以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明のシート状発熱成形体の一実施形態を示すものである。これらの図において、符号1はシート状発熱成形体を示している。
図1に示すように、シート状発熱成形体1は、被酸化性金属、保水剤及び繊維状物を含む発熱シート(以下、後述する電解質成分が含まれていない場合を発熱中間シート、電解質成分と水が含まれている場合を発熱シートという。)2の両面に通気性シート3及び非通気性シート4が積層されているとともに、通気性シート3及び非通気性シート4の表面にさらに表面材5、6がそれぞれ積層されている。
前記層構成のシート状発熱成形体1の表面には、スチールマッチエンボスロールによるエンボス加工によって多数の凹部11及び凸部12(凹凸部)が形成されている。本実施形態では、凹部11の底部110及び凸部12の頂部120は略正方形で、千鳥格子状に配されている。
前記凹凸部の高低差は、0.3〜5mm、特に0.5〜4mmが好ましい。凹凸部の高低差が斯かる範囲であると、得られるシート状発熱成形体の発熱性と表面への凹凸部の賦形がより良好となる。ここで、凹凸部の高低差は、シート状発熱成形体1における凹部11の底部110と凸部12の頂部120との高低差Dにより求められる。
個々の凹部3の底部30又は凸部4の頂部40の面積は、0.01〜100mm2、特に0.1〜25mm2とすることが好ましい。該面積を斯かる範囲とすることによって発熱シートと透湿シートを複数枚積層する場合などでのずれ防止ならびに、一体化を実現することができる。
また、シート状発熱成形体1の10cm2当たりに占める前記凹部11の底部110及び凸部12の頂部120の個数は、1〜10000個、特に10〜8000個とすることが好ましい。底部110及び頂部120の個数を斯かる範囲とすることによって発熱シートと透湿シートを複数枚積層する場合などでのずれ防止ならびに、一体化を実現することができる。
シート状発熱成形体1は、その坪量が10〜1000g/m2であることが好ましく、50〜600g/m2であることがより好ましい。該坪量が10g/m2以上であると被酸化性金属等の中でも比重の大きな材を使用する場合等においても、特に安定したシートを形成することができる点で好ましい。また、該坪量が1000g/m2を以下であると軽い重量感出せて使用感に優れる上に、生産性や操業性等の点でも好ましい。
シート状発熱成形体1は、発熱到達温度が30〜100℃であることが好ましく、35〜90℃であることがより好ましい。ここで、発熱到達温度は、シート状発熱成形体から50mm×50mmの試験片を切り出した後、該シート状発熱成形体にJIS Z208で測定される透湿度(以下、本明細書において、単に透湿度という。)が5000g/(m2・24h)の透湿シートと不透湿シートとを両側に袋状に貼り合わせて包装した後、容積4.2リットル、相対湿度1%以下の環境下で密封系内に5リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に前記透湿シート側を上面として静置して発熱させたときのシート状発熱成形体の下側の温度を熱電対で測定した値である。シート状発熱成形体1の発熱到達温度は、商品用途によって急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な商品等、前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
シート状発熱成形体1は、水蒸気発生量が、0.1〜100mg/(cm2・10min)であることが好ましく、1〜50mg/(cm2・10min)であることがより好ましい。本明細書において、水蒸気発生量というときは、例えば、以下のように測定される値をいう。
容積4.2リットル、湿度1RH%以下とし、密閉系内に5リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に水蒸気が蒸散可能なようにシートを静置して発熱させる。そして、前記密閉系内に排出される空気の湿度を湿度計で想定し、下記式(1)を用いて発熱開始後に発生する水蒸気量を求め、単位時間当たりの水蒸気量とした。そして、10分間の累積値を蒸気発生量として求めた。ここで、eは水蒸気圧(Pa)、esは飽和水蒸気圧(Pa:JIS Z8806より引用)、Tは温度(℃:乾球温度)、sはサンプリング周期(秒)である。
相対湿度U(%RH)=(e/es)×100
絶対湿度D(g/m3)=(0.794×10-2×e)/(1+0.00366T)
=(0.794×10-2×U×es)/〔100×(1+0.00366T)〕
単位空気容積P(リットル)=(2.1×s)/60
単位時間当たりの水蒸気量A(g)=(P×D)/1000・・・(1)
シート状発熱成形体1の水蒸気発生量は、発熱到達時間と同様に商品用途によって急激な発熱が必要な場合や比較的低温で長時間の持続が必要な商品等、前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
前記発熱中間シート2に含まれる前記被酸化性金属には、従来からこの種の発熱成形体に通常用いられている被酸化性金属を特に制限無く用いることができる。該被酸化性金属の形態は、取り扱い性、成形性等の観点から粉体、繊維状の形態を有するものを用いることが好ましい。
