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JP2005270708A - 液体分離膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ポリフッ化ビニリデン系樹脂に耐熱性、耐薬品性に優れ、高い親水性を有し、水不溶性のポリエチレンビニルアルコールをブレンドすることによって、高強度、高透水性、高阻止性能、優れた耐薬品性および優れた耐汚れ性を有する液体分離膜を提供すること
【解決手段】
ポリフッ化ビニリデン系樹脂とポリエチレン酢酸ビニル共重合体を混和溶解して分離膜を作製した後、加水分解処理することにより、高い耐薬品性と高い親水性を有し、水不溶性のポリエチレンビニルアルコールへと変換する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、飲料水製造、浄水処理、排水処理などの水処理、医薬品製造分野、食品工業分野等に好適な液体分離膜に関する。
近年、分離膜は、飲料水製造、浄水処理、排水処理などの水処理分野、食品工業分野等様々な方面で利用されている。飲料水製造、浄水処理、排水処理などの水処理分野においては、分離膜が従来の砂濾過、凝集沈殿過程の代替として水中の不純物を除去するために用いられるようになってきている。また、食品工業分野においては、発酵に用いた酵母の分離除去や液体の濃縮を目的として、分離膜が用いられている。
上述のように多様に用いられる分離膜は、浄水処理や排水処理などの水処理分野においては処理水量が大きいため、透水性能の向上が求められている。透水性能が優れていれば、膜面積を減らすことが可能となり、装置がコンパクトになるため設備費を節約でき、膜交換費や設置面積の点からも有利である。また、浄水処理では透過水の殺菌や膜のバイオファウリング防止の目的で、次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤を膜モジュール部分に添加したり、酸、アルカリ、塩素、界面活性剤などで膜そのものを洗浄するため、分離膜には耐薬品性能も求められる。さらに、水道水製造では、家畜の糞尿などに由来するクリプトスポリジウムなどの塩素に対して耐性のある病原性微生物が浄水場で処理しきれず、処理水に混入する事故が1990年代から顕在化していることから、このような事故を防ぐため、分離膜には、原水が処理水に混入しないよう十分な分離特性と高い物理的強度が要求されている。
このように、分離膜には、優れた分離特性、化学的強度(耐薬品性)、物理的強度、耐汚れ性および透過性能が求められる。そこで、化学的強度(耐薬品性)と物理的強度を併せ有するポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた分離膜が使用されるようになってきた。
しかしながら、ポリフッ化ビニリデン系樹脂膜は、膜面が疎水性相互作用により汚染されやすいという欠点があった。特に、医薬品製造工程においてタンパク質等の生理活性物質の分離・精製等に使用される場合、膜面への吸着・変性は回収率の低下を招くとともに、膜孔の閉塞によるろ過速度の急激な低下を引き起こすため深刻な問題となっていた。
そこで、疎水性樹脂膜を親水化することが考えられるが、例えば特許文献1に記載の技術ではスルホン酸基を、特許文献2に記載の技術では主鎖にポリエチレンイミンポリマー類を、それぞれ導入もしくはグラフトして疎水性樹脂膜を親水化している。また、特許文献3に記載の技術では、親水性ポリマーであるポリビニルピロリドン)を疎水性樹脂膜にブレンドすることで親水性を付与している。しかし、これら文献に記載される親水基、親水性ポリマーは極性が強く、荷電を有する物質、特に両性電解質であるタンパク質や表流水中に存在するフミン酸などを含む溶液に対してむしろ逆効果であった。また、極性が水分子と同程度である親水性に優れたポリビニルアルコール系ポリマーを用いることも考えられる。しかしながら、このような親水性が強いポリマーとポリフッ化ビニリデン系樹脂のような分子凝集性が大きいポリマーとの均一なブレンドは通常困難であった。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂と混和するポリ酢酸ビニルに注目した方法も開示されている。すなわち、特許文献4には、まずポリ酢酸ビニルとポリフッ化ビニリデン系樹脂とをブレンドして膜を作製し、該膜中のポリ酢酸ビニル基をアルカリ条件でけん化してポリビニルアルコールとしている。このようにして得られたポリビニルアルコールとポリフッ化ビニリデン系樹脂とのブレンド膜は、優れた親水性を示し、タンパク質などに対しても優れた耐汚れ性を示す。しかしながら、このようにして得られた膜も、上述したような酸、アルカリ、塩素等による洗浄が行われると、ポリビニルアルコールが薬品に侵されてしまい、性能低下を招く恐れがあった。また、ポリビニルアルコールは親水性が強く、水溶性であるため、水系で使用すると徐々に溶解する。従って、透過水の汚染を嫌う用途、特に飲料水、浄水用途では、上述した優れた耐汚れ性を示すポリビニルアルコールとポリフッ化ビニリデン系樹脂とのブレンド膜の使用は好ましくない。さらに、ポリビニルアルコールの溶解性は水温の上昇とともに大きくなるため、ボイラー冷却水の回収用途等の高温水の処理には適さない。これらに加えて、アルカリ性条件でけん化処理すると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂もアルカリで処理されてしまうため、着色や強度の低下を招く恐れがあった。
そして、疎水性樹脂膜を親水化する方法には、膜表面を親水性に優れたポリマーでコーティングする方法もある。特許文献5には、耐汚染性、耐熱性に優れ、水不溶性のポリエチレンビニルアルコールでポリフッ化ビニリデン系樹脂膜表面をコーティングする方法が開示されている。しかしながら、この方法ではコーティング部が剥離すると親水性が失われてしまう問題点があった。また、コーティング厚みを巧みに制御しないと、透水量が著しく低下するという問題もあった。
特開昭59−196322号公報 特開昭57−174104号公報 特開昭62−125802号公報 特許第3200095号公報 特開2002−233739号公報
