JP2005314564A - 液状組成物及びその製造方法、並びにエラストマーフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗布基材との密着性・塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性に優れるエラストマーフィルムを形成することができる液状組成物及びその製造方法、並びに該液状組成物を用いたフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の液状組成物は、溶媒中に、エチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、及び8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する各単量体を含む極性基変性オレフィン系共重合体と、金属化合物であるテトラn−ブトキシジルコニウムと、ポリジメチルシロキサンとを含有する。本発明の液状組成物を塗布、乾燥することにより、塗布基材との密着性・塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性に優れるエラストマーフィルムを得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】 本発明の液状組成物は、溶媒中に、エチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、及び8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する各単量体を含む極性基変性オレフィン系共重合体と、金属化合物であるテトラn−ブトキシジルコニウムと、ポリジメチルシロキサンとを含有する。本発明の液状組成物を塗布、乾燥することにより、塗布基材との密着性・塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性に優れるエラストマーフィルムを得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、液状組成物、並びに該液状組成物を用いたフィルム及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、塗布することにより、塗布基材との密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性に優れるエラストマーフィルムを形成することができる液状組成物及びその製造方法、並びに該液状組成物を用いたエラストマーフィルムに関する。
エラストマーフィルムを構成するエラストマーとして、従来より、オレフィン系熱可塑性エラストマーが知られている。かかるオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系樹脂とオレフィン系共重合ゴムとを混合してなる熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂とオレフィン系共重合ゴムとを、架橋剤によって部分的に架橋させてなる熱可塑性エラストマー等が知られている。例えば、下記特許文献1には、エチレン、炭素数が3〜10のα−オレフィン、官能基を有する不飽和単量体、及び必要に応じて非共役ジエンが共重合されてなるオレフィン系ランダム共重合体と、このオレフィン系ランダム共重合体を架橋する金属イオンとよりなることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマーが開示されている。かかるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、従来のオレフィン系熱可塑性エラストマーと同様のゴム弾性、柔軟性及び成形加工性を有し、しかも、機械的特性及び耐摩耗性が良好で、特に耐傷付き性に優れるという作用効果を有する。
また、下記特許文献2には、特定の水添ブロック共重合体と、パラフィン系プロセスオイル等の液状添加剤とを特定の割合で含有する軟質組成物が開示されている。そして、かかる軟質組成物は、柔軟性、低分子保持性、力学的性質、ホットメルト粘・接着性及び液体保持性に優れていることが記載されている。更に、下記特許文献3には、特定の熱可塑性ブロック共重合体よりなる三次元連続網目骨格間に、パラフィン油等の低分子材料が保持されており、クッション材料等に用いられる高分子網状構造体が開示されている。更に、下記特許文献4には、下記特許文献5に開示されている高分子網状構造体と、ゴム材料とを混合してなるゴム組成物が開示されている。かかるゴム組成物は、低分子材料が均一に分散し、且つ該低分子材料を良好に保持して低分子材料のブリードが少ない低弾性のゴム組成物であることが開示されている。
現在上市されているフィルムとして、摺動性、密着性、耐衝撃性、粘弾性、柔軟性、及び絶縁性の個々の性能は優れているフィルムは存在するが、これら全ての性能を同時に持ち合わせたフィルムはない。特に、摺動性はフィルムの耐久性等の点から重要である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、塗布することにより、塗布基材との密着性・塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性に優れるエラストマーフィルムを形成することができる液状組成物及びその製造方法、並びに該液状組成物を用いたエラストマーフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
〔1〕極性基変性オレフィン系共重合体、金属イオン及び/又は金属化合物、並びにシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を溶媒中に含有することを特徴とする液状組成物。
〔2〕上記シリコーン系ポリマーは、JIS K2283で規定される25℃における粘度が10〜106cStの低分子量シリコーン系ポリマー及び106cStを超える高分子量シリコーン系ポリマーである上記〔1〕記載の液状組成物。
〔3〕上記シリコーン系ポリマーは、ジメチルポリシロキサン、メチルフェルニポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、及びテトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、並びにこれらの変性体の1種又は2種以上である上記〔1〕又は〔2〕記載の液状組成物。
〔4〕上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上の含有量の合計が0.1〜20質量部である上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の液状組成物。
〔5〕上記溶媒中で、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記金属イオン及び/又は金属化合物により架橋を形成している上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の液状組成物。
〔6〕溶媒中に極性基変性オレフィン系共重合体、並びに金属イオン及び/又は金属化合物を添加含有させ、次いで上記溶媒中にシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加含有させることを特徴とする液状組成物の製造方法。
〔7〕上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上の配合量の合計は、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し、0.1〜20質量部である上記〔6〕記載の液状組成物の製造方法。
〔8〕上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加する前に、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋させる上記〔6〕又は〔7〕記載の液状組成物の製造方法。
〔9〕上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の液状組成物を用いて成形することにより形成されるエラストマー層を有することを特徴とするエラストマーフィルム。
〔1〕極性基変性オレフィン系共重合体、金属イオン及び/又は金属化合物、並びにシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を溶媒中に含有することを特徴とする液状組成物。
〔2〕上記シリコーン系ポリマーは、JIS K2283で規定される25℃における粘度が10〜106cStの低分子量シリコーン系ポリマー及び106cStを超える高分子量シリコーン系ポリマーである上記〔1〕記載の液状組成物。
〔3〕上記シリコーン系ポリマーは、ジメチルポリシロキサン、メチルフェルニポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、及びテトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、並びにこれらの変性体の1種又は2種以上である上記〔1〕又は〔2〕記載の液状組成物。
〔4〕上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上の含有量の合計が0.1〜20質量部である上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の液状組成物。
〔5〕上記溶媒中で、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記金属イオン及び/又は金属化合物により架橋を形成している上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の液状組成物。
〔6〕溶媒中に極性基変性オレフィン系共重合体、並びに金属イオン及び/又は金属化合物を添加含有させ、次いで上記溶媒中にシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加含有させることを特徴とする液状組成物の製造方法。
〔7〕上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上の配合量の合計は、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し、0.1〜20質量部である上記〔6〕記載の液状組成物の製造方法。
〔8〕上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加する前に、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋させる上記〔6〕又は〔7〕記載の液状組成物の製造方法。
〔9〕上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の液状組成物を用いて成形することにより形成されるエラストマー層を有することを特徴とするエラストマーフィルム。
本発明の液状組成物は、塗布等の手段で成形することにより、その結果、得られるエラストマーフィルムの密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性、特に経時的摺動性に優れたエラストマーフィルムを得ることができる。
本発明の液状組成物の製造方法は、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂を上記極性基変性オレフィン系共重合体中に均一に分散させることができると共に、上記極性基変性オレフィン系共重合体と上記金属とを十分に架橋することができる。その結果、上記作用効果を奏する本発明の液状組成物を容易に得ることができる。
本発明のエラストマーフィルムは、上記構成を備えることにより、耐衝撃性等に優れると共に、摺動性、特に経時的摺動性を向上させることができる。
本発明の液状組成物の製造方法は、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂を上記極性基変性オレフィン系共重合体中に均一に分散させることができると共に、上記極性基変性オレフィン系共重合体と上記金属とを十分に架橋することができる。その結果、上記作用効果を奏する本発明の液状組成物を容易に得ることができる。
本発明のエラストマーフィルムは、上記構成を備えることにより、耐衝撃性等に優れると共に、摺動性、特に経時的摺動性を向上させることができる。
以下、本発明を説明する。
(1)液状組成物
本発明の液状組成物は、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上と、を溶媒中に含有することを特徴とする。
(1)液状組成物
本発明の液状組成物は、極性基変性オレフィン系共重合体と、金属イオン及び/又は金属化合物と、シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上と、を溶媒中に含有することを特徴とする。
(A)極性基変性オレフィン系共重合体
