JP2005178147A - シートパッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 合成樹脂製ネットを内部に埋設したシートパッドを製造する際に、該ネットの位置ズレを防止して要求性能を満足することのできる製造方法を提供する。
【解決手段】 シートパッド1の表面側を成形する下型60と、シートパッド1の裏面側を成形する上型61とを備える成形型であって、上型61に成形型内に向けて下方に突出する係止突起7を設けた成形型6を用いて、前記係止突起7の先端に合成樹脂製ネット3を係止して、該ネット3を上型61から所定距離をおいた状態で成形型6内に装着し、次いで、成形型6内に軟質フォーム原料Mを注入し、密閉された成形型6内で軟質フォーム原料Mを発泡充填させてネット3と一体化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 シートパッド1の表面側を成形する下型60と、シートパッド1の裏面側を成形する上型61とを備える成形型であって、上型61に成形型内に向けて下方に突出する係止突起7を設けた成形型6を用いて、前記係止突起7の先端に合成樹脂製ネット3を係止して、該ネット3を上型61から所定距離をおいた状態で成形型6内に装着し、次いで、成形型6内に軟質フォーム原料Mを注入し、密閉された成形型6内で軟質フォーム原料Mを発泡充填させてネット3と一体化させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、シートパッドの製造方法に関し、特に、使用に際して振動を伴う自動車等の車両用のシートに好適なシートパッドの製造方法に関するものである。
一般に、自動車用シートにはクッション性の高い軟質ポリウレタンフォームからなるクッションパッドが使用されており、これを支持フレーム上に載置するとともに、パッド表面に表皮を被せる等して、車両用シートとして構成されている。
このような車両用シートにおいては、ボディのデザイン性や空気抵抗値低減による燃費向上などの要請から、車高をより低くすることが要求され、そのためクッションパッドの薄肉化が求められる場合がある。また、特に最近では、原動機・燃料の多様化や、ラゲッジスペース拡大の要請から、燃料タンクをシート下に配置する場合や、また、シートアレンジの多様化から、特に後部座席においてシートを可倒式にして格納性を向上しようとする場合に、クッションパッドを薄肉化することが要求される。
しかしながら、特に薄肉化したクッションパッドでは、支持フレームとして着座部の下面をバネにより弾性支持する支持フレームと組み合わせて用いた場合に、着座者の臀部を支持する尻下部でのしっかり感(ホールド性)に劣る。このような傾向は、初期荷重での撓み性を確保するために、クッションパッドを構成するポリウレタンフォームをソフトにすればするほど顕著になりやすい。従って、従来技術では、特にクッションパッドを薄肉化した場合に、初期荷重域での撓み性を確保しながら、かつ、高荷重域での尻下部におけるしっかり感を発揮することは困難であった。
ところで、下記特許文献1には、安価かつ薄型軽量で、種々のバネ定数を有し、所定のクッション性を確保するために、パッド材内に3次元ネットを埋設したクッション構造が提案されている。しかしながら、この特許文献1において、3次元ネットはパッド材と一体発泡されるとあるのみで、具体的にどのようにして3次元ネットをパッド材に埋設するかについては開示されていない。
この種のネットをパッド材内に埋設する際に、ネットがパッド材内に正確に位置決めされずにズレが発生すると、シートパッドの特性に影響を与え、要求性能を満足させることができなくなることから、如何にネットを位置決めするかは実際上極めて重要である。
また、上記特許文献1では、パッド材内に埋設するネットして、上部メッシュ層と下部メッシュ層とこれらを結合するパイル層とからなる3層構造の3次元ネットを使用しているが、このような3層構造のネットではポリウレタンフォームがネット内部に均一に充填されないおそれがあり、これによりパッドの中間層でボイドが発生すると、上記したしっかり感を十分に発揮させることができなくなってしまう。
特開2000−217658号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、合成樹脂製ネットを内部に埋設したシートパッドを製造する際に、該ネットの位置ズレを防止して要求性能を満足することのできるシートパッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシートパッドの製造方法は、合成樹脂製ネットを内部に埋設したシートパッドの製造方法において、シートパッドの表面側を成形する下型と、該シートパッドの裏面側を成形する上型とを備える成形型であって、前記上型に前記成形型内に向けて下方に突出する係止突起を設けた成形型を用いて、前記係止突起の先端に合成樹脂製ネットを係止して、該ネットを前記上型から所定距離をおいた状態で前記成形型内に装着し、次いで、前記成形型内に軟質フォーム原料を注入し、密閉された成形型内で前記軟質フォーム原料を発泡充填させて前記ネットと一体化させるものである。