本発明は、従来の技術の上述した問題点に鑑み、分離特性、透水性能、化学的強度(耐薬品性)、物理的強度とともに耐汚れ性に優れた液体分離膜を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、下記(1)〜(10)の構成によって達成される。
(1)ポリエチレンビニルアルコールが熱可塑性樹脂中に分散した構造を有する液体分離膜。
(2)熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することによってポリエチレンビニルアルコールとしたことを特徴とする液体分離膜。
(3)熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂と界面活性剤とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することによってポリエチレンビニルアルコールとしたことを特徴とする液体分離膜。
(4)膜中の水酸基/アセチル基のモル比が0.1以上100未満の範囲内であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体分離膜。
(5)前記熱可塑性樹脂が、ポリフッ化ビニリデン系樹脂であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液体分離膜。
(6)熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することを特徴とする液体分離膜の製造方法。
(7)熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂と界面活性剤とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することを特徴とする液体分離膜の製造方法。
(8)酢酸ビニルを60〜95モル%の範囲内で含有するポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を用いることを特徴とする、上記(6)または(7)に記載の液体分離膜の製造方法。
(9)酸性条件下でポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することを特徴とする、上記(6)〜(8)のいずれかに記載の液体分離膜の製造方法。
(10)ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を、アセチル基が10〜100モル%の範囲内となるように加水分解することを特徴とする、上記(6)〜(9)のいずれかに記載の液体分離膜の製造方法。
本発明によれば、ポリエチレンビニルアルコールを熱可塑性樹脂中に分散させることで、分離特性、透水性能、化学的強度(耐薬品性)、物理的強度とともに耐汚れ性に優れた液体分離膜とすることができる。これによって、膜の洗浄間隔が長くなり、ろ過寿命も長くなるため、造水コストの低減が可能になる。
本発明の液体分離膜は、たとえば熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解処理してポリビニルアルコールとすることで形成されるもので、ポリエチレンビニルアルコールが熱可塑性樹脂中に分散した構造を有する。
ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とポリフッ化ビニリデン系樹脂に代表される分子凝集性の大きな熱可塑性樹脂とのブレンドは通常困難であるが、本発明では、高酢酸ビニル含有量タイプのポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を用い、界面活性剤を添加して分子の分散性を向上させることにより均一なポリマー溶液を得ることができ、上述の膜を形成することができる。
ここで、本発明における熱可塑性樹脂とは、鎖状高分子物質からできており、加熱すると外力によって変形・流動する性質を有する樹脂のことをいう。熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変形ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびこれらの混合物や共重合体が挙げられる。これら熱可塑性樹脂の中でも、耐薬品性が高い分離膜を得るためにはポリフッ化ビニリデン系樹脂が好ましい。
本発明におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂とは、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーおよび/またはポリフッ化ビニリデン共重合体を含有する樹脂のことである。複数の種類のポリフッ化ビニリデン共重合体を含有しても構わない。ポリフッ化ビニリデン共重合体としては、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンから選ばれた1種類以上とフッ化ビニリデンとの共重合体が挙げられる。また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、要求される分離膜の強度と透水性能によって適宜選択すれば良いが、重量平均分子量が低いと強度が低く、重量平均分子量が高いと透水性が低くなり易いので、高強度と高透水性能を併せ有する分離膜を得るためには5万以上100万以下が好ましい。そして、分離膜への加工性を考慮した場合は10万以上70万以下が好ましく、さらに15万以上60万以下が好ましい。
また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂には、最大で50重量%の混和可能な樹脂を含んでいてもよい。例えば、アクリル樹脂やセルロースエステル樹脂を最大で50重量%含んだ状態である。アクリル樹脂とは、主としてアクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体、例えばアクリルアミド、アクリロニトリルなどの重合体を包含する高分子化合物をいうが、特にアクリル酸エステル樹脂やメタクリル酸エステル樹脂が、ポリフッ化ビニリデン系樹脂との混和性が高いことから、好ましく用いられる。また、セルロースエステル樹脂とは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどのセルロースのエステル化体を含有する高分子化合物をいうが、セルロースエステル樹脂のエステル化度はポリフッ化ビニリデン樹脂とともに溶媒に溶解する程度であれば特に限定されない。
