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JP2005118098A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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JP2005118098A JP2003353531A JP2003353531A JP2005118098A JP 2005118098 A JP2005118098 A JP 2005118098A JP 2003353531 A JP2003353531 A JP 2003353531A JP 2003353531 A JP2003353531 A JP 2003353531A JP 2005118098 A JP2005118098 A JP 2005118098A
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Takeshi Yao
武 八尾
Takeshi Nakayama
武 中山
Tetsuhiko Takahashi
哲彦 高橋
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Abstract

【課題】静磁場発生装置の磁気回路が空間的に非対称であっても、傾斜磁場を印加した場合の磁気特性の対称性を高めることのできるMRI装置を提供する。
【解決手段】磁極板31と傾斜磁場発生部34との間に、磁極板31を構成する材料よりも透磁率の高い高透磁率部材37と、永久磁石38とを配置する。この永久磁石38は、撮像領域30の静磁場の向きと平行な向きに着磁されているものを用いることができる。これにより、高透磁率部材37の全体には、静磁場と永久磁石38の発生する磁場とが重畳されるため、静磁場の非対称性の影響を低減することができる。また、永久磁石38の着磁方向が静磁場の向きと平行であるため、高透磁率部材の磁化を静磁場の向きに向かせる作用も得られる。これらの作用により、高透磁率部材の磁気特性の対称性を高めることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に、傾斜磁場を印加した場合に静磁場発生装置の磁気特性の対称性に優れたMRI装置に関する。
MRI装置は、被検体を配置する撮像領域に均一な静磁場空間を発生させる静磁場発生装置を備えている。一般的な静磁場発生装置は、典型的には30cm程度の球状の撮像領域に0.2Tから1.5T程度の強度で、0.5〜30ppmの均一度の磁場を発生させるように構成されている。磁場発生源としてコイルを用いる静磁場発生装置の一般的な構造としては、例えば図12に示すように撮像領域130を挟んで上下に配置された静磁場発生コイル132と、静磁場を均一にするために静磁場発生コイル132の内側にそれぞれ配置された磁極板131と、磁極板131を連結して磁気回路を構成する継鉄135ならびに鉄柱133とを含む。このとき撮像領域130の周囲をできるだけ開放された空間とするために、鉄柱133を磁極板131の左右方向のいずれか片側のみに配置した左右非対称なC字型の磁気回路の構造のものが知られている。なお、磁極板131は、静磁場の均一度を高めるために表面に溝137が形成されている(特許文献1参照)。また、図12の例では、磁極板131と継鉄135ならびに鉄柱133は、鉄等の強磁性体により一体に構成されている。
また、上下の磁極板131の撮影領域130側には、被検体からのNMR信号に対して位置情報を付加するために、撮影領域130に傾斜磁場を印加する傾斜磁場発生コイル134がそれぞれ配置される。傾斜磁場コイル134は、磁極板131の周囲の磁極突起部136の内側に配置される。傾斜磁場発生コイル134の発生する磁場は、典型的には10mT/m〜50mT/m、スリューレート50〜300T/m/s程度である。
しかしながら、従来より静磁場発生装置と傾斜磁場発生コイル134との
(1)非線形な相互作用
(2)空間的に非対称な相互作用
の2つが問題となっている。非線形な相互作用(1)とは、磁極板131を構成する鉄等の強磁性体が、傾斜磁場コイル134の傾斜磁場を受けることにより非線形なB−H特性を持つようになり、静磁場発生コイル132の電流を0にして磁場の発生をオフにしても磁極板131の残留磁場により静磁場が0にならなくなる現象をいう。
