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JP2005272761A - 水性樹脂分散体の製造方法と該水性樹脂分散体を用いた紫外線硬化型水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂分散体の製造方法と該水性樹脂分散体を用いた紫外線硬化型水性樹脂組成物 Download PDF

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JP2005272761A JP2004091538A JP2004091538A JP2005272761A JP 2005272761 A JP2005272761 A JP 2005272761A JP 2004091538 A JP2004091538 A JP 2004091538A JP 2004091538 A JP2004091538 A JP 2004091538A JP 2005272761 A JP2005272761 A JP 2005272761A
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Yasushi Ariyoshi
泰 有吉
Nozomi Hatano
望 秦野
Itaru Shimizu
格 清水
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Abstract

【課題】水に溶解し難い紫外線重合開始剤を水性で使用可能にし、また水性分散体としての保存安定性、塗膜としたのときの密着性、耐溶剤性などの物性を満足できる水性分散体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、エチレン性不飽和単量体(M)、界面活性剤(S)、紫外線重合開始剤(P)、および水を、乳化状態にして、乳化重合開始剤(I)を用いて乳化重合を行うことを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法に関する。

Description

本発明は、水性紫外線硬化型樹脂組成物に使用される水性樹脂分散体の製造方法に関し、該水性樹脂分散体は紫外線によってラジカルを発生する化合物および/または官能基を有すものである。また本発明は、該水性樹脂分散体を使用した水性紫外線硬化型樹脂組成物に関し、硬度、硬化速度、架橋密度、耐溶剤性、耐水性に優れた硬化膜を与えるものであり、木材、金属、ガラス、布、皮革、紙、プラスチックを含めた被塗装物、被印刷物に適用されるインキバインダー、接着剤、コーティング剤などに用いられる。
近年、接着剤、コーティング、印刷業界などでは、溶剤型製品による大気汚染、火災の危険性、作業時の労働安全衛生などを解決する一つの手段として各製品の水性化、無溶剤化が提案され進められている。事実、水性型、無溶剤型硬化性製品は各分野で広く用いられているが、溶剤型製品に比べ硬化速度、架橋密度、耐溶剤性、耐水性、粘度などに問題があることから一部用途に限られているのが現状である。また、無溶剤型は粘度を下げるために分子量の小さい揮発性のある単官能単量体を使用することが多く、そのための臭気が作業環境を悪化する問題がある。そこで、水性型の製品にラジエーション硬化性能を与えることでこの問題を解決しようというアプローチがある。ここで、本発明で言うラジエーション硬化とは、電子線、紫外線などの電離放射線のエネルギーによって硬化することを意味する。電子線硬化システムおよび紫外線硬化システムのうち、ラジエーション装置が小さく、安価であり、硬化時に不活性ガスで置換する必要が必ずしもない紫外線硬化システムが一般に広く用いられている。
紫外線硬化型樹脂組成物には、紫外線にて重合を開始させる紫外線重合開始剤と、該紫外線重合開始剤によって重合する単量体および/またはオリゴマーとが必須成分となるが、水系で紫外線重合開始剤を使用する場合、以下の問題がある。
水性紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線重合開始剤を混合、添加する場合、1)水溶性の開始剤を使用する方法、2)非水溶性の紫外線重合開始剤を使用する場合は、有機溶剤に一度溶解したものを混合し、必要に応じ脱溶剤する方法、等が採られる。しかし、1)の場合、水溶性の紫外線重合開始剤が殆ど流通していないため選択の幅が狭く、また既存の紫外線重合開始剤にポリエチレングリコールやカルボキシル基、4級アンモニウム塩などの親水性基を導入して水溶性化するのは労力とコストがかかる。また、硬化物が水と接触する際に、溶出して塗膜の表面状態の悪化や環境汚染を招く場合がある。2)の場合は、有機溶剤の混入、および環境負荷が問題となる。上記問題を解決する方法として、有機溶剤中で合成した自己乳化能のあるウレタン樹脂に分子内に2個以上の不飽和二重結合を有する化合物と共に紫外線重合開始剤を混合した後脱溶剤することで水分散粒子にする方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、結局2)の場合と同様に有機溶剤を使用するため環境負荷は避けられない。
一方、乳化重合により得られる水分散アクリル樹脂は、その合成過程で溶剤を一度も使用しないことから水性型の樹脂の中でも特に環境負荷の少ないものとして知られており、この水分散アクリル樹脂を利用した発明も開示されている。例えば、環状イミド基を有する単量体を構成成分とする重合体と、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とからなる水分散体の開示がある(特許文献2参照)。該環状イミド基を有する単量体は紫外線によりラジカルを発生する能力があるが、一般の紫外線重合開始剤と比べてその能力が低く大量に必要となるためコストが上がること、また紫外領域の光吸収波長が狭いことから紫外線の透過を抑制する染料、顔料、無機微粒子などを含む組成物には適さないなどの制限がある。
特開平10−182763号公報 特開2000−234044号公報
