JP2005205659A - 水圧転写用フィルムの製造方法、水圧転写用フィルムおよび水圧転写体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルム上に活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な有機溶剤に溶解可能な硬化性樹脂層を設けたフィルム(A)と、剥離性フィルム上に装飾層としてインクジェット方式で印刷した印刷層を設けたフィルム(B)とを、前記フィルム(A)の硬化性樹脂層と前記フィルム(B)の印刷層とが相対するように貼り合わされたことを特徴とする水圧転写用フィルムの製造方法を提供する。また、該方法により製造された水圧転写用フィルム、更には得られた水圧転写用フィルムを水圧転写することにより得られる水圧転写体を提供する。
【選択図】 なし
Description
活性化とは、有機溶剤により皮膜化した転写層を再溶解することであるが、装飾柄を崩さずに、柔軟化することが重要である。硬化性樹脂層を設けた場合には、硬化性樹脂層と装飾層からなる積層構造も保持しなければならない。
水圧転写用フィルムの水溶性もしくは水膨潤性の樹脂はポリビニルアルコール(PVA)が好適に用いられており、PVAは水系インクジェット印刷用の受理層にも用いられているが、水圧転写用フィルムはPVAフィルム単体で用いるため、温度、湿度に敏感であり、そのままインクジェット印刷用紙として用いるのは困難である。
すなわち本発明は、
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルム上に活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な有機溶剤に溶解可能な硬化性樹脂層を設けたフィルム(A)と、剥離性フィルム上に装飾層としてインクジェット方式で印刷した印刷層を設けたフィルム(B)とを、前記フィルム(A)の硬化性樹脂層と前記フィルム(B)の印刷層とが相対するように貼り合わされた水圧転写用フィルムの製造方法を提供する。
本発明の水圧転写用フィルムの製造方法で用いる支持体フィルムは、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成るフィルムである。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、ポリアクリルアミド、アセチルブチルセルロース、ゼラチン、にかわ、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が使用できる。なかでも一般に水圧転写用フィルムとして用いられているPVAフィルムが水に溶解し易く、入手が容易で、硬化性樹脂層の印刷にも適しており、特に好ましい。これらの樹脂層は単層でも多層でも良く、層厚みは10〜200μm程度が好ましい。
次に、本発明の水圧転写用フィルムの製造方法で用いる支持体上に設けられる転写層(装飾層、硬化性樹脂層および膨潤抑制層)について説明する。転写層は硬化性樹脂層と装飾層が積層された複合層である。装飾層は、インクジェット印刷インキ層を有するが、インクジェットインキの精密印刷性を向上させるためのインキ受理層や、活性化に使用する有機溶剤に溶解及び膨潤しない添加物を含有する樹脂である膨潤抑制層を有していても良い。
本発明の水圧転写用フィルムの装飾層形成にはインクジェット方式で印刷する。インクジェット方式であれば、インクの種類は溶剤系、水系、または、UV硬化型インクのような無溶剤系のいずれでもよく、インク着色剤は染料系でも顔料系でもよい。
活性化の際、染料系インクは滲みやすく、柄の再現性の点では、顔料系インクが好ましい。また、インクジェットプリンタの汎用性および環境への配慮から、水系インクが好ましい。
溶剤系または無溶剤系のインクジェット印刷であれば、直接、剥離性フィルムに印刷することができる。ただし、水圧転写用フィルムを使用する際、剥離性フィルムは剥がして用いるが、印刷層は、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、該支持体フィルム上に設けた有機溶剤に溶解可能な硬化性樹脂層側に転移している必要がある。したがって、欠陥なく転移させるために、剥離性フィルム表面に剥離層を設けてもよい。さらに、精密な印刷を形成するために、インクジェット用インク受理層を設けてもよい。これらの剥離層とインク受理層は多層化してもよいし、1層で両機能を担わせてもよい。
水系のインクジェット印刷の場合、直接、剥離性フィルムに印刷することが困難なので、インク受理層を設ける必要がある。インク受理層は活性化することが可能であれば、何ら制限はなく、膨潤型でも浸透型でもよいし、膨潤・浸透ハイブリッド型でもよい。中でも、浸透型は、無機フィラー、樹脂微粒子等を含有することにより、インクを吸収、定着させることができるうえ、それらの微粒子は有機溶剤に溶解しないので、活性化による膨潤挙動を安定化させる機能も有している。中でも、シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、カチオン性アクリル微粒子、カチオン性ウレタン微粒子等がインクの吸収、定着の点に優れており、好ましい。これらを用いることにより、後述するバインダー樹脂の親水性を減少させることができ、活性化に悪影響を及ぼさなくなる点でも好適に用いることができる。
