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JP2005170990A - 粘着テープ - Google Patents

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JP2005170990A
JP2005170990A JP2003409232A JP2003409232A JP2005170990A JP 2005170990 A JP2005170990 A JP 2005170990A JP 2003409232 A JP2003409232 A JP 2003409232A JP 2003409232 A JP2003409232 A JP 2003409232A JP 2005170990 A JP2005170990 A JP 2005170990A
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Japan
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meth
weight
adhesive tape
pressure
sensitive adhesive
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JP2003409232A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Kawaguchi
佳秀 川口
Masato Shirai
稚人 白井
Yoshio Nakagawa
善夫 中川
Shuzo Fujiwara
秀三 藤原
Hiroichi Ukei
博一 請井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】 難燃性を有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでいない基材と粘着剤層との接着性が良好で、安定した巻戻し性を有し、いわゆる「スティックスリップ現象」の発生を抑制または低減することができる粘着テープを提供する。
【解決手段】 粘着テープは、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記基材が、ポリオレフィン系樹脂及び無機系難燃剤を含有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでおらず、前記粘着剤層が、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対してアクリル系オリゴマー(b)を5〜50重量部含んでいる水分散体を含有する粘着剤により構成されていることを特徴とする。アクリル系ポリマー(a)は(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーが好適であり、アクリル系オリゴマー(b)の重量平均分子量は1万以上10万以下であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材としてポリオレフィン系樹脂組成物を用いた粘着テープに関し、さらに詳細には、燃焼時に塩化水素等のハロゲン化水素などの有毒ガスの発生がなく、特に、自動車用電線等の配線類(各種電線やケーブル類など)の結束に有用な粘着テープに関する。
従来、自動車用電線を結束する難燃性の粘着テープでは、基材として、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル系樹脂を含有する樹脂組成物を原料とするフィルムが使用されてきた。しかしながら、ハロゲン化ビニル系樹脂は、焼却処分する際に有害ガスを発生するので、最近では、粘着テープの基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレフィン系樹脂が、ハロゲン化ビニル系樹脂の代替材料として使用され始めている。
このようなフィルムから得られる粘着テープ用基材に、種々の粘着剤を塗布して、粘着テープが形成されている。このような粘着剤としては、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤などが使用されている(特許文献1〜特許文献6参照)。
ところで、粘着テープの粘着剤層を構成する粘着剤として、天然ゴム系粘着剤を使用した場合、特に、自動車用電線を結束する用途では、必要充分な耐熱性が得られない場合がある。
一方、アクリル系粘着剤を使用した場合、耐熱性は天然ゴム系粘着剤よりも優れているものの、ポリオレフィン系樹脂を主体とするフィルムや、電線被覆材に対する粘着性に劣っている。そこで、粘着性を上げるために、粘着付与剤を多く添加すると、粘着テープを使用する際に、ロール状の粘着テープを剥がす(巻き戻す)作業を行うと、「ビリッ、ビリッ」という音を立てる、いわゆる「スティックスリップ」という現象が生じ、作業者に不快感を与えてしまう場合がある。特に、自動車のワイヤーハーネスの結束等、多量の粘着テープを使用して巻き付け作業を行う場合に、前述のような剥離時の粘着テープの挙動が、作業環境上、問題とされる場合がある。
特開2000−336328号公報 特開2000−336329号公報 特開平9−157615号公報 特開2001−131509号公報 特開2001−192629号公報 特開2001−311061号公報
従って、本発明の目的は、難燃性を有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでいない基材と粘着剤層との接着性が良好であり、安定した巻戻し性を有しており、いわゆる「スティックスリップ現象」の発生を抑制または低減することができる粘着テープを提供することにある。
本発明の他の目的は、耐熱性が優れているとともに、焼却時には有毒ガスの発生がなく、しかも、巻き付け作業性が良好である粘着テープを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、配線類の結束用粘着テープとして有用な粘着テープを提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、粘着テープ用基材として特定の樹脂組成物からなる基材を用い、且つ粘着剤層を構成する粘着剤として特定の粘着剤組成物を用いると、難燃性を有し且つ焼却時に有毒ガスを発生せず、また、基材と粘着剤層との間の接着性が良好であり、さらにまた、粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際の巻戻し性が安定しているとともに、いわゆる「スティックスリップ現象」の発生がなく、巻き付け作業性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記基材が、ポリオレフィン系樹脂及び無機系難燃剤を含有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでおらず、前記粘着剤層が、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対してアクリル系オリゴマー(b)を5〜50重量部含んでいる水分散体を含有する粘着剤により構成されていることを特徴とする粘着テープを提供する。
前記アクリル系ポリマー(a)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーが好ましい。前記アクリル系オリゴマー(b)の重量平均分子量は1万以上10万以下であることが好ましい。また、前記粘着剤は、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、さらに、可塑剤5〜100重量部と、粘着付与樹脂5〜100重量部とを含有していてもよい。アクリル系ポリマー(a)と、アクリル系オリゴマー(b)との溶解度パラメータ(SP値)の差は、1.0[(J/cm31/2]以上であることが好ましい。