このようにして得られるシートパッドは、内部に合成樹脂製ネットが埋設されていることから、このネットで着座者の荷重を支持することにより、高荷重域でのしっかり感を発揮することができる。しかも表面は軟質フォームからなるため、初期荷重域での撓み性は確保してソフトな表面感触は損なわれない。そして、本発明によれば、該ネットを上型に設けた係止突起で成形型内に保持し、この状態で軟質フォーム原料を発泡充填させるため、ネットのズレがなくなり、上記した要求性能を満足させることができる。しかも、上記係止突起は、パッド裏面側を成形する上型側に設けられているため、係止突起によってシートパッドに形成される穴もパッド裏面側に現れ、そのため、パッド表面側の意匠性を損なうこともない。
本発明においては、前記ネットが単一のメッシュ層からなる単層ネットであることが好ましい。このような単層ネットを用いることにより、ネットに起因してパッド内にボイドが発生するのを抑制して、高荷重域でのしっかり感を十分に発揮させることができる。また、単層ネットは、上記従来の3次元ネットに比べて一般に安価であることからシートパッドのコスト性にも優れる。
本発明によれば、シートパッド内に埋設する合成樹脂製ネットの位置ズレを防止して、高荷重域でのしっかり感などの要求性能を満足することができ、快適な座り心地を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の1実施形態に係るシートパッドの製造時における成形型の断面図、図2は同成形型の斜視図、図3はその一部拡大図、図4は同シートパッド及びこれを支持する支持フレームの縦断面図(図5のIV−IV線に相当する断面図)であり、図6は同シートパッドの平面図である。
本実施形態のシートパッド1は、自動車のシートに用いられるシートクッションパッドであり、軟質ポリウレタンフォームからなるパッド本体2の内部には、合成樹脂製ネット3が中間層として埋設されている。
図5に示すように、シートパッド1は、幅方向中央の着座部11と、その左右両側において上方に隆起状に形成されたサイド部12,12とからなり、パッド表面(上面)には、着座部11とサイド部12の境界部に沿って前後方向に延びる左右一対の縦溝13,13が設けられ、また、左右の縦溝13,13の前後方向中央部同士を連結するように左右方向に延びる横溝14が設けられており、これにより、パッド表面には全体として略H字状に溝が形成されている。そして、横溝14により着座部11は前後に区画されて、横溝14の前側が着座者の大腿部を受け止め支持する腿受け部15、横溝14の後側が着座者の臀部を受け止め支持する尻下部16となっている。
なお、クッションパッド1の着座部11、より詳細には尻下部16のヒップポイント17(JASO Z−221によるシートに着座したときの人体マネキンの胴体と大腿部の回転中心に相当するポイント)におけるパッド厚みは、30〜70mmに設定されていることが好ましい。この厚みは、従来一般的なクッションパッドの厚みである80mm前後に比べて薄肉化されており、本発明はこのような薄肉化されたクッションパッドへの適用が特に効果的である。
上記合成樹脂製ネット3の材質は特に限定されないが、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製であることが好ましく、本実施形態ではポリプロピレン製ネットを使用している。また、この実施形態では、図3に示すように、ネット3として、単一のメッシュ層からなる単層ネットを用いており、より詳細にはネット3は格子状のメッシュ層で構成されている。
図4,5に示すように、ネット3は、矩形状をなし、パッド本体2の尻下部16において厚み方向の中間位置に略水平に配置されている。詳細には、ネット3は、尻下部16の中間層に限定して配置され、腿受け部15やサイド部12には配置されていない。このようにネット3を尻下部16の中間層に入れることにより、シートパッド1を薄肉化した場合でも、表面感触がソフトでありながら、高荷重域での尻下部16におけるしっかり感を発揮して、快適な座り心地、乗り心地を得ることができる。
なお、シートパッド1の裏面(底面)には、その全面にわたって裏打ち材としての補強布4が積層されている。この補強布4は、支持フレーム5との摩擦によるパッド本体2の損傷を防止し、また、支持フレーム5との摩擦による異音を防止するために設けられている。
このシートパッド1は、金属製の支持フレーム5上に載置され、更に不図示の表皮を被せることにより、車両用シートとして構成される。ここで、支持フレーム5は、シートパッド1の下面部に対応する略矩形状をなしており、図4に示すように、シートパッド1の前側部分の下面を受ける剛性を持つ前側受け面部51と、その後方に設けられてシートパッド1の尻下部16の下面を弾性的に支持するバネ52とを備えてなる、いわゆるセミバネタイプのフレームである。
