JP2005145168A - 車輌骨格部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】付形及び焼入れ加工後の中間製品に対し比較的容易にトリム加工やピアス加工等の仕上げ加工を施すことが可能な車輌骨格部材の製造方法を提供する。
【解決手段】加熱によって高温状態にある金属板材を相対的に低温のプレス型を用いてプレスすることにより、金属板材に対して形状付与及び焼入れを同時に行う(ダイクエンチ工程)。ダイクエンチ工程では、前記プレス型によって金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝(16,17及び18)を同時成形しておく。続いて、ダイクエンチで得られた中間製品に対し、前記切り込み溝(16,17及び18)に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すことで最終製品としての車輌骨格部材(例えばルーフサイドレールインナパネル10)を得る。
【選択図】 図3
【解決手段】加熱によって高温状態にある金属板材を相対的に低温のプレス型を用いてプレスすることにより、金属板材に対して形状付与及び焼入れを同時に行う(ダイクエンチ工程)。ダイクエンチ工程では、前記プレス型によって金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝(16,17及び18)を同時成形しておく。続いて、ダイクエンチで得られた中間製品に対し、前記切り込み溝(16,17及び18)に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すことで最終製品としての車輌骨格部材(例えばルーフサイドレールインナパネル10)を得る。
【選択図】 図3
Description
本発明は、車輌骨格部材の製造方法に関する。
例えば乗用自動車の客室空間を構築するための各種ピラーやルーフサイドレール等の車輌骨格部材には、衝突時の安全性を確保するための高い強度と、更なる重量低減とが求められる。このような二律背反的要求(強度向上と重量低減)を両立させるべく、例えば電縫鋼管を所定形状にプレス成形した成形品を高周波誘導加熱により900℃以上の温度に加熱した後、水冷して焼入れを行うという加工手法(いわゆる高周波焼入れ)が、自動車ドア補強材の製造方法として提案されている(特許文献1参照)。尚、特許文献1によれば、高周波焼入れ後の補強材に対し事後的な機械的切断が必要な場合には、鋼管材料が高強度となっているためプレスによる切断は困難であるので、プラズマやレーザ等を使用した溶断或いは砥石による機械的切断が採用される、とのことである。
ところで、一般に人目に触れることが少ない車輌骨格部材であっても、例えばルーフサイドレールのようにドア開口部を構成する骨格部材には、部材の端面に高い加工精度(即ち外形トリム精度)が求められるため、焼入れによって高強度化された後でもトリム加工等の仕上げ加工を施すことが必要となる場合がある。しかしながら、プラズマやレーザを用いた溶断では加工時間が長く設備費も高くつく。砥石による機械的切断も加工時間が長い。また、トリム加工を複数回のプレス切断工程に多工程化して徐々に加工精度を上げていくという分割的トリム加工法も考えられるが、各工程ごとに切刃部の異なる切断用プレス型を準備する必要や、加工対象物が非常に硬いことに起因する切刃部の保守管理の困難性という問題があり、加工コストの増大は避けられない。
本発明の目的は、付形及び焼入れ加工後の中間製品に対し比較的容易にトリム加工(縁取り加工)やピアス加工(孔空け加工)等の仕上げ加工を施すことが可能な車輌骨格部材の製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、金属板材を所定の高温度に加熱する加熱工程と、前記加熱によって高温状態にある金属板材を相対的に低温のプレス型を用いてプレスすることにより金属板材に対して形状付与及び焼入れを同時に行うダイクエンチ工程と、前記ダイクエンチによって得られた中間製品に対してトリム加工又はピアス加工を施す仕上げ工程とを備えた車輌骨格部材の製造方法において、前記ダイクエンチ工程では、前記プレス型によって前記金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝を同時成形し、前記仕上げ工程では、前記切り込み溝に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すことを特徴とする車輌骨格部材の製造方法である。