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、構造中に極性基を有するオレフィン系の共重合体である。上記極性基は、後述のように、金属イオン及び/又は金属化合物による電気的相互作用により架橋する性質を有する限り、その種類には限定がない。また、上記極性基は1種のみでもよく、あるいは2種以上の異なる極性基でもよい。上記極性基として具体的には、例えば、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びにニトリル基のうちの1種又は2種以上が挙げられる。ここで、上記カルボキシル基の誘導体とは、加水分解等の反応によりカルボキシル基を生成する官能基であり、例えば、無水マレイン酸基等のカルボン酸無水物基等が挙げられる。また、上記アルコキシシリル基に含まれるアルコキシ基の炭素数は、通常1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5である。上記アルコキシ基は直鎖状でもよく分枝状あるいは環状でもよい。上記アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基等が挙げられる。尚、上記アルコキシ基は全て同じ種類でもよく、異なるアルキル基でもよい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、構造中に極性基を有するオレフィン系の共重合体である。上記極性基は、後述のように、金属イオン及び/又は金属化合物による電気的相互作用により架橋する性質を有する限り、その種類には限定がない。また、上記極性基は1種のみでもよく、あるいは2種以上の異なる極性基でもよい。上記極性基として具体的には、例えば、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びにニトリル基のうちの1種又は2種以上が挙げられる。ここで、上記カルボキシル基の誘導体とは、加水分解等の反応によりカルボキシル基を生成する官能基であり、例えば、無水マレイン酸基等のカルボン酸無水物基等が挙げられる。また、上記アルコキシシリル基に含まれるアルコキシ基の炭素数は、通常1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5である。上記アルコキシ基は直鎖状でもよく分枝状あるいは環状でもよい。上記アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基等が挙げられる。尚、上記アルコキシ基は全て同じ種類でもよく、異なるアルキル基でもよい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体の種類、構造には特に限定はない。また、上記極性基変性オレフィン系共重合体は1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。上記極性基変性オレフィン系共重合体として具体的には、例えば、極性基変性α−オレフィン系共重合体、極性基変性エチレン系共重合体等が挙げられ、より具体的には、極性基変性エチレン・α−オレフィン系共重合体、極性基変性エチレン・α−オレフィン系共重合体・非共役ジエン共重合体等が挙げられる。ここで、上記α−オレフィンとして具体的には、例えば、後述のα−オレフィンが挙げられる。
上記極性基変性オレフィン系共重合体を製造する方法には特に限定はない。通常は、オレフィン系単量体の1種又は2種以上と、極性基を有する不飽和単量体の1種又は2種以上とを公知の方法により共重合することにより得ることができる。
上記オレフィン系単量体の構造、種類には特に限定はなく、必要に応じて種々のオレフィン系単量体を使用することができる。通常、上記オレフィン系単量体としては、炭素数2〜15、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜8のオレフィンが用いられる。より具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−ペンテン−1,1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記オレフィン系単量体は1種単独でもよく、2種以上併用してもよい。例えば、上記オレフィン系単量体として、エチレンと、炭素数3〜15、好ましくは3〜10、更に好ましくは3〜8のα−オレフィンとを用いることができる。ここで、上記α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−ペンテン−1,1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記オレフィン系単量体の使用割合は、上記極性基を有する不飽和単量体と共重合することにより、共重合体を得ることができる限り特に限定はなく、上記極性基を有する不飽和単量体や後述の他の単量体の使用割合等に応じて種々の範囲とすることができる。また、上記オレフィン系単量体として、エチレンと、炭素数3〜15のα−オレフィンを併用する場合、上記エチレンの使用割合は、通常、単量体成分全体の35〜94.99モル%、好ましくは40〜89.99モル%、更に好ましくは45〜84.99モル%である。一方、上記α−オレフィン系単量体の使用割合は、通常、単量体成分全体の5〜50モル%、好ましくは10〜45モル%、更に好ましくは15〜40モル%である。上記エチレン及びα−オレフィンの使用割合を上記範囲とすることにより、容易に共重合をすることができると共に、エラストマーとして必要なゴム弾性を得ることができ、得られるエラストマーの強度及び耐久性を向上させることができることから好ましい。
上記極性基を有する不飽和単量体は、上記極性基及び不飽和結合を有し、上記オレフィンと共重合可能である限り、その種類、構造には特に限定はない。例えば、上記極性基としては、上記のように、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、並びにニトリル基を有するものが好ましい。上記極性基を有する不飽和単量体としてより具体的には、例えば、以下の一般式(1)で表される化合物を用いることができる。かかる化合物を用いると、上記金属イオン及び/又は金属化合物との架橋性が良好であることから好ましい。
上記一般式(1)において、R1は、水素原子又は炭素数1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6の炭化水素基であり、Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6の炭化水素基、又はカルボキシル基であり、且つY1、Y2及びY3のうち少なくとも一つはカルボキシル基である。また、Y1、Y2及びY3のうち2つ以上がカルボキシル基である場合は、それらは互いに連結して形成された酸無水物(−CO−(O)−CO−)であってもよい。上記炭素数1〜10の炭化水素基は直鎖炭化水素基でもよく、分枝炭化水素基でもよい。状の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基を挙げることができる。また、繰り返し数oは0〜2、好ましくは0〜1の整数である。この繰り返し数oが3以上である場合には、当該環状化合物を他の単量体と共重合させることが困難となることがある。また、繰り返し数pは0〜5、好ましくは0〜4、更に好ましくは0〜2の整数である。尚、上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、シクロペンタジエンと上記極性基を含有する不飽和化合物を用い、これらをディールス・アルダー反応等によって縮合させることにより製造することができる。
上記一般式(1)で表される化合物として具体的には、例えば、5,6−ジメチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシ−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、8,9−ジメチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジエチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等が挙げられる。
上記官能基を有する不飽和単量体の使用割合は、単量体成分全体の0.01〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5モル%である。上記官能基を有する不飽和単量体の使用割合を0.01モル%以上とすると、得られるエラストマーフィルム架橋密度を高くすることができ、その結果、フィルムの機械的強度及び耐熱性を向上させることができるので好ましい。一方、上記官能基を有する不飽和単量体の使用割合を10モル%以下とすると、架橋密度が高くなり過ぎることにより、加工性に劣るフィルムとなることを抑制することができるので好ましい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記単量体に由来する構造以外に、他の単量体に由来する構造を1種又は2種以上有していてもよい。かかる他の単量体に由来する構造は、通常、上記単量体に他の単量体を加えて共重合することにより形成することができる。上記他の単量体は、上記単量体と共重合することができる限り、その種類、構造には特に限定はない。上記他の単量体として具体的には、例えば、非共役ジエン等が挙げられる。上記非共役ジエンとして具体的には、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン等の直鎖の非環状ジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、7−メチルオクタ−1,6−ジエン、ジヒドロミルセン等の分岐連鎖の非環状ジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2,5−ジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の脂環式ジエン等が挙げられる。
上記他の単量体の使用割合は、全単量体成分を100モル%とした場合、通常10モル%以下、好ましくは0.001〜10モル%、更に好ましくは0.01〜7モル%、より好ましくは0.1〜5モル%である。特に上記他の単量体が非共役ジエンである場合、その使用割合を上記範囲とすると、得られるエラストマーの耐久性を向上させることができるので好ましい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体は、その構造中に極性基を有するオレフィン系共重合体であれば、その種類、材質及び構造に特に限定はない。例えば、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、耐衝撃性向上の観点から、分岐構造を有することが好ましい。更に、上記極性基変性オレフィン系共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1000〜300万、好ましくは3000〜100万、更に好ましくは5000〜70万である。上記極性基変性オレフィン系共重合体の重量平均分子量を上記範囲とすることにより、力学的性質が優れたエラストマーフィルムとすることができるので好ましい。
(B)金属イオン及び/又は金属化合物
本発明の液状組成物は、金属イオン及び/又は金属化合物を含有する。上記金属イオン及び金属化合物を構成する金属は、後述のように、上記極性基を介して上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋する性質を有する限り、その種類に特に限定はない。また、上記金属は1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。上記金属としては、周期律表の周期表第I〜VIII族、特にはIA族、IIA族、IIIA族、IVB族の金属が好ましく、具体的には、例えば、ジルコニウム、チタン、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム、ストロンチューム、ルビジウム、亜鉛、銅、鉄、錫、及び鉛等よりなる群から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中では、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、鉄、カルシウム、及び鉛よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく挙げられる。また、後述のように、上記架橋は、電気的な相互作用によるものであり、必ずしもイオン架橋に限定されるものでない。また、上記金属化合物は、本発明の液状組成物中で必ずしもイオンの状態で存在する必要はない。
