以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシート材情報検出装置及びシート材処理装置の構成を示す図であり、図1において、20は外力印加部材、2は外力印加部材20によりシート材Pに外力を印加する外力印加手段である外力印加部、3は外力に起因してシート材Pから出力される信号を検出する信号検出手段である信号検出部、101は信号検出部3からの出力信号に含まれる特定の領域の周波数成分を除去もしくは抽出するフィルタ、102はフィルタ101からの出力信号に基づいてシート材Pに関する情報を検出するシート材情報検出手段であるシート材情報検出部である。
なお、4は外力印加部2と(シート材を介して)対向する位置に配置されたシート材変位部材であり、このシート材変位部材4により外力が印加された際のシート材Pの位置を制御するようにしている。
図2は、このような構成のシート材情報検出装置におけるシート材情報検出動作を説明する図であり、シート材情報を検出する場合には、まずシート材に外力を加える(S1)。次に、信号検出部3により、外力に起因してシート材から、例えば電気的な波形として出力される信号を検出する(S2)。次に、フィルタ101により、検出した信号から特定の領域の周波数成分を除去もしくは抽出し(S3)、この検出結果(例えば電気信号)に基づきシート材情報検出部102はシート材に関する情報を検出した後、例えばシート材処理装置の不図示のCPUに出力する(S4)。
次に、信号検出部3により検出した信号から、特定の領域の周波数成分をフィルタ101により除去もしくは抽出する工程について説明する。
図3は、本発明の信号の取り扱いを説明する図であり、本実施の形態のシート材情報検出装置を用いて、外力として、ある質量の外力印加部材20を所定の速度でシート材に衝突させた際の、信号検出部3(本実施の形態では圧電素子である)からの電気的な出力波形、ならびに出力波形を高速フーリエ変換(以下FFT)によって周波数解析した例を示している。
なお、図3の(a)は、質の異なる代表的な3種類のシート材、ならびにシート材が無い場合の出力波形の例であり、図3の(b)は、これらの波形をFFTにより周波数成分に対応する信号レベルに変換した例である。
ここで、情報を検出するための被検出シート材としては、普通紙(ゼロックス社 XEROX 4024(75g) 以下XX75と表記)、テクスチャー加工の施された紙(Kimberly−Clark Corporation社NEENAH Paper CLASSIC Laid Writing 以下NCL75と表記)、OHPシート(住友スリーエム社 CG3300 以下OHPと表記)の3つのものを用いている。
なお、図3の(a)は3種類のシート材、ならびにシート材が無い場合の出力波形を重ね書きして示した(表記上の見やすさの為、ピークの時間的位置をずらしてグラフ化している)ものであり、この図から明らかなように、信号検出部3からの出力波形は、外力印加に対応した電圧ピークとなって現れ、シート材の有無、及びシート材の種類によって異なる。
そして、このようなそれぞれの波形に対してFFT解析を行った場合、特に2kHzから10kHz前後の周波数領域でシート材によって信号レベルが大きく異なる。そこで、本実施の形態においては、信号検出部3により検出した信号から特定の領域の周波数成分を除去もしくは抽出し、このような周波数領域における信号レベルの差を検出することにより、シート材に関する情報を効率的に検出するようにしている。
なお、検出した信号から特定の領域の周波数成分を除去もしくは抽出する手段としては任意のものを用いることができるが、好ましいものとして電気的なフィルタ(図1の101)を用いるようにしている。ここで、フィルタとしては所定のカットオフ周波数をもつローパスフィルタまたはハイパスフィルタ、ならびに所定の通過域のバンドパスフィルタが好ましく用いられる。
また当然ながら、信号検出部3からの出力波形は、シート材のみならず、印加する外力や、信号検出部3の特性、とりわけこれらの材質や寸法によって変わることから、取得(検出)したい情報の種類に応じて、フィルタの設計値(カットオフ周波数や通過域、減衰量など)も適当なものを選ぶ必要がある。
