在が確認できる(図示せず)。
一方、走査型電子顕微鏡(SEM)の水素ガス検知膜の観察によれば、水素ガス検知膜は、酸化タングステンの微粒子の集合体であることが確認され、微粒子酸化タングステンの平均粒子径をSEMによる約100個の粒子径度数分布より算出した結果、微粒子酸化タングステンの平均粒子径は15nm〜100nmであった。したがって、X線回折パターンと走査型電子顕微鏡(SEM)の観察から、水素ガス検知膜は、平均粒子径15nm〜100nmの微粒子酸化タングステンの集合体であり、各微粒子酸化タングステンは、結晶化していることを確認した。
図4に、図3の酸化タングステンのX線回折パターンより求めた酸化タングステンの三斜晶系(triclinic)と単斜晶系(monoclinic)のX線回折メインピークの比(=(001)/(200)と水素ガスの検出感度依存性を示す。図4においては、水素ガス検知膜の合成法にはゾル・ゲル法を用いて、ゾル・ゲル合成時の触媒金属は白金とし、タングステンに対する白金触媒のモル比が3%の場合とした。仮焼条件は、空気50ml/minで仮焼温度を350℃から700℃の範囲で5時間仮焼処理し、仮焼処理後に室温に戻し、水素ガス検知膜10のX線回折パターンの測定を行った。なお水素ガスの検出感度は、図2の測定系を有する水素ガスセンサ70を用いて測定した。測定条件は、動作温度25℃、空気中水素ガス濃度1%とし、相対湿度は50%の条件である。
図4に示すようにメインピークの比(=(001)/(200))は、仮焼処理温度の上昇とともに増加する。水素ガスの検出感度に関しては、メインピークの比(=(001)/(200))を、0.53から0.94とすることにより、水素ガスの検出感度R0/Reが10以上となる水素ガスセンサ70を実現できる。この水素ガス検出の高感度化のメカニズムは、酸化タングステン水素検知膜が、2つの結晶相を有する場合に結晶相の界面でずれ変質層(shear defect)が形成される。この変質層には酸素欠陥が形成されやすく、電子濃度が増加するとともに、プロトン移動のパスが形成されやすい。したがって高移動度のプロトン導電が得られて、電気導電率が増加するためと考えている。なお、ここでは、三斜晶系(triclinic)と単斜晶系(monoclinic)のX線回折パターンのメインピークの比で、2つの結晶相が有する場合に、水素ガスの検出感度が増大することを説明するものであり、本発明は、酸化タングステン水素検知膜6の三斜晶系(triclinic)のメイン回折ピーク結晶格子面指数(200)と、単斜晶系(monoclinic)のメイン回折ピーク結晶格子面指数(001)に限定されるものではない。
図5に微粒子酸化タングステンの平均粒子径と水素ガスの検出感度との関係を示す。微粒子酸化タングステンの平均粒子径は微粒子酸化タングステン形成時のゾル・ゲル合成において、処理温度と処理時間により制御する。図5のガス感度特性の測定に供した微粒子酸化タングステンは、ゾル・ゲル合成時において、タングステン酸(H2WO4)2.5gをメタノール31mlに溶解させ、30分室温で攪拌し、純水18mlを加えコロイド溶液を作製した。触媒金属としては白金を採用し、タングステン酸のコロイド溶液に、塩化白金酸水溶液を0.0125mol/lを8ml添加し、予め形成した一対の電極20を覆うように絶縁基板30上に、上記コロイド溶液をスピンコーティングで塗布し、仮焼条件として空気50ml/minのフロー状態で、仮焼温度を300℃から800℃の範囲でそれぞれ5時間加熱し室温25℃に自然冷却した。
微粒子酸化タングステン1の平均粒子径は、各仮焼条件の試料において走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて微粒子酸化タングステン約100個の粒子径の度数分布より平均粒子径を算出した。水素ガスの検出感度の測定は、図2の評価系により各仮焼条件にて水素ガス検知膜を作製した水素ガスセンサ70を用いて行った。
水素ガス検知膜は、図1、図2、図10においても同じ構造を有し、図5からわかるように、本発明の水素ガス検知膜6または10の構成する微粒子酸化タングステン1は、平均粒子径(短い方の長さ)が15nmから80nmの場合に水素ガスの検出感度10以上が得られる。この水素ガスの検出感度向上の理由は、微粒子酸化タングステンの平均粒子サイズを15nmから80nmとすることにより触媒金属が吸着できる表面積を増やすことができ、水素ガスの高感度化を実現できるからである。一方、微粒子酸化タングステンの平均粒子サイズが15nmより小さくなると、触媒金属が吸着できる表面積が減るとともに、酸化タングステン中のプロトン及び電子の散乱が増え電気導電率が低下するために水素ガスの検出感度は減少する。
