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JP2005268450A - 有機半導体薄膜及びその製造方法並びに有機半導体素子 - Google Patents

有機半導体薄膜及びその製造方法並びに有機半導体素子 Download PDF

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JP2005268450A
JP2005268450A JP2004077030A JP2004077030A JP2005268450A JP 2005268450 A JP2005268450 A JP 2005268450A JP 2004077030 A JP2004077030 A JP 2004077030A JP 2004077030 A JP2004077030 A JP 2004077030A JP 2005268450 A JP2005268450 A JP 2005268450A
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穣 夏目
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Abstract

【課題】 高い移動度を発現する有機半導体薄膜及びその製造方法、並びに電子特性の優れた有機半導体素子を提供する。
【解決手段】 2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末をクロロホルムに分散させた分散液を、シリコン基板上に展開し、クロロホルムを蒸発させて2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末の積層体を形成した。このシリコン基板を2,3,9,10−テトラメチルペンタセンの融点以上の温度に加熱して、シリコン基板表面の2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末を融解させ薄膜を形成させた。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機半導体薄膜及びその製造方法、並びに有機半導体素子に関する。
有機半導体を用いたデバイスは、従来の無機半導体デバイスに比べて成膜条件がマイルドであり、各種基板上に半導体薄膜を形成したり、常温で成膜したりすることが可能であるため、低コスト化や、ポリマーフィルム等に薄膜を形成することによるフレキシブル化が期待されている。
有機半導体材料としては、ポリチオフェン,ポリチエニレンビニレン,ポリピロール等のポリマー系材料と、ポリアセン化合物(テトラセン,ペンタセン等),チオフェンオリゴマー等の低分子系材料とがあり、電界効果トランジスタ,太陽電池,レーザー等への応用が検討されている(非特許文献1を参照)。特に、前述の有機半導体を電界効果トランジスタとして用いる場合は、ペンタセンを始めとするポリアセン化合物が最も有望な材料である。
電界効果トランジスタの性能に関わる重要な要素としてキャリア移動度があげられ、キャリア移動度は薄膜構造に大きな影響を受けることが知られている。さらに、その薄膜構造は薄膜の作製方法に大きく依存する。一般に有機半導体薄膜の作製方法としては、蒸着法,塗布法,前駆体加熱法等が代表的であるが、塗布法等の溶液から成膜する方法の方がより簡便且つ安価であり、しかも印刷法,インクジェット法等の大面積及び大量生産に適した製法への展開が可能となるため、工業的生産に適している。
ジミトラコポウラスら,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」,1996年,第80巻,p.2501 ブラウンら,「シンセティック・メタルズ」,1997年,第88巻,p.37
しかしながら、ペンタセン等のポリアセン化合物系の有機半導体はそのままでは溶媒に難溶であるため、専ら蒸着法による成膜が行われてきた。
蒸着法以外の方法でポリアセン化合物の薄膜を形成する方法としては、ポリアセン化合物の一種であるペンタセンの環架橋した前駆体の溶液を基板上に塗布し、加熱処理することによって前駆体をペンタセンに変換する方法が報告されている(非特許文献2を参照)。しかしながら、この方法によって得られた薄膜の移動度は、蒸着法により得られた薄膜の移動度よりも低いという問題があった。
一方、ポリマー系の有機半導体については、溶解性が高いため塗布法による成膜が可能であるが、薄膜構造は蒸着法により得られた薄膜よりも結晶性が低く、移動度もポリアセン化合物等の低分子系有機半導体よりも劣っていることが知られていた。そのため、さらなる移動度の向上を図るためには、より結晶性の高い薄膜が求められていた。