もう一つの空間的非対称性(2)について図13を用いて説明する。図13は、静磁場発生装置が静磁場を発生している状態の磁極板131、磁極突起部136、継鉄135ならびに鉄柱133の磁化の大きさと向きを矢印の長さと向きによって示している。図13の磁気回路は、右側に帰還路があるC字型であり、左右(x方向)について非対称であるため、磁極板131の表面上の図中の位置(a)と位置(b)では、撮影領域130の中心から等距離にあるにも関わらず、磁化の大きさが非対称になる。例えば、位置(b)に比べて位置(a)では、2倍程度の大きさの磁化となり得る。
このように磁極板131の磁化が左右非対称であることは、次のような弊害をもたらす。第1に、磁極板131の位置(a)と位置(b)の磁化Mの大きさが非対称であるため、撮影領域130内の位置(c)と位置(d)の磁束密度(静磁場)Bも非対称となる。すなわち、撮影領域130における静磁場Bがx方向について非対称となり、均一度が低下する(2−1)。第2に、磁極板131上の位置(a)と位置(b)における磁化Mが異なると微分透磁率(dB/dH)も異なるため、傾斜磁場ΔHをかけた時(H+ΔH)の磁気的振る舞いが位置(a)と位置(b)とで異なる(2−2)。磁気的振る舞いが異なる現象の一つは、傾斜磁場のΔHが印加された場合の磁極板131の磁化Mの変化すなわち、マイナーループの形状に位置(a)と位置(b)とで差が生じることである(2−2−1)。もう一つは傾斜磁場印加ΔHによる渦電流の大きさが位置(a)と位置(b)とで異なることである(2−2−2)。ここで渦電流とは、傾斜磁場ΔHを打ち消すように磁極板131に流れる電流であり、その大きさはdΔH/dtに比例する。上記(2−2−1)および(2−2−2)により磁極板131の磁束密度の変化が左右非対称に生じ、これが傾斜磁場ΔHに重畳されるため、撮像領域130に実際に印加される傾斜磁場ΔHの値と設定値との誤差が大きくなり、画質を低下させる。
上述の非線形な相互作用(1)による磁極板131の非線形なB−H特性を低減するために、磁極板131の表面に高抵抗かつ高透磁率な材料を貼ることが提案されている(特許文献2および特許文献3参照)。この方法は、高透磁率な材料が傾斜磁場コイルの傾斜磁場を磁極板まで到達させないように作用するため、磁極と傾斜磁場との相互作用を減少させる効果が得られ、しかも渦電流が生じにくい。また、特許文献1および特許文献4には、静磁場の均一度を高めるため溝が形成された磁極板から離れた位置に平板状の高透磁率材料を配置することを開示している。
また、上述の左右非対称な静磁場B(2−1)を補正するために、鉄片シムやシムコイル等の別な手段を配置することが知られている。また、磁極板の渦電流が左右非対称に生じること(2−2−2)を補正するために、導体を貼り付ける方法が知られている(特許文献5参照)。
特開2002−153439号 USP5,061,897 USP5,555,251 USP6,498,488 特開昭63−150060号
従来の非対称の磁気回路を有する静磁場発生装置では、上記4つの課題(1,2−1,2−2−1,2−2−2)が生じていた。このうち(1),(2−1)、(2−2−2)についてはそれらを低減するための手法がそれぞれ上述したように提案されているが、(2−2−1)の課題については、従来補正することが困難であった。また、上述した(1)、(2−1)、(2−2−2)の課題を低減する手法についても、1つの手法で1つの課題を低減することはできるが、1つの手法ですべての課題を一度に解決することはできなかった。
静磁場発生コイルとして超電導コイルを用いる静磁場発生装置では、発生する静磁場の大きさが大きいため、高画質化が可能である一方で、上記(2−1,2−2−1,2−2−2)の課題が大きく生じる。このため、超電導コイルを用いるMRI装置での上記課題の改善が強く求められている。
本発明は、静磁場発生装置の磁気回路が空間的に非対称であっても、傾斜磁場を印加した場合の磁気特性の対称性を高めることのできるMRI装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、磁極板と傾斜磁場発生部との間に、磁極板を構成する材料よりも透磁率の高い高透磁率部材と、高透磁率部材に磁場を印加するための永久磁石とを配置する。高透磁率部材の全体には、静磁場と永久磁石の発生する磁場とが重畳して印加されるため、静磁場の非対称性の影響を低減することができる。
この永久磁石は、撮像領域の静磁場の向きと平行な向きに着磁されているものを用いることができる。これにより、高透磁率部材の磁化を静磁場の向きに向かせる作用も得られ、高透磁率部材の磁気特性の対称性を高めることができる。
