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JP2005297030A - 複層鋳片の製造方法 - Google Patents

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JP2005297030A
JP2005297030A JP2004118844A JP2004118844A JP2005297030A JP 2005297030 A JP2005297030 A JP 2005297030A JP 2004118844 A JP2004118844 A JP 2004118844A JP 2004118844 A JP2004118844 A JP 2004118844A JP 2005297030 A JP2005297030 A JP 2005297030A
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Masamitsu Wakao
昌光 若生
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

【課題】 1種類の溶鋼と鋳型あたり1本の注入ノズルと鋳型に設置された静磁場ブレーキを用い、表層に付加する元素を鋳型内の溶鋼上方から供給する複層鋳片の鋳造方法において、比較的短い注入ノズルを用い、ノズル出口の位置を静磁場発生コイル位置より上方とした場合でも、鋳片表層と内部の成分差を安定して得る。
【解決手段】 下向きの吐出口を持つ注入ノズルを鋳型当たり1本使用し、かつ、鋳型に設置された静磁場ブレーキを用い、表層に付加する元素を鋳型内の溶鋼上方から供給する複層鋳片の鋳造方法において、ノズル出口の位置を静磁場を発生させるコイル位置より上方とし、かつ、ノズル出口の平均流速と静磁場ブレーキの磁場の大きさが、以下の関係を満たすことを特徴とする。 0.08≦B/Vq≦0.12
B:静磁場ブレーキのコイル高さ方向(鋳造方向)の中央における磁束密度(T)、Vq:注入ノズル吐出口の平均流速(m/s)
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋳片の表層と内部で成分の異なる複層鋳片を製造するための方法に係るものである。複層鋼材は、従来は、2種3枚の鋼材を表層−内部−表層となるように重ね合わせて圧延することにより製造されていたが、近年、複層鋳片を直接製造する鋳造法が開発されてきた。本発明は、この複層鋳片を鋳造により直接製造する方法に係るものである。
従来の技術としては、鋳型内の静磁場を境界とし、下方の溶融金属を供給するノズルの先端をラッパ状にして異種溶融金属を注湯する方法が提示されている(特許文献1参照)が、この方法は、溶鋼を2種類、ノズルを2本用いるために、製造コストが高くなるという問題がある。また、下方の溶融金属を供給するノズル出口を静磁場の下になるようにする必要がある。
また、2種類の溶鋼を用いる代わりに、1種類の溶鋼と鋳型あたり1本の注入ノズルを用い、鋳型内の静磁場で仕切られた鋳型内の上部にある溶鋼プールに連鋳パウダーから溶質元素を添加し、鋳片表層に当該元素を富化する方法が示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この場合には、ノズルの位置に関する記述はなく、図から推定すると、注入ノズルの位置が静磁場コイルの上端になっているので、長いノズルが必要となる。
更に、直流磁界によって区分された溶鋼プールのうち下部プールに溶鋼を注入し、上部プールの溶鋼にワイヤーや連鋳パウダーから所定の溶質元素を添加して、鋳片表層に当該元素を富化する方法が示されている(特許文献3参照)。この場合にも、ノズルの位置を直流磁界より下方にする必要があり、長いノズルが必要となる。
その他、複層鋳片を連続鋳造で製造する方法が多数提示されているが、注入ノズル位置について、比較的短い注入ノズルを用いて、静磁場や直流磁界の位置よりもノズル出口を上方に設置した場合に、明確な鋳片表層と内部の成分差を安定して得る方法に言及した発明は見当たらない。
特開平1−83347号公報 特開平7−284879号公報 特開平7−290195号公報
本発明は、1種類の溶鋼と鋳型あたり1本の注入ノズルと鋳型に設置された静磁場ブレーキを用い、かつ、表層に付加する元素を鋳型内の溶鋼上方から供給する複層鋳片の鋳造方法において、比較的短い注入ノズルを用いて、ノズル出口の位置を静磁場を発生させるコイル位置より上方とした場合にでも、明確な鋳片表層と内部の成分差を安定して得る方法を提供するものである。
明確な成分差を安定して得ることにより、狙った表層および内部の機能を持つ鋳片を得ることが出来、また、製造コストも安くなる。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を特徴とする。