本発明の粘着テープによれば、難燃性を有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでいない基材と粘着剤層との接着性が良好であり、安定した巻戻し性を有しており、いわゆる「スティックスリップ現象」の発生を抑制または低減することができる。すなわち、本発明の粘着テープは、耐熱性が優れているとともに、焼却時には有毒ガスの発生がなく、しかも、巻き付け作業性が良好である。従って、本発明の粘着テープは、配線類の結束用粘着テープ、なかでも、自動車のワイヤーハーネスの結束用粘着テープとして有用である。
本発明の粘着テープは、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有しており、前記基材としては、ポリオレフィン系樹脂及び無機系難燃剤を含有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでいないことが重要であり、一方、前記粘着剤層としては、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対してアクリル系オリゴマー(b)を5〜50重量部含んでいる水分散体を含有する粘着剤により構成されていることが重要である。このように、本発明では、特定の基材と、特定の粘着剤層とを組み合わせているので、優れた耐熱性を有しているとともに、焼却時には有毒ガス(塩化水素等のハロゲン化水素など)の発生がなく、しかも、基材と粘着剤層との接着性が良好である。また、粘着テープ巻回体からの粘着テープの巻戻し性は安定して良好であり、さらには、いわゆる「スティックスリップ現象」の発生が抑制または低減されている。
(粘着剤層)
粘着テープにおける粘着剤層を構成する粘着剤(感圧接着剤)としては、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対してアクリル系オリゴマー(b)を5〜50重量部含んでいる水分散体(エマルション)を含有する粘着剤が用いられている。
アクリル系ポリマー(a)としては、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル)をモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを用いることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記に示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。
アクリル系ポリマー(a)としては、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーとしては、1種のみの(メタ)アクリル酸アルキルエステルによる重合体(単独重合体)であってもよく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルなどの他の(メタ)アクリル酸エステルや、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対して共重合が可能な共重合性モノマーとの共重合体であってもよい。すなわち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のモノマー成分は、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。
アクリル系ポリマー(a)における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステル]などが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチルが好適である。
アクリル系ポリマー(a)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対して共重合が可能な共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー等が挙げられる。
また、アクリル系ポリマー(a)において、共重合性モノマーとして、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマーを用いることもできる。
アクリル系ポリマー(a)は、公知乃至慣用の重合方法により調製することができる。アクリル系ポリマー(a)の重合方法としては、最終的には粘着剤組成物が水分散体に調製される点などから、乳化重合方法が好ましいが、これに限定されず、溶液重合方法や塊状重合方法などの重合方法であってもよい。従って、アクリル系ポリマー(a)は、重合する際に、必要に応じて乳化剤を用いることによりエマルション化されていてもよく、また各種重合方法により調製された後で水分散体を調製する前に乳化剤によりエマルション化されていてもよく、さらには各種重合方法により調製された後で水分散体を調製する際に乳化剤によりエマルション化されていてもよい。
なお、アクリル系ポリマー(a)の重合に際して用いられる重合開始剤、連鎖移動剤や乳化剤などは、特に限定されず、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができる。より具体的には、重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系重合開始剤などを用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが挙げられる。また、乳化剤には、例えば、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、ラジカル重合性の乳化剤などが含まれる。
アクリル系ポリマー(a)の分子量は、重量平均分子量が10万を超えている(例えば、10万を超え1,000万以下である)ことが重要である。アクリル系ポリマー(a)としては、粘着性等の観点からは、重量平均分子量が30万以上500万以下(なかでも50万以上200万以下)であることが好ましい。
なお、本発明において、アクリル系ポリマー(a)の重量平均分子量は、以下の測定条件などにより測定した。
使用装置名:「HLC−8120GPC」東ソー社製
カラム:「G4000XL」+「G2000XL」+「G1000XL」東ソー社製
入口圧:6.6MPa
カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm、計90cm
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量等の条件:流速0.8mL/min、注入量100μL
検出器:示差屈折計(RI)
標準試料:ポリスチレン(PS)
データ処理装置:「GPC−8020」東ソー社製
アクリル系オリゴマー(b)としては、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル)をモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸エステル系オリゴマーを用いることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記に示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。
アクリル系オリゴマー(b)としては、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸アルキルエステル系オリゴマーを好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル系オリゴマーとしては、1種のみの(メタ)アクリル酸アルキルエステルによる重合体(単独重合体)であってもよく、他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルの他、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対して共重合が可能な共重合性モノマーとの共重合体であってもよい。すなわち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系オリゴマーにおいて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のモノマー成分は、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。
