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JP2005268771A - 半導体装置用金ボンディングワイヤ及びその接続方法 - Google Patents

半導体装置用金ボンディングワイヤ及びその接続方法 Download PDF

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JP2005268771A JP2005040903A JP2005040903A JP2005268771A JP 2005268771 A JP2005268771 A JP 2005268771A JP 2005040903 A JP2005040903 A JP 2005040903A JP 2005040903 A JP2005040903 A JP 2005040903A JP 2005268771 A JP2005268771 A JP 2005268771A
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智裕 宇野
Keiichi Kimura
圭一 木村
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Abstract

【課題】 高密度実装、低温接続等を実現するため、ボール接合部での良好な真円性を高めたり、接合強度を上昇したりできる、半導体素子用ボンディングワイヤを提供する。
【解決手段】 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、ワイヤ長手方向に垂直な該ボール部の断面の結晶粒組織、あるいは、基板表面と水平方向のボール接合部断面の結晶粒組織において、 [111]方位、[100]方位等の結晶方位を制御した半導体装置用金ボンディングワイヤ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子上の電極と外部リードを接続するために利用される半導体装置用金ボンディングワイヤ及びその金ボンディングワイヤの接続方法に関するものである。
現在、半導体素子上の電極と外部端子との間を接続する金ボンディングワイヤとして、線径20〜50μm程度で、材質は高純度4N系(純度>99.99質量%)の金である金ボンディングワイヤが主として使用されている。金ボンディングワイヤの接続技術は、超音波併用熱圧着方式が一般的であり、汎用ボンディング装置や、ワイヤをその内部に通して接続に用いるキャピラリ冶具などが必要である。ワイヤ先端をアーク入熱で加熱溶融し、表面張力によりボールを形成させた後に、150〜300℃の範囲内で加熱した半導体素子の電極上にボール部を圧着接合せしめ、その後で、直接ワイヤを外部リード側に超音波圧着によりウェッジ接合させる。トランジスタやIC等の半導体装置として使用するためには、前記の金ボンディングワイヤによるボンディングの後に、Siチップ、金ボンディングワイヤ、及びSiチップが取り付けられた部分のリードフレーム等を保護する目的で、エポキシ樹脂で封止する。これらの部材は、単独の特性を高めることも必要であるが、周辺の部材との関係及び使用法等の総合的な性能、信頼性を改善することがますます重要となっている。
半導体素子の高集積化、薄型化の傾向により、金ボンディングワイヤが満足すべき特性も多様化しており、例えば、高密度配線及び狭ピッチに対応するため金ボンディングワイヤの長尺化、細線化あるいは高ループ化、さらに半導体素子の薄型化を可能にすべく低ループ化等が要求されている。
例えば、高粘性の熱硬化エポキシ樹脂が高速注入される樹脂封止工程では、ワイヤが変形して隣接ワイヤと接触することが問題となり、しかも、狭ピッチ化、長ワイヤ化、細線化も進む中で、樹脂封止時のワイヤ変形(以下、ワイヤ流れと呼ぶ)を少しでも抑えることが求められている。中でも、狭ピッチ化のニーズは加速しており、現行量産レベルは60μmピッチであるが、50μmピッチの開発も進行しており、さらには、数年前まではボール接合の限界とされていた極狭ピッチ45μmまで、2〜3年後の実用化が期待されている。さらに、実装技術に関するロードマップでは、将来的には極々狭ピッチ20μmを実現する技術が期待され始めている。
こうした要求を満足するワイヤの基本特性として、ボンディング工程におけるループ形状を高精度に制御できること、しかも、電極部、リード部への接合性も向上していること、ボンディング以降の実装工程におけるワイヤ変形を抑制できること等、総合的な特性を満足することが望まれる。
これまで、金ボンディングワイヤを高強度化する手段として、複数の合金元素を添加することが主流であった。現在主流の高純度系金ボンディングワイヤでは、ボール部の酸化や電気抵抗の上昇等を防ぐために、合金元素の添加は数ppm〜数十ppmに制限されており、ループ制御性、接合性等は優れているものの、ワイヤ変形の抑制、ボール形成時の熱影響部(ネック部)の強度等は十分ではなかった。最近、添加量を増やして総計で1%程度まで添加した高濃度合金ワイヤが、一部のICで使用され始めているが、樹脂封止時のワイヤ変形を改善する効果は十分ではなく、リード側への接合性が低下する等の問題が懸念されている。
高強度化を達成する一つの手法として、芯部と外周部が異なる金属からなる複層ワイヤが提案されており、例えば、特許文献1では、Ag芯をAu被覆したワイヤについて、特許文献2では、芯部を導電性金属とし表面をAuメッキしたワイヤ等が、開示されている。これらは、芯部と外周部で異なる金属を組み合わせることにより、全ての汎用製品がその範疇に入る単一部材で構成されているワイヤよりも、高強度化と高接合性を満足させることが期待されている。しかしながら、実際の半導体において、複層ワイヤを使用した実例は、ほとんど報告されていないのが実状である。
したがって、今後の高密度実装のニーズに適応するためにも、ワイヤは個別の要求特性のみを満足するのではなく、総合的に特性を向上する材料開発が求められる。
特開昭56−21254号公報 特開昭59−155161号公報
半導体素子のチップサイズ、パッド開口部のダウンサイジング等の要求により、接合面積を縮小しても接合強度を確保する厳しい要求を満足することが求められている。例えば、40μm以下の狭ピッチ接続では、従来の70μmピッチよりも、接合面積が1/2以下等に縮小される場合があり、これが接続関連の不良を誘発する原因の一つとなる。
金ボンディングワイヤの接合相手となる材質も多様化しており、シリコン基板上の配線、電極材料では、従来のAl−Si合金から、Al−Si−Cu合金に変わり、さらにAl−Cu合金へ移行している。また、Al合金に加えて、より高集積化に適したCu、Cu合金が使用され始めている。こうしたAl合金、Cu、Cu合金等の電極部材においても、狭ピッチ化に対応する小ボール接合が求められており、接合強度、ボール変形、高温接合信頼性等を確保することがより重要となる。また、狭ピッチ接続は、BGA等の樹脂基板、テープ基板を用いる半導体装置で実用化されており、これら樹脂、テープは、従来の金属のリードフレームに比べて耐熱性が劣ることから、ワイヤ接続を低温で行う必要がある。低温接合により、接合強度が低下し、連続ボンディング時の量産性が低下する問題が発生する。
従来、ボール部を半導体素子の電極部へ接続するプロセスでは、接合強度等を確保することは比較的容易であり、量産上の問題は少なかった。したがって、金ボンディングワイヤの要求特性の内、高強度細線化、ループ形状の制御等への対応が中心となり、ワイヤ中の固溶硬化、析出硬化、化合物形成の硬化等を利用する成分設計が行われてきた。しかしながら、ワイヤの高強度化等を主眼にした合金化元素の固溶、析出、化合物形成等の利用に頼った、これまでの添加元素の種類及び濃度を選定する手法では、接合性を向上することは困難である。成分添加により接合強度が改善されることも期待されているが、量産時に変形や接合強度のバラツキを低減することが困難であり、再現性も十分でないこと等が問題であり、成分だけによる効果的な手法は明らかにされていなかった。
ボール変形はボンディング装置の性能に依存するところも多いため、ボール接合における荷重、超音波振動等を高めることも一助であるが、荷重、超音波振動を高めただけでは、ボール接合部が過剰に大きくなり、狭ピッチ接続が困難となったり、あるいは電極直下にクラック等の損傷を与える別の問題が浮上する。
さらに、ボール接合部の形状は、従来あまり厳しく管理する必要はなかったが、狭ピッチ接続では、ボール接合部の形状が真円からずれる現象が起こり易くなり、結果として、電極開口部からボール接合部の一部がはみ出したり、また、従来のボール接合部の平均値だけのサイズ管理では不良を抑制することが困難となる等の問題が生じる。
したがって、ボール接合部の異方性を低減して、真円性を平均的に改善することが重要となる。ボール接合部のサイズの平均値を管理できても、その異方性の発生率やサイズのバラツキを低減できなくては、厳しい不良発生率の低減が要求される半導体の量産プロセスへの適応性は十分とはいえない。例えば、半導体素子の端子数が500ピンを超えるような多ピン系のICが増えており、1ピンだけでボール接合の異常が発生しても、高価な半導体素子が不良品となる。接合部の形状、サイズについては、単純に平均的な改善よりも、その形状、サイズを量産プロセスで、如何に安定化させるかが重要となる。
ボール接合部への要求では、生産性を左右する実装工程のボンディング性だけでなく、ワイヤ接続された半導体装置が高温環境に曝されたり、動作時の発熱においても、接合部の長期信頼性を確保することが求められる。金ボンディングワイヤの接合部における不良原因として、カーケンダルボイドの生成、又は接合部に形成された金属間化合物が腐食されること等が報告されている。接合部の長期信頼性を改善するため、ワイヤ、封止樹脂等の材料、接続方法等が検討されている。しかし、狭ピッチ等の厳しい接合条件では、通常の比較的広いピッチ接続と比べて、必ずしも十分な接合信頼性が確保されていないのが実状である。こうした接合信頼性を向上するにも、ワイヤの成分を調整するだけでは不十分であり、前述したボール接合部の形状、サイズ等を安定化させることが必要となる。
本発明は、狭ピッチ化、低温接合におけるボール接合部の形状、接合強度等を向上すること、接合部の高温信頼性を改善すること、さらに、強度等の機械的特性、ループ制御性等も高めることで、工業的に量産性にも優れた、半導体素子用金ボンディングワイヤ及びその接続方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前述した観点から、狭ピッチ接続を実現するためのボール接合部の形状、サイズの安定化、長期信頼性等を向上させ、さらに、ワイヤ流れ抑制等を総合的に改善すること等を目的に研究開発に取組んだ結果、端部に形成されたボール部及びボール接合部の組織制御、及び、そうしたボール部の形成を促進するためのワイヤの集合組織等が重要且つ有効であることを初めて見出した。
