JP2005188651A - ウォーターポンプにおけるメカニカルシール - Google Patents
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Abstract
【課題】 ウォーターポンプにおけるメカニカルシールであって、固定環と回転環との摺動接触部において、その強度を十分に確保し、且つ固定環と回転環による摺動性を良好に維持しながら且つそのシール性を良好にすること。
【解決手段】 メカニカルシールAの固定環3、回転環5の対向且つ接触する摺動面3a,5aにプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面部wが形成されること。そのメカニカルシールAのシール状態で前記固定環3と回転環5との摺動面3a,5a間には、薄膜液体層Lが形成されてなること。
【選択図】 図1
【解決手段】 メカニカルシールAの固定環3、回転環5の対向且つ接触する摺動面3a,5aにプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面部wが形成されること。そのメカニカルシールAのシール状態で前記固定環3と回転環5との摺動面3a,5a間には、薄膜液体層Lが形成されてなること。
【選択図】 図1
Description
本発明は、メカニカルシールの固定環と回転環との摺動接触部において、その強度を十分に確保し、且つ固定環と回転環による摺動性を良好に維持しながら且つそのシール性を良好にすることができるウォーターポンプにおけるメカニカルシールに関する。
ウォーターポンプのメカニカルシールにおいては、特に自動車のエンジン冷却用のものでは、極めて厳しい使用環境におかれており、メカニカルシールの固定環と回転環との間の回転摺動により、消耗が激しいものとなる。そのような状況において、作動時に、相互の摩擦による高温の発生や、磨耗により固定環と回転環との間のシール性が劣化してゆくことになる。さらに、メカニカルシールにおいて、固定環と回転環とによるシール性を高めると、その摺動面同士のフリクション(摩擦)が高くなり、よって摺動性能が悪くなることになる。すなわち、シール性と摺動性とは相反する関係にある。
このような状況において、メカニカルシールの固定環、回転環等に使用される摺動材にタングステンカーバイト(以下「WC」と称する)に軟質のカーボン粒子を故意に析出するようにカーボン粒子を余剰に配合して、前記WCとカーボン粒子の硬さ、耐摩耗性の違いを利用し、メカニカルシール等の摺動面に凹凸が形成されるようにしたものが存在している。前記WCにカーボン粒子を配合した摺動材は、カーボン粒子の有するシール液との親和性を利用して潤滑特性を改善しようとしたもので、液体との親和性が高められ、濡れ性が改善されているものであり、この内容は、下記特許文献1に開示されている。
特開2000−170924
上記特許文献1では、WC(タングステンカーバイト)にカーボン粒子を配合した複合材で親和性の高い摺動材を形成するものである。これは、超硬合金WCとカーボン粒子の硬さ、耐摩耗性の違いを利用してメカニカルシール等の摺動材として摺動面に凹凸が形成されるようにしたものである。その余剰に配合されたカーボン粒子によって形成される凹部であるが、そのカーボン粒子の配合量は、形成体の強度を低下させないようにごく限られた範囲となっている。
そのため、カーボン粒子の凹部による表面粗さは、形成体の強度を低下させないようなカーボン粒子の配合量において形成されることになるので、その摺動面の表面粗さによるシール液の液溜まりでは、摺動面にシール液が十分に維持された流体潤滑状態を形成することが難しいものである。また、形成体の強度を考慮すると、カーボン粒子による摺動面の表面粗さはごく限られた状態になり、シール液の保持が十分になされ、良好なシール状態に維持することは極めて困難である。
すなわち、形成体の強度を確保し、且つ摺動面にシール流体の貯留を維持して流体潤滑性能を高めることは困難である。そこで、本発明の課題は、従来のメカニカルシールにおけるカーボンの相手摺動材として使用されている材料にカーボン粒子などを配合することなく、メカニカルシールの強度を十分に確保し、且つ摺動面の濡れ性改善を高め、摺動性とシール性を良好に安定させ、ひいては、メカニカルシールにおける固定環と回転環の耐久性を向上し、寿命を高めることにある。
