炉内に搬送コンベアが設けられて、搬送コンベアの搬送方向に沿って炉内が予備加熱部、本加熱部、冷却部になっている従来のリフロー装置では、基板が、搬送コンベアによって一定の速度で炉内をを搬送される。このために、炉内では、基板の搬送方向に対して垂直な炉の幅方向には、均一な温度分布とすることができる。
しかしながら、基板の搬送方向については、予備加熱部から本加熱部に搬送されるにつれて、基板に熱が蓄積されて、基板には不均一な温度分布が生じ、基板内に温度差(Δt)が発生するという問題がある。この温度差Δtは、基板の種類、基板に対する配線の設計パターン、基板上に搭載される部品の形状や種類等によって大きく左右される。特に、大型サイズの基板においては、この温度差Δtが顕著に現われる。このような温度差Δtが大きい場合、半田の溶融不足によって部品の実装に不具合が発生するおそれがある。
図14は、炉内に搬送コンベアが設けられて、搬送コンベアの搬送方向に沿って炉内が予備加熱部、本加熱部、冷却部になっている従来のリフロー装置を用いて、基板を加熱した場合の温度変化を、基板の搬送方向上流側部分である後方部(A)、中央部(B)、基板の搬送方向下流側部分である先頭部(C)のそれぞれにおいて測定したグラフを示している。このグラフにより明らかなように、基板の先頭部(C)、中央部(B)、後方部(A)で、基板の温度が異なり、特に、基板の後方部(C)で、他の部分の温度(214℃)より温度が上昇して高くなり(221℃)、基板内における温度差Δtが、Δt=221℃−214℃=7℃と非常に大きくなっている。
このような温度差を低減する方法として、炉内の風速を強くする、炉内の温度を高くする、高温での滞留時間を長くする方法等があるが、いずれの方法においても、炉の耐久性が低下する、装置が大型化する等の弊害が生じる。特に、基板のサイズが大型になると、このような弊害は、より顕著になって現われる。
そこで、基板内の温度の均一化を図るために、予備加熱部に搬送されている時間を長くする方法が採用される。しかし、このように、予備加熱部に搬送されている時間を長くするためには、炉の部分を長くすること、または、搬送コンベアの搬送速度を遅くすること等の対応が必要であり、その結果、炉の部分を長くすれば、装置が大型化するという問題が生じ、また、搬送コンベアの搬送速度を遅くすれば、生産性が低下するという問題がある。さらに、搬送コンベアの搬送速度を遅くした場合には、基板の温度プロファイルを導き出すことが容易ではないという問題もある。
さらに、従来使用されている共晶半田(Sn/Pb:融点183℃)から鉛フリー半田(Sn/3.0Ag/0.5Cu等)へ転換するために、本加熱部のピーク温度を、約20℃上昇させる必要がある。しかし、このような温度上昇に対応するためには、炉長の短い炉では、搬送コンベアの搬送速度を遅くしなければならず、搬送速度を遅くすると、基板上の搭載部品の耐熱温度の限界から高温度による損傷が生じるおそれがあるという問題がある。
また、図12に示すリフロー炉では、プロセスチューブ204の内部空間を下方の冷却ゾーンCから予備加熱ゾーンB、本加熱ゾーンAに上昇させて加熱処理を行った後、本加熱ゾーンAから冷却ゾーンCに下降させることにより冷却させる処理を行っているので、1枚の基板に対して処理を行っている間は、他の基板に対して、処理を行うことができない。したがって、このリフロー炉では、処理能力の点で作業効率が悪いという問題がある。
また、図13に示す赤外線加熱装置は、接合部位に局所的に赤外線を照射することによって、ワークWの接合部分を接合温度まで加熱するものであり、基板全体を加熱する構成ではなく、しかも、局所的加熱に用いられるものであるため、部品点数が多いものに適用することが困難であるという問題がある。