本発明は、有機溶剤を全く使用することなく、市販・流通している紫外線重合開始剤を制限なく水性紫外線硬化型樹脂組成物に使用できるようにすることを目的にするものである。
本発明は、エチレン性不飽和単量体(M)、界面活性剤(S)、紫外線重合開始剤(P)、および水を、乳化状態にして、乳化重合開始剤(I)を用いて乳化重合を行うことを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法に関する。
また、本発明は、乳化重合前の乳化状態の非水相の平均径が、10μm以下である上記水性樹脂分散体の製造方法に関する。
また、本発明は、紫外線重合開始剤(P)が、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(PM)を含む上記水性樹脂分散体の製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法で得られる水性樹脂分散体(E)に関する。
また、本発明は、上記水性樹脂分散体(E)と、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(X)とを含む紫外線硬化型水性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記水性樹脂組成物を紫外線で硬化させてなる硬化物に関する。
本発明により、水に溶解し難い紫外線重合開始剤を水性で使用可能にし、また水性分散体としての保存安定性、塗膜としたのときの密着性、耐溶剤性などの物性を満足できる水性分散体を提供できることができた。
本発明は、エチレン性不飽和単量体(M)、界面活性剤(S)、紫外線重合開始剤(P)、および水を、乳化状態にして、乳化重合開始剤(I)を用いて乳化重合を行うことにより得られた水性樹脂分散体は、その中に紫外線重合開始剤(P)を含んで水中に存在するため、紫外線重合開始剤(P)が水に溶けないものであっても水性紫外線硬化型樹脂組成物に使用可能である。
本発明で使用されるエチレン性不飽和単量体(M)としては、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸エステルを主成分に用いられることが好ましく、かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート等、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
又、エチレン性不飽和単量体(M)として、極性基含有単量体を含有することが好ましく、その極性基としてはカルボキシル基、水酸基、アミド基等が挙げられる。カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。水酸基含有単量体としてはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシアクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等が挙げられる。アミド基含有単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
このうちカルボキシル基含有単量体がエチレン性不飽和単量体(M)100重量部中0.1〜30重量部の範囲で用いられるのが重合安定性の点で好ましい。
又、エチレン性不飽和単量体(M)の成分として、架橋性基を有する単量体を含有させることもできる。架橋性基としてはエポキシ基、アルコキシシリル基、メチロール基、アセトアセチル基等が挙げられる。その他に架橋性基を有する単量体として、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能性エチレン性不飽和単量体も挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有単量体としては、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリピロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン等が挙げられる。
メチロール基含有単量体としては、N−メチロールアクリルアミド、ブトキシN−メチロールアクリルアミドが挙げられる。
アセトアセチル基含有単量体としては、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
多官能性エチレン性不飽和単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等が挙げられる。
上に例示したエチレン性不飽和単量体(M)は、併用することができ、使用する目的に応じて種類、併用する割合の制限はない。ここで、本発明で言う、エチレン性不飽和単量体(M)には、後述する、紫外線重合開能を有しかつエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(PM)は含まれない。
本発明に用いられる界面活性剤(S)としては、各成分を水媒体中に乳化させ得る機能を持つものであれば特には限定されず公知のものが限定無く使用できる。例えば、エチレン性不飽和二重結合を有するイオン性又は非イオン性の反応性界面活性剤、エチレン性不飽和二重結合を有さないイオン性又は非イオン性の非反応性界面活性剤等が単独又は併用して用いられる。中でも、耐水性を考慮すれば、反応性界面活性剤を用いるほうが好ましい。