請求項1の方法によれば、加熱によって高温状態にある金属板材に対し形状付与及び焼入れを行う際にあわせて、その金属板材に対しトリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝が同時成形される。高温状態にある金属板材の強度及び硬度は加熱前よりも大幅に低下するため、ダイクエンチ用のプレス型を用いて当該金属板材にトリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝を同時成形することはたやすい。また、相対的に低温のプレス型による焼入れ効果により、中間製品(プレ成形品)の強度及び硬度は出発材料たる金属板材のそもそもの強度及び硬度に比べて飛躍的に高まるが、中間製品における切り込み溝部分の厚みは、それ以外の部分の厚み(つまり金属板材のそもそもの板厚)よりも薄くなっている。このため、仕上げ工程において、中間製品に付与された切り込み溝に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すときの剪断力は、金属板材のそもそもの板厚相当の部分に対してトリム加工又はピアス加工を施すときの剪断力よりも確実に低減される。それ故、この方法によれば、付形及び焼入れ加工後の中間製品に対し、比較的容易にトリム加工やピアス加工を施すことが可能となる。
請求項2の発明は、金属板材を所定の高温度に加熱する加熱工程と、前記加熱によって高温状態にある金属板材を相対的に低温のプレス型を用いてプレスすることにより金属板材に対して形状付与及び焼入れを同時に行うダイクエンチ工程と、前記ダイクエンチによって得られた中間製品に対してトリム加工又はピアス加工を施す仕上げ工程とを備えた車輌骨格部材の製造方法において、前記ダイクエンチ工程では、前記プレス型によって前記金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った板厚方向への段差を同時成形し、前記仕上げ工程では、前記板厚方向への段差に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すことを特徴とする車輌骨格部材の製造方法である。
請求項2の方法によれば、加熱によって高温状態にある金属板材に対し形状付与及び焼入れを行う際にあわせて、その金属板材に対しトリム又はピアスの予定線に沿った板厚方向への段差が同時成形される。高温状態にある金属板材の強度及び硬度は加熱前よりも大幅に低下するため、ダイクエンチ用のプレス型を用いて当該金属板材にトリム又はピアスの予定線に沿った板厚方向への段差を同時成形することはたやすい。また、相対的に低温のプレス型による焼入れ効果により、中間製品(プレ成形品)の強度及び硬度は出発材料たる金属板材のそもそもの強度及び硬度に比べて飛躍的に高まるが、中間製品における板厚方向への段差部分の厚みは、それ以外の部分の厚み(つまり金属板材のそもそもの板厚)よりも薄くなっている。このため、仕上げ工程において、中間製品に付与された板厚方向への段差に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すときの剪断力は、金属板材のそもそもの板厚相当の部分に対してトリム加工又はピアス加工を施すときの剪断力よりも確実に低減される。それ故、この方法によれば、付形及び焼入れ加工後の中間製品に対し、比較的容易にトリム加工やピアス加工を施すことが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の車輌骨格部材の製造方法において、前記仕上げ工程では、トリム又はピアスの予定線に沿った切刃部を有する別のプレス型を用いて、トリム加工又はピアス加工を施すことを特徴とする。
請求項3の方法によれば、トリム又はピアスの予定線に沿った切刃部を有する別のプレス型を用いて、トリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝又は板厚方向への段差が予め付与された中間製品に対してトリム加工又はピアス加工を行うため、一回のプレス動作でトリム加工又はピアス加工を完了でき、加工時間を短縮できる。また、切刃部付きのプレス型は比較的安価に準備できるため、設備費の増大を招くことがない。
(付記)本発明の更に好ましい態様や追加的構成要件を以下に列挙する。
イ.請求項1〜3において、前記加熱工程における「所定の高温度」とは、850℃〜1050℃の温度であり、前記ダイクエンチ工程における「高温状態にある金属板材」とは、850℃以上の高温状態にある金属板材であること。
イ.請求項1〜3において、前記加熱工程における「所定の高温度」とは、850℃〜1050℃の温度であり、前記ダイクエンチ工程における「高温状態にある金属板材」とは、850℃以上の高温状態にある金属板材であること。