そこで、本発明は、前述のような従来技術が有する問題点を解決し、高い移動度を発現する有機半導体薄膜及びその製造方法を提供することを課題とする。また、電子特性の優れた有機半導体素子を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の有機半導体薄膜の製造方法は、2個以上15個以下のベンゼン環が縮合した多環構造を有する縮合多環芳香族化合物からなる有機半導体薄膜の製造方法であって、前記縮合多環芳香族化合物を分散媒に分散させた分散物をベース上に配し、前記縮合多環芳香族化合物の融点以上の温度に加熱して、前記分散媒を気化させるとともに前記縮合多環芳香族化合物を融解させることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2の有機半導体薄膜の製造方法は、請求項1に記載の有機半導体薄膜の製造方法において、前記縮合多環芳香族化合物が下記の化学式(I)で表されるような構造を有することを特徴とする。
Figure 2005268450
(I)
ただし、化学式(I)中の官能基R1 ,R2 ,R3 ,R4 のうち少なくとも一部は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、ハロゲン基、ホルミル基、アシル基、エステル基、メルカプト基、チオアルキル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、又はこれらのうちの2以上の基を含む官能基であり、他部は水素原子である。また、化学式(I)中の官能基X,Yの少なくとも一方は水素原子又はハロゲン基であり、nは2以上7以下の整数である。
さらに、本発明に係る請求項3の有機半導体薄膜は、請求項1又は請求項2に記載の有機半導体薄膜の製造方法により製造されたものである。
さらに、本発明に係る請求項4の有機半導体素子は、請求項3に記載の有機半導体薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする。
本発明の有機半導体薄膜の製造方法によれば、一般的な溶媒に対する溶解性が低い縮合多環芳香族化合物の薄膜を、ウェットプロセスによって比較的低温で形成することができる。また、本発明の有機半導体薄膜は高い移動度を有している。さらに、本発明の有機半導体素子は優れた電子特性を有している。
本発明の有機半導体薄膜は、2個以上15個以下のベンゼン環が縮合した多環構造を有する縮合多環芳香族化合物からなる薄膜であり、下記のようなウェットプロセスによって製造される。すなわち、縮合多環芳香族化合物を分散媒に分散させた分散物をベース上に配し、縮合多環芳香族化合物の融点以上の温度に加熱して、分散媒を気化させるとともに縮合多環芳香族化合物を融解させ、冷却固化することによって製造される。
以下に、縮合多環芳香族化合物及びその薄膜の製造方法について、詳細に説明する。本発明においては、昇華せず融解する性質を有する縮合多環芳香族化合物を用いる必要がある。従来使用されていた低分子系の有機半導体材料であるポリアセン化合物(テトラセン,ペンタセン等)は、一般に固相状態から液相状態を経ることなく直接気相状態に変化する昇華性を有しており、その昇華温度は200〜450℃の温度領域である。ポリアセン化合物は一般的な溶媒に対する溶解性が極めて低く、ウェットプロセスによって薄膜を製造することが困難であったため、上記のような昇華性を利用して、例えば真空蒸着法,分子線エピタキシ(MBE)法,スパッタリング法,レーザー蒸着法,気相輸送成長法等のドライプロセスによって薄膜を製造していた。しかしながら、このようなドライプロセスにおいては、成膜に高温を必要とする上、操作も煩雑であった。
そこで、昇華せず融解する性質を有する縮合多環芳香族化合物を用いれば、前述のように分散物を縮合多環芳香族化合物の融点以上の温度に加熱して、縮合多環芳香族化合物を融解させることにより、容易に縮合多環芳香族化合物薄膜を形成することができる。このような方法は、蒸着法のような従来のドライプロセスと比較して低温且つ簡易な操作で薄膜を製造することができる。
上記のような性質を有する縮合多環芳香族化合物としては、例えばテトラセン,ペンタセン,オバレン,ジベンゾコロネン,ジコロニレン,ヘキサベンゾコロネン(この中ではペンタセン,オバレン,ジコロニレンがより好ましく、ペンタセンが特に好ましい)等の基本骨格を有し、そのベンゼン環に結合する水素原子の一部が官能基で置換された分子構造を有する化合物があげられる。すなわち、前述した化学式(I)で表されるような構造を有する縮合多環芳香族化合物である。
官能基が導入された縮合多環芳香族化合物は、昇華性を示すことなく融解する(融点が存在する)こととなる。すなわち、無置換の縮合多環芳香族化合物に官能基を導入すると、昇華性が抑制され(昇華温度が高くなり)、さらに無置換の縮合多環芳香族化合物の昇華温度よりも低い温度領域に、融点を有することとなる。そうすると、無置換の縮合多環芳香族化合物と類似の化学構造を有する官能基が導入された縮合多環芳香族化合物の薄膜を、無置換の縮合多環芳香族化合物の薄膜をドライプロセスにより製造する場合と比較して、より低温で且つより容易に製造することが可能となる。
好ましい官能基(化学式(I)における官能基R1 ,R2 ,R3 ,R4 )としては、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、ハロゲン基、ホルミル基、アシル基、エステル基、メルカプト基、チオアルキル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基があげられ、これらの中ではアルキル基,アルケニル基,アルキニル基,ハロゲン基,チオアルキル基が特に好ましい。