該反応性界面活性剤として具体的には、アデカリアソープSE−20N(アニオン性)、アデカリアソープSE−10N(アニオン性)、アデカリアソープNE−10(ノニオン性)、アデカリアソープNE−20(ノニオン性)、アデカリアソープNE−30(ノニオン性)、アデカリアソープNE−40(ノニオン性)、アデカリアソープSDX−730(アニオン性)、アデカリアソープSDX−731(アニオン性)〔以上、旭電化(株)製〕、エレミノールJS−2(アニオン性)、エレミノールRS−30(アニオン性)〔以上、三洋化成(株)製〕、ラテムルS−180A(アニオン性)、ラテムルS−180(アニオン性)、ラテムルPD−104(アニオン性)〔以上、花王(株)製〕、アクアロンBC−05(アニオン性)、アクアロンBC−10(アニオン性)、アクアロンBC−20(アニオン性)、アクアロンKH−10(アニオン性)、アクアロンKH−20(アニオン性)、アクアロンHS−05(アニオン性)、アクアロンHS−10(アニオン性)、アクアロンHS−20(アニオン性)、アクアロンRN−10(ノニオン性)、アクアロンRN−20(ノニオン性)、アクアロンRN−30(ノニオン性)、アクアロンRN−50(ノニオン性)、ニューフロンティアS−510(アニオン)〔以上、第一工業製薬(株)製〕、フォスフィノ−ルTX(アニオン性)〔東邦化学工業(株)製〕)等の市販品が挙げられる。
本発明の製造方法において、エチレン性不飽和単量体(M)を100重量部としたとき、界面活性剤(S)の量は0.5〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.8〜4重量部、特に好ましくは1〜3重量部である。界面活性剤(S)が0.5重量部未満では重合時に凝集物などが発生しやい場合があり、5重量部を越えると塗膜の耐水性が低下し好ましくない場合がある。
本発明で使用される、紫外線重合開始剤(P)としては、光励起によってエチレン性不飽和二重結合の重合を開始できる機能を有するものであれば特に限定はなく、例えばモノカルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルフォスフィンオキシド化合物、アミノカルボニル化合物等が使用できる。
具体的にモノカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、4-メチル- ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、メチル-o- ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、4(4-メチルフェニルチオ) フェニル- エネタノン、3,3'- ジメチル-4- メトキシベンゾフェノン、4-(1,3- アクリロイル-1,4,7,10,13- ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'- テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル) ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N,N-トリメチルベンゼンメタアンモニウムクロリド、2-ヒドロキシ-3-(4-ベンゾイル- フェノキシ) -N,N,N-トリメチル-1- プロパンアミン塩酸塩、4-ベンゾイル-NN-ジメチル-N-[2-(1- オキソ-2- プロペニルオキシエチル) メタアンモニウム臭酸塩、2-/4-iso- プロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4- プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9- オキソ-9H チオキサントン-2- イロキシ)-N,N,N-トリメチル-1- プロパンアミン塩酸塩、ベンゾイルメチレン-3- メチルナフト(1,2-d) チアゾリン等が挙げられる。
ジカルボニル化合物としては、1,7,7-トリメチル- ビシクロ[2,1,1] ヘプタン-2,3- ジオン、ベンザイル、2-エチルアントラキノン、9,10- フェナントレンキノン、メチル- α- オキソベンゼンアセテート、4-フェニルベンザイル等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4- イソプロピルフェニル)2- ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4- イソプロピルフェニル)2- ヒドロキシ- ジ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-ヒドロキシ- シクロヘキシル- フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- スチリルプロパン-1- オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2- ジフェニルエタン-1- オン、2,2-ジエトキシ-1,2- ジフェニルエタン-1- オン、2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1- オン、2-ベンジル-2- ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノ- フェニル) ブタン-1- オン、1-フェニル-1,2- プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル) オキシム、3,6-ビス(2- メチル-2- モルホリノ- プロパノニル)-9-ブチルカルバゾール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-n-プロピルフェニル- ジ(2,6- ジクロロベンゾイル) ホスフィンオキシド等が挙げられる。
アミノカルボニル化合物としては、メチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、エチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-n ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、イソアミル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-( ジメチルアミノ) エチルベンゾエート、4,4'- ビス-4- ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'- ビス-4- ジエチルアミノベンゾフェノン、2,5'- ビス-(4-ジエチルアミノベンザル) シクロペンタノン等が挙げられる。これら例示した化合物は、単独で用いられても併用しても良い。