そこで、上記課題を解決すべく、発明者は、鋭意,研究を重ねた結果、本発明を、メカニカルシールの固定環、回転環の対向且つ接触する摺動面にプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面部が形成され、メカニカルシールのシール状態で前記固定環と回転環との摺動面間には薄膜液体層が形成されてなることを特徴とするウォーターポンプにおけるメカニカルシールとしたり、又は前述の構成において、前記メカニカルシールの固定環又は回転環のいずれか一方の摺動面に親水面部が形成されてなることを特徴とするウォーターポンプにおけるメカニカルシールとしたことにより、上記課題を解決したものである。
次に、メカニカルシールの固定環又は回転環の摺動材において、少なくともいずれか一方の摺動面にプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面が形成され、その摺動面における蒸留水との接触角は50°以下となるようにしてなるウォーターポンプにおけるメカニカルシールとしたことにより、上記課題を解決したものである。
本発明によれば、固定環及び回転環の強度を十分に確保しながら、摺動面の摺動性とシール性の両方を良好にすることができる。さらにメカニカルシールの摺動面を長期に亘ってシール性と摺動性を良好に維持することができ、ひいては、メカニカルシールの耐久性が向上し、寿命を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(A)は、メカニカルシールAが装着されたウォーターポンプの縦断側面図であり、図1(B)はそのメカニカルシールAの要部断面図である。ポンプハウジング6には、ベアリング付き軸7が装着されている。該ベアリング付き軸の軸方向一端は、前記ハウジングの外部に突出し、プーリ8が装着されている。メカニカルシールAは、前記ベアリング付き軸7のベアリング部7aを収納支持するボス孔6a内部とポンプ室6bとを仕切る位置に装着固定される。
前記メカニカルシールAは、図1(B)に示すように、固定部A1 と回転部A2 とから構成されている。その固定部A1 は、固定枠部1の内部に弾性部2と固定環3とが装着され、前記弾性部2によって固定環3が前記固定枠部1の外方に向かって弾性付勢されるようになっている。前記固定枠部1は、ポンプハウジング6のボス孔6aに圧入固定される。また、回転部A2 は、回転枠4と回転環5とから構成され、前記回転枠4に回転環5が固定されたものである。前記回転枠4は、ベアリング付き軸7の軸部7bに圧入固定され、ベアリング付き軸7とともに回転する。
前記メカニカルシールAの固定環3は、前記弾性部2を介して回転環5に押圧状態となるように接触するものであるが、厳密には後述するように、固定環3と回転環5との間には極薄の薄膜液体層Lが存在することになる。したがって、固定環3と回転環5との接触とは、図2(C),(D)に示すように、上記薄膜液体層Lを介して略接触状態となることである。そのメカニカルシールAの固定環3、回転環5の摺動材の材質としては、超硬合金、セラミックス、カーボン、樹脂、鉄等がある。
その固定環3や回転環5の摺動面3a,5aには、図2(A)に示すように、プラズマ照射を利用した表面処理が行われ、親水面部wが形成される。前記摺動面3a,5aとは、固定環3及び回転環5の相互に接触する面のことを言う。また、親水性にすぐれた材質からなる固定環3や回転環5においては、その摺動面3a,5aの表面に、前記表面処理によって親水面部wが形成されることにより、さらに親水基が増加されてゆくことになる。
またプラズマ照射を介して形成された固定環3や回転環5の摺動面3a,5aにおける親水面部wは、OH基と結合しやすい分子を出させるようにすることもある。また上記固定環3や回転環5における表面処理による親水面部wの形成については、レーザ光、紫外線等を利用することもある。前記表面処理によって固定環3や回転環5の摺動面3a,5aにおける親水面部wは、親水基やOH基と結合しやすい分子を表面に形成させることとなり、摺動面3a,5aの濡れ性を高い状態にすることができる。その濡れ性が高い状態としては、蒸留水との接触角が50°以下であることが好ましい。
ここで、メカニカルシールAの固定環3と回転環5との摺動面3a,5aにおける濡れ性との関係を説明する。メカニカルシールAにとって、主に必要な性能は、液体と気体とを遮断すること、固定環3と回転環5とが良好に摺動することの2つの事項である。この2つの性能を両立させる手段として、前記固定環3と回転環5との摺動面3a,5aに液漏れの発生しない程度の薄膜液体層L(液膜)を形成させ、この薄膜液体層L(液膜)でシールさせながら摺動させることである。これを実現するために、摺動面3a,5aの濡れ性が求められる。