粉体の形態を有する被酸化性金属としては、例えば、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マンガン粉、マグネシウム粉、カルシウム粉等が挙げられ、これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄粉が好ましく用いられる。該被酸化性金属には、後述の繊維状物への定着性、反応のコントロールが良好なことから粒径(以下、粒径というときには、粉体の形態における最大長さ、又は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される平均粒径をいう。)が0.1〜300μmのものを用いることが好ましく、粒径が0.1〜150μmものを50重量%以上含有するものを用いることがより好ましい。
また、繊維状の形態を有する被酸化性金属としては、スチール繊維、アルミ繊維、マグネシウム繊維等が挙げられる。これらのなかでも取り扱い性、安全性、製造コストの点からスチール繊維、アルミ繊維等が好ましく用いられる。繊維状の形態を有する被酸化性金属は、成形性や得られるシートの機械的強度、表面の平滑性、発熱性能の点から繊維長0.1〜50mm、太さ1〜1000μmのものを用いることが好ましい。
前記発熱中間シート2中の前記被酸化性金属の配合量は、10〜95重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましい。該配合量が10重量%以上であると、得られるシート状発熱成形体1の発熱温度を、人が指先等で触って熱く感じる程度以上に上昇させることができ、発熱シート2を構成する後述の繊維状物、接着成分(凝集剤等)の量を抑えることができるため、成形体の通気性が十分なものとなり、その結果成形体内部まで十分に反応が起こり発熱温度を十分に上昇させることができる。また、発熱時間を十分な長さにできるほか、保水剤による水分供給も十分なものとすることができ、被酸化性金属の脱落も生じ難い。また、成形体を構成する後述の繊維状物、接着性分をある程度の量に維持することができるため、曲げ強度や引張強度等の機械的強度を十分なものとすることができる。ここで、発熱中間シート2中の被酸化性金属の配合量は、JIS P8128に準じる灰分試験で求めたり、例えば、鉄の場合は外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
前記保水剤には、従来から発熱成形体に通常用いられている保水剤を特に制限無く用いることができる。該保水剤は、水分保持剤として働く他に、被酸化性金属への酸素保持/供給剤としての機能も有している。該保水剤としては、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ、カンクリナイト、フローライト等が挙げられ、これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。該保水剤には、被酸化性金属との有効な接触状態を形成できる点から粒径が0.1〜500μmの粉体状のものを用いることが好ましく、0.1〜200μmのものを50重量%以上含有するものを用いることがより好ましい。保水剤には、上述のような粉体状以外の形態のものを用いることもでき、例えば、活性炭繊維等の繊維状の形態のものを用いることもできる。
発熱中間シート2中の前記保水剤の配合量は、0.5〜60重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましい。該配合量が0.5重量%以上であると、被酸化性金属が酸化反応により人体温度以上に温度上昇する程度に反応を持続させるために必要な水分をシート状発熱成形体1中に蓄積できる。また、シート状発熱成形体1の通気性が十分に確保されるため、酸素供給が十分に得られて発熱効率が高い発熱整形体となる。該配合量が60重量%以下であると、得られる発熱量に対するシート状発熱成形体1の熱容量を小さく抑えることができるため、発熱温度上昇が大きくなり、人が温かいと体感できる温度上昇が得られる。また、保水剤の脱落の発生や発熱シート2を構成する後述の繊維状物、接着成分の減少が抑えられるため、曲げ強度や引張強度等の機械的強度も十分に得られる。
前記繊維状物としては、例えば、天然繊維状物としては植物繊維(コットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ、落花生たんぱく繊維、とうもろこしたんぱく繊維、大豆たんぱく繊維、マンナン繊維、ゴム繊維、麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、羅布麻、椰子、いぐさ、麦わら等)、動物繊維(羊毛、やぎ毛、モヘア、カシミア、アルカパ、アンゴラ、キャメル、ビキューナ、シルク、羽毛、ダウン、フェザー、アルギン繊維、キチン繊維、ガゼイン繊維等)、鉱物繊維(石綿等)が挙げられ、合成繊維状物としては、例えば、半合成繊維(アセテート、トリアセテート、酸化アセテート、プロミックス、塩化ゴム、塩酸ゴム等)、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。