本発明におけるポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とは、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体を含有する樹脂のことである。複数の種類のポリエチレン酢酸ビニル共重合体を含有しても構わない。ポリエチレン酢酸ビニル共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとを共重合させたものであるが、塩素化エチレン、塩化ビニル、フッ化ビニリデン等が共重合されていても良い。ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂の酢酸ビニル含有量が低くなると、有機溶媒に対する溶解性が低下し、取り扱い難くなる。逆に、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂のエチレン含有量が低くなると、化学的耐久性や耐熱性が低下し、水に膨潤しやすくなる。従って、優れた耐熱性と水不溶性を維持しつつ均一なポリマー溶液を調製するためには、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂が、60〜95モル%の範囲内で酢酸ビニルを含有することが好ましい。さらには、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂が65〜90モル%の範囲内で酢酸ビニルを含有することが好ましい。なお、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂の酢酸ビニル部はアセチル基を有するが、先述したポリマー溶液を調製できる範囲でアセチル基の一部が加水分解して水酸基となっていてもかまわない。
また、本発明において製膜原液に用いる溶媒としては、上述の熱可塑性樹脂及びポリ酢酸ビニル系樹脂の融点以下の温度で熱可塑性樹脂及びポリ酢酸ビニル系樹脂を5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲内で溶解できるものであれば特に限定されない。このような溶媒としては、シクロヘキサノン、イソホロン、γ−ブチロラクトン、メチルイソアミルケトン、フタル酸ジメチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジアセトンアルコール、グリセロールトリアセテート等の中鎖長のアルキルケトン、エステル、グリコールエステルおよび有機カーボネート、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、テトラメチル尿素、リン酸トリメチル等の低級アルキルケトン、エステル、アミド等が好ましく用いられる。これらの溶媒は1種類で用いても2種類以上の混合物として用いても良い。
これら製膜原液における熱可塑性樹脂の濃度組成は、製膜性や膜強度を考慮すると10〜50重量%の範囲内が良い。高透水性の膜を作製する場合は、熱可塑性樹脂の濃度は低い方が良く、好ましくは10〜25重量%の範囲内が良い。酢酸ビニル系樹脂の濃度組成は、加水分解処理後に十分な親水性が得られる範囲であれば良く、共重合組成比や加水分解処理の程度により親水性を任意に設定できるが、膜強度の観点から0.5〜15重量%の範囲内が好ましい。
本発明の製膜原液には、上述した熱可塑性樹脂、酢酸ビニル系樹脂、溶媒以外に、必要に応じて開孔剤や非溶媒等の物質を含有させても良い。
開孔剤とは、該製膜原液を用いて製造される膜の多孔化を促すものであれば特に限定されず、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、グリセリンなどの多価アルコール類、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の無機塩、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコールのエステル体、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド低モル付加物、ノニルフェノールのエチレンオキサイド低モル付加物、プルロニック型エチレンオキサイド低モル付加物等のエチレンオキサイド低モル付加物、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アルキルアミン塩、ポリアクリル酸ソーダ等の界面活性剤が好ましく用いられる。この中で、界面活性剤は、開孔剤として働くだけでなく、ポリマーなどの溶質の溶媒中への溶解を促進し、溶質を分散させる効果もあるため特に好ましく用いられる。
また、非溶媒とは、上述の熱可塑性樹脂及びポリ酢酸ビニル系樹脂を溶解しない溶媒であって、かつ、熱可塑性樹脂を溶解する溶媒と混和する溶媒であれば特に限定されない。非溶媒の添加によって相分離を制御することは一般によく行われるが、多量に非溶媒を添加するとゲル化が生じたり、成形が困難になるため、熱可塑性樹脂や使用する溶媒の組成に応じて適宜添加量を調節する必要がある。非溶媒としては、水が安価なため特に好ましく用いられる。
本発明において、加水分解処理とは、アルカリ性条件または酸性条件でポリエチレン酢酸ビニル系樹脂のアセチル基を加水分解する処理である。アセチル基を加水分解して水酸基とすることにより、膜の親水性が増大し、疎水性相互作用による汚れが低減され、膜の耐汚れ性が向上する。この加水分解処理の程度は、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とポリフッ化ビニリデン系樹脂膜との組成比やポリエチレン酢酸ビニル系樹脂中の酢酸ビニル含有率によって、適宜選択され得るが、膜の耐汚れ性を向上させるためには、アセチル基の10モル%以上100モル%以下を加水分解することが好ましい。この場合、得られる膜が有する水酸基/アセチル基の比は、0.1以上100未満となる。