また、上記に説明してきた各リフロー装置のそれぞれの問題として、温度プロファイルを導出するために、何度も基板を炉内に通して確認する必要がある。したがって、従来のリフロー装置では、最終的な温度プロファイルを得るために長時間を要するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板上の搭載部品が損傷する等の弊害を生じることなく、基板の温度分布を一定にすることができ、これにより、良好に半田付けを行うことができるリフロー装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明のリフロー装置は、基板に部品を半田付けする際に、該基板を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送される基板を予備加熱する予備加熱部と、半田の融点以上の温度まで基板を加熱する本加熱部と、基板を冷却する冷却部とが、該搬送手段の搬送方向に沿ってこの順番で内部に設けられた炉と、該搬送手段による基板の搬送を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
上記本発明のリフロー装置において、前記制御手段は、予備加熱部および本加熱部におけるそれぞれの加熱時間が予め設定されており、設定された加熱時間に基づいて前記搬送手段による基板の搬送を制御することが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記搬送手段は、サーボモータによってベルト体が周回移動する搬送コンベアであることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記搬送手段にて予備加熱部に搬送される基板を検出する基板検出センサーと、該基板検出センサーの検出結果に基づいて、該搬送手段にて搬送される基板に当接して基板を停止させるストッパとをさらに有することが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記制御手段に対する条件の設定等を入力する操作部が設けられていることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記操作部は、操作画面を有することが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記予備加熱部、前記本加熱部のいずれか一方または両方において、搬送手段によって搬送される基板の温度分布を均一化する温度均一化手段が設けられていることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記温度均一化手段は、前記基板に供給される熱風を、該基板上に設けられた部品の位置に基づいて変更するようになった熱風温度可変板であるっことが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記熱風温度可変板は、前記基板上に搭載される各部品に対応した位置に開口部が形成されているこが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、複数種類の前記熱風温度可変板を格納する格納手段と、前記炉内に搬送される前記基板に対応した熱風温度可変板を該格納手段に格納された複数種類の熱風温度可変板から選択して、前記炉内の所定位置搬送する搬送手段とを有する熱風温度可変板切換え機構をさらに備えていることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記熱風温度可変板切換え機構を操作する操作手段がさらに設けられていることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記熱風温度可変板切換え機構の操作手段は操作画面を有することが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記熱風温度可変板から供給される熱風を整流して前記基板に供給するノズル体をさらに有することが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記ノズル体は、垂直状態になった複数の筒状体が水平方向に整列されて配置されていることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記炉内に搬送される前記基板を撮像する撮像手段をさらに備え、該撮像手段が撮像した基板上の部品情報に基づいて、前記熱風温度可変板切換え機構によって所定の熱風温度可変板が所定位置に設置されることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記撮像手段は、CCDカメラであることが好ましい。
