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JP2005104768A - 再帰反射用ガラスビーズ及びその製造方法 - Google Patents

再帰反射用ガラスビーズ及びその製造方法 Download PDF

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Seiichi Hanada
誠一 花田
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】 製造量を大幅に向上させ、しかも従来よりも安定した光学的な性能を実現することが可能となる再帰反射用ガラスビーズ組成物とその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の再帰反射用ガラスビーズは、無機酸化物ガラスよりなるガラスビーズにおいて、粒度分布に2つ以上の極大値があり、この極大粒径は10μmから100μmの間にあって、2つの極大値の間に3μm以上の差があるものである。また、再帰反射用ガラスビーズは、ガラス中にZnOが質量比で10ppm〜0.5%、TiO2 10〜70質量%、BaO 10〜60質量%、RO(R=Zn+Mg+Ca+Sr) 1〜20質量%である。さらに、本発明の再帰反射用ガラスビーズの製造方法は、粒度分布に2つ以上の極大値をもつようにガラスビーズ組成物を混合するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、交通標識や路面表示等に使用されて再帰反射機能を利用する反射材料として利用される再帰反射用ガラスビーズとその製造方法に関する。
一般に、粒径が8mm未満の球状ガラスはガラスビーズと呼ばれ、このようなガラスビーズはその光学特性や強度、化学的な耐久性等を活用できる、あらゆる分野で利用されてきている。その中でも、特に需要の多い用途として、道路の交通標識や路面表示等に反射材料として利用されるものがある。
このようなガラスビーズの製造方法は、直接法と呼ばれるガラスを溶融して直接噴霧するという工程で製造されるもの、間接法と呼ばれる一旦成形したガラスカレットを再溶融した後にビーズ化する方法とに大別される。そしてこのような方法で成形されたガラスビーズは、例えば交通標識として利用する場合、樹脂フィルム、クロス又はシート表層中にガラスビーズと反射層とを光学的に配位形成するように成形することによって、再帰反射(retroreflectivity)機能を実現することができるものである。ここで、再帰反射とは、ガラスビーズに入射した光がガラスビーズ表面で屈折し、その一部がガラスビーズ内に入り、入射面と対峙する球面で反射して、再び入射方向に戻る光学的な性質のことである。
そして、この際に高い反射輝度を実現するために、ガラスの屈折率や表面性状等について種々の研究が行われ、それと同時に樹脂フィルム等へのビーズの配列構造や反射層の種類等にも多数の発明が行われてきた。この中でも最も典型的な構造として、特許文献1にあるようなガラスビーズの一部が空間に露出している構造となるオープンタイプと呼ばれる構造をとるものや、特許文献2や特許文献3にあるようなガラスビーズ全体が包囲されている構造となるクローズドタイプと呼ばれる構造とがある。
オープンタイプの場合の一般的な部分断面構造を図2に、またクローズドタイプの場合の一般的な部分断面構造を図3にそれぞれその概念図として示す。いずれの場合についても、ガラスビーズの存在する反射シート20等の表面に対して入射角θで入射した可視光線はガラスビーズ10内へと進み、それぞれガラスビーズ10の反対側の対峙する内表面で再帰反射されて入射方向に対して正反対の方向へと射出する。このようにして、反射シート20や反射クロス等はその再帰反射特性を実現している。近年、反射シート20等の材料輝度の向上対策として、特許文献4に表されたように気体の屈折率が低いことを活用し、光透過性の保護層50とガラスビーズ10の間、あるいは保護層50と反射層40との間に気体層等を設けることによって光の再帰反射性能を高めた、いわゆるカプセル型再帰反射シート(セル状反射シートともいう。)の使用が増加している。また、ガラスビーズ10の表面にさらに屈折率の高い被膜を形成するといった発明も特許文献5に開示されている。