一方、外力印加部材20などシート材に接触する部材として金属材料(ステンレス鋼など)を用い、シート材として紙やOHPシートなどを対象とする場合は、概ね以上で述べた周波数領域の信号を抽出することが有効である。このため、フィルタの通過域を2kHzから10kHz、より好ましくは4kHzから7kHz程度とするのが良い。
そして、このようなフィルタ通過後の信号のレベルを比較することなどにより、シート材の情報を効率的に検出できる。なお、後述するように、異なる複数の外力を印加する場合などは、それぞれに対応して得られる出力に好適な通過域のフィルタを用いることは言うまでも無い。
ところで、シート材に関する情報の検出は、検出結果に基づき人が行っても、検出結果を、シート材情報検出部102に入力することに基づき自動的に行うようにしても良い。ここで、上述したシート材情報検出部102は、信号検出部3の検出結果をデータと照らし合わせることによりシート材の情報を検出するようにしても良い。
つまり、シート材情報検出部102は、これらの検出結果(信号)を、予め求められ、不図示のメモリ部に記憶されている、出力信号及び出力信号に対応するシート材の種別や型番、状態変化、印刷状態、重送等の情報が記録されたデータテーブルと照らし合わせて、シート材などを判定した情報として出力するようにしてもよい。
なお、シート材の信号が、環境条件、搬送の状態などに応じて異なる場合は、夫々に対応した複数のテーブルを用意してこれをもとに判定を行うと良い。また、信号検出部3を複数個設けたり、外力の印加条件を変えて複数回の信号検出を行う場合などは夫々に対応したデータテーブルを設けるようにすると良い。
さらに、シート材に関して別の手段(たとえば人為的にセットされる用紙型番の入力や、別途設けられたセンサからの信号など)をあわせて判定してもよい。さらに、これら複数の検出結果や判定結果を組み合わせて判断する為の論理回路を設けることも好ましい。
また、検出される信号に対して、例えばシート材が搬送されていない場合の出力信号を差し引くなどの信号処理を行ってもよい。なお、このような信号処理を行なう処理回路は、シート材が挟持されていない時に、外力により信号検出部が受けた場合の第1の信号と、シート材を挟持している時に、外力により信号検出部が受けた場合の第2の信号とを用いて信号処理を行なうことができる。
ところで、本実施の形態においてシート材とは、記録媒体(例えば、普通紙、光沢紙、コート紙、再生紙、OHPなど)や原稿を意味するものとする。また、「シート材に関する情報」とは、シート材の種別や、型番、シート材の密度や、シート材の厚さや、シート材表面の凹凸や、シート材の状態変化や、印刷状態や、重送の有無あるいは重送枚数や、残数、あるいはシート材の有無、シート材の重なり位置などを意味するものとする。
特に、本発明では、シート材の振動特性や、表面凹凸における周期構造など、周波数成分として特徴的な挙動を示す情報の検出に効果的である。このようなものの例として、シート材の材質や剛性、寸法、凹凸周期(紙などで抄紙工程において意図的にテクスチャーとして形成されるものを含む)、反発、等が挙げられる。
一方、外力印加部2としては、シート材に接触することに基づきシート材に外力を加える外力印加部材20(図1参照)を備えたものでも、空気等の気体を吹き付けるような構成のものでも良い。なお、外力印加部材20は駆動源によって駆動するようにすると良い。
また、本実施の形態で用いられる外力は、電磁気、熱あるいは熱による気体などの媒体の膨張/収縮、レーザー光などの光、電磁波、音波、あるいは振動、力学的力など、どのようなものでも用いることができる。さらに、外力は衝撃力として加えても良いが、振動として加えても良い。
衝撃力を加える場合の駆動源としては、外力印加部材20をシート材Pの上方に保持し、適宜、外力印加部材20をシート材Pに落下させることができるようにしたものや、機械的あるいは電磁気的エネルギーにより外力印加部材20を衝突させるようにしたもの(例えば、ばねなどの機械的手段、ソレノイドやボイスコイルなどの電磁気的な手段)、を挙げることができ、好ましい例としてはモータ、あるいはシート材の搬送系に用いられるローラなどの回転力をギア、カム等の変換機構により方向や大きさを変換して用いることも安定性の点で好ましい。
また、振動を加える場合の駆動源としては、外力印加部材20を振動させる加振手段(例えば、圧電アクチュエータ、静電アクチュエータ、あるいは電磁気的な音響発生器など)を挙げることができる。