アルカリ性条件で加水分解(ケン化)する場合、pH11以上の中〜強アルカリ性条件下で処理すると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂も同時にアルカリで処理されて、着色、強度の低下が起こる。pH8〜11の弱〜中アルカリ性条件下で処理すると、この問題はpHが下がるにつれて抑えられるが、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂の加水分解処理速度が遅くなる。従って、アルカリ性条件下でポリフッ化ビニリデン系樹脂の着色や強度の低下を抑制しつつ、実用的な加水分解速度を達成するためには、pH10〜11程度で処理するのが好ましい。
一方、酸性条件で加水分解する場合、中〜強酸性条件下で処理してもポリフッ化ビニリデン系樹脂は安定である。従って、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂の加水分解処理は、pH1〜5の中〜強酸性条件下で実施することが好ましいが、処理効率を考慮すると、pH1〜4で実施するのが特に好ましい。
本発明では、加水分解処理とともに架橋処理を施すことによってポリエチレンビニルアルコールの耐薬品性をさらに向上させることができる。この際、加水分解処理及び架橋処理は加水分解処理を先に実施した後に架橋処理を実施しても良いし、両処理を同時に実施しても良い。ここで、コスト面や取り扱いの容易さを考慮に入れると、加水分解処理と架橋処理とを同時に実施することが好ましい。
本発明における架橋処理とは、ポリエチレンビニルアルコールが有する水酸基を利用してポリエチレンビニルアルコールポリマー鎖間を架橋させる処理であれば良く、以下に例を挙げてその方法を述べる。
すなわち、酸性条件下では、ポリエチレンビニルアルコールを多官能アルデヒドと反応させアセタール結合を形成することがよい。この方法は簡便で、反応進行が速やかであるため本発明に特に好適に用いることができる。アルデヒドとしては、グリオキサル、グルタルアルデヒドが比較的広いpH範囲(pH1〜5)で架橋反応し得るので、特に好ましく用いられる。また、多官能アルデヒドによる架橋処理は、上述した加水分解処理に引き続いて実施しても良いし、加水分解処理と同時に実施しても良い。
一方、pH10〜11のアルカリ条件下では、たとえば、ポリエチレンビニルアルコールをエピクロロヒドリンと反応させ、グリシジルエーテルを生じさせればよく、pH10〜11で加水分解処理した後にエピクロロヒドリンで架橋処理を実施したり、pH10〜11で加水分解処理と架橋処理とを同時に実施すればよい。
このように製造される本発明の液体分離膜は、中空糸膜でも平膜でも良く、その用途によって選択される。本発明の製膜原液には、熱可塑性樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、溶媒、開孔剤等を含有するが、これらの濃度や組み合わせによって製膜原液の粘度が大きく変化する。製膜原液の粘度は、低すぎると膜が形成されずに欠点が生じたり膜の強度が低下し、高すぎると厚みムラが生じたり膜の透水性が低くなり経済的でない。そこで、中空糸膜の場合、製膜原液の粘度は1Pa・s〜300Pa・sの範囲内とし、平膜の場合、製膜原液の粘度は0.1Pa・s〜10Pa・sの範囲内とすることが好ましい。より好ましくは中空糸膜の場合、10Pa・s〜200Pa・sの範囲内であり、平膜の場合、0.3Pa・s〜1Pa・sの範囲内である。このような粘度の製膜原液を用いることで、後述する寸法の膜で、透水性能、強度の高い膜を容易に得ることができる。また、後述する支持材の上にポリマーをコーティングする場合、支持材が強度を補うため、膜には強度よりも透水性に重点を置いた設計が成される。この場合、製膜原液の粘度は、平膜の場合でも中空糸膜の場合でも高透水性を発現させるためには、0.01Pa・s〜5Pa・sの範囲内とすることが好ましく、より好ましくは0.05Pa・s〜3Pa・sの範囲内とすることが好ましい。
中空糸膜を地下水等の清澄な原水のろ過に用いる場合、小さい内径では圧損が高く非効率的であるので、その中空糸膜の内径は500μm〜2000μmの範囲内とすることが好ましい。さらに好ましくは、600μm〜1500μmの範囲内である。膜厚は、ろ過運転中に糸つぶれや糸切れが起こらないように内径をもとに設計されるが、膜厚が厚くなると水透過性が低下する。外圧式ろ過では、内圧式ろ過に比べて膜厚を厚くする必要があり、150μm〜750μmの範囲内が好ましく、より好ましくは250μm〜600μmの範囲内である。内圧式ろ過では、外圧式ろ過に比べて膜厚は薄くても良く、膜厚100μm〜500μmの範囲内が好ましく用いられる。外径は、内径及び膜厚が決まると自動的に決まるものであり、外径800μm〜3500μmの範囲内が好ましく、より好ましくは1000μm〜2500μmの範囲内である。中空糸膜の内外表面の細孔径は、分離対象物質によって自由に選択できるが、小さすぎると水透過性が低下する。例えば、直径約4μmのクリプトスポリジウムを除去する場合には、細孔径0.01μm〜2.0μmの範囲内が良く、水透過性と安全性を考慮に入れると、0.05μm〜1.0μmの範囲内がさらに良い。一方、表流水等の濁質の多い原水のろ過の場合は、膜表面への濁質の堆積が著しく、濁質量の地域差、季節差が大きい。一般的に、内径、膜厚及び外径は清澄な原水のろ過時のものに準じて設計されるが、細孔径には特に注意が払われる。これは、細孔径が濁質よりも大きいと濁質が膜中に入り込んで、膜を汚染し、膜性能を低下させてしまうからである。高い水透過性と濁質成分に対する高い耐汚染性のためには、細孔径0.01μm〜0.5μmの範囲内が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.3μmの範囲内である。