特許第2637952号公報 米国特許第2407680号公報 特開平8−101304号公報 特開平8−164580号公報 特開2001−48586号公報
このようなシート構造やガラスビーズの被膜形成等の変更以外に、反射シート等の反射輝度を調節する重要な要素として、ガラスビーズの粒度がある。前記したような各種の製造方法によってガラスビーズを製造する際に、どのような製造方法を採用しても、成形されたガラスビーズは、ある粒径範囲の粒度分布を有することになる。そして、可視光に対して高い反射輝度を実現できるガラスビーズの粒度には有効範囲があるが、製造されたガラスビーズの一部にはこの有効範囲を超える粒径となってしまうものがある。このため、少しでも高い収率で粒径誤差の小さい粒径を容易に実現できる製造方法がこれまで研究されてきた。しかし、製品価格に見合う製造原価の範囲で、大量生産が可能となる方法を採用する場合には、有効な粒度範囲を外れる粒径のガラスビーズが成形されるという問題を解決することはできなかった。それでも、使用できない粒径のガラスビーズはカレットとして溶融炉に投入する原料とすることで再利用できるため、問題はないとされてきた。
しかしながら、生産性を向上させて高い反射輝度を有するガラスビーズを製造する条件を追求し、ガラスビーズ製造に関係する各種条件等を整えていく過程において、製造されるガラスビーズの歩留まりの低さを補う方法が見いだせない状況であった。一方、ガラスビーズの各種用途への需要の増大等に伴って、製造原価を低減させて、しかもこれまで以上に大量の製品を製造する必要性が高くなった。
かかる自体を改善すべく、発明者は研究を行い、大幅な設備増強等の対処をせずに製造量を大幅に向上させ、しかも従来よりも安定した光学的な性能を実現することが可能となる再帰反射用ガラスビーズとその製造方法を提供することが重要な課題となった。
本発明の再帰反射用ガラスビーズは、無機酸化物ガラスよりなるガラスビーズにおいて、粒度分布に2つ以上の極大値があることを特徴とする。
ここで、粒度分布に2つ以上の極大値があることとは、直径を異にするガラスビーズの粒度について度数分布を求めていくと2つ以上の度数の極大値を有する粒径値が存在して、その極大度数を示す粒径値は最大度数を示すものと最大度数に次いで多い度数、すなわち第二の極大値を示すもの、さらにそれ次ぐ度数、すなわち第三の極大値を示すものというように2つ以上の度数極大値が存在することを意味している。
このように、粒度分布に2つ以上の度数の極大値を持つことが可能であっても、さらにその数を増やして20を越えた数の度数の極大値を有するように調製することは、そのために必要となる労力の割に得られる効果が少なく、実使用上有用なものではない。よって、度数の極大値の数は2以上であって20以下とする方がよく、さらに好ましくは2以上で15以下とすることであり、一層好ましくは2以上10以下とすることである。
また、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、粒度分布の2つの極大値の間に3μm以上の差があることを特徴とする。
ここで、粒度分布の2つの極大値の間に3μm以上の差があるとは、前記の度数極大値に相当する2つある粒径値がそれぞれ3μm以上離れている状態にあることを意味している。
2つある粒度分布の極大値の間に3μm以上離れていないと本発明によって可能となる広範囲の粒度分布を有するガラスビーズを使用することが困難となる場合がある。すなわち、度数極大値を示す粒径値は、2つ以上ある場合であってもその内少なくとも2つの極大粒径値が3μm以上離れていれば、他の極大値間については限定しないものである。またこの2つの極大値を示す粒径値は、あまりに大きな間隔があいていると、反射シートあるいは反射クロスを成形する作業性に支障の発生する場合があるため、その上限としては200μm以下とする方がよい。そしてさらに好ましくは、100μm以下とする方がよく、一層好ましくは70μm以下とする方がよい。
さらに、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、粒度分布の2つの極大値が10μmから100μmの間にあることを特徴とする。
ここで、粒度分布の2つの極大値が10μmから100μmの間にあるとは、前記の度数極大値を示す粒径値の最小値が10μmで、最大値が100μmであることを意味している。