また、衝撃力を加える場合、離れた位置からシート材Pに外力印加部材20を衝突させる方法だけでなく、シート材Pに外力印加部材20を接触させた状態のままで、外力印加部材20からシート材Pに衝撃力を加える方法を取ることもできる。
つまり、外力印加部材20による外力の印加は、外力印加部材20をシート材Pに接触させた状態で行うが、外力を印加するときだけ外力印加部材20をシート材Pに接触させても、外力を印加する前から既に外力印加部材20をシート材Pに接触させておいても良い。
なお、前者の場合であって、且つシート材を介して外力印加部材20と信号検出部3とが対向する位置にある場合には、外力印加の際に外力印加部材20と信号検出部3との距離が変わる(短くなる)ことになる。また、外力印加部材20(外力印加手段2)によりシート材に力が印加されると、シート材がわずかに変形する(くぼみ等ができる)ことがあるので、外力は、シート材の端などに印加するとよい。
ところで、上述のような外力の印加は、搬送されている状態のシート材に行っても、一時停止されている状態のシート材に行っても良い。ここで、前者のように搬送されている状態のシート材に外力印加をする場合にはシート材の表面(外力印加部側)の表面状態を短時間で検出することが容易となるメリットがあり、後者のように一時停止されている状態のシート材に外力印加をする場合には、シート材搬送に伴うノイズが無い分だけ検出を正確に行えるというメリットがあり、どちらの状態で行うかは必要に応じて選択すれば良い。
また、外力としては上述したように複数種類のものが挙げられるが、1種類の外力だけを用いても、複数種類の外力を用いても良い。さらに、1種類の外力を用いる場合、1回の外力印加だけでシート材の情報検出をしても、複数回の外力印加を行うことによりシート材の情報検出をしても良い。
ここで、外力印加を複数回行った場合、例えば1種類の外力を複数回印加したり、複数種類の外力を印加したりした場合には、複数のデータが得られるために識別精度もより高くなる。そして、このような複数回の外力印加は、1つの外力印加部材により行っても、複数の外力印加部材により行っても良く、さらに外力の強度(衝撃力や振動の強度)は等しくしても異ならせても良い。なお、このように複数回の外力印加を行う場合には、一旦加えた外力によるシート材の揺れが十分減衰した後、あるいはある所定値以下になった後に次の外力を加えるのが好ましい。
さらに、複数回の外力印加を行う際の好ましい態様として以下のものが挙げられる。
・ 衝突速度の異なる複数回の衝撃
・ 周波数成分の異なる振動
このような外力の印加により、高分子よりなるシート材の粘弾性の差を効率的に出力信号に反映することが可能となる為、シート材の、より詳細な情報を出力できる。また、このような複数回の外力印加を行う場合、信号検出部3からも複数の情報を出力できる。
ところで、情報検出を精度良く行うには、シート材Pを挟んで外力印加部材20に対向する位置に部材(以下、“外力受け部材”とする)を配置してその外力を受けるようにすると良い。
なお、シート材変位部材4を外力印加部材20に対向するように配置した場合(図1参照)には、シート材変位部材4を外力受け部材として機能させれば良く、つまり、別途外力受け部材は設けず、このシート材変位部材4によって外力を受ければ良く、シート材変位部材4を外力印加部材20に対向しない位置に配置した場合には、外力印加部材20に対向する位置に外力受け部材を設ければ良い。このようなシート材変位部材4(外力受け部材)は、シート材との接触面を平面としてもよいし、曲面としてもよい。
また、シート材変位部材4(外力受け部材)の、シート材を介して外力印加部材20の先端と対向する位置などに凹部を設けることで、外力が一点に集中するのを分散させることも、素子寿命などの点で好ましい。またこのような凹部を設けることにより、シート材が外力印加によって凹部に撓むことによる外力の吸収を検出することが可能となり好ましい例である。
上述したシート材変位部材4(外力受け部材)は、シート材を変位させることができるものであればどのような構造のものでも良い。例えば、空気などの緩衝層を介してシート材を変位させるようなものでも、変位部材をシート材搬送路内に突設させてシート材に接触させることによりシート材を変位させるようなものでも良い。但し、シート材変位部材4を外力受け部材としても利用する場合には、後者である必要がある。