また、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、デンプン、ポリビニルアルコール若しくはポリ酢酸ビニル又はこれらの共重合体若しくは変性体等の単繊維、又はこれらの樹脂成分を鞘部に有する芯鞘構造の複合繊維を用いることができる。そしてこれらの中でも、繊維どうしの接着強度が高く、繊維どうしの融着による三次元の網目構造を作り易すく、パルプ繊維の発火点よりも融点が低い点からポリオレフィン、変性ポリエステルが好ましく用いられる。また、枝分かれを有するポリオレフィン等の合成繊維も被酸化性金属や保水剤との定着性が良好なことから好ましく用いられる。これらの繊維は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの繊維は、その回収再利用品を用いることもできる。そして、これらの中でも、前記被酸化性金属、前記保水剤の定着性、得られるシート状発熱成形体の柔軟性、空隙の存在からくる酸素透過性、製造コスト等の点から、木材パルプ、コットンが好ましく用いられる。
前記繊維状物は、そのCSF(Canadian Standard Freeness)が、600ml以下であることが好ましく、450ml以下であることがより好ましい。600ml以下であると繊維状物と前記被酸化性金属や保水剤等の成分との定着性も十分に良好であり、所定の配合量を保持でき発熱性能を十分に発揮させることができる。また、均一な厚みのシートが得られ、繊維状物と該成分との定着が良好となり、該成分の脱落がし難く、該成分と該繊維状物との絡み合いや水素結合に由来する結合強度を持たせることができる。また、曲げ強度や引張強度等の機械的強度も十分なものとすることができ、加工性も良好である。
前記繊維状物のCSFは、低い程好ましいが、通常のパルプ繊維のみの抄紙では、繊維状物以外の成分比率が低い場合、CSFが100ml以上であると濾水性が十分に良好であり、脱水も十分に行うことができ均一な厚みの発熱シートが得られ、乾燥時にブリスター破れが生じず成形性も良好となる。本発明においては、繊維状物以外の成分比率が高いことから、濾水性も良好で均一な厚みの発熱シートを得ることができる。また、CSFが低い程、フィブリルが多くなるため、繊維状物と該繊維状物以外の成分との定着性が良好となり、高いシート強度を得ることができる。
繊維状物のCSFの調整は、叩解処理などによって行うことができる。CSFの低い繊維と高い繊維とを混ぜ合わせ、CSFの調整を行っても良い。
前記繊維状物は、そのゼータ電位がマイナス(負)であることが好ましい。ここで、ゼータ電位とは、荷電粒子界面と溶液間のずり面におけるみかけの電位をいい、流動電位法、電気泳動法等により測定される。そのゼータ電位がマイナスであると、繊維状物への前記被酸化性金属や保水剤等の成分の定着が良好であり、所定の配合量を保持できて発熱性能が優れたものとなるほか、排水に多量の該成分が混じることを抑えることができ、生産性、環境保全にも悪影響を及ぼすことがない。
該繊維状物には、平均繊維長が0.1〜50mmのものを用いることが好ましく、0.2〜20mmのものを用いることがより好ましい。該平均繊維長を斯かる範囲とすることで、得られる発熱シートの曲げ強度や引張強度等の機械的強度が十分に確保できるほか、繊維層が密になりすぎず発熱シートの通気性が良好となり、酸素供給が良好で発熱性に優れるものとなる。また、発熱シート中に該繊維状物を均一に分散できるため、一様な機械的強度が得られるほか、均一な肉厚の発熱シートが得られる。また、繊維間隔が広くなりすぎず、繊維による前記被酸化性金属や保水剤等の成分の保持能力が維持されて該成分が脱落し難くなる。
発熱中間シート2中の前記繊維状物の配合量は、2〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましい。該配合量が2重量%以上であると、被酸化性金属や保水剤等の成分の脱落を十分に防止できるほか、発熱シートを十分なものにすることができる。該配合量が50重量%以下であると、発熱成形体の発熱量に対する熱容量を抑えることができ、温度上昇を十分なものとすることができるほか、得られるシート状発熱成形体1中の該成分の比率をある程度以上に確保できるため、所望の発熱性能を十分に得ることができるので好ましい。
発熱中間シート2には、後述するように凝集剤が添加されていることが好ましい。
また、発熱シート2には、必要に応じ、サイズ剤、着色剤、紙力増強剤、歩留向上剤、填料、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等の抄紙の際に通常用いられる添加物を特に制限無く添加することができる。該添加物の添加量は、添加する添加物に応じて適宜設定することができる。
前記発熱中間シート2は、前記繊維状物以外の成分を50重量%以上含んでいることが好ましく、70重量%以上含んでいることがより好ましく、80重量%以上含んでいることがさらに好ましい。繊維状物以外の成分が50重量%以上であると、発熱温度を人の指先等で触って熱く感じる程度以上に十分に上昇させることができる。繊維状物以外の成分は多い程好ましいが、発熱シート2の加工性を維持するのに必要な強度を得る点から、その上限は、98重量%である。ここで、繊維状物以外の成分は、以下のように測定される。