本発明の液状組成物は、金属イオン及び/又は金属化合物を含有する。上記金属イオン及び金属化合物を構成する金属は、後述のように、上記極性基を介して上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋する性質を有する限り、その種類に特に限定はない。また、上記金属は1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。上記金属としては、周期律表の周期表第I〜VIII族、特にはIA族、IIA族、IIIA族、IVB族の金属が好ましく、具体的には、例えば、ジルコニウム、チタン、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム、ストロンチューム、ルビジウム、亜鉛、銅、鉄、錫、及び鉛等よりなる群から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中では、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、鉄、カルシウム、及び鉛よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく挙げられる。また、後述のように、上記架橋は、電気的な相互作用によるものであり、必ずしもイオン架橋に限定されるものでない。また、上記金属化合物は、本発明の液状組成物中で必ずしもイオンの状態で存在する必要はない。
上記金属化合物は、金属元素を含む無機化合物でもよく、有機化合物でも構わないが、有機溶媒に溶解する場合には、金属元素を含む有機化合物の方が好ましい。上記金属元素を含む無機化合物としては、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩及び金属錯体等が挙げられる。具体的には、例えば、CuO、MgO、BaO、ZnO、Al2O3、Fe2O3、SnO、CaO、TiO2等の金属酸化物、LiOH、NaOH、KOH、Cu(OH)2、Cu2O(OH)2、Mg(OH)2、Mg2O(OH)2、Ba(OH)2、Zn(OH)2、Sn(OH)2、Ca(OH)2等の金属水酸化物等が挙げられる。また、金属元素を含む有機化合物として具体的には、例えば、金属アルコキシド、アルキルアルコキシ金属化合物(トリメチルアルコキシ金属化合物、トリエチルアルコキシ金属化合物等のトリアルキルアルコキシ金属化合物、ジメチルジアルコキシ金属化合物等のジアルキルアルコキシ金属化合物)、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等が挙げられる。上記金属アルコキシドを構成するアルコキシドの炭素数は、通常1〜8、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、より具体的には、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。更に、上記金属元素を含む有機化合物としてより具体的には、例えば、ジルコニウムブトキシド〔Zr(OBu)4〕、チタンブトキシド〔Ti(OBu)4〕、アルミニウムブトキシド〔Al(OBu)4〕、及び亜鉛ブトキシド〔Zn(OBu)4〕等が挙げられる。
上記金属イオン及び/又は金属化合物の含有割合は特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常は、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。上記金属イオン及び/又は金属化合物の含有割合を0.1質量部以上とすると、得られるエラストマーフィルムの架橋密度が高く、機械的強度及び耐熱性が高いエラストマーフィルムとすることができるので好ましい。一方、上記金属イオン及び/又は金属化合物の使用割合を20質量部以下とすると、得られるエラストマーフィルムの架橋密度を適切な範囲に調整することができ、その結果、架橋密度が高過ぎることにより、加工性に劣るフィルムとなることを抑制することができるので好ましい。
(C)シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂
本発明の液状組成物は、シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を含有する。
本発明の液状組成物は、シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を含有する。
上記シリコーン系ポリマーの物性には特に限定はなく、必要に応じて種々のシリコーン系ポリマーを用いることができる。例えば、上記シリコーン系ポリマーのJIS K2283で規定される25℃における粘度は通常10〜1013cStである。上記シリコーン系ポリマーとしてより具体的には、例えば、10〜106cSt、好ましくは10〜105cSt、更に好ましくは10〜50,000cStの低分子量シリコーン系ポリマーや、106cStを超え、好ましくは106cStを超えて1013cSt以下、更に好ましくは106cStを超えて1012cSt以下の高粘度シリコーン系ポリマー等が挙げられる。上記シリコーン系ポリマーの粘度を上記範囲とすると、フィルムの力学的性質に影響を与えることなく、摺動性を更に向上させることができるので好ましい。
上記シリコーン系ポリマーの種類及び構造についても特に限定はない。上記シリコーン系ポリマーとしては、無機系ポリマーでもよく、オルガノポリシロキサン等の有機系ポリマーでもよい。また、上記シリコーン系ポリマーは、未変性でもよく、官能基含有単量体を用いたグラフト重合等により、構造中に各種官能基を導入した変性体(変性シリコーン系ポリマー)でもよい。上記官能基としては、例えば、ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸エステル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、及びフッ素等のハロゲン基等が挙げられる。更に、上記シリコーン系ポリマーは、直鎖状でもよく、その全部又は一部が分岐鎖状、三次元構造を形成していてもよい。また、上記シリコーン系ポリマーは、単独重合体又は共重合体若しくはそれらの混合物でもよい。尚、オルガノポリシロキサン等の有機系ポリマーの場合、その分子鎖末端は、例えば、水酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等で封鎖されていてもよい。
上記シリコーン系ポリマーとして具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェルニポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、及びメチルハイドロジエンポリシロキサン等の未変性オルガノポリシロキサン、並びにこれらの変性体及び下記平均組成式(2)で表されるビニル基含有オルガノポリシロキサン等の変性オルガノポリシロキサン等の1種又は2種以上が挙げられる。これらのうち、ジメチルポリシロキサン、ビニル基含有オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。また、ビニル基含有オルガノポリシロキサンを用いると、有機過酸化物や紫外線、電子線等により上記極性基含有オレフィン系共重合体と架橋することができ、その結果、シリコーン系ポリマーのブリードアウトを防ぎ、経時摺動性の低下を抑制できるので好ましい。
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。本発明に使用されるオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(2)で表される、主として直鎖状のものが好ましいが、その一部が分岐鎖状、三次元構造を形成していてもよく、また単独重合体、共重合体もしくはそれらの混合物であってもよい。
RaSiO(4−a)/2 (2)
(式(1)中、Rは置換又は非置換の一価の有機基であり、Rのうち0.02〜10モル%はビニル基、aは1.900〜2.004の数である)
RaSiO(4−a)/2 (2)
(式(1)中、Rは置換又は非置換の一価の有機基であり、Rのうち0.02〜10モル%はビニル基、aは1.900〜2.004の数である)
上記置換又は非置換の1価の有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、及びそれらのハロゲン置換炭化水素基を挙げることができる。また、上記平均組成式(2)中、分子中のケイ素原子に直結する上記置換又は非置換の1価の有機基の0.02〜10モル%、好ましくは0.05〜5モル%はビニル基であることが好ましい。かかるビニル基の量を上記範囲とすることにより、上記極性基含有オレフィン系共重合体との架橋が充分となり、しかも架橋反応が急激に進むことを抑制することができ、その結果、オルガノポリシロキサンの分散状態が良好となり、得られるフィルムの物性の低下を抑制することができるので好ましい。また、上記平均組成式(2)中、aの値は通常1.900〜2.004、好ましくは1.950〜2.002である。
上記フッ素系樹脂の物性には特に限定はなく、必要に応じて種々のフッ素系樹脂を用いることができる。例えば、上記フッ素系樹脂の重量平均分子量は、通常104〜108、好ましくは105〜107である。
上記フッ素系樹脂の種類及び構造についても特に限定はない。上記フッ素系樹脂として具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデンポリマー、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、及びフッ化ビニルポリマー等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の含有量の合計は特に限定はないが、通常、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜20質量部、更に好ましくは1〜20質量部、より好ましくは3〜18質量部、特に好ましくは5〜15質量部である。上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の含有量の合計を上記範囲とすることにより、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性を更に向上させることができるので好ましい。
本発明の液状組成物では、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂は、いずれか一方のみを用いてもよく、両方を併用してもよい。また、上記シリコーン系ポリマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。同様に、上記フッ素系樹脂も1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、上記シリコーン系ポリマーとして、粘度や平均分子量等の物性が異なる2種以上のシリコーン系ポリマーを用いることができる。より具体的には、例えば、粘度(JIS K2283で規定される25℃における粘度)が10〜106cSt、好ましくは10〜105cSt、更に好ましくは10〜50,000cStの低分子量シリコーン系ポリマーと、粘度(JIS K2283で規定される25℃における粘度)が106cStを超え、好ましくは106cStを超えて1013cSt以下、更に好ましくは106cStを超えて1012cSt以下の高粘度シリコーン系ポリマー、又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとを併用することができる。この両者を併用することにより、初期の摺動性及び耐久摺動性を更に向上させることができるので好ましい。
(D)溶媒
本発明の液状組成物は、上記極性基変性オレフィン系共重合体、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上、並びに上記金属イオン及び/又は金属化合物を溶媒中に含有する。該溶媒の種類、性質は、上記極性基変性オレフィン系共重合体、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上、並びに上記金属イオン及び/又は金属化合物を溶解又は分散させることができる限り特に限定はない。上記溶媒は有機溶媒及び無機溶媒のいずれも使用できるが、溶解性の点から、有機溶媒が好ましい。
本発明の液状組成物は、上記極性基変性オレフィン系共重合体、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上、並びに上記金属イオン及び/又は金属化合物を溶媒中に含有する。該溶媒の種類、性質は、上記極性基変性オレフィン系共重合体、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上、並びに上記金属イオン及び/又は金属化合物を溶解又は分散させることができる限り特に限定はない。上記溶媒は有機溶媒及び無機溶媒のいずれも使用できるが、溶解性の点から、有機溶媒が好ましい。
上記有機溶媒は、脂肪族炭化水素系(脂肪族炭化水素系、脂環式炭化水素系)有機溶媒及び芳香族炭化水素系有機溶媒、並びにこれらのハロゲン化物(ハロゲン系有機溶媒)等の極性基を持たない非極性有機溶媒と、ケトン系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒及びアルコール系有機溶媒等の極性基を持つ極性有機溶媒と、に分けられる。上記有機溶媒としてより具体的には、例えば、以下の有機溶媒が挙げられる。