すなわち、前述した目的を達成するための本発明の要旨は、次のとおりである。
(1) 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が1.1以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(2) 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(3) 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの1/2までの部位を芯部としたとき、芯部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が3以下であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(4) 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの2/3から外側の部位を外周部としたとき、外周部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が0.9以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(5) 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心からボール半径Dの4/5から外側の部位である最外周領域、または該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒の少なくとも一方において、[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が50%以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(6) 前記ボール接合部断面で、最外周領域、または該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒のどちらにも属さない領域を胴体領域とし、該胴体領域において[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が40%以下であることを特徴とする、(5)に記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(7) 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[112]、[113]、[114]、[115]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が3〜40%の範囲であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(8) 前記ボール接合部断面の重心を通る線分の長さをdとしたとき、該断面の任意の3箇所以上で長さdを測定した場合の平均値Mと標準偏差SDとの関係が、SD/M≦0.3を満足する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(9) 前記端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤのボール部と基板電極部の接合界面において、ボンディングワイヤの主要構成成分と該電極部の主要構成成分とからなる金属間化合物の形成割合が接合界面全体の65%以上である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(10) 端部にボール部を形成する金ボンディングワイヤであって、該ボール部のワイヤ長手方向に垂直な断面の結晶粒組織において、ワイヤ長手方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が1.1以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(11) 端部にボール部を形成する金ボンディングワイヤであって、該ボール部のワイヤ長手方向に垂直な断面の結晶粒組織において、ワイヤ長手方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[111]方位を有する結晶粒の面積比率が35%以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(12) 端部にボール部を形成する金ボンディングワイヤであって、該ボール部のワイヤ長手方向に垂直な断面の結晶粒組織において、ボール部の中心からボール半径Rの1/2までの部位を中心域としたとき、中心域におけるワイヤ長手方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合Rdと、ボール断面全体での[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合Raとが、|1− Rd/Ra|≦3であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(13) 金ボンディングワイヤの熱影響部を除くワイヤ部の長手方向断面の結晶粒組織において、該ワイヤの中心からワイヤ半径Lの1/3毎に3分割して、中心部(c)、内層部(g)、外層部(s)におけるワイヤ長手方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合をそれぞれLc、Lg、Lsとして、Lc≦3、Lg≧0.8、Ls≧0.5の関係のうち少なくとも二つを満足することを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(14) 前記 [111]方位及び[100]方位の結晶粒が、ボンディングワイヤの長手方向に対して10°以内の傾きである上記(1)〜(5)、(8)、(9)、(11)のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(15) 前記断面における結晶粒において、隣接する結晶粒の方位の角度差が30°以下である結晶粒界が、全結晶粒の粒界に占める割合が50%以上である上記(1)〜(5)、(8)、(9)、(11)のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(16) 前記ボール部またはボール接合部の断面組織における結晶粒数が、0.005〜0.1個/μm2である上記(1)〜(7)、(10)、(11)、(13)に記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(17) 前記ボール部またはボール接合部の断面組織における結晶粒径の標準偏差が1.5μm以下である上記(1)〜(7)、(10)、(11)、(13)のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(18) Auを主成分とし、添加成分として、Be:0.0001〜0.0008質量%、Ca:0.001〜0.005質量%、Eu:0.0005〜0.004質量%、Nd:0.0005〜0.004質量%、Yb:0.0005〜0.005質量%、Cu:0.001〜0.4質量%、Pd:0.001〜0.6質量%、Ag、Mn、Ptの内1種以上を0.0005〜0.2質量含有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
(19) 上記(1)〜(18)のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤを用いて、半導体チップ及び基板に形成された電極部へボール接合とウェッジ接合とを繰り返して行い、電極部とボンディングワイヤとを接続する金ボンディングワイヤの接続方法であって、ボンディングワイヤの端部にアーク放電によりボール部を形成し、該ボール部を半導体チップ上の電極部に接合するに際し、元のワイヤ直径を2Lとしたとき、ウェッジ接合後の直径が元の直径より1割以上細くなっている変形端部の長さが0.8L〜4Lであるワイヤ端部に対して、ワイヤ長手方向との角度が0〜45°となる方向からアーク放電を施して、1.2L〜2.0Lの半径を有するボール部を形成してからボール接合することを特徴とする金ボンディングワイヤの接続方法。
(20) 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が1.1以上であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
(21) 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
(22) 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの1/2までの部位を芯部としたとき、芯部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が3以下であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
(23) 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの2/3から外側の部位を外周部としたとき、外周部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が0.9以上であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
(24) 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[112]、[113]、[114]、[115]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が3〜40%の範囲であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
本発明のボンディングワイヤ及び接続方法を用いると、形状、寸法等が安定したボール部をワイヤ端に形成し、該ボール部を基板電極部に接合した際に、真円性が良好な安定したボール接合部を得たり、接合強度を高めることができる。したがって、本発明のボンディングワイヤを用いれば、狭ピッチ化による高密度実装、低温接合性を向上することで基板への接合性も高めることができ、さらにボール接合部の高温信頼性を改善すること、さらに、強度等の機械的特性、ループ制御性等も高めるが可能となる。
