JP2005273798A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃荷重がバネにかからないようにして当該バネの動力伝達の媒介部材としての機能を維持しかつその破損を防止して、長期にわたり信頼性に優れた動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】本発明のプーリユニット1は、プーリ2(外側環体)の内周面に径方向内向きの凸部12A,12Bと、ロータ軸3(内側環体)の外周面に径方向外向きの凸部13A,13Bとを周方向交互に配置されるよう設けて各凸部の周方向間に複数の収納空間14A−14Dを構成している。上記収納空間内に伸縮に応じてバネ定数が変化するバネ4A,4B,4C,4Dを収納している。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のプーリユニット1は、プーリ2(外側環体)の内周面に径方向内向きの凸部12A,12Bと、ロータ軸3(内側環体)の外周面に径方向外向きの凸部13A,13Bとを周方向交互に配置されるよう設けて各凸部の周方向間に複数の収納空間14A−14Dを構成している。上記収納空間内に伸縮に応じてバネ定数が変化するバネ4A,4B,4C,4Dを収納している。
【選択図】図2
Description
本発明は、プーリユニット等の動力伝達装置に関する。この種の動力伝達装置は、例えばエンジンのクランクシャフトやクランクシャフトから伝動ベルトを介して駆動される補機類に装備することができる。補機類には、例えば自動車のオルタネータ、エアコンディショナ用コンプレッサ、ウオーターポンプ、冷却ファンなどが挙げられる。
エンジンの回転動力をクランクシャフト(駆動側)から伝動ベルトを介して補機(従動側)に伝達する場合、クランクシャフトの回転速度の変動に起因して、伝動ベルトに滑りが起こって異音が発生する傾向となる。このことを、補機類の一つであるオルタネータを例にとって説明する。エンジンを駆動源とする場合、エンジンの動作工程により、クランクシャフトは、その回転中、常にその回転速度に変動がある。一方、オルタネータのロータは、大きな回転慣性を有しているから、当該ロータには慣性トルクがかかっている。このため、オルタネータのロータを、回転速度の変動を伴うクランクシャフトで駆動すると、伝動ベルトに緩みと張り側とが変わって張力変動が発生する一方で、該伝動ベルトには、ロータの慣性トルクがかかる結果、伝動ベルトに滑りが起こって異音が発生したり耐久性が低下したりする傾向となりやすい。
そこで、従来の技術として、伝動ベルトが巻き掛けられるプーリの内周面と、オルタネータのロータに一体回転可能に連結されるロータ軸の外周面とにおける円周数箇所に、凸部をそれぞれ設け、両凸部が円周方向で対向する空間にバネ等の弾性体を動力伝達の媒介部材として配置し、当該弾性体の弾性により、ベルトの張力変動を受けることでベルトがプーリに対して滑らないようにして、ベルトの異音の発生等を抑制ないしは解消可能とした動力伝達装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、上記提案に係る動力伝達装置で、バネを設けてもエンジンの始動時や急加速時等の使用態様ではバネの回転変動吸収機能が失われて当該ベルトに滑り等が発生したり、また、バネに衝撃荷重がかかって破損が見られるケースがあった。
特開2002−303333号公報
本発明は、上記使用態様においてもバネの機能を維持可能としてベルトに滑り等の発生を抑制し、また、バネに衝撃荷重がかからないようにしてその破損を有効に防止可能にした動力伝達装置を提供するものである。
本発明による動力伝達装置は、同心配置した内側と外側の両環体間で回転動力の伝達を行う動力伝達装置であって、外側環体の内周面に径方向内向きの凸部と、内側環体の外周面に径方向外向きの凸部とを周方向交互に配置されるよう設けて各凸部の周方向間に複数の収納空間を形成し、上記収納空間内に上記両環体間での動力伝達の媒介部材として伸縮に応じてバネ定数が変化するバネを収納してなることを特徴とするものである。
上記バネの好ましい例として、例えば、テーパーコイルバネ、樽型コイルバネ、不等ピッチバネ、バネ定数が互いに異なる少なくとも2種類のバネ部分からなる親子バネ、一部のバネ部分を樹脂で固めたバネ、等を含む。また、金属製だけでなく、樹脂製のバネも含む。上記バネは、バネとしての機能を備えたものであればその形状を問わない。