なお、縮合多環芳香族化合物が有するベンゼン環の個数が、2個以上15個以下である必要がある理由は、以下の通りである。有機半導体素子において良好な導電性又は移動度を実現させるためには、電気伝導を担うキャリアが正孔であるp型トランジスタの場合は、各々の分子について、最高被占分子軌道(HOMO)におけるπ電子軌道が分子全体に広がっていることが望ましく、一般に分子構造におけるベンゼン環の数が増大するほど前述の傾向が強く現れる。そして、このことにより有機半導体薄膜全体をキャリアが移動しやすくなる。
また、電気伝導を担うキャリアが電子であるn型トランジスタの場合も、p型トランジスタと同様の原理により、分子の最低空軌道(LUMO)におけるπ電子軌道が分子全体に広がっていることが望ましい。本発明においては、複数のベンゼン環がどのように連結して縮合多環芳香族化合物を構成しているかによって、分子の電子物性は大きく異なるが、一般的にはベンゼン環の個数は多い方が好ましい傾向があり、5個以上15個以下が特に好ましい。
次に、縮合多環芳香族化合物の薄膜を製造する際に使用される分散媒について説明する。本発明において用いられる分散媒は、縮合多環芳香族化合物の融点以上の温度で気化する必要がある。例えば、水,アルコール類,エステル類,エーテル類,カーボネート類,アミド類,脂肪族化合物,芳香族化合物等が好ましく、これらのうち縮合多環芳香族化合物の分散性が良好なトリクロロベンゼン,ジクロロベンゼン,クロロホルム等が特に好ましい。なお、これらの分散媒は2種以上を混合して用いてもよい。また、分散媒に界面活性剤や安定化剤等の添加剤を添加してもよい。
このような分散媒に前述の縮合多環芳香族化合物を分散させた分散物を、基板等のベース上に配し、縮合多環芳香族化合物の融点以上の温度に加熱する。そうすると、分散媒が気化して分散物から除去されるとともに、縮合多環芳香族化合物が融解する。これを融点未満に冷却すると、融解した縮合多環芳香族化合物が固化して薄膜が形成される。分散物の調整,分散物のベース上へ供給,加熱等の薄膜製造のための操作は、空気中で行うことも可能であるが、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
分散物中の縮合多環芳香族化合物の含有量は0.02質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.02質量%未満であると、形成される薄膜に欠陥部分が発生しやすくなるという不都合があり、10質量%超過であると、均一な膜厚を有する薄膜を形成することが難しいという不都合がある。このような不都合がより生じにくくするためには、分散物中の縮合多環芳香族化合物の含有量は0.03質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上3質量%以下であることがさらに好ましい。
また、縮合多環芳香族化合物の分散物を基板等のベース上に配する方法としては、塗布,噴霧の他、ベースを分散物に接触させる方法等があげられる。具体的には、スピンコート,ディップコート,スクリーン印刷,インクジェット印刷,ブレード塗布,印刷(平版印刷,凹版印刷,凸版印刷等)等の公知の方法があげられる。
また、有機半導体薄膜を形成するためのベースの素材には、各種材料が利用可能である。例えば、ガラス,石英,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,シリコン,ガリウム砒素,インジウム・スズ酸化物(ITO),酸化亜鉛,マイカ等のセラミックスや、アルミニウム,金,ステンレス鋼,鉄,銀等の金属があげられる。また、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等),ポリカーボネート,ノルボルネン系樹脂,ポリエーテルスルフォン,ポリイミド,ポリアミド,セルロース,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂等の樹脂や、炭素や、紙等があげられる。あるいは、これらの複合体でもよい。ただし、ベースが分散媒によって膨潤や溶解を起こし、不都合が生じる場合には、分散媒がベースに拡散することを抑制するためバリア層を設けることが好ましい。
また、ベースの形状は特に限定されるものではないが、通常はフィルム状のベースや板状のベース(基板)が用いられる。さらに、線状体や繊維構造体をベースとして用いることもできる。
このように、本発明の有機半導体薄膜は、ウェットプロセスで製造することが可能である。よって、従来のドライプロセスと比較して低温,簡便,且つ短時間に薄膜を製造できるので、生産性が高く低コストである。本発明によれば、これまで不溶又は難溶とされていた縮合多環芳香族化合物の薄膜をウェットプロセスで製造することができるので、薄膜化可能な材料の数を増加させることができる。