ロ.請求項1〜3において、前記金属板材は、0.18〜0.25wt%の炭素(C)、0.15〜0.35wt%の珪素(Si)、1.15〜1.40wt%のマンガン(Mn)、0.15〜0.25wt%のクロム(Cr)、0.01〜0.03wt%のチタン(Ti)および0.0005〜0.0025wt%のホウ素(B)を少なくとも含有してなる鉄系材料からなると共に、板厚が1.0〜3.2mmの範囲内にあり、引張強度が500〜600MPaの範囲内にある高張力鋼板であること。
上記イ又はロのような場合には、ダイクエンチによる焼入れ効果によって中間製品の強度及び硬度が飛躍的に高まるため、本発明の必要性が非常に高い。
各請求項に記載の車輌骨格部材の製造方法によれば、付形及び焼入れ加工後の中間製品に対し比較的容易にトリム加工やピアス加工を施すことが可能となる。従って、トリム加工やピアス加工といった仕上げ加工の不可欠な車輌骨格部材を、加工に要する時間、設備費及び製造コストを従来よりも大幅に低減しながら確実に製造することができる。
本発明は、例えば図1に示すような乗用自動車の客室空間を構築する各種の車輌骨格部材の製造に適用される。車輌骨格部材には、例えばルーフサイドレール1、ルーフリインフォースメント2、ドアリインフォースメント3、Aピラー4及びBピラー5等がある。このうちのルーフサイドレール1は一般に、室内側に配置されるルーフサイドレールインナパネルと、室外側に配置されるルーフサイドレールアウタパネルとを重ね合わせて構成されている。これらインナ及びアウタパネルの端縁部は、フロント及びリアの各ドアの開口部上縁1aを区画形成すると共に樹脂製又はゴム製のドアオープニングトリムが装着される部位であるため、高い加工精度(いわゆる端面精度)が要求される。以下、ルーフサイドレールインナパネル10の製造方法の具体例を図面に参照しつつ説明する。
図2及び図3(B)は、ルーフサイドレールインナパネル10の最終的な仕上がり状況を示す。最終製品としてのルーフサイドレールインナパネル10は、長尺な本体11と、その本体11の上辺及び下辺においてルーフサイドレールアウタパネル(図示略)と接合されるフランジ状の上側接合部12及び下側接合部13と、前記本体11の中央において直列に並んだ複数の肉抜き孔14とを備えると共に、図3(B)に示すような凹凸状の横断面形状を持った長尺な金属製パネル材である。このような形状のルーフサイドレールインナパネル10は、以下に述べるような複数の工程を経て製造される。
先ず、出発材料として非常に長尺で平らな長方形状の金属板材を準備する。その金属板材は、ダイクエンチ加工用の高張力鋼板(以下「高張力鋼板A」と呼ぶ)として開発されたものであり、0.18〜0.25wt%の炭素(C)、0.15〜0.35wt%の珪素(Si)、1.15〜1.40wt%のマンガン(Mn)、0.15〜0.25wt%のクロム(Cr)、0.01〜0.03wt%のチタン(Ti)、0.0005〜0.0025wt%のホウ素(B)、0.03wt%以下のリン(P)及び0.01wt%以下の硫黄(S)などを含有してなる鉄系材料からなるものである。各添加元素の重量パーセント範囲は高張力鋼板Aにおける品質管理範囲そのものである。この高張力鋼板Aは、融点が約1300〜1400℃であり、1.0〜3.2mmの板厚範囲において500〜600MPaの引張強度を示す。本実施形態では板厚t1=1.6mm、引張強度が590MPaの高張力鋼板Aを使用した。
次に、長尺な高張力鋼板A(板厚:1.6mm,引張強度:590MPa)を加熱装置内に封入し、850℃〜1050℃の範囲内の目標温度(本実施形態では900℃)に加熱した。本実施形態では加熱装置として電気炉を用いると共に、その電気炉内を不活性ガス雰囲気(例えば窒素ガス雰囲気)とし、常温から徐々に温度を上げて前記目標温度に到達させ、若干時間その目標温度を保持した。高張力鋼板Aの目標加熱温度は850℃〜1050℃の範囲内にあることが好ましい。加熱温度が850℃を下回ると、ダイクエンチによる強度向上が不十分となる。他方、加熱温度が1050℃を超えると、温度を高めてもそれに見合うだけのダイクエンチによる強度向上がみられないばかりか、加熱温度を高くしすぎると金属結晶の粗大化が助長され結晶組織の結び付きが却って粗くなり、むしろ強度は低下傾向となる。尚、900℃に加熱された高張力鋼板Aの引張強度は、100MPa程度にまで低下する。