また、中空糸膜の内部構造は任意であり、いわゆるマクロボイドが存在していても、膜厚方向に同じような大きさの孔を有する均質構造であっても良い。さらに、ポリエステル、ナイロン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンなどの中空糸繊維、ガラス繊維、金属繊維などを筒状に編んだものを支持材としてその上に本発明に係る液体分離膜を被覆したり、支持材の一部に本発明に係る液体分離膜を複合化しても良い。
一方、平膜の場合には、膜厚はろ過運転中に破れが起こらないように設計されるが、膜厚が厚くなると水透過性が低下する。このため、膜厚10μm〜1mmの範囲内、さらには30μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。平膜の場合も、織物、編み物、不織布などの面状の支持材に本発明に係る液体分離膜を被覆したり、その支持材の一部と本発明に係る液体分離膜とを複合化しても良い。これらの場合、この面状支持材を含む厚みが上述の範囲内にあることが好ましい。また、表面の細孔径は、分離対象によって自由に選択できるが、小さすぎると水透過性が低下する。例えば、清澄な原水のろ過に用いる場合であって、直径約4μmのクリプトスポリジウムが除去対象物質である場合には、細孔径0.01μm〜2.0μmの範囲内が良く、水透過性と安全性を考慮に入れると、0.05μm〜1.0μmの範囲内がより好ましい。また、表流水等の濁質の多い原水のろ過であれば、細孔径0.01μm〜1.0μmの範囲内が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.5μmの範囲内である。
平膜の内部構造は任意であり、いわゆるマクロボイドが存在していても、膜厚方向に同じような大きさの孔のあいた均質構造であっても良い。
そして、本発明の液体分離膜の製造方法をさらに詳細に説明すると、まず、熱可塑性樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、溶媒、開孔剤等を室温溶解または加熱溶解して製膜原液とする。次に、製膜溶液を、該樹脂の融点よりかなり低い温度で口金から押出したり、中空糸や筒状あるいは面状支持体にコーティングしたり、ガラス板上にキャストしたりして成形した後、該樹脂の非溶媒を含む液体に接触させて非溶媒誘起相分離により分離膜を製造する。また、室温では熱可塑性樹脂を溶解しにくい溶媒を、該樹脂を溶解する溶媒として用いた場合は、熱可塑性樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、溶媒、開孔剤等を高温溶解して製膜溶液を製造し、製膜溶液を口金から吐出した後、冷却して相分離及び固化せしめる熱誘起相分離法により分離膜を製造する。その後、酸またはアルカリを添加して酸性またはアルカリ性にした水ーアルコール混合溶液中に液体分離膜を浸漬するなどして、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解処理し、ポリエチレンビニルアルコールとする。
加水分解処理を経て、親水化された本発明の液体分離膜は、原液流入口や透過液流出口などを備えたケーシングに収容され膜モジュールとして使用される。膜モジュールは、膜が中空糸膜である場合には、中空糸膜を複数本束ねて円筒状の容器に納め、両端または片端をポリウレタンやエポキシ樹脂等で固定し、透過液を回収できるようにしたり、平板状に中空糸膜の両端を固定して透過液を回収できるようにする。液体分離膜が平膜である場合には、平膜を集液管の周りに封筒状に折り畳みながらスパイラル状に巻き取り、円筒状の容器に納め、透過液をできるようにしたり、集液板の両面に平膜の配置して周囲を水密に固定し、透過液を回収できるようにする。
そして、膜モジュールは、少なくとも原液側に加圧手段もしくは透過液側に吸引手段を設け、造水を行う液体分離装置として用いられる。加圧手段としてはポンプを用いてもよいし、また水位差による圧力を利用してもよい。また、吸引手段としては、ポンプやサイフォンを利用すればよい。
実施例、比較例における膜の透水性能は、次のように測定した。
膜が中空糸膜の場合には、中空糸膜4本からなる長さ200mmのミニチュアモジュールを作製し、温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、純水の透水量を測定し圧力(50kPa)換算する(Q0、単位=m3/m2・h)。次に、20ppmのフミン酸(試薬、和光純薬工業株式会社製)水溶液をろ過差圧16kPa、温度25℃の条件下に外圧全ろ過で2m3/m2になるようにろ過する。さらに150kPaの逆洗圧力で透過水を1分間供給し、その直後の純水透水量を測定する(Q1)。その後、中空糸膜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、20ppmのフミン酸水溶液をろ過差圧16kPa、温度25℃の条件下に外圧全ろ過で2m3/m2になるようにろ過する。最後に、150kPaの逆洗圧力で透過水を1分間供給し、その直後の純水透水量を測定する(Q2)。次亜塩素酸ナトリウムは、中空糸膜の洗浄に一般的に使用される薬品であり、膜の耐薬品性を見る指標に用いる。また、長期間使用後の性能を見るために、高温で加速試験を実施している。
耐汚れ性の指標としてA=Q1/Q0を用いる。Aの値が大きい膜ほど、優れた耐汚れ性を有する膜である。一方、耐薬品性及び高温耐水性の指標としてB=Q2/Q1を用いる。Bの値が大きい膜ほど、優れた耐薬品性、高温耐水性を有する膜である。
膜が平膜の場合には、直径50mmの円形に切り出し、円筒型のろ過ホルダーにセットし、その他は中空糸膜と同様の操作をする。
また、分離膜の表面細孔数は、走査電子顕微鏡を用いて写真を撮り、観察される細孔を数えて求める。走査型電子顕微鏡の写真の倍率は5万倍で撮影する。分離膜の表面細孔径は、同じ走査型電子顕微鏡の写真から、20個の任意の細孔の直径を測定し、平均を求める。細孔が楕円形状の場合、短径aと長径bを測定し、(a×b)0.5を等価円直径とする。この場合、表面細孔径は、20個の任意の細孔の等価円直径の平均とする。
<実施例1>