極大値が10μmより小さいと、実使用上充分高い反射輝度が得られず、またガラスビーズの反射輝度の規格である330lx(ルクス)/cd(カンデラ)/m2(平方メートル)以上の輝度を満足しないものとなるため、採用することができない。よって、ガラスビーズの度数極大値を示す粒径の最小値は、10μm以上とする方がよく、より安定した品位を実現するためには20μm以上とする方が好ましい。
一方、極大値が100μmを越えると反射シートや反射クロスを成形した場合にガラスビーズがクロス表面やシート表面への単位面積当たりの付着量が多くなり、重量が重くなるばかりでなく、単位面積当たりの製品単価が高価なものとなる。このため、ガラスビーズの度数極大値を示す粒径値の最大値は、100μm以下である方がよく、より安定した品位を実現するためには、90μm以下とする方が好適である。
また、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、請求項1から請求項3に記載の内容に加えて、その平均粒径が75μm未満であることを特徴とする。これは上記したように、ガラスビーズの輝度を満足しつつ、しかも軽量な反射シートを製造するという2要件を満足するために必要なものであって、より好ましくは、平均粒径が70μm以下とすることである。
さらに、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、ガラス中のZnOが質量比で1.0ppm〜0.5%であることを特徴とする。
ここで、ガラス中のZnOが質量比で1.0ppm〜0.5%であることとは、ガラスビーズ中の亜鉛成分をZnOという亜鉛酸化物として表した場合に、その含有量比率が質量比で1.0ppmから0.5質量%の範囲であることを意味している。
ZnOは、ガラスビーズの色調を安定させ、ガラスビーズ溶融時のガラスの均質性を進める成分であり、溶融ガラスの粘性の改善や溶融ガラス中の結晶析出による耐失透性についても、ガラス組成中に微量に添加することによっても改善効果を発揮するものであるが、その含有量が質量比で1.0ppmより少なくなると顕著な改善効果が認められなくなる。一方、ZnOはガラスの溶融やガラスビーズの製造工程で蒸発し易く、ガラス組成の変動の原因となる危険性があってガラスの屈折率や色調の変動原因となる場合もある。また蒸発物がダストとして製造設備や製造したガラスビーズの表面等に付着する等の問題を発生させる場合もあり、多量に添加するのは排気設備等の性能の劣化を引き起こす原因となる場合もあって、製造設備周辺の環境的な観点からも好ましくはない。このためZnOの添加量の上限は、このような一連の観点から質量比で0.5%を越えるものとするのは好ましくない。よってZnOの添加量は、ガラス中の含有範囲が質量比で1.0ppmから0.5%の範囲内とする方がよく、より好ましくは3.0ppmから0.3%の範囲である。
また、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、ガラス組成がTiO2 10〜70質量%、BaO 10〜60質量%、RO(R=Zn+Mg+Ca+Sr) 1〜20質量%であることを特徴とする。
ガラス組成中のTiO2は、ガラスの耐摩耗性を向上させると共に溶融時の溶解性を向上させる成分であると、同時にガラスの屈折率が再帰反射機能を実現するために必要な値となるために有効な成分であるが、ガラス冷却時の結晶化による失透性を高め、ガラスビーズの成形性を阻害するという欠点もある。このため、TiO2は、再帰反射を実現するに十分な屈折率、すなわち屈折率1.9以上を確保するためには、少なくとも10質量%以上の含有量であることであって、好ましくは20質量%以上の含有量であることであって、さらに好ましくは30質量%以上の値であることである。一方、TiO2は、耐失透性について留意するならばその値は70質量%以下とすることであって、さらに好ましくは65質量%以下とすることであって、一層好ましくは、60質量%以下とすることである。
そして、ガラス組成中のBaOは、TiO2と同様に屈折率を高い値とするために重要で、少なくとも10質量%以上含有することであって、より好ましくは15質量%以上とする方がよく、一層好ましくは20質量%以上とする方がよい。