このようにして製造された有機半導体薄膜は、高い結晶性及び高いキャリア移動度を有している。本発明の有機半導体薄膜を広角X線回折法によって解析すると、縮合多環芳香族化合物の共役面がベースの表面に対して垂直方向に配列した(00n)面の回折ピークが観測される(nは整数)。ただし、観測された面間距離から推測すると、縮合多環芳香族化合物の共役面とベースの表面とは必ずしも垂直であるわけではなく、5〜20°傾いた構造を取ることもある。(00n)面の回折ピークのうち、回折角2θの値が5〜10°の範囲にあるものについて、半価幅を比較することにより結晶性を評価することができる。一般に、蒸着法による有機半導体薄膜の回折ピークの半価幅は0.1〜0.3°程度であるが、本発明に係る製造法によって得られた有機半導体薄膜の回折ピークの半価幅は0.1〜0.4°であり、蒸着法と同等の結晶性を有している。
このような有機半導体薄膜を用いることにより、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等の分野において有益な半導体素子を製造することができる。このような半導体素子の例としては、ダイオード,トランジスタ,薄膜トランジスタ,メモリ,フォトダイオード,発光ダイオード,発光トランジスタ,センサ等があげられる。
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、ディスプレイに利用することが可能であり、液晶ディスプレイ(例えばアクティブマトリックス液晶表示装置),分散型液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,粒子回転型表示素子,エレクトロクロミックディスプレイ,有機発光ディスプレイ,電子ペーパー等の種々の表示素子に利用可能である。トランジスタ及び薄膜トランジスタは、これらの表示素子において表示画素のスイッチング用トランジスタ,信号ドライバー回路素子,メモリ回路素子,信号処理回路素子等に利用される。例えばアクティブマトリックス液晶表示装置に本発明の有機半導体薄膜を使用すれば、該装置の高画質化,低消費電力化,省スペース化が図られるとともに、フレキシブル化及び軽量化を実現することができる。
半導体素子がトランジスタである場合には、その素子構造としては、例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造、基板/半導体層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層(誘電体層)/ゲート電極という構造、基板/ソース電極(又はドレイン電極)/半導体層+絶縁体層(誘電体層)+ゲート電極/ドレイン電極(又はソース電極)という構造等があげられる。このとき、ソース電極,ドレイン電極,ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の半導体層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
トランジスタの構成としては、MOS(メタル−酸化物(絶縁体層)−半導体)型及びバイポーラ型のいずれでも採用可能である。縮合多環芳香族化合物は、通常はp型半導体であるので、ドナードーピングしてn型半導体とした縮合多環芳香族化合物と組み合わせたり、縮合多環芳香族化合物以外のn型半導体と組み合わせたりすることにより、素子を構成することができる。
また、半導体素子がダイオードである場合には、その素子構造としては、例えば、電極/n型半導体層/p型半導体層/電極という構造があげられる。そして、p型半導体層に本発明の有機半導体薄膜が使用され、n型半導体層に前述のn型半導体が使用される。
半導体素子における有機半導体薄膜内部又は有機半導体薄膜表面と電極との接合面の少なくとも一部は、ショットキー接合及び/又はトンネル接合とすることができる。このような接合構造を有する有機半導体素子は、単純な構成でダイオードやトランジスタを作製することができるので好ましい。さらに、このような接合構造を有する有機半導体素子を複数接合して、インバータ,オスシレータ,メモリ,センサ等の素子を形成することもできる。
さらに、本発明の有機半導体素子を表示素子として用いる場合は、表示素子の各画素に配置され各画素の表示をスイッチングするトランジスタ素子(ディスプレイTFT)として利用できる。このようなアクティブ駆動表示素子は、対向する導電性基板のパターニングが不要なため、回路構成によっては、画素をスイッチングするトランジスタを持たないパッシブ駆動表示素子と比べて画素配線を簡略化できる。通常は、1画素当たり1個から数個のスイッチング用トランジスタが配置される。このような表示素子は、基板面に二次元的に形成したデータラインとゲートラインとを交差した構造を有し、データラインやゲートラインがトランジスタのゲート電極,ソース電極,ドレイン電極にそれぞれ接合されている。なお、データラインとゲートラインとを分割することや、電流供給ライン,信号ラインを追加することも可能である。
また、表示素子の画素に、画素配線,トランジスタに加えてキャパシタを併設して、信号を記録する機能を付与することもできる。さらに、表示素子が形成された基板に、データライン及びゲートラインのドライバ,画素信号のメモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ等を搭載することもできる。