そして、このシート材変位部材4(外力受け部材)によって、信号検出部3に対するシート材の位置(つまり、シート材Pと信号検出部3との間隔)を規定しても、外力印加部材20に対するシート材の位置(つまり、シート材Pと外力印加部材20との間隔)を規定しても、外力受け部材に対するシート材の位置(つまり、シート材Pと外力受け部材との間隔)を規定しても良い。
なお、シート材変位部材4(外力受け部材)に対するシート材の位置を規定するようにした場合には、外力印加に起因したシート材の撓みの量を一定にしてこれによる外力吸収量を一定にできるので、印加した外力に対して安定した検出が可能になる。より好ましくは、このシート材変位部材4によってシート材Pが外力受け部材に接触するようにすると良い。このような制御のためには、搬送されるシート材に対して外力受け部材を押し付けるような配置とする。あるいは、シート材変位手段4によりシート材を外力受け部材に対して押さえ込む方向の変位を与える構成とすることもできる。
また、外力印加時にシート材が変位する領域を制限する制限部材を設けることも好ましい。図4は、このような制限部材301を設けたシート材情報検出装置の例を示すものであり、この場合、シート材Pを、シート材変位部材4により所定の位置に変位させる際、制限部材301にシート材Pを押し付けるようにすることが好ましい。なお、41は、このように制限部材301にシート材Pを押し付けるための押し付けローラであり、この押し付けローラ41は、バネ42によりシート材側に付勢されている。
ここで、制限部材301には所定の形状の穴302を設けるようにしている。さらに好ましい態様として、制限部材301の穴302内にシート材変位部材4(外力受け部材)を設けると共に、このシート材変位部材4の上面を、制限部材の穴302の上面より所定の深さdだけ後退させた位置に配置する。
そして、このような配置とすることで、シート材Pに対する外力印加時、シート材Pにたわみを発生させ、シート材Pの状態による、このたわみの挙動の違いを検出する事ができる。一例として、圧縮コイルバネ303などを駆動源として、外力印加部材20をあるストローク量を持ってシート材Pに衝突させ(第1の衝突)、さらにその衝突でシート材Pをたわませ(たわみ過程)、さらにシート材変位部材4に衝突させる(第2の衝突)工程で外力印加を行う。
このような工程では、第1の衝突時の外力印加部材20の速度(V1)が撓み過程においてシート材Pによる減速を受ける。この減速量は、シート材Pの厚みや材質などの特性によって異なる為、第2の衝突時の速度(V2)はシート材Pの情報を反映したものとなる。このため、シート材変位部材4に信号検出部3を設けておくと、その出力はシート材の情報を反映したV2に依存することになる。
なお、この構成の場合は、特にシート材Pのたわみ剛性、ならびにそれに関連のある情報を検出するのに有効であり、例えば、シート材厚さ、材質、密度、さらにシート材の張力や、含水による剛度変化などを検出できる。
なお、d、Wの好ましい範囲は、0.1mm<d<2.0mm、5mm<W<20mm程度の範囲であり、この程度の範囲において、記録媒体(例えば、普通紙、光沢紙、コート紙、再生紙、OHPなど)の情報を好適に検出できる。
また、シート材Pの状態や位置(外力印加部2や信号検出部3とシート材との相互作用)を検出するシート材センサが付加されていることも好ましい。ここで、「シート材Pの状態や位置(外力印加部2や信号検出部3とシート材との相互作用)」とは、外力印加部2や信号検出部3とシート材との接触状況や、シート材の先端位置や、シート材の通過状態や、外力印加部2や信号検出部3がシート材から受ける圧力や、シート材の変形などを意味する。
なお、このようなシート材センサとしては、接触や変形を検出する機械式センサや光学式センサ、圧力を検出する圧力センサ、振動を検出する加速度センサなどを挙げることができる。また、このようなシート材センサは外力印加部2や信号検出部3に直接接合されていてもよいし、外力印加部2や信号検出部3の近傍に設置されていてもよく、用いるセンサに応じて適宜設計できる。