上記本発明のリフロー装置において、前記基板とともに、前記予備加熱部および本加熱部に前記搬送手段によって搬送されて、その搬送の間に、前記基板の温度を測定するとともに、測定された温度情報をワイヤレス伝送する温度測定ユニットと、該温度測定ユニットからの温度情報を受信すると共に、該温度情報と前記制御手段に予め格納された搬送手段の制御データとに基づいて、搬送される基板の温度条件の設定に反映されるリフロー温度プロファイルを自動演算する受信演算手段とをさらに備えることが好ましい。
本発明のリフロー装置は、基板に部品を半田付けする際に、該基板を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送される基板を予備加熱する予備加熱部と、半田の融点以上の温度まで基板を加熱する本加熱部と、基板を冷却する冷却部とが、該搬送手段の搬送方向に沿ってこの順番で内部に設けられた炉と、該搬送手段による基板の搬送を制御する制御手段と、を備えたものであり、制御手段によって基板の搬送が制御されるので、搬送中の基板を均一な温度分布にすることができ、良好に半田付けを行うことができる。
以下、本発明のリフロー装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のリフロー装置1の全体的な構成を説明するための正面図、図2は、そのリフロー装置1の要部を説明するための要部模式図である。
本発明のリフロー装置1は、プリント配線板である基板と電子部品とを半田付けするために使用され、図2に示すように、半田付けの対象である基板100を加熱する炉2と、この炉2内に基板100を搬送する搬送コンベア3(図2参照)とを備えている。
図2に示すように、搬送コンベア3は、複数のローラ6に巻き掛けられて周回移動するベルト体7を有する。ベルト体7は、炉2に設けられた搬入口から搬出口にわたって基板100を水平状態で搬送するように、搬入口から搬出口にわたって水平状態になっている。
複数のローラ6の一つは、サーボモータ11によって動力が伝達されるように接続されており、このサーボモータ11によって、そのローラ6が回転駆動される。これにより、ベルト体7が、全てのローラ6のの周囲を周回移動する。サーボモータ11は、制御装置15によって制御されるようになっており、制御装置15によるサーボモータ11の制御によって、ベルト体7による基板100の搬送速度、ベルト体7の停止等が制御される。
炉2内には、搬送コンベア3の基板100搬送域の上方に加熱ユニット4が備えられている。加熱ユニット4には、基板100の搬送方向の上流側において、炉2内に搬送された基板100を、半田の融点に満たない所定の温度に予備加熱する7つの予備加熱部4aが設けられており、また、7つの予備加熱部4aに対して基板100の搬送方向の下流側には、基板100を半田の融点以上の温度まで加熱する2つの本加熱部4bが設けられている。各予備加熱部4aおよび各本加熱部4bは、それぞれ等しい間隔をあけて配置されている。
また、加熱ユニット4の本加熱部4bに対して、搬送コンベアの3搬送方向の下流側に隣接して、基板100を冷却する冷却部5が配置されている。冷却部5は、冷却ファン(図示せず)によって発生する冷却風によって、基板100上の電子部品を冷却するようになっている。
図1においては、加熱ユニット4には、7つの予備加熱部4aと、1つの本加熱部4bとが配置されており、また、加熱ユニット4に隣接して1つの冷却部5が配置されているが、炉2内に配置される予備加熱部4a、本加熱部4b、冷却部5の個数は、基板100のサイズ、基板100上に搭載される部品のサイズや数、半田の量や性状等に応じて、適宜選択される。なお、各予備加熱部4aおよび各本加熱部4bの温度等は、制御手段によって制御されるようになっている。
炉2の内部における搬入口と予備加熱部4aとの間には、基板100が予備加熱部への搬送を制御する平板状のストッパ8が設けられている。このストッパ8は、エアシリンダ9によって垂直状態で昇降するようになっている。