そのメカニカルシールAに限らず、全ての物質は、「濡れ性」という性質を有しており、その濡れ性は、ヤングの式で表される。γS =γL cosθ+γSL(ヤングの式)。この濡れ性を高い状態で確保するためには、表面に親水基を持たせることである。すなわちOH基と結合しやすい分子を摺動面3a,5aに出すことである。また、該摺動面3a,5aの固体表面エネルギが小さいこと及び粗面であることである(図3参照)。
さらに濡れ性において前記固体の濡れは、固体の表面張力γS と液体の表面張力γL 、及び固体液体の界面張力(界面自由エネルギ)γSLのバランスによって決まる。そして、濡れやすいということは、濡れた時の界面自由エネルギが低く、接触角が小さいことを意味している。また、濡れにくいときには、上記とは反対に界面自由エネルギが高く接触角が大きいことを意味する。そして、液滴が固体面に置かれたときに、前記γS ,γL ,γSLの3つのベクトルの和がゼロになったときに初めて静止する。よって平行状態での固体の濡れ性を評価するには、この状態での接触角θを測定するものである。但し、正確には液体の表面張力の垂直成分γL sinθは固体面の垂直効力とつりあっているが、ヤングの式には入っていない。接触角を論じる場合には、この垂直効力を省略して水平方向の力の和だけに注視されるものである。
また、 前記表面処理による親水面部wについては、メカニカルシールAの固定環3、回転環5の少なくともどちらか一方側の摺動面3a,5aに施されていればよい。具体例を示すと、セラミックスのAl2O3〔酸化アルミニウム(アルミナ)〕、SiC(炭化ケイ素)と焼成カーボンに対して、適宜条件のプラズマ照射を行ってみた。そのプラズマ照射しないセラミックスと焼成カーボンの蒸留水との接触角は、前記セラミックスのAl2O3 では、107.5°である。
また、SiC では49.7°である。さらに、焼成カーボンでは、88.2°であった。それに対してプラズマ照射したものは、セラミックスのAl2O3 が36.9°であり、SiCが12.5°であり、さらに焼成カーボンでは、25.8°と小さくなっている。このように、プラズマ照射による表面処理にて親水面部wの濡れ性が確実に向上していることが認められる。これらの結果は、いずれも蒸留水との接触角が50°以下になっている。
なお、SiCは、プラズマ照射しない場合でも接触角は49.7°と表面処理による親水面部wに形成された蒸留水との接触角50°よりも小さく、元々濡れ性は良好なものであり、これは材料固有の濡れ性が高いものであるが、プラズマ照射したもので50°以下になったものとは表面の状態が異なるものである。
次に、前記固定環3や回転環5のプラズマ照射された摺動面3a,5aの状態について説明する。固定環3や回転環5の摺動材をセラミックスにした場合、プラズマ照射によりセラミックスの表面層の原子同士の結合が分断され、官能基が表面に形成されることになる。さらに、摺動面3a,5aの親水面部wは、図2(B)に示すように、原子分子レベルでの細かい凹凸面が形成され、表面が改質されることになり、密着性が向上し、活性な表面状態となるものである。
上記親水面部wの凹凸面により、メカニカルシールAの固定環3と回転環5との接触において、摺動面3a,5aとの間には、メカニカルシールAの稼働にて、ウォーターポンプ内の液体による薄膜液体層Lが形成される。この薄膜液体層Lは、シール及び潤滑としての役目をなす。また、前記親水面部wについて、物理的な面より見ると、固定環3や回転環5の摺動面3a,5aの薄膜液体層Lは濡れ性が高くなり、摺動面3a,5aと液体との馴染みが良好となり、液体との広い接触面積を得ることができるものである。また、化学的には“C−H"“C−C"などの疎水構造が減少し、“C−O"“−COO−"などの親水構造が増加し、薄膜液体層Lとの密着性を高めることができる。
プラズマ照射された固定環3や回転環5の摺動面3a,5aは、原子分子レベルでの細かい凹凸面が形成され、表面が改質されることで、材料固有の濡れ性の高い材質のものと比べても、流体の密着性がさらに向上しており、このようにさらに濡れ性が高い状態となることで流体の保持性が高めらる。以上のごとく、プラズマ照射された固定環3や回転環5の表面は、材料固有の濡れ性が高い材質のものとは、表面の凹凸の大きさが全く異なるものである。すなわち、材料固有では、結晶レベルの凹凸形状であるのに対して、プラズマ照射を介して表面処理された親水面部wでは、原子・分子レベルのものであり、本発明では、固定環3や回転環5の摺動面3a,5aに極めて微細な凹凸面を形成することができる。