前記発熱中間シート2中の繊維状物以外の成分は、原料組成物中の固形分重量、組成並びに発熱中間シート2の乾燥重量より以下の式から求められる。
原料組成物固形分の重量:Ms
原料組成物固形分中繊維状物の含有率:a(%)
発熱中間シートの乾燥重量:Mh
発熱中間シート中の繊維状物以外の成分の含有率:b
b=(Mh/Ms)×(100−a)
前記発熱中間シート2の厚みは、0.08〜1.2mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがより好ましい。該厚みが0.08mm以上であると、発熱性能、機械的強度、被酸化性金属や保水剤等の成分の定着が良好となり、安定した均一の肉厚、組成分布が得られるほか、ピンホールの発生等によるシートの破壊等が発生し難くなり、生産性及び加工性が良好となる。該厚みが1.2mm以下であると、シートの折曲強度を確保でき、脆性破壊を簡単に起こし難くなるほか、柔軟性も良好であり、特に肘、膝、顔等の身体部位の屈伸する部位に装着した場合、装着性が悪く違和感なく使用できる。また、生産性においても、紙層形成時間や乾燥時間の遅延が起こり難く、操業性も良好となる他、発熱性能が良好で、曲げ等の加工性にも優れる。
発熱中間シート2は、その坪量が10〜1000g/m2であることが好ましく、50〜600g/m2であることがより好ましい。該坪量が10g/m2以上であると被酸化性金属等の中でも比重の大きなものを使用する場合等において、特に安定したシートを形成することができる。該坪量が1000g/m2以下であると軽量で使用感が良好となり、生産性や操業性等も良好である。
前記発熱中間シート2の裂断長は、100〜4000mであり、200〜3000mであることが好ましい。該裂断長が100m以上であると、エンボス加工時の発熱シートの破断や切断の発生を抑えることができる。また、使用時においても、腰がなくぼろぼろと直ぐ破壊することもなく、使用感に優れるようになる。該裂断長が4000m以下であると、発熱シート2を構成する繊維状物、接着成分の量を抑えることができるため、柔軟で発熱性能に優れるものが得られる。ここで、裂断長は、発熱シート2から長さ150mm×幅15mmの試験片を切り出した後、JIS P8113に準じ、該試験片をチャック間隔100mmで引っ張り試験機に装着し、引っ張り速度20mm/minで引っ張り試験を行い、下記計算式により算出される値である。
裂断長〔m〕=(1/9.8)×(引張強さ〔N/m〕)×106/(試験片坪量〔g/m2〕)
発熱シート2に含まれる前記電解質には、従来からこの種の発熱成形体に通常用いられている電解質を特に制限なく用いることができる。該電解質としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属若しくは重金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられる。そしてこれらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄(第1、第2)等の各種塩化物が好ましく用いられる。これらの電解質は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
発熱シート2中の前記電解質の配合量は、発熱シート2中の水重量比で0.5〜30重量%であることが好ましく、1〜25重量%であることがより好ましい。該配合量が0.5重量%以上であると、得られるシート状発熱成形体1の酸化反応を十分に進行させることができ、発熱機能に必要な電解質を確保するために、発熱シート2中の水分の比率も抑えることができ、その結果、シート状発熱成形体1の発熱温度上昇が小さくなるのを防止できるため好ましい。該配合量が30重量%以下であると電解質の析出も起こりが難く、シート状発熱成形体1の通気性が良好であり、発熱機能に必要な電解質を確保するために、シート状発熱成形体1中の水分比率をある程度の大きさに保つことができ、十分な水が被酸化性金属等に供給され、発熱性能に優れ、シート状発熱成形体1に均一に電解質を配合することができるので好ましい。
発熱シート2は、含水率(重量含水率、以下同じ。)が10〜80%であることが好ましく、20〜60%であることがより好ましい。該含水率が10%以上であると酸化反応を持続するために必要な水分が十分に確保でき、酸化反応が途中で終了してしまうことを抑えることができるほか、シート状発熱成形体1に均一に水分を供給することができるため、均一な発熱性能を得ることができる。該含水率が80%以下であると得られるシート状発熱成形体1の発熱量に対する熱容量を低く抑えることができ、発熱温度を十分に上昇させることができるほか、シート状発熱成形体1の通気性が十分に得られるため、発熱性能に優れるとともに、保形性や機械的強度も十分に得られる。
発熱シート2は、発熱到達温度が30〜100℃であることが好ましく、35〜90℃であることがより好ましい。発熱シート2の発熱到達温度は、商品用途に応じ、前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
発熱シート2は、水蒸気発生量が、0.1〜100mg/(cm2・10min)であることが好ましく、1〜50mg/(cm2・10min)であることがより好ましい。発熱シート2の水蒸気発生量は、発熱到達時間と同様に商品用途に応じ、前述の配合組成の組み合わせにより任意に設計ができる。