また、このストッパ8が設置された位置に対して、搬送コンベア3の搬送方向の上流側に隣接する位置には、搬送コンベア3上の基板100を検出する基板検出手段としての基板検出センサ10が設けられる。この基板検出センサ10は、赤外線等を使用した光学的方法によって、基板100が搬送コンベア3の搬送域における所定位置を通過することを検知する。そして、この基板検出センサ10が基板100の通過を検知すると、エアシリンダ9が作動してストッパ8が下降される。なお、エアシリンダ9は、基板検出センサ10の検出結果に基づいて、制御装置15によって制御されるようになっている。
ストッパ8が下降されると、搬送コンベア3が周回移動しているにもかかわらず、基板100が予備加熱部4aに搬送されることが停止される。そして、ストッパ8が上昇すると、基板100は搬送コンベア3のベルト体7の移動に伴って、最初の予備加熱部4aに搬送される。
なお、基板100を検出する基板検出手段としては、上記のような光学式の基板検出センサ10に限らず、基板100を検知することができればどのような構成であってもよい。例えば、基板100が通過するときの荷重の変動を検知する等の重力式の検知方法によるセンサ使用することができる。
図1に示すように、炉2の外部には、各予備加熱部4aおよび本加熱部4bにおける加熱温度、搬送コンベア3ベルト体7の停止時間等の条件を制御装置15に設定する際に操作される操作部12が設けられている。この操作部12の下部には、サーボモータ11による搬送コンベア3の駆動を制御するスイッチ、本加熱部4b等の炉2内の各構成要素の駆動を制御するためのスイッチ等が配置された操作パネルが設けられている。また、この操作部12の上部には、操作画面13が備えられており、作業者は、この操作画面13を見ながら、下部の操作パネルのスイッチ等を操作することにより、リフロー装置1を容易に操作することができる。
このような構成のリフロー装置を用いた基板の加熱方法について、図3の基板の加熱方法を示す処理フローに基づいて説明する。
まず、ステップ1において、炉2の搬入口から電子部品が搭載された基板100が搬送コンベア3のベルト体7上に投入されて、サーボモータ11が駆動されることによるベルト体7の移動によって、ベルト体7上の基板100は炉2内に搬入される。そして、炉2の搬入口と予備加熱部4aとの間に設けられた基板検出センサ11によって、基板100が確認されると(ステップ2)、エアシリンダ9によって、ストッパ8が下降する(ステップ3)。これにより、ベルト体7によって搬送される基板100は、下降したストッパ8に当接して、ベルト体7が移動しているにもかかわらず、基板100の搬送が停止される。
このように、基板検出センサ10によって基板100が確認されて、ストッパ8によって基板100の搬送が停止された後に、所定のタイミングでエアシリンダ9によってストッパ8が上昇されることにより、基板100は、所定のタイミングで予備加熱部4aに搬送されることになる。
その後、先頭の基板100が最初の予備加熱部4aに到達すると、サーボモータ11の駆動が停止されて、搬送コンベア3のベルト体7が停止される。これにより、基板100は、予備加熱部4aに対して所定の加熱位置になり、その基板100が予め設定された所定時間にわたって予備加熱される。そして、予備加熱部4aにおいて先頭の基板100が、予め設定された所定時間にわたって予備加熱されると(ステップ7)、サーボモータ11の駆動が再開されて、先頭の基板100は、ベルト体7によって次の予備加熱部4aに搬送される(ステップ8)。
このように、先頭の基板100が予備加熱されている間に、次の基板100がベルト体7上に投入されて(ステップ1)、先頭の基板100の予備加熱が終了することによってベルト体7の移動が再開されると、ベルト体7によって搬送されている基板が基板検出センサ11によって検出されて(ステップ2)、ストッパ8によって基板100の移動が停止される(ステップ3)。そして、ベルト体7によって先頭の基板100が搬送される所定のタイミングにてストッパ8が上昇し(ステップ4)、次の基板100が、先行する基板100とは所定の間隔、具体的には、隣接する予備加熱部4aまたは本加熱部4bの間隔に等しい間隔とされて、最初の予備加熱部4aに搬送される。そして、先頭の基板100と、次の基板100とが、それぞれ予備加熱部4aにおける所定の予備加熱部4aに到達すると、ベルト体7の移動が停止されて、各予備加熱部4aにおける所定の加熱位置にそれぞれ停止する。そして、各予備加熱部4aにおいて、各基板100が同時に予備加熱される。