(a)脂肪族炭化水素系有機溶媒;ブタン、2−ブタン、2−メチル−2−ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等のアルカン類、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのシクロアルカン類、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどのアルケン類、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクオクテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等のシクロアルケン類等の1種又は2種以上。
(b)芳香族炭化水素系有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の1種又は2種以上。
(c)ハロゲン系有機溶媒;クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン。クロロホルム、四塩化炭素等の1種又は2種以上。
(d)ケトン系有機溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の1種又は2種以上。
(e)エーテル系有機溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の1種又は2種以上。
(f)エステル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、セロソルブアセテート、カルビトールアセテート等の1種又は2種以上。
(g)アルコール系有機溶媒;炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜7の脂肪族(直鎖又は分岐状)又は脂環式のアルコール。より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中で、特にトルエン、クロロホルム、ヘキサン及びシクロヘキサンが、極性基変性オレフィン系共重合体を分散・溶解させる能力が高いので好ましい。
(a)脂肪族炭化水素系有機溶媒;ブタン、2−ブタン、2−メチル−2−ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等のアルカン類、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのシクロアルカン類、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどのアルケン類、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクオクテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等のシクロアルケン類等の1種又は2種以上。
(b)芳香族炭化水素系有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の1種又は2種以上。
(c)ハロゲン系有機溶媒;クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン。クロロホルム、四塩化炭素等の1種又は2種以上。
(d)ケトン系有機溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の1種又は2種以上。
(e)エーテル系有機溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の1種又は2種以上。
(f)エステル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、セロソルブアセテート、カルビトールアセテート等の1種又は2種以上。
(g)アルコール系有機溶媒;炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜7の脂肪族(直鎖又は分岐状)又は脂環式のアルコール。より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中で、特にトルエン、クロロホルム、ヘキサン及びシクロヘキサンが、極性基変性オレフィン系共重合体を分散・溶解させる能力が高いので好ましい。
上記溶媒は、1種単独でもよく、あるいは2種以上の混合溶媒でもよい。該混合溶媒としては、例えば、有機溶媒を2種以上含む混合溶媒や、無機溶媒を2種以上含む混合溶媒でもよい。更に、有機溶媒の1種又は2種以上と無機溶媒の1種又は2種以上との混合溶媒でもよい。本発明の上記極性基変性オレフィン系共重合体は、脂肪族炭化水素を主体とした構造をしているため、非極性溶媒に溶解しやすく、極性溶媒に溶解し難い。また、極性溶媒は、通常、非極性溶媒と比較して、乾燥時に蒸発しにくい。そのため、混合溶媒を用いる場合にはポリマーが析出しないように、混合溶媒中の極性溶媒の含有量の合計は50質量%以下にすることが好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。一方、極性溶媒は、上記極性基変性オレフィン系共重合体の極性基と金属イオン及び/又は金属化合物との相互作用を弱め、本発明の液状組成物の粘度を低下させることができる。そのため、本発明の液状組成物の粘度を低くしたい場合は、液状組成物に含まれる上記溶媒100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜8質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜5質量部の極性溶媒を添加することができる。より具体的には、例えば、上記極性溶媒として、上記アルコール系溶媒(好ましくは、炭素数1〜10のアルコール系溶媒、より好ましくは、炭素数1〜7のアルコール系溶媒)を用いることができる。尚、この場合、上記極性溶媒は、塗布後の乾燥によって除去されるため、乾燥後に得られるエラストマーフィルムの物性に影響を与えない。
また、上記溶媒の沸点についても特に限定はない。上記溶媒の1気圧での沸点は、通常−30℃〜200℃、好ましくは−5℃〜150℃、更に好ましくは0℃〜140℃、より好ましくは20℃〜120℃である。上記沸点が−30℃以上であると、揮発性が高すぎることにより、溶解に際し発泡を起こすことを抑制できるので好ましい。一方、上記沸点が200℃以下であると、乾燥時に高温を必要としないので好ましい。更に、上記溶媒が混合溶媒の場合、少なくとも50質量%以上の成分の沸点が120℃以下であることが好ましい。120℃を超える沸点を有する溶媒の含有量を上記範囲とすると、乾燥初期の乾燥速度が遅くなることにより、乾燥後のフィルム状エラストマー中に溶媒が残留して乾燥不充分になるという問題が生じることを抑制できるので好ましい。
(E)液状組成物
本発明の液状組成物は、上記溶媒中に上記極性基変性オレフィン系共重合体中の極性基を介して上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋する性質を有する金属イオン及び/又は金属化合物を含有し、且つ上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を含有する。ここで、「含有する」とは、溶解している場合又は分散している場合のいずれでもよい。また、本発明の液状組成物において、上記溶媒に対する上記極性基変性オレフィン系共重合体の割合については特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。上記極性基変性オレフィン系共重合体の割合は、通常、上記溶媒100質量部に対して0.1〜1000質量部、好ましくは0.5〜500質量部、更に好ましくは1〜300質量部である。特に薄い(例えば、0.1〜10μm)エラストマーフィルムを得る場合、上記極性基変性オレフィン系共重合体の割合は、上記溶媒100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の液状組成物は、上記溶媒中に上記極性基変性オレフィン系共重合体中の極性基を介して上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋する性質を有する金属イオン及び/又は金属化合物を含有し、且つ上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を含有する。ここで、「含有する」とは、溶解している場合又は分散している場合のいずれでもよい。また、本発明の液状組成物において、上記溶媒に対する上記極性基変性オレフィン系共重合体の割合については特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。上記極性基変性オレフィン系共重合体の割合は、通常、上記溶媒100質量部に対して0.1〜1000質量部、好ましくは0.5〜500質量部、更に好ましくは1〜300質量部である。特に薄い(例えば、0.1〜10μm)エラストマーフィルムを得る場合、上記極性基変性オレフィン系共重合体の割合は、上記溶媒100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の液状組成物中、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、極性基を介して架橋していると解される。本発明の液状組成物を塗布することにより形成されるエラストマーフィルムの各種性質を向上させることができるのは、かかる構成を備えることによるためと考えられる。ここで、上記極性基を介して架橋するとは、上記極性基と上記金属イオン及び/又は金属化合物を構成する金属との間で、電気的な相互作用により凝集することであり、このような架橋としては、例えば、金属イオンと上記極性基のイオンとの間で形成されるイオン架橋が挙げられるが、電気的な相互作用により凝集している限り、かかるイオン架橋には限定されない。かかる架橋は、電子線照射等により形成される架橋と異なり、加熱により相互作用が弱まる結果、高温になるにつれて弾性率が低下するという作用効果を奏する。尚、本見解は推定に基づくものであり、何ら本発明を限定する趣旨のものでないことを付言する。
上記架橋の有無は、上記極性基変性オレフィン系共重合体に対して、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させる前後の粘度の変化により調べることができる。即ち、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させる前の液状組成物の粘度より、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させた後の液状組成物の粘度が大きければ、上記架橋が形成されていることが確認できる。具体的には、例えば、B型粘度計等の粘度測定装置を用いて粘度を測定した結果、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させた後の液状組成物の粘度η(mPa・s)と、上記金属イオン及び/又は金属化合物を含有させる前の液状組成物の粘度η0(mPa・s)との粘度比(η/η0)を調べることにより、上記架橋が形成されていることが確認できる。本発明の液状組成物では、70℃にてB型粘度計により測定した上記η及びη0から求めた上記粘度比は通常1より大きく、好ましくは1より大きく1000以下、更に好ましくは1より大きく500以下、更に好ましくは1より大きく100以下である。また、上記のように、アルコール系溶媒等の極性溶媒を加えて、粘度を調節した場合の上記粘度比は、好ましくは1より大きく10以下、より好ましくは1より大きく8以下、特に好ましくは1より大きく5以下である。
本発明の液状組成物の製造方法には特に限定はない。本発明の液状組成物は、単に上記各成分をそれぞれ上記溶媒に添加混合する方法により得ることができるが、通常、以下に詳述する本発明の液状組成物の製造方法により得ることができる。
(2)液状組成物の製造方法
本発明の液状組成物の製造方法は、溶媒中に極性基変性オレフィン系共重合体、並びに金属イオン及び/又は金属化合物を添加含有させ、次いでシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加含有させることを特徴とする。
本発明の液状組成物の製造方法は、溶媒中に極性基変性オレフィン系共重合体、並びに金属イオン及び/又は金属化合物を添加含有させ、次いでシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加含有させることを特徴とする。