前記通気性シート3は、通気性を有するシートであれば特に制限はないが、透湿度が10〜10000g/(m2・24h)、特に100〜8000g/(m2・24h)であることが好ましい。透湿度がこのような範囲にあると酸素の供給がスムーズになり、すばやい発熱と水蒸気の発生を可能とする。通気性シート3は、その全面に通気性を有していてもよく、部分的に通気性を有していてもよい。
通気性シート3は、坪量が10〜200g/m2、特に20〜100g/m2であることが好ましい。通気性シート3の坪量がこのような範囲であると、発熱体のフレキシブル性を損なわない他に、エンボス加工を行った際のシート破れを抑制することができる。
通気性シート3としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂からなるシートに機械的に孔を形成させたもの、前記樹脂と無機フィラーの混合シートを延伸により界面剥離させ微孔を設けたもの、また、その結晶構造の界面剥離を利用し、微孔を形成させたもの、発泡成形による連続気泡を利用し微孔を連通させたものなどが挙げられる。また、ポリオレフィン等の合成パルプ、木材パルプ、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維等から形成された不織布、織布、合成紙、紙等が挙げられる。通気性シート3は複数枚を重ねて用いることもできる。
非通気性シート4は、非通気性を有するシートであれば特に制限はないが、透湿度が10g/(m2・24h)以下、特に1g/(m2・24h)以下であることが好ましい。
非通気性シート4は、坪量が10〜200g/m2、特に20〜100g/m2であることが好ましい。非通気性シート4の坪量がこのような範囲であると、発熱に伴う水蒸気の発生方向を当該通気性シートによって規制することができるほか、加温具の柔かさやフレキシブル性を維持しかつ該発熱体の隠蔽性を向上させることができる。
非通気性シート4としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂からなるシートが挙げられ、特に発熱体の隠蔽性が必要とさせる場合は、前記樹脂中に酸化チタン等の無機フィラーを配合したシートが挙げられる。非通気性シート4は一枚のみ、又は二枚以上重ねることもできる。
表面材5、6は、風合いがよくフレキシブル性を有する材であれば特に制限はないが、表面材の厚みが0.1〜2.0mm、特に0.2〜1.0mmであることが好ましい。表面材の厚みがこのような範囲であると発熱体の熱が表面材により、緩和され、やわらかな温感を与えることができる。
前記表面材5、6は、坪量が5.0〜200g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。表面材の坪量が5.0g/m2以上であると、強度、破れにくさの点で好ましいまた、坪量が200g/m2以下であると肌触り等の感触も良好であり、表面材が十分に断熱材として働き熱伝導の点でも好ましい。
表面材5、6としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維、コットン、麻等の植物繊維、ウール、シルク等の動物性繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維等を用いた不織布、和紙・洋紙・合成紙、布、毛織物などの織物材料、皮革材料等が挙げられる。表面材5、6は複数枚を重ねて用いることもできる。
次に、シート状発熱成形体1の製造方法について説明する。
シート状発熱成形体1の製造に際しては、先ず、前記被酸化性金属、前記保水剤、前記繊維状物、及び水を含む原料組成物(スラリー)を調製し、該原料組成物から前記発熱中間シート2を抄紙により成形することが好ましい。
該原料組成物には、前記凝集剤を添加することが好ましい。
該凝集剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄等の金属塩からなる無機凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル系、カルボキシメチルセルロースナトリウム系、キトサン系、デンプン系、ポリアミドエピクロヒドリン系等の高分子凝集剤;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド系若しくはエチレンイミン系のアルキレンジクロライドとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物等の有機凝結剤;モンモリロナイト、ベントナイト等の粘土鉱物;コロイダルシリカ等の二酸化珪素若しくはその水和物;タルク等の含水ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。そして、これら凝集剤の中でもシートの表面性、地合い形成、成形性の向上、被酸化性金属や保水剤等の材の定着率、紙力向上の点からアニオン性のコロイダルシリカやベントナイト等とカチオン性のデンプンやポリアクリルアミド等の併用やアニオン性のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩やポリアクリルアミドとカチオン性のポリアミドエピクロルヒドリン系やポリアクリルアミド等のカチオン性とアニオン性の薬剤の併用が特に好ましい。上述の組み合わせ以外でも、これらの凝集剤は単独で又は二種以上を併用することもできる。