上に例示した紫外線重合開始剤(P)は、紫外線硬化型樹脂組成物に使用されている樹脂(ラジカル重合性を有する樹脂およびラジカル重合性を有しない樹脂の両者を含む)や、ラジカル重合性を有するモノマーと一部しか反応しない。従って、上に例示した紫外線重合開始剤(P)は、未反応のまま、または光反応によって分解した分解生成物となって、いずれも残留物として、最終硬化皮膜中に残留することになる。残留物の存在は、例えば以下(1)〜(4)に示すような形で問題が生じる場合がある。
(1)残留物が一部揮発し、印刷・塗工現場、あるいは印刷物・塗工物の臭気の原因となる。(2)フィルムやオーバーコートワニス等の、透明性が要求される用途の場合、残留物が、経時で生じる色の変化、例えば黄変の原因となる。(3)印刷物・塗工物を積み重ねたり巻き取っておいたりする過程で、残留物が、印刷面または塗工面から他の面へ滲出・移行し、このように滲出・移行したものが内包物等に触れることで、内包物に好ましくない影響を与える(たとえば飲料などの場合、味覚が変わるなど)。(4)電子材料等に用いられる場合、残留物が周辺媒体中へ拡散し、黄変・臭気などの問題に加えて電気的トラブルを生じる。
本発明において、かかる問題が懸念される使用方法、用途には、紫外線重合開始剤(P)として下記に説明する化合物(PM)が紫外線重合開始剤(P)全体の30重量%以上使用されることが好ましく、さらに好ましくは50重量%以上、さらには80重量%以上である。30重量%未満であると、上記(1)〜(4)の問題の抑制効果は薄い。化合物(PM)としては、上に例示した紫外線重合開始剤(P)に存在する水素原子のうちのx個の水素原子を取り除いた残基を官能基〈p〉としたとき、あっても構わない。また、化合物(PM)には、一分子中に2種類以上の異なる官能基〈p〉や、2種類以上の異なるエチレン性不飽和二重結合を有する官能基が存在していても構わない。本発明の紫外線硬化型水性樹脂組成物において、紫外線重合開始剤(P)を全て化合物(PM)とした場合、化合物(PM)に存在するエチレン性不飽和二重結合が、ラジカル重合に寄与するため、上記(1)〜(4)の問題が抑制され好ましい。
本発明の製造方法において、エチレン性不飽和単量体(M)を100重量部としたとき、紫外線重合開始剤(P)の量は1〜200重量部であることが好ましく、更に好ましくは5〜100重量部、最も好ましくは10〜50重量部である。1重量部未満であると、紫外線重合開始剤の効果が薄い場合があり、200重量部を越えると重合安定性が悪くなる場合がある。
本発明に使用される乳化重合開始剤(I)としては、熱または還元剤によってラジカルを発生するものであれば特に制限されず、水溶性、油溶性のいずれのものも用いることが可能である。具体官能基〈p〉とx個のエチレン性不飽和二重結合を有する官能基とを共有結合でつないでなる化合物である。このときエチレン性不飽和二重結合と官能基〈p〉の間の結合はどのようなもので的には、アルキルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドのアンモニウム(アミン)塩、2,2'−アゾビス(2−メチルアミドオキシム)ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)ジヒドロクロライドテトラヒドレート、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕−プロピオンアミド}、2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、各種レドックス系触媒(この場合酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等が、還元剤としては亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等が用いられる。)等が挙げられる。このうち水溶性のものが好適に用いられる。ここで、本発明で言う乳化重合開始剤(I)には、紫外線によって重合を開始する紫外線重合開始剤(P)は含まれない。
本発明の製造方法において、エチレン性不飽和単量体(M)を100重量部としたとき、乳化重合開始剤(I)の量は0.01〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜5重量部である。重合開始剤が0.01重量部未満では重合速度が遅くなる場合があり、10重量部を越えると樹脂の分子量が低くなり硬化物の耐性が悪くなる場合がある。
本発明の製造方法において、エチレン性不飽和単量体(M)、界面活性剤(S)、紫外線重合開始剤(P)、および水を混合し、攪拌して乳化状態にするわけであるが、このとき、乳化重合開始剤(I)を共存させても共存させなくてもどちらでも良い。紫外線重合開始剤(P)はあらかじめエチレン性不飽和単量体(M)に溶解して用いられるのが好ましい。また、乳化重合開始剤(I)に非水溶性のものを用いる場合にはあらかじめエチレン性不飽和単量体(M)に溶解して用いられるのが好ましい。
乳化状態は、水の連続相の中に非水相が分散した形のO/W型であることが好ましい。このとき、非水相滴の累積体積平均径は100μm以下であれば良いが、重合の際に凝集物の発生や紫外線重合開始剤(P)の析出が起こる場合は、高シェアをかけて強制攪拌をすることにより非水相滴の累積体積平均径を10μm以下にすることが好ましく、さらに好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下の場合である。非水相滴の累積体積平均径を10μm以下にするには通常市販されている乳化機が使用でき、回転型乳化機、コロイドミル型乳化機、高圧ホモジナイザー型乳化機、超音波処理型乳化機等の強制乳化機を使用することができる。