透明から白色であれば、汎用的に用いることが可能であり、着色剤としては、例えば、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(China Clay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、塩基性炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉、チタンホワイト等を使用できる。これらの微粒子は単独で用いても良いし、混合して用いても良い。
剥離層にインクジェット印刷用の受理層としての機能も付与する場合、シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、カチオン性アクリル微粒子、カチオン性ウレタン微粒子等、インクジェット受理層に用いられる微粒子を添加することができる。これらの微粒子は単独で用いても良いし、混合して用いても良い。
なお、意匠性や展延性を阻害しない限り、インク受理層と剥離層中に消泡剤、沈降防止剤、顔料分散剤、流動性改質剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤などの慣用の各種添加剤を加えても構わない。
硬化性樹脂層は、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも1種で硬化可能な硬化性樹脂から成る。装飾層が積層されているときは、得られる水圧転写体の装飾層の意匠性が良く発現できることから、硬化性樹脂層は透明であることが好ましい。但し、水圧転写体の要求特性、及び、意匠性によるが、基本的に得られる水圧転写体の装飾層の色や柄が透けて見えれば良く、硬化性樹脂層は完全に透明であることを要せず、透明から半透明なものまでを含む。また、着色されていてもよい。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(2)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(3)熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(4)熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(5)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(6)活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
活性エネルギー線硬化性樹脂は、1分子中に活性エネルギー線によって硬化可能な重合性基や構造単位を有するオリゴマーとポリマーである。ここでいう活性エネルギー線とは紫外線と電子線であり、これらにより硬化するオリゴマーとポリマーはいずれも使用可能であるが、特に紫外線硬化性樹脂が好適である。
活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層は上述した活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂を活性エネルギー線硬化性樹脂と併せて用いることは硬化性樹脂層の粘着性低減とガラス転移温度(Tg)の向上および硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上に極めて効果的である。但し、硬化性樹脂層に含ませる熱可塑性樹脂の量が多いと硬化性樹脂の硬化反応を阻害するので、硬化性樹脂層の全樹脂量100質量部に対して熱可塑性樹脂は70質量部を超えない範囲で添加することが好ましい。
熱硬化性樹脂は、熱または触媒の作用により重合する官能基を分子中に有する化合物であるか、または主剤となる熱硬化性化合物に硬化剤となる熱反応性化合物を配合したものである。熱または触媒の作用により重合する官能基としては、例えば、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、エポキシ基、メチロール基、酸無水物、炭素−炭素二重結合などが挙げられる。
ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリエステルポリオール、ポリエチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられるが、特にアクリルポリオールが好ましく、なかでも、質量平均分子量が3,000〜10万のアクリルポリオール、より好ましくは1万〜7万のアクリルポリオールが好適である。