アクリル系オリゴマー(b)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、前記アクリル系ポリマー(a)において用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同様の(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル]を用いることができる。
アクリル系オリゴマー(b)における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステルが好ましく、特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチルが好適である。
アクリル系オリゴマー(b)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対して共重合が可能な共重合性モノマーとしては、前記アクリル系ポリマー(a)における(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対して共重合が可能な共重合性モノマーと同様の共重合性モノマー[例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマーの他、ヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー、オレフィン系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、多官能モノマーなど]を用いることができる。
アクリル系オリゴマー(b)は、公知乃至慣用の重合方法により調製することができる。アクリル系オリゴマー(b)の重合方法としては、アクリル系ポリマー(a)と同様に、最終的には粘着剤組成物が水分散体に調製される点などから、乳化重合方法が好ましいが、これに限定されず、溶液重合方法や塊状重合方法などの重合方法であってもよい。従って、アクリル系オリゴマー(b)は、重合する際に、必要に応じて乳化剤を用いることによりエマルション化されていてもよく、また各種重合方法により調製された後で水分散体を調製する前に乳化剤によりエマルション化されていてもよく、さらには各種重合方法により調製された後で水分散体を調製する際に乳化剤によりエマルション化されていてもよい。
なお、アクリル系オリゴマー(b)の重合に際して用いられる重合開始剤、連鎖移動剤や乳化剤などは、特に限定されず、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができる。より具体的には、重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系重合開始剤などを用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが挙げられる。また、乳化剤には、例えば、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、ラジカル重合性の乳化剤などが含まれる。
アクリル系オリゴマー(b)の分子量は、重量平均分子量が10万以下(例えば、1,000以上10万以下)であることが重要である。アクリル系オリゴマー(b)としては、重量平均分子量が低すぎると、糊はみ出しやべた付き易くなるので、重量平均分子量が1万以上であることが望ましい。従って、アクリル系オリゴマー(b)の分子量としては、重量平均分子量が1万以上10万以下(なかでも5万以上10万以下)であることが好ましい。アクリル系オリゴマー(b)の重量平均分子量が10万を超えると、粘着剤が硬くなり、基材と粘着剤層との接着性が低下したり、また、粘着テープ巻回体からの粘着テープの巻戻し性が低下したり、さらには、いわゆる「スティックスリップ現象」の発生が生じ易くなる。
なお、本発明において、アクリル系オリゴマー(b)の重量平均分子量は、以下の測定条件などにより測定した。
使用装置名:「HLC−8120GPC」東ソー社製
カラム:「G4000XL」+「G2000XL」+「G1000XL」東ソー社製
入口圧:6.6MPa
カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm、計90cm
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量等の条件:流速0.8mL/min、注入量100μL
検出器:示差屈折計(RI)
標準試料:ポリスチレン(PS)
データ処理装置:「GPC−8020」東ソー社製
粘着剤層を構成する粘着剤中の水分散体において、アクリル系オリゴマー(b)は、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して5〜50重量部の割合で用いられており、好ましくは5〜30重量部(なかでも5〜10重量部)の割合である。アクリル系オリゴマー(b)の割合が、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して5重量部未満であると、スティックスリップを起こしやすく、所望の効果が得られなくなる場合があり、一方、50重量部を超えると、アクリル系オリゴマー(b)が経時でブリードアウトし、糊はみ出し、糊残り、いわゆる「タケノコ」や、端末剥がれなどの現象が生じる場合がある。
アクリル系ポリマー(a)とアクリル系オリゴマー(b)とは、組成的には、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい(具体的には、モノマー成分の種類やその組成比などが同一であっても、異なっていてもよい)。従って、アクリル系ポリマー(a)の溶解度パラメータ(SP値;相溶化パラメータ)と、アクリル系オリゴマー(b)のSP値とは、同一の値又は近似した値であってもよく、異なった値であってもよい。本発明では、アクリル系ポリマー(a)とアクリル系オリゴマー(b)とは、SP値の差が1.0[(J/cm31/2]以上であることが望ましく、なかでも1.5[(J/cm31/2]以上、特に2.0[(J/cm31/2]以上であることが好適である。このように、アクリル系ポリマー(a)とアクリル系オリゴマー(b)とのSP値の差が、1.0[(J/cm31/2]以上であると、アクリル系ポリマー(a)とアクリル系オリゴマー(b)とが、水分散体中でミクロ相分離構造を形成することにより、本発明の効果がより有効に発揮されやすくなる。なお、アクリル系ポリマー(a)とアクリル系オリゴマー(b)とのSP値の差の上限としては、特に制限されないが、例えば、2.5[(J/cm31/2]以下、好ましくは1.5[(J/cm31/2]以下であってもよい。
なお、前記SP値を求める方法としては、例えば、蒸発熱、屈折率、カウリブタノール価、表面張力や、双極子能率等の物理特性から算出する方法、Fedorsの式、Smallの式や、Hoyの式等を用いて化学組成から算出する方法、溶解状態から実測する方法、濁点滴定法などが挙げられ、特にFedorsの式を用いる方法が好ましい。Fedorsの式を用いると、化学構造より容易に算出することができる。
具体的には、Fedorsの式を利用する場合、アクリル系ポリマー(a)やアクリル系オリゴマー(b)の溶解度パラメータ(SP値)は、下記式(1)を利用して求めることができる。
Figure 2005170990
[ΔEは凝集エネルギー密度、Vはモル体積、Δeiは原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δviは原子又は原子団のモル体積である。(但し、ガラス転移温度が25℃を超える化合物についてはモル体積に次の値を加算する。nが3未満の時:加算値(+Δvi)=4n、nが3以上の時:加算値(+Δvi)=2n、ここで、nはポリマーの最小繰り返し単位中の主鎖の骨格原子数である)]