続いて、目標温度に加熱された長尺な高張力鋼板Aを加熱装置から成形用プレス機に高速搬送し、直ちにプレス機によるダイクエンチを施した。即ち、高張力鋼板Aを加熱装置から取り出してプレス機にセットし押圧動作を開始するまでの時間を5秒以内として、プレス直前の高張力鋼板Aの温度が850℃を下回らないように配慮した。他方、成形用プレス機を構成する固定型及び可動型の温度は常温(例えば20〜30℃)のままとした。これは、高温状態の高張力鋼板Aと常温のプレス型との間に相応の温度差を確保して、プレス時に焼入れが効果的に行われることを意図したものである。本実施形態ではプレス圧を約5千MPaに設定すると共に、可動型が上死点位置から下死点位置に移動し再び上死点位置に復帰するまでの一押圧工程に要する時間を5秒以内とした。このダイクエンチにより、図3(A)に示すような中間製品(ルーフサイドレールインナパネル10のプレ成形品)を得た。
ダイクエンチに用いた成形用プレス機の固定型及び可動型のうちの一方(本実施形態では可動型の方)には、プレス時に高張力鋼板Aに対して切り込み溝(16,17,18)を成形するための線状あるいは環状の突条(又は一群の突部)が設けられている。このため、図3(A)の横断面図に示すように、中間製品の上辺部、本体部及び下辺部にはそれぞれ、ダイクエンチと同時に切り込み溝(16,17,18)が付与される。高温状態にある高張力鋼板Aの強度及び硬度は加熱前よりも大幅に低下しているため、切り込み溝の同時成形はたやすい。
中間製品の上辺部及び下辺部にそれぞれ付与された切り込み溝16,17は、後記仕上げ工程におけるトリム加工(縁取り加工)の予定線に沿って線状に延びている。つまり、上辺部の切り込み溝16は最終製品における上側接合部12と残材12a(即ち切り離されるべき余分なバリ材、以下同じ)との境界に位置し、下辺部の切り込み溝17は最終製品における下側接合部13と残材13aとの境界に位置する。また、中間製品の本体部に付与された切り込み溝18は、後記仕上げ工程におけるピアス加工(孔空け加工)の予定線に沿って閉環状に延びている。つまり、本体部の切り込み溝18は最終製品における本体11と残材14a(即ち肉抜き孔14を埋める余材)との境界に位置する。
図4に示すように、本体部の切り込み溝18は断面くさび形をなし、その切り込み深さdは約1.0mmである。従って、本体部の厚さt1(高張力鋼板Aの厚さt1=1.6mm)に対して切り込み溝18の最深部における残厚t2は約0.6mmとなる。この約0.6mmという残厚t2は、プレス機から残材付きプレ成形品(中間製品)を取り出す際に、その残材付きプレ成形品が意に反する変形、つまり次の仕上げ加工に支障を来すほどの過度な変形を生じることを回避することが可能な厚みである。上辺部及び下辺部の切り込み溝16,17における切り込み深さd及び残厚t2も、切り込み溝18とほぼ同じ値に設定されている。
プレス機から取り出した直後の中間製品の温度は100〜200℃であるが、その後、自然放冷することで常温近くに達する。なお、プレス機から取り出した際、中間製品のスプリングバック(型外し後に製品形状が部分的に形戻りする現象)はほとんど見られなかった。また、高張力鋼板Aに対する焼入れ効果により、中間製品の本体部の引張強度は約1470MPaに向上した。
最後に、図3(A)の中間製品に対して切り込み溝16,17に沿ったトリム加工及び切り込み溝18に沿ったピアス加工を施した。本実施形態では、トリム予定線及びピアス予定線に沿った複数の切刃部を有する仕上げ加工用の第2のプレス型を用いて仕上げ加工を行うことにより、中間製品から全ての残材12a,13a,14aを一度に切り離し、トリム加工とピアス加工とを一回限りのプレス動作で同時に完了した。こうして、図2及び図3(B)に示すような最終製品としてのルーフサイドレールインナパネル10を仕上げた。
以上説明したように本実施形態によれば、付形(形状付与)と焼入れとを同時に行うダイクエンチによって中間製品の強度及び硬度は出発材料たる高張力鋼板Aのそもそもの強度及び硬度に比べて飛躍的に高まるが、ダイクエンチ時には中間製品に対して上述のような切り込み溝16〜18が同時成形され、各切り込み溝部分の残厚t2は、それ以外の部分の厚さt1よりも明らかに薄くなる。それ故、第2のプレス機を用いて中間製品に付与された切り込み溝16〜18に沿ってトリム加工及びピアス加工を施すときの剪断力は、厚さt1の部分に対してトリム加工やピアス加工を施すときの剪断力よりも確実に低減される。従って本実施形態によれば、付形及び焼入れ加工後の中間製品に対し、比較的容易にトリム加工やピアス加工を施すことができる。
また、本実施形態によれば、仕上げ加工用の第2のプレス型による一回限りのプレス動作で中間製品に対するトリム加工及びピアス加工を完了できるため、加工時間を大幅に短縮することができる。切刃部付きの第2のプレス型についても、型作製のコストは比較的安く済み、設備費の増大を招くこともない。更に、本実施形態で得られた最終製品としてのルーフサイドレールインナパネル10は、スプリングバックもなく寸法精度にも優れているため、ドアの開口部上縁1aを区画する部分の端面精度は高い。