下向きの吐出口を持った注入ノズルを鋳型当たり1本使用して鋳型内に溶鋼を注入し、鋳片表層に相当する部分に付与する元素を鋳型内の溶鋼上方から供給すると共に、鋳型に設置された静磁場ブレーキを用いて成分混合を抑制して複層鋳片を鋳造する方法において、ノズル吐出口が静磁場発生コイル位置より上方となるようにノズルを配置し、かつ、ノズル吐出口からの平均吐出流速と静磁場ブレーキの磁場の大きさが以下の関係を持つようにして鋳造することを特徴とする複層鋳片の製造方法。
0.08≦B/Vq≦0.12
B:静磁場ブレーキのコイル高さ方向(鋳造方向)の中央における磁束密度(T)
Vq:注入ノズル吐出口の平均流速(m/s)
本発明により、1種類の溶鋼と鋳型あたり1本の注入ノズルと鋳型に設置された静磁場ブレーキを用い、かつ、表層に付加する元素を鋳型内の溶鋼上方から供給する複層鋳片の鋳造方法において、比較的短い注入ノズルを用いて、ノズル出口の位置を静磁場を発生させるコイル位置より上方とした場合にでも、明確な鋳片表層と内部の成分差を安定して得ることが可能となる。
本発明者らは、比較的短い注入ノズルを用いても明確な鋳片表層と内部の成分差を安定して得る方法として、ノズル吐出口を下向きとして、同時に、ブレーキ力を弱める方向で調整して、注入ノズルからの溶鋼を下部プールに積極的に供給することを考案した。
以下に、本発明の詳細を記す。連続鋳造で複層鋳片を製造する場合の従来の考え方は、鋳型内の静磁場や直流磁界で溶鋼プールを上下に仕切り、注入ノズルより供給される溶鋼は出来るだけ下部プールに入るようし、上部プールにワイヤーや連鋳パウダーから供給する溶質元素は出来るだけ、下部プールに混入しないようにするものであった。
この場合、溶鋼を供給する注入ノズル出口を静磁場や直流磁界の上部にすると、溶鋼流速の制動の効果が小さくなり、上部プールを必要以上に攪拌して、ワイヤーや連鋳パウダーから供給された溶質元素を下部プールまで侵入させ、結果として、鋳片表層と内部の当該溶質元素の濃度差をあいまいにする恐れがあった。
しかしながら、長さの長い注入ノズルを用いることには、いくつかの制約や欠点がある。たとえば、ノズル耐火物コストが高くなる、連続鋳造機によっては、長いノズルを鋳型内に挿入することが出来ない等の問題である。
本発明者らは、従来の考えとは逆に、ブレーキ力を弱め、かつ、ノズル注入口を下方を向くように設置することにより、注入ノズル出口がブレーキ帯の上方にあっても、注入流がブレーキ帯を通過して下部プールに到達するようにすることを着想した。
そこで、本発明者は、上記発想に基づいて、図2に示す鋳造装置を作製した。鋳型4の上方には、電磁攪拌装置3が設けられ、その下方(鋳型の中央部)には、静磁場ブレーキ5が設けられている。溶鋼を注入する注入ノズル1は、その出口が静磁場ブレーキ5の上方に位置するように設けられている。
このように構成した鋳型4において、静磁場ブレーキのブレーキ力を弱め、注入ノズル1から溶鋼を注入すると、注入流は、ブレーキ帯を通過して下部プールに到達するので、連鋳パウダー2で覆われた上部プールで形成され、下方に移動するに従い厚みを増す凝固シェル(表層)6の上に、さらに凝固シェル(内部)7を形成して、複層鋳片を鋳造することができる。
しかしながら、この場合でもブレーキ力が弱すぎれば、上部プールにワイヤーや連鋳パウダーから供給された溶質元素がブレーキ帯を通過して、下部プールに混合したり、下部プールに注入された溶鋼の流れが反転して上部プールの溶鋼を乱してしまう恐れがある。
そこで、実験により、ブレーキ力の適正条件を求めた。表1に示す鋼で鋳造を行い、ノズル吐出口からの溶鋼流速とブレーキ力を変化させて鋳造し、得られた複層鋳片の表層と内部の成分差の状況を調査した。表層に富化する元素をPとし、連鋳パウダーから供給した。FePの形態で連鋳パウダーで混合し、その濃度は、数回の試験実績から求めた。
Figure 2005297030
今回の表層P濃度の目標値に対しては、連鋳パウダー中でのFeP濃度は20%である成分の分析結果を図1に示す。ここで、成分分離度は、下記の定義であり、分離度60%以上が、明確な成分差を持つことを示す。
成分分離度(%)=(当該元素の表層から5〜10mm内部と30〜40mm内部の
濃度差)×100/(当該元素の表層と内部の目標濃度の差)
図より、注入ノズル出口の平均流速Vq(m/s)と静磁場ブレーキのコイル高さ方向中央における磁束密度(T)との関係が、下記(1)式条件を満たす場合に鋳片表層と内部のP濃度が明確に異なることが判った。すなわち、この条件で成分分離が明確な複層鋳片を得ることが出来ることが判った。
0.08≦B/Vq≦0.12 …(1)