本発明の動力伝達装置を例えばプーリユニットに適用した場合、エンジンのクランクシャフト側からベルトを介して例えば外側環体としてのプーリが駆動されると、上記バネを介して内側環体としてのロータ軸が回転する。そして、ベルトの張力が変動し、この張力変動に対してロータ軸がその慣性トルクにより該張力変動に追随できない状況下において、ベルトの張力変動はバネが圧縮伸長することで受けるからベルトはプーリに対して滑らずに済む。これによって、ベルトの異音の発生等が抑制ないしは解消される。
ところで、バネ定数が一定のバネを動力伝達の媒介部材として用いた場合、バネの破損が見られるケースがあった。そこで、本発明者らは、バネの破損原因について以下の通り鋭意検討した。すなわち、バネの破損は、エンジンの始動や急加速等の頻繁な繰り返しに特に多く発生する現象が見られた。その原因は、エンジンの始動や急加速時で、プーリがベルトを介して急速に回転された場合では、ロータ軸が大きな慣性トルクを有しているために、バネに衝撃荷重がかかる。そして、この場合、当該バネはそのバネ定数が一定であるために、各バネ部分全体が密着するようになってバネ全体の弾性がなくなって剛性が急速に上昇してしまう。その結果、バネの機能が急に失われてベルトが滑ったり、異音が発生したり、また、バネがその衝撃荷重で破損するに至ることを解明できた。そこで、本発明においては、収納空間に伸縮に応じてバネ定数が変化するバネを収納したのである。本発明によると、エンジンの始動や急加速に際しては、当該バネのバネ定数が変化する結果、当該バネ全体のバネ部分が急激に密着して剛性が急激に上がることがなく、徐々に密着して徐々に剛性が上がるようになり、当該バネの機能が維持されてベルトの滑り等を防止し、また、バネへの衝撃荷重がかからずに済んで当該バネの破損を効果的に防止できるようになった。
本発明によれば、内側と外側の両環体間で回転動力の伝達を行う動力伝達装置において、収納空間に伸縮に応じてバネ定数が変化するバネを収納したことにより、両環体間の相対回転速度差が急速に大きくなっても、当該バネに衝撃荷重がかからずに済むようになり、これによってバネの破損を効果的に防止可能となる。また、外側環体を駆動環体とし、内側環体を従動環体とし、外側環体にベルトを巻き掛けたプーリユニット構成とした場合、バネの機能が維持されて、当該ベルトが滑ったり、あるいは異音が発生したりすることを防止できるようになる。
以下、本発明を実施するうえで最良の形態を、添付した図面を参照して説明する。この実施の形態では、動力伝達装置を車両の補機に用いるプーリユニットに適用させている。図1はプーリユニットの全体構成を示す側面断面図、図2ないし図4は図1の同じ箇所からの正面断面図であって、図2は、バネに負荷がかかっていない(無負荷)とき、図3は、バネに軽負荷がかかっているとき、図4は、バネに重負荷がかかっているときの、それぞれの断面図である。図5は、横軸をプーリのねじれ角(プーリとロータ軸との相対回転速度差)、縦軸をバネにかかる負荷(トルク)をとる図である。
これらの図に示す実施形態のプーリユニット1は、外側環体としてのプーリ2と、該プーリ2の内周側に配置されて当該プーリ2との間で回転動力の伝達を行う内側環体としてのロータ軸3と、プーリ2とロータ軸3との軸方向中間に配置されて当該プーリ2からロータ軸3に対しての動力伝達の媒介部材としてのバネ4A,4B,4C,4Dと、同じくプーリ2とロータ軸3との軸方向両端間に配設される、潤滑剤密封タイプの深溝型玉軸受からなる転がり軸受5,6とを備える。転がり軸受5,6は、プーリ2とロータ軸3との間の環状空間において軸方向両側にそれぞれ1つずつ介装されるもので、それぞれ、外輪7、内輪8、複数の玉9、それらを保持する冠形保持器10、およびシールリング11からなる一般的な深溝玉軸受である。
プーリ2の内周面の軸方向中間における円周数箇所、好ましくは、180度で対向する2箇所に径方向内向きに突出する凸部12A,12B(駆動側凸部)が設けられている。プーリ2の外周面には、伝動ベルト6を巻き掛けるための波状溝が形成されている。
駆動側凸部12A,12Bはプーリ2の内周面に径方向内方に向けて周方向に180°置きにそれぞれ突出形成されており、駆動側凸部12A,12Bの内周面は、ロータ軸3の外周面に摺接可能とされている。