アーク放電により溶融して形成した金ボンディングワイヤ端部のボール部では、ワイヤ方向の熱伝導の影響を受け易く、ワイヤの組織とは大きく異なる凝固組織が形成される。このボール部の凝固組織について、ボール部をエッチングして外観検査あるいは、断面研磨したボール内部の組織観察等が行われてはいたものの、ボール部の結晶方位等については殆ど明らかにされていなかった。ボール部及びボール接合部の組織と、狭ピッチワイヤでのボール変形、接合強度、信頼性の関係等も知られておらず、結晶方位を制御する取組みも行われていなかった。
ボール部及びボール接合部の組織とこれら接合特性との関係に注目し、ボール部及びボール接合部の結晶方位を制御することにより、ボール接合部の形状、サイズ管理、接合強度等を向上できること、さらに、これらのボール部及びボール接合部の組織を改善するには、金ボンディングワイヤの組織制御、接合条件等が有効であることを初めて見出した。こうしたボール組織の制御は、ワイヤ成分による改質だけに頼っていた従来のワイヤ開発とは、大きく異なる材料設計である。ワイヤの集合組織、ボール部の凝固組織及びボール接合部の変形組織等を制御することは、接合性、接合信頼性の向上に加えて、さらに高強度、ループ制御性、ワイヤ流れ抑制等も含めて総合的な使用性能の改善にも有効である。
以下に、本発明に係わる半導体装置用金ボンディングワイヤ及びそのワイヤによるボール接合部、接続法等について説明する。
汎用金ワイヤを用いてボール部の組織を調べたところ、結晶粒が大きく成長した凝固組織であり、ワイヤ長手方向の結晶方位を測定すると、Au等fcc金属で一般的に観察される[111]、[100]、[110]方位やさらなる高次の方位等多くの結晶方位が観察され、これら結晶方位の分布は定まっておらず、また、多数のボール部及びボール接合部で観察された凝固組織を比較すると、結晶方位の割合等も一定でなく、大きく変動している場合が多いことを確認した。そのボール部を電極部に接続する際、荷重、超音波振動の印加等により、ボール部は相当の塑性変形を受けるため、ボール接合部の変形加工組織は、ボール部の凝固組織と異なる様相を呈することが確認された。例えば、汎用金ワイヤの先端に従来条件で形成したボール部を接合したボール接合部の変形加工組織では、[111]、[100]方位等の揃った方位は比較的少なく、種々の結晶方位が回転した中間的な方位等も多く観察されること、さらに結晶方位の割合や分布等はボール部の個体差が大きいこと等が確認された。
結晶方位[hkl]では、h、k、lの順番と正負の異なる場合も同類の方位で表記が異なるだけであるため、本発明の表記ではh、k、lの順番と正負が異なる場合も含めて、[hkl]で代表例として用いる。例えば、[111]、[−111]、[−1−11]、[1−11]等は全て[111]で代表し、[100]、[010]、[00−1]等は全て[100]で代表して、表記することとする。
こうした従来のボール部及びボール接合部の組織を用いて、狭ピッチ接続や低温接続等の最新のパッケージ技術に適用すると、ボール変形時に楕円状等の変形異方性の発生、狭ピッチの低温接合時に接合界面での剥離不良、接合強度のバラツキが大きくなる等、多くの問題の原因となっていた。
それに対し、端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合(以下では、[111]/[100]の面積割合と略記)を1.1以上とすることで、そのボール部を電極上に接続したボール接合部の楕円状変形を抑え、真円性の良好なボール接合部が得られることを見出した。
ボール接合部内の[111]/[100]の面積割合が1.1以上の範囲とした理由は、1.1未満では楕円状変形の発生頻度が増加するためである。好ましくは、この[111]/[100]の面積割合が1.3以上であることがより望ましい。これは、面積比が1.3以上であれば、超音波振動の出力を高めても楕円状の変形を抑える効果が強く、ボール接合部の真円性を高めることができるためである。さらにより好ましくは、[111]/[100]の面積割合を1.7以上とすることで、ボール変形の促進効果をより一層高めることができ、ワイヤの線径Lに対する接合前のボール部の直径Dの比率D/Lが1.3〜1.8程度の小ボール接合における生産性を向上できる。また、[111]/[100]の面積割合の上限について、特に制限はないが、40未満であれば、安定製造が比較的容易である。
基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[111]方位及び[100] 方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であるボール接合部とすることにより、真円性を向上できる。中でも、ボール接合部の中心がその直上ワイヤの中心からずれることによる偏芯を抑制する効果が高く、真円性を向上して、ボール接合部の位置精度を高めることができる。ボール接合部の形態について、ボール接合部の中心とワイヤの中心がほぼ一致する良好な場合を図1(a)、ボール接合部の中心がずれる偏芯を図1(b)に示す。
ボール接合部内の[111]方位と[100]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が30%未満であれば、偏芯を抑制する効果が十分でなく、また、汎用で使用される接合装置や接合冶具(キャピラリ)等のバラツキ等を考慮すると、95%超を量産で安定して実現することが難しいためである。また、好ましくは、[111]方位と[100] 方位の面積比率の合計が40〜80%の範囲であれば、ボール接合部のサイズを安定化させることが容易となる。
ボール接合部内の平均的な方位制御に加えて、ボール接合部内の結晶粒の方位分布、あるいは、局所部での組織制御等が、ボール接合部の真円変形を促進するのに有効である。以下に、具体例を説明する。
基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心からボール半径Dの1/2までの部位を芯部としたとき、芯部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が3以下であることで、接合部の位置ずれを低減することができ、狭ピッチ接続等に有利である。これは、芯部における[111]/[100]の面積割合が3超であれば、ボール部が電極に接触して初期の変形を起こす際に、ボール部の変形がある方向に優先的に進行して、ボール接合部の位置ずれが発生するためである。好ましくは、芯部における[111]/[100]の面積割合が0.05〜2の範囲とすることで、ボール接合界面の中央近傍で酸化膜の破壊を促進したり、化合物の成長を助長すること等により、接合強度をさらに高めることができる。また、芯部における[111]/[100]の面積割合が3以下であり、且つ、[111]/[100]の面積割合が1.1以上であるか、あるいは[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であることで、接合強度を高める効果も増進することができ、低温接続等に有利である。
また、組織の分布に関し、ボール接合部の中心から接合ボール半径Dの2/3の位置から外側の部位を外周部としたとき、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、外周部での[111]/[100]の面積割合を0.9以上とすることで、ボール接合部の外側に花弁状の凹凸が形成される不良を抑制し、真円性をより高めることができる。ボール接合部の外側の凹凸の模式図を図1(c)に示す。
ボール接合部の花弁状変形が顕著になると、接合強度を確保することが難しくなったり、製造工程で一般的に行われているボール接合サイズの平均値の管理では、量産性を安定化させることが困難となる場合がある。これに対し、外周部での[111]/[100]の面積割合を0.9以上にすれば、外周部の結晶粒がほぼ均一に変形する効果を高められる。好ましくは、1.1〜20の範囲とすることで、花弁状変形を抑制する効果をより高めることができる。
基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心からボール半径Dの4/5から外側の部位である最外周領域、又は、該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒の少なくとも一方において、[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が50%以上であることで、接合性が比較的難しいパッド電極部における接合性を向上することができる。電極表面の酸化膜、汚染層等の微視的変形、破壊を促進するには、ボールの最も外側の結晶粒の結晶方位を制御することが有効である。ここで、ボール接合部断面の中でも、ボール表面の結晶粒の方位制御が最も有効であるが、この結晶粒が大き過ぎたり、隣接する結晶粒との方位差が小さく、粒界の判断が難しい場合等には、ボール半径Dの4/5から外側の部位である最外周領域の結晶粒の方位でも同様の効果が得られることを見出した。ここで、[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が50%以上であれば、接合強度を増加させる効果が高められ、好ましくは、65%以上であれば、剥離等の不良率を低減する高い効果が得られる。接合性が難しいパッド電極の表面構造としては、アルミ酸化膜が比較的厚い場合、有機膜、フッ化膜等の汚染層が存在する場合である。好ましくは65%以上であれば、有機膜、フッ化膜等の汚染層の場合にも、不着率を低減する高い効果が得られる。また、65%以上であれば、パッド電極の材質が銅の場合にも有効であり、上記の銅の酸化膜を破壊して良好な金属接合を得るにも、ボール表面の結晶粒の方位制御が有効である。
また、最外周領域又は該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒における結晶方位が上記範囲内であり、さらに、それ以外の領域である、該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒のどちらにも含まれない領域を胴体領域とし、該胴体領域において[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が40%以下であることにより、キャピラリの使用回数(寿命)を改善して生産性を高めたり、電極下のチップへの損傷を抑制する高い効果が得られる。キャピラリ先端部において、ボンディング時の磨耗を低減したり、付着汚れを軽減することで、キャピラリ寿命を延長することが望まれているが、胴体領域の[111]方位を減少することで、寿命を延ばす効果が高まる。また、最外周領域の結晶粒における[111]方位を高めることで、接合強度を高める反面、ダメージを受け易いパッド電極の構造の場合に損傷を与える原因ともなる。それに対し、胴体領域の[111]方位を40%以下にすることで、パッド電極への損傷を低減することができる。