前記式(1)を利用して、溶解度パラメータ(SP値)を求める方法は、例えば、「コーティングの基礎知識」[著者:原崎勇次、出版社:槇書店、発行日:1988年6月10日(1版6刷)、54〜57ページ]などに詳細に記載されている。
なお、アクリル系ポリマー(a)やアクリル系オリゴマー(b)の溶解度パラメータ(SP値)について、「Polymer Handbook」(John Wiley & Sons, Inc.発行)等の文献に、過去の実験により(又は計算により)求められた値が記載されている場合には、その値を採用してもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対してアクリル系オリゴマー(b)を5〜50重量部含んでいる水分散体を含有していれば、必要に応じて各種添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、可塑剤(軟化剤)や、粘着付与樹脂の他、増粘剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、帯電防止剤、発泡剤、界面活性剤などの公知の添加剤から適宜選択して用いることができる。
このような添加剤において、可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤[例えば、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジヘプチル(DHP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジトリイソデシル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジル、トリメリット酸トリオクチル(TOTM)など]、脂肪酸系可塑剤[例えば、トリブチルシトレート、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルアゼレート(DOZ)、ジオクチルセバケート(DOS)、メチルアセチルリシレートなど]、リン酸系可塑剤[例えば、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリオクチルホスフェート(TOP)など]、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。可塑剤の配合量は、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して5〜100重量部(好ましくは5〜20重量部)程度の範囲から選択することができる。可塑剤の配合量がアクリル系ポリマー(a)100重量部に対して5重量部未満であると、所望する効果が低下する場合があり、一方、100重量部を超えると、糊残りや糊はみ出しの問題が生じる場合がある。
また、粘着付与樹脂としては、ロジン誘導体[例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジンやこれらの誘導体(ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂など)など]、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂など)、フェノール系樹脂(例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂など)、石油系炭化水素樹脂[例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂を水添した脂環族系石油樹脂(脂環族系飽和炭化水素樹脂)など]、スチレン系樹脂、クロマン系樹脂(例えば、クマロンインデン樹脂など)などを用いることができる。粘着付与樹脂の配合量としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して5〜100重量部(好ましくは5〜20重量部)程度の範囲から選択することができる。粘着付与樹脂の配合量がアクリル系ポリマー(a)100重量部に対して5重量部未満であると、粘着特性が低下する場合があり、一方、100重量部を超えると、粘着剤の凝集力が低下し、そのために、被着体に貼付して剥がす際に、被着体に粘着剤が残る場合がある。
さらにまた、架橋剤などの他の添加剤についても、公知のものを用いることができ、その配合量も特に制限されない。
粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系ポリマー(a)と、アクリル系オリゴマー(b)と、必要に応じて可塑剤や粘着付与樹脂の他、さらに架橋剤等の他の添加剤とを混合し、必要に応じて乳化剤を用いて、エマルション化することにより、水分散体を調製して得ることができる。もちろん、アクリル系ポリマー(a)とアクリル系オリゴマー(b)とのうち、少なくともいずれか一方がすでに水分散体の形態である場合は、それぞれの成分を混合するだけであっても、水分散体を調製することができる。また、アクリル系ポリマー(a)とアクリル系オリゴマー(b)との割合は、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対してアクリル系オリゴマー(b)が5〜50重量部となる割合である。なお、粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系ポリマー(a)と、アクリル系オリゴマー(b)と、必要に応じて可塑剤、粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤とを混合して水分散体を調製する際には、ホモジナイザーやディスパーなどの攪拌機を用いることができる。このような攪拌機により水分散体を調製する場合、例えば、1,000rpm〜2,000rpmの回転数で、数分間撹拌することにより、均質な分散体を得ることができる。
本発明では、粘着剤層を構成する粘着剤として、水分散体を用いていることが重要である。このように、粘着剤を水分散体の形態で用いることにより、所望の効果を達成することができる。なお、水分散体の調製時に用いられる乳化剤の他、アクリル系ポリマー(a)やアクリル系オリゴマー(b)の調製時に用いられる乳化剤などの乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。また、これらにプロペニル基等のラジカル反応性基が導入されたラジカル重合性の乳化剤を用いることもできる。乳化剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。粘着剤層の厚み(乾燥後の厚み)は、例えば、10〜50μm(好ましくは15〜40μm)程度である。
粘着剤層は、公知乃至慣用の方法により形成することができ、例えば、流延方法、ロールコーター方法、リバースコータ方法、ドクターブレード方法などを利用して形成することができる。
(基材)
本発明の粘着テープにおける基材(「粘着テープ基材」と称する場合がある)は、ポリオレフィン系樹脂及び無機系難燃剤を含有しており、且つ実質的にハロゲン原子を含んでいないプラスチック材料により構成されている。ここで、「実質的にハロゲン原子を含んでいない」とは、粘着テープ基材(プラスチックフィルム)の構成材料として、分子中にハロゲン原子を含む物質を使用していないことを意味している。従って、機器分析手段によって粘着テープ基材の組成分析をした場合に、極微量レベルで検出されるハロゲン原子(例えば、化合物(粘着テープ基材の構成材料)の合成時に触媒として使用したハロゲン原子含有物質によるハロゲン原子が、粘着テープ基材の構成材料中に混入した結果、粘着テープ基材から検出される極微量のハロゲン原子など)の含有等は許容される。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブチレン、ポリブタジエンの他、エチレン−プロピレン共重合体(ランダム共重合体)等のエチレン及び/又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体(特にランダム共重合体)などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特にポリエチレンが好適である。