また、本発明の有機半導体素子は、ICカード,スマートカード,及び電子タグにおける演算素子,記憶素子としても利用することができる。その場合、これらが接触型であっても非接触型であっても、問題なく適用可能である。このICカード,スマートカード,及び電子タグは、メモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ,キャパシタ等で構成されており、さらにアンテナ,バッテリを備えていてもよい。
さらに、本発明の有機半導体素子でダイオード,ショットキー接合構造を有する素子,トンネル接合構造を有する素子を構成すれば、その素子は光電変換素子,太陽電池,赤外線センサ等の受光素子,フォトダイオードとして利用することもできるし、発光素子として利用することもできる。また、本発明の有機半導体素子でトランジスタを構成すれば、そのトランジスタは発光トランジスタとして利用することができる。これらの発光素子の発光層には、公知の有機材料や無機材料を使用することができる。
さらに、本発明の有機半導体素子はセンサとして利用することができ、ガスセンサ,バイオセンサ,血液センサ,免疫センサ,人工網膜,味覚センサ等、種々のセンサに応用することができる。通常は、有機半導体素子を構成する有機半導体薄膜に測定対象物を接触又は隣接させた際に生じる有機半導体薄膜の抵抗値の変化によって、測定対象物の分析を行うことができる。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末10mgとクロロホルム1mlとを混合し、2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末が均一に分散した分散液(本発明の構成要件である分散物に相当する)を調整した。表面に酸化膜を備えるシリコン基板上にこの分散液を展開し、クロロホルムを蒸発させて2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末の積層体を形成した。このシリコン基板を窒素雰囲気下において280℃に10分間保持すると、シリコン基板表面の2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末が融解し、均一な薄膜が形成された。
この薄膜の構造を広角X線回折法で解析したところ、面間距離16.8nmに対応する(00n)面(nは1〜3の整数)の回折ピークが観測された。そして、この回折ピークの半価幅は0.2°で、薄膜が高結晶性であることが確認された。
次に、n型シリコンで構成され、その表面に厚さ200nmの酸化膜を備えているシリコン基板を用意し、その表面に金電極のパターンをフォトリソグラフィーにて形成した。このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様にして2,3,9,10−テトラメチルペンタセン粉末の積層体を形成し、上記と同様に加熱処理して有機半導体薄膜を形成し、電界効果トランジスタを作製した。この電界効果トランジスタのシリコン基板をゲート電極、表面の金電極をソース・ドレイン電極として、電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、電界効果移動度は1.2cm2 /V・sで、on/off電流比は1×104 であった。
〔実施例2〕
ヘキサドデシルヘキサベンゾコロネン粉末10mgとイソプロピルアルコール1mlとを混合し、ヘキサドデシルヘキサベンゾコロネン粉末が均一に分散した分散液を調整した。表面に酸化膜を備えるシリコン基板上にこの分散液を展開し、イソプロピルアルコールを蒸発させてヘキサドデシルヘキサベンゾコロネン粉末の積層体を形成した。このシリコン基板を窒素雰囲気下において150℃に10分間保持すると、シリコン基板表面のヘキサドデシルヘキサベンゾコロネン粉末が融解し、均一な薄膜が形成された。
この薄膜の構造を広角X線回折法で解析したところ、面間距離20.8nmに対応する(00n)面(nは1〜3の整数)の回折ピークが観測された。そして、この回折ピークの半価幅は0.24°で、薄膜が高結晶性であることが確認された。
次に、n型シリコンで構成され、その表面に厚さ200nmの酸化膜を備えているシリコン基板を用意し、その表面に金電極のパターンをフォトリソグラフィーにて形成した。このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様にしてヘキサドデシルヘキサベンゾコロネン粉末の積層体を形成し、上記と同様に加熱処理して有機半導体薄膜を形成し、電界効果トランジスタを作製した。この電界効果トランジスタのシリコン基板をゲート電極、表面の金電極をソース・ドレイン電極として、電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、電界効果移動度は0.05cm2 /V・sで、on/off電流比は1×104 であった。
〔実施例3〕
テトラドデシルヘキサベンゾコロネン粉末を用いたこと以外は実施例2と同様にして、テトラドデシルヘキサベンゾコロネン粉末の積層体をシリコン基板上に形成した。このシリコン基板を窒素雰囲気下において190℃に10分間保持すると、シリコン基板表面のテトラドデシルヘキサベンゾコロネン粉末が融解し、均一な薄膜が形成された。