基板表面と水平方向のボール接合部断面の結晶粒組織において、全結晶粒に対する[112]、[113]、[114]、[115]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が3〜40%の範囲であるボール接合部とすることにより、ボール部の直下のチップ又は電極内部への損傷を低減できる。小ボール接合、Cu配線と低誘電膜とが交互に形成された電極構造等の場合に、チップ又は電極内部に損傷を与えることが問題である。その改善には、ボール接合部断面の[111]方位及び[100]方位の管理だけでは困難であり、[112]、[113]、[114]、[115]方位等の制御が有効であることを見出した。これら3種の方位を有する結晶粒の面積比率の合計が3%未満であれば、損傷を抑制する効果が十分でなく、また、汎用で使用される接合装置や接合冶具(キャピラリ)等の性能バラツキ等を考慮すると、40%超を量産で安定して実現することが難しいためである。
また、好ましくは、ボール接合部断面において、[112]、[113]、[114]、[115]方位の面積比率の合計が3〜40%の範囲であり、且つ、[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積率が上述した関係を満足することで、ボール部の形状を真円状に保ちつつ、チップ等への損傷も低減できる。例えば、[111]/[100]の面積割合が1.1以上、あるいは[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲、芯部の[111]/[100]の面積割合を1.5以下等の結晶方位条件と併用することで、これらの効果との相乗作用を利用することができる。
前述した花弁状のボール変形は、従来の比較的大きいボールでは発生頻度が低いため問題となるケースは少なかったが、今後の小ボール接合、電極膜の変化、高速接続等のニーズに伴い、不安定なボール変形、接合強度の低下等、生産性に影響を及ぼすことが懸念される。従来のボール変形の評価法であった、超音波印加方位と平行なY方向とそれに垂直なX方向での圧着径の平均値及び偏差等の測定では、真円からのずれを正確に評価することは困難である。例えば、ボール周辺が凹凸となる花弁状の変形が顕著でも、X方向とY方向の見かけ上の変形長さが同等になる場合が多かった。ボール変形の管理規準を明確にすることで、花弁状の変形を低減し、また、それを実現できる、本発明に関する組織で構成されるボール接合部及びボール部を形成できるボンディングワイヤの性能を積極活用するためにも、ボール変形の評価法も重要となる。
具体的には、ボール接合部断面の重心を通る線分の長さをdとしたとき、該断面の任意の3箇所以上で長さdを測定した場合の平均値Mと標準偏差SDとの関係が、SD/M≦0.3を満足できるボンディングワイヤであれば、パッド開口部からのボール部のはみ出しを抑制し、接合強度を安定化させること等により、生産性を向上することができる。ここで、重心を通る線分を3本以上測定することで、花弁状のボール変形の程度を把握することができ、さらに、SD/M≦0.2の関係を満足させることで十分な真円性が得られ、良好なボール接合性を確保することができるためである。好ましくは、SD/M≦0.15であれば、真円性がさらに高く、ピッチが50μm以下での小ボール接合でも良好な結果が得られる。
ボール部と電極部との接合部における接合強度の値は、接合面積、及び、接合界面の金属間化合物相の成長に左右される。ここでの金属間化合物は、ボンディングワイヤの主要構成成分と該電極部の主要構成成分が相互拡散することで生成する化合物である。これまでAuワイヤとAl電極との接合界面には、Au−Al化合物相が形成することは知られており、その相成長を促進するための荷重、超音波振動、加熱等が行われている。しかし、化合物成長とワイヤ材料との関係は知られておらず、4N系の高純度Auでは微量添加元素による化合物成長の差異は小さく、ボール部の硬さ等が検討されているに過ぎなかった。本発明のボール接合部及びボール部の組織、結晶方位等を形成できるボンディングワイヤを用いることで、接合界面の金属間化合物相の成長を促進し、接合強度を安定して高められることが確認された。
すなわち、ボール部と基板電極部の接合界面において、ボンディングワイヤの主要構成成分と該電極部の主要構成成分とからなる金属間化合物の形成割合が接合界面全体の65%以上である金ボンディングワイヤであれば、接合強度を増加して量産生産性を高めたり、半導体が使用されるときの接合部の長期信頼性を向上することができる。ここで、化合物の形成割合が接合界面全体の65%以上であれば、今後の高速ボンディング、小ボール接合等に十分対応することができるためである。好ましくは、化合物の形成割合が75%以上であれば、基板への低温接合の歩留まりを向上させられる。より好ましくは、化合物の形成割合が85%以上であれば、高温の使用環境又は高周波ICの高温動作等でもボイド、クラック等を抑えて、接合部の長期信頼性を向上することができる。
例えば、ボール部断面の[111]/[100]の面積割合が1.1以上するボンディングワイヤ、又は、[111]方位の面積比率が35%以上であるボンディングワイヤ、あるいはボール接合部の断面の[111]/[100]の面積割合を1.1以上とするボンディングワイヤであれば、前述された金属間化合物の形成割合を接合界面全体の65%以上に高めることも比較的容易となる。
化合物形成に関して、上記の接合界面全体での平均的管理に加え、分布を制御することも有効である。基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの1/2までの部位を中央部、その周囲を外周部とすると、中央部での化合物の形成割合が75%以上となるボンディングワイヤであれば、45μm以下の狭ピッチ接続での生産歩留まりを高めることができる。また、該外周部での化合物の形成割合が70%以上となるボンディングワイヤであれば、基板、テープ等の使用に適した160℃以下の低温接続で、量産性を低下させる主因である接合界面の剥離不良を低減することに有利である。
前述した結晶方位のボール接合部を形成できるボンディングワイヤを用いて、半導体基板上の電極部と外部端子とを接続する半導体装置であって、前述したボール接合部の組織を特徴とする狭ピッチ接合、高密度実装等に十分対応できる。すなわち、この場合のボール接合部の組織の特徴には5種類あり、具体的には、(a)基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が1.1以上であること、(b)全結晶粒に対する[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であること、(c)ボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの1/2までの部位を芯部としたとき、芯部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が3以下であること、(d)ボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの2/3から外側の部位を外周部としたとき、外周部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が0.9以上であること、(e)全結晶粒に対する[112]、[113]、[114]、[115]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が3〜40%の範囲であること、を特徴とする。
ここで、本発明の半導体装置に使用される電極部及び外部端子の材料は、アルミ合金(Al−Si、Al−Si−Cu、Al−Cu等)、銅及び銅合金、金、パラジウム等が望ましい。ワイヤボンディングの接続形態は、ループを形成する接続形式、ボール接合部の近傍でワイヤを切断するスタッドバンプ形式等に適用される。また、2個の半導体基板を接続する場合等、外部端子が半導体基板上の電極部に置き換えることも可能である。
前述したボール接合部又はボール部の組織を形成させる手段は幾つか考えられるが、具体的には、ボール形成前のワイヤ自身の組織、ボール形成方法、ボール接合方法等が有効であることを確認した。
これらのボール接合部の組織をコントロールする手段の一つに、ワイヤ先端に放電により形成されたボール部の凝固組織を制御することが有効であることを見出した。
ボール部のワイヤ長手方向断面の結晶粒組織において、[111]/[100]の面積割合を1.1以上とすることで、そのボール部を電極上に接続したボール接合部において、楕円状の変形を抑えることができ、真円性の良好なボール接合部を得られる。ボール部内の[111]/[100]の面積割合を1.1以上の範囲とした理由は、1.1未満のボール部に荷重、超音波振動が印加されたとき、楕円状の変形が発生し易いためである。好ましくは、この[111]/[100]の面積割合が1.4以上であることがより望ましい。この面積比が1.4以上であれば、ウエハ製造工程に起因する電極表面での有機膜等の汚染、厚い酸化膜等の場合でも、通常よりも超音波振動を高めても、楕円状の変形不良を抑え、ボール接合部の真円性を維持することができる。さらに、より好ましくは、[111]/[100]の面積割合を1.8以上とすることで、ボール変形の促進効果をより一層高めることができ、ワイヤ線径Wに対する接合前のボール部の直径Dの比率D/Wが1.3〜1.8程度の小ボール接合における生産性向上にもつながる。また、[111]/[100]の面積割合の上限について、特に制限はないが、40未満であれば、安定製造が比較的容易である。
また、該ボール部のワイヤ長手方向断面の結晶粒組織において、全結晶粒に対する[111]方位を有する結晶粒の面積比率が35%以上であることにより、ワイヤ中心からずれてボール部が形成される等の芯ずれによる不良を抑制し、そのボール部を電極上に接続したボール接合部における、真円性を高めることができる。ここで、[111]方位を有する結晶粒の面積比率が35%以上の範囲とした理由は、芯ずれタイプの不良が増えるためである。好ましくは、この[111]方位の面積比率が50%以上であることが望ましい。これは、[111]方位の面積比率が50%以上であれば、ボンディング速度を速めても芯ずれの不良発生率を低下させられるため、高速ボンディングにより生産性を向上することができるためである。さらに好ましくは、70%以上であればワイヤ線径Lに対する接合前のボール部の直径Dの比率D/Lが1.3〜1.8程度の小ボールを形成する際にも、芯ずれ不良を低減することができる。
