本発明は、内視鏡内のライトガイドへ通常観察用の照明光と蛍光励起用のレーザー光とを選択的に導入するための内視鏡用光源装置に、関する。
周知のように、生体組織は、特定の波長の光が照射されると、励起して蛍光を発する。また、腫瘍や癌などの病変が生じている異常な生体組織は、正常な生体組織よりも弱い蛍光を発する。この反応現象は、体腔壁下の生体組織によっても引き起こされ得る。近年、体腔壁下の生体組織に生じた異状をこの反応現象を利用して検出する内視鏡システムが、開発されている。
この種の内視鏡システムの一つとして、内視鏡の先端から可視帯域の照明光を射出することによって体腔内を照明するとともに体腔内壁表面からの反射光による像を撮像装置によって撮像する通常観察モードの他に、生体組織を励起させる特定波長帯域の光を内視鏡の先端から射出すると共にこの光によって励起された体腔内壁下の生体組織から発光された蛍光による像を撮像装置によって撮像する蛍光観察モードにて、夫々動作する内視鏡システムがある。
このような内視鏡システムに用いられる光源装置は、その内部に、可視光光源(例えばハロゲンランプ)及びレーザー光源(例えば半導体レーザー)と共に、可視光光源から発した照明光(白色光)の光路とレーザー光源から発したレーザー光(青〜紫外の帯域における特定波長の光)の光路とを合成する光路合成素子(ハーフミラー,ダイクロイックミラー,クイックリターンミラー,等)を備えている。そして、この光源装置は、前面に設けられたソケットに挿入された内視鏡のライトガイドガイドファイババンドルへ、通常観察モードにおいては可視光光源から発した照明光を、蛍光観察モードにおいてはレーザー光源から発したレーザー光を、夫々、光路合成素子を介して導入する。
このようにしてライトガイドファイババンドルへ導入された照明光又はレーザー光は、このライトガイドファイババンドルによって、内視鏡のライトガイド可撓管から操作部を経て体腔内挿入部内を伝送され、この体腔内挿入部の先端から射出される。従って、この体腔内挿入部が被検者の体腔内に挿入されている場合には、通常観察モードでは、体腔内挿入部の先端から射出された照明光が照射された体腔内壁からの反射光による体腔内壁の像が、撮像装置(体腔内挿入部先端に組み込まれた対物光学系及び撮像素子,若しくは、体腔内挿入部に組み込まれた対物光学系,この対物光学系によって形成された像を伝送するために体腔内挿入部内に引き通されたイメージガイドファイババンドル,及び、このイメージガイドファイババンドルによって伝送された像を撮像するTVカメラ)によって撮像され、蛍光観察モードでは、体腔内挿入部の先端から射出されたレーザー光によって励起された体腔内壁下の生体組織から発した蛍光による像が、撮像装置によって撮像される。
これら両モードでの撮像によって得られた夫々の画像データは、光源装置に内蔵された画像プロセッサ又は別体の画像処理装置によって処理される。そして、通常観察モードにおいては、体腔内壁の可視光によるカラー画像を表示するための画像データが生成され、この画像データに基づいてモニター上に体腔内壁のカラー画像が表示される。一方、蛍光観察モードにおいては、患部を特定色にて表示するための画像データが生成されて、この画像データに基づいてモニター上に蛍光画像が表示される。内視鏡の操作者である医師は、これら画像を見比べることにより、患部の位置や状態を確認し、生検や治療のための各種医療処置を行うことができるのである。
特開平07−005333号公報
特開平10−142449号公報
特開2002−071539号公報
しかしながら、従来における蛍光観察用の光源装置では、キースイッチによるレーザー光源可動機構が設けられているものの、レーザー光源から光路合成素子に至る光路からレーザー光が漏れることについては考慮がなされていなかった。その為、光学系が設計通りに機能している場合は問題が生じないとしても、光学系の一部が破損したり傾いたり脱落することによって光学系の形態が設計通りでなくなった場合には、レーザー光が設計上の光路から外れて迷光となってしまう恐れがあった。
このような迷光は、決して低くないエネルギーのレーザー光であるので、例えば、光源装置の筐体から外部に漏れて被検者や医師等の医療スタッフの目に入射した場合にはその視覚機能に多少なりとも障害を生じてしまう可能性があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、レーザー光源から光路合成素子に至る光路上に障害が生じた場合であっても、この光路の外にレーザー光が漏れることを防止することができる内視鏡用光源装置を、提供することである。