ポリオレフィン系樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリオレフィン系樹脂は、他の樹脂と併用することができる。このような樹脂としては、粘着テープ基材に適度な柔軟性を付与するという観点から、分子骨格中にカルボニル性の酸素原子を有する熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。このような分子骨格中にカルボニル性の酸素原子(カルボニル基に帰属する酸素原子)を有する熱可塑性樹脂としては、分子骨格中にカルボニル性の酸素原子を有する軟質ポリオレフィン系樹脂(「カルボニル基含有ポリオレフィン系樹脂」と称する場合がある)を好適に用いることができる。もちろん、該カルボニル基含有ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であるので、粘着テープ基材の構成材料としてのポリオレフィン系樹脂として用いることができる。すなわち、前記カルボニル基含有ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂として単独で用いてもよく、他のポリオレフィン系樹脂とともに用いてもよい。
カルボニル基含有ポリオレフィン系樹脂の好適な例としては、例えば、モノマー成分として、エチレンと、ビニルエステル系化合物及び/又はα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体(無水物、エステル、塩化物など)とを用いて得られるカルボニル基を有するエチレン系共重合体またはその金属塩(アイオノマー)などが挙げられる。なお、カルボニル基を有するエチレン系共重合体またはその金属塩(アイオノマー)は、一般に、融点が120℃以下であり、好ましくは40〜100℃である。該融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
前記ビニルエステル系化合物としては、例えば、酢酸ビニル等のビニルアルコールと低級のカルボン酸とのエステル(低級カルボン酸のビニルエステル)などが挙げられる。また、α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸の誘導体として、α,β−不飽和カルボン酸の無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の官能基含有(メタ)アクリル酸エステルなど]、マレイン酸エステル[例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸(モノ又はジ)アルキルエステルなど]、フマル酸エステル[例えば、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル等のフマル酸(モノ又はジ)アルキルエステルなど]などが挙げられる。ビニルエステル系化合物及び/又はα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[特に(メタ)アクリル酸エチル、中でもアクリル酸エチル]が好適である。ビニルエステル系化合物及び/又はα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
カルボニル基を有するエチレン系共重合体またはその金属塩(アイオノマー)の好適な具体例としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル−アクリル酸エチル共重合体およびこれらの金属塩(アイオノマー)等が挙げられる。カルボニル基を有するエチレン系共重合体またはその金属塩(アイオノマー)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
さらにまた、ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン成分とプロピレン成分とを含むポリマーアロイを使用することもできる。なお、該ポリマーアロイの構成(形態)としては、特に制限されず、例えば、(1)2種以上の重合体が物理的に混合されたポリマーブレンド(物理的混合物)、(2)2種以上の重合体が共有結合で結合したブロック共重合体やグラフト共重合体、(3)2種以上の重合体が互いに共有結合で結合されることなく絡み合ったIPN(Interpenetrating Polymer Network)構造体等の種々の構成(形態)が挙げられる。また、ポリマーアロイは、組成的に必ずしも均一でなくてもよく(分布をもっていてもよく)、あるいは、2種以上の重合体が相溶したもの(相溶性ポリマーアロイ)でも、2種以上の重合体が非相溶で相分離構造を形成しているもの(非相溶性ポリマーアロイ)でもよい。また、示差走査熱量計による測定(DSC測定)で、発熱又は吸熱ピークを複数有するような熱特性を示すものでもよい。
前記エチレン成分とプロピレン成分とを含むポリマーアロイとしては、例えば、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン)とポリエチレン(エチレンと少量の他のα−オレフィンとの共重合体を含む)との混合物(物理的混合物)、プロピレン/エチレン共重合体、プロピレンとエチレンとこれら以外の他のα−オレフィンとの3元共重合体(他のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、1−ブテンが好ましい。)などが挙げられる。なお、前記「ホモポリプロピレン」とは、モノマー成分が実質的にプロピレンのみからなる(100%からなる)重合体(プロピレンの単独重合体)を意味しており、また「ランダムポリプロピレン」とは、全モノマー成分に対して数%程度のエチレン成分がプロピレンとランダムに共重合したポリプロピレン系ランダム共重合体を意味している。
ポリマーアロイが共重合体(特にブロック共重合体)の場合は、該ポリマーアロイとしては、2段以上の多段重合により共重合された共重合体が好ましく、特にプロピレン/エチレン系共重合体が好適である。このような多段重合によって共重合された共重合体は、特開平4−224809号公報、特開2001−192629号公報に記載されているように、例えば、チタン化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下において、先ずプロピレン、またはプロピレンと他のα−オレフィンとを多段重合の第1段目で予備重合して、ポリプロピレン(プロピレンの単独重合体)、またはプロピレン−α−オレフィン共重合体(プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体)を調製し、次いで、第2段目以降で、前記第1段目の予備重合で得られた樹脂組成物の存在下で、プロピレンと、エチレンと、必要に応じて他のα−オレフィンとを共重合させることにより調製することができる。これにより、第1段目の予備重合で生成するポリマー(ポリプロピレンまたはプロピレン−α−オレフィン共重合体)と、第2段目以降の共重合で生成するポリマー(プロピレン−エチレン共重合体またはプロピレン−エチレン−他のα−オレフィン共重合体)とが、第2段目以降の重合過程で分子レベルでブレンドされたポリマーアロイが得られる。
前記チタン化合物としては、例えば、三塩化チタンと塩化マグネシウムを共粉砕し、オルトチタン酸n−ブチル、2−エチルヘキサノール、p−トルイル酸エチル、四塩化ケイ素、フタル酸ジイソブチル等で処理した球状で平均粒子径15μmの固体触媒などが挙げられる。また、有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム系化合物等を使用することができる。さらに、重合層において、電子供与体としてジフェニルジメトキシシラン等のケイ素系化合物を添加したり、ヨウ化エチル等のヨウ素系化合物を添加することもできる。