図6にX線光電子分光(X−ray photoelectron spectroscopy, XPS)測定より求めた微粒子酸化タングステンを構成する酸素原子数とタングステン原子数の比|O|/|W|と水素ガスの検出感度依存性を示す。酸素原子数とタングステン原子数の比は、島津製X線電子分光分析装置(型番AXIS−HSU)を用い、15KV、300Wの条件とし、X線源にはMgKα;1253.6eVを用いる。水素ガス検知膜6は、以下のゾル・ゲル法により合成する。
具体的には、タングステン酸(H2WO4)2.5gをメタノール31mlに溶融させ、30分室温で攪拌し、純水18mlを加えコロイド溶液を作製する。触媒金属として白金を採用し、タングステン酸のコロイド溶液に、濃度0.1モル/lの塩化白金酸水溶液を1.8ml、3.6ml、11ml、23mlを加えタングステンに対する白金触媒の割合が1.8モル%、3.6モル%、11モル%、23モル%の白金触媒を含有するタングステン酸コロイド溶液を合成する。仮焼条件は、空気50ml/minのフロー状態で、仮焼温度を350℃から700℃の範囲で5時間仮焼を行った。
仮焼後、室温25℃まで自然徐冷し、空気中水素ガス濃度1%、相対湿度50%とし、水素ガスの検出感度を測定した。
図6より、微粒子酸化タングステンを構成する酸素原子数とタングステン原子数の比|O|/|W|は、白金触媒のモル比に依存すること無く、仮焼温度を350℃から700℃に上昇させるとともに増加する。
図6において、特にタングステンに対する白金触媒の割合が1.8モル%の場合には、酸素原子数とタングステン原子数の比|O|/|W|が2.54で、水素ガスの検出感度16が得られ、|O|/|W|が2.60で水素ガスの検出感度の最大値320をとり、その後水素ガスの検出感度は、|O|/|W|の増加とともにやや減少傾向を示し、|O|/|W|=2.63では、水素ガスの検出感度80となる。したがって、タングステンに対する白金触媒の割合が1.8モル%の場合には、酸素原子数とタングステン原子数の比|O|/|W|は2.54から2.63の場合のガス検知膜が、水素ガスの検出感度10以上がえられ、水素ガスセンサの検知膜として好ましい。さらに好ましくは、|O|/|W|が2.56から、2.62で水素ガスの検出感度100以上を実現できる。
タングステンに対する白金触媒の割合が3.6モル%の場合には、酸素原子数とタングステン原子数の比|O|/|W|が2.54から2.63で、水素ガスの検出感度10以上が得られ、特に|O|/|W|が2.55から2.63の範囲で、水素ガスの検出感度100以上を得ることができる。
タングステンに対する白金触媒の割合を11モル%以上に増大させると、水素ガスの検出感度は減少する。
タングステンに対する白金触媒の割合23モル%では、水素ガスの検出感度は10以下であった。これは、白金触媒のタングステンに対する割合の増大とともに白金粒子が凝集し粒子が巨大となり、水素ガスが吸着する触媒金属の表面積が減少するからであると発明者は推測している。
上記の酸素欠陥による水素ガスの検出感度の向上は、微粒子酸化タングステンの酸素欠陥が増えることにより電子キャリア濃度が増え、電気導電率が増大するとともに、微粒子酸化タングステンのプロトンの入る隙間3が増え、各微粒子酸化タングステンに有効にプロトン伝導チャネルが形成されるためである。したがって、最適な酸素原子数とタングステン原子数の比|O|/|W|が存在する。酸素欠陥が多い、すなわち|O|/|W|が小さな領域で水素ガスの検出感度が減少するのは、仮焼温度が低いために酸化タングステンの粒子径が小さすぎて、酸化タングステンの粒界でのプロトン及び電子の散乱が伝導より優勢となり、電気導電率が低下して水素ガスの検出感度が低下すると考えている。
一方、|O|/|W|を増やすと水素ガスの検出感度が低下するのは、|O|/|W|が2.60以上の場合には、仮焼温度を550℃以上に加熱する必要があり、その範囲の仮焼温度においては仮焼温度の増大とともに、酸素欠陥が減少し電子キャリア濃度が低下するために電気抵抗が増加する影響と、仮焼温度を上げるとともに微粒子酸化タングステンの平均粒子径が増大することから、酸化タングステンの凝集化が生じ酸化タングステンの表面積が減少し、そのために酸化タングステン表面に吸着する触媒金属量が減るためと解釈される。
図7に微粒子酸化タングステンの表面に含有する白金金属触媒の酸化状態と水素ガスの検出感度との関係を示す。白金の酸化状態の測定は前述のX線光電子分光(XPS)測定により評価した。
図8に示すように白金金属触媒のX線光電子分光において結合エネルギ70.9eVに酸化していない金属状白金の電子状態4f2/7ピーク(Pt0)を有する。酸化状態の白金は、酸素との結合により高エネルギ側にケミカルシフトし、結合エネルギ73.7eVに2価の酸化状態の白金(PtO)ピークを呈する。さらに酸化が進み、4価の酸化状態の白金(PtO2)では、結合エネルギ74.5eVにピークが現れる。