また、プラズマ照射による表面は、表面に付着している有機物(汚れ)にプラズマが結合して洗浄することができ、密着性をより安定させることができるものである。さらに、プラズマ照射により、以下に示す独特の効果を固定環3や回転環5の摺動面3a,5aに付加させることができる。まず第1に粗面効果である。これは、プラズマ粒子により表面に前述したように原子分子レベルの凹凸が形成できるものである。次に、活性効果であり、プラズマ粒子により表面の分子結合鎖を分解する。次に、洗浄効果であり、表面に付着している有機物(汚れ)にプラズマ粒子が結合し、洗浄する。
したがって、メカニカルシールAの固定環3や回転環5にプラズマ照射を行うことで、その摺動面3a,5aの濡れ性が飛躍的に高められて摺動性が良好になるのみならず、シール性を高めることができ、漏れ量を大幅に低減することができる。よってメカニカルシールの性能を大幅に向上させることができる。
なお、メカニカルシールAの固定環3や回転環5の摺動材にプラズマ照射された摺動面3a,5aには、ウォーターポンプ内の冷却液が保持され、シール層として薄膜液体層L(液膜)が形成されるものであるが、その流体の薄膜液体層L(液膜)が完全に接着結合されるものではない。そのため、プラズマ照射された摺動面3a,5aは、活性な表面状態と液体とが密着されることになるが、そのような摺動面3a,5aの全体は、常に冷却液と触れているのではなく空気と接触するところもある。これによって、プラズマ照射による活性な表面状態は、プラズマ照射される前の表面状態、すなわち活性前の元の状態に戻ろうとする。そして、プラズマ照射された摺動面の活性な表面状態は経時的に活性が減少して、元の安定状態に変化してゆくことになる。その結果、固定環3と回転環5とのシール流体は、その摺動面3a,5aの活性な表面状態の変化に応じて摺動面3a,5aに密着することができ、シール性と摺動性が良好になるように摺動面3a,5aを形成していくことができるのである。
摺動面3a,5aが活性な表面状態から活性前の元の状態に戻ろうとするまでにメカニカルシールAの固定環3と回転環5との摺動面3a,5aのシール面を均一且つ滑らかに磨耗させることができ、安定したシール性と摺動性を長期に亘って維持することができる。結果的にメカニカルシールAの寿命、耐久性を高めることができるものである。以上は、メカニカルシールAの摺動面3a,5aにプラズマ照射を行った実施例の説明であるが、レーザ光を照射することにより、光量子エネルギーの直接作用によって、セラミックスの表面層の有機結合が離脱し、活性化させることができる。
その他に紫外線、イオンビームなどを摺動面3a,5aに照射して、セラミックスなどにて形成された固定環3や回転環5の表面層の有機化合物の物性を示す部分(官能基)が表面に形成され、表面原子を分子レベルで粗面化し、表面の改質を行うことができる。これらの表面改質処理によってメカニカルシールAの摺動面3a,5aの親水面部wが冷却水に対して濡れ性が向上するので、摺動面3a,5aをまんべんなく冷却水が循環して冷却することができる。
よって、摺動発熱による摺動面3a,5aに歪みが少なくなることから、ウォーターポンプの作動時や停止時のシール性が高くなる。また、固定環3や回転環5の摺動面3a,5aには、常に冷却水による薄膜液体層Lが介在するので、前述固定環3と回転環5との摺動時におけるステックスリップの発生を低減することができ、ポンプ騒音を抑制することができる。このようにして、メカニカルシールAのシール性が向上することにより、該メカニカルシールAから漏れ出る液体が少量となるので、ウォーターポンプの駆動軸を回転支持するベアリングへ漏れ液が達し難くなり、ベアリングの劣化を防ぎ、寿命低下を抑制することができる。
図4は、メカニカルシールAの固定環3と回転環5に本発明(プラズマ照射を施したもの)と、従来(プラズマ照射を施さないもの)との場合、試験経過時間(hr)に対する漏れ量(ml)の比較を行ったグラフである。このグラフ(図4)によれば、プラズマ照射を施すことにより漏れの劣化が極めて少ないことが示されている。このことからシール性が良くなっていることが分かる。次に図5は、プラズマ照射を固定環3や回転環5に施した場合(本発明)と、施さない場合(従来)における接触角θの比較をしたグラフである。このグラフ(図5)から、プラズマ照射により接触角θが小さくなっていることが分かる。また、本発明の表面改質処理によりセラミックスの中で安価なAl2O3の材質に濡れ性が高められ、シール性の良いメカニカルシールAのコストを低減することができる。