このようなエチレン成分とプロピレン成分とを含むポリマーアロイとしては、高温下で高弾性を示すもの、すなわち、粘着テープの使用時の温度を考慮して、例えば、80℃における動的貯蔵弾性率(E´)が40MPa以上且つ180MPa未満(好ましくは45〜160MPa)であり、且つ120℃における動的貯蔵弾性率(E´)が12MPa以上且つ70MPa未満(好ましくは15〜65MPa)であるものが好ましい。このような動的貯蔵弾性率(E´)を示すことで、粘着テープ基材(または粘着テープ)の熱変形を十分に抑制又は防止することができる。
このような動的貯蔵弾性率(E´)を有するポリマーアロイの具体例としては、例えば、サンアロマー(株)社製のキャタロイ製品(ADFLEX)のシリーズ(例えば、商品名「KS−353P」、商品名「KS−021P」、商品名「C200F」、商品名「Q200F」など)等が挙げられる。
また、エチレン成分とプロピレン成分とを含むポリマーアロイとしては、室温付近での粘着テープの作業性(被着体又は被粘着物への粘着テープの追従性など)を考慮すると、23℃における動的貯蔵弾性率(E´)が200MPa以上且つ400MPa未満であることが好ましい。当該ポリマーアロイが、このような動的貯蔵弾性率(E´)を有することにより、粘着テープ基材は、良好な柔軟性を有し、被着体又は被粘着物への追従性が向上する。
このような動的貯蔵弾性率(E´)を有するポリマーアロイの具体例としては、前記と同様に、例えば、サンアロマー(株)社製のキャタロイ製品(ADFLEX)のシリーズ(例えば、商品名「KS−353P」、商品名「KS−021P」、商品名「C200F」、商品名「Q200F」など)等が挙げられる。
なお、ポリマーアロイの動的貯蔵弾性率(E´)は、ポリマーアロイによる試験片(厚み0.2mm、幅10mm、長さ20mm)を作製し、当該試験片の温度分散による動的貯蔵弾性率挙動を、測定器として商品名「DMS200(セイコーインスツルメンツ社製)」を用い、測定法:引張モード、昇温速度:2℃/min、周波数:1Hzの測定条件で測定した値を採用することができる。
無機系難燃剤としては、特に制限されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ドロマイト等の金属炭酸塩;ハイドロタルサイト、硼砂等の金属水和物(金属化合物の水和物);メタホウ酸バリウム、酸化マグネシウム、クレーなどが挙げられる。無機系難燃剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物や、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトが好ましく、これらの無機系難燃剤は、難燃性の付与効果に優れ、経済的にも有利である。
無機系難燃剤の粒径は、その種類によっても異なるが、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物の場合は、その平均粒径としては、0.1〜50μm(好ましくは0.5〜20μm)程度が適当である。なお、粒径(平均粒径など)は、レーザー回折法を利用して測定することができる。
無機系難燃剤は、表面処理が施されたものであってもよい。このような表面処理としては、シランカップリング処理が挙げられる。該シランカップリング処理では、アミノ系シランカップリング剤などの公知乃至慣用のシランカップリング剤を用いることができる。
無機系難燃剤の割合としては、通常、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して20〜200重量部(好ましくは40〜150重量部)程度である。無機系難燃剤の割合が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して20重量部より少ないと、粘着テープ基材(または粘着テープ)の難燃性が低下し、一方、200重量部より多いと、粘着テープ基材(または粘着テープ)の柔軟性や伸長性が低下する。
また、無機系難燃剤のチャー(炭化層)を助成する目的で、赤リンを使用してもよい。赤リンとしては、水分の存在下で加熱しても有毒なホスフィンを発生させない手法(赤リンの表面の安定化方法)が施されたものを用いることが好ましい。具体的には、赤リンとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛および水酸化チタンより選ばれた金属水酸化物の被膜で被覆処理したものや、前記金属水酸化物の被膜上に、さらに、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂など)の被覆を設けて、二重に被覆処理したものが好適である。
このような赤リン等のチャー形成助剤の使用量としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜10重量部(好ましくは4〜8重量部)程度の範囲から選択することができる。
赤リン等のチャー形成助剤を使用する場合、カーボンブラック、硼酸塩およびシリコーン系化合物(シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンレジンなど)から選択された少なくとも一種の化合物を併用すれば、より好ましい結果を得ることができる。この場合、カーボンブラック、硼酸塩およびシリコーン系化合物から選択された少なくとも一種の化合物の使用量は、例えば、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部(好ましくは1〜5重量部)程度の範囲から選択することができる。
粘着テープ基材には、必要に応じて、無機質充填剤(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛など)、老化防止剤(例えば、アミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ヒドロキノン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、リン系老化防止剤、亜リン酸エステル系老化防止剤など)、酸化防止剤、紫外線吸収剤(例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤など)、滑剤、可塑剤、着色剤(例えば、顔料、染料など)等の各種添加剤が配合されていてもよい。
粘着テープ基材の製造方法(例えば、ポリオレフィン系樹脂の成膜方法)は、特に制限されない。粘着テープ基材は、通常、ポリオレフィン系樹脂と、無機系難燃剤と、必要に応じて充填剤等の各種添加剤とを、ドライブレンドし、該混合物をバンバリミキサー、ロール、押出し機等を用いて混練し(この際、必要に応じて加熱することができる)、該混練物を公知乃至慣用の成形方法(例えば、圧縮成形方法、カレンダ成形方法、射出成形方法、押出成形方法等)により、フィルム状又はシート状に成形することにより得られる。粘着テープ基材の製造方法としては、カレンダ圧延方法やフラットダイによる押出方法(フラットダイ押出方法)を好適に採用することができる。
粘着テープ基材は、フィルム状またはシート状の形態を有している。粘着テープ基材(プラスチックフィルム又はシート)の厚みは、特に制限されず、粘着テープの用途によっても異なるが、一般に、0.01〜1mm(好ましくは0.05〜5mm)程度である。なお、粘着テープ基材は単層の形態を有していてもよく、また、複層の形態を有していてもよい。粘着テープ基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理、下塗り処理などの各種処理を施してもよい。
(粘着テープ)
本発明の粘着テープは、前記粘着テープ基材の少なくとも片面に、特定の水分散体を含有する粘着剤により構成された粘着剤層を有している。従って、粘着テープは、粘着テープ基材の片面のみに粘着剤層が形成された形態を有していてもよく、粘着テープ基材の両面に粘着剤層が形成された形態を有していてもよい。なお、粘着テープが、粘着テープ基材の片面のみに粘着剤層が形成された形態を有している場合、粘着テープが、例えば、粘着テープ基材と、前記粘着テープ基材の一方の面に形成された粘着剤層と、前記粘着テープ基材の他方の面に形成された背面処理層とで構成されていると、粘着剤層をシート背面(背面処理層の面)と重ね合わせてロール状に巻回することにより、ロール状に巻回された状態又は形態の粘着テープとして作製することができる。この際、粘着剤層はシート背面の背面処理層により保護されている。