以後、同様の動作が繰り返されることによって、先頭の基板100は、全ての予備加熱部4aによって加熱される。そして、全ての予備加熱部4aによる予備加熱が終了すると、ベルト体7の移動によって本加熱部4bに搬送され(ステップ9)、先頭の基板100が本加熱部4bにおける所定位置に搬送されると、サーボモータ11が停止されて、その基板100は、本加熱部4bにおける所定の加熱位置とされる(ステップ11)。その後、予め設定された所定時間にわたって基板100が本加熱される(ステップ12)。
この場合、先頭の基板100に続いて搬送される各基板100は、それぞれ予備加熱部4aに搬送されて、それぞれの予備加熱部4aにて設定された所定時間にわたる予備加熱が実施されることになる。
所定時間にわたる基板100の本加熱および他の各基板100の予備加熱がそれぞれ終了すると、サーボモータ11の駆動が再開されて、先頭の基板100は、冷却部5に搬送されて、冷却部5を通過する間に冷却された後に、炉2の搬出口から搬出される(ステップ13)。これにより、先頭の基板100に対する電子部品の半田付け処理が終了する。
このように、本発明のリフロー装置を用いた処理方法では、搬入口から炉内に投入された基板100は、搬送コンベア3のベルト体7による搬送および停止が繰り返されることによって、各予備加熱部4aおよび本加熱部4bに、順次、搬送されて、各予備加熱部4aおよび本加熱部4bにおいてそれぞれ予め設定された加熱温度および加熱時間にて加熱される。各予備加熱部4aおよび本加熱部4bにおいてそれぞれ予め設定された温度および加熱時間は、処理される基板毎に導出されたリフロー温度プロファイルに基づいて設定される。
図5は、このような構成の本発明のリフロー装置1を用いた場合における基板100における各部分の温度変動を示すグラフである。ここでは、搬送される基板100の搬送方向の前方(搬送方向下流側部分)の左右および後方(搬送方向上流側部分)の左右、および中央部分の温度の変動を測定している。図4のグラフに示すように、本発明のリフロー装置1では、搬送中の基板100の各部において、均一な温度分布になっており、安定して加熱されていることが明らかである。
なお、予備加熱部4aおよび本加熱部4bの設置個数は任意である。予備加熱部4aおよび本加熱部4bの設置個数が多くなれば、予備加熱部4aおよび本加熱部4bでの停止時間および加熱温度の調整がより容易になるため、正確なリフロー温度プロファイルを容易に導出することができる。さらに、このように、基板が順番に搬送されるタクト方式を用いる本発明のリフロー装置では、エアーリフロー装置またはN2対応リフロー装置として好適であるが、このようなリフロー装置に限定されず、あらゆるリフロー装置に適用可能である。
なお、本発明のリフロー装置1においては、炉2内に搬入された基板100上に搭載された各種部品に起因して生じる温度分布を均一化する温度均一化手段をさらに備えていれば、より良好に基板100に部品を半田付けすることができる。
図5は、炉2内に搬入された基板100の温度分布を均一化する温度均一化手段である熱風温度可変板20を示す斜視図である。熱風温度可変板20は、例えば、各予備加熱部4aおよび本加熱部4bにそれぞれ設けられている。各熱風温度可変板20には、基板100に搭載された各電子部品101の位置に対応して、各電子部品101のサイズに応じた開口部21が設けられている。このように、この熱風温度可変板20には、電子部品101の位置およびサイズに応じて設けられた開口部21が形成されていることにより、図5に矢印22で示すように、炉2内の各予備加熱部4aおよび本加熱部4bにおいて、基板100に与えられる熱風量が、基板100の部品設置位置に応じて調整されることになる。これにより、熱負荷が異なる電子部品101が搭載されていることによって、基板100に温度差が生じることを低減することができる。