該ボール部のワイヤ長手方向断面の結晶粒組織において、上記条件に加えて、ボール部の中心からボール半径Rの1/2までの中心域としたとき、中心域におけるワイヤ長手方向の結晶方位の内、[111]/[100]の面積割合Rdと、ボール断面全体での[111]/[100]の面積割合Raとが、|1−Rd/Ra|≦3であることで、上述したボール接合部が花弁状又は凹凸状に変形される不良を低減することができる。ここで、上記値が3超であれば、ボールが電極部に高速で接地、変形されるときの不均一な応力分布により、ボール周辺部に花弁状の凹凸現象が顕著になる恐れがある。好ましくは、|1−Rd/Ra|≦1.5であれば、衝撃荷重や超音波振動が大きい場合でも花弁状の変形を抑制する効果が増進される。
ボール部の断面組織とボール接合部の断面組織について、区別して望ましい結晶方位等を上述したが、それらを相互に両立させることで、ボール接合時の異常変形、剥離、強度低下等の不良を抑制する効果をより高めて、歩留まりを高めたり、製造マージンを広げることで、総合的な生産性を向上させることができる。ボール部に衝撃荷重、超音波を加える変形時に結晶方位の回転等が生じるため、ボール接合部の組織は、変形前のボール部の凝固組織からは変化している。したがって、ボール部とボール接合部の両方の断面組織を制御することで、相乗作用が得られる場合が多い。
例えば、ボール部断面の[111]/[100]の面積割合を1.1以上、ボール接合部の断面の[111]/[100]の面積割合を1.1以上とするボンディングワイヤであれば、真円状の良好な変形を得るために、ワイヤ径、ボール径、ボール接合部のサイズ等の適用範囲が広がり、現行の汎用構造から狭ピッチ接続等多種のパッケージ形態に対応できる。こうした相乗作用は、上述したボール部の断面組織及びボール接合部の断面組織のそれぞれの組み合わせで確認することができる。また、ボール部断面の[111]/[100]の面積割合を1.1以上、ボール接合部の断面の[111]の[100]の面積割合の合計が30〜95%の範囲とするボンディングワイヤであれば、ワイヤ径は15〜30μmの幅広い範囲で、真円性の良好なボール変形を得ることができる。
金ボンディングワイヤの組織に関して、影響部を除くワイヤ部の長手方向断面で、該ワイヤの中心からワイヤ半径Lの1/3毎に3分割された中心部(c)、内層部(g)、外層部(s)におけるワイヤ長手方向の結晶方位に関する[111]/[100]の面積割合をそれぞれLc、Lg、Lsとしたとき、Lc≦3、Lg≧0.8、Ls≧0.5の関係の内、少なくとも二つを満足する金ボンディングワイヤであれば、前述したボール部の断面組織とボール接合部の断面組織を制御することが容易であり、さらに、ループ制御性等も向上することができる。ワイヤのウェッジ接合、ボール溶融形成、ワイヤ長手方向への熱伝導によるボール部の凝固、ボール直上部の直立性、ループ形状の制御、直線性等を満足させるには、ワイヤ内部を中心部、内層部、外層部に分割して、それぞれの部位における組織との関連性に着目することが有効であることを確認した。ここで、Lc、Lg、Lsを上述した範囲とした理由は、例えば、中心部での[111]/[100]の面積割合Lc≦3にすることは、ボール部の凝固時の組織制御が容易となり、また、内層部での[111]/[100]の面積割合Lg≧0.8にすることで、上述したボール接合部断面で上述した結晶方位の関係等を満足することに有効であり、また、外層部の[111]/[100]の面積割合Ls≧0.5にすることで、ボール部、ボール接合部には悪影響を及ぼすことなく、ループ形状の安定制御が可能となる等の効果が得られるためである。好ましくは、これらLc、Lg、Lsの3種類の面積割合が上記の範囲を同時に満足することで、前述したボール部及びボール接合部の組織を制御するより高い効果が得られる。
本発明における結晶方位は、ボール部及びボール接合部のそれぞれにおいて、ワイヤ長手方向に対する結晶方位の角度差を10°以内とする。これは、この範囲であれば、それぞれの結晶方位の特性を有しており、ボンディングワイヤの諸特性に及ぼす影響度も有効に活用できるためであり、結晶方位の角度差が10°を超えると、ワイヤ特性への影響に差異が生じることが懸念されるためである。
前記断面における結晶粒において、隣接する結晶粒の方位の角度差が30°以下である結晶粒界が、全結晶粒の粒界に占める割合が50%以上であるボンディングワイヤであれば、接合相手の電極材の表面性状の影響を少なくし、ボール接合部の等方変形を向上し、接合強度を高めることもできる。これは、ボールの変形時に、電極材の表面が滑り易いとボール変形の異方性が増える原因となったり、また、プローブの圧痕が大きかったり、圧痕数が多いことで接合強度が低下する場合が懸念される。これに対し、隣接する結晶粒の方位の角度差が30°以下である結晶粒は、ほぼ同一方向に変形する効果を高められることが判明し、その粒界が全結晶粒の粒界に占める割合を50%以上とすることで、上記の滑り易い電極や、プローブ圧痕が大きい場合でも、ボール接合部の真円性を向上し、Al表面の酸化膜の破壊を促進して、ボール接合部の強度を高める効果が一層高められる。好ましくは、隣接する結晶粒の方位の角度差が30°以下である結晶粒界の割合が70%以上であれば、電極材の表面性状への対応性をより高めることができる。
ボール接合部の形状、ボール変形等のバラツキを低減するには、上述した[111]方位あるいは[100]方位等の結晶方位の制御に加えて、単位面積当りの結晶粒数も大きく関与していることを見出した。すなわち、ボール部又はボール接合部の断面の結晶粒数が、0.005〜0.1個/μm2であることが望ましい。ここで、上記の結晶粒数の範囲の理由は、結晶粒数が0.005個/μm2未満では、ボール部の粗大な結晶粒が変形異方性を誘発して、真円性からのずれが大きくなるためであり、また、0.1個/μm2超の超微細な結晶粒を、通常のボンディングワイヤ製造工程でワイヤ全体に均一して実現することが困難なためである。さらに、ワイヤ長手方向の結晶方位の内、 [111]/[100]の面積比が1.1以上であり、結晶粒数を上記範囲とすることで、接合強度を高める効果もより高められる。
ボール接合部の形状、ボール変形等のバラツキを低減するには、ボール部又はボール接合部において、ワイヤ長手方向断面の結晶粒径の標準偏差が1.5μm以下であることが望ましい。ここで、上記の結晶粒径の範囲の理由は、1.5μm超では、ボール接合部の形状は安定化するが、チップへの損傷を与えることが懸念されるためである。
金ボンディングワイヤの集合組織に関して、これまで知られておらず、報告例も見られなかった。種々の金属における集合組織は、圧延材、引抜細線等で知られているものの、金属の加工法、成分と集合組織の関係や、集合組織と部材使用性能との関係に関しては、統一的な見解は得られていない。集合組織を測定する従来法では、X線回折、TEMによる電子線回折等が用いられていたが、金ボンディングワイヤの先端に形成されたボール部、それを電極上に接続されたボール接合部のように、直径が数十μm程度の微細領域における集合組織の測定は困難であった。
解析技術の進歩は目覚ましく、測定エリアを微小に絞ることができる微小領域X線、最近開発された後方電子散乱図形(Electron Back scattering Pattern、以降EBSP)法等は、微細試料の集合組織の測定に非常に有効な測定手段である。中でも、EBSP測定により、金ボンディングワイヤの先端に形成されたボール部の研磨断面の集合組織を精度良く、しかも、比較的簡便に測定する技術を確立した。
また、ボール接合部の集合組織の解析にも、EBSP法は有効であり、図2及び図3にボール接合部のEBSP測定の結果の一例を示す。例えば、図2に、線径23μmの金ボンディングワイヤの先端に形成したボール部のEBSP測定として、基板表面と水平方向のボール接合部断面の結晶粒の一例を示す。図3には、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位に関する逆極点図を示す。図3の(a)は[111]の比率が多い場合、(b)は[100]が多い場合、(c)は[211]等の方位が多い場合の結果に相当する。ボール接合部では、測定試料の準備がさらに困難であり、歪みの少ない断面研磨、チャージアップを抑えるための導通の確保等が必要となる。これまでボール接合部の組織、結晶方位等は報告されておらず、こうした試料作製技術が確立して初めて組織解析が可能となる。
また、図4には、最外周領域の結晶粒が層状につながっている場合として、ボール接合部のEBSP測定の結果の一例を示す。ワイヤ径は23μmの金ボンディングワイヤ、初期ボール径は48μmである。図は、それぞれ、(a) 結晶粒界、(b)最外周領域の逆極点図、(c) ボール接合部全体の逆極点図を示す。(b)と(c)を比較すると、最外周では[111]が多いのに対し、ボール全体で平均化すると、むしろ[100]の方位が多いことを現す。
このような最新の解析技術を利用することで、初めて、金ボンディングワイヤのボール部又はボール接合部の微細組織に関して、一つ一つの微細結晶粒の結晶方位、断面全体での結晶方位の分布等を、高精度に再現良く測定できる。試料作製、装置操作等多くの実験条件を適正化することで、初めて精度の高い方位解析が可能となることを留意しておく必要がある。
ボール部及びボール接合部の結晶方位を制御するワイヤの製造法では、組織を安定化させる必要があり、そのためには、ワイヤの長手方向、円周方向で均一な組織、成分分布を実現することがポイントである。本発明に関するボール部又はボール接合部の結晶方位を部分的に得ることであれば、通常のワイヤでも可能な場合がある。しかし、量産レベルで、所要の結晶方位を安定して制御し、それを簡便に再現よく達成するためには、圧延加工、伸線加工、最終線径での熱処理等の製造工程の適正化が有効であることを見出した。
赤外加熱、抵抗加熱等の横型加熱炉を用いて、連続的にワイヤを掃引しながら熱処理する工程において、温度はワイヤの再結晶温度の0.5〜1.7倍の温度範囲であり、ワイヤ長手方向で温度差50℃以内の範囲である均熱領域が15cm以上で、加熱管の内径がワイヤ線径の200倍以上であることが有効である。この加熱により、ワイヤの長手方向、径方向での温度バラツキを軽減することを促進する。