さらに、ガラス組成中のRO(R=Zn+Mg+Ca+Sr)は、ガラスビーズの屈折率を向上する働きとガラスビーズの色調を安定させる働き、そしてガラス溶融時の耐失透性を向上する働きを有するものであるが、これらの成分の添加量を増加しすぎるとそれに応じてBaOやTiO2成分の含有量を減じなければならなくなり、結果としてガラスの溶解性が損なわれて光学的に不均質なガラスビーズが生成するといった問題が発生する場合もある。以上のような観点から、ガラス組成中のRO(R=Zn+Mg+Ca+Sr)は、1質量%から20質量%の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは2質量%から15質量%の範囲内とすることである。
また、本発明の再帰反射用ガラスビーズには、前記以外の含有成分として必要に応じSiO2、Al23、PbO、K2O、Na2O、Li2O、ZrO2、CeO2、Sb23、B23、SnO2、WO3、Nb25、Gd25、La23、Ta25、ThO2を添加することによって所望の光学的機能を実現することもできる。
本発明の再帰反射用ガラスビーズの製造方法は、粒度分布に2つ以上の極大値をもつようにガラスビーズを混合することを特徴とする。
ここで、粒度分布に2つ以上の極大値をもつようにガラスビーズを混合するとは、平均粒度の異なる2種類以上のガラスビーズを予め計測したそれぞれの粒度分布に従って混合比率を定めることによって、混合後の粒度分布の極大値が1つのみにならないように均等に混合することを意味している。
例えば、2種類のガラスビーズを混合する場合に、その粒度分布をそれぞれ計測したところ、2種のビーズが同じような形状の粒度分布であることが判明したならば、その粒度分布の互いの極大値の半分の度数を示す粒径で互いのガラスビーズの粒度分布曲線が交差するような状態となる重量比となることを避けて混合するならば、混合後の粒度分布は1つの極大値となることはない。
そして、この2種類以上のガラスビーズは、前記の条件を満足するもであれば、それぞれ異なった組成のガラスビーズの混合であってもよく、その逆に全く同じ組成を有するガラスビーズの混合であっても差し支えないものである。
また、本発明の再帰反射用ガラスビーズの製造方法では、複数種のガラスビーズの成形を行った後に混合操作を行うものであっても、成形しながら混合するというものであってもよい。そしてビーズの成形方法は、特に限定するものではなく、直接法であっても間接法であっても採用することができる。
また、本発明のガラスビーズ組成物の粒度の測定方法としては、どのような方法を採用してもよいが、例えば電子顕微鏡の画像による画像解析を利用する計測方法、篩い分け法、コールター・カウンター法、沈降法等を採用することによって測定することができるものである。
さらに、再帰反射性については、再帰反射計(別称レトロルミノメーター)等を使用することによって、測定することができるものである。
(1)本発明の再帰反射用ガラスビーズは、無機酸化物ガラスよりなる再帰反射用ガラスビーズにおいて、粒度分布に2つ以上の極大値があるものであるため、2つ以上ある極大粒径値の比率を最適な値にすることで所望の反射輝度等の光学特性を実現することができるものであって、種々構造を有する反射シート、反射クロス材料として最適なガラスビーズ粒度分布を選択することを可能にする高い性能を有するものである。
(2)また、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、粒度分布に2つ以上の極大粒径値が互いに3μm以上の差があるため、広範囲の粒径を有するガラスビーズを製品として採用することができ、ガラス製造歩留まりを上昇させることによって製造原価を低減することで、品質向上等の他の費用を充足することを可能とするものである。
(3)また、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、粒度分布の2つの極大値が10μmから100μmの間にあることを特徴とするものであるため、用途に応じて最適のガラスビーズ粒径を選択し、さらに複数の粒径の配合比を微調整することによって最適な粒径分布を有するガラスビーズを採用することができるものであって、必要とされる最適な光学的機能を実現することが可能となるものである。