上記の課題を解決するために発明された内視鏡用光源装置は、体腔壁下の生体組織を励起して蛍光を発光させる波長のレーザー光及び可視照明光を内視鏡のライトガイドファイババンドルに選択的に導入するための内視鏡用光源装置であって、前記ライトガイドファイババンドルの基端が挿入されるソケットと、前記可視照明光を射出する可視光光源と、前記レーザー光を射出するレーザー光源と、前記可視光光源から射出された可視照明光の光路と前記レーザー光源から射出されたレーザー光の光路とを合成する光路合成素子と、この光路合成素子によって合成された光路上を進む前記可視照明光及び前記レーザー光を前記ソケットに挿入される前記ライトガイドファイババンドルの端面に向けて集光する集光レンズと、少なくとも、前記レーザー光源におけるレーザー光を射出する面と前記光路合成素子とを一体に覆う不透過性の筒状部材からなるとともに、前記可視光光源から前記光路合成素子に向かう白色光を透過させるための開口,及び、前記光路合成素子から前記集光レンズに向かう白色光及びレーザー光を透過させるための開口が穿たれたケースとを、備えたことを特徴とする。
このように構成されると、レーザー光源から光路合成素子に至るレーザー光の光路上に何らかの故障が生じ、その故障位置においてレーザー光が反射,屈折又は散乱されることによって、レーザー光が本来の光路外へ漏洩しようとしても、そのようなレーザー光は、ケースによって遮光されてしまう。よって、光路外へレーザー光が漏れることが防止される。
以上に説明したように、本発明の内視鏡用光源装置によれば、レーザー光源から光路合成素子に至る光路上に障害が生じた場合であっても、この光路の外にレーザー光が漏れることを防止することができる。
次に、添付図面に基づいて、本発明を実施するための形態を、説明する。
実施形態1
図1は、本発明による内視鏡用光源装置の第1の実施形態である光源装置を含んで構成される内視鏡システムの外観図である。図1に示されるように、この内視鏡システムは、蛍光観察内視鏡10,光源装置20,及び、モニター60を、備えている。
蛍光観察内視鏡10は、通常の電子内視鏡に蛍光観察用の改変を加えたものであり、体腔内に挿入されるために細長く形成されている体腔内挿入部10a,その体腔内挿入部10aの先端部分を湾曲操作するためのアングルノブ等を有する操作部10b,操作部10bと光源装置20とを接続するためのライトガイド可撓管10c,及び、このライトガイド可撓管10cの基端に設けられたコネクタ10dを、備えている。
図2は内視鏡システムの内部構成を示す概略図である。図2に示すように、体腔内挿入部10aの先端面には、配光レンズ11及び対物レンズ12が夫々嵌め込まれた照明窓及び撮影窓が形成されている。そして、この体腔内挿入部10aの内部には、対物レンズ12によって形成された被写体の像を撮影する撮像素子13,この撮像素子13の出力を伝送するためのバッファ回路15,対物レンズ12から射出された光から後述する蛍光励起用のレーザー光に相当する波長成分を除去するためのレーザー光カットフィルター14が、組み込まれている。撮像素子13から出力されてバッファ回路15によって処理された画像信号を伝送するための信号ケーブル18は、体腔内挿入部10a,操作部10b及びライトガイド可撓管10c内を引き通されて、コネクタ10dの端面に形成された信号コネクタ31(図3参照)を構成する複数のコネクタピン31aに夫々接続されている。この信号ケーブル18と並行して、体腔内挿入部10a,操作部10b及びライトガイド可撓管10c内には、石英ファイバからなるライトガイドファイババンドル16が引き通されている。このライトガイドファイババンドル16の先端は、体腔内挿入部10aの先端部内において配光レンズ11に対向し、その基端は、コネクタ10dの端面から突出した金属製のパイプ19(図3参照)内に挿入されて固定されている。
さらに、このコネクタ10d内には、内視鏡の属性を示す識別情報が格納されているROM(Read Only Memory)17が格納されており、このROM17の各端子も、回路基板(不図示)の配線を介して信号コネクタ31を構成する他の複数のコネクタピン31bに夫々接続されている。なお、本実施形態において説明されている内視鏡は蛍光観察内視鏡10であるので、そのROM17には蛍光観察内視鏡10であることを示す識別情報が格納されている。
なお、この蛍光観察内視鏡10と交換して使用され得る通常の電子内視鏡は、ライトガイドファイババンドル16を構成する光ファイバが石英ファイバでない点,レーザー光カットフィルター14が備えられていない点,ROM17内に格納されている識別情報が通常の電子内視鏡であることを示す点を除き、この蛍光観察内視鏡10と全く同じ構成を有している。