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層としては、(3)に記載した熱硬化性樹脂と、(2)に記載した熱可塑性樹脂を含むものである。
用いる熱硬化性樹脂は(3)で記載した熱硬化性樹脂と同様であり、好ましい熱硬化性樹脂も(3)と同様にブロックイソシアネートとポリオールであり、特にポリオールはアクリルポリオールであり、なかでも質量平均分子量が3,000〜10万、より好ましくは1万〜7万のものである。
活性エネルギー線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層としては、それぞれ(1)に記載した活性エネルギー線硬化性樹脂と、(3)に記載した熱硬化性樹脂を用いることが出来る。例えば、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートと、ブロックイソシアネートとポリオールとを含むものである。
活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層は、(1)に記載した活性エネルギー線硬化性樹脂と、(3)に記載した熱硬化性樹脂、および(2)に記載した活性エネルギー線硬化性樹脂と併用する熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層である。熱可塑性樹脂は、非重合性であることが好ましい。
本発明の活性化では、活性化剤が圧力を持って転写層に着地するため、活性化剤は速やかに浸透し、硬化性樹脂層を溶解(活性化)しやすくすることができる。また、熱可塑性樹脂を含ませることにより硬化性樹脂層は、より穏やかに活性化されることが可能になり、急激な活性化による硬化性樹脂層の溶解ムラや装飾層の柄割れなどを抑制することができる。
これら添加可能な化合物に何ら制限はなく、例えば、シリガゲル、シリカゾル、モンモリロナイト、マイカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ等の無機・金属化合物、オルガノシリカゾル、アクリル変性シリカ、クロイサイト等の有機処理を施された無機・金属化合物を用いることができる。
本発明の水圧転写用フィルムは、剥離性フィルム上に積層にして製造し、水圧転写に際して、該剥離フィルムから剥離して使用する態様を挙げることができる。
剥離フィルムを有する水圧転写用フィルムの製造方法の一例を下記に示す。
に直接、インクジェット印刷を施す他、
剥離層およびインク受理層を、剥離性フィルム(A)上に、
b)剥離性フィルム(A)/剥離層
c)剥離性フィルム(A)/剥離層/インク受理層
d)剥離性フィルム(A)/剥離層兼インク受理層
のいずれかの構成になるように塗工または印刷した剥離性フィルム(A)にインクジェット印刷を施すことにより、装飾層を形成する。その際には、フィルム繰り出し等の作業や取扱で装飾層が剥がれ落ちない剥離力で剥離性フィルム上に固着されている必要がある。装飾層を形成した剥離性フィルム(A)は、硬化性樹脂層を積層した支持体フィルム(B)の硬化性樹脂層と相対するように貼り合わせることにより、水圧転写用フィルムを製造することができる。中でも、ドライラミネーション(乾式積層法)は水圧転写用フィルム中の残存有機溶剤量を極力減らすことができるので好ましい。水圧転写用フィルム中の残留溶剤は剥離性フィルムの剥離を重くし、インクジェット印刷を施した装飾層が硬化性樹脂層を積層した支持体フィルム(B)側へ転移しにくくなる。その際には、フィルム繰り出し等の作業や取扱で装飾層が剥がれ落ちない剥離力で剥離性フィルム上に固着されている必要がある。
次に、本発明の水圧転写用フィルムの製造方法の一例を下記に示す。
本発明の水圧転写用フィルムの製造方法は、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る支持体上に活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な有機溶剤に溶解可能な硬化性樹脂層を設けたフィルム(A)と、剥離性フィルム上に装飾層としてインクジェット方式で印刷した画像等の柄を設けたフィルム(B)とを、前記フィルム(A)の硬化性樹脂層と前記フィルム(B)の印刷面とが相対するように重ねてドライラミネーション(乾式積層法)により貼り合わせることが好ましい。
次に、転写層としてインクジェット方式で印刷した画像等の柄を設けた装飾層と硬化樹脂層を有する本発明の水圧転写用フィルムを用いた成形品の製造方法について述べる。
本発明の水圧転写体の製造方法は、本発明の水圧転写用フィルムを、剥離性フィルムを剥離した後に、転写層を上にして、支持体を下にして水に浮かべ、有機溶剤により装飾層と硬化樹脂層からなる転写層を活性化し(活性化は水に浮かべる前に行っても良い)、転写層を被転写体に転写し、支持体を除去し、次いで転写層の硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させる方法である。