なお、図5に示す熱風温度可変板20は、基板100上に搭載される電子部品101の数量、サイズ、種類が複数ある場合に対応して、開口部21の位置、サイズ等が異なる複数の熱風温度可変板20が準備され、基板100に搭載される電子部品101の種類等に対応した熱風温度可変板20に変更することも可能である。
図6は、搬入された基板100の種類に対応して、自動的に熱風温度可変板20を切り換える熱風温度可変板自動切換え機構30を示しており、図6(a)はその平面図、図6(b)はその背面図、図6(c)はその側面図である。
熱風温度可変板自動切換え機構30は、図6(a)〜(c)に示すように、図示しないサーボモータにより上下に移動可能な昇降ユニット31を有している。この昇降ユニット31は、搬送コンベアの搬送方向の側方に設置されている。昇降ユニット31は、それぞれ異なる開口部を有する複数枚の熱風温度可変板20がそれぞれ水平な状態で、上下方向に適当な間隔をあけて載置されている。昇降ユニット31は、上下方向に移動することによって、搬送される基板100に対応した熱風温度可変板20が所定の高さになるように、その高さ位置が変更される。
この昇降ユニット31の所定の高さの位置には、チャックアーム32が水平状態で設置されている。この昇降ユニット31の所定の高さは、熱風温度可変板20を炉内に挿入する挿入高さとなっている。チャックアーム32は、昇降ユニット31の高さ位置を調整することによって、使用されるべき熱風温度可変板20が所定の高さにされると、その熱風温度可変板20をチャックすると共に、チャックした熱風温度可変板20を、搬送コンベア3のベルト体7上に載置された基板100に対向する上方位置にまで搬送するようになっている。
このような熱風温度可変板自動切換え機構30は、搬送コンベア3上の基板100に対向する位置の熱風温度可変板20を昇降ユニット31内に収納するために、炉2内に設置された熱風温度可変板20をチャックアーム32でチャックして、昇降ユニット31内の元にあった位置に収納する。その後、昇降ユニット31を上下方向に移動させて、次に使用される熱風温度可変板20を所定の高さ位置とし、チャックアーム32でチャックして、搬送コンベア3上の基板100に対向する位置にまで搬送する。
このような熱風温度可変板切換え機構30は、操作画面13を有する操作部12に設けられた操作機構を操作することによって動作されるようになっており、これにより容易に操作することができる。この熱風温度可変板切換え機構30を動作させる操作機構は、このうよに、、サーボモータ11等の操作部12と併用して操作できるように構成すれば、リフロー装置1を操作する操作者がより操作し易くなるので、好ましいが、その操作部12とは別に設けてもよい。
なお、基板100に搭載される電子部品101の位置、種類等をCCDカメラにて撮像して、その撮像画像に基づいて電子部品101位置、種類等の情報を認識し、認識した情報に基づいて、熱風温度可変板切換え機構30を制御して、自動的に、認識した電子部品101の位置、種類等に対応した熱風温度可変板20を選択して、所定位置に設置するようにしてもよい。
また、基板100内の温度を均一化する均一化手段である熱風温度可変板20は、上記のように単独で用いる場合の他、炉2内の熱風の整流性を増すハニカム機構と組み合わせて使用するようにすれば、基板100の温度をより均一にすることが可能になる。
図7は、熱風温度可変板20と、ハニカム機構である筒状ノズル44とを組み合わせた構成の加熱ユニットを示す概略図である。
この加熱ユニットは、下面が開放された筐体41の上方に所定風量の風を生じさせるファン42が設けられている。ファン42から生じた風は、図中の矢印に示す方向に流れて、筐体41下面から下方に向けられる。筐体41の下面近傍には、ファン42から送られる空気を加熱して熱風にする板状のヒータ43が水平状態で設けられている。このヒータ43は、筐体41の下面のほぼ全体を覆う大きさとされる。ヒータ43の下方の筐体41の開放された下面には、前述した熱風温度可変板20が設けられている。この熱風温度可変板20は、前述したように、所定の位置に開口部21が設けられており、開口部21から下方に熱風を吐出するようになっている。筐体41に設けられた熱風温度可変板20の下方には、ノズル体44が設けられている。このノズル体44は、複数の均一な径を有する筒状体が筐体41の下面の全体にわたって垂直状態で整列されることによって構成されている。