このシートパッド1を成形する成形型6は、図1,2に示すように、略水平に保持されてパッド表面側を成形する凹状の下型60と、この下型60の上面開口を開閉可能に設けられてパッド裏面側を成形する上型61とを備えてなり、両者を型閉めすることで成形型6の内部にはシートパッド1の形状に対応した発泡成形空間62が形成される。上型61には、上記した補強布4を型面に沿わせて装着するための複数のピン63が設けられている。また、上型61には、上記ネット3を発泡成形空間62内に保持するために、下方に突出する係止突起7が設けられている。
係止突起7は、図2に示すように、矩形状をなすネット3の各角部を係止するように4本配置されている。また、この4本の係止突起7は、ネット3の四隅を係止することで該ネット3を上型61の型面から所定距離隔てた位置にて略水平に保持するように、それぞれ先端にネット3を掛止する係止部70を備える。詳細には、図3に示すように、係止突起7は、上型61の型面から略垂直に下方に突出する柱状胴部71と、その先端面から下方に延びる前記柱状胴部71よりも細い小径部72と、そのから下方に突出してネット3の下方へのズレを防止する先端ほど先細のテーパ状部73とからなり、上記小径部72とテーパ状部73とでネット3の網目を引っ掛けて止める係止部70が構成されている。なお、柱状胴部71の長さは、シートパッド1の厚み方向におけるネット3の配設位置によって適宜に設定することができ、この実施形態ではネット3をシートパッド1の厚み方向の略中間位置に埋設するために、下型60の型面と上型61の型面との間の略中間の位置まで延びている。
この成形型6を用いてシートパッド1を製造する際には、図2に示すように上型61を開いた状態で、まず、上型61に補強布4をピン63により取り付ける。その際、図3に示すように、補強布4には上記係止突起7に相当する位置に貫通孔41を設けておき、この貫通孔41に係止突起7を貫通させて補強布4を上型61にセットする。
次いで、上記係止突起7を用いてネット3を上型61にセットする。その際、ネット3を少し引っ張ってその四隅の網目に係止突起7の先端部の係止部70を挿入すれば、ネット3を確実に保持させることができ、ネット3は、図1に示すように、上型61の型面から離間した状態で略水平にセットされる。
その後、下型60にポリウレタンフォーム原料Mを注入してから、上型61を閉じ、密閉された発泡成形空間62内でポリウレタンフォーム原料Mを発泡充填させる。これにより、シートパッド1内にネット3が一体に埋設された状態に発泡成形される。その際、本実施形態であれば、ネット3が係止突起7により安定して保持されているので、発泡成形時にネット3の位置ズレがなく、そのため、上記したネット3による性能を安定して発揮することができる。より詳細には、ネット3の下方へのズレは小径部72から一旦径大となるテーパ状部73の上端部で制限され、また、ポリウレタンフォームの押し上げによるネット3の上方へのズレは小径部72と柱状胴部71との間の段差により制限される。また、ネット3が単層構造であるため、ポリウレタンフォームがネット3の周りに確実に充填発泡され、ボイドの発生がないので、高荷重域でのしっかり感が損なわれることもない。
このようにして発泡成形した後、上型61を開いて成形されたシートパッド1を脱型する。得られたシートパッド1において、その裏面側には上記係止突起7による穴が形成されているが、パッド表面側には、このような係止突起7による穴は形成されていないので、パッド表面側の意匠性を損なうこともない。
1……シートパッド
2……パッド本体
3……合成樹脂製ネット
4……補強布
5……支持フレーム
6……成形型
60……下型
61……上型
7……係止突起
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Claims (2)
- 合成樹脂製ネットを内部に埋設したシートパッドの製造方法において、
シートパッドの表面側を成形する下型と、該シートパッドの裏面側を成形する上型とを備える成形型であって、前記上型に前記成形型内に向けて下方に突出する係止突起を設けた成形型を用いて、
前記係止突起の先端に合成樹脂製ネットを係止して、該ネットを前記上型から所定距離をおいた状態で前記成形型内に装着し、
次いで、前記成形型内に軟質フォーム原料を注入し、密閉された成形型内で前記軟質フォーム原料を発泡充填させて前記ネットと一体化させることを特徴とするシートパッドの製造方法。 - 前記ネットが単一のメッシュ層からなる単層ネットであることを特徴とする請求項1記載のシートパッドの製造方法。
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