光源装置20は、蛍光観察内視鏡10のライトガイドファイババンドル16の端面に照明光(白色光)又はレーザー光を選択的に導入するとともに、蛍光観察内視鏡10のコネクタピン31aを通じてバッファ回路15から受信した画像信号に対して画像処理を行うことによってビデオ信号を生成してモニタ60へ出力する装置である。この光源装置20の具体的構成について、図1及び図2を参照して、更に詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、この光源装置20の筐体の正面のパネルには、内視鏡(蛍光観察内視鏡10又は電子内視鏡)のパイプ19がその外面側から挿入される筒であるソケット20aが、設けられている。このソケット20a内部は、その奥側の3/2程度が径方向に拡大しており、その丁度中間位置に、隔壁24が設置されている。この隔壁24の中央には貫通孔が穿たれており、この貫通孔は、パイプ19がソケット20aに挿入された場合にはこのパイプ19自体によって押し開けられるとともに、パイプ19がソケット20aから引き抜かれた場合には図示せぬ復元バネによって復帰する蓋状の遮蔽板24aにより、閉じられている。この遮蔽板24aが閉じられると、隔壁24は、ソケット20aの奥から外方への光の漏れを遮光することができる。
さらに、このソケット20aの最奥部には、その軸方向(即ち、パイプ19が挿入され、また、引き抜かれる方向)にのみ変位可能に、円環板からなる押当部材25が保持されている。この押当部材25の中心に穿たれた孔は、パイプ19とほぼ同じ内径を有し、奥側に向かって拡がるテーパー形状となっている。そして、この押当部材25は、複数の圧縮バネ26によって外方へ付勢されており、パイプ19が引き抜かれた状態においては、隔壁24に近接した位置にある。そして、パイプ19がソケット20aに挿入されると、このパイプ19の先端によって押し込まれることによって、圧縮バネ26に抗して図2に示す位置に移動する。このようにして、パイプ19によって押し込まれることによって押当部材25が移動し終わると、その位置において、この押当部材25は、ソケット20aの内壁に取り付けられた検出センサー(磁気センサー,マイクロスイッチ,等)30によって検出される。
このソケット20aの最奥部の壁は、圧縮バネ26を支持する部分を除いて切り欠かれ、光源装置20の内部空間に通じている。この光源装置20の内部空間内には、ソケット20aに挿入されたパイプ19の中心軸(即ち、ライトガイドファイババンドル16の中心軸)の延長線に沿って順番に、第1ロータリシャッタ27,集光レンズ28,ハーフミラー29,第2ロータリーシャッタ32,及び、ランプ33が、配置されている。
集光レンズ28は、その光軸に沿ってハーフミラー29側から入射してきた平行光をパイプ19に収容されたライトガイドファイババンドル16の基端面に集光するレンズである。
第1ロータリーシャッタ27及び第2ロータリーシャッタ32は、共に、互いに同径の円板からなり、モータ34によって回転駆動される単一のシャフト35により、互いに同軸に且つパイプ19の中心軸に対してオフセットして、保持されている。
図4は、この第1ロータリーシャッタ27をランプ33側から見た状態を示す図である。この図に示すように、第1ロータリーシャッター27には、中心角が270度である扇状(3/4の円環状)の開口27aが、穿たれている。第1ロータリーシャッター27の回転に伴って、この開口27aの径方向における中央を集光レンズ28の光軸が相対的に通過するように、第1ロータリーシャッター27の中心(従ってシャフト35)は、位置決めされている。また、この開口27aの形成によって残された中心角が90度である扇状(1/4の円環状)の領域には、第1ロータリーシャッター27の回転に伴うパイプ19の延長線の相対通過軌跡に沿った中央に、受光センサ27bが取り付けられている。なお、これら開口27aと受光センサ27bによってオフセットした重心をその回転中心と合致させるために、第1ロータリーシャッター27における開口27a側の縁にはバランサーとしてのウェイト(図示略)が取り付けられている。この受光センサ27bが測光手段に相当し、第1ロータリーシャッタ27,シャフト35及びモーター34が、駆動機構に相当する。
また、図5は、第2ロータリーシャッター32をランプ33側から見た状態を示す図である。この図に示すように、第2ロータリーシャッター32には、中心角が180度である扇状(1/2の円環状)の開口32aが、穿たれている。第1ロータリーシャッター32aの回転に伴って、この開口32aの径方向における中央を集光レンズ28の光軸が相対的に通過する。また、この開口32aによってオフセットした重心をその回転中心と合致させるために、第2ロータリーシャッター32における開口32a側の縁にはバランサーとしてのウェイト(図示略)が取り付けられている。これら第1ロータリーシャッター27と第2ロータリーシャッター32とは、ランプ33側から見て夫々の開口27a,32aにおける反時計方向の端が一致するように(即ち、図4及び図5に示す相対位置関係で)、シャフト35によって互いに連結されている。そして、両シャッター27,32は、モーター34により、ランプ33側から見て時計方向に回転駆動される。