得られた薄膜の構造を広角X線回折法で解析したところ、面間距離39.4nmに対応する(00n)面(nは1〜4の整数)の回折ピークが観測された。そして、この回折ピークの半価幅は0.10°で、薄膜が高結晶性であることが確認された。
次に、実施例2と同様に作製した電界効果トランジスタの特性を評価した。その結果、電界効果移動度は0.08cm2 /V・sで、on/off電流比は1×105 であった。
〔実施例4〕
2,3,9,10−テトラプロピルペンタセン粉末25mgとメシチレン3mlとを混合し、2,3,9,10−テトラプロピルペンタセン粉末が均一に分散した分散液を調整した。表面に酸化膜を備えるシリコン基板上にこの分散液を展開し、メシチレンを蒸発させて2,3,9,10−テトラプロピルペンタセン粉末の積層体を形成した。このシリコン基板を窒素雰囲気下において220℃に10分間保持すると、シリコン基板表面の2,3,9,10−テトラプロピルペンタセン粉末が融解し、均一な薄膜が形成された。
この薄膜の構造を広角X線回折法で解析したところ、面間距離18.0nmに対応する(00n)面(nは1〜4の整数)の回折ピークが観測され、薄膜が高結晶性であることが確認された。
次に、n型シリコンで構成され、その表面に厚さ200nmの酸化膜を備えているシリコン基板を用意し、その表面に金電極のパターンをフォトリソグラフィーにて形成した。このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様にして2,3,9,10−テトラプロピルペンタセン粉末の積層体を形成し、上記と同様に加熱処理して有機半導体薄膜を形成し、電界効果トランジスタを作製した。この電界効果トランジスタのシリコン基板をゲート電極、表面の金電極をソース・ドレイン電極として、電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、電界効果移動度は0.85cm2 /V・sで、on/off電流比は1×104 であった。
〔比較例〕
無置換のヘキサベンゾコロネン粉末を用いたこと以外は実施例2と同様にして、ヘキサベンゾコロネン粉末の積層体をシリコン基板上に形成した。このシリコン基板を窒素雰囲気下において300℃に30分間保持したが、シリコン基板表面のヘキサベンゾコロネン粉末は粉末形態が保持されたまま融解せず、薄膜は形成されなかった。そこで、シリコン基板を窒素雰囲気下において400℃に30分間保持したところ、シリコン基板表面のヘキサベンゾコロネン粉末が昇華し、シリコン基板上から消失した。
次に、n型シリコンで構成され、その表面に厚さ200nmの酸化膜を備えているシリコン基板を用意し、その表面に金電極のパターンをフォトリソグラフィーにて形成した。このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様にしてヘキサベンゾコロネン粉末の積層体を形成し、窒素雰囲気下において300℃に30分間保持した。この積層体の電界効果トランジスタ動作を調査したが、ゲート電圧変化によるソース・ドレイン間の電流変調は認められなかった。また、ソース・ドレイン間の抵抗も極めて高く、電極間のコンタクトが不良であることが分かった。
本発明は、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等において好適である。

Claims (4)

  1. 2個以上15個以下のベンゼン環が縮合した多環構造を有する縮合多環芳香族化合物からなる有機半導体薄膜の製造方法であって、
    前記縮合多環芳香族化合物を分散媒に分散させた分散物をベース上に配し、前記縮合多環芳香族化合物の融点以上の温度に加熱して、前記分散媒を気化させるとともに前記縮合多環芳香族化合物を融解させることを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
  2. 前記縮合多環芳香族化合物が下記の化学式(I)で表されるような構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
    Figure 2005268450
    (I)
    ただし、化学式(I)中の官能基R1 ,R2 ,R3 ,R4 のうち少なくとも一部は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、ハロゲン基、ホルミル基、アシル基、エステル基、メルカプト基、チオアルキル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、又はこれらのうちの2以上の基を含む官能基であり、他部は水素原子である。また、化学式(I)中の官能基X,Yの少なくとも一方は水素原子又はハロゲン基であり、nは2以上7以下の整数である。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の有機半導体薄膜の製造方法により製造された有機半導体薄膜。
  4. 請求項3に記載の有機半導体薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする有機半導体素子。
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