前記凝集剤の添加量は、原料組成物の固形分に対して、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ましい。0.01重量%以上であると、凝集効果に優れ、抄紙時の被酸化性金属や保水剤等の成分の脱落も抑えることができ原料組成物が均一となり、肉厚及び組成の均一な発熱シートを得ることができる点で優れている。該添加量が5重量%以下であると、乾燥時の乾燥ロールに貼り付き、破れ、焼け、焦げ等の発生を抑えることができ、生産性に優れ、原料組成物の電位バランスを良好に保ち、抄紙時の白水への該成分の脱落量も抑えることができる点で優れている。また、発熱シートの酸化反応が進行し、発熱特性や強度等の保存安定性に優れる。
前記原料組成物の濃度は、0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。該濃度が0.05重量%以上であると大量の水を必要とせず、発熱シートの成形に長時間を要せず、均一な厚みの発熱シートを成形することができる点で好ましい。該濃度が10重量%以下であると原料組成物の分散状態も良好であり、得られるシートの表面性にも優れ、均一な厚みのシートが得られる点で優れている。
次に、前記原料組成物を抄紙して前記発熱中間シートを成形する。
前記発熱中間シートの抄紙方法には、例えば、連続抄紙式である円網抄紙機、長網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いた抄紙方法、バッチ方式の抄紙方法である手漉法等が挙げられる。更に、前記原料組成物と、該原料組成物と異なる組成の組成物とを用いた多層抄き合わせによって発熱中間シートを成形することもできる。また、前記原料組成物を抄紙して得られた発熱中間シートどうしを多層に貼り合わせたり、該発熱中間シートに該原料組成物と異なる組成を有する組成物から得られたシート状物を貼り合わせることによって発熱中間シートを成形することもできる。
前記発熱中間シートは、抄紙後における形態を保つ(保形性)点や、機械的強度を維持する点から、含水率(重量含水率、以下同じ。)が70%以下となるまで脱水させることが好ましく、60%以下となるまで脱水させることがより好ましい。抄紙後の発熱中間シートの脱水方法は、例えば、吸引による脱水のほか、加圧空気を吹き付けて脱水する方法、加圧ロールや加圧板で加圧して脱水する方法等が挙げられる。
前記被酸化性金属(通常雰囲気下において加熱反応性を有する)を含有する発熱中間シートを、積極的に乾燥させて水分を分離することにより、製造工程中における被酸化性金属の酸化抑制、長期の保存安定性に優れた発熱中間シートを得ることが可能となる。さらに、乾燥後の前記繊維状物への被酸化性金属の担持力を高めてその脱落を抑える点に加え、熱溶融成分、熱架橋成分の添加による機械的強度の向上が期待できる点から、前記発熱中間シートの抄紙後で前記電解質の電解液を含有させる前に該発熱中間シートを乾燥させることが好ましい。
前記発熱中間シートは、加熱乾燥によって乾燥することが好ましい。この場合、加熱乾燥温度は、60〜300℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。発熱中間シートの加熱乾燥温度を斯かる温度範囲とすることで、乾燥時間を短くできるため、水分の乾燥に伴う被酸化性金属の酸化反応を抑えることができ、得られる発熱シートの発熱性の低下を防ぐことができる。また、発熱シートの表裏層のみ被酸化性金属の酸化反応を抑えることができるため、うす茶色に変色することを防ぐことができる。さらに保水剤等の性能劣化を抑えることができるため、発熱シートの発熱効果を維持することができるほか、発熱中間シート内部で急激に水分が気化して発熱シートの構造が破壊されたりすることを防ぐことができる。
乾燥後における発熱中間シートの含水率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。含水率が20%以下であると長期保存安定性に優れ、例えば巻きロール状態で一時保存しておく場合等においても該ロールの厚み方向で水分の移動が起こり難く、発熱性能、機械的強度に変化がなく、優れている。
前記発熱中間シートの乾燥方法は、当該発熱中間シートの厚さ、乾燥前の発熱中間シートの処理方法、乾燥前の含水率、乾燥後の含水率等に応じて適宜選択することができる。該乾燥方法としては、例えば、加熱構造体(発熱体)との接触、加熱空気や蒸気(過熱蒸気)の吹き付け、真空乾燥、電磁波加熱、通電加熱等の乾燥方法が挙げられる。また、前述の脱水方法と組み合わせて同時に実施することもできる。
前記発熱中間シートの成形(脱水、乾燥)は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、上述のように発熱中間シートに酸化助剤となる電解質を含有していないので、必要に応じて通常の空気雰囲気下で成形を行うこともできる。このため、製造設備を簡略化することができる。得られた発熱中間シートは、薄くて破れにくいので、必要に応じ、ロール状に巻き取ることができる。