ここで、累積体積平均径とは、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置であるマルバーン社製マスターサイザー2000という装置を使用して測定できる値を言う。
乳化状態にするときの水の使用量は、エチレン性不飽和単量体(M)、界面活性剤(S)、紫外線重合開始剤(P)、および水の合計量100重量部に対して、25重量部以上90重量部以下であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量部である。水の使用量が25重量部未満ではO/W型の乳化物ができない場合があり、またできても高粘度となり作業性が悪くなる場合がある。90重量部を越えると、後の水性樹脂分散体(E)の濃度が下がり生産性が悪くなる場合がある。
上記の乳化状態にした後、乳化重合開始剤(I)の存在下で重合を行うのであるが、その方法としては、1.)乳化物の全量をそのまま昇温して重合する、2.)乳化物の一部を昇温して重合を開始し、残りの乳化物を滴下又は分割添加して重合を継続する、3.)反応缶に水、必要に応じて界面活性剤(S)を仕込んで昇温した後、乳化物を全量滴下又は分割添加して重合する等が挙げられ、乳化重合開始剤(I)は反応缶、または滴下缶の両方もしくはどちらか一方に任意の割合で仕込んでも良く、また、別に開始剤のみを滴下または分割添加しても良い。
上記重合方法における重合条件としては、特に限定されないが、例えば、1.)の方法では、通常40〜100℃程度の温度範囲が適当であり、昇温開始後1〜8時間程度反応を行う。2.)の方法では、乳化物の1〜50重量%を40〜90℃で0.1〜4時間重合した後、残りの乳化物を1〜5時間程度かけて滴下又は分割添加して、その後同温度で1〜3時間程度熟成する。3.)の方法では、水を乳化物の5〜100重量%となるように仕込み、40〜90℃に昇温し、乳化物を2〜5時間程度かけて滴下又は分割添加し、その後同温度で1〜3時間程度熟成する方法などが挙げられる。
上記重合方法における水の合計量は重合後の固形分率が10重量%以上75重量%以下となるようにすることが好ましい。10重量%未満であると生産性が悪くなる場合があり、75重量%を超えると安定な水性樹脂分散体(E)が得られない場合がある。
また、乳化重合を行う際、使用する反応缶、滴下缶は紫外線重合開始剤(P)からのラジカル発生を抑制するために、紫外線があたらない様にすることが好ましい。
上に説明した本発明の製造方法で得られる水性樹脂分散体(E)は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(X)を添加して紫外線硬化型水性樹脂組成物として使用できる。エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(X)としては、具体的にはメチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、イソプロピル(メタ)アクリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、テトラヒドロフルフリ−ル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト、フェニル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレ−ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレ−ト、フェノキシジエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等、
メトキシポリプロピレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、エトキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等のアルコキシポリアルキレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト類、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、グリセロ−ル(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等の水酸基含有の(メタ)アクリレ−ト類、
(メタ)アクリルアミド、およびN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト等のアミノ基含有(メタ)アクリレ−ト類、
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、
エチルビニルエ−テル、n−プロピルビニルエ−テル、イソプロピルビニルエ−テル、n−ブチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル等のビニルエ−テル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類、
また、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト等のアルキレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、グリセリンプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンエチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレ−ト、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレ−ト、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレ−ト、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−トトリプロピオネ−トなどの三官能(メタ)アクリレ−ト類。また、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレ−トモノプロピオネ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、テトラメチロ−ルメタンテトラ(メタ)アクリレ−ト、オリゴエステルテトラ(メタ)アクリレ−ト、トリス((メタ)アクリロイルオキシ)ホスフェ−ト等の多官能(メタ)アクリレ−ト類が挙げられる。