合成した白金触媒を含む微粒子酸化タングステンのX線光電子分光測定において、図8に示すように結合エネルギ65eVから80eVの白金ピークにおいて、金属状態(Pt0)、2価の酸化状態(PtO)、4価の酸化状態(PtO2)にピーク分離を行う。それぞれのピーク分離の例を図8に点線で示す。ここで白金触媒の酸化状態の定義として、図1の白金の電子状態4f2/7の結合エネルギ位置70.9eVに現れるピーク面積と、2価の酸化状態白金の結合エネルギ73.7eVのピーク面積と、4価の酸化状態白金の結合エネルギ74.5eVに現れるピーク面積の和から、即ち、(XPS(1)/XPS(2))×100(%)の式を用いて酸化状態の白金の割合を算出する。
ここで、XPS(1)=XPSの白金酸化状態のピーク面積、XPS(2)=XPSの白金金属状態のピーク面積+XPSの酸化状態のピーク面積とする。
なお水素ガス検知層の作成にはゾル・ゲル合成法を用い、具体的にはタングステン酸(H2WO4)2.5gをメタノール31mlに溶融させ、30分室温で攪拌し、純水18mlを加えコロイド溶液を作製する。触媒金属として白金を採用し、タングステン酸のコロイド溶液に、濃度0.1モル/lの塩化白金酸(H2(PtCl6))水溶液4mlを加え、タングステンに対する白金触媒の割合が4モル%の白金触媒を含有するタングステン酸コロイド溶液を合成した。特に仮焼処理を空気50ml/minのフロー状態で、仮焼温度を350℃から700℃の範囲で5時間行い、仮焼温度により微粒子酸化タングステンの酸素欠陥を最適化することで、触媒金属である白金の酸化状態を制御した。
水素ガスセンサ感度は、前述と同様に図2に示した水素ガスセンサにより、測定温度25℃、空気中水素ガス濃度1%、相対湿度50%で測定した。
図7において前記ゾル・ゲル合成方法により得られた酸化タングステンに含まれる白金触媒金属の酸化状態と水素ガスの検出感度依存性を記号●で示す。
図7よりわかるように、仮焼温度400℃で、微粒子酸化タングステン表面に含有する白金触媒の酸化状態が18%でとなり、そのときの水素ガスの検出感度36を得る。ガスセンサとしては水素ガスの検出感度10以上が要求されることから、白金触媒の酸化状態10%以上となる仮焼条件、すなわち仮焼温度400℃、空気フロー条件50ml/minで5時間行うことが好ましい。
さらに仮焼温度を上げ500℃以上で、また、白金触媒の酸化状態30%が得られ、この酸化状態の白金触媒を有する微粒子酸化タングステンを主成分とするガスセンサ素子で、水素ガスの検出感度250を実現できる。これは、高感度な水素ガスセンサ素子に必要なガス感度100以上を満足するものである。前述の塩化白金酸を含むタングステン酸のコロイド溶液においては、仮焼温度450℃から650℃と上昇させるとともに白金触媒の酸化状態は30%から78%と増加する。水素ガスの検出感度は白金触媒の酸化状態約60%で最大値約1000をとる。しかしながら、白金触媒の酸化状態が約60%を超えると、水素ガスの検出感度は減少する。
その他のゾル・ゲル合成法として、Na2WO4・2H2Oを26.6gとり、純水を入れて200mlに調整する。液温60Cで、超音波を30分照射して攪拌し溶解させ、無色透明のNa2WO4水溶液(0.4モル/l)を得る。その後カチオン交換樹脂(商品名;ダイアイイオンSK1B, 三菱化学製)を用いてナトリウムと水素原子を交換させタングステン酸(H2WO4)コロイド溶液を作製し、さらにメチルアルコール65mlと、濃度0.125モル/l塩化白金酸(H2(PtCl6))水溶液64mlを添加し、白金触媒を含むタングステン酸(H2WO4)のコロイド溶液とした。仮焼条件、及び水素ガスの検出感度測定は、前記タングステン酸(H2WO4)を前躯体とするコロイド溶液の場合と同様である。金属触媒の酸化状態と水素ガスの検出感度依存性との関係も合わせて図7において記号○で表している。図7からわかるようにタングステン酸(H2WO4)コロイド溶液のゾル・ゲルの合成方法にはほとんど依存せず、白金触媒の酸化状態20%〜90%で水素ガスの検出感度10以上が得られる。さらに、白金触媒の酸化状態30%〜78%で水素ガスの検出感度100以上が得られる。
触媒金属としての添加物は、実施例1及び2のような塩化物塩だけではなく、硝酸塩、硫酸塩など無機塩でも有機塩でもよい。有機塩ではカルボン酸塩、ジカルボン酸塩やアセチルアセトン錯塩が挙げられる。さらには、触媒金属としての添加物は、タングステン酸コロイド溶液に溶解するものが好ましい。
パラジウムの場合には、タングステン酸(H2WO4)のコロイド溶液にパラジウム水化物を添加する。具体的には、タングステン酸(H2WO4)2.5gをメタノール31mlに溶融させ、30分室温で攪拌し、純水18mlを加えてタングステン酸のコロイド溶液を作製する。触媒金属として、濃度0.0125モル/lのジニトロジアミンパラジウム硝酸塩水溶液Pd(NH3)2(NO2)2、8mlをタングステン酸のコロイド溶液に添加し、パラジウム触媒金属を含有するタングステン酸のコロイド溶液を図2に示す一対の電極20を覆うように絶縁基板30上に、スピンコーティングにより塗布し、空気50ml/minで仮焼温度400℃から600℃の範囲で5時間加熱保持し、然る後に自然冷却し室温25℃で、水素ガスの検出感度の測定を行った。水素ガスの検出感度は、パラジウム触媒の方が、白金触媒の場合に比べて向上する。また水素ガスの検出速度も早くなる。