永久磁石は、撮像領域の中心軸に対して空間的に対称な形状を有するものを用いることができる。
高透磁率部材および永久磁石として板状部材を用い、重ねて配置する構成にすることができる。
永久磁石としては、複数の磁石を撮像領域の中心軸に対して空間的に対称な形状に並べて高透磁率部材に搭載したものを用いることができる。
永久磁石としては、複数のリング状の磁石を撮像領域に中心軸に対して同心円状に配置して、高透磁率部材に搭載したものを用いることができる。
上記複数のリング状の磁石は、互いに間隔があくように配置することができ、リング状の磁石の幅および間隔は、撮像領域の静磁場の均一度を補正するように定めることができる。
上記複数のリング状の磁石は、磁極板に接するように配置することが可能である。
永久磁石は、高透磁率部材と磁極板との間に配置される構成とし、永久磁石と磁極板との間にさらに第2の永久磁石を配置することが可能である。このとき、第2の永久磁石は、撮像方向の静磁場の向きとは交差する方向に着磁されているものを用いることができる。
高透磁率部材としては、珪素鋼または絶縁処理した鉄粉を樹脂で固めたものを用いることが可能である。
本発明によれば、静磁場発生装置の磁気回路が空間的に非対称であっても、傾斜磁場を印加した場合の磁気特性の対称性を高めることのできるMRI装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の静磁場発生装置を備えたMRI装置について、図面を用いて説明する。
本実施の形態のMRI装置は、図1に示したように、被検体401を配置する撮像領域に均一な静磁場空間を発生させる静磁場発生装置402を有している。静磁場発生装置402は、図2に斜視図を、図3に断面図を示したように、球状の撮像領域30にz方向の静磁場を発生させるため、撮像領域30を挟んで上下に配置された一対の静磁場発生コイル32と、静磁場を均一にするために静磁場発生コイル30の内側にそれぞれ配置された磁極板31と、磁極板31を連結して磁気回路を構成する継鉄35ならびに鉄柱33とを含む。磁極板31は、強磁性体である鉄製であり、本実施の形態では磁極板31と継鉄35と鉄柱33が一体に構成されている。磁極板31の表面には、静磁場の均一度を高めるために溝237が形成されている。
鉄柱33は、撮像領域30の周囲を広く開放された空間とするために、磁極板31の片側に配置されている。これにより、磁極板31、継鉄35ならびに鉄柱33で構成される磁気回路は、左右非対称なC字型となっている。
なお、撮像領域30の大きさは、一例としては30cm程度であり、静磁場の強度は、例えば0.2Tから1.5T程度、その均一度は、例えば0.5〜30ppmとなるように設計することができる。
静磁場発生コイル32は、通常のコイルまたは、クライオスタット内に収容した超電導コイルを用いることができる。静磁場発生コイル32の内周側には磁極板31を取り囲むように、継鉄35と連結した磁極突起部36が備えられている。磁極突起部36の内側には、傾斜磁場発生コイル34が配置される。傾斜磁場発生コイル34は、被検体からのNMR信号に対して位置情報を付加するための傾斜磁場を撮影領域30に印加する。傾斜磁場の大きさは、例えば10mT/m〜50mT/m、スリューレート50〜300T/m/s程度にすることができる。
本実施の形態ではさらに、磁極板31と傾斜磁場発生コイル32との間の空間に、高透磁率部材37と永久磁石38とを配置する。高透磁率部材37は、傾斜磁場発生コイル34側に配置され磁極板31を構成する強磁性体よりも透磁率が高い部材である。傾斜磁場コイル32の発生する傾斜磁場の磁束は、磁極板31よりも透磁率が高い高透磁率部材37を通過するため、傾斜磁場が磁極板31に到達するのを防ぐ作用をする。なお、高透磁率部材37は、渦電流が生じるのを防ぐため電気抵抗値が高いものであることが望ましい。例えば、高透磁率部材37として、積層珪素鋼鈑や、絶縁鉄粉を樹脂で固め板状にしたものを好適に用いることができる。高透磁率部材37が厚すぎると、磁極板31の溝237による磁場均一度の調整が困難になるので、50mm程度以下にすることが望ましいが、逆に薄すぎると傾斜磁場の磁束が高透磁率部材37を通り抜けて磁極板31に到達してしまうので、約5mmから50mmの間の厚さにすることが望ましい。
永久磁石38は、厚さ方向(z方向)に着磁された板状の磁石であり、高透磁率部材37の磁極板31側の面に貼り付けられている。永久磁石38は、通常に製造されたものであればよいが、なるべく薄く、軽いものが望ましいので、最大エネルギー積が大きいNb-Fe-B系等の希土類系の永久磁石を用いることが望ましい。