そして、このシート材センサからの信号をフィードバックすることで、外力印加部2や信号検出部3の制御の適正化を図ることができ、より高い精度でのシート情報の検出が可能となる。また、このシート材センサからの信号を基準として、外力印加の開始・終了のタイミングや強度などの条件を決定することもできる。
また、外力印加部2や信号検出部3とシート材との相互作用、例えばシート材からの圧力、シート材の変形などを検出し、これを本実施の形態の外力印加による信号と複合的に用いるようにすれば、シート材のより多くの情報を得ることができる。
一方、上述した信号検出部3は、圧電特性を有する無機材料あるいは有機材料にて構成すれば良く、具体的にはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)やPLZT、BaTiO3、PMN−PT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3)などの無機材料や有機圧電体材料にて構成すれば良い。このような圧電材料を用いることにより、外力は電圧信号として検出される。
なお、この信号検出部3を配置する位置は、外力に起因する信号を検出できる位置であればどこでも良く、例えば、図1や図4に示すように、シート材Pを挟んで外力印加部2に対向する位置であっても、外力印加部2の側の位置であっても良い。
なお、図4の場合、信号検出部3は、外力受け部材としてのシート材変位部材4を支持しているので、信号検出部3はシート材変位部材4が受けた外力を検出することとなる。そして、このように配置した場合、印加した外力に対するシート材Pからの出力を効率的に検出することができる。
また、外力印加部2の側に信号検出部3が設けられている場合は、板バネ等の弾性部材(不図示)を外力印加部2に取り付けておき、外力印加時における弾性部材の振動や位置変化を検出するようにしたものや、外力印加部自体に信号検出部を搭載したものを挙げることができる。
そして、このように配置した場合は、印加した外力に対するシート材の反発を効率的に検出できる。なお、シート材Pを挟んで外力印加部2に対向する側と、外力印加部2の側との両方に信号検出部を配置しても良い。また、外力印加部2に信号検出部を搭載した場合など、シート材との接触時に外力印加部自体の変化(たとえば共振周波数、変形など)を検出してもよい。さらには印加した外力の停止後に残存する残響や、その減衰特性などを検出することも含まれる。
なお、信号検出部3は、1次元配列でも2次元配列でもよいが、後者の場合であって、且つシート材(例えば記録媒体)幅と同一あるいはそれ以上の長さのセンサ部を有していればシート材の幅の検出も可能である。勿論、複数個のセンサ部により、記録媒体の幅を検出することも可能である。
以上説明したように、シート材Pに印加された外力に起因するシート材Pからの信号を検出した信号検出部3からの出力信号に含まれる特定の領域の周波数成分をフィルタ101により除去又は抽出し、このフィルタ101からの出力信号に基づいて、言い換えればフィルタ101を作用させてシート材Pに関する情報を取得(検出)することにより、シート材Pの情報を精度良く、かつ効率よく検出することができる。
ところで、本実施の形態に係るシート材処理装置は、図1において符号Bで示すシート材情報検出装置と、シート材情報検出装置Bの検出結果に基づいて、つまり検出結果を加味してシート材Pの処理を行うシート材処理部Cとによって構成される。
ここで、シート材処理部Cとしては、画像を形成する画像形成部や、画像の読み取りを行うスキャナ部や、その他の装置を挙げることができ、またこのようなシート材処理部Cを備えたシート材処理装置としては、複写機、プリンタ、FAX、画像読取り用のスキャナ、あるいは自動原稿送り装置を挙げることができる。
そして、シート材情報検出装置Bの検出結果に基づき、シート材処理装置に設けられた不図示のCPU(制御部)が印字モードの変更(例えば、画像形成条件の調整、搬送に用いるローラへの押圧力の調整などの搬送条件の調整、印字の中止、記録媒体の搬送の停止、警告信号の発生など)を行うようにすると良い。つまり、シート材情報検出装置Bの検出結果に基づき、複数の処理の中から検出結果に対応する処理を選択して実行するようにすると良い。ここで、CPUとしては、シート材処理装置の内部に設けたものを用いても、外部に設けたものを用いても良いが、内部に設けたものを用いた場合には、外部とのデータ信号の送受信を省略できる。