もちろん、粘着テープが両面粘着テープである場合や、粘着テープ基材のシート背面が剥離処理面となっていない場合などでは、粘着剤層を、剥離フィルム(剥離ライナ)により保護した状態でロール状に巻回して、粘着テープを作製することができる。
粘着テープは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
本発明の粘着テープは、前述のように、難燃性を有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでいない基材と粘着剤層との接着性が良好であり、安定した巻戻し性を有しており、いわゆる「スティックスリップ現象」の発生が抑制または低減されている。すなわち、本発明の粘着テープは、耐熱性が優れているとともに、焼却時には有毒ガスの発生がなく、しかも、巻き付け作業性が良好である。従って、配線類の結束用粘着テープとして好適に用いることができる。前記配線類としては、各種電線やケーブル類などのいずれの配線であってもよく、なかでも電化製品用電線や自動車用電線(特に、自動車用電線)が好適に用いられる。
本発明において、粘着テープの動的貯蔵弾性率(E´)としては、熱変形を抑制又は防止する観点から、80℃における動的貯蔵弾性率(E´)が25MPa以上で、且つ120℃における動的貯蔵弾性率(E´)が10MPa以上であることが好ましい。また、柔軟性および伸長性の観点から、粘着テープの動的貯蔵弾性率(E´)としては、80℃における動的貯蔵弾性率(E´)が200MPa以下で、且つ120℃における動的貯蔵弾性率(E´)が150MPa以下であることが好ましい。粘着テープの動的貯蔵弾性率(E´)は、厚み0.2mmの粘着テープ基材の片面に粘着剤層を設けた粘着テープから、試験片(幅10mm、長さ20mm)を作製し、当該試験片の温度分散による動的貯蔵弾性率挙動を、測定器として商品名「DMS200(セイコーインスツルメンツ社製)」を用い、測定法:引張モード、昇温速度:2℃/min、周波数:1Hzの測定条件で測定した値を採用することができる。
なお、粘着テープの動的貯蔵弾性率(E´)は、粘着テープ基材の動的貯蔵弾性率(E´)とほとんど同じであり、粘着剤層による影響はほとんどない。従って、粘着テープの動的貯蔵弾性率(E´)は、実質的に粘着テープ基材の動的貯蔵弾性率(E´)に等しい。従って、粘着テープの動的貯蔵弾性率(E´)の測定に際して、粘着剤層の厚みは特に制限されないが、例えば、20μmであってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[アクリル系ポリマー(a)の調製例]
モノマー成分としてアクリル酸2−エチルヘキシル:92重量部、アクリル酸ブチル:5重量部、アクリロニトリル:2重量部、メタクリル酸:1重量部(以上、全重量を100重量部とし、この組成を「一括重合用モノマー成分」とする)、乳化剤としてラウリル硫酸アンモニウム(商品名「エマールAD−25R」花王株式会社製):2重量部、重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン二塩酸塩):0.03重量部、溶媒としてイオン交換水:126.5重量部を、1Lのフラスコに投入し、ホモジナイザーにて20分以上撹拌して乳化した。その後、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗、窒素導入管をフラスコに取り付け、回転数28〜32rpm(平均30rpm)で撹拌しながら、窒素ガスを流量10L/minで1時間以上流して、窒素置換した。窒素置換後、ウォーターバスに浸し、内浴の温度が52〜56℃(平均54℃)になるようにコントロールしながら重合を開始させ、そのままの温度で2時間以上重合を継続させた。その後、別途調製した、アクリル酸2−エチルヘキシル:92重量部、アクリル酸ブチル:5重量部、アクリロニトリル:2重量部、メタクリル酸:1重量部(以上、全重量を100重量部とし、この組成を「滴下重合用モノマー成分」とする)、乳化剤としてラウリル硫酸アンモニウム(商品名「エマールAD−25R」花王株式会社製):2重量部、重合開始剤として過硫酸アンモニウム:0.3重量部からなる乳化物を、一括重合用モノマー成分と滴下重合用モノマー成分との比率が70/30(=一括重合用モノマー成分/滴下重合用モノマー成分)となる割合で、滴下漏斗から全量を約3時間かけてチューブポンプを用いて滴下した。その後、さらに、内浴の温度を75℃まで上げ、約2時間重合を行い、重合終了後、25重量%のアンモニア水溶液を0.4重量部添加して、アクリル系ポリマーとしての(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー(「アクリル系ポリマー(A1)」と称する場合がある)の水分散体を得た。
このアクリル系ポリマー(A1)について、その重量平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により求めたところ、127.8万であった。また、前記アクリル系ポリマー(A1)の溶解度パラメータ(SP値)は、9.6[(J/cm31/2]であった。
[アクリル系オリゴマー(b)の調製例]
モノマー成分としてアクリル酸n−ブチル:95重量部、アクリル酸:5重量部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン:0.8重量部、溶媒としてトルエン:10重量部、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.1重量部を、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコに投入し、充分に窒素置換を行った後、窒素気流下で撹拌しながら、55℃で12時間重合を行い、アクリル系オリゴマー(「アクリル系オリゴマー(B1)」)を得た。
このアクリル系オリゴマー(B1)について、その重量平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により求めたところ、4.8万であった。また、前記アクリル系オリゴマー(B1)の溶解度パラメータ(SP値)は、8.5[(J/cm31/2]であった。
なお、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系オリゴマー(B1)の溶解度パラメータ(SP値)は、前記式(1)で表されるFedorsの式を利用して求めた。Fedorsの式を利用して求める方法は、前述のように、「コーティングの基礎知識」[著者:原崎勇次、出版社:槇書店、発行日:1988年6月10日(1版6刷)、54〜57ページ]に記載されている。
(実施例1)
アクリル系ポリマー(A1):100重量部に対して、アクリル系オリゴマー(B1):20重量部、粘着付与樹脂(商品名「ナノレットR−1050」ヤスハラケミカル社製):20重量部、可塑剤[商品名「サンソサイザーDIDP」新日本理化株式会社製;フタル酸ジイソデシル(DIDP)]:20重量部、増粘剤としてトルエン:30重量部を配合して、常温(20〜25℃)でホモミキサーにより、約1,000〜2,000rpmの回転速度で約10分間混合し、水分散体の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、下記のポリオレフィン系樹脂製基材の片面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布して、粘着剤層を形成して、粘着テープを作製した。