永久磁石38の作用について説明する。高透磁率部材37を配置したことにより、傾斜磁場発生コイル34の傾斜磁場ΔHの磁束が磁極板31に到達しにくくなるため、従来の技術の欄で説明した問題(1,2−1,2−2−1,2−2−2)のうち、磁極板31が非線形なB−H特性をもつという問題(1)については低減できるが、左右非対称な形状の磁気回路のために磁極板31の磁化Mの大きさが左右非対称となるという問題(2−1)は依然として残っている。高透磁率部材37には、磁極板31の左右非対称な磁化によって磁化が励起され、左右非対称な分布の磁化をもつようになる。よって、従来の傾斜磁場ΔHが印加された場合の磁極板31の磁化変化(マイナーループ)が左右非対称に生じるという問題(2−2−1)、傾斜磁場ΔHによる渦電流が左右非対称に生じるという問題(2−2−2)は、高透磁率部材37が配置されている本実施の形態の構成の場合には磁極板31では抑制されるが、高透磁率部材37において生じることになる。高透磁率部材37に存在する左右非対称な分布の磁化は、静磁場の均一度低下ならびに傾斜磁場ΔHの値の誤差が大きくなるという問題を引き起こす。永久磁石38は、高透磁率部材37において上記(2−1,2−2−1,2−2−2)の問題を低減する作用をする。
これをさらに図面を用いて具体的に説明する。高透磁率部材37のB−H特性(ただし、Bは磁束密度、Hは外部磁場)が図4に示すようなカーブである場合、図5に示した高透磁率部材37の左右端の位置(e)と位置(f)には、その近傍の磁極板31および磁極突起36の発生する静磁場Hが印加される。静磁場Hは、磁気回路がC字型の左右非対称な形状である影響により、位置(e)における静磁場Heの方が、位置(f)における静磁場Hfよりも小さくなっている。(問題(2−1))。このため、静磁場Heによって高透磁率部材37の位置(e)に生じる磁束密度Be-1は、静磁場Hfによって位置(f)に生じる磁束密度Bf-1よりも小さくなる。よって、高透磁率部材37に励起される磁化の大きさも位置(e)の方が、位置(f)よりも小さくなる。しかも、静磁場Heおよび静磁場Hfの大きさが異なるため、これら静磁場Heおよび静磁場Hfに対応するB−Hカーブ上での動作点(e)−1、(f)−1がずれている。静磁場Heおよび静磁場Hfにそれぞれ傾斜磁場発生コイル34による傾斜磁場ΔHが重畳された場合、マイナーループ41の形状は、それぞれの動作点(e)−1、(f)−1近傍のB−Hカーブの傾斜を反映するため、高透磁率部材37の左端の位置(e)と右端の位置(f)とではマイナーループ41の形状も異なる((2−2−1)の問題)。同時にdΔH/dtに比例する渦電流の大きさにも差が生じる((2−2−2)の問題)。
本実施の形態では永久磁石38を配置したことにより、これらの問題を同時に解決することができる。永久磁石38は厚さ方向(z方向)に着磁されているためz方向の磁場Hmを発生し、これが高透磁率部材37に印加される。この磁場Hmは、x方向(左右方向)には一様であるため、高透磁率部材37の左右端の位置(e)と位置(f)の静磁場Heおよび静磁場Hfは、静磁場He+Hmおよび静磁場Hf+Hmにそれぞれ引き上げられ、動作点は(e)−2、(f)−2となる。これにより、高透磁率部材37の位置(e)には磁束密度Be-2が生じ、位置(f)には磁束密度Bf-2が生じる。一般的に高透磁率材料のB−Hカーブは、図4に示すように磁場Hが大きい領域で飽和し傾斜が小さくなるため、動作点(e)−2と(f)−2の距離は、動作点(e)−1と(f)−1の距離よりも短く、静磁場He+Hmにおける磁束密度Be-2と静磁場Hf+Hmにおける磁束密度Bf-2との差は、静磁場Heにおける磁束密度Be-1と静磁場Hfにおける磁束密度Bf-1との差よりも小さい。これにより、高透磁率部材37の左右方向についての磁束密度の非対称性を低減することができる。また、動作点(e)−2と(f)−2の距離が近いため、マイナーループ41の形状もほとんど同じ形状になる。これにより、高透磁率部材37に励起される磁化の大きさの非対称性を低減し、傾斜磁場ΔHが加わった場合の磁気的振る舞いを左右対称に生じさせることができる。また、永久磁石28の磁場Hmの向きは、着磁されているz方向であるため、z方向に対して傾斜している高透磁率部材37の磁化をz方向に向ける作用もする。