シャフト35には、また、ブラシ固定円板36が同軸に固定されており、光源装置20の図示せぬフレームには、その貫通孔にシャフト35が貫通した円環状のブラシ受け37が固定されている。このブラシ固定円板36におけるブラシ受け37側の面には、夫々受光センサ27bの電極に導通した内外一対のブラシ(図示略)が固定されており、他方、ブラシ受け37におけるブラシ固定円板36側の面には、ブラシ固定円板36の回転に伴う各ブラシ先端の回転軌跡に夫々合致して各ブラシの先端が夫々接触する同心円状の二重の円形電極(図示略)が形成されている。
ランプ33は、ランプ用電源38によって電源電流が供給されて白色光を発光する電球(図示略)と、この電球から発散した白色光を平行光にするためのレンズ又はリフレクター(不図示)とを備えている。その結果として、ランプ33は、白色光を、集光レンズ28の光軸に沿った平行光として、ハーフミラー29を通して集光レンズ28に向けて射出する。このランプ33が、可視光光源に相当する。
ハーフミラー29は、集光レンズ28の光軸に対して45度傾けて配置されている。従って、このハーフミラー29は、ランプ33からの白色光を透過するとともに、集光レンズ28の光軸に対して垂直な方向からの光を、集光レンズ28の光軸に沿って反射して当該集光レンズ28に入射させる。そして、このハーフミラー29によって90度折り曲げられた集光レンズ28の光軸上には、順番に、コリメータレンズ39及びレーザー光源40が配置されている。このハーフミラーは、ランプ33から射出された白色光の光路と、後述するレーザー光源40から射出されたレーザー光の光路とを合成する光路合成素子に、相当する。
レーザー光源40は、励起光として機能する波長帯域(紫外〜青)のレーザー光を発散光として発する半導体レーザーである。また、コリメータレンズ39は、レーザー光源40から発散したレーザー光を平行光にするレンズである。これらコリメータレンズ39,ハーフミラー29及び集光レンズ28が、レーザー光光学系に相当する。
これらハーフミラー29及びコリメータレンズ39は、有底筒状のレーザー光源ケース41によって覆われている。具体的には、このレーザー光源ケース41は、有底円筒又は有底角筒の形状を有しており、その開口端が、レーザー光源40本体のケーシングにおけるレーザー光の射出口側面に密着されている。そして、コリメータレンズ39は、このレーザー光源ケース41の内部において、レーザー光源ケース41の内面との間に隙間を生じないように、一体化するように固定されている。さらに、レーザー光源ケース41の内部における閉塞端近傍に、ハーフミラー29が固定されている。従って、このレーザー光源ケース41は、集光レンズ28と第2ロータリーシャッター32との間に、位置を占めている。そして、ランプ33から射出された白色光の光路に沿って、この白色光の光路よりも一回り大きい開口が形成されるよう、レーザー光源ケース41の壁面が、二箇所で切り欠かれている。従って、レーザー光源40から射出されたレーザー光は、たとえコリメータレンズ39が傾いたり脱落することに因って本来の光路から外れてしまった場合でも、レーザー光源ケース41の内面によって遮光されるので、その外部に漏れることはない。なお、レーザー光の一部はハーフミラーを透過するが、その透過した先にはレーザー光源ケース41の閉塞端が存在しているので、やはり、レーザー光源ケース41の外部に漏れることはない。但し、この閉塞端に当たったレーザー光が反射して迷光となることを防止するには、このレーザー光源ケース41の内面には反射防止処理が施されていることが望ましい。
以上の光学構成により、ランプ33から射出された白色光は、第2ロータリーシャッター32の開口32aが集光レンズ28の光軸上に位置する期間のみ、この第2ロータリーシャッター32を通過し、更に、ハーフミラー29及び集光レンズ28を透過する。この時、第1ロータリーシャッター27の開口27aが必ず集光レンズ28の光軸上に位置しているので、白色光は第1ロータリーシャッター27を通過してライトガイドファイババンドル16に入射する。一方、後述するシステムコントロール回路42によって制御されたレーザー光源40は、第2ロータリーシャッター32が白色光を遮光している期間のみ、レーザー光を発する。このレーザー光は、コリメータレンズ39によって平行光にされ、ハーフミラー29によって反射されて、集光レンズ28を透過する。この時、先ず、集光レンズ28の光軸上には、第1ロータリーシャッター27の開口27aが形成されていない部分が位置し、次に、開口27aが位置する。従って、レーザー光は、先ず受光センサ27bに入射し、その後、開口27aを通過してライトガイドファイババンドル16に入射する。