重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを25重量%、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体(エチレン30%、酢酸ビニル70%)を3重量%、ジメチルホルムアミドを64重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を5重量%および水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して製膜原液を調製した。この製膜原液をジメチルホルムアミド50重量%水溶液を中空部形成液体として随伴させながら口金から吐出し、温度20℃のジメチルホルムアミド50重量%水溶液からなる凝固浴中で凝固して中空糸膜を作製した。この中空糸膜100gを0.5モル/L硫酸水−エタノール溶液(水:エタノール=1:1)2000ml中に40℃で5時間浸漬して、加水分解処理を施し、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体をポリエチレンビニルアルコールに変換した。
得られた中空糸膜は、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.02μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は2.45m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、2.30m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、2.30m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<実施例2>
加水分解処理を0.5モル/L硫酸水−エタノール溶液の代わりに1モル/L水酸化ナトリウム水−エタノール溶液(水:エタノール=1:1)にかえた以外は実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。
得られた中空糸膜は、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.02μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は2.55m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、2.40m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、2.35m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<比較例1>
ポリエチレン酢酸ビニル共重合体を製膜原液に加えず、その重量%分をジメチルホルムアミドとした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。また、実施例1と同様の加水分解処理を施した。
得られた中空糸膜は、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.02μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は2.50m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.95m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.95m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<比較例2>
実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。ただし、この膜には加水分解処理を施さなかった。
得られた中空糸膜は、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.02μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は1.98m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.60m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.58m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<比較例3>
ポリエチレン酢酸ビニル共重合体のかわりにポリ酢酸ビニルを用いた以外は実施例2と同様にして中空糸膜を作製した。1モル/L水酸化ナトリウム水−エタノール溶液(水:エタノール=1:1)に浸漬して加水分解処理を施し、ポリ酢酸ビニルをポリビニルアルコールへと変換した。
得られた中空糸膜は、茶褐色を呈しており、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.02μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は2.65m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、2.55m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、2.35m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
ポリ酢酸ビニルを用いた場合、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体を用いたときよりも、耐薬品性および高温耐水性が悪かった。
<実施例3>
重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを12重量%、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体(エチレン30%、酢酸ビニル70%)を1重量%、ジメチルアセトアミドを79重量%、T−20Cを5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して製膜原液を調製した。