(4)さらに、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、ガラス中のZnOが質量比で10ppm〜0.5%であるため、成形されたガラスビーズの均質度が高く、色調の変動の少ないガラスビーズであって、製造ロットによる機能の差異の少ない優れた性能を有するものである。
(5)また、本発明の再帰反射用ガラスビーズは、ガラス組成がTiO2 10〜70質量%、BaO 10〜60質量%、RO(R=Zn+Mg+Ca+Sr) 1〜20質量%であるため、所望の光学機能を実現することによって種々の構造を有する反射機能商品に適用される場合であっても、その商品について求められる最適な反射性能を実現することができるものであって、一用途と限らずに広範な商品へ採用可能な優れた応用性を有するものである。
(6)本発明の再帰反射用ガラスビーズの製造方法は、粒度分布に2つ以上の極大値をもつようにガラスビーズ組成物を混合するものであるため、必要に応じて平均粒径の微調製を行うことで、高い性能を安価に実現することを可能とし、これまで以上にガラスビーズの利用される分野の裾野を広げていくことに貢献することのできる卓越したものである。
以下に本発明のガラスビーズ組成物とその製造方法について、実施例に基づき説明する。
表1に本発明の再帰反射用ガラスビーズのガラス組成の化学分析値を示す。いずれの組成も無機酸化物等のガラス原料を調合したバッチを小型ロッキングミキサーによって混合することで、溶融ガラス原料を作製した。この原料をガラス溶融容器内に投入して1500℃に電気抵抗加熱して溶融状態として均質化し、その後に容器底に設けた取り出し口より溶融ガラスを流出させ、そこに予混合ガスを吹き付けて1次噴霧ガラスビーズ品を製造した。この1次噴霧ガラスビーズを2次噴霧装置の原料供給容器に投入した。そして、この原料供給装置から定量的に原料が取り出せる様に空気流に原料をのせて火炎中に投入することによって、ビーズ成形炉内での2次噴霧操作を行った。得られたガラスビーズは、篩い分けによる分級操作によって、所定の粒度範囲のガラスビーズをそれぞれの試料について複数作成した。
こうして得られた数種類の粒径を有するガラスビーズの粒度をそれぞれ計測した。ガラスビーズの粒度の測定は、ベックマン・コールター株式会社製のコールター・カウンター粒度測定装置、マルチサイザーIIIによって行った。その結果に基づいて、それぞれ所定比率で複数のガラスビーズの混合操作を行った。混合操作は、いずれもガラスビーズ混合専用の小型振動型混合機を使用して、混合操作を2時間行い、得られた混合ガラスビーズの粒径を前記の測定方法によって計測した。その結果、表1に示す様にいずれのガラスビーズについても、2つ乃至3つの極大値を有する粒度分布状態であることを確認し、それぞれの極大値の間隔は、12.3μmから56.5μmの範囲にあることを確認することができた。また、それぞれのガラスビーズについて、度数極大値を示す粒度は、20.1μmから95.2μmの範囲にあることも判明した。さらに、得られたガラスビーズの平均粒径は48.9μmから62.1μmの範囲にあることも判明した。こうして、試料No.1から試料No.8のいずれについても、本発明のガラスビーズであることを確認することができた。
Figure 2005104768
次いで、本発明のガラスビーズの性能を評価するため、より大型の設備を使用して、反射シートを作成し、その性能の確認を行った。まず、本発明のガラスビーズ組成として、表1のNo.5と同じ組成となるように、実施例1と同様の手順で2次噴霧までの操作を行った。得られたガラスビーズは、篩い分けによる分級操作によって所定の粒度範囲のガラスビーズを2種類作製した。
この後、得られた2種類の粒径を有するガラスビーズの粒度をそれぞれ計測した。ガラスビーズの粒度の測定は、前記同様の粒時計側装置によって行った。その結果、一方のガラスビーズの平均粒径は90.4μmで粒度分布の範囲が88μmから105μmまでの分布を示すものであって、他方のガラスビーズの平均粒径は40.0μmで粒度分布の範囲が37μmから44μmの分布を示すものであることを確認できた。この2種類のガラスビーズについて、2対1の重量比で均質混合をおこなうため、ロッキングミキサーを使用することによって2時間の混合操作を行った。この混合操作によって得られたガラスビーズについて、その粒度分布の測定を前記の粒度分布の計測装置によって行ったところ、図1の粒度分布グラフに示す様に平均粒径は54.8μmであって、その粒度分布の範囲は37μmから105μmまでの広がりを持つ状態であることを確認することができた。そして図1からも明らかなように、この粒度分布グラフには、2つの極大度数値が存在し、その極大を示す粒度値は、それぞれ40.0μmと89.8μmで2つの極大値間は49μmであった。