また、触媒金属として、イリジウム(Ir)の場合には、濃度0.0125モル/l硝酸イリジウムIr(NO3)4溶液8mlを添加する以外は同様にして水素ガスセンサ素子を作製し、水素ガスの検出感度を評価した。または、濃度0.0125モル/l塩化イリジウム酸(H2[IrCl6]・6H2O)水溶液8mlを添加してもよい。
また、触媒金属としてオスミウム(Os)の場合には、濃度0.0125モル/lの酸化オスミウム(VIII)水溶液8mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、触媒金属としてロシウム(Rh)の場合には、濃度0.0125モル/lの硝酸ロジウム溶液(III)水溶液8mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、触媒金属としてルテニウム(Ru)の場合には、濃度0.0125モル/lの硝酸ルテニウム(III)水溶液8mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
以上白金族金属は、電子陰性度もほぼ同等であり、水素ガスの検出感度及び速度の違いはあるが水素吸着解離に対する作用はほぼ同様であり、図2に示した水素ガスセンサにより、測定温度25℃、空気中水素ガス濃度1%、相対湿度50%で測定したところ、いずれも水素ガスの検出感度10以上が得られる。
また酸化タングステンに添加するドーパントとしての金属は、タングステンにイオン半径が近く、また金属や半導体の結晶表面からその外側へ,1個の電子をとり出すのに必要な最小のエネルギである仕事関数がタングステンに近い、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe),コバルト(Co)、Ni(ニッケル)、銅(Cu),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),レニウム(Re)、チタン(Ti)も使用でき、タングステンに対して割合0.25モル%〜5モル%を添加することにより、酸化タングステン中に微小歪みが生じ、酸化タングステン中に酸素欠陥を発生させ、したがってプロトン導電率及び電子キャリア濃度を増加させ、電気導電率の向上させることができる。
触媒金属としてバナジウム(V)の場合には、0.0125モル/l濃度メタバナジウム酸アンモニウム水溶液2mlをタングステン酸のコロイド溶液に添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、触媒金属としてクロム(Cr)の場合には、0.0125モル/l濃度硝酸クロム(III)九水和物水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。クロム(Cr)の添加量は、タングステンに対して0.25モル%〜2モル%が好ましい。
また、触媒金属としてマンガン(Mn)の場合には、0.0125モル/l濃度硝酸マンガン水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、触媒金属として鉄(Fe)の場合には、0.0125モル/l濃度塩化第1鉄(FeCl2(H2O))4水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、触媒金属としてコバルト(Co)の場合には、0.0125モル/l濃度塩化コバルト(CoCl2・6H2O)水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、金属触媒としてニッケル(Ni)の場合には、0.0125モル/l濃度ニッケル水和酸化物(Ni2O3・2H2O)水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、金属触媒として銅(Cu)の場合には、0.0125モル/l濃度酢酸銅(II)水和物(Cu(CH3COO)2・H2O)水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、金属触媒としてニオブ(Nb)の場合には、0.0125モル/l濃度塩化ニオブ水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、金属触媒としてモリブデン(Mo)の場合には、0.0125モル/l濃度モリブデン(I)水和物水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、金属触媒としてレニウム(Re)の場合には、0.0025モル/l濃度酸化レニウム水和物水溶液2mlを添加する以外は同様にして素子を作製した。