さらに、上記したような化合物の他、ポリエステル(メタ)アクリレ−ト、ポリウレタン(メタ)アクリレ−ト、エポキシ(メタ)アクリレ−ト、(メタ)アクリル化マレイン酸変性ポリブタジエン等を挙げることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレ−トは、多塩基酸と多価アルコ−ルとを重縮合せしめて、ヒドロキシル基ないしカルボキシル基を有するポリエステルを得、次いで該ポリエステル中のヒドロキシル基と(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和脂肪族多塩基酸とのエステル化、あるいは該ポリエステル中のカルボキシル基と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ−トとのエステル化によって得ることができる。あるいは酸無水物とグリシジル(メタ)アクリレ−トと少なくとも1個以上水酸基を有する化合物とを反応せしめることによっても得ることができる。
ポリウレタン(メタ)アクリレ−トは、分子中に少なくとも2個以上のイソシアナト基を有する化合物とヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ−トとを反応させたり、あるいは分子中に少なくとも2個以上のイソシアナト基を有する化合物と多価アルコ−ルとを反応させて分子中に少なくとも2個以上のイソシアナト基を有するウレタンプレポリマ−を得、次いでイソシアナト基含有ウレタンプレポリマ−とヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ−トとを反応させたりすることによって得ることができる。
エポキシ(メタ)アクリレ−トは、エポキシ基とアクリル酸またはメタクリル酸との反応により合成されるものであり、グリシジル化合物、脂環型エポキシ樹脂、もしくはノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸とを反応せしめてなるものが挙げられる。
(メタ)アクリル化マレイン酸変性ポリブタジエンは、ポリブタジエン中の二重結合に無水マレイン酸を付加し、次いで該マレイン化ポリブタジエン中の無水マレイン酸に由来する部分と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ−トとを反応せしめて得ることができる。
ここで、(メタ)アクリレ−トとはアクリレ−トもしくはメタクリレ−トを、(メタ)アクリルアミドとはアクリルアミドもしくはメタクリルアミドを、(メタ)アクリロニトリルとはアクリロニトリルもしくはメタクリロニトリルを意味する。
上に例示したエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(X)のうち、好ましくは分子量2000以下の(メタ)アクリロイル基、ビニル基を有する化合物およびN置換型(メタ)アクリルアミド類であり、更に好ましくはアクリロイル基を有する化合物およびN置換型アクリルアミド類であり、最も好ましくは二官能以上のアクリロイル基を有する化合物である。
この他、本発明で得られる紫外線硬化型水性樹脂組成物には目的を損なわない範囲で任意成分として、さらに溶剤、顔料、染料、酸化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、微粉末シリカ、可塑剤、界面活性剤、ポリマ−エマルジョン等を添加することができる。
本発明の紫外線硬化型水性樹脂組成物は、木材、金属、ガラス、布、皮革、紙、プラスチックを含めた被塗装物、被印刷物に適用できる。
本発明の紫外線硬化型水性樹脂組成物を含むインキ、塗料、および接着剤は、刷毛塗り塗装、スプレ−塗装、フロ−コ−ト、カ−テンフロ−コ−ト、浸漬塗装、真空塗装、ロ−ルコ−ト、リバ−スコ−トあるいはグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリ−ン印刷、インクジェット印刷などいったあらゆる塗工、塗装、印刷が可能である。
本発明の紫外線硬化型水性樹脂組成物は、塗料、グラビア印刷インキ、フレキソ印刷インキ、インクジェット印刷インキ等のインキバインダ−、およびラミネ−ト接着剤を含む各種接着剤として使用することができる。
本発明の紫外線硬化型水性樹脂組成物は、公知の紫外線照射装置を用いて硬化することができる。紫外線照射装置としては、光源として、通常200〜500nmの範囲の光を含む光源、たとえば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カ−ボンア−ク灯等を有するものが使用できる。紫外線の積算光量は、用途、膜厚、着色剤の有無、光重合開始剤の種類と量により必要最低積算光量が左右されるため制限はない。紫外線によって硬化させる際には、特に必要はないが窒素等の不活性ガスを用いて酸素濃度を、空気よりも下げても良い。
また、紫外線と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
本発明で得られる紫外線硬化型水性樹脂組成物を塗工後、自然または強制乾燥後にラジエ−ション硬化を行っても良いし、塗工に続いてラジエ−ション硬化させた後に自然または強制乾燥しても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。また、実施例に記載された粒子径はマルバーン社製マスターサイザー2000で測定した累積体積平均径のことを示す。