上記溶媒中に上記極性基変性オレフィン系共重合体、並びに上記金属イオン及び/又は金属化合物を添加含有させる方法には特に限定はない。該方法として具体的には、例えば、上記各成分をそれぞれ上記溶媒中に添加・混合する方法や、あるいは、上記各成分をそれぞれ上記溶媒中に溶解又は分散させた溶液又は分散液を調製し、これらを混合する方法等が挙げられる。上記溶媒中に上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物を溶解又は分散させる場合、上記極性基含有オレフィン系共重合体及び金属化合物の添加順序には特に限定はない。いずれかを先に添加してよく、あるいは、両者を同時に添加してもよいが、上記極性基含有オレフィン系共重合体を先に添加し、次いで上記金属化合物を添加する方が好ましい。即ち、上記極性基含有オレフィン系共重合体を先に添加し、十分混合、分散した状態で上記金属化合物を添加すれば、上記金属化合物も適切に混合、分散させることができるので好ましい。また、上記各成分の混合は、一般的に用いられる溶液撹拌装置によって行うことができる。更に、混合条件については特に限定はなく、例えば、混合する際の温度は室温でも高温下でもよい。具体的には、20℃以上であることが好ましく、より好ましくは30℃以上である。また、金属イオンや金属化合物による架橋を促進するために、適宜の触媒を加えてもよい。
上記極性基変性オレフィン系共重合体、並びに上記金属イオン及び/又は金属化合物については、本発明の液状組成物の項で既に詳述した通りである。例えば、上記金属化合物としては、既に詳述したように、金属元素を含有する無機化合物でもよく、有機化合物でもよい。また、上記金属化合物が無機金属化合物の場合、上記極性基含有オレフィン系共重合体に対する分散性を高めるために、シランカップリング剤や高級脂肪酸等で表面処理されたものであってもよい。これらの金属化合物は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
上記金属化合物の使用割合は特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常は、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。上記金属化合物の使用割合を0.1質量部以上とすると、得られるエラストマーフィルムの架橋密度が高く、機械的強度及び耐熱性が高いエラストマーフィルムとすることができるので好ましい。一方、上記金属化合物の使用割合を20質量部以下とすると、得られるエラストマーフィルムの架橋密度を適切な範囲に調整することができ、その結果、架橋密度が高過ぎることにより、硬度が高すぎて脆いフィルムとなることを抑制することができるので好ましい。
本発明の液状組成物の製造方法では、上記極性基含有オレフィン系共重合体に対する上記金属化合物の混和性、及び得られるエラストマーフィルムの耐熱性を向上させるために、上記金属化合物以外に、活性剤としてカルボン酸の金属塩を添加することができる。該カルボン酸の金属塩としては、1価のカルボン酸の金属塩を用いることが好ましい。また、上記カルボン酸は、炭素数3〜23のものであることが更に好ましい。かかるカルボン酸の具体例としては、プロピオン酸、アクリル酸、酪酸、メタクリル酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2ーエチルヘキサン酸、デカン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ナフテン酸、安息香酸等が挙げられる。また、活性剤として用いられる金属塩における金属としては、既に例示した金属から選択して用いることができるが、上記金属化合物を構成する金属と同種の金属を用いることが好ましい。また、上記活性剤として用いられる金属塩の使用割合は、上記極性基含有オレフィン系共重合体100質量部に対し、通常0.3〜20質量部、好ましくは1〜15質量部である。この割合が0.3質量部以上であると、効果が十分に発揮され、また、20質量部以下とすると、得られるエラストマーフィルムの機械的強度の低下を抑制できるので好ましい。
尚、上記金属化合物や上記活性剤の上記溶媒に対する溶解性が低い場合には、上記金属化合物や上記活性剤を溶媒中に懸濁状態で分散させた分散液を調製してもよく、また、上記金属化合物や上記活性剤を溶解するために他の溶媒や添加剤を加えてもよい。
本発明の液状組成物の製造方法では、上記溶媒中に上記極性基変性オレフィン系共重合体、並びに上記金属イオン及び/又は金属化合物を添加含有させた後、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加含有させる。本発明の液状組成物の製造方法では、かかる構成を有することにより、シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種をペレットとし、これと極性基変性オレフィン系共重合体とを押出器で混合する場合と比べて、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を極性基変性オレフィン系共重合体中に均一に分散させることができる。その結果、得られるエラストマーフィルムにおいて、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種が均一に分散し、摺動性、特に経時的摺動性を向上させることができる。また、本発明の液状組成物の製造方法では、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加する前に、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋させることができるため、上記極性基変性オレフィン系共重合体と、上記金属イオン及び/又は金属化合物を構成する金属とを、均一且つ十分に架橋することができる。
上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上の配合量は特に限定はないが、通常、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜20質量部、更に好ましくは1〜20質量部、より好ましくは3〜18質量部、特に好ましくは5〜15質量部である。上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂は滑り易いことから、これらのペレットを押出機等で溶融混練する場合、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の含有量が多いと、極性基変性オレフィン系共重合体中に均一に分散させることが必ずしも容易ではない(この方法では、通常、配合量が1質量部未満である。)。一方、本発明の液状組成物の製造方法では、押出機等による溶融混練と比べて多量に上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を配合することができ、極性基変性オレフィン系共重合体中に均一に分散させることができる。その結果、得られるエラストマーフィルムの密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性を向上させると共に、摺動性、特に経時的摺動性を更に向上させることができるので好ましい。
上記溶媒中に上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加含有させる各成分を混合する方法としては、例えば、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を上記溶媒中に添加・混合する方法、及び固形状の上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を溶媒中に溶解又は分散させた溶液又は分散液を調製し、これを上記極性基含有オレフィン系共重合体等を含有する上記溶媒中に添加・混合する方法等が挙げられる。
(3)エラストマーフィルム
本発明のエラストマーフィルムは、本発明の液状組成物を塗布し、溶媒を除去することにより形成されるエラストマー層を有することを特徴とする。
上記のように、本発明の液状組成物では、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を上記極性基変性オレフィン系共重合体中に均一に分散させることができるので、本発明のエラストマーフィルムでも、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上は均一に分散させることができる。その結果、従来のように、単に上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂のペレットと上記極性基変性オレフィン系共重合体とを押出器で混合し、次いで成形することにより得られたエラストマーフィルムと比較して、エラストマーフィルムの摺動性、特に経時的摺動性を向上させることができ、摺動性を長く維持することができる。
本発明のエラストマーフィルムは、本発明の液状組成物を塗布し、溶媒を除去することにより形成されるエラストマー層を有することを特徴とする。
上記のように、本発明の液状組成物では、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を上記極性基変性オレフィン系共重合体中に均一に分散させることができるので、本発明のエラストマーフィルムでも、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上は均一に分散させることができる。その結果、従来のように、単に上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂のペレットと上記極性基変性オレフィン系共重合体とを押出器で混合し、次いで成形することにより得られたエラストマーフィルムと比較して、エラストマーフィルムの摺動性、特に経時的摺動性を向上させることができ、摺動性を長く維持することができる。
また、本発明のエラストマーフィルムを構成する上記エラストマー層において、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、極性基を介して架橋していると解される。そして、エラストマーフィルムの各種性質を向上させることができるのは、かかる構成を備えることによるためと考えられる。ここで、上記極性基を介して架橋するとは、上記極性基と上記金属イオン及び/又は金属化合物を構成する金属との間で、電気的な相互作用により凝集することであり、このような架橋としては、例えば、金属イオンと上記極性基のイオンとの間で形成されるイオン架橋が挙げられるが、電気的な相互作用により凝集している限り、かかるイオン架橋には限定されない。かかる架橋は、電子線照射等により形成される架橋と異なり、加熱により相互作用が弱まる結果、高温になるにつれて弾性率が低下するという作用効果を奏する。尚、本見解は推定に基づくものであり、何ら本発明を限定する趣旨のものでないことを付言する。
本発明のエラストマーフィルムの厚みは特に限定はない。本発明のエラストマーフィルムの厚みは、通常1〜2000μm、好ましくは1〜1000μm、更に好ましくは1〜500μmである。
本発明のエラストマーフィルムを構成する上記エラストマー層中の上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の含有量は特に限定はない。通常、上記エラストマー層100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜20質量部、更に好ましくは1〜20質量部、より好ましくは3〜18質量部、特に好ましくは5〜15質量部である。上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の含有量を上記範囲とすることにより、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性に優れると共に、摺動性を更に向上させることができるので好ましい。
本発明のエラストマーフィルムにおいて、上記エラストマー層は1層のみの単層体でもよく、あるいは、種類、性質が同一又は異なる上記エラストマー層を2層以上、3層以上又は4層以上有する多層体でもよい。
上記エラストマー層の厚さについても特に限定はない。通常、上記エラストマー層の厚さは5〜3000μm、好ましくは10〜2000μm、更に好ましくは15〜1000μmである。上記エラストマー層が2層以上の場合、上記エラストマー層の厚さは、個々のエラストマー層の厚さが上記範囲であってもよく、あるいは、全体の厚さが上記範囲内であってもよい。
上記エラストマー層には、上記極性基含有オレフィン系共重合体の少なくとも一部に架橋を形成することができる。かかる架橋を形成することにより、上記エラストマー層の耐熱性を向上させることができる。かかる架橋の形成方法としては、例えば、電子線照射、紫外線照射又は加熱等が挙げられる。電子線照射の場合は、得られたフィルムについて、電子線照射装置により電子線照射することにより、架橋を形成することができる。また、紫外線照射の場合は、必要に応じて光増感剤を混和し、得られたフィルムについて、紫外線照射装置により紫外線照射することにより、架橋を形成することができる。更に、加熱により架橋を行う場合、必要に応じて有機過酸化物等の架橋剤、更には架橋助剤を混和し、得られたフィルムについて、窒素雰囲気等、空気の存在しない雰囲気で加熱することにより、架橋を形成することができる。