一方、光源装置20の筐体の正面側パネルには、パイプ19がソケット20aに挿入された状態において電気コネクタ31を構成する各コネクタピン31a,31bと夫々導通する多数の電極からなる電気ソケット21と、外部から挿入可能な鍵によってのみ回路が開閉される電気スイッチであるキースイッチ22と、外部から操作される複数のスイッチ(図2においては、モード切替スイッチ23a,レーザースイッチ23bのみ図示)を有する操作パネル23が、設けられている。キースイッチ22は、レーザー光源40へ図示せぬ主電源装置から駆動電流を供給する回路の途中に接続されている。よって、このキースイッチ22が外部から挿入されて閉じられない限り、レーザー光源40がレーザー光を発することはない。
そして、電気ソケット21を構成する各電極のうちROM17に接続されたもの及び操作パネル23上の各スイッチ23a,23bは、夫々、制御手段としてのシステムコントロール回路42に接続されている。その結果、ROM17内の識別情報のデータは、コネクタピン31b及び電気ソケット21を通じて、システムコントロール回路42に入力される。同様に、操作パネル23上の各スイッチ23a,23bに対する操作によって生じた操作信号は、夫々、システムコントロール回路42に入力される。また、電気ソケット21を構成する各電極のうち、バッファ回路15に接続されたものは、映像信号処理回路43に接続されている。その結果、バッファ回路15を通じて撮像素子13から出力された画像信号は、コネクタピン31a及び電気ソケット21を通じて、映像信号処理回路43に入力される。
このシステムコントロール回路42には、また、上述した検出センサー30が接続されており、内視鏡10のパイプ19が最も奧まで挿入されたことを検出する信号(即ち、パイプ19の先端によって押し込まれた押当部材25を検出したことによって検出センサー30が発する検出信号)が、入力される。さらに、このシステムコントロール回路42には、上述したブラシ固定板36上の各ブラシ及びブラシ受け37上の各円形電極を介して、受光センサ27bの出力信号(即ち、この受光センサ27bに入射した光の光量を示す信号)が、入力される。さらに、このシステムコントロール回路42は、上述したモーター34、ランプ用電源38及びレーザー光源40に接続されており、これらを制御するための信号を出力する。
また、このシステムコントロール回路42は、映像信号処理回路43に接続されており、この映像信号処理回路43との間で信号の授受を行う。以下、これらシステムコントロール回路42及び映像信号処理回路43の機能を説明する。
システムコントロール回路42は、検出センサー30によって検出信号が入力されている期間(即ち、内視鏡10のコネクタ10dが光源装置20に装着されてそのパイプ19がソケット10aに挿入されている期間)においてのみ、ランプ用電源38,レーザー光源40及び映像信号処理回路43を起動することができる。そして、システムコントロール回路42は、コネクタ10d内のROM17から読み出した識別情報に基づいて、装着されている内視鏡10が通常の内視鏡であるか蛍光観察内視鏡であるかを判断する。そして、装着されている内視鏡10が通常の内視鏡であれば、その動作モードを通常観察モードに固定し、装着されている内視鏡が蛍光観察内視鏡であれば、モード切替スイッチ23aが押下される毎に、その動作モードを通常観察モードと蛍光観察モードとの間で切り換える。一方、映像信号処理回路43は、システムコントロール回路42からの信号を受けて、内視鏡10のソケット10aが光源装置20に装着されている間のみ、バッファ回路15を通じて撮像素子13から出力された画像信号を処理する。
そして、システムコントロール回路42は、ランプ用電源38を起動することによってランプ33から白色光を射出させるとともに、その内部において発生したタイミング信号(個々のフレームの先頭タイミングを示す垂直同期信号)をモーター34に入力することによって、図6(b)に示す如く、奇数番目のフレームに相当する期間のみ、ランプ33から発した白色光が第2ロータリーシャッター32の開口32a及び第1ロータリーシャッター27の開口27aを通過してライトガイドファイバーバンドル16に入射するように、モータ34の回転を制御する。なお、システムコントロール回路42は、その動作モード如何に依らず、検出センサー30によって内視鏡10のパイプ19が最も奧まで挿入されたことを検出した信号が入力された直後においては、レーザー光源40は起動させない。
一方、映像信号処理回路43は、動作モード如何に拘わらず、図6(a)に示すように、システムコントロール回路42から受信したタイミング信号に応じて、各奇数番目のフレームに相当する期間中に受信した画像信号を白色光の反射光によって得られた可視画像の画像信号として処理し、偶数番目のフレームに相当する期間中に受信した画像信号をレーザー光によって得られた蛍光画像の画像信号として処理する。そして、映像信号処理回路43は、各フレームでの画像信号のレベル(平均輝度値)を、システムコントロール回路42に入力する。