乾燥した発熱中間シート2には、必要に応じて、クレープ処理、スリット加工、トリミングを施したり、ニードルパンチ加工を行うことにより孔あけを行うこともできる。また、前記原料組成物に熱可塑性樹脂成分や熱水解成分を含有させることにより、ヒートシール加工を施して貼り合わせ等を行い易くすることもできる。
次に、乾燥した発熱中間シート2に前記層構成となるように、通気性シート3、非通気性シート4及び表面材5、6を積層させ、これらをスチールマッチングローラーに通してエンボス加工を施し、前記凹部11及び凸部12を形成して多層化する。この際に、発熱シートと通気性シート又は非通気性シートとの層間に熱可塑性樹脂成分や、乾燥により接着性を示す成分層を設けることで、更なる一体性の向上を得ることもできる。
次に、前記発熱中間シート2に、前記電解質を含有させる。この電解質を含有させる工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、電解質をその電解液の含浸により添加する場合には、添加直後の酸化反応がゆるやかなため、通常の空気雰囲気下で該電解質を含有させることもできる。
前記発熱中間シートへ前記電解質を含有させる方法は、抄紙後における該発熱中間シートの処理方法、含水率、形態、多層化したシートの層構成等に応じて適宜設定することができる。該電解質を含有させる方法としては、例えば、前記発熱中間シートに、前記電解質の所定濃度の電解液を含浸させる方法、前記電解質の所定粒径のものを固体のまま添加して発熱中間シートに含有させる方法等が挙げられる。発熱中間シートに電解質を均一に含有させることができる点や含水率の調整が同時に行える点からは、所定濃度の電解液を含浸させる方法が好ましい。
上述のように前記電解質をその電解液で前記発熱中間シートに含浸させる場合、その含浸方法は、発熱中間シートの厚み等の形態、含水率に応じて適宜選択することができる。該含浸方法には、所定濃度の該電解液を該発熱中間シートにスプレー塗工する方法、該電解液をシリンジ等で該発熱中間シートの一部分に注入し、前記繊維状物の毛管現象を利用して該発熱中間シート全体に浸透させる方法、刷毛等で塗工する方法、該電解液に浸漬する方法、グラビアコート法、リバースコート法、ドクターブレード法等が挙げられ、これらの中でも、電解質を均一に分布でき、簡便で、設備コストも比較的少なくて済む点からスプレー塗工する方法が好ましい。また、複雑な形状、層構成の商品においては生産性が向上する点や、最終仕上げを別工程とできることにより生産のフレキシブル性が良好となる点、設備が簡便となる点からは、所定濃度の電解液をシリンジ等で注入する方法が好ましい。この電解液を注入する方法は、前記多層化したシートを所定の収容体に収容した後に行うこともできる。
上述のように発熱中間シートに電解質を含有させた後、必要に応じて含水率を調整し、安定化させてシート状発熱成形体1とする。そして必要に応じ、トリミング等の処理を施し、所定の大きさに加工することができる。得られたシート状発熱成形体1は、未使用状態では酸素不透過性の包装材で包装されて提供される。
以上説明したように、本実施形態のシート状発熱成形体1は、前記組成を有し所定の裂断長の発熱シートの表裏に、通気性シート及び非通気性シートがそれぞれ積層されてエンボス加工が施され、表面に多数の凹凸部が形成されているため、使用を開始して直ぐに高い発熱性が得られ、しかも柔軟性にも優れている。また、構成材料の脱離を抑えることができる。
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
例えば、前記実施形態のシート状発熱成形体1では、発熱中間シートをスチールマッチングロールに通すことによって発熱中間シートの両側からエンボス加工を施したが、図3に示すシート状発熱成形体1’のように、凹凸ロールとフラットロールの間を通すことによって一方の面からのみエンボス加工を施すこともできる。この場合、凹凸部の高低差Dは、発熱中間シートを複数枚積層する場合などでのずれ防止ならびに、一体化を実現できるな点から0.3〜5mm、特に0.5〜4mmとすることが好ましい。また、凹凸ロールとフラットロールとの接触によって押圧されて形成される個々の凸部4の頂部40(又は凹部の底部)の面積は、前記シート状発熱成形体1における理由と同様に、0.01〜100mm2、特に0.1〜25mm2とすることが好ましい。また、この場合のシート状発熱成形体10cm2当たりに占める凸部4の頂部40(又は凹部の底部)の個数は、前記シート状発熱成形体1における理由と同様に、1〜10000個、特に10〜8000個とすることが好ましい。
また、エンボス加工によって前記発熱中間シートに賦与する凹部及び頂部の形態は、前記実施形態に制限されるものではない。例えば、矩形、多角形、円形、楕円形、長円形その他の形態を採用することもできる。また、凹部及び頂部はフラットであることが好ましいが、湾曲していてもよい。また凹凸部の縦断面の外形輪郭の形態も特に制限されるものではなく、前記実施形態のような台形以外に、三角形状、矩形状、半円状、半楕円、半長円状、釣り鐘状の形態であってもよい。
また、本発明のシート状発熱成形体は、前記実施形態のように発熱シート2の表裏に通気性シート及び非通気性シートが積層されていることが好ましいが、これらのシートが片面にのみ積層されていてもよい。また、両面に通気性シートが積層されていてもよい。