(実施例)
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
本実施例では、図1に示す構造の紙種検出装置(シート材情報検出装置)を作製し、電子写真装置(シート材処理装置)に搭載した。
ここで、この紙種検出装置においては、シート材搬送路Aを一対の搬送ガイド10a,10bによって形成し、そのシート材搬送路Aには、シート材Pを搬送する搬送ローラ(シート材搬送手段)1a,1b,1c,1dを配置した。なお、符号11は、ローラ1aの近傍に配置されたシート材センサであり、このシート材センサ11によりシート材Pの通過や斜行などの変位を検出するようにした。
また、ローラ1a,1bとローラ1c,1dとの間には外力印加部2や信号検出部3を配置した。すなわち、搬送ガイド10aの一部に切り欠き部分を設け、この切り欠き部分を下方より覆うようにブラケット12を配置し、このブラケット12に緩衝材13や検出センサ(信号検出手段)3や変位部材(シート材変位手段)4を取り付けた。つまり、緩衝材13には検出センサ3を支持させ、検出センサ3には変位部材4を支持させて、変位部材4は搬送路中に突出させた。
なお、本実施例において、変位部材4の突出量はシート材搬送路Aの幅(変位部材4が配置されている部分における幅)の1/4とし、本実施例の装置内において搬送されるシート材がどの種類(紙やOHPシート)であっても変位部材4に接触するようにした。また、この変位部材4は、図示のような所謂かまぼこ型をした金属部材にて形成し、シート材Pに接触する面が、用紙搬送方向上流端及び下流端において、搬送ガイド10aの切り欠き部の搬送路Aに対する開口面より後退し、中央部において、搬送ガイド10bの方へ突出するようにした。ここで、符号14は押し圧調整器である。
また、別の態様として、このような接触面を全体として搬送ガイド10aの切り欠き部の搬送路Aに対する開口面より下方へ後退した構成とし、外力印加によってシート材を撓ませて、外力印加時のみシート材と変位部材4とが接触する構成とすることも好ましい例である。
なお、検出センサ3は、圧電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を銀電極により上下を挟まれる構造とし、圧電体のサイズは長さ20mm、幅5mm、厚さ0.3mmとした。また、緩衝材13にはゴム材を用いると共に、この緩衝材13を搬送ガイド10aと検出センサ3との間に配置しており、これにより搬送ガイド10aから検出センサ3への機械的振動の伝播を低減でき、検出精度を高めることができる。
ところで、図1ではブラケット12は搬送ガイド10aに固定されているが、もちろんこれに限られるものではなく、適当な剛性と固定精度が得られるのであれば、搬送ガイド10b側のブラケット211に取り付けたり、これらのブラケット12,211を一体化して搬送ガイド10bに取り付けたり、搬送ガイド10a,10b以外の部分(例えば、筐体やフレーム)に取り付けたりしても良い。
また、本実施例では、シート材Pが変位部材4に接触するのを補助するため、紙押え15を設けている。ここで、この紙押さえ15は弾力性を有する板材と固定材により構成され、板材の弾性によりシート材を変位部材4に押し付ける方向に力を加えることができるようになっている。なお、図1では図示しないが、紙押さえ15は外力印加と連動して動く機構を有し、不要な際は搬送経路外へ退避するようになっている。また、本実施例ではシート材と変位部材4は接触式としたが、これは必ずしも必須ではなく、離れていてもよい。
一方、変位部材4に対向する位置には、シート材Pに外力を印加するための外力印加部2を配置した。なお、本実施例では、搬送ガイド10bに切り欠き部分を設け、この切り欠き部分にブラケット211を配置し、このブラケット211に略筒状のガイド部材215を取り付け、そのガイド部材215の内部に、シート材Pと垂直となる方向に移動自在にロッド217を配置した。そして、このロッド217の先端(シート材側先端)に押圧部材(外力印加部材)20を取り付け、押圧部材20の上方には鍔状のストッパ部材214を設け、さらにストッパ部材214とガイド部材215との間にはコイルスプリング210を縮設した。