また、金属触媒としてチタン(Ti)の場合には、0.0025モル/l濃度チタン酸アルコキシド2mlとエタノール5 X 10―5モルとジエタノールアミン4X 10―6モルを添加する以外は同様にして素子を作製した。
上記いずれの場合においても、図2に示した水素ガスセンサにより、測定温度25℃、空気中水素ガス濃度1%、相対湿度50%で測定したところ、いずれも水素ガスの検出感度10以上が得られた。
図9に、触媒金属としての白金触媒金属の平均粒子径と水素ガスの検出感度依存性を示す。水素ガス検知膜の微粒子酸化タングステンは、ゾル・ゲル法により作製する。具体的には、タングステン酸(H2WO4)2.5gをメタノール31mlに溶融させ、30分室温で攪拌し、純水18mlを加えタングステン酸(H2WO4)のコロイド溶液を作製する。触媒金属として白金触媒を採用し、タングステン酸のコロイド溶液に、塩化白金酸水溶液(H2(PtCl6))を0.1mol/lを1.8ml、3.6ml、11ml、23mlを加えタングステンに対する白金量をパラメータとしてタングステンに対する白金触媒のモル比が1.8%、3.6%、11%、23%の触媒金属を含有するタングステン酸のコロイド溶液を合成する。然る後に、それぞれ白金触媒を有するタングステン酸のコロイド溶液を、図2のような一対の電極20を覆うように、絶縁基板30上にスピンコーティングした。然る後に空気50ml/minで、仮焼温度を350℃から600℃の温度範囲で5時間仮焼処理を行った。仮焼後の水素ガス検知膜10の膜厚は約500nmであった。
仮焼後室温25℃まで自然徐冷し、空気中水素ガス濃度1%、相対湿度50%で水素ガスの検出感度を測定した。なお、白金触媒の平均粒子径は、微粒子酸化タングステンの平均粒子径の測定と同様に、各仮焼温度の条件で生成した試料において走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて約100個の白金触媒粒子径の度数分布より平均粒子径を算出した。
タングステンに対する白金触媒のモル比を増加させるとともに、白金触媒粒子の平均粒子径は増加する。
図9より、タングステンに対する白金のモル比|Pt|/|W|が、0.036から0.11において白金平均粒子径が2nmから35nmの場合に水素ガスの検出感度が10以上の値が得られる。なお、各モル比の資料はどれも仮焼温度の上昇に伴い、白金触媒の平均粒子径は増加する。
|Pt|/|W|=0.23では、水素ガスの検出感度は10以下であり、白金触媒の平均粒子径は22nmから78nmである。これは、白金触媒の増加に伴い、白金触媒上で水素ガスから発生されるプロトンと空気中の酸素との完全酸化による水の生成がタングステンブロンズの生成より優勢になるためと考えられる。
上記の結果から、水素ガス検知膜として、酸化タングステンを主成分とする微粒子酸化タングステン表面に含有する触媒金属としては平均粒子径5nmから20nmの場合が好ましい。
図10にその他の実施例2である水素ガスセンサ構造を示す。一対の電極20が、水素ガス検知層10上に形成されている以外は実施例1と同様である。 なお線A−A‘は、断面を表し、断面A−A‘の拡大図は図1と同一の構造を有する。図10において、石英基板、またはシリコン基板や炭化珪素基板上に絶縁膜を有する絶縁基板、アルミナ等セラミックス基板など絶縁基板30上に、上記の触媒金属を含有するタングステン酸のコロイド溶液を仮焼熱処理後の膜厚が300nm〜1μmとなるようにスピンコーティングにより塗布し、空気50ml/minで仮焼温度400℃から600℃の範囲で5時間加熱保持し、然る後に自然冷却して水素ガス検知膜10を形成する。その後一対の電極20を形成する。実施例1に比べて、水素ガス検知膜の仮焼処理後に一対の電極を形成するので、電極材料として、実施例1の金(Au)または金合金、白金(Pt)または白金合金、またはモリブデン(Mo)またはタンタル(Ta),またはニオブ(Nb)など高融点金属材料に加えて、銅(Cu)や、アルミニウム(Al)など低融点金属材料が使えるとともに、電極材料の製造においても、スクリーン印刷法やインクジェット法により電極材料を製造できるので、電極材料と電極の製造方法の自由度が広がり製造コストを低減できる。
さらに、測定環境におけるセンサの雰囲気温度や湿度の影響を低減し、または、水素ガスの検出感度と応答速度を向上させるために、一対の電極間を挟む水素ガス検知膜を含むようにヒータを具備することが好ましい(図示せず)。ヒータとしては、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)または及びこれらの合金、または白金、または及び白金合金などが使用できる。ヒータの構成としては、絶縁基板を介して水素ガス検知膜の反対側に設けることもできる。また、絶縁基板上に、ヒータを予め形成し、然る後に、ヒータ上に電気絶縁膜を形成する。さらに電気絶縁膜上に、水素ガス検知膜を形成する。