次に、製膜原液を25℃に冷却した後、外径1730μm、内径900μmのポリエステル製筒状支持体に塗布し、塗布後、直ちに25℃の純水中に5分間浸漬し、さらに80℃の熱水に3回浸漬して洗浄し、ポリエステル製筒状支持体表面に多孔質膜を形成させた中空糸膜を作製した。この中空糸膜100gを0.5モル/L硫酸水−エタノール溶液(水:エタノール=1:1)2000ml中に40℃で5時間浸漬して、加水分解処理を施した。
得られた中空糸膜は、外径1.8mm、内径0.9mm、平均細孔径0.05μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は1.12m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.05m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.05m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<実施例4>
実施例3と同様にして中空糸膜を作製後、この中空糸膜100gを0.5モル/L硫酸水−エタノール溶液(水:エタノール=1:1)2000ml中に40℃で5時間浸漬して、加水分解処理を施した。この際、加水分解処理だけでなく架橋処理も施すため、グルタルアルデヒドを1重量%になるよう硫酸水−エタノール溶液に添加した。
得られた中空糸膜は、外径1.8mm、内径0.9mm、平均細孔径0.05μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は1.05m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、0.98m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、0.97m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<比較例4>
ポリエチレン酢酸ビニル共重合体を製膜原液に加えず、その重量%分をジメチルアセトアミドとした以外は実施例3と同様にして中空糸膜を作製した。また、実施例3と同様にして加水分解処理を施した。
得られた中空糸膜は、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.02μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は1.25m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.06m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.05m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<比較例5>
重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを25重量%、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体(エチレン50%、酢酸ビニル50%)を3重量%、ジメチルホルムアミドを64重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を5重量%および水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解したが、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体(エチレン50%、酢酸ビニル50%)が完全に溶解せず、均一な製膜原液を得ることはできず、製膜できなかった。
<実施例5>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ−ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この樹脂溶液をγ−ブチロラクトンを中空部形成液体として随伴させながら口金から吐出し、温度20℃のγ−ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中で固化してベース中空糸を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを13重量%、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体(エチレン30%、酢酸ビニル70%)を3重量%、N−メチル−2−ピロリドンを76重量%、T−20Cを5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して製膜原液を調製した。この製膜原液をベース中空糸表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させてベース中空糸表面に多孔質膜を形成させた中空糸膜を作製した。この中空糸膜100gを0.5モル/L硫酸水−エタノール溶液(水:エタノール=1:1)2000ml中に40℃で5時間浸漬して、加水分解処理を施した。
得られた中空糸膜は、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.05μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は1.05m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.00m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.00m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<比較例6>
ポリエチレン酢酸ビニル共重合体を製膜原液に加えず、その重量%分をN−メチル−2−ピロリドンとした以外は実施例5と同様にして中空糸膜を作製した。