このとき、図6(c)に示すように、奇数番目のフレームにおける画像信号のレベルと偶数番目のフレームにおける画像信号のレベルとの差分が所定基準値Δv以下であれば、システムコントロール回路42は、撮像素子13には外光が入射している(即ち、内視鏡10の体腔内挿入部10aは未だ被検者の体腔内に挿入されていない)と判断して、動作モード如何に依らず、レーザー光源40を停止させたままとする。これに対して、差分が所定基準値Δvを超えると、システムコントロール回路42は、撮像素子13には外光が入射していない(即ち、内視鏡10の体腔内挿入部10aは被検者の体腔内に挿入されている)と判断して、動作モードが蛍光観察モードであり且つレーザースイッチ23bが押下されていれば、レーザー光源40の停止を解除する。なお、蛍光画像の画像信号は、可視画像のそれと比較してレベルが格段に低い。よって、これ以降においても、システムコントロール回路42は、奇数番目のフレームにおける画像信号のレベルと偶数番目のフレームにおける画像信号のレベルとの差分が所定基準値Δv以下となれば、蛍光観察モードであってもレーザー光源40を停止させ、差分が所定基準値Δvを超えると、蛍光観察モードであり且つレーザースイッチ23bが押下されていることを条件としてレーザー光源40の停止を解除する。
具体的には、システムコントロール回路42は、レーザー光源40の停止が解除されている間においては、図7(c)に示すように、受光センサ27bが集光レンズ28からの光路に差し掛かったタイミング(各偶数番目のフレームにおける第1フィールドの期間内)で、先ず、レーザー光源40を許容最大レベルの光量(標準光量)で発光させる。この際、映像信号処理回路43から入力される画像信号のレベルが上記光量に対応した所定閾値を下回っていると、システムコントロール回路42は、レーザー光源40から第1ロータリーシャッタ27に至る光路途中において何らかの障害が生じているものと判断して、直ちに、レーザー光源40を停止する。これに対して、映像信号処理回路43から入力される画像信号のレベルが上記光量に対応した所定閾値以上であれば、システムコントロール回路42は、レーザー光源40から第1ロータリーシャッタ27に至る光路上の光学系が正常であると判断し、以後同フレームの終期までの期間は、映像信号処理回路43から入力される画像信号の輝度レベルが、上記所定閾値よりも低い自動調光用目標値に凡そ合致するように、レーザー光源40の発光光量を自動調整する。その結果、各偶数番目のフレームにおける第2フィールドの期間内において、蛍光による像を撮像して得られた画像データが、映像信号処理回路43に入力される。
映像信号処理回路43は、通常観察モードにおいては、奇数番目のフレームにおける全フィールドの画像信号を処理することによってカラー画像データを生成し、このカラー画像データに基づく可視画像をモニター60上に表示する。一方、蛍光観察モードにおいては、映像信号処理回路43は、奇数番目のフレームの画像信号中の輝度分布成分と偶数番目のフレームにおける第2フィールドの画像信号の輝度成分とを比較し、両者の比率が一定値以上である部分を病変部として特定し、特定した病変部をカラー画像データに重畳した蛍光観察画像データを生成し、この蛍光観察画像データに基づく蛍光観察画像をモニター60上に表示する。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡システムによると、何れの内視鏡も光源装置20に装着されていない間は、ROM17内の識別情報のデータがシステムコントロール回路42に入力されず、また、検出センサ30の出力がシステムコントロール回路42に入力されないので、システムコントロール回路42は、レーザー光源40を起動させない。従って、レーザー光源40からレーザー光は射出されない。仮に、何らかの故障に因って、万が一レーザー光源40からレーザー光が射出された場合でも、レーザー光源ケース41の外部にレーザー光が漏れることはなく、ハーフミラー29によって反射されたレーザー光は、隔壁24及び遮蔽板24aによって遮光される。よって、何れにしても、レーザー光が光源装置2の外部へ漏れることはない。
一方、通常の内視鏡が光源装置20に装着された場合には、そのコネクタ10dのパイプ19の先端が押し込んだ押当部材25が検出センサー30によって検出され、その検出信号がシステムコントロール回路42に入力される。しかしながら、装着された内視鏡のコネクタ10d内のROM17には、その内視鏡が通常の内視鏡であることを示す識別情報しか格納されていないので、システムコントロール回路42は、レーザー光源40を起動することがない。従って、操作者の意に反してレーザー光が内視鏡の体腔内挿入部の先端面から射出されることはない。
次に、蛍光観察内視鏡10が光源装置20に装着された場合には、上述したように検出センサ30から出力された検出信号がシステムコントロール回路42に入力されるとともに、コネクタ10d内のROM17から読み出された識別情報(蛍光観察内視鏡であることを示す識別情報)がシステムコントロール回路42に入力される。従って、モード切替スイッチ23aが押下されることによりシステムコントロール回路42の動作モードが蛍光観察モードに切り替わり、更に、レーザースイッチ23bが押下されることにより、システムコントロール回路42が蛍光観察モードで動作可能になる。