この状態は、図6および図7に示したように、磁化の大きさと向きを示す矢印を用いておおよそ示すことができる。図6は、永久磁石38が配置されていない場合であり、高透磁率部材37の磁化61は左右非対称な大きさであり、向きもz方向に対して傾斜している。ここで図7のように永久磁石38による磁場Hを加えると、高透磁率部材37は永久磁石38が作る磁場Hmが加わって磁化71の大きさは左右の非対称性が弱まり一様化されるとともに、全体に大きくなる。しかも、z方向に平行な磁場Hmが高透磁率部材37を通ることにより、高透磁率部材37の磁化70は、よりz方向に向けられる。
このように、永久磁石38を高透磁率部材37に隣接して配置することにより、高透磁率部材37の磁化および磁束密度の非対称性を低減し、一様な磁化分布および磁束密度分布にすることができる。
また、高透磁率部材37の一様な磁化分布および磁束密度分布であるため、高透磁率部材37の表面に鉄片シム等の磁性体を配置すること(パッシブシミング)により、上述の(2−2−1,2−2−2)の問題を生じさせることなく、計算通りにその部分の磁化(磁束)を増加させることが可能である。これにより、左右非対称なC字型の磁気回路でありながら、鉄片シム等を高透磁率部材37の表面に配置して計算通りに磁場を発生させ、静磁場の非対称性を補正することができる。これにより、撮像領域30における静磁場の均一度を高めることができる。
上述してきたように本実施の形態では、高透磁率部材37と、これに隣接する永久磁石38を配置することにより、左右非対称な磁気回路を有する静磁場発生装置402でありながら、高透磁率部材37の磁気特性は、空間的に対称であり、しかも磁性的な非線形の小さい系となるため、上記(2−1,2−2−1,2−2−2)の問題を一度に解決することができる。また、高透磁率部材37に鉄片シム等を配置することにより、計算通りの磁場を補正することができるため、上記(1)の問題も解決することができる。よって、発生する静磁場の均一度に優れ、しかも、周囲が解放された空間の静磁場発生装置402を提供することができる。
つぎに、本実施の形態の静磁場発生装置402を用いた、典型的なMRI装置の全体構成を図1を用いて説明する。MRI装置は、静磁場発生装置402および傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生コイル34の他に、被検体401を搭載するベッド412と、被検体401に高周波磁場を印加するためのRFコイル404と、被検体401が発生するMR信号を計測するRFプローブ405と、RF送信部410、信号検出部406、傾斜磁場電源409、信号処理部407、制御部411、表示部408とを有している。
傾斜磁場発生コイル34は、X,Y,Zの3方向の磁場をそれぞれ発生するためのコイルを含んでおり、傾斜磁場電源409からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。RFコイル404は、RF送信部410の信号に応じて高周波磁場を発生する。RFプローブ405が計測したMR信号は、信号検出器406で検出され、信号処理部407で信号処理され、所定の演算が施されて画像信号に変換される。画像は、表示部408に表示される。傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号検出部406は、制御部411で制御され、制御のタイムチャートは一般にパルスシーケンスと呼ばれている。MR信号のエコー信号を検出するパルスシーケンス等、種々のシーケンスが知られている。
MRI装置の撮像対象は、臨床で普及している装置では一般的には被検体401の主たる構成物質、プロトンである。プロトン密度の空間分布や励起状態の緩和現象の空間分布を信号処理部407において画像化することにより、人体頭部、腹部、四肢等の形態または機能を2次元もしくは3次元的に撮影する。撮像時には、傾斜磁場により、空間的に位相エンコードを与えた状態でエコー信号を検出する。位相エンコードの数は、通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれる。よって、エコー信号は、通常128、256、512等のサンプリングデータからなる時系列信号として得られ、これらの信号を2次元フーリエ変換することにより空間的に分解し、1枚のMR画像を作成する。