比較的線径の太いワイヤ(線径20〜1mm)を圧延加工及び伸線加工を複数回繰り返す際に、その加工回数の1/2以上で、ワイヤを10°以上回転させて加工することで、ワイヤ表面の加工歪み、転位等を線断面の同心円状に均一又はランダムに加えることにより、ワイヤの円周方向での組織の均一化を促進することに有効である。
比較的線径が細い範囲の伸線(線径2〜0.01mm)では、伸線ダイスの穴に20°以内の角度でワイヤが入出され、その前後でのワイヤが直線になっている領域が15cm以上であることにより、ワイヤの円周方向での加工歪みを均一に有する効果が高まる。
上述した、加工、伸線、熱処理等を個別に行うことである程度の効果は得られるが、さらに、それらを組み合わせることで、ワイヤの長手方向、円周方向の組織、成分分布を均一化して、所要のボール部及びボール接合部の結晶方位を制御する効果をより高められる。
ボール部及びボール接合部の組織制御には、ワイヤ中の元素添加も有効に作用する。ワイヤ製造時の溶解、伸線加工、熱処理等の製造技術との兼ね合いで、元素の添加効果も変化するが、前述した組織制御が比較的容易となる成分系を後述する。
Auを主成分とし、添加成分として、Be:0.0001〜0.0006質量%、Ca:0.002〜0.005質量%、Eu:0.001〜0.004質量%、Nd:0.001〜0.004質量%、Yb:0.0001〜0.001質量%、Cu:0.001〜0.4質量%、Pd:0.002〜0.6質量%、Ag、Mn、Ptの1種以上を0.001〜0.2質量%含有する金合金ボンディングワイヤとすることで、前述したように、ボール接合部内における全体的な[111]と[100]の割合の制御、芯部あるいは外周部での[111]/[100]の面積割合等、又は、ワイヤ先端に形成されたボール部内の[111]と[100]の割合の制御等を安定して行うことにより、使用時のボール接合部の真円性、接合強度等の向上が図られる。ここで、Be、Ca、Eu、Nd、Yb、Cu、Pd、Ag、Mn又はPt等の元素をそれぞれ上記の濃度範囲で添加することにより、各元素が有効に相乗作用を発揮して、ボール部及びボール接合部での組織制御が可能となる。各元素が上記の最低濃度を下回るとその作用効果は少なく、最高濃度を超えるとボール形成時の酸化や引け巣の発生等により接合性が損なわれたり、ループの制御性が低下したりする等の問題が発生するため、上記濃度を選定した。
前述された本発明に係わる金ボンディングワイヤを用いて、半導体チップ及び基板に形成された電極部へボール接合とウェッジ接合とを繰り返して行い、電極部とボンディングワイヤとを接続する金ボンディングワイヤの接続方法であって、基板の電極部にウェッジ接合した後のボンディングワイヤの端部にアーク放電によりボール部を形成し、該ボール部を半導体チップ上の電極部に接合するに際し、元のワイヤ直径を2Lとしたとき、ウェッジ接合後のワイヤ直径が元の直径より1割以上細くなっている変形端部の長さが0.8L〜4Lであるワイヤ端部に対して、ワイヤ長手方向との角度が0〜45°となる方向からアーク放電を施して、1.2L〜2.0Lの半径を有するボール部を形成することを特徴とする金ボンディングワイヤの接続方法が好ましい。
ウェッジ接合後のワイヤ端部は、破断時の衝撃等で曲折されており、この曲折部が長くなるとボール部の形成時に芯ずれ、異形等が発生し易いことが確認された。曲折部を上記範囲とした理由は、ウェッジ接合後のワイヤ直径が元の直径より1割以上細くなっている部位を変形端部とし、その変形端部の長さを0.8L未満に抑えることはキャピラリ形状との兼ね合いで困難であり、4Lを超えるとボール部の芯ずれ、真球からのずれ等が顕著となるためである。また、ワイヤ長手方向とアーク放電との角度が、0〜45°であれば、ボール部がワイヤ中心に位置する良好なボールを形成することが容易となるためであり、そのボール径が1.2L未満では、変形端部の影響でボール部の偏芯等が発生する不良を抑制することが困難であり、また、ボール径が2.0L超であれば、接合時のボール変形量が少なくなることで、狭ピッチ対応のための小ボール接合が困難となるためである。
以下、実施例について説明する。
金純度が約99.95質量%以上の電解金を用いて、各添加元素群を含有する母合金を個別に高周波真空溶解炉で溶解鋳造して、母合金を溶製した。こうして得られた各添加元素の母合金の所定量と金純度が約99.995質量%以上の電解金を高周波真空溶解炉で溶解鋳造し、その鋳塊を圧延した後に常温で伸線加工を行い、必要に応じて、金ボンディングワイヤの中間焼鈍工程を加え、さらに伸線加工を行い、最終線径が23μmの金ボンディングワイヤとした後に、大気中で連続焼鈍して、伸び値が約4%になるように調整した。
金ボンディングワイヤの接続には、汎用の自動ワイヤボンダー装置を使用して、ボール/ウェッジ接合を行った。ボール接合では、ワイヤ先端にアーク放電によりボール部を形成し、そのボール部を電極膜に超音波併用の熱圧着により接合した。また、リードフレーム又はBGA基板上のリード部に、ワイヤ他端部をウェッジ接合した。今後のニーズである狭ピッチ接続への適用性を調べるため、電極間隔が50μm又は40μmの狭ピッチ接続を行った。
接合相手は、シリコン基板上の電極膜の材料である、厚さ約0.8μmのAl合金膜(Al−1%Si、Al−0.5%Cu、Al−1%Si−0.5%Cu)を使用した。一方の、ウェッジ接合の相手には、表面にAgメッキ(厚さ:1〜4μm)が施されたリードフレーム、又は、表面にAuメッキ/Niメッキ/Cu配線が形成されている樹脂基板を使用した。
ボール接合部の形状を評価するため、ボール部をシリコン基板上の電極膜にステージ温度180℃で接合を行った。100本のボール接合部で、超音波印加と平行方向の圧着径を、光学顕微鏡により測定し、平均値と標準偏差を求めた。
ボール変形の異方性評価では、100本のボール接合部について、電極に対して垂直方向からボール接合部を観察し、ワイヤ中心部を通り外周部と接する点を結ぶ直線で、その長さが最大及び最小のものをそれぞれ長辺長さ(DL)、短辺長さ(DS)を測定した。異方性パラメータとして、比率(DL/DS−1)を計算し、その平均値を求めた。この異方性パラメータの値が0に近いほど、真円性が良好であり、その値が大きくなるほど、扁平性、異方性等が顕著であると判断できる。
ボール部の形状を調べるため、23μm径のワイヤで直径42μmのボールを形成し、10個のボール部を光顕又はSEMで観察した。ボール部がワイヤ中心から傾いて形成される芯ずれについて、明らかな芯ずれ発生が1個以上認められる場合には不良と判断して×印、ボール部の軽微な曲がりの発生が1個以下の場合には問題ないと判断して○印、芯ずれが認められない場合は良好であるため◎印で示した。
ボール接合部の異常な形状の発生を調べるため、23μm径のワイヤで接合ボール径の平均が約55μmのボール接合部を形成し、ボール接合部を光顕で観察した。中でも、楕円状、花弁状の凹凸、偏芯等に着眼して評価した。
1000個のボール接合部を光顕で観察し、楕円状のボール接合部が3個以上であるものを不良と判断し、楕円発生の評価を×印で示し、軽微の楕円変形が1〜2個の発生する場合を○印、発生しない場合は◎印で、表中の楕円変形の欄に示した。また、花弁状の凹凸について、4個以上のボール接合部で顕著な花弁状変形が認められるものを不良と判断して×印、軽微の花弁状変形が1〜3個の発生する場合を○印、発生しない場合は◎印で、表中の花弁変形の欄に示した。
偏芯不良に関して、2000個のボール接合部を光顕で観察し、ボール接合部の中心がその直上ワイヤの中心からのずれが10μm以上であるものを偏芯とみなす、比較的厳しい判定条件により、その偏芯発生が3個以上である場合に×印、1〜2個の偏芯発生では○印、発生しない場合は◎印で示した。
また、500個のボール接合部を光顕で観察し、ボール接合部の変形にともなう位置ずれを判定するため、ボール接合部の中心が目標点からのずれた距離が10μm以上であるものを位置ずれと判定し、その不良発生が3個以上である場合に×印、1〜2個の場合に○印、発生しない場合は◎印で示した。
ボール接合部断面の重心を通る線分の長さdとし、該断面の任意の3箇所以上で長さdを測定した場合の平均値Mと標準偏差SDを求め、SD/Mの数値を計算した。
チップへの損傷の評価では、ボール部を電極膜上に接合した後、電極膜を溶解して、絶縁膜又はシリコンチップへの損傷をSEMで観察した。電極数は1000箇所を観察した。損傷が認められない場合は◎印、1μm以下のクラックが2個以下の場合は問題ないレベルと判断して○印、1μm以上5μm未満のクラックが1個以上の場合は懸念されるレベルと判断して△印、5μm以上のクラック又はクレータ破壊等が1個以上の場合は懸念されるレベルと判断して×印で記載する。
ボール接合部の初期のシェア強度測定を100本行い、その平均値を求め、また、ボール接合部の面積を求め、単位面積当りの接合強度を計算した。この単位面積当りの接合強度が、10kg/mm2以上であれば◎印、8〜10kg/mm2の範囲であれば問題ないレベルと判断して○印、8kg/mm2未満であれば接合強度が十分でないと判断して×印で表示した。
また、プローブ圧痕を3箇所以上形成したパッド電極を用い、そのボール接合部の初期のシェア強度測定を50本行い、平均値を求め、また、ボール接合部の面積を求め、単位面積当りの接合強度を計算した。この単位面積当りの接合強度が、9kg/mm2以上であれば◎印、7〜9kg/mm2の範囲であれば問題ないレベルと判断して○印、7kg/mm2未満であれば接合強度が十分でないと判断して×印で表示した。
接合部の長期信頼性を評価するため、金ボンディングワイヤ先端のボール部を電極に接合し、金ボンディングワイヤを接合した後に、全体をエポキシ樹脂で封止して半導体装置を作製した。半導体装置を125℃で1000時間、あるいは、150℃で1000時間加熱処理した。その後、市販の開封装置を用いて、封止樹脂の一部を除去し、50本の接合部におけるシェア強度の平均値を求めた。熱処理後の接合強度が、熱処理前の初期の接合強度と比較して、低下しているかどうかで信頼性を判定した。150℃の1000時間まで強度低下していない場合には、信頼性が良好であるため◎印で示し、125℃の1000時間で接合強度が低下している場合には×印で示し、その中間の場合は○印で示した。
パッド構造が異なる3種類のパッドA、B、Cを準備した。パッドA、Bとも材質はAl−0.5%Cuであり、パッドAは、表面に厚いアルミ酸化膜を形成した場合で、パッドBは、アルミ表面に有機膜、フッ化膜等の汚染層が比較的厚い場合である。パッドCは、材質がCuで、表面にCuが露出している場合である。パッドA、B、Cを用い、ステージ温度170℃でボンディングを20,000本行い、接合時に剥離した数(不着数)を測定し、不着数が1個以下であれば接合性が良好であるため◎印、不着数が1〜5個以下であれば接合条件の適正化で十分対応できると判断して○印、6個以上であれば接合性に問題があることから×印で表記した。また、チップ損傷は、パッドAを用い、前述した方法で観察した結果を示した。