また、ブラケット211には、モータ213を取り付け、その出力軸にはカム212を取り付けて、ロッド217の端部に取り付けた突出部218にカム212が干渉し得るようにした。なお、符号216はガイド部材内の空気によるダンピングを低減する為の圧抜き孔を示す。
なお、上述した押圧部材20(ロッド217)はコイルスプリング210及びカム212の作用により、所定の速度でシート材Pに衝突して外力を加える。そのときの外力の大きさは、たとえば押圧部材20が非拘束の状態であれば、押圧部材20の質量mと衝突速度Vの積「mV」と、押圧部材20とシート材P及び外力受け材との相互作用で定まるが、一例として通常の紙葉類の種別判断であるならば、0.1gm/s.乃至10gm/s.程度の範囲が好適に用いられる。また、この外力印加は一回の信号出力にあたって複数、好ましくは外力の値を異なるものとして行う。このようにすることで、シート材の情報をより高精度で検出できる。
なお、本実施例では、カム212を段差を変えた2段式として、つまりカム212を大きい方のカム212aと小さい方のカム212bとの2つのカムを備えたものとすることにより、モータ213による1回の回転で2回の異なった外力を印加できるようにしている。
そして、このようの2つのカム212a,212bを備えることにより、モータ213が1回転すると、例えばまず大きい方のカム212aが突出部217と干渉して押圧部材20をロッド217と一体で上方向に移動させ、カム212の係止が解除された瞬間にコイルスプリング210のバネ力によって押圧部材20がロッド217と一体でシート材Pに衝突する。
次に、小さい方のカム212bが突出部217と干渉して押圧部材20をロッド217と一体で上方向に移動させ、カム212bの係止が解除された瞬間にコイルスプリング210のバネ力によって押圧部材20がロッド217と一体でシート材Pに衝突する。
この場合、大きい方のカム212aと小さい方のカム212bとではコイルスプリング210の縮み距離が異なるので、シート材Pに加えられる外力が異なることとなる。なお、このようなカム212の駆動軸(すなわちモータの回転軸)には、別のカムを付与し、変位部材や補助変位部材を外力印加と連動して変位させることも好ましい。
また、本実施例では、変位部材4は押圧部材20に対向する位置に配置されていて、変位部材4が外力を受けるように構成されている。さらに、本実施例においてシート材がトレイから供給される前に初期状態としてシート材のない場合のデータを処理装置に読み込んでおく。なお、この初期状態の読み込みは省略することもできる。
そして、本実施例では、以上の検出センサ3からの出力信号に対して、特定の領域の周波数成分を除去もしくは抽出する。なお、本工程は、所定の通過域を有するフィルタにより行う。
次に、本実施例におけるシート情報検出動作について説明する。
なお、本実施例ではシート材に印加する外力は、ステンレス鋼製で質量4gの押圧部材20を、バネ力により0.4m/sec.に加速してシート材に対して衝突させたものである。また、被シート材としては、普通紙(ゼロックス社 XEROX 4024(75g) 以下XX75と表記)、テクスチャー加工の施された紙(Kimberly−Clark Corporation社NEENAH Paper CLASSIC Laid Writing 以下NCL75と表記)、OHPシート(住友スリーエム社 CG3300 以下OHPと表記)の3種類を使用し、これら3種類のシート材についてシート情報検出動作を行った。
まず、下流側搬送ローラ1c,1dによりシート材Pを搬送し、次に押圧部材20によってシート材Pに外力を印加する。そして、その外力は、変位部材4を介してシート材からの出力信号として検出センサ3に伝わり、これに伴い検出センサ3からは図3の(a)に示すような信号が出力される。
次に、このような検出センサ3からの出力信号に対し、通過域を2kHzから10kHzとして設計したバンドパスフィルタによって、図3の(b)に示したようにシート材の質によって大きくレベルの異なる周波数成分のうち特定の領域の周波数成分を抽出する。そして、この後、シート材情報検出部102により、バンドパスフィルタからの出力信号に基づいて、例えばピークの電圧値などを読み取ることでシート材に関する情報を取得(検出)する。