以下、本発明のシート状発熱成形体を実施例によりさらに具体的に説明する。
下記実施例1及び2並びに比較例1〜3のようにして、下記及び表1に示す配合の原料組成物から発熱中間シートを作製した。そして、得られた発熱中間シートを下記のように多層化した後、下記のようにスチールマッチングロールによってエンボス加工を施して凹凸部を形成し、所定の形状に裁断して電解質を含まないシート状発熱成形体を作製した。さらに、下記電解質を含ませて所望のシート状発熱成形体を作製した。
〔実施例1〕
<原料組成物配合>
被酸化性金属:鉄粉、同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」:8.3g
繊維状物:パルプ繊維(NBKP、フレッチャー・チャレンジ・カナダ、商品名「Mackenzi」、平均繊維長さ=2.1mm):1.1g
保水剤:活性炭(45μメッシュ分級品、武田薬品(株)製、商品名「カルボラフィン」)1.7g
凝集剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業薬品(株)製、商品名「セロゲン」WS−C)0.06g、及びポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、商品名「WS547」)0.44g
水:工業用水 20000g
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5質量%
<抄紙条件>
上記原料組成物を300rpmで1分間の撹拌条件で撹拌した。そして、JIS P8209に準じて熊谷理機工業(株)製、標準角型シートマシンならびに80mesh抄紙ネットを用いて抄紙を行った。そして、熊谷理機工業(株)製、KRK回転型乾燥機を用いて、含水率が1質量%以下となるように乾燥を行って発熱中間シートを得た。
<エンボス加工>
得られた発熱中間シートの両面に、下記通気性シートを積層して多層(3層)化するとともに、下記条件でエンボス加工を施した。
通気性シート:ポリエステル繊維20%混抄紙、坪量20g/m2
<エンボス加工条件>
エンボスローラーの寸法形状等:由利ロール株式会社製、油圧式4本ロールエンボス機を使用。エンボスローラーの凹凸差1mm
プレス温度:常温
プレス圧力:凹凸部の高低差が1mmとなるように調整
高低差D:1mm
底部及び頂部の形状及び面積:楕円形状(長径 2mm、短径1mm)、1.6mm2
シート100cm2当たりの凹凸部の底部及び頂部の個数:2500個
<電解液添加条件>
電解質を含まないシート状発熱成形体を50mm×50mmに切り取り、発熱中間シートの重量に対し電解液量が35%となるように、シリンジを用いてエンボスもしくはシートの重ね合わせの隙間より前記電解液を注入し、毛管現象を利用してシート成形体全体に浸透させてシート状発熱成形体を得た。
〔実施例2〕
凹凸の高低差を0.3mmとした以外は実施例1と同様にしてシート状発熱成形体を作製した。
〔比較例1〕
実施例1の発熱シートにエンボス加工を施さず、2枚重ねて使用した以外は、実施例1と同様にしてシート状発熱成形体を作製した。
〔比較例2〕
使用するパルプフリーネスを700mlとした以外は、実施例2と同様にしてシート状発熱成形体を作製した。
〔比較例3〕
使用するパルプフリーネスを700mlとした以外は、実施例1と同様にしてシート状発熱成形体を作製した。
得られたシート状発熱成形体における発熱中間シートと通気性シートとの一体性を、シート間のずれと切断面等からの粉体脱離に基づいて下記のように評価するとともに、発熱特性を調べた。それらの結果を表2に示す。
〔成形体の一体性の評価〕
電解質を含まないシート状発熱成形体から50×50mmの試験片に切り出した後、振動面に白色紙を貼り付けた振動機(ヤマト科学株式会社製、タッチミキサーMT−51)を用い、スピードセットメモリ「1」で連続駆動にて振動を加えたときの、ずれ及び切断面等からの構成成分の脱離を下記の3段階評価し、該評価に基づいてシートの一体性を評価した。
<シート間ずれ評価>
○:1分間の振動を加えても積層されたシート同士のずれが生じない
△:1分間以内に積層されたシート同士にずれが生じるが、ずれ幅が5mm以下
×:1分間以内に積層されたシート同士にずれが生じ、そのずれ幅が5mm以上
<切断端部等からの構成成分の脱離評価>
○:1分間の振動を加えた後の、振動面に貼り付けた白色紙上において、脱離した構成成分がほとんど認められない。
△:振動面に張り付けた白色紙上において、多層化されたシートが移動した一部にのみ多少構成成分の脱落が認められる。
×:振動面に張り付けた白色紙上において、多層化されたシートが移動した全面にわたり構成成分の脱落が多く観察される。
〔発熱特性の評価〕
電解質を含ませたシート状発熱成形体(50×50cm)を、容積4.2リットル、湿度1RH%以下とし、密封系内に5リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に前記透湿シート側を上面として静置して発熱させた。そして、当該発熱シートの下側の温度を熱電対で測定して発熱温度とした。
表2に示すように、実施例のシート状発熱体は、積層されたシート間のずれが抑制され一体化がなされているほか、構成成分の脱離が少なく、発熱特性も良好であった。