ファン42によって発生した風は、筐体41の壁面によって下方に案内されて、ヒータ43を上方から下方に通過する。この通過の際に、ファン42によって上方から送られた空気はが加熱されて、熱風として下方に供給される。ヒータ43を通過した熱風は、熱風温度可変板20において、熱風温度可変板20の開口部21から下方に向けて吐出される。熱風温度可変板20を通過した熱風は、ノズル体44の各筒状体を通過して、基板100上に搭載された電子部品101に供給される。
図8は、図7で示した熱風温度可変板20とノズル体44との組み合わせをさらに説明しており、図8(a)は、図7の熱風温度可変板20とノズル体44との組み合わせを上から見た状態、図8(b)は、図8(a)を理解し易くするために、電子部品101が搭載された基板100の平面図である。
図8(a)において、熱風温度可変板20の開口部21は、基板100上に搭載された電子部品101に対応して、電子部品101よりも一回り大きく構成されている。筐体41の下面には、ノズル体44が設けられており、熱風温度可変板20の開口部21に対応するノズル体44の筒状体は、図中において、白抜きにて示されている。この図8(a)に示すように、ノズル体44と熱風温度可変板20とを組み合わせることによって、より効率的に、基板100上の電子部品101に熱風を送ることが可能になる。
なお、ノズル体44における各筒状体に開閉機構を設けて、基板100に搭載される電子部品101の位置、種類等をCCDカメラにて撮像して、その撮像画像に基づいて電子部品101の位置、種類等を認識し、認識された情報に基づいて、ノズル体44の開閉機構を調整することにより、電子部品101に供給される風量を調整するようにしてもよい。このような、電子部品101の認識、および、認識された情報に基づくノズル体44の各筒状体の開閉機構による風量調節により、基板サイズ、部品位置、部品数の変更等で搬送される基板100の構成が変更される場合にも、容易に対応することが可能になる。
図9は、リフロー装置の他の例を示す構成図である。このリフロー装置は、図10に示す温度測定ユニット54とともに使用される。温度測定ユニット54は、基板100の温度を測定し、その測定結果をワイヤレス伝送する機能を有している。温度測定ユニット54は、図10に示すように、基板100における電子部品101の上面に、先端部が接続された熱伝対53と、この熱伝対53が測定する温度をワイヤレス伝送するワイヤレス発振器55とを有している。
温度測定ユニット54に設けられたワイヤレス発振器56から伝送される温度測定情報は、図9に示すように、リフロー装置の操作部12の下方に設けられた受信演算装置52に送信される。受信演算装置52は、操作部13の操作画面を作業員が操作することによって制御される。操作部13の操作画面は、リフロー装置の動作を操作するための操作画面と共通のものであってもよく、また、それとは別に設けられていてよい。その他の構成は、前述のリフロー装置と同様の構成になっている。
このリフロー装置では、熱伝対温度測定ユニット54が測定する測定温度データと搬送コンベア3の停止および速度制御データとに基づいて、受信演算装置52が、基板100のリフロー温度プロファイルを自動演算する。受信演算装置52が自動演算した温度プロファイルは、次の基板100をリフローする際に、リフロー装置内の予備加熱部4a、本加熱部4bの温度設定に反映される。
次に、実際のリフロー処理時に使用されるリフロー温度プロファイルの導出方法について、図11の処理フローを参照して説明する。
新規にリフロー温度プロファイルを導出するために、まず、ステップ20におて、導出しようとするリフロー温度プロファイルの条件を操作部の操作画面を操作することによって入力する。操作画面に入力される温度プロファイルの条件は、例えば、予備加熱温度範囲(150〜180℃)、予備加熱時間(120±10秒)、本加熱温度範囲(220℃)、本加熱時間範囲(60±5秒)、本加熱部ピーク温度範囲(250±2℃)、本加熱部昇温スピード範囲(1〜3℃/秒)、基板情報(基板サイズ、基板厚さ、基板種類等)である。