そこで、システムコントロール回路42は、先ず、レーザー光源40を起動することなく、モータ34によって第1ロータリーシャッター27及び第2ロータリーシャッターを回転させるとともにランプ34から白色光を射出する。その結果、システムコントロール回路42には、撮像素子13のバッファ回路15から、白色光がライトガイドファイババンドル16に入射されている期間に得られた奇数番目のフレームの画像信号と、白色光がライトガイドファイババンドル16に入射されていない期間に得られた偶数番目のフレームの画像信号とが、交互に入射される。このとき、蛍光観察内視鏡10の体腔内挿入部10aが被検者の体腔外にあれば、画像信号のレベルに対して配光窓11から射出された光はあまり寄与しないので、奇数番目のフレームの画像信号のレベルと偶数番目のフレームの画像信号のレベルとの差はあまりない。よって、システムコントロール回路42は、レーザー光源40を停止させたままとする。そして、蛍光観察内視鏡10の体腔内挿入部10aが被検者の体腔内に挿入されると、奇数番目のフレームの画像信号のレベルは配光窓11から射出された白色光に依存するようになり、偶数番目のフレームの画像信号のレベルは配光窓11から光が全く射出されていない以上、最低レベルとなる。よって、両画像信号のレベル差が大きくなるので、システムコントロール回路42は、レーザー光源を起動する。その結果、配光窓11からレーザー光が射出され、体腔内壁下の生体組織から蛍光が発光するが、この蛍光のレベルは白色光の反射光のレベルよりも格段に小さいので、両画像信号のレベル差は大きいままである。よって、システムコントロール回路42は、レーザー光源40を起動させ続ける。このようにして起動されたレーザー光源40から射出されたレーザー光は、レーザー光源ケース41の外部へ漏れることがない。仮に、レーザー光源ケース41内のコリメータレンズ39及びハーフミラー29がずれたり脱落しても、レーザー光源ケース41によって遮光されて、レーザー光がその外部に漏れることがない。
更に、システムコントロール回路42は、蛍光観察モードでは、各偶数番目のフレームの第1フィールドの期間内において、レーザー光源40から所定の最大出力値でレーザー光を射出するとともに、その際に集光レンズ28から射出されるレーザー光の出力を受光センサ27bによって測定する。そして、その測定値が所定閾値以下であれば、レーザー光源40から集光レンズ28に至る光路上で何らかの故障が生じたものと判断して、直ちにレーザー光源40を停止する。これに対して、測定値が所定閾値を超えていれば、光路上に異常はないと判断し、その後の第2フィールドにおいて、適切な光量でレーザー光源40からレーザー光を射出する。その結果、レーザー光源40から集光レンズ28に至る光路上で故障が生じている場合には、レーザー光源40が停止されるので、故障箇所からレーザー光が外部へ漏れることが防止される。もっとも、その故障箇所がレーザー光源40からハーフミラー29に至る光路上であれば、レーザー光源ケース41によってレーザー光の漏れが防止される。
以上に説明したように、本実施例の内視鏡システムによると、蛍光内視鏡10が光源装置2に接続された時にその体腔内挿入部10aの配光レンズ11から射出される場合を除き、レーザー光が内視鏡システムの外部へ漏れることが防止される。そのため、意図せぬレーザー光の漏洩に起因する事故を防止することができる。
実施形態2
図8は、本発明の第2実施形態による光源装置20に用いられるレーザー光源ケース141の構造を示す断面図である。この図8に示されるように、このレーザー光源ケース141の構造は、第1実施形態のレーザー光源ケース41と同形状であり、ランプ33からハーフミラー29に向かう白色光を通過させるための開口が、レーザー光カットフィルター142によって閉じられている。図9は、このレーザー光カットフィルター142の透過特性を示すグラフであり、横軸が波長、縦軸が透過光の強度である。この図9において、αは、レーザー光の分光特性を示し、βは、レーザー光カットフィルター142の透過特性を示す。
本第2実施形態によると、レーザー光源40,コリメータレンズ39又はハーフミラー29に故障が生じた場合でも、レーザー光が外部に漏洩し得る開口の一方(ランプ33側の開口)がレーザー光カットフィルターによって覆われているので、第1実施形態と比較して、レーザー光がレーザー光源ケース141の外部に漏洩する可能性が減る。
本第2実施形態におけるその他の構成及び作用は、第1実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