キャピラリ寿命測定では、連続ボンディングを10万本行い、使用したキャピラリの先端を光顕で観察して、汚れが顕著であったり、磨耗していた場合には、×印、連続ボンディングを20万本行っても、キャピラリの汚れ、磨耗が少ない場合には良好であるため◎印、その中間を○印で表記した。
表1−1〜表1−3において、第1請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜12であり、第2請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜5、7、9〜12、14、15であり、第3請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜4、6〜8、10〜15、第4請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例2〜10、12〜14、第7請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜9、12、14、第8請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜10、12、第9請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜15、第10請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜11、13、14、第11請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜7、9〜12、14、15、第12請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜4、6〜8、10〜15、第15請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例2〜11、13〜15、第13請求項、第14請求項、第16請求項及び第17請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例1〜15に相当する。
表2、表3には、金ボンディングワイヤの組成及びボール形成条件をそれぞれ変更したときの、ボール部及びボール接合部の組織の結果について示す。
表2において、第18請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例16〜29であり、比較例4〜6は第18請求項を満足しない場合である。表3において、第19請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例30〜37であり、比較例7、8は第18請求項を満足するものの第19請求項を満足しない場合、比較例9〜11は第18請求項、第19請求項ともに満足しない場合に相当する。
表4−1、表4−2において、第5請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例38〜46であり、第6請求項に係わる金ボンディングワイヤは実施例38〜43である。
それぞれの請求項の代表例について、評価結果の一部を説明する。
実施例1〜12のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール接合部内の[111]/[100]の面積割合が1.1以上であることにより、楕円状の変形を抑える効果が強く、ボール接合部の真円性が高いことが確認された。
実施例1〜5、7、9〜12、14、15のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール接合部内の[111]方位及び[100] 方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であることにより、ボール接合部の偏芯を抑える効果が十分であり、ボール接合部の真円性が向上されていた。
実施例1〜4、6〜8、10〜15のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール接合部内のボール半径Dの1/2までの芯部において、[111]/[100]の面積割合が3以下であることにより、接合部の位置ずれを低減し、小パッド部への接続にも有利である。また、実施例1〜4、6〜8、10〜12、14、15等は、芯部における[111]/[100]の面積割合が3以下であり、且つ、[111]/[100]の面積割合が1.1以上であるか、あるいは、[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲のどちらかを満足することで、化合物の成長率が70%以上と高く、接合強度の確保に有利であることが確認された。
実施例2〜10、12〜14のボンディングワイヤは、本発明に係わる、接合ボール半径Dの2/3の位置から外側となる外周部において、[111]/[100]の面積割合が0.9以上であることにより、花弁状の変形を抑え、外周部の結晶粒がほぼ均一に変形する効果を高める効果が強いことが確認された。
実施例1〜9、12、14のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール接合部内の[112]、[113]、[114]、[115]方位の面積比率の合計が3〜40%の範囲であることにより、ボール部の直下のチップ又は電極内部への損傷を低減できることが確認された。
実施例1〜10、12のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール接合部の形状から求めた異方性パラメータSD/Mが0.3以下であることにより、ボール接合部の偏芯、花弁状変形等の不良を抑える効果が高く、真円性の高いボール接合部が得られることが確認された。
実施例1〜11のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ワイヤ先端に形成されたボール部内の[111]/[100]の面積割合を1.1以上とすることにより、楕円状の変形を抑える効果が強いことが確認された。
実施例1〜7、9〜12、14、15のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール部内の[111]方位を有する結晶粒の面積比率を35%以上とすることにより、ワイヤ中心からずれてボール部が形成される芯ずれ現象を低減することにより、結果として、電極上に接続されたボール接合部の偏芯を低減すること等により、真円性を高める十分な効果が確認された。
実施例1〜7、9〜12のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール部内の中心域での[111]/[100]の面積割合Rdと、ボール断面全体での[111]/[100]の面積割合Raとが、|1−Rd/Ra|≦3の関係を満足することにより、そのボール部を電極上に接続して形成されたボール接合部において、花弁状又は凹凸状に変形される不良を低減できることが確認された。
実施例1〜15のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ワイヤ部の長手方向断面をワイヤ半径Lの1/3毎に3分割した中心部、内層部、外層部における[111]/[100]の面積割合をそれぞれLc、Lg、Lsとしたとき、Lc≦3、Lg≧0.8、Ls≧0.5の関係の内、少なくとも二つ以上を満足することにより、ボール形成条件や接合条件等により影響は受けるものの、ボール部及びボール接合部の組織を安定して制御することが容易となり、結果として、ボール接合部の真円性を向上したり、ボール直上部の直立性、ループ形状の制御、直線性等を満足させる効果が高められる。
実施例38〜46のボンディングワイヤは、本発明に係わる、ボール接合部内のボール半径Dの4/5から外側の部位である最外周領域、又は、該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒の少なくとも一方において、[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が50%以上であることにより、接合性に難のあるパッドA、B、Cで接合性が良好であり、また、60%以上では、パッドA、B、Cで接合性が向上していた。
実施例38〜43のボンディングワイヤは、本発明に係わる、最外周領域の[111]方位の面積比率が50%以上であり、さらに、最外周領域以外の胴体領域において、[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が40%以下であることにより、キャッピラリ寿命が改善されていた。
比較例1〜3では、本発明を満足しない場合であり、ボール変形の真円性、位置ずれ、シェア強度等、いずれの特性も十分ではなく、実用上の問題が確認された。
実施例2〜11、13〜15のボンディングワイヤは、本発明に係わる、隣接する結晶粒の方位の角度差が30°以下である結晶粒界が、全結晶粒の粒界に占める割合が50%以上であることにより、プローブ圧痕が多いパッド電極でも十分な真円性を確保し、結果として良好な接合強度を得ることが容易であることが確認された。
実施例16〜29のボンディングワイヤは、第16請求項に係わる合金元素の添加を満足するものであり、ボール接合部又はボール部の結晶方位の関係について、本発明に係わる請求項1〜10の少なくとも一つが満足された。ここで、放電条件は、実施例30の条件を使用した。一方、比較例4〜6では、第16請求項を満足しておらず、ボール接合部又はボール部の結晶方位の関係で、本発明を満足しない項目が2項目以上に増えていた。
実施例30〜37のボンディングワイヤでは、第17請求項に係わるボール形成方法を満足するものであり、ボール接合部又はボール部の結晶方位の関係について、本発明に係わる請求項1〜10の少なくとも一つが満足された。一方、比較例7、8では、第16請求項を満足しておらず、ボール接合部又はボール部の結晶方位の関係で、本発明を満足しない項目が2項目以上に増えていた。また、比較例9〜11では、ボンディングワイヤの組成及びボール形成方法共に、本発明の条件を満足できない場合には、望ましいボール接合部又はボール部の結晶方位の関係が得られなかった。