ポリオレフィン系樹脂製基材:ポリオレフィン系樹脂として商品名「ADFLEX Q−200F)」[サンアロマー社製;リアクターTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー);ホモポリプロピレン/エチレン・プロピレン共重合体=50/50(重量部)]:60重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(商品名「NIPOFELX635」東ソー株式会社製):40重量部、アミノシラン処理したクレー(商品名「TRANSLINK555」ENGELHARD株式会社製):50重量部、フェノール系老化防止剤(商品名「アデカスタブAO−60」旭電化工業株式会社製):1.5重量部、リン系老化防止剤(商品名「アデカスタブHP−10」旭電化工業株式会社製):0.2重量部、モノアマイド系滑剤(商品名「ダイヤミッドL−200」日本化成株式会社製):0.2重量部、造核剤(商品名「アデカスタブNA−11」旭電化工業株式会社製):0.3重量部、重金属不活性剤(商品名「アデカスタブCDA−1」旭電化工業株式会社製):0.2重量部、顔料(商品名「PE−M6220」大日精化工業株式会社;黒):3重量部を配合して、ミキシングロールにて混練し、カレンダーにて厚みが80μmとして製膜して得られるポリオレフィン系樹脂製基材
(実施例2)
アクリル系ポリマー(A1):100重量部に対して、アクリル系オリゴマー(B1):10重量部、粘着付与樹脂(商品名「ナノレットR−1050」ヤスハラケミカル社製):20重量部、可塑剤[商品名「サンソサイザーDIDP」新日本理化株式会社製;フタル酸ジイソデシル(DIDP)]:20重量部、増粘剤としてトルエン:30重量部を配合して、常温(20〜25℃)でホモミキサーにより、約1,000〜2,000rpmの回転速度で約10分間混合し、水分散体の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、実施例1と同様のポリオレフィン系樹脂製基材の片面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布して、粘着剤層を形成して、粘着テープを作製した。
(実施例3)
アクリル系ポリマー(A1):100重量部に対して、アクリル系オリゴマー(B1):20重量部、粘着付与樹脂(商品名「スーパーエステルE−726」荒川化学工業社製):20重量部、軟化剤(可塑剤)[商品名「サンソサイザーTOTM」新日本理化株式会社製;トリメリット酸トリオクチル(TOTM)]:20重量部、増粘剤としてトルエン:30重量部を配合して、常温(20〜25℃)でホモミキサーにより、約1,000〜2,000rpmの回転速度で約10分間混合し、水分散体の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、実施例1と同様のポリオレフィン系樹脂製基材の片面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布して、粘着剤層を形成して、粘着テープを作製した。
(比較例1)
アクリル系ポリマー(A1):100重量部に対して、粘着付与樹脂(商品名「ナノレットR−1050」ヤスハラケミカル社製):20重量部、可塑剤[商品名「サンソサイザーDIDP」新日本理化株式会社製;フタル酸ジイソデシル(DIDP)]:20重量部、増粘剤としてトルエン:30重量部を配合して、常温(20〜25℃)でホモミキサーにより、約1,000〜2,000rpmの回転速度で約10分間混合し、水分散体の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、実施例1と同様のポリオレフィン系樹脂製基材の片面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布して、粘着剤層を形成して、粘着テープを作製した。
(比較例2)
アクリル系ポリマー(A1):100重量部に対して、粘着付与樹脂(商品名「スーパーエステルE−726」荒川化学工業社製):20重量部、軟化剤(可塑剤)[商品名「サンソサイザーTOTM」新日本理化株式会社製;トリメリット酸トリオクチル(TOTM)]:20重量部、増粘剤としてトルエン:30重量部を配合して、常温(20〜25℃)でホモミキサーにより、約1,000〜2,000rpmの回転速度で約10分間混合し、水分散体の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、実施例1と同様のポリオレフィン系樹脂製基材の片面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布して、粘着剤層を形成して、粘着テープを作製した。
(評価)
実施例1〜3および比較例1〜2で得られた粘着テープについて、巻き戻し力、接触タック性、スティックスリップ性を下記の測定方法又は評価方法により評価した。
(巻き戻し力の測定方法)
粘着テープ巻き戻し試験機(装置名「巻き戻し試験機」今田製作所社製)を用いて、室温(23℃)で、送り速度30m/minの条件で巻き戻して、その際の巻き戻し力(N)を測定した。
(接触タック性の評価方法)
粘着テープについての「触感によるタック性(触感タック)」を、従来のポリ塩化ビニル系粘着テープ(商品名「N.2101S」日東電工株式会社製;PVCテープ)と比較して、指タック(指の感触での触感タック)が同等であるかどうかで判断し、下記の評価基準により、接触タック性を評価した。
触感タックの評価基準
◎:従来のPVCテープと比較して、タック性が低く、優れている。
○:従来のPVCテープと比較して、タック性が同等である。
×:従来のPVCテープと比較して、タック性が高く、劣っている。
(スティックスリップ性の評価方法)
粘着テープを、30m/minの引張速度で引き剥がした際に、感覚的にうるさいかどうかで判断し、従来のポリ塩化ビニル系粘着テープ(商品名「N.2101S」日東電工株式会社製;PVCテープ)と比較して、違和感がないかどうかについても判断し、下記の評価基準で評価した。
スティックスリップ性の評価基準
○:ビリッという音がない。
×:ビリッという音がある
Figure 2005170990
表1から明らかなように、実施例1〜3に係る粘着テープは、巻き戻し力が良好であり、タック性も優れており、さらにスティックスリップ現象の発生が抑制されている。従って、優れた巻き付け作業性を発揮させることができる。
しかも、実施例1〜3に係る粘着テープにおける基材は、オレフィン系樹脂により構成されているので、ハロゲン原子を含んでおらず、焼却時などで有害ガスを発生させない。また、無機系難燃剤を含有しており、耐熱性も良好である。
さらにまた、実施例1〜3に係る粘着テープでは、粘着剤層を構成している粘着剤として、アクリル系オリゴマーを含有する水分散型アクリル系粘着剤組成物を用いているので、アクリル系オリゴマーを含有していない水分散型アクリル系粘着剤組成物を用いた場合よりも、ハロゲン原子を含有していない基材(オレフィン系樹脂により形成された基材)に対する接着性が向上している。
従って、実施例1〜3に係る粘着テープは、配線類の結束用粘着テープとして好適に用いることができ、特に、耐熱性が要求される自動車用電線類の結束用粘着テープとして有用である。

Claims (5)

  1. 基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記基材が、ポリオレフィン系樹脂及び無機系難燃剤を含有し且つ実質的にハロゲン原子を含んでおらず、前記粘着剤層が、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対してアクリル系オリゴマー(b)を5〜50重量部含んでいる水分散体を含有する粘着剤により構成されていることを特徴とする粘着テープ。
  2. アクリル系ポリマー(a)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーである請求項1記載の粘着テープ。
  3. アクリル系オリゴマー(b)の重量平均分子量が1万以上10万以下である請求項1又は2記載の粘着テープ。
  4. 粘着剤が、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、さらに、可塑剤5〜100重量部と、粘着付与樹脂5〜100重量部とを含有している請求項1〜3の何れかの項に記載の粘着テープ。
  5. アクリル系ポリマー(a)と、アクリル系オリゴマー(b)との溶解度パラメータ(SP値)の差が、1.0[(J/cm31/2]以上である請求項1〜4の何れかの項に記載の粘着テープ。
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