(変更例)本発明の実施形態を以下のように変更してもよい。
上記実施形態では、図4に示すように切り込み溝18等の断面形状を二等辺三角形状のくさび形としたが、これに代えて、図5(A)及び(B)に示すように、切り込み溝Gの断面形状を直角三角形状のくさび形としてもよい。また、図5(C)及び(D)に示すように、切り込み溝Gは金属板材の表側及び裏側の双方に形成されてもよい。
上記実施形態では、図4に示すように切り込み溝18等の断面形状を二等辺三角形状のくさび形としたが、これに代えて、図5(A)及び(B)に示すように、切り込み溝Gの断面形状を直角三角形状のくさび形としてもよい。また、図5(C)及び(D)に示すように、切り込み溝Gは金属板材の表側及び裏側の双方に形成されてもよい。
上記実施形態では、成形用プレス機によるダイクエンチ時に金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝16〜18を同時成形したが、そのような切り込み溝に代えて、例えば図6(A)及び(B)に示すように、金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った段差Sを同時成形してもよい。金属板材の表側及び裏側における各段差Sは、プレス機による押圧時に金属板材を部分的に剪断した結果、金属板材が板厚t1の方向にずれを生じてできたものであり、段差Sにおける残厚t2は金属板材のそもそもの板厚t1よりも薄い。このような段差Sも、仕上げ加工用の第2のプレス型を用いた中間製品のトリム加工又はピアス加工における剪断力の低減に貢献する。
上記実施形態では、成形用プレス機を構成する固定型及び可動型の温度を常温に設定したが、冷却手段(例えば水冷パイプ等)を用いて固定型及び可動型を常温よりも低い温度に保つようにしてもよい。このように積極的冷却を行うことで高温状態の高張力鋼板Aとプレス型との間の温度差が大きくなり、ダイクエンチ時の焼入れ効果を上記実施形態の場合よりも高めることが可能となる。
(定義)本明細書において「車輌骨格部材」とは、ルーフサイドレール1、ルーフリインフォースメント2、ドアリインフォースメント3、Aピラー4及びBピラー5等に代表される本来の車輌骨格部材はもちろんのこと、その他に、バンパーリインフォースメントやドアビーム等に代表される車輌用衝突補強材のような車輌骨格部材に類する部材をも含むものである。
10…ルーフサイドレールインナパネル(車輌骨格部材)、16,17…トリム加工用の切り込み溝、18…ピアス加工用の切り込み溝、G…切り込み溝、S…板厚方向への段差、t1…板厚、t2…残厚。
Claims (3)
- 金属板材を所定の高温度に加熱する加熱工程と、
前記加熱によって高温状態にある金属板材を相対的に低温のプレス型を用いてプレスすることにより金属板材に対して形状付与及び焼入れを同時に行うダイクエンチ工程と、
前記ダイクエンチによって得られた中間製品に対してトリム加工又はピアス加工を施す仕上げ工程とを備えた車輌骨格部材の製造方法において、
前記ダイクエンチ工程では、前記プレス型によって前記金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った切り込み溝を同時成形し、前記仕上げ工程では、前記切り込み溝に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すことを特徴とする車輌骨格部材の製造方法。 - 金属板材を所定の高温度に加熱する加熱工程と、
前記加熱によって高温状態にある金属板材を相対的に低温のプレス型を用いてプレスすることにより金属板材に対して形状付与及び焼入れを同時に行うダイクエンチ工程と、
前記ダイクエンチによって得られた中間製品に対してトリム加工又はピアス加工を施す仕上げ工程とを備えた車輌骨格部材の製造方法において、
前記ダイクエンチ工程では、前記プレス型によって前記金属板材に対してトリム又はピアスの予定線に沿った板厚方向への段差を同時成形し、前記仕上げ工程では、前記板厚方向への段差に沿ってトリム加工又はピアス加工を施すことを特徴とする車輌骨格部材の製造方法。 - 前記仕上げ工程では、トリム又はピアスの予定線に沿った切刃部を有する別のプレス型を用いて、トリム加工又はピアス加工を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌骨格部材の製造方法。
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