金ボンディングワイヤのボール接合部の模式図(a)正常、(b)偏芯、(c)花弁状 金ボンディングワイヤのボール接合部のEBSP測定による結晶粒界 ボール接合部のEBSP測定の逆極点図 金ボンディングワイヤのボール接合部のEBSP測定結果(a)結晶粒界、(b)最外周領域の逆極点図、(c)ボール接合部全体の逆極点図

Claims (24)

  1. 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が1.1以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  2. 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  3. 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの1/2までの部位を芯部としたとき、芯部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が3以下であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  4. 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの2/3から外側の部位を外周部としたとき、外周部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が0.9以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  5. 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心からボール半径Dの4/5から外側の部位である最外周領域、または該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒の少なくとも一方において、[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が50%以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  6. 前記ボール接合部断面で、最外周領域、または該最外周領域に含まれる最も外側の結晶粒のどちらにも属さない領域を胴体領域とし、該胴体領域において[111]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が40%以下であることを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  7. 端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤであって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[112]、[113]、[114]、[115]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が3〜40%の範囲であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  8. 前記ボール接合部断面の重心を通る線分の長さをdとしたとき、該断面の任意の3箇所以上で長さdを測定した場合の平均値Mと標準偏差SDとの関係が、SD/M≦0.3を満足する請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  9. 前記端部に形成したボール部を基板電極部に接合した金ボンディングワイヤのボール部と基板電極部の接合界面において、ボンディングワイヤの主要構成成分と該電極部の主要構成成分とからなる金属間化合物の形成割合が接合界面全体の65%以上である請求項1〜8のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  10. 端部にボール部を形成する金ボンディングワイヤであって、該ボール部のワイヤ長手方向に垂直な断面の結晶粒組織において、ワイヤ長手方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が1.1以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  11. 端部にボール部を形成する金ボンディングワイヤであって、該ボール部のワイヤ長手方向に垂直な断面の結晶粒組織において、ワイヤ長手方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[111]方位を有する結晶粒の面積比率が35%以上であることを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  12. 端部にボール部を形成する金ボンディングワイヤであって、該ボール部のワイヤ長手方向に垂直な断面の結晶粒組織において、ボール部の中心からボール半径Rの1/2までの部位を中心域としたとき、中心域におけるワイヤ長手方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合Rdと、ボール断面全体での[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合Raとが、|1− Rd/Ra|≦3であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  13. 金ボンディングワイヤの熱影響部を除くワイヤ部の長手方向断面の結晶粒組織において、該ワイヤの中心からワイヤ半径Lの1/3毎に3分割して、中心部(c)、内層部(g)、外層部(s)におけるワイヤ長手方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合をそれぞれLc、Lg、Lsとして、Lc≦3、Lg≧0.8、Ls≧0.5の関係のうち少なくとも二つを満足することを特徴とする半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  14. 前記 [111]方位及び[100]方位の結晶粒が、ボンディングワイヤの長手方向に対して10°以内の傾きである請求項1〜7、10、11、13のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  15. 前記断面における結晶粒において、隣接する結晶粒の方位の角度差が30°以下である結晶粒界が、全結晶粒の粒界に占める割合が50%以上である請求項1〜7、10、11、13のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  16. 前記ボール部またはボール接合部の断面組織における結晶粒数が、0.005〜0.1個/μm2である請求項1〜7、10、11、13に記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  17. 前記ボール部またはボール接合部の断面組織における結晶粒径の標準偏差が1.5μm以下である請求項1〜7、10、11、13のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  18. Auを主成分とし、添加成分として、Be:0.0001〜0.0008質量%、Ca:0.001〜0.005質量%、Eu:0.0005〜0.004質量%、Nd:0.0005〜0.004質量%、Yb:0.0005〜0.005質量%、Cu:0.001〜0.4質量%、Pd:0.001〜0.6質量%、Ag、Mn、Ptのうち1種以上を0.0005〜0.2質量含有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤ。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の半導体装置用金ボンディングワイヤを用いて、半導体チップ及び基板に形成された電極部へボール接合とウェッジ接合とを繰り返して行い、電極部とボンディングワイヤとを接続する金ボンディングワイヤの接続方法であって、ボンディングワイヤの端部にアーク放電によりボール部を形成し、該ボール部を半導体チップ上の電極部に接合するに際し、元のワイヤ直径を2Lとしたとき、ウェッジ接合後の直径が元の直径より1割以上細くなっている変形端部の長さが0.8L〜4Lであるワイヤ端部に対して、ワイヤ長手方向との角度が0〜45°となる方向からアーク放電を施して、1.2L〜2.0Lの半径を有するボール部を形成してからボール接合することを特徴とする金ボンディングワイヤの接続方法。
  20. 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が1.1以上であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
  21. 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[111]方位及び[100]方位を有する結晶粒の面積比率が30〜95%の範囲であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
  22. 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの1/2までの部位を芯部としたとき、芯部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が3以下であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
  23. 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、基板表面と水平方向のボール接合部断面の中心から接合ボール半径Dの2/3から外側の部位を外周部としたとき、外周部における[100]方位を有する結晶粒の面積に対する、[111]方位を有する結晶粒の面積の割合が0.9以上であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
  24. 半導体基板上の電極部と外部端子をボンディングワイヤで接続する半導体装置であって、基板表面と水平方向のボール接合部断面における該断面垂直方向の結晶方位の内、全結晶粒に対する[112]、[113]、[114]、[115]方位を有する結晶粒の面積比率の合計が3〜40%の範囲であるボール接合部を有することを特徴とする半導体装置。
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