実施例1:エチレン性不飽和単量体(M)としてn−ブチルアクリレート49部、メチルメタクリレート49部、およびアクリル酸2部を用い、これに紫外線重合開始剤(P)として2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1- オン(チバスペシャリティケミカルズ製:イルガキュア907)を24部と2,4-ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製:カヤキュアDETX−S)6部とをあらかじめ溶解した。そこへ界面活性剤(S)としてアクアロンKH−10(第一工業製薬(株)製)1.0部と、水70部とを加えてスクリュー型攪拌翼のついた攪拌機で300rpmで10分攪拌し乳化状態にした。このときの非水相の粒子径は40μmであった。
又、別容器にて乳化重合開始剤(I)として過硫酸アンモニウム0.3部を水5.7部に溶解し、乳化重合開始剤(I)水溶液を調製した。又、別容器にて還元剤としてイソアスコルビン酸ナトリウム0.15部を水14.85部に溶解し、還元剤水溶液を調製した。
次に、窒素導入管、コンデンサー、攪拌翼、温度計、第1の滴下缶、第2の滴下缶、第3の滴下缶を備え付けた反応缶に水100部、上記乳化物のうち10部を仕込み、攪拌しながら窒素を導入した。第1の滴下缶に上記乳化物を191部仕込み、第2の滴下缶に上記乳化重合開始剤(I)水溶液を3部仕込み、第3の滴下缶に上記還元剤水溶液を7.5部仕込んだ。反応缶を昇温して内温が60℃となったところで、上記乳化重合開始剤(I)水溶液3部を反応缶に入れ、その5分後から第1、第2、第3の滴下缶に仕込んだ液を2時間かけて反応缶にそれぞれ一定速度で滴下した。滴下終了後、更に第3の滴下缶に上記還元剤水溶液を7.5部仕込み、1時間かけて反応缶に一定速度で滴下した。その後60℃のまま1時間攪拌を続け重合を終了した。得られた水性樹脂分散体(E−1)の固形分率は40.5%であった。粒子径は102nmであった。また、重合に使用した反応缶、攪拌翼には若干の凝集物の付着が確認された。
実施例2:実施例1において、乳化状態にする際に、スクリュー型攪拌翼のついた攪拌機の代わりにホモミキサーで12000rpmで10分攪拌し乳化状態にした以外は全て同じ操作で行った。このときの乳化物の非水相の粒子径は2.5μmであった。また最終的に得られた水性樹脂分散体(E−2)の固形分率は40.2%であった。粒子径は210nmであった。また、重合に使用した反応缶、攪拌翼には凝集物の付着はなかった。
実施例3:実施例1において、紫外線重合開始剤(P)として2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1- オン(チバスペシャリティケミカルズ製:イルガキュア907)を24部と2,4-ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製:カヤキュアDETX−S)6部とで合計30部用いているが、その代わりに、化合物(PM)としてベンゾフェノンにアクリルロイル基が結合した化合物(エベクリルP−36:ダイセルUCB社製)30部を用い、また、乳化状態にする際に、スクリュー型攪拌翼のついた攪拌機の代わりにホモミキサーで12000rpmで10分攪拌し乳化状態にした以外は全て同じ操作で行った。このときの乳化物の非水相の粒子径は4.0μmであった。また最終的に得られた水性樹脂分散体(E−3)の固形分率は40.8%であった。粒子径は150nmであった。また、重合に使用した反応缶、攪拌翼には凝集物の付着はなかった。
比較例1:n−ブチルアクリレート63.7部、メチルメタクリレート63.7部、およびアクリル酸2.6部を混合し、界面活性剤(S)としてアクアロンKH−10(第一工業製薬(株)製)1.0部と、水70部とを加えてスクリュー型攪拌翼で300rpmで10分攪拌し乳化状態にした。このときの非水相の粒子径は50μmであった。
又、別容器にて乳化重合開始剤(I)として過硫酸アンモニウム0.3部を水5.7部に溶解し、乳化重合開始剤(I)水溶液を調製した。又、別容器にて還元剤としてイソアスコルビン酸ナトリウム0.15部を水14.85部に溶解し、還元剤水溶液を調製した。
次に、窒素導入管、コンデンサー、攪拌翼、温度計、第1の滴下缶、第2の滴下缶、第3の滴下缶を備え付けた反応缶に水100部、上記乳化物のうち10部を仕込み、攪拌しながら窒素を導入した。第1の滴下缶に上記乳化物を191部仕込み、第2の滴下缶に上記乳化重合開始剤(I)水溶液を3部仕込み、第3の滴下缶に上記還元剤水溶液を7.5部仕込んだ。反応缶を昇温して内温が60℃となったところで、上記乳化重合開始剤(I)水溶液3部を反応缶に入れ、その5分後から第1、第2、第3の滴下缶に仕込んだ液を2時間かけて反応缶に一定速度で滴下した。滴下終了後、更に第3の滴下缶に上記還元剤水溶液を7.5部仕込み、1時間かけて反応缶に一定速度で滴下した。その後60℃のまま1時間攪拌を続け重合を終了した。得られた水性樹脂分散体(N−1)の固形分率は40.8%であった。粒子径は98nmであった。また、重合に使用した反応缶、攪拌翼には凝集物の付着はなかった。
比較例2:比較例1で得られた水性樹脂分散体(N−1)250部に水を45部加え90℃に加熱した。これを攪拌しているところへ紫外線重合開始剤(P)として2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1- オン(チバスペシャリティケミカルズ製:イルガキュア907)を24部と2,4-ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製:カヤキュアDETX−S)6部を混合し、90℃のまま24時間攪拌しつづけ固形分率40.2%の水性樹脂分散体(N−2)を得た。
比較例3:比較例1で得られた水性樹脂分散体(N−1)250部に水を45部加え50℃に加熱した。これを攪拌しているところへ化合物(PM)としてベンゾフェノンにアクリルロイル基が結合した化合物(エベクリルP−36:ダイセルUCB社製)を30部混合し、60℃のまま24時間攪拌しつづけ固形分率40.3%の水性樹脂分散体(N−3)を得た。