ロータ軸3には、例えば自動車に備える補機の回転軸やエンジンのクランクシャフト15が一体回転可能に連結される。ロータ軸3の外周面の軸方向中間における円周数箇所、好ましくは、180度で対向する2箇所に径方向外向きに突出する凸部(従動側凸部)13A,13Bがそれぞれ設けられている。従動側凸部13A,13Bは、駆動側凸部12A,12B間に配置されるようロータ軸3の外周面に180°置きに突出形成されている。
プーリ2とロータ軸3との対向環状空間においてプーリ2側の各凸部12A,12Bとロータ軸3側の各凸部13A,13Bとの円周方向での各対向間(図上で4箇所の対向間)には、収納空間14A,14B,14C,14Dが形成されている。各収納空間14A,14B,14C,14Dそれぞれには、動力伝達の媒介部材であるバネ4A,4B,4C,4Dが収納されている。バネ4A,4B,4C,4Dは、それぞれ、圧縮状態で収納された断面楕円形をなしている。
バネ4A,4B,4C,4Dは、等間隔のピッチでかつテーパー状をなしたバネ定数可変バネとして、そのバネ定数がその伸縮量に応じて可変するようになっている。バネ4A,4B,4C,4Dの周方向一端側と他端側それぞれの座巻部分は、バネ座である各凸部12A,12B,13A,13Bの内壁面に当接している。
以上の構成を備えたプーリユニット1において、図示しないクランクシャフトの回転に伴なってベルト8が回転すると、その回転によってプーリ2が回転する。そうすると、ロータ軸3は、バネ4A,4B,4C,4Dを介してプーリ2から回転動力を伝達されて回転する。この場合、プーリ2の、図上、時計回りの回転に伴い、プーリ2の駆動側凸部12A,12Bが従動側凸部13A,13Bそれぞれに近づいて収納空間14A,14Cに収納されているバネ4A,4Cが圧縮されつつ、また、収納空間14B,14Dに収納されているバネ4B,4Dが伸長しつつ、ロータ軸3が回転する。そして、上記クランクシャフトが回転変動してプーリ2の回転速度が変動するときは、その変動分に従いバネ4A,4B,4C,4Dが圧縮伸長してロータ軸3にその変動が伝達されるのを抑制できる。
以上の挙動を示すバネ4A,4B,4C,4Dは、テーパー状であるから、大径側バネ部分は小径側バネ部分よりも柔らかく、そのため、圧縮方向の荷重がかかると大径側バネ部分から圧縮されて密着していき、バネ定数が変化していく。したがって、このようなバネ4A,4B,4C,4Dにおいては、図2で示すように、プーリ2とロータ軸との相対回転速度差がゼロで当該バネ4A,4B,4C,4Dに圧縮方向の荷重がかからない無負荷状態から、図3で示すようにプーリ2が時計回り方向に回転してロータ軸3との間での相対回転速度差が大きくなってバネ4A,4Cに圧縮方向の荷重が軽くかかる軽負荷状態、さらに、図4で示すように相対回転速度差が過大になってバネ4A,4Cに圧縮方向の荷重が重くかかる重負荷状態となる。無負荷状態では、いずれのバネ4A,4B,4C,4Dも、自然伸縮状態から圧縮も伸長も受けていない。軽負荷状態では、バネ4A,4Cが自然伸縮状態から圧縮を受けて凸部12A,12Bの内壁面に当接する座巻側の大径で柔らかいバネ部分が数巻程度密着して弾性を失った状態となる。バネ4B,4Dは、自然伸縮状態から伸長している。重負荷状態では、バネ4A,4Cが自然伸縮状態からさらに圧縮を受けて凸部12A,12Bの内壁面に当接する座巻側のバネ部分がさらに数巻程度密着して弾性を失った状態となる。バネ4B,4Dは、自然伸縮状態からさらに伸長している。プーリ2が相対的にロータ軸3に対して反時計回り方向に回転してプーリ2とロータ軸3との相対回転速度差が大きくなってきた場合は、図示しての説明は省略するが上記とは逆の関係となる。
以上のバネ4A,4B,4C,4Dの挙動を図5を参照してさらに説明すると、図5(a)は従来のバネ定数が一定のバネを動力伝達の媒介部材として用いた場合、図5(b)は本発明のバネ定数が可変のバネを動力伝達の媒介部材として用いた場合を示している。図5(a)および図5(b)において、横軸は、プーリ2のねじれ角(プーリ2とロータ軸3との相対回転速度差)、縦軸は、バネにかかる負荷(トルク)を示す。従来のバネ定数が一定のバネを用いた場合、図5(a)の特性線C2で示すように、プーリ2のねじれ角が一定の値αになると、バネに急激に過大な負荷(衝撃荷重)がかかる。