次いで、このガラスビーズの性能評価として反射シートとした時のガラスビーズの目付量についての計測を行うため、まずA4寸法のプラスチックシート上の片面に両面テープを貼り付けたシートを準備した。そして、A4より大きい底面積を有するプラスチックトレー内にガラスビーズを蓄え、その中に両面テープを貼り付けたプラスチックシートを潜らせることによって、プラスチックシート表面の両面テープに付着させた。得られたガラスビーズ付着プラスチックシートの重量を計測し、風袋除去して付着したガラスビーズの重量を算出し、単位平方メートル当たりの重量に換算して、この値をガラスビーズの目付量とした。こうして得られた目付量値は、130g/m2であって、混合前の平均粒径90μmのガラスビーズを単独で付着させた場合のガラスビーズの目付量220gと比較すると目付量を減少させることが可能となり、反射シート単位面積当たりの付着量が少なくなるため、反射シート重量の低減と反射シート原価を削減することが可能となるものであることが判明した。
さらに、このガラスビーズを使用した前出の図2に示すオープンタイプの反射シートの光学的な性能を調査した。ガラスビーズを使用した反射シートの規格としては、ヨーロッパ反射クロス規格EN−471を満足することが必要である。本発明により製作した反射シートを再帰反射計(レトロルミノメーター)によって計測したところ、入射角度5°に対する観測角度0.2°の値が400lx(ルクス)/cd(カンデラ)/m2(平方メートル)であって、入射角度5°に対する観測角度1°の値が40lx/cd/m2となり、この規格を満足する反射シートの得られることを確認することができた。一方、混合する前の平均粒径40μmのガラスビーズを単独で使用して製作した反射シートについて、同様に反射輝度の計測を実施したところ、入射角度5°に対する観測角度0.2°の値が200lx/cd/m2であって、規格の330lx/cd/m2に達しない品位であることを確認することができた。
本発明の再帰反射用ガラスビーズは、反射シート、反射クロスあるいは反射フィルムとして使用する場合ばかりでなく、塗料等と共に利用することによって路面反射材料として利用することもでき、さらに平均粒度の精密な調製が可能であることから、光通信用途等の光部品用微小球レンズ材料、半導体接着用の封着材料、塗装や琺瑯、樹脂、ゴム等の各種媒体に混入するフィラー材料、スペーサー材料として転用することも可能となるものである。
本発明の再帰反射用ガラスビーズに係る粒度分布状態の説明図。 典型的なオープンタイプの反射シートの部分断面図。 典型的なクローズドタイプの反射シートの部分断面図。
符号の説明
10 ガラスビーズ
20 反射シート
30 反射シート基体
40 反射層
50 保護層
θ 入射角

Claims (6)

  1. 無機酸化物ガラスよりなる再帰反射用ガラスビーズにおいて、
    粒度分布に2つ以上の極大値があることを特徴とする再帰反射用ガラスビーズ。
  2. 粒度分布の2つの極大値の間に3μm以上の差があることを特徴とする請求項1記載の再帰反射用ガラスビーズ。
  3. 粒度分布の2つの極大値が10μmから100μmの間にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再帰反射用ガラスビーズ。
  4. ガラス中のZnOが質量比で1.0ppm〜0.5%であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の再帰反射用ガラスビーズ。
  5. ガラス組成がTiO2 10〜70質量%、BaO 10〜60質量%、RO(R=Zn+Mg+Ca+Sr) 1〜20質量%であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の再帰反射用ガラスビーズ。
  6. 粒度分布に2つ以上の極大値をもつようにガラスビーズを混合することを特徴とする再帰反射用ガラスビーズの製造方法。
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