実施形態3
図10は、本発明の第3実施形態による光源装置20に用いられるレーザー光源ケース241の構造を示す断面図である。この図10に示されるように、このレーザー光源ケース241は、第1実施形態のレーザー光源ケース41の形状とほぼ同じ形状を有しているが、その内部に、システムコントロール回路42により制御されるモーター244によって軸方向に移動可能に、内筒242が挿入されている。この内筒242は、開口端をコリメータレンズ39側に向けた有底円筒形状を有し、その外径は、レーザー光源ケース241の内径よりも僅かに小さい。よって、内筒242のレーザー光源ケース241内での移動が可能であるにも拘わらず、両者の間の隙間からレーザー光が漏れることはない。また、この内筒242の内部には、コリメータレンズ39から最も離れた位置に移動したときに、集光レンズ28の光軸が45°の角度でその中心に交わる位置関係で、ミラー243が固定されている。また、内筒242の集光レンズ28に近い側の側壁には、内筒242がコリメータレンズ39から最も離れた位置に移動したときに、レーザー光源ケース241の集光レンズ28側の開口と重なる開口が、穿たれている。
本第3実施形態は、蛍光観察モードにおいては体腔内壁に白色光を照射することなくレーザー光のみを照射して、蛍光によって形成された画像のみから病変部を判断する構成に適している。従って、蛍光観察モードにおいては、図10に示す位置にミラー243が配置される。この状態においては、レーザー光源40,コリメータレンズ39又はミラー243に故障が生じた場合でも、レーザー光が外部に漏洩し得る開口の一方(ランプ33側の開口)が内筒242のランプ33に近い側の側壁によって覆われているので、第1実施形態と比較して、レーザー光がレーザー光源ケース241の外部に漏洩する可能性が半分に減る。一方、通常観察モードにおいては、ミラー243ごと内筒242がコリメータレンズ39側に移動して、白色光の光路から待避して、白色光が集光レンズ28に入射するようになる。この状態においては、仮に何らかの故障によってレーザー光源40からレーザー光が射出されたとしても、レーザー光は内筒242によって完全に遮光されるので、レーザー光源ケース241の外部に漏洩することがない。
本第3実施形態におけるその他の構成及び作用は、第1実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
実施形態4
図11は、本発明の第4実施形態による光源装置20の主要構成のみを示す光学構成図である。この図11に示されるように、本第4実施形態では、上述第1実施形態と比べて、第1ロータリーシャッター27の代わりに、モーター45によって回動されることにより光路内に選択的に挿入される羽根型シャッター44が、設けられている。この羽根型シャッター44の集光レンズ28側の面には、第1実施形態における受光センサ27bに相当する受光センサ46が取り付けられている。この受光センサ46の出力は、図示せぬ信号線を介してシステムコントロール回路42に入力されている。但し、羽根型シャッター44は、その構造上、第1実施形態における第1ロータリーシャッター27と同程度の速度で光路内に挿入することができない。そこで、本第3実施形態においては、システムコントロール回路42は、例えば、動作モードが蛍光観察モードに切り替わってレーザー光源40が発光可能となった直後に、レーザー光の光路に羽根型シャッター44を侵入させてその受光センサ46によってレーザー光の光量を測定し、測光された光量が所定の閾値よりも低かったらレーザー光源40を停止させ、測光された光量が所定の閾値以上であったら、以後、レーザー光源40から、光量調整された適切な光量のレーザー光を射出し続ける。以上の受光センサ46が測光手段に相当し、羽根型シャッター44及びモーター45が、駆動機構に相当する。
本発明の第1実施形態による内視鏡システムの外観を示す外観図
内視鏡システムの内部構成を示す概略図
蛍光観察内視鏡の外観図
第1ロータリーシャッターの正面図
第2ロータリーシャッターの正面図
体腔内挿入部が被検者の体腔内に挿入されていることを検出する原理を示すグラフ
蛍光観察モードにおけるレーザー光の測定及び光量調整を示すグラフ
本発明の第2実施形態によるレーザー光源ケースを示す断面図
レーザー光カットフィルターの透過特性を示すグラフ
本発明の第3実施形態によるレーザー光源ケースを示す断面図
本発明の第4実施形態によるレーザー光源ケースを示す断面図
符号の説明
10 蛍光観察内視鏡
16 ライトガイドファイババンドル
17 ROM
19 パイプ
20 光源装置
27 第1ロータリーシャッター
27b 受光センサ
28 集光レンズ
29 ハーフミラー
33 ランプ
39 コリメータレンズ
40 レーザー光源
41 レーザー光源ケース
42 システムコントロール回路
43 映像信号処理回路
60 モニター