その結果、バネは、一時的に機能が喪失されてベルトの滑りや異音の発生を来たし、また、バネが破損してくる可能性が高くなる。これに対して、本発明のごとくバネ定数が可変のバネを用いた場合、図5(b)の特性線Cで示すように、プーリ2のねじれ角が大きくなっていっても、バネにかかる負荷はなだらかな曲線で大きくなり、バネに衝撃荷重がかかるようなことがない。したがって、本発明では、プーリ2のねじれ角が急速に大きくなっても、バネの機能喪失が防止されずに済んでベルトの滑りや異音の発生を抑制できるようになるとともに、バネが破損するおそれが低減され、動力伝達装置における動力伝達の媒介部材としての信頼性が高まる。なお、図5(b)の特性線C0、C1で示すように、バネのバネ定数が伸縮に応じて変化する割合を適宜に設定することで、バネに対する種々の負荷態様に適用することができる。
2 プーリ(外側環体)
3 ロータ軸(内側環体)
4A〜4D バネ
12A,12B 駆動側凸部
13A,13B 従動側凸部
14A〜14D 収納空間
3 ロータ軸(内側環体)
4A〜4D バネ
12A,12B 駆動側凸部
13A,13B 従動側凸部
14A〜14D 収納空間
Claims (1)
- 同心配置した内側と外側の両環体間で回転動力の伝達を行う動力伝達装置であって、外側環体の内周面に径方向内向きの凸部と、内側環体の外周面に径方向外向きの凸部とを周方向交互に配置されるよう設けて各凸部の周方向間に複数の収納空間を形成し、上記収納空間内に上記両環体間での動力伝達の媒介部材として伸縮に応じてバネ定数が変化するバネを収納してなることを特徴する動力伝達装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004088951A JP2005273798A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004088951A JP2005273798A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005273798A true JP2005273798A (ja) | 2005-10-06 |
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ID=35173694
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004088951A Withdrawn JP2005273798A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005273798A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103016647A (zh) * | 2011-09-27 | 2013-04-03 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 齿轮传动装置 |
| KR101449526B1 (ko) * | 2010-12-17 | 2014-10-13 | 현대중공업 주식회사 | 개방형 코일 스프링 비틀림 진동 댐퍼 |
| KR101449530B1 (ko) * | 2010-12-17 | 2014-10-13 | 현대중공업 주식회사 | 폐쇄형 코일 스프링 비틀림 진동 댐퍼 |
| US8899123B2 (en) | 2011-09-27 | 2014-12-02 | Hon Hai Precision Industry Co., Ltd. | Gear transmission device with resilient connection between driving gear and driving shaft |
| KR101847897B1 (ko) | 2012-04-06 | 2018-04-12 | 현대중공업 주식회사 | 코일 스프링 댐퍼의 스프링 설치 방법 |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004088951A patent/JP2005273798A/ja not_active Withdrawn
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