本発明の水圧転写用フィルムは、従来の水圧転写用フィルムの水圧転写と同様な方法で水圧転写を行うことができる。これらの水圧転写用フィルムを用いた水圧転写体の製造方法の概略は、以下に示す通りである。
(2)転写層に有機溶剤を塗布または噴霧することにより装飾層と硬化樹脂層からなる転写層を活性化させる。なお、転写層の有機溶剤による活性化は、フィルムを水に浮かべる前に行っても良い。
(3)転写層に被転写体を押し付けながら、被転写体と水圧転写用フィルムを水中に沈めて行き、水圧によって転写層を被転写体に密着させて転写する。
(4)水から出した被転写体から支持体フィルムを除去し、被転写体に転写された転写層の硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種により硬化させて、硬化した樹脂層もしくは硬化した樹脂層と装飾層とを有する水圧転写体を得る。
本発明が適用できる水圧転写体の具体例としては、テレビ、ビデオ、エアコン、ラジオカセット、携帯電話、冷蔵庫等の家庭電化製品;パーソナルコンピューター、ファックスやプリンター等のOA機器;ファンヒーターやカメラなどの家庭製品のハウジング部分;テーブル、タンス、柱などの家具部材;バスタブ、システムキッチン、扉、窓枠などの建築部材;電卓、電子手帳などの雑貨;自動車内装パネル、自動車やオートバイの外板、ホイールキャップ、スキーキャリヤ、自動車用キャリアバッグなどの車内外装品;ゴルフクラブ、スキー板、スノーボード、ヘルメット、ゴーグルなどのスポーツ用品;広告用立体像、看板、モニュメントなどが挙げられ、曲面を有しかつ意匠性を必要とする成形品に特に有用に用いられ、極めて広い分野で使用可能である。
実施例及び比較例で得た水圧転写体を以下の試験で評価した。
ABS樹脂板(平板:100mm×100mm×3mm)に水圧転写したサンプルについて、碁盤目テープ法(JIS K5400) に準じてインキ密着性を10点満点で評価した。
(製造例1:硬化性樹脂組成物A1の製造)
ペンタエリスリトール2モル当量とヘキサメチレンジイソシアネート7モル当量とヒドロキシエチルメタクリレート6モル当量を60℃で反応して得られるウレタンアクリレート(UA1)60部(1分子中の平均のアクリロイル基数6、重量平均分子量890)とロームアンドハース社製アクリル樹脂商品名パラロイドA−11(Tg100℃、重量平均分子量125,000)40部を、酢酸エチルとメチルエチルケトンの混合溶媒(混合比1:1)に溶解し、更にチバ・スペシャリティケミカルス社製の光重合開始剤商品名「イルガキュア184」3部を添加、攪拌して樹脂固形分42%の硬化性樹脂組成物A1を製造した。
ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート及びスチレンをモル比20:30:15:15:20で共重合させたアクリルポリオール(a)(重量平均分子量25,000)81部にアクリルポリオールの水酸基価に対して1.1倍当量のイソシアネート価のヘキサメチレンジイソシアネートフェノール付加物とヘキサメチレンジイソシアネートの3量体のフェノール付加物との混合物19部をトルエンと酢酸エチル(1:1)の混合溶媒に添加、攪拌して樹脂固形分35%の硬化性樹脂組成物A2を製造した。
ポリウレタン(大日本インキ社製、バーノックEZL676):35質量部、顔料(酸化チタン):10質量部、酢酸エチル・トルエン(1/1):50質量部、およびワックス等添加剤:5質量部。
大日本インキ社製、パテラコールIJ−150をそのまま用いた。
ポリウレタン(大日本インキ社製、バーノックEZL676):23質量部、シリカ(富士シリシア製、サイリシア350D):30質量部、顔料(カチオン性ウレタン微粒子):12質量部、酢酸エチル・トルエン(1/1):30質量部、および添加剤:5質量部。
東洋紡社製の厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、PPフィルムと略す)に、グラビア印刷機にて印刷速度20m/分でベタ版を用いて、剥離層用インキB1を乾燥膜厚1μmの設定で印刷した。得られた剥離層の上にコンマコーターを用いて、インク受理層用インキC1を乾燥膜厚10μmになるように塗工し、装飾層用フィルムを得た。該フィルムをA3サイズに裁断し、ヒューレット・パッカード社製デザインジェット2000CPを用い、顔料系インクにて写真画像を印刷し、40℃で30分乾燥させることにより、装飾フィルムE1を得た。
(製造例4:剥離層兼インク受理層を有する装飾フィルムE2)
東洋紡社製の厚さ50μmのPPフィルムにコンマコーターを用いて、剥離層兼インク受理層用インキD1を乾燥膜厚10μmになるように塗工し、装飾層用フィルムを得た。該フィルムをA3サイズに裁断し、ヒューレット・パッカード社製デザインジェット2000CPを用い、顔料系インクにて写真画像を印刷し、40℃で30分乾燥させることにより、装飾フィルムE2を得た。