ヒータを搭載した水素ガスセンサを用いて、ヒータにより水素ガスセンサの検知膜の温度を変えることにより、水素ガスの検出感度と応答性を所望の値を得ることができる。検知膜の応答時間を向上させるには水素ガス検知膜の製造方法にも依存するが、漏洩監視時において水素ガスセンサの動作温度を常温より高温にすればよい。例えば、動作温度としては50℃〜300℃が好ましい。水素ガスの検知速度は速くなるが、水素ガスの検出感度は、動作温度の増加とともに減少する傾向を示す。したがって、水素ガス検知時に応答性を重視なのか、感度を重視するかによって、水素ガス検知膜の動作温度を変えることにより所望の水素ガスセンサを提供できる。
本発明にかかる水素ガス検知膜は、水素ガスの検出感度を増大させ、併せて検出速度を向上させた水素ガス検知膜を提供するとともに、そのガス検知膜を用いた水素を含むガス漏洩を容易に検知する水素ガスセンサを実現できる。
また、本発明の水素ガス検知膜や、水素ガスセンサはプロトン(H+)による物性変化を利用することから、硫化水素ガス(H2S)、アンモニア(NH3)や可燃性ガスである酸化窒素(NOx)、一酸化炭素(CO)用のガス検知膜やガスセンサにも適用できる。さらに酸化タングステンの色相変化を利用することにより、ガス検知用の塗料、ガス検知用テープ、または光検知式ガスセンサに利用できる。
また、水素ガスセンサはプロトン量を検出するピーエイチ(pH)センサなど化学センサへも利用可能である。
また、本発明にかかる水素ガス検知膜は、プロトン(H+)による物性変化を利用することから、エレクトロミック(EC)ディスプレイ用材料,e−inkなど電子ブック用インク材料としても適用できる。
1 酸化タングステン
2 触媒金属
3 隙間
4 触媒金属を表面に含有する微粒子酸化タングステン
5 絶縁基板
6 水素ガス検知膜
10 水素ガス検知膜
20 電極
30 絶縁基板
40 リード線
50 微小電流計
60 DC電源
70 水素ガスセンサ素子
2 触媒金属
3 隙間
4 触媒金属を表面に含有する微粒子酸化タングステン
5 絶縁基板
6 水素ガス検知膜
10 水素ガス検知膜
20 電極
30 絶縁基板
40 リード線
50 微小電流計
60 DC電源
70 水素ガスセンサ素子
Claims (21)
- 水素ガスを解離して生成されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する水素ガス検知膜であって、
前記検知膜は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステンの表面に酸化状態の触媒金属を含有することを特徴とする水素ガス検知膜。 - 前記結晶微粒子酸化タングステンは、その平均粒子径が15nmから80nmであることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。
- 前記結晶微粒子酸化タングステンは、所定の比率の酸素欠陥を有することを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。
- 前記結晶微粒子酸化タングステンの酸素原子数とタングステン原子数との比を2.54から2.63とすることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。
- 前記結晶微粒子酸化タングステンは、少なくとも三斜晶系(triclinic)と斜方晶系(monoclinic)の結晶構造とを含むことを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。
- 前記微粒子酸化タングステンに、バナジウム(V)、クロム(Cr)、
マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、
ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、レニウム(Re)、チタン(Ti)のいずれかの金属、または、これらの金属のいずれかの混合物が、タングステンに対して、0.25モル%〜5モル%の濃度でドープされていることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。 - 前記触媒金属は,微粒子酸化タングステンに含有する全触媒金属量の18%から90%が酸化状態であることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。