上記エラストマー層は、必要に応じて各種添加剤、例えば滑剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、防菌・防かび剤、分散剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、粘着付与剤、発泡助剤、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、ポリマービーズ等の充填剤又はこれらの混合物、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉、木粉等の充填剤、パラフィン系プロセスオイル、パラフィン系合成油、水添パラフィン系オイル等の軟化剤、低分子量ポリマー等の1種又は2種以上を含んでいてもよい。これらは通常、本発明の液状組成物に添加される。
上記エラストマー層は、本発明の液状組成物を用いて成形することにより得ることができる。この成形方法には特に限定はなく、熱可塑性樹脂シートの成形方法として利用されている種々の方法を採用することができる。この成形方法としては、例えば、押出法、カレンダー成型法、溶媒キャスト法、射出成形法、真空成形法、パウダースラッシュ成形法及び加熱プレス法等が挙げられる。これらの中では、押出法、射出成形法、及び溶媒キャスト法が特に好ましい。
本発明の液状組成物をワニス用に用いる場合は、スプレー、ハケ、ロール、ロールコーター、スピンコート、ディッピング等で本発明の液状組成物を基材に塗布し、次いで溶媒を除去することにより、上記エラストマー層を形成することができる。上記基材の種類、材質についても特に限定はない。上記基材としては、例えば、樹脂等の重合体又は重合体フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリビニルアルコール等)、スチールベルト、並びにセラミック及びガラス等の無機材料基材等が挙げられる。
また、本発明の液状組成物を溶媒キャスト用に用いて、均一の厚みの上記エラストマー層を製造する方法としては、該液状組成物を一定幅のダイスより金属ドラム、スチームベルト、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンベルト等の上に押し出し、溶媒を除去する方法等が挙げられる。また、スプレー、ハケ、ロール、スピンコート、ディッピング等で溶液を塗布し、溶媒を除去することにより、均一厚みの上記エラストマー層を製造する方法等も挙げられる。
本発明の液状組成物の塗布は1回でもよく、2回以上繰り返して塗布してもよい。2回以上塗布する場合、塗布する本発明の液状組成物の濃度や架橋度等を変えることにより、厚みや弾性率等の機械的特性が異なる多層フィルムを得ることができるので好ましい。
上記押出法は、従来公知の押出法であればよく、その方法、条件について特に限定はない。具体的には、例えば、Tダイ押出法により成形することができる。即ち、シリンダー内に上記液状組成物を添加し、混合物をTダイへ移送して押出法により成形することができる。また、上記押出法では、上記シリンダー内で加熱し、ベント口から溶媒を留去することが好ましい。
本発明のエラストマーフィルムを得る場合、上記溶媒を除去することによりエラストマー層を形成する。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。
本発明のエラストマーフィルムは、上記エラストマー層のみで構成されていてもよく、あるいは、上記エラストマー層以外に他の層を有してもよい。上記他の層は、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に設けられていればよい。即ち、上記エラストマー層の一方の表面にのみ設けてもよく、あるいは、上記エラストマー層の両方の表面に設けてもよい。更に、上記エラストマー層が2層以上の場合、上記エラストマー層間に上記他の層を設けてもよい。
上記他の層の材質・形状・構造については特に限定はない。上記他の層の材質としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、上記エラストマー層を構成するエラストマー以外のエラストマー、FRP、金属、ガラス、織物、木材、及び粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、及びフッ素樹脂等が挙げられる。
また、上記他の層は1層のみでもよく、2層以上でもよい。更に、2層以上の場合、各上記他の層は同一の材質でもよく、異なる材質のフィルム層でもよい。更に、上記他の層の厚さについては特に限定はなく、通常は2.0mm以下、好ましくは、1.3mm以下、更に好ましくは1.0mm以下、特に好ましくは0.01〜0.8mmである。
上記他の層の具体例としては、例えば、偏光フィルム層、反射防止フィルム層、アンチグレアフィルム層、視角補償フィルム層、位相差フィルム層、カラーフィルタ層及びEMCフィルム層等が挙げられる。本発明の上記エラストマー層は、上記の各種フィルムを貼り合わせる粘着剤として使用できる。
上記他の層を設ける方法については特に限定はない。通常は、成形された上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に、上記他の層を積層する。また、成形された上記他の層の少なくとも一方の表面に、上記エラストマー層を積層してもよい。ここで、上記他の層を「積層」するとは、完全な固形状の他の層を積層する場合だけでなく、加熱等により液状又は半固形状となった他のフィルムを上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に塗布等の手段により載置し、その後、冷却等により完全な固形状にする場合も含む。
上記他の層を有する本発明のエラストマーフィルムの製造方法としては、例えば、上記エラストマー層と上記他の層とを接着剤(又は粘着剤)を用いて接合したり、ホットプレス及びコールドプレス(単に押しつけて接合する場合も含む。)等を用いて直接接合する方法等が挙げられる。その他、コーティング法、キャスト法(無溶媒キャスト法及び溶媒キャスト法)、押出法、プレス成形法、射出成形法、注型法、及びインフレーション法等が挙げられる。また、共押出法等の方法によって、上記エラストマー層と上記他の層を成形すると共に、両者を貼り合わせて積層する方法等も挙げられる。
上記プレス法では、プレスロール等を用いてホットプレス及びコールドプレス(単に押しつけて接合する場合も含む。)等により加圧しながら直接接合する。勿論、この場合、接着剤又は粘着剤を用いて接合してもよく、これらを用いずに、加圧のみで直接接合してもよい。より具体的には、例えば、上記エラストマー層を搬送しながら、加熱により半硬化状態である上記他の層を押出し、又はドクターブレードで上記エラストマー層の表面に供給し、次いでローラー等で圧着し、その後冷却等することにより、本発明の積層体を得ることができる。この場合、上記エラストマー層は通常、それ自体柔軟であると共に粘着性を有していることから、圧着により本発明の積層体を得る場合、加熱せずに圧着してもよいが、加熱しながら圧着するのが好ましい。
上記コーティング法及びキャスト法として具体的には、例えば、(1)上記他の層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させることにより混合液を調製し、該混合液を任意の方法によって成形した上記エラストマー層の表面に塗布することにより、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に上記他の層を形成したり、あるいは(2)加熱や溶媒等に溶解又は分散させる等により液状又は半固形状となった他の層を、上記エラストマー層の一方の表面又は両表面に塗布することにより、上記エラストマー層の少なくとも一方の表面に上記他の層を形成する。上記塗布の方法については特に限定はない。上記塗布の方法としては、例えば、ロールコーターにより塗布する他、溶媒キャスト法、スピンコート法等によって塗布することができる。
そして、上記塗布後、必要に応じて溶媒を除去したり、あるいは乾燥等を行うことにより、上記他の層を積層することができる。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。
そして、上記塗布後、必要に応じて溶媒を除去したり、あるいは乾燥等を行うことにより、上記他の層を積層することができる。上記溶媒の除去方法には特に限定はなく、例えば、加熱、減圧、水蒸気蒸留等の周知の方法により除去することができる。
上記押出法は、従来公知の押出法であればよく、その方法、条件について特に限定はない。具体的には、例えばTダイ押出法により成形することができる。即ち、シリンダー内に上記他の層となる基材を構成する成分を添加溶融し、溶融物をTダイへ移送して、上記エラストマー層の表面に押出すことにより成形することができる。逆に、シリンダー内に本発明の液状組成物を添加し、これをTダイへ移送して、上記他の層を構成する基材の表面に押出すことにより成形することもできる。上記Tダイ押出法において、上記他の層となる基材を構成する成分の含有液は、溶媒を含んでいても、含んでいなくてもよい。溶媒を含む場合、上記シリンダー内で加熱し、ベント口から溶媒を留去することが好ましい。
また、押出成形法において、上記他の層となる基材が熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーである場合には、2台以上の押出機を1台の金型ダイスに接続し、一方の押出機に基材を供給し、他方の押出機に本発明の液状組成物を供給し、各押出機を同時に作動させることにより、また、金型ダイスの内部において、上記他の層となる基材及び上記エラストマー層を同時に成形してもよい。このような方法は、例えば特開2001−10418号公報に記載されている。
上記射出成形法としては、例えば、以下のように行われる。
上記他の層となる基材が熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーよりなる基材である場合は、予め作製された上記基材を金型内に配置し、次いで、本発明の液状組成物を射出成形することによって、上記エラストマー層を形成することができる。また、2台の射出成形機と1台の金型とを用い、一方の射出成形機に本発明の液状組成物を供給し、他方の射出成形機に上記基材を供給し、2台の射出成形機を連続して作動させることにより、金型内において、上記他の層となる基材及び上記エラストマー層を連続して成形してもよい。
上記他の層となる基材が熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーよりなる基材である場合は、予め作製された上記基材を金型内に配置し、次いで、本発明の液状組成物を射出成形することによって、上記エラストマー層を形成することができる。また、2台の射出成形機と1台の金型とを用い、一方の射出成形機に本発明の液状組成物を供給し、他方の射出成形機に上記基材を供給し、2台の射出成形機を連続して作動させることにより、金型内において、上記他の層となる基材及び上記エラストマー層を連続して成形してもよい。
更に、本発明のエラストマーフィルムには、その表出面に保護フィルム層を設けてもよい。例えば、上記他の層の表面に上記保護フィルム層を設けることができる。更に、上記他の層が上記エラストマー層の片面にのみ設けられている場合には、上記エラストマー層及び上記他の層の表面に上記保護フィルム層を設けることができる。尚、全て表出面の両方に保護フィルム層を設けてもよく、いずれか一方の表出面にのみ設けてもよい。かかる保護フィルム層を有することにより、使用前の上記エラストマー層及び上記他の層の破損を防ぐと共に、使用時には上記保護フィルム層を剥がし、他の被着物表面に貼着することにより、容易に上記エラストマー層を備える構造体を得ることができる。
上記保護フィルム層の材質・形状・構造について特に限定はない。例えば、上記保護フィルム層の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、及びフッ素樹脂等の樹脂、又は樹脂を紙に含浸させることにより得られる樹脂含浸紙等が挙げられる。尚、上記保護フィルム層は透明でもよく、透明でなくてもよい。また、上記保護フィルム層の形状は、シート状でもよく、フィルム状でもよい。更に、上記保護フィルム層は単層構造でもよく、2層以上の積層体でもよい。例えば、積層体としては、上記特許文献3に記載されているような基材フィルムの少なくとも片面にゴムフィルムを積層した積層体等が挙げられる。また、本発明の積層体において、上記保護フィルム層が2以上ある場合、各保護フィルム層は同じ材質・形状・構造の保護フィルム層でもよく、材質、形状又は構造が異なる保護フィルム層を併用してもよい。
また、上記保護フィルム層と、上記エラストマー層及び上記他の層のうちの表出面との間には、上記保護フィルム層の剥離を容易にするために、剥離層を設けることができる。かかる剥離層を設ける方法は特に限定はない。例えば、上記剥離層は、上記保護フィルム層表面、又は上記エラストマー層及び上記他の層のうちの表出面に剥離コート剤を塗布することにより設けることができる。該剥離コート剤の種類については特に限定はない。上記剥離コート剤として具体的には、例えば、シリコン系コート剤、無機系コート剤、フッ素コート剤、有機無機ハイブリッド系コート剤等が挙げられる。上記剥離層を備える本発明の積層体は、通常は、上記保護フィルム層表面に上記剥離層を設けた後、上記エラストマー層又は上記他の層の表出面に積層することにより得ることができる。この場合、上記剥離層は上記保護フィルム層表面ではなく、上記エラストマー層又は上記他の層の表出面に設けてもよい。