(水性樹脂分散体の保存安定性試験)
実施例1〜3、比較例2、3で得られた水性樹脂分散体をサンプル瓶に入れ、40℃で24時間、5℃で24時間のサイクルを2回繰り返した後、サンプル瓶の底に析出物がないか確認した。析出物があるばあいには採取して赤外線吸収スペクトルを確認して定性を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005272761
表1にある実施例、比較例には固形分中23%の紫外線重合開始剤(P)もしくは化合物(PM)が含まれている。実施例から明らかなように、本発明の製造方法で得られた水性樹脂分散体(E)は、保存安定性良く紫外線重合開始剤(P)を水中に存在させることが可能であった。一方、紫外線重合開始剤(P)を含んでいない水性樹脂分散体を製造してから、紫外線重合開始剤(P)を水性樹脂分散体中に含ませる方法を採った比較例では、全てが水性樹脂分散体に吸収されないか、もしくは吸収されても保存中にしみ出てくるため保存安定性は悪かった。
実施例4〜6:以下の操作を行い、透明塗膜を作製して試験を行った。
実施例1〜3で得られたそれぞれの水性樹脂分散体100部を採り、上記保存安定性試験を行ったトリエタノールアミンでpH8となるように中和した後、これをホモミキサーで攪拌しているところへトリメチロ−ルプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレ−ト(東亞合成(株)製:アロニックスM−350)20部、ポリエチレングリコールジアクリレート(9EGA)20部、レベリング剤1部を順に加えて紫外線硬化型水性樹脂組成物を得た。
この紫外線硬化型水性樹脂組成物を、50μm厚のコロナ処理を行ったPETフィルム上に#4のバーコーターで塗工し、60℃で30秒乾燥した。この塗膜をベルトコンベアー型紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製UVC-2534メタルハライドランプ式)にて、電力120W/cm、積算光量150mJ/cm2の紫外線を照射し、下記試験を行った。
(密着性試験)
セロハンテープ(ニチバン製)を塗膜に張り付け、その後剥離し塗膜の取られを観察した。
○・・・全く剥離なし
×・・・一部剥離
(耐溶剤性)
綿棒にエタノールを染み込ませ、硬化塗膜の表面をラビングを最大50回まで行った。
数字・・・下地が露出するまでの往復回数。
実施例8:以下の操作を行い黒色塗膜を作製して試験を行った。
「プリンテックス55」(デグサ社製) 100部 、水 ;イオン交換水 900mlをホモミキサーで攪拌し、顔料濃度10重量%の分散液を得た。1000mlの4口フラスコに、撹拌羽、還流冷却器を装着し、上記方法で製造したカーボンブラックの分散液125部、60%硝酸250部、イオン交換水125部を仕込み、撹拌しながら約110℃還流下、5時間酸化処理反応を行った後、水洗した。さらに逆浸透膜によって残留イオンを除去した後、苛性ソーダ水溶液にてpH9〜10に調整し、顔料分約20%、平均粒径約100nmのカーボンブラック水性分散体を得た。
実施例1で得られた水性樹脂分散体を採り、トリエタノールアミンでpH8となるように中和した後、これをホモミキサーで攪拌しているところへトリメチロ−ルプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレ−ト(東亞合成(株)製:アロニックスM−350)20部、ポリエチレングリコールジアクリレート(9EGA)20部を加え良く攪拌した後、上記カーボンブラック水性分散体を150部混合し紫外線硬化型水性樹脂組成物を得た。
この紫外線硬化型水性樹脂組成物を、50μm厚のコロナ処理を行ったPETフィルム上に#4のバーコーターで塗工し、60℃で30秒乾燥した。この塗膜をベルトコンベアー型紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製UVC-2534メタルハライドランプ式)にて、電力120W/cm、積算光量500mJ/cm2の紫外線を照射し、実施例4同様の密着性試験、耐溶剤性試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005272761
表2から明らかなように、本発明の製造方法から得られた水性樹脂分散体(E)を含む紫外線硬化型水性樹脂組成物は、密着性、耐溶剤性の良好な塗膜を与え、本発明の水性樹脂分散体(E)に存在する紫外線重合開始剤(P)および/または紫外線重合官能基〈p〉が有効に働いていることが確認された。さらに、通常ベンゾフェノンを紫外線重合開始剤として用いると副生成物にベンズアルデヒドが発生し不快臭を発生させることが知られているが、実施例6ではベンゾフェノン骨格を有している化合物(PM)を使用しているにも関わらず、臭気は弱かった。

Claims (6)

  1. エチレン性不飽和単量体(M)、界面活性剤(S)、紫外線重合開始剤(P)、および水を、乳化状態にして、乳化重合開始剤(I)を用いて乳化重合を行うことを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法。
  2. 乳化重合前の乳化状態の非水相の平均径が、10μm以下である請求項1記載の水性樹脂分散体の製造方法。
  3. 紫外線重合開始剤(P)が、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(PM)を含む請求項1または2記載の水性樹脂分散体の製造方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の製造方法で得られる水性樹脂分散体(E)。
  5. 請求項4記載の水性樹脂分散体(E)と、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(X)とを含む紫外線硬化型水性樹脂組成物。
  6. 請求項5の水性樹脂組成物を紫外線で硬化させてなる硬化物。
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