- 前記触媒金属は、タングステンに対する割合が、1.8モル%〜11モル%であることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。
- 前記触媒金属の平均粒子径が2nmから35nmとすることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜。
- 前記触媒金属は、白金、(Pt),イリジウム(Ir)、オスニウム(Os)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)のいずれかの金属、または、これらの金属のいずれかの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知膜
- 絶縁基板上に設けられた一対の電極上に、水素ガスを解離して発生されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する所定の膜厚の検知膜を有する水素ガスセンサであって、
前記検知膜は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステンの表面に酸化状態の触媒金属を含有することを特徴とする水素ガスセンサ。 - 絶縁基板上に、水素ガスを解離して発生されるプロトンが注入されて還元され或いは前記プロトンが脱離されて酸化されることにより電気抵抗が変化する所定の膜厚の検知膜と、前記検知膜上に一対の電極を備える水素ガスセンサであって、
前記検知膜は、酸化タングステンを主成分とする結晶微粒子の集合体で構成され、前記結晶微粒子酸化タングステンの表面に酸化状態の触媒金属を含有することを特徴とする水素ガスセンサ。 - 結晶微粒子酸化タングステンは、その平均粒子径が15nmから80nmであることを特徴とする請求項11あるいは請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
- 前記結晶微粒子酸化タングステンは、少なくとも三斜晶系(triclinic)と斜方晶系(monoclinic)の結晶構造とを含むことを特徴とする請求項11或いは請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
- 前記結晶微粒子酸化タングステンは、所定の比率の酸素欠陥を有することを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
- 前記結晶微粒子酸化タングステンの酸素原子数とタングステン原子数との比を2.54から2.63とすることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
- 前記微粒子酸化タングステンに、バナジウム(V)、クロム(Cr)、
マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、
ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、レニウム(Re)、チタン(Ti)のいずれかの金属、または、これらの金属のいずれかの混合物が、タングステンに対して、0.25モル%〜5モル%の濃度でドープされていることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。 - 前記触媒金属は,微粒子酸化タングステンに含有する全触媒金属量の18%から90%が酸化状態であることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
- 前記触媒金属は、白金、(Pt),イリジウム(Ir)、オスニウム(Os)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)のいずれかの金属、または、これらの金属のいずれかの混合物であることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
- 前記触媒金属は、タングステンに対する割合が、1.8モル%〜11モル%であることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
- 前記触媒金属の平均粒子径が2nmから35nmとすることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の水素ガスセンサ。
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|---|---|---|---|
| JP2004149991A JP2005331364A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 水素ガス検知膜及び水素ガスセンサ |
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