支持体フィルムであるアイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムへ硬化性樹脂組成物A1をコンマコーターで所定の乾燥膜厚(20μm)になるように塗布し、次いで60℃で2分間乾燥した後に、硬化性樹脂層と装飾フィルムE1の装飾層とを向き合わせて60℃でラミネートすることにより水圧転写用フィルムF1を作成した。
装飾フィルムとしてE2を用いた他は、実施例1と同様の方法で水圧転写用フィルムF2を作成した。
硬化性樹脂組成物としてA2を用いた他は、実施例1と同様の方法で水圧転写用フィルムF3を作成した。
水槽に25℃の温水を入れ、水圧転写用フィルムF1のPPフィルムを剥離後、PVA側を下にして水圧転写用フィルムF1を水面に浮かべた。活性化剤(トルエン/酢酸ブチル/エチルセロソルブ/3−メチル3−メトキシブチルアセテート/イソブタノール=50/15/15/10/10)を20g/m2噴霧し、15秒後、ABS製の携帯電話型成型体を水中に向かって挿入し水圧転写した。PVAを水洗除去した後、80℃で30分間乾燥させた。次にUV照射装置を用いて、2400mJ/cm2のUV光を照射することにより、硬化性樹脂層を硬化させ、優れた表面光沢とインクジェット印刷による鮮明な写真画像を有する水圧転写体P1を得た。
水圧転写用フィルムF2を用いた他は実施例4と同様にして、優れた表面光沢とインクジェット印刷による鮮明な写真画像を有する水圧転写体P2を得た。
水槽に25℃の温水を入れ、水圧転写用フィルムF3のPPフィルムを剥離後、PVA側を下にして水圧転写用フィルムF3を水面に浮かべた。活性化剤(キシレン/メチルイソブチルケトン/3−メチル3−メトキシブチルアセテート/酢酸ブチル=50/25/15/10)を20g/m2噴霧し、15秒後、ABS製の携帯電話型成型体を水中に向かって挿入し水圧転写した。PVAを水洗除去した後、80℃で60分間乾燥させることにより、硬化性樹脂層を硬化させ、優れた表面光沢とインクジェット印刷による鮮明な写真画像を有する水圧転写体P3を得た。
支持体フィルムであるアイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムへ硬化性樹脂組成物A1をコンマコーターで所定の乾燥膜厚(20μm)になるように塗布し、次いで60℃で2分間乾燥した後に、得られたフィルムをA3サイズに裁断し、ヒューレット・パッカード社製デザインジェット2000CPを用い、顔料系インクにて写真画像を印刷し、40℃で30分乾燥させることにより、水圧転写用フィルムF4を作成した。インクの吸収が遅すぎるため、印刷した段階で、画像が崩れてしまった。また、インクに含まれる水により、硬化性樹脂層が白化し、乾燥しても透明に戻らなかった。
2 支持体
3 トップコート層(硬化性樹脂層)
4 インクジェット方式による印刷層
5 剥離層
6 剥離性フィルム
7 フィルム(A)
8 フィルム(B)
Claims (8)
- 水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルム上に活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な有機溶剤に溶解可能な硬化性樹脂層を設けたフィルム(A)と、剥離性フィルム上に装飾層としてインクジェット方式で印刷した印刷層を設けたフィルム(B)とを、前記フィルム(A)の硬化性樹脂層と前記フィルム(B)の印刷層とが相対するように貼り合わされたことを特徴とする水圧転写用フィルムの製造方法。
- 前記フィルム(B)が、剥離性フィルム上に設けたインク受理層上にインクジェット方式で印刷して印刷層を設けることにより作製される請求項1記載の水圧転写用フィルムの製造方法。
- 前記フィルム(B)の装飾層が剥離層/インク受理層の順に積層されている請求項1または2に記載の水圧転写用フィルムの製造方法。
- 前記インクジェット方式による印刷が顔料系インクを用いて印刷された請求項1〜3に記載の水圧転写用フィルムの製造方法。
- 前記インクジェット方式による印刷が水系インクを用いて印刷された請求項1〜3に記載の水圧転写用フィルムの製造方法。
- 前記フィルム(A)と前記フィルム(B)とを貼り合わせる方法が、ドライラミネーションである請求項1〜5のいずれかに記載の水圧転写用フィルムの製造方法。
- 請求項1〜6の水圧転写用フィルムの製造方法により製造される水圧転写用フィルム。
- 請求項7に記載の水圧転写用フィルムを、前記転写層を上にして水に浮かべ、有機溶剤によって活性化させた前記転写層に被転写体を押し付けることにより水圧転写用フィルムを被転写体に転写し、前記被転写体に転写された水圧転写用フィルムから支持体フィルムを除去した後、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で、転写された硬化性樹脂層を硬化させたことを特徴とする水圧転写体。
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