本発明の表面改質処理によって摺動面3a,5aのそれぞれの親水面部wの濡れ性が高くできることで、シール流体によるシール性を高めることができるので、メカニカルシールAの固定環3と回転環5との摺動面3a,5a同士の接触押圧力を高めても、摺動性が損なわれることなく、良好に回転摺動可能、すなわち摺動面3a,5aのシール面押圧力を高めても低回転トルク化でき、高圧ポンプのメカニカルシールとして良好な性能が得られる。
以上のように本発明では、メカニカルシールAの固定環3、回転環5の対向且つ接触する摺動面にプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面部wが形成され、メカニカルシールAのシール状態で前記固定環3と回転環5との摺動面3a,5a間には薄膜液体層Lが形成されてなるウォーターポンプにおけるメカニカルシールとしたことにより、メカニカルシールAの固定環3と回転環5の摺動面3a,5aにプラズマ照射などの表面改質処理を行って親水面部wを形成するものであり、前記固定環3と回転環5に摺動材の強度を低下するような物質を配合することなく、形成体の強度を十分に確保し、且つ、摺動面3a,5aの濡れ性を高めることができ、ひいては、メカニカルシールAの摺動面3a,5aの摺動性とシール性の両方を良好にすることができる。
さらに、メカニカルシールAの固定環3と回転環5の摺動面3a,5aになされる表面改質処理によって形成された親水面部wは、活性な表面状態で濡れ性を高めることで、前記摺動面3a,5aの初期段階のシール面を均一且つ滑らかに磨耗させることができるため、メカニカルシールAの摺動面3a,5aのシール面になされた表面改質処理の活性な表面状態は経時的に変化して元の状態に戻った(活性が消失した状態)以降も安定した状態で持続させることができる。さらに、メカニカルシールAの摺動面3a,5aを長期に亘ってシール性と摺動性を良好に維持することができ、ひいては、メカニカルシールAの耐久性が向上し、寿命を高めることができる。
次に、前述の構成において、前記メカニカルシールAの固定環3又は回転環5のいずれか一方の摺動面3a,5aに親水面部wが形成されてなるウォーターポンプにおけるメカニカルシールとしたことにより、プラズマ照射作業が簡単であり、ひいては低価格にて提供することができる。
次に、メカニカルシールAの固定環3又は回転環5の摺動面3a,5aにおいて、少なくともいずれか一方側にプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面部wが形成され、その親水面部wにおける蒸留水との接触角は50°以下となるようにしてなるウォーターポンプにおけるメカニカルシールとしたことにより、固定環3と回転環5との摺動面3a,5aにおける親水性を適正に管理することができ、メカニカルシールAのシール状態を良好にすることができるものである。
なお、メカニカルシールAの固定環3又は回転環5の摺動材の摺動面3a,5aにプラズマ照射、レーザ光、紫外線等を介して摺動面3a,5aの表面に親水基を増加させてなるウォーターポンプにおけるメカニカルシールとすることで、前記摺動面3a,5aをより一層良好なる親水面部wとすることができ、前記固定環3と回転環5との間に十分な薄膜液体層を形成することができ、摺動性能を向上させることができる。また、摺動面3a,5aにOH基と結合しやすい分子を表面に生成されてなるウォーターポンプにおけるメカニカルシールとしたことにより、前記摺動面3a,5aの濡れ性を高い状態にすることができる。
A…メカニカルシール、3…固定環、5…回転環
3a,5a…摺動面、w…親水面部、L…薄膜液体層
3a,5a…摺動面、w…親水面部、L…薄膜液体層
Claims (3)
- メカニカルシールの固定環、回転環の対向且つ接触する摺動面にプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面部が形成され、メカニカルシールのシール状態で前記固定環と回転環との摺動面間には薄膜液体層が形成されてなることを特徴とするウォーターポンプにおけるメカニカルシール。
- 請求項1において、前記メカニカルシールの固定環又は回転環のいずれか一方の摺動面に親水面部が形成されてなることを特徴とするウォーターポンプにおけるメカニカルシール。
- メカニカルシールの固定環又は回転環の摺動材において、少なくともいずれか一方の摺動面にプラズマ照射、レーザ光、紫外線などを介して親水面部が形成され、その親水面部における蒸留水との接触角は50°以下となるようにしてなることを特徴とするウォーターポンプにおけるメカニカルシール。
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