パルスシーケンスの一例として、スピンエコータイプのエコープラナーシーケンス(SE−EPI)を図8を用いて簡単に説明する。図8において、RFは、RFコイル404が被検体401に照射するRF信号である。Gsは、被検体01のスライス面を決定するスライス傾斜磁場、Geは、位相エンコード傾斜磁場、Grは、読み出し傾斜磁場パルスであり、いずれも傾斜磁場コイル304が発生する。Echoは、RFプローブ405が計測するエコー信号である。図8に示したパルスシーケンス(SE−EPI)は、臨床において拡散イメージング、パーフュージョンイメージング等に多用される高速シーケンスである。このような高速シーケンスにおいて、前述の空間的に非対称な渦電流が生じるという(2−2−2)の問題があると、この渦電流から空間的に非対称な磁場が生じ、撮像領域30の一部では、各傾斜磁場パルスの印加後にあたかもベースラインが変動したようなオフセット成分が加わるため、MRI画像にアーチファクト(偽像)が生じて、臨床診断において精度が低下する。
EPIシーケンスでは、短時間で多数のエコーを計測するために、読み出し傾斜磁場パルスGrを高速高強度で反転するため、反転のたびに渦電流が発生する。典型的には、読み出し傾斜磁場Grは、20mT/m乃至40mT/m程度の強度が要求され、その立ち上がりは50T/m/s〜150T/m/s程度が要求される。また、生じる渦電流が最も画像劣化に影響するのは、位相エンコード傾斜磁場パルスGeに対する摂動である。というのは、位相エンコード傾斜磁場パルスGeは、パルスの時間積分値が最も小さく、同じ程度の渦電流に対して、本来のパルス積分値への摂動の割合が最も大きいからである。この様にして生じるアーチファクトの種類は、典型的には、位相エンコード方向の画像歪み、流れアーチファクト、ナイキストアーチファクトである。本発明では、前述のように、渦電流の空間的非対称性を物理的に低減するので、この様な画像アーチファクトを本質的に低減できるメリットがある。
つぎに、本発明の第2の実施の形態として、永久磁石38の構造を変更した3つの構成を図9(a),(b),(c)を用いて説明する。図9(a),(b),(c)の構成は、永久磁石38以外の構成は、図3の実施の形態と同様である。
図9(a)に示した構成は、永久磁石38を複数に分割し、分割した小片をそれぞれ高透磁率部材37の貼り付けることにより、高透磁率部材37の全面に一様な厚さの板状の永久磁石を搭載した構成としている。分割された永久磁石38の小片は、それぞれ厚さ方向に着磁されている。分割された永久磁石38の小片は、大きな径の永久磁石と比較して、製造するのが容易であるため、図9(a)のように分割された永久磁石を高透磁率部材37に貼り付けることにより、製造コストを低減しながら、図3の静磁場発生装置402と同様の効果を得ることができる。
図9(b)に示した構成では、複数の径の異なるリング状の磁石を、撮像領域30の中心軸を中心にして同心円状に配置して高透磁率部材37上に貼り付けたものを永久磁石38として用いる構成である。隣り合うリング状の磁石の間には、間隔があけられている。一つのリング状の磁石は、製造を容易にするために複数の小片に分割されている。図9(c)に示した構成では、直方体の磁石を撮像領域30の中心軸を中心にして放射状に間隔を開けて並べ高透磁率部材37上に貼り付けたものを永久磁石38として用いる構成である。直方体の磁石の大きさは、中心に近いものほど小さい。なお、図9(b)、(c)の構成とも磁石は、いずれも厚さ方向に着磁されている。
図9(b)および図9(c)の永久磁石38は、高透磁率部材37の全面には配置されていないが、撮像領域30の中心(高透磁率部材37の中心)に対して軸対称に配置されていることにより、高透磁率部材37の磁化および磁束密度の対称性を高めるという図3の実施の形態と同等の効果が得られる。しかも、図9(b)および図9(c)の永久磁石38は、製造が容易であるため、低コストで本発明の効果を実現可能である。
ここまでに説明してきた実施の形態では、高透磁率部材37の磁極板31側に永久磁石38を貼り付けた構成例について説明したが、永久磁石38は必ずしも磁極板31側にある必要はなく、撮影領域30側に永久磁石を貼り付けることも可能である。この場合も同等の効果を得られる。
つぎに、本発明のさらに好適な第3の実施の形態の静磁場発生装置について図10を用いて説明する。図10の静磁場発生装置は、図9(b)の構成のリング状の永久磁石38を採用し、図3の装置の磁極板31表面の溝237をなくしている。図3の溝237は、静磁場の均一度を高めるために設けられているものであるが、図10の構成では、リング状の永久磁石38が高透磁率部材37の磁化および磁束密度の対称性を高める作用の他に、溝237と同等の作用も果たすように構成されている。具体的には、リング状の永久磁石38は、各リングの幅および間隔が、静磁場の不均一性を補正するように設計されている。また、リング状の永久磁石38は、磁極板31に接触するように配置されている。これにより、リング状の永久磁石38は、高透磁率部材37の磁化及び磁束密度の対称性を高める作用と同時に磁極板31の静磁場の均一にする作用を果たす。これにより、図3の実施の形態と同様の効果を得ながら、磁極板31表面の溝加工が不要となるので、低コストで静磁場発生装置を製造することが可能となる。