上記剥離可能な保護フィルム層を有するエラストマーフィルムは、上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に保護フィルム層を積層し、次いで、必要に応じて圧着することにより得ることができる。尚、上記保護フィルム層を「積層」するとは、完全な固形状の保護フィルムを積層する場合だけでなく、加熱等により液状又は半固形状となった保護フィルムを上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に塗布等の手段により載置し、その後、冷却等により完全な固形状にする場合も含む。
上記剥離可能な保護フィルム層を有するエラストマーフィルムは、例えば、上記保護フィルム層を構成する成分を溶媒に溶解、又は溶融することにより得られる含有液を、上記エラストマー層及び上記他の層の少なくとも一方の表面に塗布し、乾燥することにより得ることができる。この場合、塗布の方法には限定はなく、通常はロールコーター等により行われる。
また、上記剥離可能な保護フィルム層を有するエラストマーフィルムは、例えば、上記エラストマー層と上記他の層(半硬化状態又は硬化状態)とを有する積層体を搬送しながら、上記エラストマー層及び上記他の層の表出面に上記保護フィルム層を積層し、次いで積層物をローラー等で圧着等することにより得ることができる。この場合、上記保護フィルム層は、その表面に予め剥離層を設け、この剥離層が上記エラストマー層又は上記他の層の表出面と接するように、上記保護フィルム層を上記エラストマー層又は上記他の層の表出面に積層してもよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
(1)液状組成物の調製
上記極性基変性オレフィン系共重合体、上記溶媒、及び上記金属化合物として、以下の極性基変性オレフィン系共重合体、有機溶媒、及び金属化合物を用いた。
〔1〕極性基変性オレフィン系共重合体
「A−1」:エチレンに由来する構造単位を75.1モル%、プロピレンに由来する構造単位を22.8モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位を1.8モル%、及び8−メチル−8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位を0.3モル%含み、重量平均分子量(Mw)が16.0×104である共重合体。
〔2〕溶媒
「B−1」:トルエン(和光純薬工業社製)
「B−2」:メタノール(和光純薬工業社製)
〔3〕金属化合物
「C−1」:テトラn−ブトキシジルコニウム(和光純薬工業社製)
〔4〕シリコーン系ポリマー
「D−1」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「SH−200」 粘度100cSt)
「D−2」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「SH−200」 粘度1000cSt)
「D−3」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「SH−200」 粘度12500cSt)
「D−4」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「BY16−140」 粘度1000000cSt以上)
「D−5」:ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%とからなり、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキサンで封鎖された重合度約7000のメチルビニルシロキサン100質量部と、シリカ(日本アエロジル社製「アエロジル200」)40質量部との混合物(GE東芝シリコーン社製 商品名「TSE221−5U」)
上記極性基変性オレフィン系共重合体、上記溶媒、及び上記金属化合物として、以下の極性基変性オレフィン系共重合体、有機溶媒、及び金属化合物を用いた。
〔1〕極性基変性オレフィン系共重合体
「A−1」:エチレンに由来する構造単位を75.1モル%、プロピレンに由来する構造単位を22.8モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位を1.8モル%、及び8−メチル−8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位を0.3モル%含み、重量平均分子量(Mw)が16.0×104である共重合体。
〔2〕溶媒
「B−1」:トルエン(和光純薬工業社製)
「B−2」:メタノール(和光純薬工業社製)
〔3〕金属化合物
「C−1」:テトラn−ブトキシジルコニウム(和光純薬工業社製)
〔4〕シリコーン系ポリマー
「D−1」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「SH−200」 粘度100cSt)
「D−2」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「SH−200」 粘度1000cSt)
「D−3」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「SH−200」 粘度12500cSt)
「D−4」:ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名「BY16−140」 粘度1000000cSt以上)
「D−5」:ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%とからなり、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキサンで封鎖された重合度約7000のメチルビニルシロキサン100質量部と、シリカ(日本アエロジル社製「アエロジル200」)40質量部との混合物(GE東芝シリコーン社製 商品名「TSE221−5U」)
100リットルの窒素置換した反応器を用いて、充填率が70%となるように、極性基変性オレフィン系共重合体(A−1)100部をトルエン(B−1)1000部に加えて、80℃にて溶解させた。その後、テトラn−ブトキシジルコニウム(C−1)を1部加え、80℃にて120分間撹拌した。次いで、ジメチルポリシロキサン(D−3)6部を加え、80℃にて120分間撹拌することにより、液状組成物(i)を調製した。
また、上記と同様の手順で共重合体、溶媒、及び金属化合物を、表1に記載の割合で混合することにより、液状組成物(ii)〜(vii)を調製した。
また、上記と同様の手順で共重合体、溶媒、及び金属化合物を、表1に記載の割合で混合することにより、液状組成物(ii)〜(vii)を調製した。
(2)エラストマーフィルムの作製
上記液状組成物(i)〜(vii)を、厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名「帝人テトロンフィルムHSL」)上に塗布し、室温にて12時間乾燥した後、80℃で4時間真空下で加熱乾燥することにより、実施例1〜5及び比較例1〜2の各エラストマーフィルムを得た。実施例1〜4及び比較例1〜2で使用した液状組成物の種類を表2に示す。このとき、上記液状組成物(i)〜(vii)の濃度に応じて、得られるエラストマーフィルムの厚みが300μmになるよう塗布厚みを調整した。以下に記載の耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性の評価では、得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の各エラストマーフィルムを、ポリエステルフィルムから剥離して用いた。尚、密着性及び塗布性の評価では、後述の密着性及び塗布性の項に記載した方法で、実施例1〜5及び比較例1〜2の各エラストマーフィルムを得て、評価を行った。
尚、比較例3として、極性基変性オレフィン系共重合体(A−1)100部、テトラn−ブトキシジルコニウム(C−1)1部、ジメチルポリシロキサン(D−3)6部をバンバリーミキサーを用いて、80℃、70rpmの条件で混練しようと試みたが、材料が滑って混練することができず、評価用のフィルムを作製することができなかった。
上記液状組成物(i)〜(vii)を、厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名「帝人テトロンフィルムHSL」)上に塗布し、室温にて12時間乾燥した後、80℃で4時間真空下で加熱乾燥することにより、実施例1〜5及び比較例1〜2の各エラストマーフィルムを得た。実施例1〜4及び比較例1〜2で使用した液状組成物の種類を表2に示す。このとき、上記液状組成物(i)〜(vii)の濃度に応じて、得られるエラストマーフィルムの厚みが300μmになるよう塗布厚みを調整した。以下に記載の耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性の評価では、得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の各エラストマーフィルムを、ポリエステルフィルムから剥離して用いた。尚、密着性及び塗布性の評価では、後述の密着性及び塗布性の項に記載した方法で、実施例1〜5及び比較例1〜2の各エラストマーフィルムを得て、評価を行った。
尚、比較例3として、極性基変性オレフィン系共重合体(A−1)100部、テトラn−ブトキシジルコニウム(C−1)1部、ジメチルポリシロキサン(D−3)6部をバンバリーミキサーを用いて、80℃、70rpmの条件で混練しようと試みたが、材料が滑って混練することができず、評価用のフィルムを作製することができなかった。
(3)評価
実施例1〜5及び比較例1〜2のフィルムを用い、下記に記載の方法により、摺動性、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性を評価した。その結果を表2に示す。
〔1〕摺動性
ガラスリング試験片摺動速度100mm/min(1ストローク=50mm)で、外径25.7mm、内径20mm、高さ16.5mm、重さ9.6gの円筒型ガラスリング試験片に対する、実施例1〜5及び比較例1〜2のフィルム(長さ110mm、幅61mm、厚さ0.5mm)の動摩擦係数を測定した。
また、耐久摺動性として、上記条件でガラスリングを往復摺動させたときの1000回目の動摩擦係数を測定した。この動摩擦係数が小さいほど摺動性に優れることを表す。
実施例1〜5及び比較例1〜2のフィルムを用い、下記に記載の方法により、摺動性、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び絶縁性を評価した。その結果を表2に示す。
〔1〕摺動性
ガラスリング試験片摺動速度100mm/min(1ストローク=50mm)で、外径25.7mm、内径20mm、高さ16.5mm、重さ9.6gの円筒型ガラスリング試験片に対する、実施例1〜5及び比較例1〜2のフィルム(長さ110mm、幅61mm、厚さ0.5mm)の動摩擦係数を測定した。
また、耐久摺動性として、上記条件でガラスリングを往復摺動させたときの1000回目の動摩擦係数を測定した。この動摩擦係数が小さいほど摺動性に優れることを表す。
〔2〕密着性
実施例1〜5及び比較例1〜2として、溝の幅1mm、溝の深さ0.5mm、溝の間隔5mmの格子状の溝があるガラス基盤(10cm×10cm×2mm)の上に、上記液状組成物(i)〜(vi)を塗布した後、12時間乾燥して溶媒を除去してエラストマーフィルムとガラス基盤との積層体を得た。そして、各積層体を目視で観察し、以下の基準で密着性を判断した。
○:エラストマーフィルムとガラス基盤との間に気泡などの空隙が観察されず、密着性に優れる。
×:エラストマーフィルムとガラス基盤との間に気泡が観察され、密着性に劣る。
実施例1〜5及び比較例1〜2として、溝の幅1mm、溝の深さ0.5mm、溝の間隔5mmの格子状の溝があるガラス基盤(10cm×10cm×2mm)の上に、上記液状組成物(i)〜(vi)を塗布した後、12時間乾燥して溶媒を除去してエラストマーフィルムとガラス基盤との積層体を得た。そして、各積層体を目視で観察し、以下の基準で密着性を判断した。
○:エラストマーフィルムとガラス基盤との間に気泡などの空隙が観察されず、密着性に優れる。
×:エラストマーフィルムとガラス基盤との間に気泡が観察され、密着性に劣る。
〔3〕塗布性
実施例1〜5及び比較例1〜2として、上記液状組成物(i)〜(vii)を、ガラス板(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)、アクリル板(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)、ポリカーボネート板(帝人化成社製、商品名「パンライト」)、シリコンウェハ(信越化学社製)、ポリエステルフィルム(東レ社製、「ルミラー」)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名「カプトン」)、トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「コニカミノルタTACフィルム」)、ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製、商品名「ポバールフィルム」)に塗布して乾燥し、厚み300μmのエラストマーフィルムを得た。そして、塗布面を目視で観察して、以下の基準により塗布性を判断した。