得られた中空糸膜は、外径1.4mm、内径0.8mm、平均細孔径0.02μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は1.33m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.10m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、1.08m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<実施例6>
重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを13重量%、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体(エチレン30%、酢酸ビニル70%)を3重量%、ジメチルアセトアミドを76重量%、T−20Cを5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して製膜原液を調製した。
次に、製膜原液を25℃に冷却した後、密度が0.48g/cm3、厚みが220μmのポリエステル繊維製不織布に塗布し、塗布後、直ちに25℃の純水中に5分間浸漬し、さらに80℃の熱水に3回浸漬して洗浄し、平膜を得た。この平膜100gを0.5モル/L硫酸水−エタノール溶液(水:エタノール=1:1)2000ml中に40℃で5時間浸漬して、加水分解処理を施した。
得られた平膜の表面細孔径は、0.05μm〜0.1μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は6.48m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、6.32m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、6.30m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
<比較例7>
ポリエチレン酢酸ビニル共重合体を製膜原液に加えず、その重量%分をN−メチル−2−ピロリドンとした以外は実施例6と同様にして平膜を作製した。
得られた平膜の表面細孔径は、0.05μm〜0.1μmであった。50kPa、25℃における純水透水量は6.66m3/m2・hであった(Q0)。
フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、2m3/m2になるようにろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、6.10m3/m2・hであった(Q1)。
5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液5000ppm中に80℃で24時間浸漬した後に、フミン酸水溶液を温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に2m3/m2になるようろ過し、逆洗した。純水透水量を測定すると、6.10m3/m2・hであった(Q2)。
なお、評価結果を表1にまとめた。
Figure 2005270708
本発明の製膜原液によって製造される液体分離膜は、水処理分野であれば浄水処理、上水処理、排水処理、工業用水製造などで利用でき、河川水、湖沼水、地下水、海水、下水、排水などを被処理水とすることができる。

Claims (10)

  1. ポリエチレンビニルアルコールが熱可塑性樹脂中に分散した構造を有する液体分離膜。
  2. 熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することによってポリエチレンビニルアルコールとしたことを特徴とする液体分離膜。
  3. 熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂と界面活性剤とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することによってポリエチレンビニルアルコールとしたことを特徴とする液体分離膜。
  4. 膜中の水酸基/アセチル基のモル比が0.1以上100未満の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液体分離膜。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリフッ化ビニリデン系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液体分離膜。
  6. 熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することを特徴とする液体分離膜の製造方法。
  7. 熱可塑性樹脂とポリエチレン酢酸ビニル系樹脂と界面活性剤とを混和溶解した溶液から製膜し、その後ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することを特徴とする液体分離膜の製造方法。
  8. 酢酸ビニルを60〜95モル%の範囲内で含有するポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を用いることを特徴とする、請求項6または7に記載の液体分離膜の製造方法。
  9. 酸性条件下でポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を加水分解することを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の液体分離膜の製造方法。
  10. ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂を、アセチル基が10〜100モル%の範囲内となるように加水分解することを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の液体分離膜の製造方法。
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