温度プロファイルの条件の入力が完了すると、受信演算装置52は、入力された条件に基づいて、各予備加熱部4a、本加熱部4bでの基板100の停止時間、炉内の各部の温度および搬送コンベアの搬送速度の最適値が自動的に導出される。導出された最適値は、リフロー装置の制御装置15に設定される(ステップ21)。条件設定の完了後、炉2内に基板100を搬入するとともに、基板100の電子部品(例えば、半導体部品)101の表面温度(端子部温度)を測定するために、温度測定ユニット54の熱電対53が基板100の電子部品101に接触された状態とされて、温度測定ユニット54が炉2内に搬入される。
基板100は、前述したりフロー装置と同様にして、各予備加熱部4aおよび各本加熱部4bに順次搬送され、温度測定ユニット54も基板100に追従して、各予備加熱部4aおよび各本加熱部4bに順次搬送される。そして、この搬送の間に、熱電対53によって、炉2内の各予備加熱部4aおよび各本加熱部4bでの基板100の温度が測定される。熱電対53によって測定された基板100の温度測定データは、温度測定ユニット54に設けられた温度測定記録装置によって記録される。基板100および温度測定ユニット54が冷却部5に到達して、基板100が予め設定された温度にまで冷却されると、測定温度データが温度測定ユニット54のワイヤレス発振部55によって受信演算装置52に送信される(ステップ24)。
温度測定ユニット54からの測定温度データを受信した受信演算装置52は、予め設定されているリフロー温度プロファイル(設定条件は、上述の通り)の設定条件と測定結果とを比較する。比較の結果、測定結果が許容範囲を超えている場合には、炉内の各部の停止時間および各部の設定温度を目的の温度プロファイルの条件に合うように、過去の測定データ(同種基板、同一基板サイズのデータ等)に基づいて、自動的に演算する。そして、その演算結果に基づいて、設定されていた停止時間、炉内温度を自動で変更する。その間、温度測定ユニット54と熱電対53を介してつながっている基板100は、搬送コンベア5のベルト体7を逆方向に搬送することにより炉の搬入口に戻される。
搬入口に戻された基板100および温度測定ユニット54は、冷却された後に、変更された新たな条件に基づいて、再度、炉2内の各予備加熱部4aおよび各本加熱部4bに順次搬送され、その際の測定温度データが受信演算装置52にワイヤレス伝送される。この際の操作は、上記と同一であるので、その説明は省略する。そして、その測定温度データに基づいて、受信演算装置52は、再度、目的とするリフロー温度プロファイルが導出されているかを確認する。
通常、上記導出作業を2回行えば、目的とする温度プロファイルは導出される。ただし、さらなる正確性が要求される場合には、2回以上の導出作業が行われる場合がある。その場合の繰り返し作業の回数は、操作部の操作画面にて設定される。
導出されたリフロー装置の設定条件(停止時間、炉内温度、搬送コンベアの搬送速度等)は、受信演算装置52に登録され、登録された設定条件は、次のリフロー温度プロファイルの設定の際の参考データとして利用される。なお、この登録時には、各予備加熱部4aおよび各本加熱部4bでの停止時間、加熱温度、搬送コンベア5の搬送速度以外に、条件名、基板情報(基板厚さ、基板の種類、基板のサイズ)、導出日時、目的とするリフロー温度プロファイル条件(予備加熱温度範囲、予備加熱時間範囲、本加熱温度範囲、本加熱部時間範囲、本加熱部ピーク温度範囲、本加熱部昇温スピード範囲)も登録できるようになっている。そして、登録された条件に基づいて、リフロー処理時およびリフロー条件の導出時には、目的とするリフロー温度プロファイルに基づいて、装置設定条件を呼び出し、その設定条件の内容を確認し、設定を変更する。これにより、早期にリフロー処理が行えるようになる。すなわち、導出された設定条件は、リフロー装置の操作画面を通じて操作部に登録できるため、設定条件をノート等に記入しておく必要がなくなる。