○:全ての基材に対してエラストマーフィルムの塗布が均一で穴や厚みムラが観察されず、塗布性に優れる。
×:基材の1種以上に対してエラストマーフィルムの塗布が均一では無く穴や厚みムラが観察され、塗布性に劣る。
実施例1〜5及び比較例1〜2として、上記液状組成物(i)〜(vii)を、ガラス板(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)、アクリル板(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)、ポリカーボネート板(帝人化成社製、商品名「パンライト」)、シリコンウェハ(信越化学社製)、ポリエステルフィルム(東レ社製、「ルミラー」)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名「カプトン」)、トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「コニカミノルタTACフィルム」)、ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製、商品名「ポバールフィルム」)に塗布して乾燥し、厚み300μmのエラストマーフィルムを得た。そして、塗布面を目視で観察して、以下の基準により塗布性を判断した。
○:全ての基材に対してエラストマーフィルムの塗布が均一で穴や厚みムラが観察されず、塗布性に優れる。
×:基材の1種以上に対してエラストマーフィルムの塗布が均一では無く穴や厚みムラが観察され、塗布性に劣る。
〔4〕耐衝撃性
図1に示すように、実施例1〜5及び比較例1〜2の各フィルム11を、厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸ガラス板である基層2(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)と、厚さ0.5mmのアクリル板3(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)との間に挟んで、積層体1を得た。そして、大理石等からなる基台62の上に、厚さ2mmの鉄板61(SUS304製)を載せ、この上に、積層体1をアクリル板3が上になるように載せた。次いで、鉄球7(直径5cm、質量550g)を所定高さから積層体1上に自由落下させて衝突させた。その後、積層体1にヒビや割れ等の破損が起きていないかを目視で確認した。そして、積層体1が破損した時の高さを落球高度(cm)として求め、この落球高度から以下の基準で耐衝撃性を判断した。
○:落球高度が50cmより大きく耐衝撃性に優れる。
×:落球高度が50cm以下で耐衝撃性に劣る。
図1に示すように、実施例1〜5及び比較例1〜2の各フィルム11を、厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸ガラス板である基層2(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)と、厚さ0.5mmのアクリル板3(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)との間に挟んで、積層体1を得た。そして、大理石等からなる基台62の上に、厚さ2mmの鉄板61(SUS304製)を載せ、この上に、積層体1をアクリル板3が上になるように載せた。次いで、鉄球7(直径5cm、質量550g)を所定高さから積層体1上に自由落下させて衝突させた。その後、積層体1にヒビや割れ等の破損が起きていないかを目視で確認した。そして、積層体1が破損した時の高さを落球高度(cm)として求め、この落球高度から以下の基準で耐衝撃性を判断した。
○:落球高度が50cmより大きく耐衝撃性に優れる。
×:落球高度が50cm以下で耐衝撃性に劣る。
〔5〕柔軟性
粘弾性測定装置(レオロジー社製、商品名「MR−500」)を用いて、エラストマーフィルムの温度30℃、周波数1Hzの条件での剪断貯蔵弾性率(G’30)を測定した。そして、この測定結果から、以下の基準で柔軟性を評価した。
○:G’30が1×109dyn/cm2より小さく、柔軟性に優れる。
×:G’30が1×109dyn/cm2以上で、柔軟性に劣る。
粘弾性測定装置(レオロジー社製、商品名「MR−500」)を用いて、エラストマーフィルムの温度30℃、周波数1Hzの条件での剪断貯蔵弾性率(G’30)を測定した。そして、この測定結果から、以下の基準で柔軟性を評価した。
○:G’30が1×109dyn/cm2より小さく、柔軟性に優れる。
×:G’30が1×109dyn/cm2以上で、柔軟性に劣る。
〔6〕絶縁性
JIS K−6911に準拠して、エラストマーフィルムの体積抵抗率(Ω・cm)を測定し、以下の基準で絶縁性を評価した。
○:体積抵抗率が1×1012以上であり、絶縁性に優れる。
×:体積抵抗率が1×1012より小さく、絶縁性に劣る。
JIS K−6911に準拠して、エラストマーフィルムの体積抵抗率(Ω・cm)を測定し、以下の基準で絶縁性を評価した。
○:体積抵抗率が1×1012以上であり、絶縁性に優れる。
×:体積抵抗率が1×1012より小さく、絶縁性に劣る。
(3)結果
表2より、本発明の液状組成物から得られた実施例1〜5のフィルムは、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び粘着性に優れることに加え、更に摺動性にも優れていることが分かる。特に、低分子量シリコーン系ポリマーと高分子量シリコーン系ポリマーとを併用している実施例4及び5では、初期摺動性及び耐久摺動性が実施例1〜3よりも優れていることが分かる。
一方、極性基変性オレフィン系共重合体のみで構成される比較例1のフィルムは、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び粘着性は実施例1〜5と同様に優れているが、摺動性は実施例1〜5よりも劣ることが分かる。また、比較例2のフィルムは、摺動性に優れる反面、密着性、塗布性、耐衝撃性に劣っていることが分かる。
以上より、本発明の液状組成物から得られたフィルムは、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、粘着性、及び摺動性の全ての性質が優れていることが分かる。
表2より、本発明の液状組成物から得られた実施例1〜5のフィルムは、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び粘着性に優れることに加え、更に摺動性にも優れていることが分かる。特に、低分子量シリコーン系ポリマーと高分子量シリコーン系ポリマーとを併用している実施例4及び5では、初期摺動性及び耐久摺動性が実施例1〜3よりも優れていることが分かる。
一方、極性基変性オレフィン系共重合体のみで構成される比較例1のフィルムは、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、及び粘着性は実施例1〜5と同様に優れているが、摺動性は実施例1〜5よりも劣ることが分かる。また、比較例2のフィルムは、摺動性に優れる反面、密着性、塗布性、耐衝撃性に劣っていることが分かる。
以上より、本発明の液状組成物から得られたフィルムは、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、粘着性、及び摺動性の全ての性質が優れていることが分かる。
尚、本発明においては、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
本発明の液状組成物により形成されたエラストマーフィルムは、従来のフィルムに比べて、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、粘着性、及び摺動性に優れている。そのため、密着性、塗布性、耐衝撃性、柔軟性、粘着性、及び摺動性が要求される分野、例えば、情報機器用ロール、クリーニングブレード、電子部品用フィルム、シール材、写真等の画像保護膜、建材用化粧フィルム、医療用機器部品、電線、日用雑貨品、スポーツ用品等の一般加工品にも幅広く利用することができる。また、本発明の液状組成物により形成されたエラストマーフィルムは、上記特性を生かして、携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用、ノート型コンピュータ用、又は車載用コンピュータ用ディスプレイ、タッチパネル、テレビジョン、及び時計等のディスプレイパネル等に好適に使用することができる。本発明の液状組成物は、上記エラストマーフィルム形成用、より具体的には上記ディスプレイパネル形成用に好適に使用することができる。
1;積層体、11;フィルム、2;基層、3;アクリル板、61;鉄板、62;基台、7;鉄球。
Claims (9)
- 極性基変性オレフィン系共重合体、金属イオン及び/又は金属化合物、並びにシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を溶媒中に含有することを特徴とする液状組成物。
- 上記シリコーン系ポリマーは、JIS K2283で規定される25℃における粘度が10〜106cStの低分子量シリコーン系ポリマー及び106cStを超える高分子量シリコーン系ポリマーである請求項1記載の液状組成物。
- 上記シリコーン系ポリマーは、ジメチルポリシロキサン、メチルフェルニポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、及びテトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、並びにこれらの変性体の1種又は2種以上である請求項1又は2記載の液状組成物。
- 上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し、上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上の含有量の合計が0.1〜20質量部である請求項1乃至3のいずれかに記載の液状組成物。
- 上記溶媒中で、上記極性基変性オレフィン系共重合体は、上記金属イオン及び/又は金属化合物により架橋を形成している請求項1乃至4のいずれかに記載の液状組成物。
- 溶媒中に極性基変性オレフィン系共重合体、並びに金属イオン及び/又は金属化合物を添加含有させ、次いで上記溶媒中にシリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加含有させることを特徴とする液状組成物の製造方法。
- 上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上の配合量の合計は、上記極性基変性オレフィン系共重合体100質量部に対し、0.1〜20質量部である請求項6記載の液状組成物の製造方法。
- 上記シリコーン系ポリマー及びフッ素系樹脂の1種又は2種以上を添加する前に、上記金属イオン及び/又は金属化合物により、上記極性基変性オレフィン系共重合体を架橋させる請求項6又は7記載の液状組成物の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の液状組成物を用いて成形することにより形成されるエラストマー層を有することを特徴とするエラストマーフィルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004134699A JP2005314564A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | 液状組成物及びその製造方法、並びにエラストマーフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2004134699A JP2005314564A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | 液状組成物及びその製造方法、並びにエラストマーフィルム |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005314564A true JP2005314564A (ja) | 2005-11-10 |
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|---|---|---|---|
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|---|---|
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017057387A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | 矢崎エナジーシステム株式会社 | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
-
2004
- 2004-04-28 JP JP2004134699A patent/JP2005314564A/ja active Pending
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