このような結果が得られた理由は、次のように考えられる。すなわち、B/Vqが0.12より大きい場合には、ブレーキ力が強すぎるために、注入ノズルから供給された溶鋼の一部が、静磁場ブレーキ下部プールに行けないために上昇し、静磁場ブレーキ上部プールを乱して不均一な流れを生じさせ、上部プール内ヘワイヤーや連鋳パウダーから供給された溶質元素の濃度を鋳型内の場所毎に不均一にするためである。
一方、B/Vqが0.08より小さい場合には、前述したように、ブレーキ力が弱すぎて、ワイヤーや連鋳パウダーから上部プールに供給された溶質元素がブレーキ帯を通過して下部プールに混合したり、下部プールに注入された溶鋼の流れが反転して上部プールの溶鋼を乱し、同様に、溶質元素の濃度を鋳型内の場所毎に不均一にするためである。
次に、発明の条件を規定した理由と、該発明の具体的な適用法について説明する。対象となるプロセスは、連続鋳造であり、目的は複層鋳片の製造である。
いくつかある複層鋳片の製造方法のうち、本発明は、注入ノズルを鋳型当たり1本使用し、かつ、鋳型に設置された静磁場ブレーキを用い、かつ、表層に付加する元素を鋳型内の溶鋼上方から供給する複層鋳片の鋳造方法に限定する。これは、注入ノズルを2本以上用いる方法では、コスト的に高価になるからである。
注入ノズルを鋳型あたり1本用いる方法では、鋳片表層に富化する溶質元素を添加するためには、ワイヤーによる添加か連鋳パウダーによる添加が必要になるので、両者の方法を採用した。また、鋳型に設置された静磁場を用いるのは、電磁ブレーキの中でも静磁場のタイプのものが、鋳片幅方向の磁場分布が比較的均一だからである。
使用するノズルの形式について、下向きの吐出口を持ったものとしたのは、注入された溶鋼が出来るだけ上部プールを攪拌することなく、下部プールに供給されるようにするためである。ノズル出口の位置を静磁場を発生させるコイル位置より上方としたのは、ノズルの長さが長くなることを出来るだけ避けるためである。
ノズル出口の平均流速と静磁場ブレーキの磁場の大きさに関しては、実機試験で得られた結果を元にして、以下の関係を規定した。すなわち、下記条件を満足した場合のみ、成分分離が明確な複層鋳片を得ることが出来る。
0.08≦B/Vq≦0.12
B:静磁場ブレーキのコイル高さ方向(鋳造方向)中央における磁束密度(T)
Vq:注入ノズル出口の平均流速(m/s)
なお、この発明においては、ブレーキだけでなく、鋳型上部で電磁攪拌を用いて溶鋼表面を攪拌すると、連鋳パウダーまたはワイヤーで添加した溶質元素が、上部溶鋼プールで更に均一となりやすくなる。
連続鋳造機を用いて、複層鋳片を製造した。鋳片の成分を表2に示す。各水準で共通の実験条件および評価法を表3に示す。実験水準および結果を表4に示す。
Figure 2005297030
Figure 2005297030
Figure 2005297030
表4より、本発明の場合の条件を満たす場合には、鋳片表層と内部での成分分離が明確な複層鋳片を得ることが出来た。
一方、比較1,比較2,比較3のいずれの比較例においても、鋳片表層と内部での成分分離が明確な複層鋳片を得ることが出来なかった。
すなわち、比較1では、ブレーキが強すぎて、適正なB/Vqを得ることが出来ず、分離度が低下した。また、比較2では、ブレーキが弱すぎて、適正なB/Vqを得ることが出来ず、分離度が低下した。更に、比較3では、鋳造速度が低く、注入ノズルからの吐出流速が小さいのに対して適正な磁束密度をとしなかったために、適正なB/Vqが得られず、分離度が悪化した。
前述したように、本発明により、鋳片表層と内部での成分分離が明確な複層鋳片を提供することができる。複層鋳片は、多様な用途に用いられるので、本発明は、産業上の利用可能性が大きいものである。
指標B/Vqと成分分離度の関係を表す図である。 鋳造装置の概略を説明する図である。
符号の説明
1…注入ノズル
2…連鋳パウダー
3…電磁攪拌装置
4…鋳型
5…静磁場ブレーキ
6…凝固シェル(表層)
7…凝固シェル(内部)

Claims (1)

  1. 下向きの吐出口を持った注入ノズルを鋳型当たり1本使用して鋳型内に溶鋼を注入し、鋳片表層に相当する部分に付与する元素を鋳型内の溶鋼上方から供給すると共に、鋳型に設置された静磁場ブレーキを用いて成分混合を抑制して複層鋳片を鋳造する方法において、ノズル吐出口が静磁場発生コイル位置より上方となるようにノズルを配置し、かつ、ノズル吐出口からの平均吐出流速と静磁場ブレーキの磁場の大きさが以下の関係を持つようにして鋳造することを特徴とする複層鋳片の製造方法。
    0.08≦B/Vq≦0.12
    B:静磁場ブレーキのコイル高さ方向(鋳造方向)の中央における磁束密度(T)
    Vq:注入ノズル吐出口の平均流速(m/s)
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