なお、図10の実施の形態では、図9(b)のリング状の永久磁石38を用いているが、図9(c)の放射状の永久磁石38を用いることも可能である。
また、別の形態としては、高透磁率部材37の表面に溝加工をすることにより、静磁場の均一度制御の作用をさせることも可能である。
つぎに、第4の実施の形態について図11を用いて説明する。図11の構成は、永久磁石38の上に、−x方向(図3参照)に着磁された永久磁石39を配置したものである。−x方向に着磁された永久磁石39が生じる磁束111が、継鉄35内の磁束を補うことにより、継鉄35内の磁束の非対称性を補正する作用をする。永久磁石38等の他の構成の作用は、図3の実施の形態と同様である。
上述してきた実施の形態では、C字型の磁気回路を有する静磁場発生装置について説明してきたが、C字型に限らず空間的に左右非対称な磁気回路を持つ静磁場発生装置であれば同様に本発明を適用することができる。
また、上述してきた実施の形態では、永久磁石38を用いているが、永久磁石38に代えて、高透磁率部材37にz方向の磁場を印加する磁場発生コイルを用いることも可能である。この場合、磁場発生コイルの磁束が磁極板31や傾斜磁場発生コイル34や静磁場発生コイル32に影響を与えないように、発生する磁場の大きさを制御することが望ましい。
本発明の第1の実施の形態のMRI装置の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態の静磁場発生装置402の斜視図である。 第1の実施の形態の静磁場発生装置402の断面図である。 第1の実施の形態の高透磁率部材37のB−H特性とマイナーループ41を示すグラフである。 第1の実施の形態の高透磁率部材37と磁気回路の磁化の大きさと向きを示す説明図である。 第1の実施の形態において、永久磁石38が配置されていない場合の高透磁率部材37の磁化の大きさと向きを示す説明図である。 第1の実施の形態において、永久磁石38を配置した場合の高透磁率部材37の磁化の大きさと向きを示す説明図である。 第1の実施の形態のMRI装置で行うパルスシーケンスの一例を示す説明図である。 (a)、(b)及び(c)は、第2の実施の形態の3種類の永久磁石38の構成を示す切り欠き斜視図である。 第3の実施の形態の静磁場発生装置の断面図である。 第4の実施の形態の静磁場発生装置の永久磁石38および39の着磁方向を示す説明図である。 従来の静磁場発生装置の断面図である。 従来の静磁場発生装置の磁気回路の磁化の大きさ及び向きを示す説明図である。
符号の説明
30…撮像領域、31…磁極板、32…静磁場発生コイル、33…鉄柱、34…傾斜磁場発生コイル、35…継鉄、36…磁極突起、37…高透磁率部材、38…永久磁石、39…永久磁石、130…撮像領域、131…磁極板、132…静磁場発生コイル、133…鉄柱、134…傾斜磁場発生コイル、135…継鉄、136…磁極突起、137…溝、237…溝、401…被検体、402…静磁場発生装置、404…RFプローブ、405…RFプローブ、406…傾斜磁場電源、407…信号処理部、408…表示部、410…RF送信部、411…制御部、412…ベッド。

Claims (3)

  1. 撮像領域に所定の向きの静磁場を生じさせるための磁場発生源と、前記静磁場の均一度を調節するために前記撮像領域を挟んで対向する位置に配置された一対の磁極板と、前記一対の磁極板を連結する磁気回路構成部材と、前記撮像領域に傾斜磁場を印加するために前記撮像領域と前記磁極板との間に配置された傾斜磁場発生部とを有し、
    前記磁極板と前記傾斜磁場発生部との間には、前記磁極板を構成する材料よりも透磁率の高い高透磁率部材と、該高透磁率部材に磁場を与える永久磁石とが配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記永久磁石は、前記撮像領域の静磁場の向きと平行な向きに着磁されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記永久磁石は、前記撮像領域の中心軸に対して空間的に対称な形状を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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